特許第6248812号(P6248812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248812
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   G03G21/00 312
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-109820(P2014-109820)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-225207(P2015-225207A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年3月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【弁理士】
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】木下 健
【審査官】 岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−174817(JP,A)
【文献】 特開2002−341650(JP,A)
【文献】 特開平6−167882(JP,A)
【文献】 特開2005−189346(JP,A)
【文献】 特開2009−116143(JP,A)
【文献】 特開平5−113717(JP,A)
【文献】 特開2012−073436(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0262174(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持部材の表面から除去されたトナーを排出させるトナー排出用ユニットに、前記のトナーを回収するトナー回収ユニットを着脱可能に装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させ、連通されたトナー排出口とトナー回収口とを通して、前記のトナーをトナー排出用ユニットからトナー回収ユニットに回収させる画像形成装置において、前記のトナー回収ユニットに、前記のトナー回収口に対応した開口部を有するシール部材を取り付け、このシール部材によりトナー排出口とトナー回収口とが連通されたトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を密封させるにあたり、このシール部材を、トナー回収ユニットにおけるトナー回収口の周辺部分に取り付けられる弾性部材と、この弾性部材の表面を覆うようにして弾性部材の表面に摺動可能な状態で取り付けられるシート部材とで構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記のトナー回収ユニットを前記のトナー排出用ユニットの下でスライドさせて、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下に着脱可能に装着させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記のシール部材における弾性部材に設ける開口部の位置とシート部材に設ける前記の開口部の位置とをずらせ、前記のトナー回収ユニットをトナー排出用ユニットに装着させた状態で、弾性部材における開口部とシート部材における開口部の位置とが合致するようにしたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置に関するものである。特に、感光体や中間転写ベルト等の像保持部材の表面から除去されたトナーを排出させるトナー排出用ユニットに、前記のトナーを回収するトナー回収ユニットを着脱可能に装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させ、連通されたトナー排出口とトナー回収口とを通して、前記のトナーをトナー排出用ユニットからトナー回収ユニットに回収させるようにした画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンター、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、感光体や中間転写ベルト等の像保持部材に形成されたトナー像を転写させた後、この像保持部材に残留するトナーを除去し、このように除去したトナーをトナー排出用ユニットに導くようにしている。
【0003】
そして、このトナー排出用ユニットにトナー回収ユニットを着脱可能に装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させ、前記のようにトナー排出用ユニットに導かれたトナーを、連通されたトナー排出口とトナー回収口とを通して、トナー排出用ユニットからトナー回収ユニットに回収させるようにしている。
【0004】
ここで、前記のようにトナー排出用ユニットに導かれたトナーを、連通されたトナー排出口とトナー回収口とを通して、トナー排出用ユニットからトナー回収ユニットに回収させるにあたり、前記のトナー排出口とトナー回収口との間に隙間があると、前記のトナーがこの隙間から飛散して画像形成装置内が汚れたりする等の問題があった。
【0005】
このため、従来においては、トナー回収ユニットにおけるトナー回収口の周辺部分に、トナー回収口に対応した開口部を有する弾性部材からなるシール部材を設け、トナー排出用ユニットにトナー回収ユニットを装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させる際に、このシール部材をトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間で押圧させて、このシール部材によりトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を密封させるようにしたものが用いられている。
【0006】
しかし、このようにトナー回収口の周辺部分にトナー回収口に対応した開口部を有する弾性部材からなるシール部材を設け、このシール部材をトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間で押圧させるようにして、このトナー回収ユニットをシール部材の押圧方向と交差する方向にスライドさせてトナー排出用ユニットに装着させるようにした場合、前記のシール部材がトナー排出用ユニットに引っ張られて変形し、トナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を適切に密封させることができなくなり、またシール部材における開口部の位置がトナー回収ユニットにおけるトナー回収口の位置からずれて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口から排出されたトナーがトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口に適切に導かれなくなる等の問題があった。
【0007】
このため、特許文献1に示されるように、前記のシール部材として、弾性部材間にシート部材を挟持させるようにして、複数の弾性部材とシート部材とを積層させたものを用い、前記のようにトナー回収ユニットを、シール部材の押圧方向と交差する方向にスライドさせてトナー排出用ユニットに装着させる場合に、シール部材がトナー排出用ユニットに引っ張られて変形するのを抑制するようにしたものが提案されている。
【0008】
しかし、特許文献1に示されるものにおいても、前記のようにトナー回収ユニットを、シール部材の押圧方向と交差する方向にスライドさせてトナー排出用ユニットに装着させるようにした場合、依然として、シール部材全体が引っ張られて変形し、前記のような問題を十分に解決することができず、またトナー排出用ユニットと接触する前記のシール部材における弾性部材が、トナー排出用ユニットに引っ張られて破損したりするという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013−174817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、像保持部材の表面から除去されたトナーを排出させるトナー排出用ユニットに、前記のトナーを回収するトナー回収ユニットを着脱可能に装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させ、連通されたトナー排出口とトナー回収口とを通して、前記のトナーをトナー排出用ユニットからトナー回収ユニットに回収させるようにした画像形成装置における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
そして、本発明においては、前記のような画像形成装置において、前記のようにトナー回収ユニットにおけるトナー回収口の周辺部分に、トナー回収口に対応した開口部を有するシール部材を設け、トナー排出用ユニットにトナー回収ユニットを装着させ、このシール部材をトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間で押圧させて、このシール部材によりトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を密封させるにあたり、トナー回収ユニットをシール部材の押圧方向と交差する方向にスライドさせて、トナー排出用ユニットに装着させるようにした場合においても、シール部材全体が変形するのを適切に抑制できるようにすると共に、シール部材における弾性部材が、トナー排出用ユニットに強く引っ張られて破損したりするのを適切に防止することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明においては、前記のような課題を解決するため、像保持部材の表面から除去されたトナーを排出させるトナー排出用ユニットに、前記のトナーを回収するトナー回収ユニットを着脱可能に装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させ、連通されたトナー排出口とトナー回収口とを通して、前記のトナーをトナー排出用ユニットからトナー回収ユニットに回収させる画像形成装置において、前記のトナー回収ユニットに、前記のトナー回収口に対応した開口部を有するシール部材を取り付け、このシール部材によりトナー排出口とトナー回収口とが連通されたトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を密封させるにあたり、このシール部材を、トナー回収ユニットにおけるトナー回収口の周辺部分に取り付けられる弾性部材と、この弾性部材の表面を覆うようにして弾性部材の表面に摺動可能な状態で取り付けられるシート部材とで構成した。
【0013】
このように、トナー回収ユニットにトナー回収口に対応した開口部を有するシール部材を取り付け、このシール部材によりトナー排出口とトナー回収口とが連通されたトナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を密封させるにあたり、このシール部材を、トナー回収ユニットにおけるトナー回収口の周辺部分に取り付けられる弾性部材と、この弾性部材の表面を覆うようにして弾性部材の表面に摺動可能な状態で取り付けられるシート部材とで構成すると、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットに装着させて、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口とトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口とを連通させる際に、シール部材における弾性部材がトナー排出用ユニットに接触せずに、この弾性部材の表面に摺動可能な状態で取り付けられたシート部材がトナー排出用ユニットに接触した状態で、トナー回収ユニットがトナー排出用ユニットに装着されるようになる。
【0014】
そして、本発明の画像形成装置において、前記のトナー回収ユニットを前記のトナー排出用ユニットの下でスライドさせて、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下に着脱可能に装着させるようにした場合、シール部材におけるシート部材がトナー排出用ユニットに接触し、このシート部材が弾性部材の表面において摺動するようになり、シール部材における弾性部材がトナー排出用ユニットに接触して強く引っ張られるということがなく、トナー回収ユニットがトナー排出用ユニットの下に装着されるようになる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置においては、前記のシール部材における弾性部材とシート部材とに開口部を設けるにあたり、弾性部材に設ける開口部の位置とシート部材とに設ける前記の開口部の位置をずらせ、前記のトナー回収ユニットをトナー排出用ユニットに装着させた状態で、弾性部材における開口部とシート部材における開口部の位置とを合致させるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成装置においては、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットに装着させる際に、前記のシール部材において弾性部材の表面に摺動可能な状態で取り付けられたシート部材がトナー排出用ユニットに接触するようになり、前記のようにトナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下でスライドさせて、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下に着脱可能に装着させるようにした場合においても、シール部材におけるシート部材が弾性部材の表面において摺動し、シール部材における弾性部材がトナー排出用ユニットに接触して強く引っ張られるということがなく、トナー回収ユニットがトナー排出用ユニットの下に適切に装着されるようになる。
【0017】
この結果、本発明の画像形成装置においては、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下でスライドさせて、トナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下に着脱可能に装着させる場合に、従来のように、シール部材全体がトナー排出用ユニッに引っ張られて大きく変形するのが防止され、トナー排出用ユニットとトナー回収ユニットとの間を適切に密封させることができると共に、シール部材における開口部の位置が、トナー回収ユニットにおけるトナー回収口の位置からずれるのも抑制され、トナー排出用ユニットに設けられたトナー排出口から排出されたトナーがトナー回収ユニットに設けられたトナー回収口に適切に導かれるようになり、さらにトナー回収ユニットをトナー排出用ユニットの下に装着させる際に、シール部材における弾性部材がトナー排出用ユニットに強く引っ張られて破損したりするということもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置において画像形成を行う状態を示した概略断面図である。
図2】前記の実施形態に係る画像形成装置において、第1クリーニング装置に感光体の表面から回収したトナーを搬送させる第1搬送部を設けた状態を示した部分説明図である。
図3】前記の実施形態に係る画像形成装置において、現像装置に現像装置内における現像剤の一部を搬送させる第2の搬送部を設けた状態を示した部分説明図である。
図4】前記の実施形態に係る画像形成装置において、第2クリーニング装置によって中間転写ベルトから回収したトナーを搬送させる第3搬送部におけるトナーの搬送方向下流側にトナー排出用ユニットを設けた状態を示した部分説明図である。
図5】前記の実施形態に係る画像形成装置に使用するトナー回収ユニットを示した概略斜視図である。
図6】前記の実施形態に係る画像形成装置に使用するトナー回収ユニットにおいて、トナー排出用ユニットの下に装着させる回収部に、弾性部材とシート部材からなるシール部材を設けた状態を示した部分概略斜視図である。
図7】前記の実施形態に係る画像形成装置に使用するトナー回収ユニットの回収部にシール部材を設けるにあたり、弾性部材に設ける開口部の位置とシート部材に設ける開口部の位置とをずらせた状態を示した部分概略平面図である。
図8】前記の実施形態に係る画像形成装置において、トナー排出用ユニットの下にトナー回収ユニットにおける回収部を装着させる工程を示し、(A)はトナー排出用ユニットの下にトナー回収ユニットにおける回収部を導く状態を示した部分断面説明図、(B)はトナー排出用ユニットの下にトナー回収ユニットにおける回収部を装着させた状態を示した部分断面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0020】
この実施形態に係る画像形成装置においては、図1に示すように、装置本体1内に4つの感光体11を設けると共に、各感光体11に対応させて、感光体11の表面を帯電させる帯電装置12と、現像剤を収容させて感光体11にトナー像を形成する現像装置13と、感光体11に形成されたトナー像を後述する中間転写ベルト(像保持部材)16に転写させた後、感光体11の表面に残留するトナーを回収する第1クリーニング装置14とを設けている。
【0021】
そして、4つの感光体11に対応させて設けた各現像装置13においては、それぞれ現像剤中におけるトナーの色彩を異ならせ、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色のトナーを収容させている。
【0022】
なお、図1においては、前記の感光体11と、帯電装置12と、現像装置13と、第1クリーニング装置14とを個別に示しているが、この画像形成装置においては、これらを一体として設けたイメージングユニット10の状態で、装置本体1内に着脱自在な状態で装着させるようにしている。
【0023】
そして、この実施形態に係る画像形成装置において、前記の各イメージングユニット10を装置本体1内に装着させて、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、前記の各感光体11を回転させて、各感光体11の表面をそれぞれ帯電装置12によって帯電させ、このように帯電された各感光体11の表面に対して、潜像形成装置15により画像形成情報に従った露光を行い、各感光体11の表面にそれぞれ静電潜像を形成するようにしている。
【0024】
次いで、このように静電潜像が形成された各感光体11に対して、それぞれ対応する現像装置13から所定の色彩のトナーを、各感光体11の静電潜像部分に供給して現像を行い、各感光体11の表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
【0025】
そして、前記のように各感光体11に形成された各色彩のトナー像を、所要間隔を介して設けられた回転ローラー16間に架け渡されて回転駆動される無端状の中間転写ベルト17の表面に、前記の各感光体11と対向して設けられた各一次転写ローラー18により順々に一次転写させて、この中間転写ベルト17の表面に各色彩のトナー像が合成されたトナー像を形成するようにしている。また、前記の中間転写ベルト17に転写されずに各感光体11の表面に残留しているトナーを、それぞれ対応して設けられた前記の第1クリーニング装置14により、各感光体11の表面から回収するようにしている。
【0026】
そして、前記のように中間転写ベルト17の上に形成されたトナー像を、この中間転写ベルト17により二次転写ローラー19と対向する位置に導くと共に、装置本体1の下部に収容された用紙Sを、給紙ローラー21により給紙してタイミングローラー22に送り、このタイミングローラー22により用紙Sを適当なタイミングで中間転写ベルト17と二次転写ローラー19との間に導き、中間転写ベルト17の上に形成されたトナー像を前記の二次転写ローラー19により用紙Sに転写させるようにしている。また、用紙Sに転写されずに前記の中間転写ベルト17の上に残ったトナーを、第2クリーニング装置20によって中間転写ベルト17の上から回収するようにしている。
【0027】
そして、前記のようにトナー像が転写された用紙Sを定着装置23に導き、この定着装置23により用紙Sに転写された前記のトナー像を用紙Sに加熱定着させた後、このようにトナー像が定着された用紙Sを排紙ローラー24により排紙させるようにしている。
【0028】
ここで、この実施形態に係る画像形成装置においては、図1及び図2に示すように、前記の第1クリーニング装置14に、感光体11の表面から回収したトナーを搬送させる第1搬送部14aを設け、この第1搬送部14aを通して回収したトナーを後述するトナー回収ユニット40に回収させるようにすると共に、図3に示すように、前記の現像装置13に、現像装置13内における現像剤の一部を搬送させる第2搬送部13aを設け、この第2搬送部13aを通して現像装置13内における現像剤の一部を後述するトナー回収ユニット40に回収させるようにしている。
【0029】
また、中間転写ベルト17の上に残ったトナーを回収する前記の第2クリーニング装置20においても、図1及び図4に示すように、中間転写ベルト17から回収したトナーを搬送させる第3搬送部20aを設け、この第3搬送部20aにおけるトナーの搬送方向下流側の位置にトナー排出用ユニット30を設け、第3搬送部20aによって搬送されてきたトナーを、このトナー排出用ユニット30後述するトナー回収ユニット40に排出させるようにしている。
【0030】
そして、このトナー排出用ユニット30においては、図4に示すように、前記の第3搬送部20aによって搬送されてきたトナーをトナー回収ユニット40に排出させるトナー排出口31を下方に向けて設けると共に、このトナー排出口31の開閉を行うシャッター部材32を設け、このシャッター部材32をバネ等の付勢手段(図示せず)によりトナー排出口31を閉塞させる方向に付勢させている。
【0031】
一方、前記のトナー回収ユニット40においては、図5に示すように、前記の第1クリーニング装置14に設けられた第1搬送部14aを導入させる第1導入部41を、各イメージングユニット10における各第1クリーニング装置14に対応させて4つ設けると共に、前記の現像装置13に設けられた第2搬送部13aを導入させる第2導入部42を、各イメージングユニット10における各現像装置13に対応させて4つ設けている。
【0032】
また、このトナー回収ユニット40においては、このトナー回収ユニット40をスライドさせて前記のトナー排出用ユニット30の下に装着させる回収部43をトナー回収ユニット40から突出するように設け、この回収部43の上面にトナー排出用ユニット30における前記のトナー排出口31と連通させるトナー回収口44を設けると共に、このトナー回収口44に対応した開口部51を有するシール部材50を、その開口部51が前記のトナー回収口44と連通するようにして回収部43の上に取り付けるようにしている。
【0033】
ここで、この実施形態においては、図5図7に示すように、前記のシール部材50として、スポンジ等の弾性材料で構成された弾性部材52と、PETフィルム等の耐摩耗性で摩擦係数の低い材料で構成されたシート部材53とを用いるようにしている。
【0034】
そして、前記の弾性部材52に設けられた開口部51aを、前記のトナー回収口44と連通させるようにして、この弾性部材52を回収部43におけるトナー回収口44の周辺部分に取り付けるようにしている。また、前記のシート部材53に設けられた開口部51bを、弾性部材52の開口部51a及び前記のトナー回収口44と連通させると共に、このシート部材53が回収部43の突出方向において前記の弾性部材52を跨いで弾性部材52の表面を覆うようにし、弾性部材52を跨いだシート部材53の両端部を前記の回収部43に取り付けて、このシート部材53を、弾性部材52の表面に対して摺動可能な状態で取り付けるようにしている。
【0035】
また、この実施形態においては、前記の弾性部材52に設ける開口部51aの位置とシート部材53に設ける開口部51bの位置とをずらせ、具体的には、トナー回収ユニット40をトナー排出用ユニット30に向けてスライドさせる場合において、シート部材53に設けられる開口部51bのスライド方向先端位置が、弾性部材52に設けられる開口部51aのスライド方向先端位置よりもスライド方向先端側に位置するようにしている。
【0036】
そして、この実施形態においては、前記のトナー回収ユニット40をスライドさせ、図示していないが、前記の各第1クリーニング装置14に設けられた第1搬送部14aを、それぞれトナー回収ユニット40に設けられた各第1導入部41に導入させ、また前記の各現像装置13に設けられた第2搬送部13aを、それぞれトナー回収ユニット40に設けられた各第2導入部42に導入させるようにすると共に、図8(A),(B)に示すように、このトナー回収ユニット40における前記の回収部43を前記のトナー排出用ユニット30の下に導くようにする。
【0037】
ここで、トナー回収ユニット40における回収部43をトナー排出用ユニット30の下に導くようにすると、回収部43に設けられたシール部材50におけるシート部材53がトナー排出用ユニット30におけるトナー排出口31の口縁に接触し、このシート部材53を介してシール部材50がトナー排出用ユニット30により押さえられ、このシール部材50における弾性部材52が圧縮された状態で、トナー排出用ユニット30が前記のシール部材50に接触しながら、このシール部材50の上を滑るようにして、回収部43がトナー排出用ユニット30の下をスライドするようになる。この場合、このシート部材53がトナー排出用ユニット30に引っ張られても、このシート部材53が弾性部材52の表面においてずれるようになり、弾性部材52が大きく変形するということがない。
【0038】
そして、このようにトナー回収ユニット40における回収部43をトナー排出用ユニット30の下でスライドさせると、この回収部43によって、トナー排出用ユニット30のトナー排出口31を閉塞させていたシャッター部材32がトナー排出口31を開放する方向に押されて移動し、前記のトナー排出口31が開放され、このトナー排出口31が、前記のシール部材50における開口部51を介してトナー回収ユニット40の回収部43に設けられたトナー回収口44と連通されるようになる。
【0039】
また、この実施形態においては、前記のようにシート部材53に設けられる開口部51bのスライド方向先端位置を、弾性部材52に設けられる開口部51aのスライド方向先端位置よりもスライド方向先端側に位置させているため、前記のように回収部43をトナー排出用ユニット30の下でスライドさせる際に、このシート部材53がトナー排出用ユニット30に引っ張られて、シート部材53が弾性部材52の表面においてずれた場合に、図8(B)に示すように、このシート部材53に設けられた開口部51bが弾性部材52に設けられる開口部51aに合致するようになり、このシール部材50における開口部51を介して、トナー排出用ユニット30のトナー排出口31とトナー回収ユニット40の回収部43に設けられたトナー回収口44とが適切に連通されるようになる。
【0040】
そして、このようにトナー排出用ユニット30のトナー排出口31とトナー回収ユニット40の回収部43に設けられたトナー回収口44とがシール部材50における開口部51を介して適切に連通された状態で、前記のように第2クリーニング装置20によって中間転写ベルト17から回収されたトナーが、前記の第3搬送部20aにより搬送されてトナー排出用ユニット30におけるトナー排出口31に導かれると、このトナーがトナー排出口31からシール部材50における開口部51と前記のトナー回収口44とを通してトナー回収ユニット40内に適切に回収されるようになる。
【0041】
ここで、この実施形態においては、トナー排出用ユニット30の下において、トナー回収ユニット40における回収部43をスライドさせる場合に、前記のように弾性部材52の表面に摺動可能な状態で取り付けられたシート部材53がトナー排出用ユニット30におけるトナー排出口31の口縁に接触した状態で、トナー排出用ユニット30がこのシール部材50の上を滑るようになるため、従来のように、トナー回収ユニット40に設けられたシール部材50全体がトナー排出用ユニット30により強く引っ張られて大きく変形するということがなく、このシール部材50によってトナー排出用ユニット30とトナー回収ユニット40との間が適切に密封されると共に、シール部材50における開口部51の位置が、トナー回収ユニット40におけるトナー回収口44の位置からずれるのも防止され、トナー排出口31からトナーがシール部材50における開口部51を通してトナー回収口44に適切に導かられてトナー回収ユニット40内に回収されるようになる。
【0042】
また、この実施形態においては、従来のように、弾性部材52がトナー排出用ユニット30に直接接触して強く引っ張られるということがなく、弾性部材43が破損するのも適切に防止されるようになる。
【0043】
なお、この実施形態においては、中間転写ベルト17から第2クリーニング装置20によって回収したトナーをトナー排出用ユニット30からトナー回収ユニット40に回収させる例を示したが、このようなものに限定されない。例えば、図示していないが、感光体11から第1クリーニング装置14によって回収したトナーを同様にしてトナー排出用ユニット30からトナー回収ユニット40に回収させるようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 :装置本体
10 :イメージングユニット
11 :感光体
12 :帯電装置
13 :現像装置、13a :第2搬送部
14 :第1クリーニング装置、14a :第1搬送部
15 :潜像形成装置
16 :回転ローラー
17 :中間転写ベルト(像保持部材)
18 :一次転写ローラー
19 :二次転写ローラー
20 :第2クリーニング装置、20a :第3搬送部
21 :給紙ローラー
22 :タイミングローラー
23 :定着装置
24 :排紙ローラー
30 :トナー排出用ユニット
31 :トナー排出口
32 :シャッター部材
40 :トナー回収ユニット
41 :第1導入部
42 :第2導入部
43 :回収部
44 :トナー回収口
50 :シール部材
51,51a,51b :開口部、
52 :弾性部材
53 :シート部材
S :用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8