特許第6248805号(P6248805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248805
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】通信料金に係る通信量情報の通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20171211BHJP
   H04M 15/12 20060101ALI20171211BHJP
   H04W 4/24 20090101ALI20171211BHJP
【FI】
   H04M15/00 G
   H04M15/00 B
   H04M15/12
   H04W4/24
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-104630(P2014-104630)
(22)【出願日】2014年5月20日
(65)【公開番号】特開2015-220685(P2015-220685A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 浩幸
【審査官】 松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2002/082336(JP,A1)
【文献】 特開2007−189611(JP,A)
【文献】 特開2004−153455(JP,A)
【文献】 特開平11−088505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
15/00−15/38
99/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用途に使用する通信装置における通信料金に係る通信量情報の通知方法であって、
前記複数の用途のいずれかに対応する特定通信先に係る情報および前記通信量情報を通知する通信量情報通知先に係る情報を対応付けて予め登録しておく特定通信先登録ステップと、
前記通信装置が前記特定通信先との通信を実行する毎に、通信時間もしくは通信データ量を計測する通信量計測ステップと、
前記計測した通信時間もしくは通信データ量を含む通信量情報または前記計測した通信時間もしくは通信データ量の積算値を含む通信量情報を、定期的または非定期に、前記特定通信先に対応する通信量情報通知先へ通知する通信量情報通知ステップと、を有することを特徴とする通信料金に係る通信量情報の通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話における通話料金の登算処理に関し、特に通話先や用途によって通話料金の登算・課金処理を切替える方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ワークスタイルのモバイル化が加速するのに伴い、プライベートで使用する個人の携帯電話やスマートフォンを会社の業務に利用する機会が増え、通話料金の登算など通話料金の管理が問題となっている。
【0003】
上述の問題を解決するため、特許文献1には、携帯端末を管理する管理者側の移動通信交換局が、予め当該携帯端末と通話相手の電話番号と課金先を対応付けて登録し、当該携帯端末と通話相手とが通話すると該通話に係る通話料金を対応する課金先へ切り替える技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−305608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1の技術は、管理者側のサービスであって、ユーザ(加入者)は当該携帯端末の通信事業者が運営する料金分割課金サービスに加入しなければならない。また、例えば、一時的に会社用の電話機として移動通信交換局に電話番号が登録されていない宛先と通話しようとした場合、ユーザは、管理者に課金先を切替える申請しなければならず非常に煩雑である。
【0006】
本発明は、上記課題について鑑みなされたものであってその目的は、料金分割課金サービスに加入しなくとも、用途に応じた通話料金の登算および課金を行うことが可能な課金方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明は、複数の用途に使用する通信装置における通信料金に係る通信量情報の通知方法であって、前記複数の用途のいずれかに対応する特定通信先に係る情報および前記通信量情報を通知する通信量情報通知先に係る情報を対応付けて予め登録しておく特定通信先登録ステップと、前記通信装置が前記特定通信先との通信を実行する毎に、通信時間もしくは通信データ量を計測する通信量計測ステップと、前記計測した通信時間もしくは通信データ量を含む通信量情報または前記計測した通信時間もしくは通信データ量の積算値を含む通信量情報を、定期的または非定期に、前記特定通信先に対応する通信量情報通知先へ通知する通信量情報通知ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末は、特定の通話先と通話すると所定の通知先に通話時間を含む通話情報を通知し、通話情報を受信した通知先は、当該通話時間から通話料金を登算し対応する課金先に課金する。したがって、ユーザは、料金分割課金サービスに加入せずに用途に応じた通話料金の登算および課金を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る全体構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るプライベート用携帯電話の機能ブロック図である。
図3】通話情報通知先記憶部の登録内容を模式的に表した図である。
図4】発信履歴記憶部の記録内容を模式的に表した図である。
図5】本発明の実施形態に係る通信情報通知処理に至るシーケンス図ある。
図6】本発明の実施形態に係るプライベート用携帯電話の処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は本発明の実施形態に係る全体構成図である。
【0012】
図示するように、本発明の全体構成は、本発明の発明対象であるプライベート用携帯電話100と、プライベート用携帯電話100が帰属する基地局300と、基地局300が接続する携帯電話網およびLAN(Local Area Network)等ネットワーク網を含む通信網400と、通信網400と接続するビジネス用電話機500と、通信履歴情報通知先装置200とから構成される。
【0013】
プライベート用携帯電話100は一般的な個人契約の携帯電話機であり、非特定な相手と通信が可能である。
【0014】
通信履歴情報通知先装置200は、プライベート用携帯電話100から通信情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間)を受信可能な通信処理装置である(例えば会社における構内交換機)。通信履歴情報通知先装置200は、プライベート用携帯電話100から通信情報を受信すると、プライベート用携帯電話100が予め許可した携帯電話か否か認証処理を行う。そして、プライベート用携帯電話100が予め許可した携帯電話であった場合に、通信履歴情報通知先装置200は、受信した通信情報と予め自装置に登録された発信先電話番号をもとに通話料金を登算する。そして、通信履歴情報通知先装置200は、予めプライベート用携帯電話100毎に課金先を管理し、登算した通話料金を対応する課金先(例えば、会社の経理部門)に課金する。課金先は、予め当該プライベート用携帯電話100のユーザの銀行口座を管理し、通知された通話料金を当該ユーザの銀行口座に振り込むことにより、料金分割課金サービスに加入しなくとも同等のサービスを実現する。
【0015】
尚、本実施例では、通信履歴情報通知先装置200が、プライベート用携帯電話100の通話料金を登算して課金先に課金しているが本願はこれに限定しない。例えば、通信履歴情報通知先装置200が、プライベート用携帯電話100を所持するユーザの銀行口座を予め登録しておき、一括して処理するようにしてもよい。
【0016】
さらに、プライベート用携帯電話100が自らプライベート用携帯電話100の通話料金を登算し、課金先から認証許可を受信するとプライベート用携帯電話100を所持するユーザの銀行口座に送金する送金処理を実行するようにしてもよい。
【0017】
ビジネス用電話機500は、企業、オフィス等に設置し業務で使用する電話機、または複数の回線と内線電話機を収容する電話装置である。
【0018】
図2は本発明の実施形態に係るプライベート用携帯電話100の機能ブロック図である。
【0019】
図示するように、プライベート用携帯電話100は、アンテナ101と、無線通信制御部102と、呼制御部103と、発信履歴記憶部104と、通話処理部105と、端末制御部106と、マンマシンインターフェース部107と、終話検知部108と、通話情報生成部109と、通話情報通知先記憶部110と、通話情報通知部111と、を備えている。
【0020】
アンテナ101は、基地局300との間で電波を送受信するアンテナである。
【0021】
無線通信制御部102は、プライベート用携帯電話100の無線通信処理に関わる制御全般を行い、基地局300との間で無線通信路の確立を行う。
【0022】
呼制御部103は、プライベート用携帯電話100の呼接続処理に関わる制御全般を行い、無線通信路を介し通信網400に接続された通信機器との間で通信呼の呼接続及び呼切断を行う。
【0023】
発信履歴記憶部104には、プライベート用携帯電話100からの発信通話情報が記憶される。図4は、発信履歴記憶部104の記録内容を模式的に表した図である。
【0024】
発信通話履歴記憶テーブル1040は、本発明の実施形態に係るプライベート用携帯電話100からの発信通話履歴情報を記録するテーブルである。発信通話履歴記憶テーブル1040は発信通話情報毎にレコード1045が記憶される。またレコード1045は、レコードNo.フィールド1041と、発信先電話番号を記録するフィールド1042と、通信開始時間を記録するフィールド1043と、通信終了時間を記録するフィールド1044と、を有する。呼制御部103は、プライベート用携帯電話100から発信し通話路を確立した場合に、当該通話の発信先電話番号をフィールド1042に、通話を開始した時間をフィールド1043にそれぞれ登録する。さらに、呼制御部103は、通話が解除される(終話する)と通話を終了した時間をフィールド1044に登録する。
【0025】
通話処理部105は、音声データの符号化・復号化処理を行う。
【0026】
端末制御部106は、キー及び液晶パネルのタッチ情報などの入力情報処理と、液晶パネル表示やスピーカ出力情報処理を行う。
【0027】
マンマシンインターフェース部107は、音声データおよび画像データを出力し、操作者からの発着信操作および音声データ等の入力を受け付ける入出力インターフェースである。マンマシンインターフェース部107は、例えば液晶パネル、スピーカ等の出力装置と、マイク、キー、ポインティングデバイス、タッチセンサ等の入力装置等である。
【0028】
終話検知部108は、呼制御部103を監視し、通話中の自己切断または相手切断による終話検知を行う。終話を検知すると、終話検知部108は、終話した通話がプライベート用携帯電話100からの発信によって確立した通話か否かを判定する。プライベート用携帯電話100からの発信によって確立した通話であった場合、終話検知部108は、通話情報生成部109に通話情報の生成を指示する。
【0029】
通話情報生成部109は、終話検知部108より通話情報の生成の指示を受けたならば、発信履歴記憶部104の発信通話履歴記憶テーブル1040を参照して通話情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間を含む)を生成する。さらに、通話情報生成部109は、発信通話履歴記憶テーブル1040の発信先電話番号フィールド1042の電話番号が、後述する通話情報通知先テーブル1100に登録されているか判定し、登録されている場合に、当該電話番号に対応する通話情報の通知先を決定する。通話情報生成部109は通話情報通知部111に前記通知先に対する前記通話情報の通知を指示する。
【0030】
通話情報通知先記憶部110には、予めユーザ操作により通話先電話番号毎に通信履歴情報の通知先が登録される。図3は、通話情報通知先記憶部110の登録内容を模式的に表した図である。通話情報通知先テーブル1100は、本発明の実施形態に係る電話番号毎に通信情報通知先を予め登録されたテーブルである。通話情報通知先テーブル1100は通知先を決定する情報としてレコード1104が登録される。レコード1104は、レコードNo.フィールド1101と、通話先電話番号フィールド1102と、フィールド1102の電話番号毎の通信情報通知先が登録される通知先フィールド1103と、を有する。
【0031】
通話情報生成部109は、終話検知部108から通話情報の生成を指示されると、発信履歴記憶部104の最新レコード1045を抽出し、抽出したレコードの発信先電話番号フィールド1042に記録されている発信先電話番号と、通話情報通知先記憶部110の通話先電話番号フィールド1102に予め登録されている通話先電話番号が一致するかを、全レコード1104に対し比較参照する。
【0032】
発信先電話番号と通話先電話番号が一致する場合、通話情報生成部109は、通話先電話番号が一致するレコードの通知先フィールド1103に登録されている通知先を抽出し、抽出した通知先に送信するための通話情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間)を生成する。そして、通話情報生成部109は、通話情報通知部111に生成した通話情報を渡すと共に通知先への通話情報通知を指示する。
【0033】
発信先電話番号と通話先電話番号が一致しない場合、通話情報生成部109は 通話情報通知部111に対して何も指示は行わない。
【0034】
通話情報通知部111は、通話情報生成部109から生成された通話情報を渡されると共に通話情報通知の指示を受けると、渡された通話情報を、無線通信制御部102で確立した無線通信路を介し通話情報を通知する。
【0035】
図5は、本発明の実施形態に係る通信情報通知処理に至るシーケンス図である。図2に示す、プライベート用携帯電話100の機能ブロック図の動きと交えてシーケンス動作を説明する。尚、本フローは、プライベート用携帯電話100とビジネス用電話機500が通話中の状態から開始する(S101)。
【0036】
プライベート用携帯電話100は、通話中にユーザの切断操作を検知すると端末制御部106からの切断を受けた呼制御部103により、通話の切断処理を行う(S102)。
【0037】
そして、プライベート用携帯電話100は、切断処理した呼について発信通話履歴記憶テーブル1040の更新を行う(S103)。
【0038】
次に、プライベート用携帯電話100は、更新した発信通話履歴記憶テーブル1040から最新の発信先電話番号を抽出し(S104)、通話情報通知先テーブル1100の通話先電話番号フィールド1102をレコードの先頭から参照し(S105)、電話番号が一致した通知先を特定し(S106)、通話情報通知を生成する(S107)。さらに、プライベート用携帯電話100は、生成した通話情報通知を通信履歴情報通知先装置200に通知する(S108)。
【0039】
通信履歴情報通知先装置200は、プライベート用携帯電話100から通話情報通知を受信すると記憶する(S109)。
【0040】
図6は、本発明の実施形態に係るプライベート用携帯電話100の処理フローチャートである。尚、本フローはプライベート用携帯電話100が通話相手に発信して呼が確立した通話中の状態から開始する。
【0041】
プライベート用携帯電話100は、通話中の呼を監視し、通話中の呼が切断されるのを待つ(S201)。
【0042】
通話中の呼が切断されると(S201:Yes)、プライベート用携帯電話100は、通話中の呼を切断処理する(S202)。そしてプライベート用携帯電話100は、発信通話履歴記憶テーブル1040を更新する(S203)。
【0043】
続いて、プライベート用携帯電話100は、発信通話履歴記憶テーブル1040から最新の発信先電話番号を抽出する(S204)。次にプライベート用携帯電話100は、通話情報通知先テーブル1100の通話先電話番号フィールド1102にステップ204で抽出した発信先電話番号と同一のものが存在するかレコードの先頭から比較参照していき(S205)、一致する電話番号が存在した場合(S206:Yes)は、そのレコードの通知先を抽出する(S207)。そしてプライベート用携帯電話100は、S203で追加された1レコード分を通話情報として生成し、ステップ207で抽出した通知先との接続を図り、通知先へ通話情報の送信を行う(S208)。
【0044】
プライベート用携帯電話100は、ステップ205の比較参照にて、もしも一致する電話番号が存在しなかった場合(S206:No)は、通話情報を通知する必要が無いと判断し、通知処理は行われない。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0046】
本実施の形態において、プライベート用携帯電話100が通話中から呼の切断を受けた場合、呼制御部103はその呼の通話情報を発信通話履歴記憶テーブル1040に記憶する。プライベート用携帯電話100は、発信通話履歴記憶テーブル1040から最新の発信先電話番号を抽出し、その発信先電話番号と予めユーザ操作により通話情報通知先テーブル1100に登録している通話先電話番号をレコードの先頭から参照し、電話番号が一致したレコードの通知先を抽出し、通話情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間)を生成する。
【0047】
そしてプライベート用携帯電話100は通話情報通知部111により無線通信制御部102を起動し無線通話路を確立し、前記抽出した通知先と接続することにより、前記通話情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間)の送信を行う。
【0048】
前記通知先である通信履歴情報通知先装置200は、通知された通信情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間)をもとに料金登算を行い、プライベート用携帯電話100の特定な通信相手の課金先を管理する。
【0049】
したがって本実施の形態によれば、したがって、ユーザは、料金分割課金サービスに加入せずに用途に応じた通話料金の登算および課金を行うことが可能となる。
【0050】
尚、本実施の形態においては、通知先への送信情報として通話情報(発信先電話番号、通信開始時間、通信終了時間)を挙げているが、接続から切断までに発生した通信量情報であっても構わない。その場合プライベート用携帯電話100は、通信接続開始から切断までの通信量を蓄積しておき、切断操作により蓄積された通信量情報を通知先に送信することで可能となる。
【符号の説明】
【0051】
100:プライベート用携帯電話、200:通信履歴情報通知先装置、300:基地局、400:通信網、500:ビジネス用電話機、101:アンテナ、102:無線通信制御部、103:呼制御部、104:発信履歴記憶部、105:通話処理部、106:端末制御部、107:マンマシンインターフェース部、108:終話検知部、109:通話情報生成部、110:通話情報通知先記憶部、111:通話情報通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6