特許第6248854号(P6248854)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000002
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000003
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000004
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000005
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000006
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000007
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000008
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000009
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000010
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000011
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000012
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000013
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000014
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000015
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000016
  • 特許6248854-ヘッドマウントディスプレイ 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248854
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20171211BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G02B27/02 Z
   H04N5/64 511A
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-154957(P2014-154957)
(22)【出願日】2014年7月30日
(65)【公開番号】特開2016-31506(P2016-31506A)
(43)【公開日】2016年3月7日
【審査請求日】2016年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100152515
【弁理士】
【氏名又は名称】稲山 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】楠田 美佑紀
【審査官】 堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−044828(JP,A)
【文献】 特開平11−084474(JP,A)
【文献】 特開2000−214371(JP,A)
【文献】 特開2002−162597(JP,A)
【文献】 特開2004−286833(JP,A)
【文献】 特開2005−284130(JP,A)
【文献】 特開平11−109447(JP,A)
【文献】 特開2002−156572(JP,A)
【文献】 特開2001−188193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を生成可能な画像ユニットと、
複数のレンズを有し、前記画像ユニットに対して第1方向の一方側に配置され、その光軸が前記第1方向に延びるレンズユニットと、
前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一部を覆う筐体であって、
前記第1方向と直交する第2方向の一方側に第1筐体を有し、前記第2方向の他方側に第2筐体を有し、
前記第1筐体は、前記筐体に対する前記画像ユニットの位置を固定的に保持し、且つ、前記筐体に対する前記レンズユニットの位置を前記第1方向に移動可能に保持する
筐体と、
前記筐体のうち、前記レンズユニットに対して前記第1方向の前記一方側に設けられた部材であって、前記レンズユニットによって導かれた前記画像光を、前記第2方向の前記一方側に偏向させることが可能な偏向部材と、
記レンズユニットの前記第2方向の前記一方側に設けられ、前記第2方向の前記一方側に突出する第1突出部を有する第1係合部材と、
記レンズユニットの前記第2方向の他方側に設けられ、前記第2方向の前記他方側に突出する円柱状の第2突出部を有する第2係合部材と、
前記第1筐体のうち、前記第2方向の前記一方側の部分の前記筐体内側面に設けられた部材であって、前記第1方向に延び且つ前記第1突出部が嵌る第1溝部を有し、前記第1係合部材に係合して前記第1方向に移動可能に支持する第3係合部材と、
前記第2係合部材の前記第2方向の前記他方側に設けられた調節機構であって、
前記第2係合部材に係合する部材であって、前記画像ユニットと前記レンズユニットとの前記第1方向の相対距離を変更可能な第4係合部材を有し、
前記第4係合部材は、前記第2突出部が嵌る渦巻き状の第2溝部を有する
調節機構と、
前記筐体の前記第2筐体に保持された部材であって、前記調節機構に接続され、前記調節機構を使用者が操作可能な操作部材と
前記第1方向に延び且つ前記第2方向の前記他方側に向けて凸状に湾曲する第1部分、及び、前記第1部分の両側から前記第2方向の前記一方側に延びる一対の第2部分を有する装着具と、
前記装着具の前記第1部分から延び、先端に前記第1筐体が接続された接続具と
を備え、
前記第1突出部の前記第1方向の長さは、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向の長さよりも長いことを特徴とするヘッドマウントディスプレイ
【請求項2】
前記筐体は、前記画像ユニットと前記偏向部材との間の距離を固定して保持することを特徴とする請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ
【請求項3】
前記第1突出部は、前記レンズユニットの前記第2方向の前記一方側のうち、前記第3方向の中心を含む位置に設けられ、
前記第2係合部材は、前記レンズユニットの前記第2方向の前記他方側のうち、前記第3方向の中心を含む位置に設けられ、
前記第3係合部材は、前記第1筐体の前記第2方向の前記一方側の部分の前記筐体内側面のうち、前記第3方向の中心を含む位置に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドマウントディスプレイ
【請求項4】
記レンズユニットは、前記画像ユニットと前記レンズユニットとの間の前記第1方向の前記相対距離が最も近接した第1状態と、前記相対距離が最も離間した第2状態との間で移動可能に前記第1筐体に保持され、
前記画像ユニットの前記第1方向の前記一方側の端部は、前記第1状態において、前記レンズユニットの前記第1方向の前記他方側の端部よりも、前記第1方向の前記一方側に配置され、
前記レンズユニットは、前記第1状態において、前記画像ユニットの前記第1方向の前記一方側の端部よりも前記第1方向の前記他方側に配置されるレンズユニット重複部分のうち、前記光軸に最も近接する部分に、前記光軸と交差する方向に突出する少なくとも1つの第3突出部を有し、
前記画像ユニットは、前記第1状態において、前記レンズユニットの前記第1方向の前記他方側の端部よりも前記第1方向の前記一方側に配置される画像ユニット重複部分のうち、前記光軸に最も近接する部分に、前記少なくとも1つの第3突出部が内側から嵌まる少なくとも1つの第3溝部を有することを特徴とする請求項1からの何れかに記載のヘッドマウントディスプレイ
【請求項5】
前記少なくとも1つの第3突出部は、前記レンズユニット重複部分の前記光軸と直交する方向の一方側と他方側とのそれぞれに設けられた一対の第3突出部を有し、
前記少なくとも1つの第3溝部は、前記画像ユニット重複部分の前記光軸と直交する方向の一方側と他方側とのそれぞれに設けられた一対の第3溝部を有することを特徴とする請求項に記載のヘッドマウントディスプレイ
【請求項6】
前記少なくとも1つの第3突出部は、前記レンズユニットの前記第2方向の中心を含む位置に設けられ、
前記少なくとも1つの第3溝部は、前記画像ユニットの前記第2方向の中心を含む位置に設けられたことを特徴とする請求項又はに記載のヘッドマウントディスプレイ
【請求項7】
前記画像ユニットのうち前記第2方向の前記他方側に、同一平面上に配置される複数の端部を含む平面部を備えたことを特徴とする請求項1からの何れかに記載のヘッドマウントディスプレイ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピント調整を行うことが可能なヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD」という。)が知られている。特許文献1は、使用者の片側の眼に画像を提示する単眼型のHMDを開示する。HMDにおいて、筐体内の液晶に表示された画像の光(以下、「画像光」という。)の光軸は、筐体の長手方向(以下、「左右方向」という。)と同一方向に延びる。画像光は、ハーフミラーによって後方に曲折され、使用者の片側の眼に入射される。HMDは、ピント調節を行うためのアジャスタを備える。アジャスタはリング状であり、光軸を支点として回動可能である。アジャスタの内側に、液晶を保持する液晶ホルダが配置される。アジャスタの内周面から内側に突出する係合部は、液晶ホルダの外周面に設けられた溝カムに嵌る。アジャスタの回動に応じ、液晶ホルダは光軸に沿って左右方向に移動する。この場合、筐体に固定されたレンズホルダに対する液晶ホルダの位置が左右方向に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−44828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のHMDの場合、アジャスタは液晶ホルダの外側に設けられる。このため、筐体における光軸を中心とした周方向の大きさは、アジャスタが設けられない場合と比べて大きくなる。筐体の周方向の大きさが大きい場合、筐体は、上下方向にも大きくなる。その結果、使用者の視野が筐体によって遮られる場合があるという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、筐体の上下方向のサイズ増加を低減しつつピント調節が可能なヘッドマウントディスプレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るヘッドマウントディスプレイは、画像光を生成可能な画像ユニットと、複数のレンズを有し、前記画像ユニットに対して第1方向の一方側に配置され、その光軸が前記第1方向に延びるレンズユニットと、前記画像ユニット及び前記レンズユニットの少なくとも一部を覆う筐体であって、前記第1方向と直交する第2方向の一方側に第1筐体を有し、前記第2方向の他方側に第2筐体を有し、前記第1筐体は、前記筐体に対する前記画像ユニットの位置を固定的に保持し、且つ、前記筐体に対する前記レンズユニットの位置を前記第1方向に移動可能に保持する筐体と、前記筐体のうち、前記レンズユニットに対して前記第1方向の前記一方側に設けられた部材であって、前記レンズユニットによって導かれた前記画像光を、前記第2方向の前記一方側に偏向させることが可能な偏向部材と、記レンズユニットの前記第2方向の前記一方側に設けられ、前記第2方向の前記一方側に突出する第1突出部を有する第1係合部材と、記レンズユニットの前記第2方向の他方側に設けられ、前記第2方向の前記他方側に突出する円柱状の第2突出部を有する第2係合部材と、前記第1筐体のうち、前記第2方向の前記一方側の部分の前記筐体内側面に設けられた部材であって、前記第1方向に延び且つ前記第1突出部が嵌る第1溝部を有し、前記第1係合部材に係合して前記第1方向に移動可能に支持する第3係合部材と、前記第2係合部材の前記第2方向の前記他方側に設けられた調節機構であって、前記第2係合部材に係合する部材であって、前記画像ユニットと前記レンズユニットとの前記第1方向の相対距離を変更可能な第4係合部材を有し、前記第4係合部材は、前記第2突出部が嵌る渦巻き状の第2溝部を有する調節機構と、前記筐体の前記第2筐体に保持された部材であって、前記調節機構に接続され、前記調節機構を使用者が操作可能な操作部材と前記第1方向に延び且つ前記第2方向の前記他方側に向けて凸状に湾曲する第1部分、及び、前記第1部分の両側から前記第2方向の前記一方側に延びる一対の第2部分を有する装着具と、前記装着具の前記第1部分から延び、先端に前記第1筐体が接続された接続具とを備え、前記第1突出部の前記第1方向の長さは、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向の長さよりも長いことを特徴とする。
【0007】
ヘッドマウントディスプレイにおいて、レンズユニットの第1係合部材は、第2方向の一方側に設けられ、第2係合部材は、第2方向の他方側に設けられる。第1係合部材は、第1筐体の第3係合部材に係合し、筐体に対して第1方向に移動可能に支持される。第2係合部材は、調節機構の第4係合部材に係合し、操作部材に対する操作に応じて第1方向に移動する。これによって、画像ユニットとレンズユニットとの光軸に沿った方向の相対距離が変化し、ピント調節が行われる。
【0008】
筐体の第1方向が左右方向を向き、第2方向の一方側が使用者に対向した状態で、ヘッドマウントディスプレイが使用者に装着される場合を例に挙げる。この場合、画像ユニットとレンズユニットとの相対距離を変化させてピント調節を行うための部材である、第1係合部材、第2係合部材、第3係合部材、及び、第4係合部材は、使用者に対して前後方向(第2方向)に配置され、上下方向(第3方向)に配置されない。このため、ヘッドマウントディスプレイは、使用者に装着された状態で上下方向の大きさを抑制できる。従って、ヘッドマウントディスプレイは、ユーザによるピント調節を可能としつつ、筐体の上下方向の大きさが増加することを低減できる。
又、操作部材に対する操作に応じ、レンズユニットは調節機構によって第1方向に移動する。これによって画像ユニットとの相対距離は変化し、ピント調節が行われる。レンズユニットは、外部からの電気的制御が不要であるので、電気信号を伝達するための信号線が接続されない。このため、ヘッドマウントディスプレイは、レンズユニットを左右方向にスムーズに移動させることができる。
又、ヘッドマウントディスプレイは、操作部材に対する操作が行われた場合に、レンズユニットが第2方向に延びる軸を支点として回転することを抑制できる。従って、ヘッドマウントディスプレイは、レンズユニットを第1方向に移動させることによるピント調節を適切に実行できる。
又、第2係合部材及び第4係合部材によって筐体が第3方向に大きくなることを適切に抑制できる。又、操作部材を回転させる操作に応じ、第2溝部に沿って第2突出部を移動させることによって、レンズユニットを第1方向に移動させ、双方間の相対距離を変化させることができる。
又、筐体の第1方向が左右方向を向き、第2方向の一方側が使用者に対向した状態で、ヘッドマウントディスプレイが使用者に装着される場合を例に挙げる。この場合、使用者側に近接して配置される第1筐体に、画像ユニット及びレンズユニットが保持される。装着部材等によってヘッドマウントディスプレイを使用者の頭部に固定する場合であって、第1筐体に装着部材が接続される場合、画像ユニット及びレンズユニットは、使用者の頭部に適切に固定される。
【0009】
本発明において、前記筐体は、前記画像ユニットと前記偏向部材との間の距離を固定して保持してもよい。
【0010】
【0011】
【0012】
本発明において、前記第1突出部は、前記レンズユニットの前記第2方向の前記一方側のうち、前記第3方向の中心を含む位置に設けられ、前記第2係合部材は、前記レンズユニットの前記第2方向の前記他方側のうち、前記第3方向の中心を含む位置に設けられ、前記第3係合部材は、前記第1筐体の前記第2方向の前記一方側の部分の前記筐体内側面のうち、前記第3方向の中心を含む位置に設けられてもよい。ヘッドマウントディスプレイが第3方向の一方側を上にした状態で使用者に装着された場合と、第3方向の他方側を上にした状態で使用者に装着された場合とで、画像ユニット及びレンズユニットに加わる重力の向きが変化する。これに対して、ヘッドマウントディスプレイは、画像ユニット及びレンズユニットに加わる重力の向きが変化した場合でも、画像ユニット及びレンズユニットを水平に維持できる。
【0013】
【0014】
本発明において、記レンズユニットは、前記画像ユニットと前記レンズユニットとの間の前記第1方向の前記相対距離が最も近接した第1状態と、前記相対距離が最も離間した第2状態との間で移動可能に前記第1筐体に保持され、前記画像ユニットの前記第1方向の前記一方側の端部は、前記第1状態において、前記レンズユニットの前記第1方向の前記他方側の端部よりも、前記第1方向の前記一方側に配置され、前記レンズユニットは、前記第1状態において、前記画像ユニットの前記第1方向の前記一方側の端部よりも前記第1方向の前記他方側に配置されるレンズユニット重複部分のうち、前記光軸に最も近接する部分に、前記光軸と交差する方向に突出する少なくとも1つの第3突出部を有し、前記画像ユニットは、前記第1状態において、前記レンズユニットの前記第1方向の前記他方側の端部よりも前記第1方向の前記一方側に配置される画像ユニット重複部分のうち、前記光軸に最も近接する部分に、前記少なくとも1つの第3突出部が内側から嵌まる少なくとも1つの第3溝部を有してもよい。この場合、画像ユニットとレンズユニットとの第1方向の重複部分で、少なくとも1つの第3突出部が少なくとも1つの第3溝部に嵌ることによって、第3方向と交差する方向の位置関係が固定される。従って、操作部材に対する操作に応じてレンズユニットが第1方向に移動したときに、レンズユニットが光軸と交差する方向に移動することを抑制できる。なお、少なくとも1つの第3突出部及び少なくとも1つの第3溝部は、光軸に近接する位置に設けられるので、レンズユニットが光軸と交差する方向に移動することを適切に抑制できる。
【0015】
本発明において、前記少なくとも1つの第3突出部は、前記レンズユニット重複部分の前記光軸と直交する方向の一方側と他方側とのそれぞれに設けられた一対の第3突出部を有し、前記少なくとも1つの第3溝部は、前記画像ユニット重複部分の前記光軸と直交する方向の一方側と他方側とのそれぞれに設けられた一対の第3溝部を有してもよい。この場合、画像ユニットとレンズユニットとは、それぞれの第1方向の重複部分の第1方向と直交する方向の両側で、第3方向と交差する方向の位置関係が固定される。従って、操作部材に対する操作に応じてレンズユニットが第1方向に移動したときに、レンズユニットが光軸と交差する方向に移動することを適切に抑制できる。
【0016】
本発明において、前記少なくとも1つの第3突出部は、前記レンズユニットの前記第2方向の中心を含む位置に設けられ、前記少なくとも1つの第3溝部は、前記画像ユニットの前記第2方向の中心を含む位置に設けられてもよい。この場合、操作部材に対する操作に応じてレンズユニットが第1方向に移動したときに、レンズユニットが第2方向に移動することを適切に抑制できる。
【0017】
【0018】
本発明において、前記画像ユニットのうち前記第2方向の前記他方側に、同一平面上に配置される複数の端部を含む平面部を備えてもよい。この場合、平面部を土台として画像ユニットを台等に容易に載置させ易くなる。このため、画像ユニットを筐体に組み付けてヘッドマウントディスプレイを製造する場合に、画像ユニットを安定化させることができる。これによって、ヘッドマウントディスプレイの製造を容易化できる。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】HMD1の斜視図である。
図2】本体部材11の斜視図である。
図3】本体部材11の左側面図である。
図4】筐体12の斜視図である。
図5】前側筐体13を後方から見た図である。
図6】本体部材11内の分解斜視図である。
図7】画像ユニット7の左側面図である。
図8】レンズユニット6の斜視図である。
図9】レンズユニット6の右側面図である。
図10】調節機構4の背面図である。
図11】ホルダ5の斜視図である。
図12】ホルダ5の斜視図である。
図13】ホルダ5及びハーフミラー56が筐体12から取り外された状態を示す図である。
図14】ホルダ5及びハーフミラー56が筐体12に装着された状態を示す図である。
図15】第1状態における、レンズユニット6、画像ユニット7、操作部材3、及び、調節機構4の斜視図である。
図16】第2状態における、レンズユニット6、画像ユニット7、操作部材3、及び、調節機構4の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、以下、「HMD」という。)1は、光学透過型のシースルーHMDである。使用者の眼前の景色の光は、ハーフミラー56を透過することによって使用者の眼に直接導かれる。HMD1の投影形式は、虚像投影型である。ハーフミラー56は、液晶パネル72B(図6参照、後述)に表示された画像の光を、使用者の片側の眼に向けて反射させる。HMD1は、使用者に対して、眼前の景色に画像を重ねて認識させることができる。HMD1は、本体部材11、装着具8、及び、接続具9を備える。以下、図の説明の理解を助けるため、HMD1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側を定義する。HMD1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、例えば、図1の上側、下側、左側、右側、左斜め下側、及び、右斜め上側にそれぞれ対応する。HMD1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、それぞれ、装着具8が使用者に着用された場合の方向に対応する。
【0022】
<装着具8、接続具9、本体部材11>
装着具8は、樹脂や金属(例えば、ステンレス)などの、可撓性を有する材質で構成される。装着具8は、第1部分8A及び第2部分8B、8Cを有する。第1部分8A及び第2部分8B、8Cは、それぞれ、湾曲した細長い板状部材である。第1部分8Aは、左右方向に延び、且つ、前側に凸状に湾曲する。第2部分8Bは、第1部分8Aの一方側(例えば、左側)の端部から延びる。第2部分8Cは、第1部分8Aの他方側(例えば、右側)の端部から延びる。第2部分8B、8Cは、それぞれ、第1部分8Aと接続する側と反対側(例えば、後側)の端部が互いに近づく方向に延びる。装着具8は、使用者の前頭部、右側頭部、及び、左側頭部のそれぞれに、第1部分8A、第2部分8B、8Cを接触させた状態で、使用者の頭部に着用される。この状態で、第1部分8Aは使用者の額に沿って左右方向に延びる。
【0023】
接続具9は棒状である。接続具9は、樹脂や金属などで構成される。接続具9の一端側(例えば、上側)は、装着具8の第1部分8Aのうち第2部分8Cと接続する部分の近傍に接続される。接続具9と装着具8とは、ボールジョイントで接続される。接続具9の他端側(例えば、下側)に、後述する本体部材11が接続される。接続具9と本体部材11とは、ボールジョイントで接続される。接続具9は、装着具8から離隔した位置に本体部材11を保持する。接続具9は、装着具8が使用者の頭部に着用された状態で、本体部材11のハーフミラー56を、使用者の左眼の前方に配置させることができる。
【0024】
図1図2図3に示すように、本体部材11は、筐体12、操作部材3、調節機構4(図6参照)、偏向ユニット59、レンズユニット6(図6参照)、画像ユニット7(図6参照)を備えている。偏向ユニット59は、ホルダ5及びハーフミラー56を有する。
【0025】
<筐体12>
図1図2図4に示すように、筐体12は、本体部12Aと突出部12Bとを有する。本体部12Aは、角が湾曲した略直方体状の形状を有する。突出部12Bは、本体部12Aの右後側から後方に突出する。筐体12は中空箱状である。本体部12Aの前側、上側、下側、後側、及び、右側を、それぞれ、第1筐体21、第2筐体22、第3筐体23(図1参照)、第4筐体24(図4参照)、及び、第5筐体25(図1参照)という。第1筐体21の前側の面、第2筐体22の上側の面、第3筐体23の下側の面、第4筐体24の後側の面、及び、第5筐体25の右側の面を、それぞれ、第1表面21M、第2表面22M、第3表面23M、第4表面24M(図4参照)、及び、第5表面25M(図1参照)という。なお、筐体12の左側は開放し、筐体12内部のレンズユニット6(後述)の左側は露出する。レンズユニット6の左側は、筐体12によって覆われない。
【0026】
図1図2に示すように、第1表面21Mと第2表面22Mとが接続する部分の近傍(以下、湾曲部分212という。)、第1表面21Mと第3表面23Mとが接続する部分の近傍(以下、湾曲部分213という。)は、それぞれ湾曲する。図1に示すように、第1表面21Mと第5表面25Mとが接続する部分の近傍(以下、湾曲部分215という。)、第2表面22Mと第5表面25Mとが接続する部分の近傍(以下、湾曲部分225という。)、及び、第3表面23Mと第5表面25Mとが接続する部分の近傍(以下、湾曲部分235という。)は、それぞれ湾曲する。
【0027】
なお以下では、湾曲部分212のうち、接線が水平方向に対して45度傾斜する位置を、接続位置212S(図3参照)と定義する。接続位置212Sは、第1表面21M及び第2表面22Mが接続する位置である。接続位置212Sは、又、第1筐体21及び第2筐体22が接続する位置でもある。湾曲部分213のうち、接線が水平方向に対して45度傾斜する位置を、接続位置213S(図3参照)と定義する。接続位置213Sは、第1表面21M及び第3表面23Mが接続する位置である。接続位置213Sは、又、第1筐体21及び第3筐体23が接続する位置でもある。湾曲部分215のうち、接線が水平方向に対して45度傾斜する位置を、接続位置215Sと定義する。接続位置215Sは、第1表面21M及び第5表面25Mが接続する位置である。接続位置215Sは、又、第1筐体21及び第5筐体25が接続する位置でもある。湾曲部分225のうち、接線が水平方向に対して45度傾斜する位置を、接続位置225Sと定義する。接続位置225Sは、第2表面22M及び第5表面25Mが接続する位置である。接続位置225Sは、又、第2筐体22及び第5筐体25の接続する位置でもある。湾曲部分235のうち、接線が水平方向に対して45度傾斜する位置を、接続位置235Sと定義する。接続位置235Sは、第3表面23M及び第5表面25Mが接続する位置である。接続位置235Sは、又、第3筐体23及び第5筐体25が接続する位置でもある。
【0028】
第2表面22Mは、後側から前側に向かうに従って斜め下方向に傾斜する。第3表面23Mは、後側から前側に向かうに従って斜め上方向に傾斜する。このため、第2表面22Mと第3表面23Mとの間の上下方向の距離は、後側から前側に向かうに従って徐々に小さくなる。従って、第5表面25Mの上下方向の長さ、言い換えると、接続位置225Sと接続位置235Sとの間の上下方向の長さも、後側から前側に向かうに従って徐々に小さくなる。
【0029】
図2に示すように、第1筐体21の左端21Cは、上下方向両端部から上下方向中心に向けて、右方に凹む。左端21Cは略円弧を形成する。左端21Cの最も右側の位置は、第2筐体22の左端22C、及び、第3筐体23の左端23Cのそれぞれの最も左側の位置よりも、右側に配置される。図4に示すように、第4筐体24の左端24Cの最も左側の位置は、左端21C、22C、23Cのそれぞれの最も左側の位置よりも、右側に配置される。
【0030】
以下、第1筐体21、第2筐体22、第3筐体23、及び、第4筐体24のそれぞれのうち、後述するレンズユニット6(図6参照)よりも左側の部分を、それぞれ、第1延出部21A、第2延出部22A、第3延出部23A、及び、第4延出部24Aという。第1延出部21Aは、レンズユニット6の左端と、左端21Cとの間に延びる部分に対応する。第2延出部22Aは、レンズユニット6の左端と、左端22Cとの間に延びる部分に対応する。第3延出部23Aは、レンズユニット6の左端と、左端23Cとの間に延びる部分に対応する。第4延出部24Aは、レンズユニット6の左端と、左端24Cとの間に延びる部分に対応する。第1延出部21Aの上側は、第2延出部22Aの前側に接続する。第1延出部21Aの下側は、第3延出部23Aの前側に接続する。第1延出部21Aの後側の面、第2延出部22Aの下側の面、及び、第3延出部23Aの上側の面を、それぞれ、第1裏面21B、第2裏面22B、第3裏面23Bという。第2裏面22B及び第3裏面23Bは対向する。
【0031】
図4図5に示すように、第2裏面22Bの前側に、前側第1規制部材221Aが設けられる。前側第1規制部材221Aは、第2裏面22Bのうち湾曲部分212(図1参照)の内側から下方に延びる板状の部材である。図5に示すように、第3裏面23Bの前側に、前側第1規制部材231Aが設けられる。前側第1規制部材231Aは、第3裏面23Bのうち湾曲部分213(図1参照)の内側から上方に延びる板状の部材である。前側第1規制部材221A、231Aのそれぞれの両面は、左右方向を向く。前側第1規制部材221A、231Aのそれぞれの左右方向の位置は等しい。
【0032】
図4に示すように、第2裏面22Bの後側に、後側第1規制部材221Bが設けられる。後側第1規制部材221Bは、第2延出部22Aの後端に沿って下方に延びる板状の部材である。第3裏面23Bの後側に、後側第1規制部材231Bが設けられる。後側第1規制部材231Bは、第3延出部23Aの後端に沿って上方に延びる板状の部材である。後側第1規制部材221B、231Bのそれぞれの両面は、前後方向を向く。前側第1規制部材221A、231Aの左右方向の位置と、後側第1規制部材221B、231Bの右端の左右方向の位置とは略等しい。後側第1規制部材221Bの右端、第4筐体24の左端24Cの上端、及び第2裏面22Bは、上方に凹んだ溝部221Cを形成する。後側第1規制部材231Bの右端、第4筐体24の左端24Cの下端、及び第3裏面23Bは、下方に凹んだ溝部231Cを形成する。
【0033】
図4図5に示すように、第1筐体21の上下方向中心、且つ、筐体12の左右方向中心よりも左側に、前後方向に貫通する穴21Dが設けられる。穴21Dには、後述する調節機構4の突出部4A(図6参照)が後側から嵌る。第1筐体21の穴21Dの周囲に、後方に向けて円形に凹んだ凹部21Eが設けられる。凹部21Eには、後述する操作部材3(図6参照)が前側から嵌る。第1裏面21Bのうち、凹部21Eの左側、且つ左端21Cの近傍に、第2規制部材211が設けられる。第2規制部材211は、第1裏面21Bの上下方向中心を含む位置から、後方に延びる板状の部材である。第2規制部材211は、例えば、第1裏面21Bの上下方向中心を通り,且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。第2規制部材211の両面は、左右方向を向く。図5に示すように、第2規制部材211は、前側第1規制部材221A、231Aのそれぞれの左右方向の位置よりも、右側に配置される。図4に示すように、第2規制部材211は、後側第1規制部材221B、231Bのそれぞれの右端の左右方向の位置よりも、右側に配置される。前側第1規制部材221A、231A、及び、後側第1規制部材221B、231Bのそれぞれの右端と、第2規制部材211の左端との間の左右方向の長さは、後述するホルダ5(図11参照)の第1端部51(図11参照)の左右方向の長さ(厚さ)と等しい。
【0034】
図4に示すように、第4筐体24のうち、筐体12の左右方向中心よりも右側に、前後方向に貫通する複数の穴24D、及び、複数の穴24Eが設けられる。複数の穴24Dのそれぞれは、後述する画像ユニット7を筐体12に取り付けるための複数の螺子穴である。複数の穴24Eのそれぞれは、接続具9を筐体12に取り付けるための複数の螺子穴である。突出部12Bの後端に、前後方向に貫通する穴25Dが設けられる。穴25Dには、通信線28(図2参照)が接続される。HMD1は、外部機器(図示略)と通信線28を介して接続される。外部機器は、HMD1に画像データを出力する。
【0035】
第4筐体24の第4延出部24A、より具体的には、第4筐体24の左端24Cに、筐体係合部241が設けられる。筐体係合部241は、第4筐体24の左端24Cの上下方向中心を含む位置から、左方に延びる板状の部材である。筐体係合部241は、例えば、左端24Cの上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。
【0036】
図6に示すように、筐体12は、前側筐体13と後側筐体14とを組み合わせることによって形成される。前側筐体13は、第1筐体21、第2筐体22及び第3筐体23のそれぞれの前側部分、及び、第5筐体25を有する。後側筐体14は、第2筐体22及び第3筐体23のそれぞれの後側部分、及び、第4筐体24を有する。レンズユニット6、画像ユニット7、及び、調節機構4の係合部4Bは、筐体12内に配置される。ホルダ5は、筐体12の左端に保持される。ホルダ5、レンズユニット6、及び、画像ユニット7は、左側から右側に向けて順番に並ぶ。調節機構4は、レンズユニット6の前側に配置される。後側筐体14の後端部(第4筐体24)の前側の面、即ち、第4筐体24の内側面のうち、上下方向中心を含む位置に、後方に向けて凹んだ溝部242が設けられる。溝部242は、例えば、第4筐体24の内側面の上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。溝部242は左右方向に一直線状に延びる。
【0037】
<画像ユニット7>
画像ユニット7は、通信線28(図2参照)を介して外部機器から受信した画像データに応じた画像の画像光を生成し、射出する。図6に示すように、画像ユニット7は、第1保持部材71、液晶表示装置72、及び、第2保持部材73を有する。
【0038】
第1保持部材71は、円筒部材71A、側板部材71B、71C、71Dを有する。円筒部材71Aは、左右方向に延びる略円筒状の部材である。後述する複数のレンズ63のそれぞれの光軸77(図7参照)は、円筒部材71Aの中心を左右方向に延びる軸線上に配置される。図7に示すように、円筒部材71Aの上側部分及び下側部分のそれぞれは湾曲せず、上下方向と直交する平面に沿って延びる。以下、円筒部材71Aの上側部分を、平面部713という。円筒部材71Aの下側部分を、平面部714という。円筒部材71Aの平面部713、714以外の部分、言い換えれば、円筒部材71Aの前側部分及び後側部分を、湾曲部715という。光軸77から平面部713、714までの長さは、光軸77から湾曲部715までの長さ以下となる。光軸77から平面部713、714までの長さは、平面部713、714のそれぞれの前後方向中心で最も短くなる。平面部713の前後方向中心を含む位置に、内側の面が上側に凹んだ溝部713Aが設けられる。溝部713Aは、例えば、平面部713の前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。平面部714の前後方向中心を含む位置に、内側の面が下側に凹んだ溝部714Aが設けられる。溝部714Aは、例えば、平面部714の前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。溝部713A、714Aのそれぞれは、円筒部材71Aの左右両端部の間に亙って延びる。
【0039】
図6に示すように、側板部材71B、71C、71Dは、それぞれ、円筒部材71Aの右端部から右側に延びる平面板状の部材である。側板部材71B、71Cのそれぞれの複数の互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、前後方向を向く。側板部材71Dの複数の互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、上下方向を向く。側板部材71Bの下端は、側板部材71Dの前端に接続し、側板部材71Cの下端は、側板部材71Dの後端に接続する。複数の穴24D(図4参照)に挿入される螺子は、側板部材71Cに設けられた螺子穴711に締められる。これによって、画像ユニット7は、筐体12のうち後側筐体14に保持され、筐体12に対する位置が固定される。
【0040】
図7に示すように、画像ユニット7は、側板部材71Bから前方に向けて突出する突出部712A、712B、712Cを有する。突出部712A、712B、712Cは板状である。突出部712A、712Bは左右方向に平行に延びる。突出部712Aは、突出部712Bよりも上側に配置される。突出部712Cは上下方向に延びる。突出部712Cの上端は、突出部712Aの右端に接続し、突出部712Cの下端は、突出部712Bの右端に接続する。突出部712A、712B、712Cのそれぞれの前端部の前後方向の位置は同一である。即ち、突出部712A、712B、712Cのそれぞれの前端部は、前後方向と直交する仮想的な平面上に配置される。以下、突出部712A、712B、712Cを総称して、突出部712という。
【0041】
図6に示すように、液晶表示装置72は、ガラス基板72A及び液晶パネル72Bを有する。ガラス基板72A及び液晶パネル72Bは、第1保持部材71のうち側板部材71B、71C、71Dで囲まれた部分に配置される。液晶パネル72Bは矩形状の周知の液晶パネルである。液晶パネル72Bは、左側面に画像を表示させることによって、画像光を生成する。ガラス基板72Aは、液晶パネル72Bの左側面に設けられ、液晶パネル72Bの表示面を保護する。例えば、液晶パネル72Bが反射型液晶の場合、光源(非図示)からの光が液晶パネル72Bに入射する。液晶パネル72Bは、入射した光を反射することで、画像光を生成する。液晶パネル72Bによって生成された画像光は、ガラス基板72Aを左側に透過する。
【0042】
第2保持部材73は、基板保持部分73A及び制御基板73Bを有する。基板保持部分73Aは、液晶表示装置72の液晶パネル72Bの右側に配置される。制御基板73Bは、基板保持部分73Aの右側に配置される。制御基板73Bは、フレキシブルプリント基板(図示略)を介して液晶パネル72Bに接続される。制御基板73Bに通信線28(図2参照)が接続される。制御基板73Bは、外部機器から送信された画像データを、通信線28を介して受信する。制御基板73Bは、フレキシブルプリント基板を介して液晶パネル72Bに制御信号を出力することによって、画像データに応じた画像を液晶パネル72Bに表示させる。
【0043】
なお、本発明において、液晶パネル72Bの代わりに、Digital Mirror Device(DMD)、有機EL等の二次元表示装置が用いられてもよい。更に、2次元的に走査された光を使用者の網膜上に投影する網膜走査型の投影装置(Retinal Scanning Display)が用いられてもよい。
【0044】
<レンズユニット6>
レンズユニット6は、画像ユニット7の左側に配置される。レンズユニット6は、画像ユニット7から射出された画像光を、レンズユニット6の左側に配置されたハーフミラー56に導く。レンズユニット6は、保持部材61、円筒部材62、及び、複数のレンズ63を有する。
【0045】
保持部材61は、左右方向に延びる略円筒状の部材である。保持部材61の内側に複数のレンズ63が固定されている。複数のレンズ63のそれぞれの光軸は、保持部材61の中心を左右方向に延びる軸線上に配置されている。図9に示すように、保持部材61の上側部分及び下側部分のそれぞれは湾曲せず、上下方向と直交する平面に沿って延びる。以下、保持部材61の上側部分を、平面部61Cという。保持部材61の下側部分を、平面部61Dという。平面部61C、61Dのそれぞれの前端部の間に架設された湾曲部を、湾曲部61Aという。平面部61C、61Dのそれぞれの後端部の間に架設された湾曲部を、湾曲部61Bという。
【0046】
湾曲部61Aのうち上下方向中心を含む位置に、前方に向けて突出する凸部64が設けられる。凸部64は、例えば、湾曲部61Aの上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。凸部64は円柱状である。凸部64は、後述する調節機構4の係合部4Bのカム溝42(図10参照)に嵌る。湾曲部61Bのうち上下方向中心を含む位置に、後方に向けて突出する凸部65が設けられる。凸部65は、例えば、湾曲部61Bの上下方向中心を通り、且つ、前後左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。図8に示すように、凸部65は棒状である。凸部65の左右方向の長さは、上下方向の長さよりも長い。凸部65は、第4筐体24の溝部242(図6参照)に嵌る。これによって、レンズユニット6は、筐体12のうち後側筐体14に左右方向に移動可能に保持される。
【0047】
図6に示すように、円筒部材62は、左右方向に延びる略円筒状の部材である。円筒部材62は、保持部材61の右側に設けられる。複数のレンズ63のそれぞれの光軸77(図9参照)は、円筒部材62の中心を左右方向に延びる軸線上に配置される。図9に示すように、円筒部材62の上側部分及び下側部分のそれぞれは湾曲せず、上下方向と直交する平面に沿って延びる。以下、円筒部材62の上側部分を、平面部62Cという。円筒部材62の下側部分を、平面部62Dという。円筒部材62の平面部62C、62D以外の部分、言い換えれば、円筒部材62の前側部分及び後側部分を、湾曲部62Aという。光軸77から平面部62C、62Dまでの長さは、光軸77から湾曲部62Aまでの長さ以下となる。光軸77から平面部62C、62Dまでの長さは、平面部62C、62Dのそれぞれの前後方向中心で最も短くなる。平面部62Cの前後方向中心を含む位置に、外側の面から上側に突出する突出部621Cが設けられる。突出部621Cは、例えば、平面部62Cの前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。平面部62Dの前後方向中心を含む位置に、外側の面から下側に突出した突出部621Dが設けられる。突出部621Dは、例えば、平面部62Dの前後方向中心を通り、且つ、上下左右方向に平行な面に対して、対称に設けられる。突出部621C、621Dのそれぞれは、円筒部材62の左右両端部の間に亙って延びる。突出部621C、621Dのそれぞれの前後方向の長さは、溝部713A、714A(図7参照)のそれぞれの前後方向の長さと略同一である。
【0048】
レンズユニット6の円筒部材62の外側の壁面の断面形状と、画像ユニット7の円筒部材71Aの円筒部材71Aの内側の壁面の断面形状とは、略等しい。円筒部材62の右側の少なくとも一部は、円筒部材71Aの左側の少なくとも一部の内側に嵌る。この状態で、円筒部材71Aの左端部は、円筒部材62の右端部よりも左側に配置される。円筒部材62と円筒部材71Aとは、左右方向に重複する。このとき、円筒部材62の突出部621Cの右側の少なくとも一部は、円筒部材71Aとの左右方向の重複部分で、溝部713Aの左側の少なくとも一部に嵌る。円筒部材62の突出部621Dの右側の少なくとも一部は、円筒部材71Aとの左右方向の重複部分で、円筒部材71Aの溝部714Aの左側の少なくとも一部に嵌る。
【0049】
画像ユニット7によって生成された画像光は、円筒部材62の内部に右側から入射し、保持部材61及び円筒部材62内部を通過し、保持部材61の左端から左側に向けて射出する。複数のレンズ63は、右側から入射する画像光を屈折させ、左側に出射させる。
【0050】
<操作部材3>
図6に示すように、操作部材3は円錐台状の部材である。操作部材3の中心軸は、前後方向に延びる。操作部材3は、中心軸を支点として回動可能である。操作部材3は、前端面3A、後端面3B、及び、側面3Cを有する。前端面3Aは、操作部材3の前側の底部である。前端面3Aは、円錐台形状の上底に対応する。後端面3Bは、操作部材3の後側の底面である。後端面3Bは、円錐台形状の下底に対応する。前端面3A及び後端面3Bは、それぞれ、前後方向に直交する。後端面3Bには、調節機構4の突出部4A(後述)が嵌合する嵌合溝(図示略)が設けられている。側面3Cは、円錐台形状の側面に対応する。側面3Cには、前後方向に延びる複数の凹凸が設けられている。凹凸は、使用者が指を側面3Cに接触させて力を加えた場合に、操作部材3に対して指が滑ることを防止する。
【0051】
後端面3Bは、第1筐体21に設けられた凹部21Eに嵌る。なお、凹部21Eは、第1筐体21のうち筐体12の左右方向中心よりも左側に設けられているので、操作部材3は、筐体12の左右方向中心よりも左側に配置される。前端面3Aと後端面3Bとの間の距離、即ち、操作部材3の前後方向の長さLhは、使用者が側面3Cに指を接触させて操作部材を回転させるために適切な所定の長さ(例えば3mm)に設定される。なお、後端面3Bの前後方向の位置は、第1筐体21の第1表面21Mのうち操作部材3が設けられる部分の前後方向の位置と略等しい。従って、図3に示すように、操作部材3の第1表面21Mに対する高さ(=長さLh)は3mmになる。なお、本発明において、長さLhは3mmに限定されず、3mmよりも大きい値であってもよい。
【0052】
図3に示すように、前端面3Aの直径Lfは、後端面3B(図6参照)の直径Lrよりも小さい。このため、操作部材3の左右方向の特定の位置(以下、「左右特定位置」という。)における前端面3Aの上下方向の長さは、左右特定位置における後端面3Bの上下方向の長さよりも常に短くなる。又、操作部材3の上下方向の特定の位置(以下、「上下特定位置」という。)における前端面3Aの左右方向の長さは、上下特定位置における後端面3Bの左右方向の長さよりも常に短くなる。又、操作部材3において、中心軸の延びる方向(前後方向)に対する側面3Cの角度θは、使用者が筐体12を親指と人差し指で上下から保持した状態で、中指の腹と側面3Cとが、操作を容易にする程度に平行となるように、所定の角度(例えば40度)に設定される。なお、本発明において、角度θは40度に限定されず、40度よりも小さい値であってもよい。
【0053】
<調節機構4>
図6に示すように、調節機構4は、突出部4A及び係合部4Bを有する。係合部4Bは円形板状の部材である。係合部4Bの平行に配置する両面は、前後方向を向く。係合部4Bの側面に、前後方向に延びる複数の凹部41が設けられている。筐体12の内部に設けられた板バネ40は、複数の凹部41の何れかに係合する。突出部4Aは、係合部4Bの円形の中心付近から前方に向けて突出する。突出部4Aは、第1筐体21の穴21Dに後側から進入し、第1筐体21の第1表面21Mの前側に突出する。突出部4Aのうち、第1表面21Mの前側に突出した部分の前端は、操作部材3の後端面3Bの嵌合溝(図示略)に嵌合する(図15図16参照)。これによって、操作部材3及び調節機構4は、前側筐体13の第1筐体21に保持される。調節機構4は、係合部4Bの円形中心を通って前後方向に延びる軸を支点として、操作部材3と一体となって回動可能である。なお、調節機構4は、操作部材3と一体に形成されてもよい。
【0054】
操作部材3及び調節機構4が第1筐体21に保持された状態では、図3に示すように、後端面3B(図6参照)の直径Lrは、第1表面21Mの上下方向の長さ、詳細には、接続位置212Sと接続位置213Sとの間の上下方向の長さL1よりも短い。後端面3Bの上側の端部は、第1表面21Mの上側の端部、即ち、接続位置212Sよりも下側に配置され、後端面3Bの下側の端部は、第1表面21Mの下側の端部、即ち、接続位置213Sよりも上側に配置される。
【0055】
図10に示すように、係合部4Bの後側面にカム溝42が設けられる。カム溝42は、係合部4Bの後側面の一部が前方に向けて凹むことによって形成される。カム溝42は、係合部4Bの円形中心Xを支点として渦巻き状に延びる。カム溝42は、後側からみた状態で、時計回りに旋回するに従って円形中心Xから離間する。以下、カム溝42の形状を説明する場合には、後側から見た状態を前提とする。カム溝42は、第1端42Aと第2端42Bとを有する。第1端42Aは、カム溝42のうち時計回り方向の端部であり、第2端42Bは、反時計回り方向の端部である。円形中心Xから第1端42Aを通過して外側に延びる方向48と、円形中心Xから第2端42Bを通過して外側に延びる方向49とのなす角度のうち、カム溝42側の角度φは、120度である。なお、本発明において、角度φは120度に限定されず、120度よりも小さい値であってもよい。カム溝42には、操作部材3及び調節機構4が第1筐体21に保持された状態で、レンズユニット6の凸部64が後方から嵌る。
【0056】
<偏向ユニット59>
偏向ユニット59は、ハーフミラー56及びホルダ5を有する。図6に示すように、ハーフミラー56は、レンズユニット6の左側に配置される。ハーフミラー56は、後述するホルダ5によって、筐体12に対する位置が固定される。このため、筐体12に対して固定的な位置に保持される画像ユニット7との間の距離は、固定的となる。ハーフミラー56は、レンズユニット6を通過して右側から入射する画像光を、後側に反射させることができる。使用者の眼は、ハーフミラー56によって後側に反射された画像光に基づいて、虚像を視認できる。又、ハーフミラー56は、前側から入射した外界の光を後側に透過させることができる。
【0057】
ハーフミラー56は矩形板状である。ハーフミラー56は、例えば、透明な樹脂やガラスの基板上に、アルミや銀などの金属を所定の反射率(例えば50%)となるように蒸着することで構成される。ハーフミラー56は、後述するホルダ5によって保持される。ホルダ5に保持された状態のハーフミラー56の両面のうち一方の面56Bは、右斜め後方を向き、他方の面56Cは、左斜め前方を向く。ハーフミラー56は、面56B、56Cのそれぞれに入射した光の一部(例えば50%)を反射させ、他部を透過させることができる。
【0058】
なお、本発明において、上記のハーフミラー56の代わりに、面56Bに入射した画像光を後側に全反射させることが可能な反射部材が用いられてもよい。又、ハーフミラー56の代わりに、プリズムや回折格子のような光路偏向部材が用いられてもよい。
【0059】
ホルダ5は、レンズユニット6の左側に配置され、ハーフミラー56を保持する。図11図12に示すように、ホルダ5は基礎部材50を備える。基礎部材50は、それぞれが板状の第1端部51、第2端部52、第3端部53、及び、第4端部54を有する。第1端部51の3つの互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、左右方向を向く。第1端部51の前端の上側及び下側の角は湾曲する。第2端部52は、第1端部51の後端部の上側から後方に延びる。第3端部53は、第1端部51の後端部の下側から後方に延びる。第2端部52及び第3端部53のそれぞれの3つの互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、上下方向を向く。第4端部54は、第2端部52及び第3端部53のそれぞれの後端部の間に架設される。第4端部54の3つの互いに平行な一対の平面のうち、面積の最も大きい一対の平面のそれぞれは、前後方向を向く。第4端部54の左右方向の長さは、第2端部52及び第3端部53のそれぞれの左右方向の長さよりも短い。第1端部51、第2端部52、第3端部53、及び、第4端部54のそれぞれの右端の面の左右方向の位置は一致し、それぞれは同一平面を形成する。第1端部51〜第4端部54によって囲まれた部分に、穴51Bが形成される。以下、図12に示すように、第1端部51、第2端部52、第3端部53、及び、第4端部54のそれぞれの右端の面を、それぞれ、第1端面51A、第2端面52A、第3端面53A、及び、第4端面54Aという。
【0060】
図11に示すように、第2端部52の左前側の角の近傍に、上下方向に貫通する穴52Cが設けられる。第3端部53の左前側の角の近傍に、上下方向に貫通する穴53Cが設けられる。図6に示すように、ハーフミラー56の上端部から上方に突出する上側突出部56Aは、穴52Cに下方から嵌る。ハーフミラー56の下端部から下方に突出する下側突出部(図示略)は、穴53Cに上方から嵌る。ホルダ5は、ハーフミラー56の上側突出部56Aを穴52Cで支持し、且つ、ハーフミラー56の下側突出部(図示略)を穴53Cで支持することによって、ハーフミラー56を保持する。ハーフミラー56は、第1端面51A〜第4端面54Aのそれぞれを含む平面に対して左側に配置される。
【0061】
図11図12に示すように、第2端部52のうち、第4端部54と接続する部分の上面に、ホルダ突出部52Bが設けられる。ホルダ突出部52Bは、延設部521B、522Bを備える。延設部521Bは、第2端面52A(図12参照)に対して左方に突出する板状の部位である。延設部521Bの左右方向の長さは、第4延出部24Aの左端24C(図4参照)の上端と、後側第1規制部材221B(図4参照)の右端との間の左右方向の長さ(以下、「溝部221C(図4参照)の左右方向の長さ」ともいう。)と等しい。延設部522Bは、延設部521Bの左端から前方に向けて延びる板状の部位である。第3端部53のうち、第4端部54と接続する部分の下面に、ホルダ突出部53Bが設けられる。ホルダ突出部53Bは、延設部531B、532Bを備える。延設部531Bは、第3端面53Aに対して左方に突出する板状の部位である。延設部531Bの左右方向の長さは、第4延出部24Aの左端24Cの下端と、後側第1規制部材231B(図4参照)の右端との間の左右方向の長さ(以下、「溝部231C(図4参照)の左右方向の長さ」ともいう。)と等しい。延設部532Bは、延設部531Bの左端から前方に向けて延びる板状の部位である。
【0062】
図12に示すように、第4端部54の第4端面54Aに、第1ホルダ係合部541A、及び、第2ホルダ係合部542A、542Bが設けられる。第1ホルダ係合部541Aは、第4端面54Aの上下方向中心、且つ前後方向中心よりも前側から、右方に突出する。第2ホルダ係合部542Aは、第4端面54Aの上下方向中心よりも上側、且つ、前後方向中心よりも後側から、右方に突出する。第2ホルダ係合部542Bは、第4端面54Aの上下方向中心よりも下側、且つ、前後方向中心よりも後側から、右方に突出する。
【0063】
偏向ユニット59は、筐体12に着脱可能に支持される。図13は、偏向ユニット59が筐体12に装着される前の状態を示す。偏向ユニット59は、第2筐体22の第2延出部22A、及び、第3筐体23の第3延出部23Aによって上下方向を覆われた領域に対して、ホルダ5が後側から前側に移動することによって、筐体12に装着される。偏向ユニット59が筐体12に装着される過程で、ホルダ5のホルダ突出部52Bは、第2延出部22Aの溝部221Cに後側から入り込み、ホルダ5のホルダ突出部53Bは、第3延出部23Aの溝部231C(図4参照)に後側から入り込む。ホルダ5の第2端部52は、筐体12の第2延出部22Aの第2裏面22B(図4参照)の下側を、第2裏面22Bに沿って平行に移動する。ホルダ5の第3端部53は、筐体12の第3延出部23Aの第3裏面23B(図4参照)の上側を、第3裏面23Bに沿って平行に移動する。
【0064】
偏向ユニット59が筐体12に装着される過程で、第1ホルダ係合部541A(図12参照)は、第4筐体24の左端24Cに設けられた筐体係合部241(図4参照)に対して後側から接触する。ホルダ5に対して前側に更に力が加えられた場合、第4端部54が左側に撓むことによって、第1ホルダ係合部541Aは、筐体係合部241の左側を乗り越えて、筐体係合部241の前側に移動する。
【0065】
図14は、偏向ユニット59が筐体12に装着された状態を示す。ホルダ5の第1端部51の前端は、第1筐体21の第1延出部21Aの第1裏面21B(図13参照)の左端21Cの近傍に、後側から接触する。これによって、ホルダ5の前方への移動は規制される。ホルダ5は、第2筐体22の第2延出部22A、及び、第3筐体23の第3延出部23Aによって上下方向を覆われた領域に配置される。ホルダ5は、第1端面51A〜第4端面54A(図12参照)に対して左側にハーフミラー56を保持する(図6参照)ので、ハーフミラー56は、第1端部51が接触する第1裏面21Bよりも左側に配置される。
【0066】
ホルダ5の第1端部51の第1端面51A(図12参照)のうち、上下方向中心を含む位置に、第2規制部材211(図13参照)の左側面が接触する。ホルダ5の第1端部51の左端面のうち上側の位置に、前側第1規制部材221A(図5参照)が接触する。ホルダ5の第1端部51の左端面のうち下側の位置に、前側第1規制部材231A(図5参照)の右側面が接触する。
【0067】
なお、前側第1規制部材221A、231Aのそれぞれの右端と、第2規制部材211の左端との間の長さは、ホルダ5の第1端部51の左右方向の長さ(厚さ)と等しい。従って、偏向ユニット59が筐体12に装着された状態で、前側第1規制部材221A、231Aのそれぞれの右端面と、第2規制部材211の左端面とは、ホルダ5の前側の左右方向の移動を規制する。
【0068】
ホルダ突出部52B(図11参照)の延設部521Bは、溝部221Cに嵌る。延設部521Bの右端、即ち、第2端面52Aの後端部は、溝部221Cを構成する第4延出部24Aの左端24Cの上端部に接触する。延設部521Bの左端は、後側第1規制部材221Bの右端に接触する。ホルダ突出部53B(図11参照)の延設部531Bは、溝部231Cに嵌る。延設部531Bの右端、即ち、第3端面53Aの後端部は、溝部231Cを構成する第4延出部24Aの左端24Cの下端部に接触する。延設部531Bの左端は、後側第1規制部材231Bの右端に接触する。
【0069】
ホルダ5の第2端部52(図11参照)の上側の面は、筐体12の第2延出部22Aの第2裏面22B(図4参照)よりも下側に、第2端部52に対するホルダ突出部52Bの上方向の突出量分離隔して対向配置する。ホルダ5の第3端部53(図11参照)の下側の面は、筐体12の第3延出部23Aの第3裏面23B(図4参照)よりも上側に、第3端部53に対するホルダ突出部53Bの下方向の突出量分離隔して対向配置する。
【0070】
なお、延設部521Bの左右方向の長さと溝部221Cの左右方向の長さは等しい。又、延設部531Bの左右方向の長さと溝部231Cの左右方向の長さは等しい。従って、偏向ユニット59が筐体12に装着された状態で、溝部221Cを構成する後側第1規制部材221Bの右端と第4延出部24Aの左端24Cの上端部とは、ホルダ5の後側の左右方向の移動を規制する。又、偏向ユニット59が筐体12に装着された状態で、溝部231Cを構成する後側第1規制部材231Bの右端と第4延出部24Aの左端24Cの下端部とは、ホルダ5の左右方向の移動を規制する。
【0071】
偏向ユニット59が筐体12に装着された状態で、筐体係合部241(図4参照)の前側面は、第1ホルダ係合部541A(図12参照)の後側面に接触する。筐体係合部241の後側面は、第2ホルダ係合部542A、542Bのそれぞれの前側面に接触する。このように、第1ホルダ係合部541A及び第2ホルダ係合部542A、542Bと、筐体係合部241とは係合する。従って、ホルダ5の前後方向の移動は、筐体係合部241によって規制され、偏向ユニット59が筐体12に装着された状態は維持される。
【0072】
<動作概要(ピント調節)>
HMD1の動作概要について説明する。初めに使用者は、HMD1の装着具8(図1参照)を頭部に着用する。使用者は、偏向ユニット59(図1参照)が筐体12に装着された状態の本体部材11(図1参照)を持ち、ハーフミラー56が(図1参照)が左眼の前方に配置されるように位置を調節する。
【0073】
外部機器(図示略)から、画像データの出力が開始される。制御基板73B(図6参照)は、通信線28(図2参照)を介して画像データを受信する。制御基板73Bは、受信した画像データに応じた画像を、液晶パネル72Bに表示させる。液晶パネル72Bに表示された画像の画像光は、ガラス基板72A及び円筒部材71Aを左側に通過し、画像ユニット7から左側に射出する。画像ユニット7から射出した画像光は、レンズユニット6の複数のレンズ63を左側に通過し、レンズユニット6から左側に射出する。ハーフミラー56は、レンズユニット6から射出された画像光を後側に反射させる。画像光は使用者の左眼に入射する。又、ハーフミラー56は、前側から入射した外界の光を後側に透過させる。これによって使用者は、HMD1の本体部材11に対して前側の景色に虚像を重ねて認識する。
【0074】
ピント調節を行なうために使用者が操作部材3を回転させた場合の、レンズユニット6の動きについて説明する。操作部材3の回動に応じて調節機構4が回動する場合、凸部64(図6参照)は、係合部4Bのカム溝42(図10参照)に沿って移動する。凸部64の移動に応じてレンズユニット6が移動するとき、溝部242は、凸部65(図8参照)の上下方向への移動を規制する。このためレンズユニット6は、調節機構4の回動に応じて左右方向に移動する。なお、以下における回転方向(時計回り又は反時計回り)の説明は、特段の限定がない限り、HMD1を前側から見た時の方向を示すものとする。
【0075】
図15を参照し、操作部材3が時計回りに回動した場合を例に挙げて具体的に説明する。操作部材3の回動に応じて調節機構4が回転した場合、カム溝42(図10参照)を形成する前後方向に伸びる互いに平行な一対の壁面は、接触する凸部64に対して右側に力を作用させ、凸部64を右側に移動させる。凸部64の移動に伴い、レンズユニット6は右側に移動する。レンズユニット6の円筒部材62(図6参照)は、画像ユニット7の円筒部材71A内に入り込む。円筒部材62の突出部621C(図9参照)は、円筒部材71Aの溝部713Aに沿って右側に移動し、円筒部材62の突出部621D(図9参照)は、円筒部材71Aの溝部714A(図7参照)に沿って右側に移動する。カム溝42の第1端42A(図10参照)に凸部64が接触することによって、操作部材3の時計回りの回動は規制される。このとき、レンズユニット6の保持部材61の右端は、画像ユニット7の円筒部材71Aの左端に近接する。画像ユニット7の液晶パネル72B(図6参照)と、レンズユニット6の複数のレンズ63(図6参照)とは最も近接する。以下、レンズユニット6と画像ユニット7とが最も近接した図15の状態を、第1状態という。
【0076】
図16を参照し、操作部材3が反時計回りに回動した場合を例に挙げて具体的に説明する。操作部材3の回動に応じて調節機構4が回転した場合、カム溝42(図10参照)を形成する前後方向に伸びる互いに平行な一対の壁面は、接触する凸部64に対して左側に力を作用させ、凸部64を左側に移動させる。凸部64の移動に伴い、レンズユニット6は左側に移動する。レンズユニット6の円筒部材62は、画像ユニット7の円筒部材71A内から左方外側に移動する。円筒部材62の突出部621C(図9参照)は、円筒部材71Aの溝部713Aに沿って左側に移動し、円筒部材62の突出部621D(図9参照)は、円筒部材71Aの溝部714A(図7参照)に沿って左側に移動する。カム溝42の第2端42Bに凸部64が接触することによって、操作部材3の反時計回りの回動は規制される。このとき、レンズユニット6の保持部材61の右端は、画像ユニット7の円筒部材71Aの左端に対して左側に離隔する。画像ユニット7の液晶パネル72B(図6参照)と、レンズユニット6の複数のレンズ63(図6参照)とは最も離隔する。以下、レンズユニット6と画像ユニット7とが最も離隔した図16の状態を、第2状態という。
【0077】
なお、レンズユニット6が左右方向に移動したとき、複数のレンズ63によって、ユーザによって視認される虚像となる画像光の広がり角が変化する。従って使用者は、操作部材3を回動させることによってピント調節を行うことができる。なお、図10に示すように、方向48と方向49とのなす角度φは120度であるので、操作部材3の回動可能な角度も120度になる。
【0078】
操作部材3及び調節機構4の回動に応じてレンズユニット6が左右方向に移動するとき、円筒部材62と円筒部材71Aとのそれぞれの左右方向の少なくとも一部は、常に重なる。このため、画像ユニット7によって生成された画像光は、レンズユニット6が左右方向に移動しても、画像ユニット7及びレンズユニット6から外部に漏れ出ない。
【0079】
調節機構4が回動する過程で、複数の凹部41のうち1つに板バネ40(図6参照)が係合した状態から、複数の凹部41のうち隣接する他に板バネ40(図6参照)が係合した状態に変化する。調節機構4の回動は、凹部41に板バネ40が係合した状態で抑制され、調節機構4の位置は安定化する。このため使用者は、操作部材3及び調節機構4を所望する位置に容易に保持させることができるので、ピント調節を容易に行うことができる。
【0080】
<効果>
以上説明したように、HMD1において、レンズユニット6の湾曲部61Aに凸部64が設けられ、湾曲部61Bに凸部65が設けられる。凸部65は、筐体12の第4筐体24に設けられた溝部242に嵌り、筐体12に対して左右方向に移動可能に支持される。凸部64は、操作部材3の後端部に設けられた調節機構4の係合部4Bのカム溝42に嵌る。操作部材3を回転させる操作が行われた場合、レンズユニット6は左右方向に移動する。これによって、レンズユニット6と画像ユニット7との光軸に沿った方向の相対距離が変化し、ピント調節が行われる。
【0081】
HMD1が使用者に装着された状態で、凸部64、65、溝部242、及び、カム溝42は、使用者に対して前後方向に配置され、上下方向に配置されない。このため、HMD1は、使用者に装着された状態で上下方向の大きさを抑制できる。従って、使用者の視野が筐体12によって遮られる可能性は低減される。従って、HMD1は、使用者に装着された状態で使用者の視野を良好に維持できる。
【0082】
HMD1の筐体12は、画像ユニット7とハーフミラー56とを保持し、双方間の距離を固定する。HMD1では、操作部材3に対する操作に応じて、レンズユニット6を左右方向に移動させ、レンズユニット6と画像ユニット7との間の距離を変化させることによって、ピント調節が行われる。なお、レンズユニット6は、外部からの電気的制御が不要であるので、電気信号を伝達するための信号線が接続されない。このため、レンズユニット6の左右方向への移動は、信号線によって妨げられない。従って、HMD1は、レンズユニット6を左右方向にスムーズに移動させることができる。
【0083】
HMD1において、凸部65は湾曲部61Bから後方に突出する。凸部65が嵌る溝部242は、第4筐体24の内側面に設けられる。このため、HMD1は、凸部65及び溝部242によって筐体12が上下方向に大きくなることを適切に抑制できる。従って、使用者の視野が筐体12によって遮られる可能性を低減できる。又、溝部242は左右方向に一直線状に延びるので、凸部65が左右方向以外の方向に移動することを規制できる。従って、HMD1は、画像ユニット7又はレンズユニット6を左右方向に適切に移動させることができる。又、凸部65の形状は棒状であり、左右方向に長い。このためHMD1は、操作部材3に対する操作が行われた場合に、レンズユニット6が前後方向に延びる軸を支点として回転することを抑制できる。従って、HMD1は、レンズユニット6を左右方向に移動させることによるピント調節を適切に実行できる。
【0084】
HMD1が第2筐体22を上にした状態で使用者に装着された場合と、第3筐体23を上にした状態で使用者に装着された状態とで、レンズユニット6に加わる重力の向きは変化する。ここで、HMD1において、凸部64は、レンズユニット6の湾曲部61Aの上下方向中心を含む位置に設けられる。凸部65は、レンズユニット6の湾曲部61Bの上下方向中心を含む位置に設けられる。溝部242は、筐体12の第4筐体24の内側面の上下方向中心に設けられる。従って、HMD1は、レンズユニット6に加わる重力の向きが変化した場合でも、レンズユニット6を水平に維持できる。
【0085】
HMD1において、凸部64は湾曲部61Aから前方に突出する。凸部64が嵌るカム溝42を有する調節機構4の係合部4Bは、筐体12の第1筐体21の後側の面に設けられる。このため、凸部64及び調節機構4の係合部4Bによって筐体12が上下方向に大きくなることを適切に抑制できる。従って、使用者の視野が筐体によって遮られる可能性を低減できる。又、凸部64は、係合部4Bのカム溝42に嵌り、操作部材3の回転に応じて左右方向に移動する。これによって、レンズユニット6を左右方向に移動させることができるので、HMD1は、画像ユニット7及びレンズユニット6の間の距離を変化させてピント調節を行うことができる。
【0086】
HMD1において、画像ユニット7とレンズユニット6との左右方向の重複部分で、円筒部材62の突出部621C、621Dが、円筒部材71Aの溝部713A、714Aに嵌る。これによって、画像ユニット7とレンズユニット6との左右方向と直交する方向(前後方向及び上下方向)の位置関係が固定される。従って、操作部材3に対する操作に応じてレンズユニット6が左右方向に移動したときに、レンズユニット6及び画像ユニット7の少なくとも一方が光軸77と交差する方向に移動することを抑制できる。なお、突出部621C、621D及び溝部713A、714Aは、それぞれ、光軸77にもっとも近接する位置に設けられる。このため、HMD1は、レンズユニット6及び画像ユニット7が光軸77と交差する方向に移動することを適切に抑制できる。
【0087】
又、突出部621C、621Dは、レンズユニット6の円筒部材62のうち上下方向に配置される平面部62C、62Dに設けられる。又、溝部713A、714Aは、画像ユニット7の円筒部材71Aのうち上下方向に配置される平面部713、714に設けられる。このため、画像ユニット7とレンズユニット6とは、それぞれの左右方向の重複部分の上下方向両側で、光軸77と交差する方向の位置関係が固定される。従って、操作部材3に対する操作に応じてレンズユニット6が左右方向に移動したときに、レンズユニット6及び画像ユニット7が光軸77と交差する方向に移動することを適切に抑制できる。
【0088】
更に、突出部621Cは平面部62Cの前後方向中心に設けられ、突出部621Dは平面部62Dの前後方向中心に設けられる。又、溝部713Aは、平面部713の前後方向中心に設けられ、溝部714Aは、平面部714の前後方向中心に設けられる。この場合、操作部材3に対する操作に応じてレンズユニット6が左右方向に移動したときに、レンズユニット6及び画像ユニット7が前後方向に移動することを適切に抑制できる。
【0089】
HMD1において、使用者側に近接して配置される後側筐体14に、レンズユニット6及び画像ユニット7が保持される。使用者側から離隔して配置される前側筐体13に、操作部材3及び調節機構4が保持される。なお、HMD1は、装着具8が使用者の頭部に着用され、接続具9が後側筐体14に接続して筐体12全体を支持することによって、使用者に装着される。従って、接続具9に直接接続された後側筐体14にレンズユニット6及び画像ユニット7が保持されることになるので、レンズユニット6及び画像ユニット7を使用者の頭部に適切に固定できる。
【0090】
画像ユニット7は、突出部712(712A〜712C)を有する。突出部712の夫々の前側の端部は、同一平面上に配置される。この場合、突出部712を土台として画像ユニット7を台等に容易に載置させ易くなる。このため、画像ユニット7を筐体12に組み付けてHMD1を製造する場合に、画像ユニット7を安定化させることができる。これによって、HMD1の製造を容易化できる。
【0091】
HMD1の装着具8は、左右方向に延び且つ前方に向けて凸状に湾曲する第1部分8A、及び、第1部分8Aの両側から後側に延びる第2部分8B、8Cを有する。又、HMD1は、装着具8の第1部分8Aから延びる接続具9を有する。接続具9の先端に本体部材11が接続される。従って、装着具8が使用者の頭部に着用された状態で、使用者の眼前にハーフミラー56を保持できる。従って使用者は、ハーフミラー56によって偏向された画像光を視認しつつ、両手を使用して作業を行うことができる。
【0092】
<変形例>
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記のHMD1において、画像ユニット7を左右方向に移動させることによってピント調節が行われてもよい。具体的には次の通りである。レンズユニット6が筐体12に固定的に保持され、画像ユニット7が左右方向に移動可能に保持されてもよい。画像ユニット7の前側及び後側の面のそれぞれに、凸部が設けられていてもよい。調節機構4のカム溝42に、画像ユニット7の前側の凸部が後方から嵌っていてもよい。第4筐体24の前側の面の溝部242に、画像ユニット7の後側の凸部が前方から嵌ってもよい。操作部材3及び調節機構4が回動した場合、画像ユニット7が左右方向に移動してもよい。又、画像ユニット7及びレンズユニット6の両方の前側及び後側の面に、凸部が設けられてもよい。画像ユニット7及びレンズユニット6を左右方向に移動させることによって、ピント調節が行われてもよい。筐体12は、レンズユニット6及び画像ユニット7のうち一部のみを覆っていてもよい。
【0093】
レンズユニット6の凸部65は、円柱形であってもよい。凸部65が設けられる位置は、レンズユニット6の湾曲部61Bの上下方向中心を含む位置に限られず、中心よりも上側又は下側でもよい。レンズユニット6の凸部65の代わりに、左右方向に延び且つ前方に凹んだ溝部が設けられてもよい。第4筐体24の溝部242の代わりに、前方に突出する凸部が設けられてもよい。そして、レンズユニット6の溝部に、第4筐体24の凸部が嵌り、凸部が溝部に沿って左右方向に移動することによって、レンズユニット6を左右方向に移動可能としてもよい。
【0094】
レンズユニット6の凸部64の代わりに、左右方向に延びるラックギヤが設けられてもよい。調節機構4のカム溝42の代わりに、ラックギヤに嵌合するピニオンギヤが設けられてもよい。操作部材3の回転に応じてピニオンギヤが回転し、ピニオンギヤに嵌合するラックギヤが左右方向に移動することによって、ピント調節が行われてもよい。
【0095】
操作部材3及び調節機構4は一体の構造を有していてもよい。レンズユニット6の凸部64は、筐体12の第1筐体21に設けられたスリットを介して、第1筐体21の前側に突出してもよい。操作部材3の後端面3Bに、カム溝42が設けられてもよい。第1筐体21の前側に突出する凸部64は、操作部材3のカム溝42に嵌っていてもよい。操作部材3の回転に応じ、凸部64がスリットに沿って左右方向に移動することによって、レンズユニット6が左右方向に移動してもよい。
【0096】
上記のHMD1において、画像ユニット7には、平面部713、714のそれぞれのうち、前後方向中心よりも前側又は後側に、溝部713A、714Aが設けられてもよい。レンズユニット6には、平面部62C、62Dのそれぞれに、画像ユニット7の溝部713A、714Aに嵌る突出部621C、621Dが設けられてもよい。画像ユニット7には、平面部713、714のうち何れかに溝部が設けられてもよい。レンズユニット6には、平面部62C、62Dのうち何れかに、画像ユニット7の溝部に嵌る突出部が設けられてもよい。画像ユニット7には、平面部713、714のそれぞれに、2以上の溝部が設けられてもよい。レンズユニット6には、平面部62C、62Dのそれぞれに、画像ユニット7の2以上の溝部に嵌る2以上の突出部が設けられてもよい。画像ユニット7には、湾曲部715に溝部が設けられてもよい。レンズユニット6には、湾曲部62Aに、画像ユニット7の溝部に嵌る突出部が設けられてもよい。画像ユニット7の平面部713、714に設けられた溝部713Aの上端、及び、溝部714Aの下端は、開放してもよい。即ち、溝部713A、714Aはスリット状であってもよい。画像ユニット7の平面部713、714に突出部が設けられてもよい。レンズユニット6の平面部62C、62Dに、画像ユニット7の平面部713、714の突出部に嵌る溝部が設けられてもよい。画像ユニット7は、前側筐体13に保持されてもよい。画像ユニット7の側板部材71Bには、突出部712の代わりに、前方に突出する円柱又は角柱が設けられてもよい。
【0097】
上記において、HMD1は装着具8及び接続具9を備えず、本体部材11のみの構成であってもよい。本体部材11は、眼鏡等に直接固定されてもよい。また、HMD1は、装着具8を備えず、接続具9及び本体部材11で構成されてもよい。
【0098】
HMD1の左右方向は本発明の「第1方向」の一例である。HMDの左側は本発明の「第1方向の一方側」の一例であり、右側は本発明の「第1方向の他方側」の一例である。HMD1の前後方向は本発明の「第2方向」の一例である。HMDの後側は本発明の「第2方向の一方側」の一例であり、前側は本発明の「第2方向の他方側」の一例である。HMD1の上下方向は本発明の「第3方向」の一例である。HMDの上側は本発明の「第3方向の一方側」の一例であり、下側は本発明の「第3方向の他方側」の一例である。ハーフミラー56は本発明の「偏向部材」の一例である。凸部65は本発明の「第1係合部材」「第1突出部」の一例である。凸部64は本発明の「第2係合部材」「第2突出部」の一例である。溝部242は本発明の「第3係合部材」「第1溝部」の一例である。カム溝42は本発明の「第4係合部材」「第2溝部」の一例である。後側筐体14は本発明の「第1筐体」の一例である。前側筐体13は本発明の「第2筐体」の一例である。突出部621C、621Dは本発明の「第3突出部」の一例である。溝部713A、714Aは本発明の「第3溝部」の一例である。突出部712A、712B、712Cは本発明の「平面部」の一例である。円筒部材62は本発明の「レンズユニット重複部」の一例である。円筒部材71Aは本発明の「画像ユニット重複部」の一例である。
【符号の説明】
【0099】
1 :HMD
3 :操作部材
4 :調節機構
5 :ホルダ
6 :レンズユニット
7 :画像ユニット
8 :装着具
8A :第1部分
8B :第2部分
8C :第2部分
9 :接続具
12 :筐体
42 :カム溝
56 :ハーフミラー
59 :偏向ユニット
63 :レンズ
64 :凸部
65 :凸部
77 :光軸
242 :溝部
621C :突出部
621D :突出部
712 :突出部
713A :溝部
714A :溝部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16