特許第6248859号(P6248859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6248859電力供給装置、電力供給方法及び電力供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248859
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】電力供給装置、電力供給方法及び電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/35 20060101AFI20171211BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H02J7/35 K
   H02J1/00 304D
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-162362(P2014-162362)
(22)【出願日】2014年8月8日
(65)【公開番号】特開2016-39723(P2016-39723A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】川本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】森田 直
【審査官】 高橋 優斗
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0088084(US,A1)
【文献】 特開2013−143825(JP,A)
【文献】 特開2004−310569(JP,A)
【文献】 特開2003−258823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26−1/32,
H02J1/00−1/16,
H02J7/00−7/12,
H02J7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電力供給装置がデイジーチェーンで接続されて構成される、恒常的に通信するネットワークにおいて、ネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を相互に送電及び受電する少なくとも2つのコネクタと、
前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給する電力供給部と、
を備え、
前記少なくとも2つのコネクタは、前記隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び前記隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給装置。
【請求項2】
前記コネクタは、少なくともつのピンで正の電圧を受電し少なくとも1つのピンで正の電圧を送電し、少なくとも2つのピンでグランド電位を供給する、請求項1に記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記電力供給部は、ネットワークケーブルで受電した直流電力の電圧を、電力供給先の装置に適した電圧に変換してから直流電力を供給する、請求項1または2に記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記ネットワークは、10BASE−T規格に準拠したものである、請求項1〜3のいずれかに記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記コネクタは、前記10BASE−T規格での信号伝送に用いられるコネクタである、請求項4に記載の電力供給装置。
【請求項6】
前記電力供給部は、直流電力によってのみ動作するネットワークルータへ直流電力を供給する、請求項1〜5のいずれかに記載の電力供給装置。
【請求項7】
前記電力供給部は、前記ネットワークルータ及び前記ネットワークケーブルを通じて通信処理を行う通信処理部へ直流電力を供給する、請求項6に記載の電力供給装置。
【請求項8】
前記通信処理部は、他の装置との間で直流電力の授受に関する情報を通信する、請求項7に記載の電力供給装置。
【請求項9】
前記隣接する2つの電力供給装置との間でグランドレベルを分離する分離部をさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の電力供給装置。
【請求項10】
前記分離部はダイオードで構成される、請求項9に記載の電力供給装置。
【請求項11】
複数の電力供給装置がデイジーチェーンで接続されて構成される、恒常的に通信するネットワークにおいて、ネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を少なくとも2つのコネクタで相互に送電及び受電することと、
前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給することと、
を含み、
前記少なくとも2つのコネクタは、前記隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び前記隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給方法。
【請求項12】
デイジーチェーンで接続されて構成される複数の電力供給装置を備え、
各電力供給装置は、
恒常的に通信するネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を相互に送電及び受電する少なくとも2つのコネクタと、
前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給する電力供給部と、
を備え、
前記少なくとも2つのコネクタは、隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力供給装置、電力供給方法及び電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池を備えることで、入力電源からの電力が途絶えても、接続されている機器に対して、停電することなく所定の時間電力を蓄電池から供給し続けることができる無停電電源装置の存在が知られている。このような電源装置を需要家単位に拡大して、停電や蓄電池の容量不足等の電力供給の異常発生時に電力を需要家に供給する技術が提案されている(特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−205871号公報
【特許文献2】特開2013−90560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力を需要家同士で供給しあう際は、蓄電池からの電力供給を考慮すると直流電力による供給が行われることが、効率面を考えると望ましい。直流電力を需要家同士で供給しあう際は、需要家間でネットワークを形成し、恒常的な通信による電力供給制御を行う。そのネットワークルータは安定して電力の供給を受けられることが求められる。
【0005】
そこで本開示では、需要家間でネットワークを形成して直流電力を需要家同士で供給しあう際に、恒常的な通信を行うネットワークルータへ安定して電力を供給することが可能な、新規かつ改良された電力供給装置、電力供給方法及び電力供給システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、複数の電力供給装置がデイジーチェーンで接続されて構成される、恒常的に通信するネットワークにおいて、ネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を相互に送電及び受電する少なくとも2つのコネクタと、前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給する電力供給部と、を備え、前記少なくとも2つのコネクタは、前記隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び前記隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給装置が提供される。
【0007】
また本開示によれば、複数の電力供給装置がデイジーチェーンで接続されて構成される、恒常的に通信するネットワークにおいて、ネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を少なくとも2つのコネクタで相互に送電及び受電することと、前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給することと、を含み、前記少なくとも2つのコネクタは、前記隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び前記隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給方法が提供される。
【0008】
また本開示によれば、デイジーチェーンで接続されて構成される複数の電力供給装置を備え、各電力供給装置は、恒常的に通信するネットワークネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を相互に送電及び受電する少なくとも2つのコネクタと、前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給する電力供給部と、を備え、前記少なくとも2つのコネクタは、隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、需要家間でネットワークを形成して直流電力を需要家同士で供給しあう際にネットワークルータへ安定して電力を供給することが可能な、新規かつ改良された電力供給装置、電力供給方法及び電力供給システムが提供される。
【0010】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係る送受電制御システムの全体構成例を示す説明図である。
図2】10Base−Tにおけるネットワークコネクタのピン配置を示す説明図である。
図3】10Base−Tにおけるネットワークコネクタのピン配置を示す説明図である。
図4】ネットワークルータへの直流電力の供給の概要を示す説明図である。
図5】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成例を示す説明図である。
図6】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。
図7】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。
図8】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。
図9】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成例を示す説明図である。
図10】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。
図11】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。
図12】本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の一実施形態
1.1.背景
1.2.システム構成例
1.3.機器構成例
1.4.動作例
2.まとめ
【0014】
<1.本開示の一実施形態>
[1.1.概要]
本開示の一実施形態について説明する前に、本開示の一実施形態に係る技術の背景について説明する。
【0015】
各需要家に蓄電池を有するバッテリサーバを備え、商用電源や、太陽光、風力、地熱等の自然エネルギーにより発生した電力を用いて蓄電池に電力を蓄えておき、その蓄電池に蓄えた電力を使って電気製品を動作させる仕組みが、今後ますます普及していくことが想定される。そのような仕組みの普及を踏まえ、上述したように、ある需要家のバッテリサーバにおいて電力が不足した場合に、電力に余裕のある需要家のバッテリサーバから、その電力が不足している需要家のバッテリサーバに電力を融通するシステムが考案されている。電力を需要家同士で供給しあう際は、蓄電池からの電力供給を考慮すると、直流電力による供給が行われることが、効率面を考えると望ましい。
【0016】
そして、直流電力を需要家同士で供給しあう際は、需要家間でネットワークを形成し、恒常的な通信による電力供給制御を行うことが望ましく、そのネットワークルータは安定して電力の供給を受けられることが求められる。また直流電力を需要家同士で供給しあう場合に、既存の商用の交流電源からの電力が期待できないことも考えられるので、ネットワークルータは、商用電源ではなく、バッテリサーバから直流電力を受電して動作するように構成されることが望ましい。
【0017】
また直流電力を需要家同士で供給しあう際は、需要家間の距離が離れている場合も想定される。従ってネットワークルータは有線通信を行うものであることが望ましい。さらに直流電力を需要家同士で供給しあう際は、需要家間の距離が離れている場合を想定して、需要家間を数珠つなぎ(デイジーチェーン)で接続したネットワークを構成することが望ましい。
【0018】
例えば通信規格の1つに10Base−Tがある。10Base−Tは、伝送速度は100Base−Tや1000Base−Tに比べれば最大10Mbpsと低速だが、低価格で構築可能である。また10Base−Tは、1本のケーブルでの最大伝送距離は100メートルである。従って、需要者間の距離が100メートル以内であれば、需要者間にネットワークルータを挟むこと無く、直流電力を需要家同士で供給しあう際に需要者間で通信を行うことが可能になる。
【0019】
しかし、直流電力を需要家同士で供給しあう際、需要家間をデイジーチェーンで接続し、さらにネットワークルータを商用電源ではなくバッテリサーバから直流電力を受電して動作するように、需要家間でネットワークを形成した場合、以下の様な事象について対策を採る必要がある。
【0020】
まず、バッテリサーバが1つでも故障などの要因により停止してしまうと、ネットワークルータへの電力供給も途絶してしまう。ネットワークルータへの電力供給が途絶してしまうと当然ネットワークルータが停止してしまう。
【0021】
需要家間をデイジーチェーンで接続していると、ネットワークルータが1つ停止してしまうと、迂回路が存在しないのでネットワーク全体が停止してしまう。すなわち、バッテリサーバが1つでも故障などの要因により停止してしまうと、ネットワーク全体が停止してしまうことになり、システム全体の制御が不可能になる。
【0022】
また、上述したように10Base−Tは、1本のケーブルでの最大伝送距離は100メートルである。しかし、距離が100メートルより遠く離れている需要者同士を接続しようとすると、光ファイバケーブルを使用するなどの高価な通信システムの構築が必要になる。
【0023】
また、各需要家(ノード)間でグランドレベルが異なる場合に、隣接するノードから大電流が流れて、ケーブルが焼損してしまう事態が生じ得る。
【0024】
そこで本件開示者らは、上記事象を解決するような、ネットワークルータへの電力遮断の発生を大きく低減させるとともに、デイジーチェーンで接続したネットワークを安価で構築可能な技術について鋭意検討を行なった。その結果、以下で説明するように、ネットワークルータへの電力遮断の発生を大きく低減させるとともに、デイジーチェーンで接続したネットワークを安価で構築可能な技術を考案するに至った。
【0025】
以上、本開示の一実施形態にかかる技術の背景について説明した。続いて本開示の一実施形態について詳細に説明する。まず、本開示の一実施形態に係るシステム構成例について説明する。
【0026】
[1.2.システム構成例]
図1は、本開示の一実施形態に係る送受電制御システムの全体構成例を示す説明図である。図1に示したのは、蓄電池を有するバッテリサーバ間で直流電力を融通しあう送受電制御システムの全体構成例である。以下、図1を用いて本開示の一実施形態に係る送受電制御システムの全体構成例について説明する。
【0027】
図1に示した送受電制御システム1は、各需要家(図1では4つ)に設けられるバッテリサーバ同士で、必要に応じて直流電力を供給しあうことを目的として構築されたシステムである。需要家10aにはバッテリサーバ100aが設けられる。同様に需要家10bにはバッテリサーバ100bが、需要家10cにはバッテリサーバ100cが、需要家10dにはバッテリサーバ100dが、それぞれ設けられる。バッテリサーバ100a〜100dは、いずれも内部に、または外付けで、充放電可能なバッテリを備えている。
【0028】
またバッテリサーバ100a〜100dは、直流バスライン20に接続されて、必要に応じて直流電力を供給しあう。バッテリサーバ100a〜100dは、バッテリの電圧と直流バスライン20の電圧とを変換する双方向DC−DCコンバータを備えている。
【0029】
各需要家10a〜10dは、それぞれ太陽光パネル200a〜200dを備えていても良い。太陽光パネル200a〜200dは、いずれも太陽光の照射を受けて発電するパネルであり、発電した電力を、それぞれバッテリサーバ100a〜100dに備えられるバッテリに蓄えることが出来るよう構成されている。なお本実施形態では、各需要家10a〜10dがそれぞれ太陽光パネル200a〜200dを備える構成を示したが、バッテリサーバ100a〜100dには、風力、地熱、バイオマスその他の自然エネルギーによって発電された電力が蓄えられるようにしてもよい。
【0030】
各需要家10a〜10dは、それぞれ制御装置300a〜300dを備える。制御装置300a〜300dは、直流バスライン20を通じたバッテリサーバ100a〜100dの直流電力の送受電を制御する装置である。制御装置300a〜300dによる、直流バスライン20を通じたバッテリサーバ100a〜100dの直流電力の送受電の制御は特定の方法に限定されるものではないが、一例を挙げれば例えば以下の通りである。
【0031】
図1に示した送受電制御システム1は、直流バスライン20に接続されているバッテリサーバ100a〜100dの中の1つだけが、直流バスライン20を通じた直流電力の送受電を制御する制御権を有するように、バッテリサーバ100a〜100d間で調停する仕組みを備えてもよい。
【0032】
すなわち本実施形態に係る送受電制御システム1は、バッテリサーバ100a〜100dの中で制御権を有しているバッテリサーバだけが、他のバッテリサーバに対して、バッテリに蓄えた電力の送電や、バッテリへ充電するための電力の受電を指示し、制御権を有していないバッテリサーバは、勝手に電力の送受電を行なうことが出来ないようにする仕組みを備えてもよい。
【0033】
制御装置300a〜300dによる、直流バスライン20を通じたバッテリサーバ100a〜100dの直流電力の送受電の制御のために、各需要家10a〜10dは、それぞれネットワークルータ110a〜110dを備える。各需要家10a〜10dをそれぞれノードとも称すると、ネットワークルータ110a〜110dは、各ノードをデイジーチェーンで接続するための中継機器である。従って、ネットワークルータ110bはネットワークルータ110a、110cと、それぞれネットワークケーブル30a、30bで接続される。またネットワークルータ110cはネットワークルータ110b、110dと、それぞれネットワークケーブル30b、30cで接続される。
【0034】
ネットワークルータ110a〜110dは、各需要家10a〜10dとの間で、バッテリサーバ100a〜100dによる直流電力の授受に関する情報を送受信する。バッテリサーバ100a〜100dによる直流電力の授受に関する情報としては、例えば、電力供給量及び電力の内容(電流及び電圧)、電力供給時間(開始時間及び終了時間)等が含まれ得る。ッテリサーバ100a〜100dによる直流電力の授受に関する情報の形式については特定の内容に限定されるものではなく、送受電制御システム1において規定されるものである。ネットワークルータ110a〜110dは、商用の交流電源ではなく、それぞれバッテリサーバ100a〜100dから直流電力を受電して動作する。
【0035】
本実施形態では、ネットワークの規格として例えば10Base−Tのような、低速だが低価格でネットワークの構築が可能な規格を用いる。またネットワークケーブル30a〜30cはイーサネット(登録商標)ケーブルを使用する。
【0036】
10Base−Tにおける、ネットワークケーブル30a〜30cが差し込まれるネットワークコネクタのピン配置を説明する。図2及び図3は、10Base−Tにおけるネットワークコネクタのピン配置を示す説明図である。図2及び図3で示したように、10Base−Tにおけるネットワークコネクタは、8本の接続位置があり、8本全部が結線されている、いわゆる8P8Cと称されているコネクタである。8P8Cのコネクタの形状の一つに、例えばRJ−45がある。そして図2及び図3で示したように、10Base−Tでは、1番、2番、3番、6番のピンは、通信のために使用されることが予め決められている。しかし10Base−Tでは、4番、5番、7番、8番のピンは通信には使われていない。
【0037】
そこで本実施形態では、10Base−Tで通信に使用されていない4番、5番、7番、8番のピンを用いて、ネットワークケーブル30a〜30cを通じてネットワークルータ110a〜110dに電力を供給できるようにすることを特徴にしている。
【0038】
10Base−Tで通信に使用されていないピンを用いて、ネットワークケーブル30a〜30cを通じてネットワークルータ110a〜110dに電力を供給できるようにしたことで、例えばバッテリサーバ100cの故障などの要因により、バッテリサーバ100cからネットワークルータ110cへの電力供給が途絶えても、隣接するノードのバッテリサーバ100b、100dから、ネットワークケーブル30b、30cを通じて電力供給を受け続けることができる。
【0039】
隣接するノードのバッテリサーバ100b、100dから、ネットワークケーブル30b、30cを通じて電力供給を受け続けられることで、ネットワークルータ110cの動作が停止してしまうことを回避することができる。
【0040】
また本実施形態では、10Base−Tで通信に使用されていないピンを用いて、ネットワークケーブル30a〜30cを通じてネットワークルータ110a〜110dに電力を供給できるようにしたことで、ノード間の距離が10Base−Tで規定されている最長通信可能距離を越えるような場合であっても、ネットワークルータを数珠つなぎにすることで、最長通信可能距離を超えるノード同士を接続することができるようになる。
【0041】
図4は、ネットワークルータへの直流電力の供給の概要を示す説明図である。図4には、説明のために3つのノード(ノードn−1、ノードn、ノードn+1)を示している。各ノードにはそれぞれネットワークルータ110が設けられる。
【0042】
ノードnは、隣接するノードであるノードn+1及びノードn−1と、ネットワークケーブル30で接続される。そしてノードnは、ノードn+1から4番ピンで、ノードn−1から7番ピンで、それぞれ電力の供給を受ける。ノードnは、ノードn+1及びノードn−1からの電力を、ダイオード経由で受ける。またノードnは、自ノードにおけるDC−DCコンバータから生成した電源を、ダイオード経由で受ける。ノードnは、このようにして自ノード並びにノードn+1及びノードn−1から受けた直流電力をネットワークルータ110に供給する。
【0043】
なおノードnは、ノードn+1及びノードn−1からの信号線はそのままネットワークルータ110に接続する。そしてノードnのネットワークルータ110は、自ノードの制御装置300(図4には図示せず)に接続する。
【0044】
本実施形態では、ネットワークルータ110を動作させるための電源電圧を48Vに設定している。一般的に、ネットワークルータの動作に用いられる電源電圧は12V等の低い電圧になるが、各ノード間をネットワークケーブルのような細い線材で接続して、イーサネットで電力供給を行うと、電圧ドロップが発生し得る。
【0045】
そこで本実施形態では、電源電圧として48Vを使用し、自ノードにおけるDC−DCコンバータで12Vに変換してネットワークルータ110に供給することでネットワークルータ110を動作させる。なお、この48Vという電圧は、一般的な家庭用蓄電池の出力電圧であり、バッテリサーバ100の出力をそのまま使用することができる。従って、ネットワークルータ110を動作させるために追加の回路を設ける必要は無い。
【0046】
以上、本開示の一実施形態に係る送受電制御システムの全体構成例について説明した。続いて、ネットワークルータ110に電力を供給するための機器の具体例について説明する。
【0047】
[1.3.機器構成例]
図5は、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成例を示す説明図である。図5に示した電力供給装置120は、ノードnのネットワークルータ110に電力を供給するための機器の一例である。以下、図5を用いて、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成例について説明する。
【0048】
図5に示したように、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120は、コネクタ130a〜130fと、DC−DCコンバータ140と、を含んで構成される。なお本開示の一実施形態に係る電力供給装置120は、図5に示したように、内部に制御装置300を備える構成を有しているが、内部に制御装置300を備えていなくてもよい。
【0049】
コネクタ130aは、ネットワークケーブル30を接続するコネクタである。本実施形態では、コネクタ130aは、隣接するノードn−1とネットワークケーブル30で接続するためのコネクタである。コネクタ130aは、10Base−Tで規定されている1番、2番、3番、6番のピンを用いて隣接するノードn−1との間でデータのやり取りを行うよう構成されている。またコネクタ130aは、4番、5番、7番、8番のピンを用いて隣接するノードn−1との間で直流電力の授受を行うよう構成されている。
【0050】
コネクタ130aは、4番のピンで隣接するノードn−1から48Vの直流電力を受電するように構成され、7番のピンで隣接するノードn−1へ48Vの直流電力を送電するように構成される。またコネクタ130aは、5番及び8番のピンでグランド(GND)電位が供給されるように構成される。4番のピンには、自ノードの48Vの直流電力が4番のピンからノードn−1へ送電されないようダイオードが接続されている。
【0051】
コネクタ130cは、ネットワークケーブル30を接続するコネクタである。本実施形態では、コネクタ130cは、隣接するノードn+1とネットワークケーブル30で接続するためのコネクタである。コネクタ130cは、コネクタ130aと同様に、10Base−Tで規定されている1番、2番、3番、6番のピンを用いて隣接するノードn1との間でデータのやり取りを行うよう構成されている。またコネクタ130cは、4番、5番、7番、8番のピンを用いて隣接するノードn+1との間で直流電力の授受を行うよう構成されている。
【0052】
コネクタ130cは、7番のピンで隣接するノードn+1から48Vの直流電力を受電するように構成され、4番のピンで隣接するノードn+1へ48Vの直流電力を送電するように構成される。またコネクタ130cは、5番及び8番のピンでグランド(GND)電位が供給されるように構成される。7番のピンには、自ノードの48Vの直流電力が7番のピンからノードn+1へ送電されないようダイオードが接続されている。
【0053】
すなわち本開示の一実施形態に係る電力供給装置120は、ノードn−1には7番のピンと8番のピンとの組(Pair7)で、ノードn+1には4番のピンと5番のピンとの組(Pair4)で、それぞれ直流電力を供給する。この本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成は、どのノードにおいても同様である。
【0054】
なお、本実施形態では、ノードn−1には7番のピンと8番のピンとの組(Pair7)で、ノードn+1には4番のピンと5番のピンとの組(Pair4)で、それぞれ直流電力を供給するように電力供給装置120を構成しているが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもないことである。
【0055】
コネクタ130bは、制御装置300を接続するためのコネクタである。コネクタ130bは、コネクタ130a、130cとは異なり、電力の送受電は行わず、データの送受電のみを行う。従ってコネクタ130bは、10Base−Tで規定されている1番、2番、3番、6番のピンを用いて隣接するノードn−1との間でデータのやり取りを行うようにのみ構成されている。
【0056】
DC−DCコンバータ140は、自ノード並びにノードn+1及びノードn−1から受けた直流電圧をネットワークルータ110に供給するための直流電圧に変換する。本実施形態では、自ノード並びにノードn+1及びノードn−1から受けた48Vの直流電圧を、ネットワークルータ110に供給するための12Vの直流電圧に変換する。DC−DCコンバータ140は、12Vの直流電圧をネットワークルータ110に供給し、またグランド電位を、コネクタ130d、130e、130fの8番のピンに出力する。
【0057】
コネクタ130d、130e、130fは、ネットワークルータ110を接続するためのコネクタである。コネクタ130dは、コネクタ130aの1番、2番、3番、6番のピンによって、隣接するノードn−1から受信したデータをネットワークルータ110に供給したり、ネットワークルータ110から出力されたデータを隣接するノードn−1へ送信したりするように構成されている。
【0058】
コネクタ130eは、コネクタ130bの1番、2番、3番、6番のピンによって、制御装置300から受信したデータをネットワークルータ110に供給したり、ネットワークルータ110から出力されたデータを制御装置300へ送信したりするように構成されている。
【0059】
コネクタ130fは、コネクタ130cの1番、2番、3番、6番のピンによって、隣接するノードn+1から受信したデータをネットワークルータ110に供給したり、ネットワークルータ110から出力されたデータを隣接するノードn+1へ送信したりするように構成されている。
【0060】
本開示の一実施形態に係る電力供給装置120は、図5に示した構成を有することで、隣接するノードn−1、ノードn+1から、ネットワークケーブル30によって直流電力を受電し、ネットワークルータ110の動作に適した電圧に変換し、ネットワークルータ110へ直流電力を供給することができる。
【0061】
本開示の一実施形態に係る電力供給装置120は、図5に示した構成を有することで、仮に自ノードからの電力供給が途絶えても、隣接するノードn−1、ノードn+1から、ネットワークケーブル30によって直流電力を受電できる構成となっており、ネットワークルータ110への電力供給を継続することが出来る。
【0062】
以上、図5を用いて本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成例について説明した。続いて、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について説明する。
【0063】
[1.4.動作例]
図6は、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。図6には、4つのノードn−2、n−1、n、n+1が図示されている。図6に示した各ノードは自ノードのネットワークルータ110へ直流電力を供給するとともに、それぞれ上述したようにPair4及びPair7によって隣接するノードへ直流電力を供給している。
【0064】
ここで、ノードn−1及びノードnにおいて、バッテリサーバの故障やバッテリの枯渇等の要因で、自ノードのネットワークルータ110への電力供給が不可能になった場合を例示する。ノードn−1及びノードnにおいて、自ノードのネットワークルータ110への電力供給が不可能になった場合、図7に示すように、ノードn−1はノードn−2から、ノードnはノードn+1から、それぞれ直流電力を受電し、自ノードのネットワークルータ110へ電力を供給する。
【0065】
このように自ノードのネットワークルータ110への電力供給が不可能になった場合に、隣接するノードから直流電力を受電することで、ネットワークルータ110への電力供給を継続出来ることが分かる。
【0066】
別の動作例を示す。上述したように、10Base−Tは、1本のケーブルでの最大伝送距離は100メートルである。そこで、需要者間を中継するように本実施形態に係る電力供給装置120を設けることで、需要者間の距離が100メートルを超えるような場合でも、10Base−Tによる需要者間でのデータ通信が可能になる。
【0067】
図8は、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。図8には、2つのノードn、n+1が図示されている。図8に示したノードn、n+1間の距離は、例えば300メートルであるとする。図8に示した各ノードは自ノードのネットワークルータ110へ直流電力を供給するとともに、隣接するネットワークルータ110へ直流電力を供給するよう構成されている。
【0068】
ノードn、n+1間の距離が300メートルである場合、10Base−Tでは、1本のネットワークケーブルで接続してデータを伝送することは出来ない。しかし、間にネットワークルータ110を2つ挟んで中継することで、ノードn、n+1間での10Base−Tによるデータの伝送が可能になる。
【0069】
また、間に挟まれる2つのネットワークルータ110はノードn、n+1からそれぞれ直流電力を受電することで、間にバッテリサーバを設置すること無く、需要者間の距離が100メートルを超えるような場合でも、10Base−Tによる需要者間でのデータ通信を可能に出来る。
【0070】
各ノードの電力供給装置120は、他のノードの電力供給装置120からの電流の逆流を防ぐ構成を設けても良い。図9は、電力供給装置120の構成例を示す説明図である。図5に示した本開示の一実施形態に係る電力供給装置120の構成例との違いは、コネクタ130aの5番のピンと、コネクタ130の8番のピンとに、それぞれ隣接ノードとの間でグランドレベルを分離し、隣接ノードからの電流の逆流を防ぐダイオードが設けられている点である。
【0071】
また図9に示した電力供給装置120には、隣接ノードとの間でグランドレベルを分離し、隣接ノードからの電流がグランド(GND)からネットワークルータ110へ逆流することを防ぐダイオードも設けられている。従って、図9で示した構成で追加されたダイオードは、本開示の分離部の一例として機能し得る。なお本開示の分離部は、ダイオードの他の素子も用いられ得ることは言うまでもない。
【0072】
各ノードの電力供給装置120は、図9に示したように、他のノードの電力供給装置120からの電流の逆流を防ぐダイオードを設けることで、各ノード間でグランドレベルが異なる場合に生じ得るグランドレベルからの電流の逆流を防ぎ、各ノードでグランドレベルを分離することが出来る。
【0073】
電力供給装置120が他のノードの電力供給装置120からの電流の逆流を防ぐダイオードを設けることによる効果について説明する。
【0074】
図10図12は、本開示の一実施形態に係る電力供給装置120を用いた、送受電制御システムの動作例について示す説明図である。図10図12には、3つのノードn−1、n、n+1が図示されている。また各ノードn−1、n、n+1には、ネットワークルータ110に電力を供給する48Vのバッテリが含まれていることが図示されている。
【0075】
ノードnの電力供給装置120からノードn−1及びノードn+1に電力を供給する際には、図11に示したような経路でノードnからノードn−1及びノードn+1に電力が供給される。すなわちノードnからノードn−1へは7番のピンと8番のピンとの組(Pair7)で、ノードnからノードn+1には4番のピンと5番のピンとの組(Pair4)で、それぞれ直流電力が供給される。
【0076】
通常は図11に示したように、ノードnの電力供給装置120からノードn−1へ、そしてノードn−1の電力供給装置120からノードnへ電流が流れる。しかし、例えばノードnのグランドレベルの方がノードn−1のグランドレベルより高い場合(例えばノードnのグランドレベルが10Vで、ノードn−1のグランドレベルが0Vであった場合)、通常時とは逆の経路でノードnの電力供給装置120からノードn−1へ電流が流れることになる。このように各ノード間でグランドレベルが異なる場合に、隣接するノードから電流が流れて、その流れる電流の量が大きくなると、ノード間を接続しているネットワークケーブルが焼損してしまう事態が生じ得る。
【0077】
そこで各ノードの電力供給装置120は、電流の逆流を防ぐダイオードを設けることで、ノード間でグランドレベルが異なっていた場合であっても、図12に示したように、電流の逆流を防ぐことが出来る。すなわち、各ノードのグランドをダイオードで分離することで、各ノードの電力供給装置120は、各ノード間で何らかの理由でグランドレベルが異なったとしても、大電流が流れることを防ぐことができる。
【0078】
<2.まとめ>
以上説明したように本開示の一実施形態によれば、複数のノードが数珠つなぎ(デイジーチェーン)で接続されて構成されるネットワークにおいて、自ノードのネットワークルータへ直流電力を供給する電力供給装置が提供される。本開示の一実施形態に係る電力供給装置は、隣接するノードから直流電力をネットワークケーブルで受電したり、隣接するノードへ直流電力をネットワークケーブルで供給したりすることが可能なように構成される。
【0079】
本開示の一実施形態に係る電力供給装置は、隣接するノードとの間で直流電力をネットワークケーブルによって送受電することで、自ノードにおけるバッテリサーバが故障やバッテリの枯渇等の要因によって、自ノードのネットワークルータへ電力供給が出来なくなった場合であっても、隣接するノードから電力供給を受けて、自ノードのネットワークルータの動作を継続させることが出来る。
【0080】
隣接するノードにおいて同様にバッテリサーバが故障やバッテリの枯渇等の要因によって、当該ノードのネットワークルータへ電力供給が出来なくなった場合であっても、隣接するノードへ電力を供給することで、当該ノードのネットワークルータの動作を継続させることが出来る。
【0081】
本開示の一実施形態に係る電力供給装置は、隣接するノードから直流電力をネットワークケーブルで受電する際の経路と、同一のノードへ直流電力をネットワークケーブルで供給する際の経路は、それぞれ異なっている。また、2つの隣接するノードから直流電力をネットワークケーブルで受電する際の経路も、各ノードでそれぞれ異なっている。このように直流電力の送受電経路を規定することで、本開示の一実施形態に係る電力供給装置は、隣接するノードとの間で、電力供給のバッティングを回避して直流電力の送受電が可能になる。
【0082】
また本開示の一実施形態に係る電力供給装置は、隣接するノードから直流電力をネットワークケーブルで受電して、ネットワークルータに直流電力を供給するよう構成されていることで、ノード間が規格上期待されている最大伝送距離以上離れている場合であっても、ノード間のデータの伝送を可能にする。すなわち、ネットワークルータをノード間に挟み、そのネットワークルータにノードの電力供給装置から直流電力を供給することで、ノード間のデータの伝送が可能になる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0085】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
複数の電力供給装置がデイジーチェーンで接続されて構成される、恒常的に通信するネットワークにおいて、ネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を相互に送電及び受電する少なくとも2つのコネクタと、
前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給する電力供給部と、
を備え、
前記少なくとも2つのコネクタは、前記隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び前記隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給装置。
(2)
前記コネクタは、少なくとも2つのピンで正の電圧を、少なくとも2つのピンでグランド電位を受電する、前記(1)に記載の電力供給装置。
(3)
前記電力供給部は、ネットワークケーブルで受電した直流電力の電圧を、電力供給先の装置に適した電圧に変換する、前記(1)または(2)に記載の電力供給装置。
(4)
前記ネットワークは、10BASE−T規格に準拠したものである、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電力供給装置。
(5)
前記コネクタは、前記10BASE−T規格での信号伝送に用いられるコネクタである、前記(4)に記載の電力供給装置。
(6)
前記電力供給部は、直流電力によってのみ動作するネットワークルータへ直流電力を供給する、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の電力供給装置。
(7)
前記電力供給部は、前記ネットワークルータ及び前記ネットワークケーブルを通じて通信処理を行う通信処理部へ直流電力を供給する、前記(6)に記載の電力供給装置。
(8)
前記通信処理部は、他の装置との間で直流電力の授受に関する情報を通信する、前記(7)に記載の電力供給装置。
(9)
前記隣接する2つの電力供給装置との間でグランドレベルを分離する分離部をさらに備える、前記(1)〜(8)のいずれかに記載の電力供給装置。
(10)
前記分離部はダイオードで構成される、前記(9)に記載の電力供給装置。
(11)
複数の電力供給装置がデイジーチェーンで接続されて構成される、恒常的に通信するネットワークにおいて、ネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を少なくとも2つのコネクタで相互に送電及び受電することと、
前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給することと、
を含み、
前記少なくとも2つのコネクタは、前記隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び前記隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給方法。
(12)
デイジーチェーンで接続されて構成される複数の電力供給装置を備え、
各電力供給装置は、
恒常的に通信するネットワークネットワークケーブルで接続される、隣接する2つの電力供給装置に対して該ネットワークケーブルを通じて直流電力を相互に送電及び受電する少なくとも2つのコネクタと、
前記少なくとも2つのコネクタの内の少なくとも1つのコネクタがネットワークケーブルで受電した直流電力を供給する電力供給部と、
を備え、
前記少なくとも2つのコネクタは、隣接する2つの電力供給装置への送電経路及び隣接する2つの電力供給装置からの受電経路がそれぞれ異なる、電力供給システム。
【符号の説明】
【0086】
20 直流バスライン
30 ネットワークケーブル
100a〜100d バッテリサーバ
110 ネットワークルータ
120 電力供給装置
130a〜130f コネクタ
140 DC−DCコンバータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12