(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248819
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20171211BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
G01N21/88 J
G01N21/956 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-121067(P2014-121067)
(22)【出願日】2014年6月12日
(65)【公開番号】特開2016-1139(P2016-1139A)
(43)【公開日】2016年1月7日
【審査請求日】2016年8月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】藤原 忠幸
【審査官】
越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−085300(JP,A)
【文献】
特開2007−218638(JP,A)
【文献】
特開2002−054915(JP,A)
【文献】
特開2007−067102(JP,A)
【文献】
特開2014−169878(JP,A)
【文献】
特開2014−232079(JP,A)
【文献】
特開2014−052261(JP,A)
【文献】
特開2004−179190(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0058161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物の表面に、第1の波長の可視光と第2の波長の可視光を検査光としてそれぞれ照射する照明装置と、
前記検査対象物の同一箇所について、検出対象の欠陥部分及び検出対象でない非欠陥部分が正常部分と識別可能な第1の検査画像を、前記第1の波長の可視光の前記検査対象物からの反射光によって取得し、前記欠陥部分と前記正常部分とが識別されず且つ前記非欠陥部分が前記正常部分と識別可能な第2の検査画像を、前記第2の波長の可視光の前記検査対象物からの反射光によって取得する画像取得装置と、
前記第1の検査画像と前記第2の検査画像を用いて、前記非欠陥部分と前記欠陥部分とが区別された処理画像を作成する画像処理装置と
を備え、前記処理画像を用いて前記検査対象物の欠陥検査が行われることを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記照明装置が第1の光源及び第2の光源を有し、
前記第1の光源で前記検査対象物を照射した場合に、前記画像取得装置が、前記欠陥部分及び前記非欠陥部分と前記正常部分との輝度が異なる前記第1の検査画像を取得し、
前記第2の光源で前記検査対象物を照射した場合に、前記画像取得装置が、前記欠陥部分と前記正常部分との輝度が同等であり、且つ前記非欠陥部分と前記正常部分との輝度が異なる前記第2の検査画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記画像処理装置が、前記第1の検査画像と前記第2の検査画像の輝度分布の幅及びピークを同等にした後に、前記第1の検査画像と前記第2の検査画像との輝度の減算処理を行って、前記処理画像を作成することを特徴とする請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記非欠陥部分が前記検査対象物の結晶粒界であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
検査対象物の表面に、第1の波長の可視光と第2の波長の可視光を検査光としてそれぞれ照射する工程と、
前記検査対象物の同一箇所について、検出対象の欠陥部分及び検出対象でない非欠陥部分が正常部分と識別可能な第1の検査画像を、前記第1の波長の可視光の前記検査対象物からの反射光によって取得し、前記欠陥部分と前記正常部分とが識別されず且つ前記非欠陥部分が前記正常部分と識別可能な第2の検査画像を、前記第2の波長の可視光の前記検査対象物からの反射光によって取得する工程と、
前記第1の検査画像と前記第2の検査画像を用いて、前記非欠陥部分と前記欠陥部分とが区別された処理画像を作成する工程と、
前記処理画像を用いて前記検査対象物の欠陥検査を行う工程と
を含むことを特徴とする検査方法。
【請求項6】
前記第1の検査画像と前記第2の検査画像を取得する工程が、
第1の光源で前記検査対象物を照射して、前記欠陥部分及び前記非欠陥部分と前記正常部分との輝度が異なる前記第1の検査画像を取得する段階と、
第2の光源で前記検査対象物を照射して、前記欠陥部分と前記正常部分との輝度が同等であり、且つ前記非欠陥部分と前記正常部分との輝度が異なる前記第2の検査画像を取得する段階と
を含むことを特徴とする請求項5に記載の検査方法。
【請求項7】
前記第1の検査画像と前記第2の検査画像の輝度分布の幅及びピークを同等にした後に、前記第1の検査画像と前記第2の検査画像との輝度の減算処理を行って前記処理画像を作成することを特徴とする請求項6に記載の検査方法。
【請求項8】
前記非欠陥部分が前記検査対象物の結晶粒界であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を用いて検査対象物の欠陥検査を行う検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池セルや半導体装置に使用される基板などの検査対象物について、傷や異物の付着、クラック、汚れ、むらなどの欠陥の有無が検査される。例えば、カメラなどの撮像装置に取得された画像を用いて検査対象物の欠陥検査を行う検査装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−203132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、検出すべき欠陥部分の画像と欠陥として検出する必要のない非欠陥部分の画像との区別が困難な場合がある。例えば、太陽電池セルに使用されるポリシリコン基板などには、欠陥として検出する必要のない結晶粒界が存在している。しかし、結晶粒界を有する基板の検査では画像において欠陥と結晶粒界との区別がつきにくい。このため、結晶粒界を欠陥と誤って検出し、検査精度が低下するという問題があった。
【0005】
上記問題点に鑑み、本発明は、画像を用いた欠陥検査の精度を向上できる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
検査対象物の表面に、第1の波長の可視光と第2の波長の可視光を検査光としてそれぞれ照射する照明装置と、検査対象物の同一箇所について、検出対象の欠陥部分及び検出対象でない非欠陥部分が正常部分と識別可能な第1の検査画像を、第1の波長の可視光の検査対象物からの反射光によって取得し、欠陥部分と正常部分とが識別されず且つ非欠陥部分が正常部分と識別可能な第2の検査画像を、第2の波長の可視光の検査対象物からの反射光によって取得する画像取得装置と、第1の検査画像と第2の検査画像を用いて、非欠陥部分と欠陥部分とが区別された処理画像を作成する画像処理装置とを備え、処理画像を用いて検査対象物の欠陥検査が行われる検査装置が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、
検査対象物の表面に、第1の波長の可視光と第2の波長の可視光を検査光としてそれぞれ照射する工程と、検査対象物の同一箇所について、検出対象の欠陥部分及び検出対象でない非欠陥部分が正常部分と識別可能な第1の検査画像を、第1の波長の可視光の検査対象物からの反射光によって取得し、欠陥部分と正常部分とが識別されず且つ非欠陥部分が正常部分と識別可能な第2の検査画像を、第2の波長の可視光の検査対象物からの反射光によって取得する工程と、第1の検査画像と第2の検査画像を用いて、非欠陥部分と欠陥部分とが区別された処理画像を作成する工程と、処理画像を用いて検査対象物の欠陥検査を行う工程とを含む検査方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像を用いた欠陥検査の精度を向上できる検査装置及び検査方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る検査装置の構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る検査装置によって取得される第1の検査画像の例を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る検査装置によって取得される第2の検査画像の例を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る検査装置によって作成される処理画像の例を示す模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る検査装置によって取得される第1の検査画像の輝度分布の例を示す模式的なヒストグラムである。
【
図6】本発明の実施形態に係る検査装置によって取得される第2の検査画像の輝度分布の例を示す模式的なヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであることに留意すべきである。また、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
本発明の実施形態に係る検査装置1は、
図1に示すように、検査対象物100に検査光Lを照射する照明装置10と、検査光Lを照射された検査対象物100の検査画像を取得する画像取得装置20と、検査対象物100の欠陥検査に使用される処理画像を検査画像から作成する画像処理装置30とを備える。詳細は後述するが、画像処理装置30は、検出対象の欠陥部分及び検出対象でない結晶粒界などの非欠陥部分が正常部分とは識別可能に含まれ、且つ、欠陥部分と非欠陥部分との識別が困難な検査画像から、非欠陥部分と欠陥部分とが区別された処理画像を作成する。ここで、「正常部分」とは、検査画像から欠陥部分と非欠陥部分を除いた残余の部分である。
【0012】
照明装置10には、例えば赤色(R)光、緑色(G)光及び青色(B)光を同時或いは個々に出力する発光ダイオード(LED)などを採用可能である。画像取得装置20には、例えばCCD(電荷結合素子)カメラやCMOS(相補型金属酸化膜半導体)カメラなどを採用可能である。
【0013】
検査装置1では、検査対象物100の表面で反射される検査光Lの反射光を用いて、検査対象物100の欠陥が検出される。どのような欠陥検査を行うかによって、照明装置10が検査対象物100に照射する検査光Lが適宜選択される。即ち、欠陥の種類によって相関関係にある反射と吸収が異なるため、赤色光で反射し易い(吸収しにくい)欠陥や青色光で反射し易い(吸収しにくい)欠陥をそれぞれに応じて検出するために検査光Lの色(波長)を変えることができる。
【0014】
例えば、異物の検出には、赤色の検査光Lが好適に使用される。太陽電池セルなどに使用されるシリコン基板は赤色を吸収しやすいため、赤色光で反射する欠陥は輝度の強度差が出やすく、検出しやすい。また、結晶欠陥や汚れの検出には、青色の検査光Lが好適に使用される。検査対象物100に発生した欠陥は、検査対象物100の正常部分とは異なる輝度を有し、周囲よりも白く光った領域や黒色の領域として観察される。
【0015】
検査装置1によれば、欠陥検査の判定に不要な非欠陥部分をキャンセルした処理画像を作成することによって、欠陥検査の精度が向上される。具体的には、画像取得装置20が、欠陥部分及び非欠陥部分が正常部分と識別可能な第1の検査画像を取得する。更に、画像取得装置20は、欠陥部分と正常部分とが識別されないが、非欠陥部分が正常部分と識別可能な第2の検査画像を取得する。第1の検査画像と第2の検査画像のそれぞれは、照明装置10が検査対象物100の照射する検査光Lの特性、例えば波長を変えることによって得られる。このため、照明装置10は、画像取得装置20によって第1の検査画像が得られる検査光Lを出射する第1の光源と、第2の検査画像が得られる検査光Lを出射する第2の光源とを少なくとも有する。
【0016】
上記のようにして、画像取得装置20が、検査対象物100の同一箇所について第1の検査画像と第2の検査画像を取得する。そして、画像処理装置30が、第1の検査画像と第2の検査画像との差分を演算する画像処理によって、非欠陥部分がキャンセルされた処理画像を作成する。
【0017】
例えば、太陽電池セルなどに使用される多結晶基板の検査画像には、多くの結晶粒界が現れる。このため、傷や異物などの欠陥と結晶粒界との区別がつきにくく、欠陥検査に支障が生じる場合がある。以下に、結晶粒界を有する検査対象物100について、結晶粒界のパターンをキャンセルした処理画像を作成する場合を例示的に説明する。
【0018】
青色光を検査光Lに使用することにより、エッチングむらなどのエッチング工程不良箇所や膜が正常に形成されていない成膜不良箇所、付着した水滴などの画像が、検査対象物100の欠陥部分として検査画像に含まれる。このとき、これらの欠陥部分と非欠陥部分である結晶粒界とは、検査画像で同様な輝度となるために識別が困難である。一般的には、これらの欠陥部分及び非欠陥部分は正常部分よりも輝度が高く、検査画像では白く見える。
【0019】
一方、緑色光を検査光Lに使用する場合には欠陥部分が検出されにくく、青色光を検査光Lに使用した場合と比べて上記の欠陥部分が検査画像に明確に現れない。つまり、緑色光を検査光Lに使用して得られた検査画像では、結晶粒界の輝度は正常部分の輝度と異なるが、欠陥部分の画像と正常部分とは同様の輝度である。
【0020】
検査装置1では、検査光Lに青色光を使用することによって、
図2に示すような、欠陥部分A及び非欠陥部分B1〜B3が正常部分Cと識別可能な第1の検査画像が取得される。このとき、画像取得装置20は、欠陥部分A及び非欠陥部分B1〜B3の輝度が正常部分Cの輝度と異なる画像として、第1の検査画像を取得する。
【0021】
一方、検査光Lに緑色光を使用することによって、
図3に示すような、非欠陥部分B1〜B3が正常部分Cと識別可能であるが、欠陥部分と正常部分Cとが識別されない第2の検査画像が取得される。このとき、画像取得装置20は、非欠陥部分B1〜B3と正常部分Cとの輝度が異なり、且つ、欠陥部分Aと正常部分Cの輝度が同様である画像として、第2の検査画像を取得する。
【0022】
第1の検査画像の画像データD1及び第2の検査画像の画像データD2は、画像取得装置20から画像処理装置30に送信される。画像処理装置30は、第1の検査画像及び第2の検査画像を用いて、第1の検査画像から非欠陥部分B1〜B3の画像をキャンセルする演算処理を行う。例えば、輝度について第1の検査画像の画像データD1から第2の検査画像の画像データD2を減算することによって、非欠陥部分B1〜B3の輝度の強度が正常部分Cの輝度であるバックグランド強度となる。上記のようにして、検査画像の非欠陥部分の輝度を検査画像の正常部分の輝度と同様にした処理画像が作成される。即ち、
図4に示すように、バックグランド強度と異なる輝度を有する部分として欠陥部分Aのみが残された処理画像が得られる。
【0023】
処理画像の画像データD3は、例えば
図1に示した表示装置40に送信される。検査者は、表示装置40に表示された処理画像を用いて、検査対象物100に欠陥が生じているか否かを判定できる。或いは、処理画像の画像データD3を
図1に示した判定装置50に送信し、判定装置50によって検査対象物100に欠陥が生じているか否かを自動判定してもよい。また、判定装置50による判定結果を、検査者が表示装置40によって確認してもよい。
【0024】
以上に説明した欠陥検出方法では、青色光と緑色光が独立して検査光Lとして使用される。このため、例えば、第1の光源として青色光のLEDを有し、第2の光源として緑色光のLEDを有する照明装置10を採用する。
【0025】
上記のように、青色光を検査光Lに使用した場合には、検査画像において欠陥部分と非欠陥部分である結晶粒界との区別ができない。一方、緑色光を検査光Lに使用した場合には、検査画像において欠陥部分を認識できない。検査装置1によれば、青色光を検査光Lに使用した第1の検査画像と緑色光を検査光Lに使用した第2の検査画像とを用いた演算により、欠陥部分のみを識別できる処理画像を得ることできる。
【0026】
なお、検査装置1では、上記のように可視光のみを出射する照明装置10によって欠陥検査を行える。このため、大型の検査装置が必要なく、検査コストも抑制することができる。
【0027】
ところで、検査光Lに青色光を使用した場合と緑色光を使用した場合とで、検査画像での非欠陥部分の輝度の現れ方が異なることがある。このため、処理画像において非欠陥部分の輝度強度を均一なバックグランド強度とするために、画像処理装置30が、演算処理の前に第1の検査画像と第2の検査画像の輝度分布の形状を合わせる画像処理を行うことが好ましい。即ち、第1の検査画像と第2の検査画像の輝度分布の幅及びピークを合わせる画像処理を行う。その後、画像処理装置30が第1の検査画像と第2の検査画像との輝度の減算処理を行って、処理画像を作成する。
【0028】
例えば、第1の検査画像の輝度が
図5に示した分布を有し、第2の検査画像の輝度が
図6に示した分布を有するとする。なお、欠陥部分の輝度Fを
図5に矢印で示した。
図5に示したヒストグラムの分布のピークP1と
図6に示した分布のピークP2とが同等、且つ、
図5に示した輝度分布の幅W1と
図6に示した輝度分布の幅W2とが同等になるように、第1の検査画像と第2の検査画像の少なくともいずれかにおいて輝度分布を調整する。これにより、第1の検査画像と第2の検査画像を用いて処理画像を作成したときに、処理画像において欠陥部分の以外の領域を均一なバックグランド強度とすることができる。
【0029】
太陽電池セルに使用されるポリシリコン基板などには結晶粒界が存在している。このため、検査装置1は、太陽電池セルの欠陥検査に好適に使用される。なお、上記では非欠陥部分が結晶粒界の場合を例示的に説明したが、検出する欠陥の種類やキャンセルしたい非欠陥の種類に応じて検査光Lを選択することにより、検査装置1によって種々の欠陥検査を高い精度で実施可能である。
【0030】
以上に説明したように、本発明の実施形態に係る検査装置1によれば、検査画像に含まれる非欠陥部分をキャンセルする画像処理を行うことにより、欠陥部分のみを残した処理画像を用いて欠陥検査を行うことができる。このため、欠陥の検査精度が向上され、検査工程において検査対象物100の欠陥を確実に検出できる。
【0031】
半導体装置に使用される基板などに欠陥が有ると、半導体装置の製造工程中に基板が破損したり、半導体装置が所定の性能を満たさなかったりする場合がある。製造工程中に基板が破損した場合には製造ラインを停止させる必要があり、稼働率が低下する。また、半導体装置が所定の性能を満たさない場合には歩留まりの低下が生じる。その結果、製造コストが上昇する。これに対し、検査装置1による欠陥検査によれば基板の欠陥を高い精度で検出できるため、製造コストの増大を抑制できる。また、欠陥部分を解析することによって欠陥の発生工程を特定し、フィードバックによって歩留まりを向上させることができる。
【0032】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。例えば、太陽電池セル以外の、集積回路用半導体基板や液晶基板の検査などにも本発明は適用可能である。
【0033】
上記のように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0034】
1…検査装置
10…照明装置
20…画像取得装置
30…画像処理装置
40…表示装置
50…判定装置
100…検査対象物