(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケット及び液冷ジャケットの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明における「上下」、「左右」、「前後」は
図1の矢印に従う。
図1に示すように、液冷ジャケット1は、その上面に固定される発熱体Hを冷却する部材である。液冷ジャケット1の内部には、熱輸送流体を流通させる。熱輸送流体は、液体であれば制限されないが本実施形態では水を用いている。なお、本実施形態では、液冷ジャケット1の上面のみに発熱体Hを固定する場合を例示するが、発熱体Hを下面に固定してもよい。
【0027】
図2に示すように、液冷ジャケット1は、中央に配置される液冷本体10と、液冷本体10に挿入される複数の固定用ピン20と、液冷本体10の前側に配置される前壁30と、後側に配置される後壁40と、右側に配置される右壁50と、左側に配置される左壁60と、液冷本体10の下方に配置される下面材70と、上方に配置される上面材80とで主に構成されている。まずは、液冷ジャケット1を構成する各部材について詳細に説明する。
【0028】
液冷本体10は、熱輸送流体が流れるとともに発熱体Hが接触する部位であって、略直方体を呈する。
図3の(a)及び(b)に示すように、液冷本体10は、基部11と、上側受熱部12と、下側受熱部13とで構成されている。液冷本体10は、熱伝導性の高い金属で一体形成されている。基部11は直方体を呈する。基部11には、一方の側面11cから他方の側面11dに亘って形成された複数のフィン14及び上面11aから下面11bに至る6つの孔部15が形成されている。
【0029】
フィン14は、板状を呈する。フィン14は、一定の間隔をあけて幅方向に複数枚並設されている。隣り合うフィン14,14の間の空間は熱輸送流体が流れる本体流路16として機能する。本体流路16は断面矩形状の中空部になっている。
【0030】
孔部15は、円柱状に切り欠かれた中空部である。孔部15は、複数の本体流路16に連通している。孔部15は、上面11a、下面11b及び複数のフィン14の一部を切り欠いて形成されている。孔部15は、本実施形態では右側の端部に3つ、左側の端部に3つ、計6つ形成されている。孔部15の数は発熱体Hの固定箇所数に応じて適宜形成される。なお、孔部15は、本実施形態では貫通孔としているが、発熱体Hを例えば上面のみに固定する場合は、上面11a及びフィン14のみに開口する孔でもよい。
【0031】
上側受熱部12は、基部11の上面11aの中央に突設されており略直方体を呈する。上側受熱部12の上面は、発熱体Hに接触する受熱面12aとなる部位である。受熱面12aは、上面11aよりも一段高い位置(上方)に形成されている。
【0032】
下側受熱部13は、基部11の下面11bの中央に突設されており略直方体を呈する。液冷ジャケット1の下面に発熱体を固定する場合において、下側受熱部13の下面は、発熱体に接触する受熱面13aとなる部位である。受熱面13aは、下面11bよりも一段低い位置(下方)に形成されている。上側受熱部12及び下側受熱部13の高さ寸法は、下面材70及び上面材80の厚さ寸法と同等になっている。上側受熱部12及び下側受熱部13の四隅は面取り加工されている。
【0033】
液冷本体10の製造方法では、押出成形工程と、孔部穿設工程と、受熱部切削工程とを行う。具体的な図示は省略するが、押出成形工程では、押し出し成形によって複数のフィン14が形成された押出形材(形材)を成形する。
【0034】
孔部穿設工程では、押出形材の上面から下面に貫通する孔部15を穿設する。最後に、受熱部切削工程では、押出形材の上面及び下面の周縁を所定の厚さで切削して上側受熱部12及び下側受熱部13を成形する。以上により液冷本体10が形成される。
【0035】
固定用ピン20は、発熱体Hを固定するための締結具が固定される部位である。
図3の(a)に示すように、固定用ピン20は、孔部15に挿入される部材であって、柱状を呈する。固定用ピン20は、孔部15に合わせて6つ設けられている。固定用ピン20は、熱伝導性の高い金属で形成されている。
【0036】
固定用ピン20は、円柱状を呈する本体部21と、本体部21の上下端に形成さえたフランジ部22,23とで構成されている。固定用ピン20の中央には、上下方向に貫通する雌ネジ24が形成されている。固定用ピン20の高さ寸法は、基部11の高さ寸法と同等になっている。本体部21の外径は、フランジ部22,23の外径よりも小さく、かつ、雌ネジ24の内径よりも大きくなっている。フランジ部22,23の外径は、孔部15の内径と略同等になっている。
【0037】
なお、本実施形態では、締結具としてネジを用いるため固定用ピン20に雌ネジ24を設けたが、発熱体Hを固定する締結具が固定可能な孔であれば他の構成であってもよい。
【0038】
図3の(b)に示すように、固定用ピン20の本体部21と本体部21の両脇のフィン14,14の間にも熱輸送流体が流れる本体流路16,16が形成されている。また、本実施形態では、固定用ピン20の外側にもフィン14が形成されている。つまり、固定用ピン20の外側にもフィン14と側壁11e又はフィン14と側壁11fとで形成され、熱輸送流体が流れる本体流路16,16が形成されている。
【0039】
なお、固定用ピン20の本体部21は、本実施形態では円柱状としたが、これに限定されるものでない。例えば、本体部21に大径部、小径部を設けるようにしてもよいし、高さ方向の中央部が最も細くなるように(くびれるように)形成してもよい。
【0040】
前壁30は、液冷本体10の前側に配置され、熱輸送流体が流れる上流側ヘッダーの一部を構成する部材である。
図4の(a)に示すように、前壁30は、熱伝導性の高い金属で一体形成されている。前壁30の高さ寸法は、液冷本体10の基部11の高さ寸法と同等になっている。前壁30の左右方向寸法は、液冷本体10の左右方向寸法と同等になっている。
【0041】
前壁30は、下壁31と、上壁32と、側壁33と、中間壁34とで構成されている。下壁31、上壁32、側壁33及び中間壁34は、いずれも板状を呈する。下壁31と上壁32は、上下方向に離間するとともに平行に配置されている。側壁33と中間壁34は、前後方向に離間するとともに平行に配置されている。前壁30の内部には、左右方向に連通する中空部35が形成されている。また、前壁30の後側は後方に開放されている。
【0042】
前壁30の中央には、上下方向に貫通する切欠き孔36が形成されている。切欠き孔36は、平面視円形を呈する。切欠き孔36の内径は、後記するパイプ92(
図9参照)の外径と同等になっている。前壁30の左端には、上下方向に貫通する切欠き孔37が形成されている。切欠き孔37は、平面視半円形を呈する。切欠き孔36,37の曲率半径は同等になっている。前壁30の下壁31、上壁32及び中間壁34で囲まれる空間が、熱輸送流体が流れる部位となる。なお、前壁30の下壁31、上壁32及び中間壁34で囲まれる空間を前壁連通部38とする。
【0043】
後壁40は、液冷本体10の後側に配置され、熱輸送流体が流れる下流側ヘッダーの一部を構成する部材である。
図4の(a)に示すように、後壁40は、熱伝導性の高い金属で一体形成されている。後壁40の高さ寸法は、液冷本体10の基部11の高さ寸法と同等になっている。後壁40の左右方向寸法は、液冷本体10の左右方向寸法と同等になっている。後壁40は、本実施形態では前壁30と同等の形状になっている。
【0044】
後壁40は、下壁41と、上壁42と、側壁43と、中間壁44とで構成されている。下壁41、上壁42、側壁43及び中間壁44は、いずれも板状を呈する。下壁41と上壁42とは上下方向に離間するとともに平行に配置されている。側壁43と中間壁44は、前後方向に離間するとともに平行に配置されている。後壁40の内部には、左右方向に連通する中空部45が形成されている。また、後壁40の前側は前方に開放されている。
【0045】
後壁40の中央には、上下方向に貫通する切欠き孔46が形成されている。切欠き孔46は、平面視円形を呈する。切欠き孔46の内径は、後記するパイプ92(
図9参照)の外径と同等になっている。後壁40の左端には、上下方向に貫通する切欠き孔47が形成されている。切欠き孔47は、平面視半円形を呈する。切欠き孔46,47の曲率半径は同等になっている。後壁40の下壁41、上壁42及び中間壁44で囲まれる空間が、熱輸送流体が流れる部位となる。なお、後壁40の下壁41、上壁42及び中間壁44で囲まれる空間を後壁連通部48とする。
【0046】
前壁30及び後壁40の製造方法では、押出成形工程と、切削工程と、切欠き工程とを行う。押出成形工程は、
図4の(b)に示すように、ビレットと称する円柱状の金属部材に対して押し出し成形を行って、押出形材Pを得る工程である。押出形材Pは、中央に形成された中空部P1と、中空部P1の両側に形成された中空部P2,P2と、中空部P2の外側にそれぞれ形成された中空部P3,P3とを有する。中空部P2,P2はそれぞれ同じ大きさになっている。また、中空部P3,P3もそれぞれ同じ大きさになっている。中空部P3,P3は、
図4の(a)に示す中空部35,45となる部位である。
【0047】
切削工程では、押出形材Pを切削して、前壁30及び後壁40を得る工程である。切削工程では、左右方向と平行に設定される仮想線L1,L2に沿って押出形材Pを切削する。仮想線L1,L2は、中空部P2,P2を左右方向と平行に分断するように設定されている。
【0048】
切欠き工程では、切削された部材に切欠き孔36,37,46,47を形成する。これにより、前壁30及び後壁40が形成される。なお、本実施形態では、前壁30及び後壁40は同等の形状となっているが、前壁30及び後壁40は、異なる形状であってもよい。
【0049】
右壁50は、液冷本体10の右側に配置され、熱輸送流体の入口と出口が形成される部材である。また、右壁50は、熱輸送流体が流れる上流側ヘッダー及び下流側ヘッダーの一部を構成する部材である。
図5の(a)及び(b)に示すように、右壁50は、熱伝導性の高い金属で形成されている。右壁50の高さ寸法は、液冷本体10の基部11の高さ寸法と同等になっている。右壁50の前後方向寸法は、液冷本体10、前壁30及び後壁40の各前後方向寸法の和と同等になっている。右壁50は、左右方向に平行な中間線に対して対称に形成されている。
【0050】
右壁50は、直方体を呈する基体部51に形成された入口孔52、入口連通部53、出口孔54及び出口連通部55とで構成されている。入口孔52は、円柱状の中空部であって、右側に開放されている。入口連通部53は、入口孔52に連続しており、左側に開放されている。入口連通部53は、直方体状の中空部であって、入口孔52よりも大きな中空部を有している。入口孔52及び入口連通部53は熱輸送流体が流入する部位である。
【0051】
出口孔54は、円柱状の中空部であって、右側に開放されている。出口連通部55は、出口孔54に連続しており、左側に開放されている。出口連通部55は、直方体状の中空部であって、出口孔54よりも大きな中空部を有している。出口孔54及び出口連通部55は、熱輸送流体が流出する部位である。
【0052】
左壁60は、液冷本体10の左側に配置される部材である。
図2に示すように、左壁60は、基体部61に形成された切欠き孔62,63を有する。左壁60は、熱伝導性の高い金属で形成されている。左壁60の高さ寸法は、液冷本体10の基部11の高さ寸法と同等になっている。左壁60の前後方向寸法は、液冷本体10、前壁30及び後壁40の各前後方向寸法の和と同等になっている。
【0053】
左壁60は、中空部を有するように形成されていてもよいが、本実施形態では中実になっている。切欠き孔62,63は上下方向に貫通しており、平面視半円形を呈する。切欠き孔62,63の曲率半径は、対向する切欠き孔37,47の曲率半径とそれぞれ同等になっている。切欠き孔37,62が対向して形成される切欠き孔及び切欠き孔47,63が対向して形成される切欠き孔の内径は、後記するパイプ92(
図9参照)の外径と同等になっている。
【0054】
下面材70は、液冷本体10の下側に配置される板状部材である。下面材70は、特許請求の範囲の「他方面材」に相当する。
図6の(a)に示すように、下面材70は一定の厚さで形成されている。下面材70には、開口部71と、貫通孔72,72,73,73と、6つの雌ネジ74とが形成されている。開口部71は、上下方向に貫通しており、平面視略矩形を呈する。開口部71は、下側受熱部13(
図3の(b)参照)が挿入される部位である。開口部71は、下側受熱部13が隙間なく嵌め合わされる形状になっている。
【0055】
貫通孔72は、上下方向に貫通しており、下面材70の左右方向の中央において開口部71を挟んで一対形成されている。貫通孔72,72はそれぞれ同等の大きさになっており、平面視円形を呈する。貫通孔72の中心軸と切欠き36,46の中心軸とはそれぞれ同軸になっている。貫通孔72の内径は、切欠き孔36,46(
図2参照)の内径よりも若干小さくなっている。
【0056】
貫通孔73は、上下方向に貫通しており、下面材70の左端の隅部に一対形成されている。貫通孔73,73は、それぞれ同等の大きさになっており、平面視円形を呈する。貫通孔73の中心軸と切欠き孔37,62(
図2参照)が対向して形成される切欠き孔の中心軸とは同軸になっている。また、貫通孔73の中心軸と切欠き孔47,63(
図2参照)が対向して形成される切欠き孔の中心軸とは同軸になっている。貫通孔73の内
径は、切欠き孔37,62が対向して形成される切欠き孔及び切欠き孔47,63が対向して形成される切欠き孔の内径よりも若干小さくなっている。
【0057】
雌ネジ74は、上下方向に貫通しており、左右方向において開口部71を挟んで3つずつ、計6つ形成されている。雌ネジ74は、発熱体Hを下面材70に固定する場合において、ネジBが螺合される部位である。雌ネジ74は、固定用ピン20に対応する位置に形成されている。より詳しくは、雌ネジ74は、固定用ピン20の雌ネジ24と連通するように形成されている。
【0058】
なお、雌ネジ74は、本実施形態ではネジ溝を形成しているが、少なくとも上下方向に貫通する孔であり、かつ、固定用ピン20の雌ネジ24に連通していればよい。
【0059】
下面材70の板厚寸法は、下側受熱部13の高さ寸法と同等になっている。下面材70の前後方向寸法は、液冷本体10、前壁30及び後壁40の各前後方向寸法の和と同等になっている。下面材70の左右方向寸法は、液冷本体10、右壁50及び左壁60の各左右方向寸法の和と同等になっている。
【0060】
下面材70は、
図6の(b)に示すように、複数の金属材料を積層して構成されている。下面材70は、本実施形態では、下から順番に基板層70Aと、中間層70Bと、ロウ材層70Cとで構成されている。
【0061】
基板層70Aは、例えば、Mgが0.4〜0.8wt%含んだアルミニウム合金で形成されている。中間層70Bは、例えば、Cuが0.45〜0.55wt%含んだアルミニウム合金で形成されている。ロウ材層70Cは、例えば、Siが9.0〜11.0wt%含んだアルミニウム合金で形成されている。ロウ材層70Cは、後記するロウ付け工程において、加熱されることで溶融し、各部材を接合する層である。
【0062】
なお、下面材70は、本実施形態では3層構造としたが少なくとも上面にロウ材層が形成される構造であれば何層構造であってもよい。
【0063】
上面材80は、液冷本体10の上側に配置される板状部材である。上面材80は、特許請求の範囲の「一方面材」に相当する。
図7の(a)に示すように、上面材80は一定の厚さで形成されている。上面材80には、開口部81と、貫通孔82,82,83,83と、6つの雌ネジ84とが形成されている。上面材80は、下面材70と同等の形状及び材料からなる。開口部81は、上下方向に貫通しており、平面視略矩形を呈する。開口部81は、上側受熱部12(
図2参照)が挿入される部位である。開口部81は、上側受熱部12に隙間なく嵌め合わされる形状になっている。
【0064】
貫通孔82は、上下方向に貫通しており、上面材80の左右方向の中央において開口部81を挟んで一対形成されている。貫通孔82,82はそれぞれ同等の大きさになっており、平面視円形を呈する。貫通孔82の中心軸と切欠き孔36,46(
図2参照)の中心軸とはそれぞれ同軸になっている。貫通孔82の内径は、切欠き孔36,46の内径よりも若干小さくなっている。
【0065】
貫通孔83は、上下方向に貫通しており、上面材80の左端の隅部に一対形成されている。貫通孔83,83は、それぞれ同等の大きさになっており、平面視円形を呈する。貫通孔83の中心軸と切欠き孔37,62(
図2参照)が対向して形成される切欠き孔の中心軸とは同軸になっている。また、貫通孔83の中心軸と切欠き孔47,63(
図2参照)が対向して形成される切欠き孔の中心軸とは同軸になっている。貫通孔83の内径は、切欠き孔37,62が対向して形成される切欠き孔及び切欠き孔47,63が対向して形成される切欠き孔の内径よりも若干小さくなっている。
【0066】
雌ネジ84は、上下方向に貫通しており、左右方向において開口部81を挟んで3つずつ、計6つ形成されている。雌ネジ84は、ネジB(
図1参照)が螺合される部位である。雌ネジ84は、固定用ピン20に対応する位置に形成されている。より詳しくは、雌ネジ84は、固定用ピン20の雌ネジ24と連通するように形成されている。
【0067】
雌ネジ84は、本実施形態ではネジ溝を形成しているが、少なくとも上下方向に貫通する孔であり、かつ、固定用ピン20の雌ネジ24に連通していればよい。
【0068】
上面材80の板厚寸法は、
図2に示すように、上側受熱部12の高さ寸法と同等になっている。上面材80の前後方向寸法は、液冷本体10、前壁30及び後壁40の各前後方向寸法の和と同等になっている。上面材80の左右方向寸法は、液冷本体10、右壁50及び左壁60の各左右方向寸法の和と同等になっている。
【0069】
上面材80は、
図7の(b)に示すように、複数の金属材料を積層して構成されている。上面材80は、本実施形態では、上から順番に基板層80Aと、中間層80Bと、ロウ材層80Cとで構成されている。
【0070】
基板層80Aは、例えば、Mgが0.4〜0.8wt%含んだアルミニウム合金で形成されている。中間層80Bは、例えば、Cuが0.45〜0.55wt%含んだアルミニウム合金で形成されている。ロウ材層80Cは、例えば、Siが9.0〜11.0wt%含んだアルミニウム合金で形成されている。ロウ材層80Cは、後記するロウ付け工程において、加熱されることで溶融し、各部材を接合する層である。
【0071】
なお、上面材80は、本実施形態では3層構造としたが少なくとも下面にロウ材層が形成される構造であれば何層構造であってもよい。
【0072】
次に、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法は、準備工程と、挿入工程と、第一配置工程と、第二配置工程と、ロウ付け工程と、面切削工程と、雌ネジ形成工程とを行う。
【0073】
準備工程は、各部材を成形するとともに、仮設ピン及びパイプを配置する工程である。
図2に示すように、準備工程では、液冷本体10と、前壁30と、後壁40と、右壁50と、左壁60と、下面材70と、上面材80とを成形する。下面材70及び上面材80の板厚寸法は、上側受熱部12及び下側受熱部13の高さ寸法よりも若干大きく成形する。また、下面材70の雌ネジ74及び上面材80の雌ネジ84は、雌ネジ形成工程で形成されるため準備工程では設けない。
【0074】
次に、準備工程では、
図8の(a)に示すように、仮設ピン91及びパイプ92を配置する。準備工程では、下面材70の貫通孔72,72,73,73に仮設ピン91をそれぞれ挿入する。仮設ピン91は、金属で形成されており円柱状を呈する。仮設ピン91の外径は、貫通孔72,73の内径と同等になっている。仮設ピン91の長さは、液冷本体10の基部11の高さ寸法、下面材70の板厚寸法及び上面材80の板厚寸法の和と略同等になっている。
【0075】
次に、仮設ピン91にパイプ92を挿入する。パイプ92は金属で形成されており円筒状を呈する。パイプ92の下端面は下面材70の上面70aに当接する。パイプ92の内径は、貫通孔72,73の内径及び仮設ピン91の外径と同等になっている。パイプ92の長さ寸法は、液冷本体10の基部11の高さ寸法と同等になっている。
【0076】
挿入工程は、
図8の(b)に示すように、液冷本体10に形成された各孔部15に固定用ピン20を挿入する工程である。挿入工程では、雌ネジ24が形成される前の固定用ピン20を挿入する。
【0077】
第一配置工程は、下面材70に液冷本体10、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60を配置する工程である。
図8の(a)及び(b)に示すように、第一配置工程では、まず、下面材70の開口部71に液冷本体10の下側受熱部13を挿入する。これにより、固定用ピン20の下面は、下面材70で覆われる。
【0078】
次に、第一配置工程では、
図9に示すように、下面材70の上面70aに前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60を配置する。前壁30は、切欠き孔36にパイプ92を挿通させつつ配置する。後壁40は、切欠き孔46にパイプ92を挿通させつつ配置する。右壁50は、液冷本体10、前壁30及び後壁40に当接させつつ配置する。左壁60は、切欠き孔62を切欠き孔37に対向させるとともに、切欠き孔63を切欠き孔47に対向させる。そして、左壁60は、液冷本体10、前壁30及び後壁40に当接させつつ配置する。
【0079】
第一配置工程によって、液冷本体10の基部11の上面11a、前壁30の上面、後壁40の上面、右壁50の上面及び左壁60の上面は面一になる。また、第一配置工程によって、パイプ92の上端面と、前壁30の上面、後壁40の上面、右壁50の上面及び左壁60の上面とが面一になる。
【0080】
さらに、第一配置工程によって、液冷本体10の基部11、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60の各部材同士が突き合わされて突合せ部(目地)が形成される。さらにまた、前壁30、後壁40及び左壁60とパイプ92とが突き合わされて突合せ部(目地)が形成される。
【0081】
第二配置工程は、液冷本体10、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60を覆うように上面材80を配置する工程である。言い換えると、液冷本体10、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60を下面材70と上面材80との間に配置する。第二配置工程では、液冷本体10の上側受熱部12に上面材80の開口部81を挿入するとともに、4つの仮設ピン91に貫通孔82,82,83,83をそれぞれ挿入する。
【0082】
第二配置工程によって、固定用ピン20の上面は、上面材80で覆われる。また、第二配置工程によって、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60で構成される外周側面(外側に露出する側面)、下面材70の外周側面70c及び上面材80の外周側面80cは面一になる。なお、上面材80を配置したら各仮設ピン91を取り除く。第一配置工程及び第二配置工程は、特許請求の範囲の「配置工程」に相当する。
【0083】
ロウ付け工程は、各部材を加熱して下面材70のロウ材層70C及び上面材80のロウ材層80Cを溶融させてロウ付けする工程である。ロウ付け工程では、ロウ材層が溶融する温度まで各部材を加熱する。これにより、ロウ材層70Cで溶融したロウ材により、下面材70の上面70aと、基部11の下面11b、前壁30の下面、後壁40の下面、右壁50の下面及び左壁60下面との重ね合せ部(界面)が接合される。
【0084】
また、ロウ材層80Cで溶融したロウ材により、上面材80の下面80bと、基部11の上面11a、前壁30の上面、後壁40の上面、右壁50の上面及び左壁60の上面との重ね合せ部(界面)が接合される。
【0085】
また、ロウ材層70C及びロウ材層80Cで溶融したロウ材が、液冷本体10、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60がそれぞれ突き合わされた突合せ部(目地)に入り込みこれらの部材同士が接合される。また、ロウ材層70C及びロウ材層80Cで溶融したロウ材が、切欠き孔36,46,37,47,62,63と各パイプ92との突合せ部に入り込みこれらの部材同士が接合される。さらに、ロウ材層70C及びロウ材層80Cで溶融したロウ材が、各孔部15と各固定用ピン20との突合せ部に入り込みこれらの部材同士が接合される。
【0086】
面切削工程は、下面材70及び上面材80の一部を面切削する工程である。
図10に示すように、本実施形態では下側受熱部13の高さ寸法よりも下面材70の板厚寸法を予め大きく設定している。また、上側受熱部12の高さ寸法よりも上面材80の板厚寸法を予め大きく設定している。面切削工程では、下面材70の下面70bを切削して、下側受熱部13の受熱面13aと下面70bとを面一にする。また、面切削工程では、上面材80の上面80aを切削して、上側受熱部12の受熱面12aと上面80aとを面一にする。
【0087】
なお、本実施形態では面切削工程を行ったが、下面材70の板厚寸法と下側受熱部13の高さ寸法を同等に設定するとともに、上面材80の板厚寸法と上側受熱部12の高さ寸法を予め同等に設定して面切削工程を省略してもよい。
【0088】
雌ネジ形成工程は、固定用ピン20に雌ネジ24を形成する工程である。
図10の二点鎖線に示すように、雌ネジ形成工程では、例えば、タップ等を用いて上面材80、固定用ピン20及び下面材70に貫通する雌ネジを形成する。これにより、連通する雌ネジ24,74,84(
図2参照)が形成される。本実施形態では、発熱体Hを液冷ジャケット1の両面に固定することができる形態としたため、上下方向に貫通するように雌ネジを設けたが、これに限定されるものではない。固定用ピン20に形成され、かつ、上面側及び下面側の少なくとも一方に開口するように雌ネジを設ければよい。以上の工程により、液冷ジャケット1が形成される。
【0089】
なお、前記した液冷ジャケットの製造方法は、あくまで一例であって本発明を限定するものではない。各工程の順番も適宜変更可能である。例えば、前記した形態では、ロウ付け工程の前に、仮設ピン91(
図9参照)を取り除いたが、ロウ付け工程後に取り除いてもよい。この場合は、仮設ピン91をアルミニウム合金とロウ付けされない材料(例えば、鉄、カーボン、セラミック等)で形成する。仮設ピン91を挿入した状態でロウ付けすることにより、ロウ付け炉等における移動時の振動ズレを防止することができる。
【0090】
次に、本実施形態に係る液冷ジャケット1の使用方法及び作用効果について説明する。
図11の(a)及び(b)に示すように、液冷ジャケット1の下面材70及び上面材80の少なくともいずれかに、ネジB等の締結具でCPU等の発熱体Hを固定する。本実施形態では、上面材80に発熱体Hを固定する場合を例示する。
【0091】
発熱体Hを固定する際には、発熱体Hのフランジ部H1に設けられた孔H1aと雌ネジ24とを連通させ、ネジBを螺合して固定する。ネジBは、固定用ピン20の雌ネジ24と螺合するまで挿入する。
【0092】
図12は、第一実施形態に係る液冷ジャケットの水の流れを示す模式平断面図である。
図12の(a)では、説明の便宜上、フィン14及び本体流路16の描画は省略している。
図12の(a)に示すように、右壁50の入口孔52に流入した熱輸送流体(本実施形態では水)は、入口連通部53を通って前壁30の前壁連通部38に流入する。そして、熱輸送流体は、前壁連通部38から液冷本体10の各本体流路16に流入する。入口孔52、入口連通部53及び前壁連通部38は、特許請求の範囲の「上流側ヘッダー」に相当する部位である。上流側ヘッダーは、複数の本体流路16の一端側(上流側)に連結されている。
【0093】
本体流路16を流れる熱輸送流体は、複数のフィン14と接触することで熱交換を行い、熱を外部へ輸送する。本体流路16の下流側から排出された熱輸送流体は、後壁40の後壁連通部48に流入する。そして、熱輸送流体は、右壁50の出口連通部55及び出口孔54を通って外部に排出される。後壁連通部48、出口連通部55及び出口孔54は、特許請求の範囲の「下流側ヘッダー」に相当する部位である。下流側ヘッダーは、複数の本体流路16の他端側(下流側)に連結されている。
【0094】
図12の(b)は固定用ピン周りの水の流れを示す拡大平断面図である。
図12の(b)では、説明の便宜上、各本体流路16に符号「16a」〜「16f」を付して区別している。
図12の(b)に示すように、仮に、孔部15の内径と、固定用ピン20の本体部21の外径とが同等であると、本体流路16c,16dが固定用ピン20の本体部21で塞がれるため、本体流路16c,16dに熱輸送流体が流れない。
【0095】
これに対し、本実施形態では、孔部15の内径(フランジ部22,23の外径)に対して、固定用ピン20の本体部21の外径は若干小さくなっている。これにより、各フィン14と本体部21との間に円筒状の空間が形成されるため、本体部21の全外周面にも熱輸送流体が流れるようになっている。固定用ピン20の周囲に流れた熱輸送流体は、本体流路16b〜16eのいずれかに流れて排出される。
【0096】
以上説明した本実施形態に係る液冷ジャケット1によれば、発熱体Hで発生した熱は、液冷本体10の本体流路16を流れる熱輸
送流体によって外部に輸送される。これにより、発熱体Hを冷却することができる。本実施形態では、発熱体Hの下面を上側受熱部12の受熱面12aに面接触させているため、冷却効率を高めることができる。また、
図11の(a)及び(b)に示すように、受熱面12aの全面に複数のフィン14が形成されているため、より冷却効率を高めることができる。さらに、液冷本体10は押し出し成形によって一体成形されているため、フィン14から受熱面12aまでの熱経路においてロウ材等の接合材が介在しない。これにより、熱伝導性の低下を防ぐことができるため、より冷却効率を高めることができる。
【0097】
また、本実施形態では発熱体Hを固定するための固定用ピン20が、本体流路16に連通する孔部15に配置されている。つまり、
図12に示すように、固定用ピン20の外周面に熱輸送流体が接触するようになるため、発熱体Hを固定するためのネジB等の締結具を介して固定用ピン20に伝達される熱を効率よく排出することができる。つまり、発熱体Hを固定するための締結具を介しての熱リークを防ぐことができる。また、固定用ピン20の本体部21の平断面形状はどのような形状でもよいが、本実施形態のように円形状とすることで熱輸送流体をスムーズに流通させることができる。
【0098】
さらに、発熱体Hを固定するための固定用ピン20が複数の本体流路16を備えた液冷本体10の内部に配置されるため、液冷ジャケット1の小型化を図ることができる。また、液冷ジャケット1の上下面にそれぞれ露出する上側受熱部12及び下側受熱部13を備えることで、液冷ジャケット1の上下面で発熱体Hを冷却することができる。
【0099】
また、下面材70及び上面材80で、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60を挟持するとともに、下面材70及び上面材80のロウ材層70C,80Cを溶融させてロウ付けしているため、液冷ジャケット1を容易に一体化することができる。また、このように接合したとしても、フィン14から受熱面12a(13a)までの熱経路にロウ材が介在するものではないため、当該ロウ付けによって熱伝導性が低下するものではない。また、下面材70の開口部71に下側受熱部13を挿入するとともに、上面材80の開口部81に上側受熱部12を挿入することで、受熱面12a(13a)と発熱体Hとを直接面接触させることができる。
【0100】
また、液冷ジャケット1の製造方法によれば、下面材70及び上面材80のロウ材層70C,80Cを溶融させることで、液冷本体10、前壁30、後壁40、右壁50及び左壁60がそれぞれ突き合わされた突合せ部(目地)に溶融したロウ材が入り込み、これらの部材同士が接合される。言い換えると、液冷本体10と上流側ヘッダーとの突合せ部及び液冷本体10と下流側ヘッダーとの突合せ部に溶融したロウ材が入り込み、これらの部材同士が接合される。また、ロウ材層70C及びロウ材層80Cで溶融したロウ材が、切欠き孔36,46,37,47,62,63と各パイプ92との突合せ部に入り込みこれらの部材同士が接合される。さらに、ロウ材層70C及びロウ材層80Cで溶融したロウ材が、各孔部15と各固定用ピン20との突合せ部に入り込みこれらの部材同士が接合される。このように、ロウ付け工程による一度の加熱で複数の部材同士を接合できるため、製造効率を高めることができる。
【0101】
また、液冷ジャケット1は、
図1に示すように、4つの固定用貫通孔90を備えている。固定用貫通孔90は、各貫通孔82,83、72,73とパイプ92とで構成される孔である。固定用貫通孔90を備えることで、対称構造物に対して液冷ジャケット1を容易に取り付けることができる。また、上面材80の上面80aと受熱面12aとが面一に形成されており、かつ、下面材70の下面70bと受熱面13aとが面一に形成されているため、対称構造物に対する取り付け性も良好となる。また、固定用貫通孔90を形成する際に、仮設ピン91を用いることで、前壁30、後壁40、左壁60、下面材70及び上面材80の各部材を配置する際の位置決めを容易に行うことができる。
【0102】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態では固定用ピン20を6つ設けているが、固定用ピン20は、発熱体Hの形状や大きさに合わせて少なくとも1つ以上設ければよい。また、本実施形態では、上側受熱部12及び下側受熱部13の両方を設けたが、上側受熱部12のみ設ける構成でもよい。
【0103】
また、本実施形態では、複数の部材で上流側ヘッダー及び下流側ヘッダーを構成したが、上流側ヘッダー及び下流側ヘッダーをそれぞれ一の部材で構成してもよい。また、上流側ヘッダー及び下流側ヘッダーを合体させて一の部材で構成してもよい。
【0104】
また、本実施形態では、フィン14を板状にしたが、例えば、柱状としてもよい。また、上側受熱部12及び下側受熱部13を基部11の上面11a及び下面11bから突出させずに、上面11a及び下面11bと面一にしてもよい。この場合は、下面材70の開口部71及び上面材80の開口部81から受熱面が露出することになるため、発熱体Hに凸部を設けるなどして発熱体Hと受熱面とを接触させてもよい。
【0105】
また、上側受熱部12及び下側受熱部13を省略するとともに、下面材70の開口部71及び上面材80の開口部81を省略してもよい。この場合は、液冷本体10と発熱体Hとが下面材70又は上面材80を介して間接的に熱が伝達することとなる。また、下面材70及び上面材80を省略して、液冷本体10に発熱体Hを直接固定してもよい。
【0106】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る液冷ジャケットについて説明する。
図13の(a)は第二実施形態に係る液冷ジャケットを示す平断面図であり、(b)は整流板を示す斜視図である。
図13の(a)及び(b)に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケット1Aは、整流板95を設ける点で第一実施形態と相違する。本実施形態では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0107】
整流板95は、金属製の板状部材である。整流板95は、液冷本体10と前壁30の間に配置される。つまり、液冷本体10と上流側ヘッダーとの間に介設される。整流板95は、熱輸送流体の流れを整える(変更する)ための部材である。整流板95の長さ寸法は、液冷本体10の左右方向寸法と同等になっている。また、整流板95の高さ寸法は、液冷本体10の基部11の高さ寸法と同等になっている。
【0108】
整流板95には、板厚方向に貫通する中央流路孔96と、サイド流路孔97,97とが形成されている。中央流路孔96は、前側から見て細長矩形状を呈する。中央流路孔96の長さ寸法は、左右方向に並設された固定用ピン20,20間距離と略同等に形成されている。サイド流路孔97は、中央流路孔96の両側にそれぞれ形成されている。サイド流路孔97の高さ寸法は、中央流路孔96の高さ寸法よりも4倍程度大きくなっている。
【0109】
中央流路孔96よりもサイド流路孔97,97の方が開口が大きいため、前壁連通部38から流れてきた熱輸送流体は、中央流路孔96よりもサイド流路孔97,97の方に多く流れるようになる。これにより、固定用ピン20周りの冷却効率をより高めることができる。
【0110】
整流板95の流路孔は、前記した形態に限定されるものではない。整流板95は、流路孔の開口の位置、大きさ、形状等を適宜変更して、熱輸送流体の流れを必要に応じて変更することができる。
【0111】
[第一変形例]
次に、本発明の第一変形例について説明する。
図14及び
図15に示すように、第一変形例では、液冷本体の形態が第一実施形態と相違する。第一変形例では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0112】
図14に示すように、第一変形例に係る液冷本体110は、下本体部120と、介設板130と、上本体部140とで構成されている。
【0113】
下本体部120は、板状を呈する基部121と、基部121から下方に突出する下側受熱部122(
図15参照)とで構成されている。下本体部120は、金属製であって一体形成されている。基部121には、前側から後側に延設される複数のフィン123と、6つの孔部124とが形成されている。孔部124は、上下方向に貫通し、円柱状の中空部になっている。孔部124は、固定用ピン(図示省略)が配置される部位である。下本体部120には、6つの固定用ピンが配置される。第一変形例の固定用ピンの高さ寸法は、孔部124の高さ寸法と同等になっている。下側受熱部122は、第一実施形態と同等である。
【0114】
介設板130は、下本体部120と上本体部140とを一体化するための板状部材である。介設板130は、金属製である。介設板130の上面及び下面には、ロウ材層(図示省略)が形成されている。介設板130の前後方向寸法及び左右方向寸法は、下本体部120の前後方向寸法及び左右方向寸法と同等になっている。
【0115】
上本体部140は、板状を呈する基部141と、基部141から上方に突出する上側受熱部142とで構成されている。上本体部140は、下本体部120と同等の形状からなる。上本体部140は、金属製であって一体形成されている。基部141には、前側から後側に延設される複数のフィン143と、6つの孔部144とが形成されている。孔部144は、上下方向に貫通し、円柱状の中空部になっている。孔部144は、固定用ピン(図示省略)が配置される部位である。上本体部140には、6つの固定用ピンが配置される。第一変形例の固定用ピンの高さ寸法は、孔部144の高さ寸法と同等になっている。上側受熱部142は、第一実施形態と同等である。
【0116】
図15に示すように、液冷本体110を形成する際には、下本体部120、介設板130及び上本体部140を重ね合わせた後、下本体部120及び上本体部140を加熱して介設板130の上下面に形成されたロウ材層を溶融させてロウ付けする。これにより、隣り合うフィン123と介設板130とで囲まれた空間が、熱輸送流体が流れる本体流路126となる。同様に、隣り合うフィン143と介設板130とで囲まれた空間が、熱輸送流体が流れる本体流路146となる。液冷本体110には、孔部124,144に合計12個の固定用ピンが配置される。
【0117】
以上説明した第一変形例の液冷本体110のように、液冷本体110を下本体部120、介設板130及び上本体部140で構成してもよい。このように構成しても、第一実施形態と同等の効果を奏することができる。なお、第一変形例では、介設板130を設けたが、介設板130を省略してもよい。この場合は、フィン123,143の端面にペースト状のロウ材を塗布してロウ材層を形成し、下本体部120と上本体部140とを接合する。
【0118】
[第二変形例]
次に、本発明の第二変形例について説明する。
図16及び
図17に示すように、第二変形例では、液冷本体の形態が第一実施形態と相違する。第二変形例では、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。
【0119】
図16に示すように、第二変形例に係る液冷本体210は、下本体部220と、介設板230と、上本体部240とで構成されている。
【0120】
下本体部220は、板状を呈する基部221と、基部221から下方に突出する下側受熱部222(
図17参照)とで構成されている。下本体部220は、金属製であって一体形成されている。基部221には、基部221の上面から立ち上がる複数のピンフィン223と、6つの孔部224とが形成されている。ピンフィン223は、円柱状を呈し、前後方向及び左右方向に等間隔で複数個形成されている。孔部224は、上下方向に貫通し、円柱状の中空部になっている。孔部224は、固定用ピン(図示省略)が配置される部位である。下側受熱部222は、第一実施形態と同等である。
【0121】
介設板230は、下本体部220と上本体部240とを一体化するための板状部材である。介設板230は、金属製である。介設板230の左端及び右端には貫通孔231が3ずつ形成されている。貫通孔231は、孔部224及び後記する孔部244に対応する位置に形成されている。介設板230の上面及び下面には、ロウ材層(図示省略)が形成されている。介設板230の前後方向寸法及び左右方向寸法は、下本体部220の前後方向及び左右方向寸法と同等になっている。
【0122】
上本体部240は、板状を呈する基部241と、基部241から上方に突出する上側受熱部242とで構成されている。上本体部240は、下本体部220と同等の形状になっている。上本体部240は、金属製であって一体形成されている。基部241には、基部241の下面から垂下する複数のピンフィン243と、6つの孔部244とが形成されている。ピンフィン243は、円柱状を呈し、前後方向及び左右方向に等間隔で複数個形成されている。ピンフィン243は、下本体部220のピンフィン223と対応する位置に形成されている。孔部244は、上下方向に貫通し、円柱状の中空部になっている。孔部244は、固定用ピン(図示省略)が配置される部位である。上側受熱部242は、第一実施形態と同等である。
【0123】
図17に示すように、液冷本体210を形成する際には、下本体部220、介設板230及び上本体部240を重ね合わせた後、下本体部220及び上本体部240を加熱して介設板230の上下面に形成されたロウ材層を溶融させてロウ付けする。これにより、複数のピンフィン223と介設板230とで囲まれた空間が、熱輸送流体が流れる本体流路226となる。同様に、複数のピンフィン243と介設板230とで囲まれた空間が、熱輸送流体が流れる本体流路246となる。そして、液冷本体210の上下方向に連通する孔部224、貫通孔231及び孔部244に、それぞれ固定用ピン(本実施形態では計6つの固定用ピン)を挿入する。
【0124】
以上説明した第二変形例の液冷本体210のように、液冷本体210を下本体部220、介設板230及び上本体部240で構成してもよい。このように構成しても、第一実施形態と同等の効果を奏することができる。なお、変形例では、介設板230を設けたが、介設板230を省略してもよい。この場合は、ピンフィン223,243の端面にペースト状のロウ材を塗布してロウ材層を形成し、下本体部220と上本体部240とを接合する。
【0125】
[第三変形例]
第二変形例では、対向するピンフィン223,243を対応する位置に設けたが、
図18に示す第三変形例のように、介設板を省略しつつ、対向するピンフィン223,243の位置をずらして構成してもよい。この場合、ピンフィン223,243の端面にはロウ材層が形成されている。対向するピンフィン223,243の左右方向位置及び前後方向位置をずらして設けることで、熱輸送流体を不規則に流通させることができる。