(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像読取部による原稿のサイズの検知が禁止された場合に、今まで、当該検知が禁止された回数をカウントし、前記カウントした回数が、予め設定された閾値を超過したか否かを判定する閾値判定部と、
前記カウントした回数が前記閾値を超過した場合に、前記第二の開閉検知センサの故障を示す画面を表示する表示部と
を更に備える
請求項1又は2に記載の原稿サイズ検知装置。
【背景技術】
【0002】
従来より、原稿サイズを検知するための技術は複数存在する。例えば、特開昭63−8640号公報(特許文献1)には、原稿押えを閉じる途中に、原稿検知用センサにより原稿サイズの検知動作を遂行し、その後、原稿押えを閉じた状態で、再度原稿サイズの検知動作を実行する原稿サイズ検知方法が開示されている。これにより、周辺部に濃度が高い部分が存在するか否かに影響されることなく、正確な原稿サイズの検知を行うことが出来るとしている。
【0003】
又、特開平7−319332号公報(特許文献2)には、ADFの開閉状態に対応して、複数のセンサを配置し、出力がオンになっているセンサの数を検知することで、ADFの閉鎖、開放及びその中間の特定位置を検出する画像形成装置が開示されている。これにより、圧板又はADFと処理装置本体との位置関係を検知する検知機構をコンパクトにすると共にメンテナンス性を向上させることが出来るとしている。
【0004】
又、特開2001−169027号公報(特許文献3)には、複数の原稿カバーセンサーの出力結果に基づいて、原稿が書籍か否か判断するとともに、書籍の場合には置かれている向きも判断する画像読取装置が開示されている。これにより、印字する画像の枠消しや書籍を複写するときの綴じ代部分の画像データの削除といった画像処理を容易に行えるとしている。
【0005】
又、特開2011−188234号公報(特許文献4)には、原稿と画像読取部との密着度を検出する複数の距離センサと、距離センサでの検出結果に基づいて原稿と画像読取部との密着度は十分であるか否かの判定を行う密着度判定部を備えた画像読取装置が開示されている。この装置では、更に、密着度判定部の判定結果に基づいて原稿と画像読取部との密着度を通知するLEDと、密着度判定部の判定結果に基づいて画像読取部に対して原稿の画像の読み取りを開始させる読取起動部を備える。これにより、より確実に、鮮明に原稿を読み取ることが出来るとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の原稿サイズの検知処理は、一般的に、以下のようになされる。ユーザーが、原稿を原稿台上に載置し、この原稿上に原稿カバーを置くと、当該原稿カバーの開閉を検知する第1開閉検知センサが原稿カバーの閉状態を検知し、これを受けた画像読取部が、原稿台の下方へ移動して、原稿のサイズを読み取る。
【0008】
しかしながら、この検知処理では、原稿の色が、例えば、白色等の低濃度の原稿である場合、誤検知を生じることがある。そのため、近年、原稿の色が低濃度(白色等)又は高濃度(黒色、カラー色等)であっても、精度高く原稿のサイズを検知するために、2つの異なるセンサを用いて2種類の原稿サイズ検知処理を行うようになっている。
【0009】
この検知処理では、先ず、ユーザーが、原稿台に原稿を載置して、原稿カバー(又はADF)を原稿上に載置すると、第1開閉検知センサが原稿カバーの閉状態を検知し、原稿ののサイズが検知される。この場合は、原稿の色が低濃度である場合に有効であり、これを第1原稿サイズ検知と称する。
【0010】
次に、原稿カバーの下方に、主走査方向の手前側に、読取ガイドの位置を検知するPIセンサが設けられ、このPIセンサに対応する第2開閉検知センサが原稿カバーの閉状態を検知すると、画像読取部が、原稿台の下方に移動して、原稿のサイズを検知する。この場合は、原稿の色が高濃度である場合に有効であり、これを第2原稿サイズ検知と称する。第1原稿サイズ検知と第2原稿サイズ検知とを行い、両者の検知結果を照合し、両者の検知結果が異なる場合は、大きい原稿サイズを原稿サイズとして選択することで、原稿のサイズを精度高く検知することが出来る。
【0011】
しかしながら、この検知処理では、第2開閉検知センサが故障等により、常時、ON信号を出力していると、第1原稿サイズ検知の後、原稿カバーが適切に原稿上に置かれていないにもかかわらず、第2原稿サイズ検知が実行されることになる。第2原稿サイズ検知において、原稿カバーが完全に閉状態になっていない場合、外部の光が入ることで、原稿のサイズを誤検知するという問題がある。このような問題に対して、特許文献1−4に記載の技術は解決することが出来ない。
【0012】
そこで、本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、開閉検知センサが故障したとしても、誤検知を防止することが可能な原稿サイズ検知装置及び原稿サイズ検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る原稿サイズ検知装置は、原稿台と該原稿台に開閉可能に接続部を介して取付けられる原稿カバーと
、前記原稿カバーを開位置から閉位置に向けて回動し、前記原稿カバーが前記閉位置の手前の第1検知位置に到達したことを検知する第1開閉検知部と、を備える。又、本発明は、前記原稿カバーが、前記閉位置である第2検知位置に到達したことを検知する第2開閉検知部と、前記原稿台上に載置された原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部と、前記原稿カバーが前記第1検知位置及び前記第2検知位置において前記原稿サイズ検知を実行する制御部と、を備える。更に、本発明は、前記第1開閉検知部が前記原稿カバーが前記第1検知位置に到達したことを検知した時、前記第2開閉検知部が前記原稿カバーが前記第2検知位置に到達したことを検知している場合、前記第2開閉検知センサが故障していると判定する故障判定部を備える。そして、
前記第1開閉検知部により前記原稿カバーが前記第1検知位置に達したことを検知した後、前記第2開閉検知部が、前記原稿カバーが前記第2検知位置に達している旨を検知している場合は、前記故障判定部は、前記第2開閉検知部が故障していると判定し、所定のメモリに故障を示す情報を記憶し、前記情報が記憶された後、あるいは第2検知位置に達している旨を検知していない場合、前記制御部は、前記原稿サイズ検知部に第1の原稿サイズの検知を実行させ、更に、前記制御部が前記第2開閉検知部からの、前記原稿カバーが閉じた旨の通知を受けて、前記故障判定部に前記第2開閉検知部が故障しているか否かを前記故障を示す情報が記憶されているか否で問い、前記制御部は、
故障していないときは第2の原稿サイズ検知を実行し、故障である場合は第2の原稿サイズ検知を禁止し、
前記第1の原稿サイズの検知と第2の原稿サイズの検知の結果を照合して原稿サイズを決定する。
【0014】
尚、本発明は、原稿サイズ検知方法として提供することが出来る。即ち、本発明は、原稿カバーと、第1開閉検知部と、第2開閉検知部と、を備える原稿サイズ検知装置の原稿サイズ検知方法であって、前記原稿台上に載置された原稿のサイズを検知するステップを備える。又、本発明は、前記原稿カバーが前記第1検知位置及び前記第2検知位置において前記原稿サイズ検知を実行するステップと、前記第1開閉検知部が
、前記原稿カバーが前記第1検知位置に到達したことを検知した時、前記第2開閉検知部が
、前記原稿カバーが前記第2検知位置に到達したことを検知している場合、前記第2開閉検知センサが故障していると判定するステップとを備える。又、本発明は、
前記第1開閉検知部が、前記原稿カバーが前記第1検知位置に達したことを検知した後、前記第2開閉検知部が、前記原稿カバーが前記第2検知位置に達している旨を検知している場合は、前記故障判定ステップで、前記第2開閉検知部が故障していると判定し、所定のメモリに故障を示す情報を記憶するステップと、
前記情報が記憶された後、あるいは第2検知位置に達している旨を検知していない場合、前記原稿サイズ検知を実行するステップで、第1の原稿サイズの検知を実行させ、
更に、前記原稿サイズ検知を実行するステップで前記第2開閉検知部からの、前記原稿カバーが閉じた旨の通知を受けて、前記故障判定ステップに前記第2開閉検知部が故障しているか否かを前記故障を示す情報が記憶されているか否で問い、
前記原稿サイズ検知を実行するステップは、故障していないときは第2の原稿サイズ検知を実行し、故障である場合は第2の原稿サイズ検知を禁止
し、前記第1の原稿サイズの検知と第2の原稿サイズの検知の結果を照合して原稿サイズを決定するステップを備える。このような構成であっても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
【0015】
又、本発明は、電気通信回線などを介して個別に流通する、コンピュータに実行させるためのプログラムとして提供することができる。この場合、中央演算処理装置(CPU)が、本発明のプログラムに従ってCPU以外の各回路と協働して制御動作を実現する。又、前記プログラム及びCPUを用いて実現される各手段は、専用のハードウェアを用いて構成することもできる。又、当該プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の原稿サイズ検知装置及び原稿サイズ検知方法によれば、開閉検知センサが故障したとしても、誤検知を防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明の原稿サイズ検知装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
【0019】
以下に、本発明の実施形態に係る原稿サイズ検知装置の一例として、画像形成装置について説明する。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、コピー、スキャナ、プリンタ等の機能を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral)が該当する。
【0020】
複合機100は、
図1に示すように、原稿台上の原稿を読み取る画像読取部101、画像読取部101と連動して、原稿を自動で給送する自動原稿給送部102と、ユーザーから原稿の画像読取及び画像形成の条件を受け付ける操作部103とを備えている。自動原稿給送部102は、原稿上に置かれる原稿カバーを備えている。
【0021】
複合機100は、画像読取部101が読み取った画像データと、ユーザーから入力された条件とに基づいて、各部(画像形成部、搬送部、定着部等)を駆動して、画像形成を実行する。
【0022】
ところで、ユーザーは、
図2に示すように、操作部103を用いて、所定の指示を入力したり、所定の操作画面を確認したりする。この操作部103には、タッチパネル201(操作パネル)、操作キー202が設けられている。タッチパネル201では、所定の画面が表示されたり、当該表示された画面内のキーを押下することによって、当該押下されたキーに対応する情報が入力されたりする。操作キー202では、例えば、テンキー、スタートキー、クリアキー、ストップキー、リセットキー、電源キー等が備えられている。
【0023】
次に、
図3を用いて、複合機100の制御系ハードウェアの構成を説明する。複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305、画像読取部101、自動原稿給送部102、操作部103を内部バス306によって接続している。
【0024】
CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいてドライバ305、画像読取部101、自動原稿給送部102、操作部103からのデータや指示、信号、命令等を授受し、
図1に示した各駆動部の動作を制御する。
【0025】
又、駆動部以外の後述する各手段(
図4に示す)についても、前記CPUが、各プログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM、RAM、HDD等には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
【0026】
<本発明の実施形態>
次に、
図4、
図5を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。
【0027】
先ず、ユーザーが、複合機100の電源を投入すると、当該複合機100の制御部401が、原稿台と原稿カバーとの接続部近傍に設けられた第1開閉検知部を用いて、原稿カバーが閉位置の手間の第1検知位置に到達したか否かを検知する(
図5:S101)。
【0028】
ここで、制御部401が検知する方法は、特に限定はない。例えば、
図6(A)に示すように、複合機100の原稿台600と、原稿カバー601を有する自動原稿給送部102との接続部602近傍に、アクチュエーター型の第1開閉検知部603が予め設けられる。この第1開閉検知部603は、前記接続部602近傍に設けられ、前記原稿カバー601を開位置から閉位置に向けて回動し、前記原稿カバー601が前記閉位置の手前の第1検知位置に到達したことを検知する。具体的には、第1開閉検知部603は、原稿台600から上下方向に移動可能であり、内蔵された付勢手段(バネ等)により、上方に突出するよう構成されている。第1開閉検知部603は、自動原稿給送部102が原稿台600から開位置である場合に、上方に突出している。そして、第1開閉検知部603は、自動原稿給送部102が原稿台600へ向かって閉じられた場合に、当該自動原稿給送部102の一部に当接して、原稿台600の下方に押し込まれる(前記原稿カバー601が第1検知位置に到達する)。第1開閉検知部603は、この押し込まれによりON信号を発信し、この押し込まれが解消されると、OFF信号を発信する。制御部401は、第1開閉検知部603からの信号が、OFF信号(開位置)からON信号(閉位置)に切り替わったことを検知することで、自動原稿給送部102の原稿カバー601が前記閉位置の手前の第1検知位置に到達したことを検知する。
【0029】
ここで、ユーザーが、
図6(A)に示すように、自動原稿給送部102の原稿カバー601を原稿台600から開いて、原稿604を原稿台600上に載置し、自動原稿給送部102の原稿カバー601を閉じると、制御部401が、第1開閉検知部603により、原稿カバーが閉位置の手間の第1検知位置に到達したと検知する(
図5:S101YES)。次に、制御部401は、第2開閉検知部603を用いて、前記原稿カバー601が、前記閉位置である第2検知位置に到達したか否かを検知する(
図5:S102)。
【0030】
ここで、制御部401が検知する方法に特に限定はない。例えば、
図6(A)に示すように、自動原稿給送部102の原稿カバー601の端部近傍に、原稿の画像読取の主走査方向に沿って原稿カバー601の読取ガイド(読取ガラスに対向して配置され、シェーディング板を兼ねる白いガイド)となる第2開閉検知部605が予め設けられている。この第2開閉検知部605は、主走査方向の手前で、原稿カバー601のフレーム側にPI(Photointerrupter)センサと、読取ガイド側に遮光片とを備える。読取ガイドは、付勢手段(バネ等)で突出方向に付勢されており、上下方向に移動可能である。原稿カバー601が閉じた状態で、前記読取ガイドは、前記付勢手段の付勢力に抗して、フレーム側(上方)へ移動し、PIセンサが遮光片を検知する(前記原稿カバー601が第2検知位置に到達する)。第2開閉検知部605は、遮光片の検知に対応するPIセンサのON信号を発信し、この検知の解消に対応するPIセンサのOFF信号を発信する。制御部401は、第2開閉検知部605からの信号が、OFF信号(開位置)からON信号(閉位置)に切り替わったことを検知することで、前記原稿カバー601が、前記閉位置である第2検知位置に到達したことを検知する。
【0031】
ここで、ユーザーが、原稿604を原稿台600上に載置し、自動原稿給送部102の原稿カバー601を閉じると、
図6(B)に示すように、先ず、第1開閉検知部603が、原稿カバー601が第1検知位置に到達したことを検知し、次に、
図6(C)に示すように、自動原稿給送部102の原稿カバー601が原稿台600に完全に閉じられた時点で、第2開閉検知部605が、原稿カバー601が第2検知位置に到達したことを検知することになる。言い換えると、第1開閉検知部603の原稿カバー601の第1検知位置の検知タイミングと、第2開閉検知部605の原稿カバー601の第2検知位置の検知タイミングとには、所定のタイムラグがあり、第1開閉検知部603と、第2開閉検知部605とは、取り付け位置の関係上、第1開閉検知部603が第1検知位置を検知した時点で、第2開閉検知部605が第2検知位置を検知することは有り得ないのである。
【0032】
本発明では、第1開閉検知部603が第1検知位置を検知した時点で、仮に、第2開閉検知部605が第2検知位置を検知した場合、この第2開閉検知部605は、何らかの理由で故障していると仮定するのである。
【0033】
さて、S102において、制御部401が、前記第1開閉検知部603が前記原稿カバー601の第1検知位置を検知した時、前記第2開閉検知部605が前記原稿カバー601の第2検知位置を検知している場合(原稿カバー601を検知した検知状態にある場合)(
図5:S102YES)、制御部401は、その旨を故障判定部402に通知する。当該通知を受けた故障判定部402は、前記第2開閉検知部605が故障していると判定し、所定のメモリに故障を示す情報(故障フラグ)を記憶させる(付与する)(
図5:S103)。これにより、第2開閉検知部605の故障を考慮して、後の処理を実行することが出来る。
【0034】
一方、S102において、制御部401が、前記第1開閉検知部603が前記原稿カバー601の第1検知位置を検知した時点で、前記第2開閉検知部605が前記原稿カバー601の第2検知位置を検知していない場合(
図5:S102NO)、制御部401は、第2開閉検知部605の監視を継続する。この場合は、第2開閉検知部605が故障していないから、ユーザーが、自動原稿給送部102の原稿カバー601を原稿台600に完全に閉じた時点で、制御部401は、前記第2開閉検知部605が前記原稿カバー601の第2検知位置を検知することになる(後述)。
【0035】
一方、制御部401は、原稿カバー601の第1検知位置を検知すると、その旨を原稿サイズ検知部403に通知し、当該通知を受けた原稿サイズ検知部403は、原稿604のサイズを検知する(
図5:S104)。尚、この原稿サイズ検知を第1原稿サイズ検知と称する。
【0036】
ここで、原稿サイズ検知部403が第1原稿サイズ検知をする方法は、特に限定は無い。例えば、
図6(A)に示すように、画像読取部101のうち、原稿台600のプラテンガラス600aの下方を、副走査方向に移動可能なキャリッジ607が予め設けられている。このキャリッジ607には、主走査方向に沿った光源とセンサとが設けられており、原稿サイズ検知部403は、主走査方向のサイズ検知について、キャリッジ607を、プラテンガラス600aの原稿604の一部の直下まで移動させて、当該光源を点灯させる。そして、原稿サイズ検知部403が、原稿604から反射した反射光をセンサで受信することで、反射光の受信位置に基づいて、原稿604の主走査方向のサイズを検知する。又、原稿台600のプラテンガラス600aの下方に、反射型原稿サイズセンサ606が予め設けられている。この反射型原稿サイズセンサ606は、原稿604からの反射光を検知するため、原稿サイズ検知部403は、反射型原稿サイズセンサ606の反射光の検知位置と、前記主走査方向の原稿サイズの結果に基づいて、原稿604の副走査方向のサイズを検知する。第1原稿サイズ検知は、原稿の色が低濃度(例えば、白色)である場合に有効である。
【0037】
さて、原稿サイズ検知部403が検知を実行している際に、故障判定部402は、第2開閉検知部605が前記原稿カバー601を検知しない非検知状態に一度でもなったか否かを判定する(
図5:S105)。
【0038】
ここで、故障判定部402が判定する方法は、特に限定は無いが、例えば、S103において、故障フラグを付与した場合に、制御部401を介して、第2開閉検知部605を監視し、当該第2開閉検知部605から開状態を示すOFF信号が発信されたか否かを検知する。
【0039】
前記判定の結果、原稿カバー601が閉位置に到達する前に、第2開閉検知部605からOFF信号が発信された場合(
図5:S105YES)、故障判定部402は、前記原稿カバー601が一度でも非検知状態になったと判定し、前記付与した故障フラグを消去する(
図5:S106)。これにより、第2開閉検知部605が何らかの理由で誤検知していた場合であっても、第2開閉検知部605が故障したと確定すること無く、第2原稿サイズ検知を実行させることが出来る(後述)。第2開閉検知部605の誤検知は、例えば、第2開閉検知部605が、機械的なガタつきにより、ON信号を発信していたものの、原稿カバー601の開状態への動作により、それが解除されて、OFF信号を発信した場合に対応する。
【0040】
一方、S105において、前記判定の結果、第2開閉検知部605から一度もOFF信号が発信されない場合(第2開閉検知部605からON信号のみ発信されている場合)(
図5:S105NO)、故障判定部402は、特に何もしない。この場合は、第2開閉検知部605の誤検知でなく、完全な故障と判定し、前記付与された故障フラグが維持される。
【0041】
さて、故障判定部402が、上述の判定を実行した後、第2開閉検知部605を監視する。一方、
図6(C)に示すように、ユーザーが原稿カバー601を原稿台600に完全に閉じると、制御部401が、前記第2開閉検知部605からのON信号を受信し、前記原稿カバー601が閉状態になったと検知する(
図5:S107)。
【0042】
制御部401が、前記原稿カバー601が閉状態になったと検知すると、その旨を故障判定部402に通知し、当該通知を受けた故障判定部402は、前記第2開閉検知部605が故障しているか否かを判定する(
図5:S108)。
【0043】
ここで、故障判定部402が判定する方法は、特に限定は無いが、例えば、上述した故障フラグを利用する場合には、故障判定部402が、前記メモリに故障フラグが記憶されているか否か(有無)を判定することになる。
【0044】
前記判定の結果、前記第2開閉検知部605が故障していない場合、つまり、前記故障フラグが記憶されていない場合には(
図5:S108NO)、故障判定部402が、その旨を原稿サイズ検知部403に通知する。当該通知を受けた原稿サイズ検知部403は、原稿604のサイズを検知する(
図5:S109)。尚、この原稿サイズ検知を第2原稿サイズ検知と称する。
【0045】
ここで、原稿サイズ検知部403が第2原稿サイズ検知をする方法は、特に限定は無い。例えば、第1原稿サイズ検知と同様に、CCDの読取画増処理により、主走査方向の原稿サイズを検知し、反射型センサとCCDの読取画増処理とを組み合わせて、副走査方向の原稿サイズを検知する。第2原稿サイズ検知は、原稿の色が高濃度(例えば、黒色、カラー色)である場合に有効である。
【0046】
このように、前記第2開閉検知部605が故障していない場合には、第2原稿サイズ検知を実行することで、誤検知無く、原稿のサイズを検知することが可能となる。
【0047】
ところで、S108において、前記判定の結果、前記第2開閉検知部605が故障している場合、つまり、前記故障フラグが記憶されている場合には(
図5:S108YES)、故障判定部402が、その旨を制御部401に通知し、当該通知を受けた制御部401は、原稿サイズ検知部403による第2原稿サイズ検知を禁止する(
図5:S110)。この場合は、前記第2開閉検知部605が、常時、ON信号を発信している可能性が高いため、ユーザーが原稿カバー601を原稿台600に完全に閉じる前に、第2原稿サイズ検知が実行される可能性があった。そこで、故障判定部402が、第2原稿サイズ検知を禁止することで、誤検知を確実に防止することが可能となる。
【0048】
ここで、故障判定部402が第2原稿サイズ検知を禁止すると、その旨を閾値判定部404に通知し、当該通知を受けた閾値判定部404は、今まで、前記第2原稿サイズ検知が禁止された回数をカウントする(
図5:S111)。
【0049】
例えば、今まで、3回、前記第2原稿サイズ検知が禁止されていた場合には、閾値判定部404は、今までの回数(3回)に1回を加算した加算値を、カウント値とする。
【0050】
そして、閾値判定部404は、前記カウントした回数が、予め設定された閾値(例えば、3回、数回等)を超過したか否かを判定する(
図5:S112)。
【0051】
前記判定の結果、前記カウントした回数が前記閾値を超過しない場合(
図5:S112NO)、閾値判定部404は、特に何もせず、前記カウントした回数を所定のメモリに記憶させておき、前記故障フラグをリセットしておく。この場合は、前記第2開閉検知部605の故障の誤検知の可能性があるため、複数のユーザーに繰り返し使ってもらって、前記第2開閉検知部605の経過を確認する必要がある。
【0052】
一方、S112において、前記判定の結果、前記カウントした回数が前記閾値を超過した場合(
図5:S112YES)、閾値判定部404は、その旨を表示部405に通知し、当該通知を受けた表示部405は、前記第2開閉検知部605の故障を示す画面を操作部103のタッチパネル201上に表示する(
図5:S113)。
【0053】
ここで、表示部405が表示する方法は、特に限定は無いが、例えば、
図2に示すように、前記画面203に、ユーザーに第2開閉検知部605の故障を知らせ、サービスマンに連絡する旨のメッセージ204と、OKキー205とを表示する。これにより、ユーザーは、第2開閉検知部605の故障を知ることが可能となる。
【0054】
尚、本発明の実施形態では、複合機100を原稿サイズ検知装置としたが、原稿サイズを検知する装置であれば、複写機、スキャナ、プリンタ等、どのような装置でも適用可能である。
【0055】
又、本発明の実施形態では、複合機100(原稿サイズ検知装置)が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムをファームウェア更新装置に読み出させ、当該原稿サイズ検知装置が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。