【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用, 1.平成25年7月30日 株式会社ニッカトーに販売 2.平成25年8月15日 Sannohashi Manufacturing Mexico,S.A.de C.V.に販売 3.平成25年8月27日 UNIAO BRASILEIRADE EDUCACAO E ASSISTENCIA Pontificia Universidade Cat▲o▼lica do Rio Grande do Sulに販売 4.平成25年8月27日、平成25年11月21日、平成25年11月25日、平成25年11月26日、平成25年12月16日、平成25年12月20日 SHIMADZU EUROPA GMBHに販売 5.平成25年9月19日、平成2年1月20日 SHIMADZU(ASIA PACIFIC)PTE LTDに販売 6.平成25年9月25日 ボッシュ株式会社に販売 7.平成25年10月2日 三菱電機株式会社に販売 8.平成25年10月4日、平成25年10月24日、平成25年12月3日、平成26年1月22日 SHIMADZU SCIENTIFIC INSTRUMENTS,INC.に販売 9.平成25年11月13日 THK株式会社に販売 10.平成25年11月27日 光栄テクノシステム株式会社に販売 11.平成25年11月29日 国立大学法人愛媛大学に販売 12.平成25年11月29日 SHIMADZU MIDDLE EAST & AFRICA FZEに販売 13.平成25年12月4日 株式会社丸眞製作所に販売 14.平成25年12月5日 FUNDACAO DE APOIO A PESQUISA−FUNAPEに販売 15.平成25年12月20日 日立機材株式会社に販売 16.平成25年12月24日 株式会社ヴァレオジャパンに販売 17.平成25年12月25日 GKNドライブラインジャパン株式会社に販売 18.平成26年1月8日 独立行政法人国立高等専門学校機構鳥羽商船高等専門学校に販売 19.平成26年1月10日 SHIMADZU(CHINA)CO.,LTD.に販売 20.平成26年1月15日 株式会社デンソーに販売
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
先端側に圧子が接続された圧子軸を有する複数の圧子ユニットと、複数の対物レンズと、前記複数の圧子ユニットと前記複数の対物レンズとが配設された回転部材と、を備え、試料に前記圧子を押し込むことにより形成されたくぼみのサイズに基づいて試料の硬さを計測する硬さ試験機であって、
前記複数の圧子ユニットの少なくとも一つは、
前記圧子軸の先端平面に前記圧子の試料への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態で当該圧子が固定部材により固定される圧子保持部材と、
付勢力を前記圧子軸の径方向から前記圧子軸に与える向きで前記圧子保持部材に等間隔で配設され前記圧子保持部材の外側から操作される複数の付勢部材を有し、前記圧子保持部材を前記回転部材の回転軸に垂直な平面において移動させることにより、前記圧子軸の負荷方向に垂直な平面における前記圧子の位置を調整する位置調整機構と、
を備え、
前記圧子保持部材を、前記付勢部材の付勢力により前記圧子軸に係合させることにより前記圧子を前記回転部材に取り付けることを特徴とする硬さ試験機。
先端側に第1圧子が接続された圧子軸を有する第1圧子ユニットと、先端側に前記第1圧子ユニットにおける第1圧子とは異なる第2圧子が接続された圧子軸を有する第2圧子ユニットと、複数の対物レンズと、前記第1圧子ユニット、前記第2圧子ユニットおよび前記複数の対物レンズとが配設された回転部材と、を備え、試料に前記第1圧子または前記第2圧子を押し込むことにより形成されたくぼみのサイズに基づいて前記試料の硬さを計測する硬さ試験機であって、
前記第2圧子ユニットは、
前記圧子軸の先端平面に前記第2圧子の前記試料への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態で当該第2圧子が固定部材により固定される圧子保持部材と、
付勢力を前記圧子軸の径方向から前記圧子軸に与える向きで前記圧子保持部材に等間隔で配設され前記圧子保持部材の外側から操作される複数の付勢部材を有し、前記圧子保持部材を前記回転部材の回転軸に垂直な平面において移動させることにより、前記圧子軸の負荷方向に垂直な平面における前記第2圧子の位置を前記第1圧子の位置に対して調整する位置調整機構と、
を備え、
前記圧子保持部材を、前記付勢部材の付勢力により前記圧子軸に係合させることにより前記圧子を前記回転部材に取り付けることを特徴とする硬さ試験機。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の硬さ試験機では、ターレットでの第1の圧子に対する第2の圧子の位置調整は行われない。このため、圧子間のずれ量が大きいと、例えば、第1の圧子で試験を行った後、次の試験を第2の圧子で行ったときに、くぼみを自動読み取りさせるべくターレットを回転させて高倍率の対物レンズを試料に対向させても、くぼみが視野外となってしまうことがある。このような場合は、XYステージを移動させてくぼみを探さなければならない。したがって、複数の圧子間の位置調整を行っておく必要があるが、この位置調整のための操作が煩雑となることが多い。
【0006】
また、オペレータが複数の圧子間の位置調整を行うときに、ある1の圧子の位置に対して、他の圧子を動かす方向や移動量の把握が容易に行えない場合もある。このような場合には、必要以上に位置調整に時間がかかることとなる。
【0007】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、複数の圧子間の位置調整を容易に行うことが可能な硬さ試験機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、先端側に圧子が接続された圧子軸を有する複数の圧子ユニットと、複数の対物レンズと、前記複数の圧子ユニットと前記複数の対物レンズとが配設された回転部材と、を備え、試料に前記圧子を押し込むことにより形成されたくぼみのサイズに基づいて試料の硬さを計測する硬さ試験機であって、前記複数の圧子ユニットの少なくとも一つは、前記圧子軸の先端平面に前記圧子の試料への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態で当該圧子が固定部材により固定される圧子保持部材と、
付勢力を前記圧子軸の径方向から前記圧子軸に与える向きで前記圧子保持部材に等間隔で配設され前記圧子保持部材の外側から操作される複数の付勢部材を有し、前記圧子保持部材を前記回転部材の回転軸に垂直な平面において移動させることにより、前記圧子軸の負荷方向に垂直な平面における前記圧子の位置を調整する位置調整機構と、を備え
、前記圧子保持部材を、前記付勢部材の付勢力により前記圧子軸に係合させることにより前記圧子を前記回転部材に取り付けることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の圧子ユニットは、前記回転部材に接続され、前記圧子軸の傾斜を調整する傾き調整機構を備える。
【0010】
請求項
3に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記付勢部材は、バネにより付勢された球体を備えるボールプランジャである。
【0011】
請求項
4に記載の発明は、請求項1から請求項
3のいずれかに記載の発明において、前記複数の対物レンズのいずれかにより拡大された試料表面を撮影する撮影手段と、前記撮影手段から入力された試料表面の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示される前記画像における前記複数の対物レンズのいずれかの視野中心と前記圧子により試料表面に形成されたくぼみの中心との位置関係に基づいて、
前記付勢部材の操作方向および操作量を前記表示部に表示する表示制御部をさらに備える。
【0012】
請求項
5に記載の発明は、先端側に第1圧子が接続された圧子軸を有する第1圧子ユニットと、先端側に前記第1圧子ユニットにおける第1圧子とは異なる第2圧子が接続された圧子軸を有する第2圧子ユニットと、複数の対物レンズと、前記第1圧子ユニット、前記第2圧子ユニットおよび前記複数の対物レンズとが配設された回転部材と、を備え、試料に前記圧子を押し込むことにより形成されたくぼみのサイズに基づいて前記試料の硬さを計測する硬さ試験機であって、前記第2圧子ユニットは、前記圧子軸の先端平面に前記第2圧子の前記試料への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態で当該第2圧子が固定部材により固定される圧子保持部材と、
付勢力を前記圧子軸の径方向から前記圧子軸に与える向きで前記圧子保持部材に等間隔で配設され前記圧子保持部材の外側から操作される複数の付勢部材を有し、前記圧子保持部材を前記回転部材の回転軸に垂直な平面において移動させることにより、前記圧子軸の負荷方向に垂直な平面における前記第2圧子の位置を前記第1圧子の位置に対して調整する位置調整機構と、を備え
、前記圧子保持部材を、前記付勢部材の付勢力により前記圧子軸に係合させることにより前記圧子を前記回転部材に取り付けることを特徴とする。
【0013】
請求項
6に記載の発明は、請求項
5に記載の発明において、前記複数の対物レンズのいずれかにより拡大された試料表面を撮影する撮影手段と、前記撮影手段から入力された試料表面の画像を表示する表示部と、前記表示部に表示される前記画像における前記複数の対物レンズのいずれかの視野中心と前記第2圧子により試料表面に形成されたくぼみの中心との位置関係に基づいて、
前記付勢部材の操作方向および操作量を前記表示部に表示する表示制御部
と、をさらに備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1から請求項
6に記載の発明によれば、圧子軸の先端平面に圧子の試料への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態で当該圧子が固定部材により固定される圧子保持部材と、圧子保持部材に配設され、圧子保持部材を回転部材の回転軸に垂直な平面において移動させることにより、圧子軸の負荷方向に垂直な平面における圧子の位置を調整する位置調整機構とを備えることから、ユーザ側で圧子間の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、圧子軸の負荷方向に垂直な平面における圧子の位置を調整する位置調整機構とは別に圧子軸の傾斜を調整する傾き調整機構を備えることから、圧子の位置調整と圧子軸の傾き調整の相互の影響を低減することが可能となる。
【0016】
請求項
1および請求項
3に記載の発明によれば、付勢力を利用することにより簡易な構成で圧子保持部材の圧子軸からの脱落を防止することができる。
【0017】
請求項
4および請求項
6に記載の発明によれば、オペレータへの位置調整機構の操作に関する案内表示を表示部に表示させることから、オペレータが位置調整の操作を誤ることを防止し、圧子間の位置調整を容易かつ速やかに行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明に係る硬さ試験機の正面図である。また、
図2は、この発明に係る硬さ試験機の本体部1の右側面図である。
【0020】
この硬さ試験機は、本体部1に液晶ディスプレイなどのデジタル表示装置である表示部55が接続された構成を有する。本体部1は、試料100を載置するための載置台32と、載置台32の移動機構および入力表示部39等から成る載置部52と、圧子41、対物レンズ42、43、ターレット40および接眼レンズ36等から成るくぼみ観察部51と、載置部52とくぼみ観察部51を接続する接続部53により構成されている。この接続部53は、
図2に示すように、側面視において略C型の形状を有する。そして、この接続部53には、開口部54が形成されている。
【0021】
この載置部52は、テーブル31上部に配設された、試料100を載置するための載置台32を備える。載置台32は、試料100をX方向(
図1における左右方向であり、
図2における紙面に垂直な方向)およびY方向(
図1における紙面に垂直な方向であり
図2における左右方向)に移動させるためのものである。この載置台32には、試料100をX方向に移動させるためのマイクロメータ式のツマミ33と、試料100をY方向に移動させるためのマイクロメータ式のツマミ34とが付設されている。この載置台32はツマミ33、34を操作することにより移動する手動式のXYステージである。なお、載置台32は電動式のXYステージであってもよい。また、載置台32は、昇降ハンドル35の作用により昇降する構成となっている。
【0022】
テーブル31の正面には、入力表示部39が配設されている。この入力表示部39は、タッチパネル式の液晶表示パネルから構成され、各種データを入力するための入力キーを表示するとともに、試験条件や計測結果などの各種データを表示する。この入力表示部39は、入力手段および表示手段として機能する。
【0023】
また、くぼみ観察部51は、試料100の表面の拡大画像を目視により観察するための接眼レンズ36と、試料100の表面の拡大画像を表示部55に表示させるためのカメラ37を備える。この接眼レンズ36の側方には、接眼レンズ36を利用して試料100を観察する際に、ゲージを移動させるために使用される一対のツマミ38が配設されている。カメラ37は撮影した試料100の表面をデジタル画像データとして表示部55に出力する。
【0024】
さらに、くぼみ観察部51は、試料100に一定の試験力で押し込まれる圧子41、47と、これらの圧子41、47に対して試験力を付与するための負荷機構と、複数の対物レンズ42、43と、これらの圧子41および対物レンズ42、43等を支持して回転するターレット40(
図1参照)とを備える。このターレット40は、ツマミ46を操作することにより、鉛直方向を向く回転軸Cを中心に回転する。
【0025】
上述した圧子41は、例えば、試料100に対してビッカース硬さ試験を実行するためのビッカース圧子であり、その先端は底辺が正方形の四角錐形状となっている。一方、上述した圧子47は、例えば、試料100に対してヌープ硬さ試験を実行するためのヌープ圧子であり、その先端は底辺が菱形の四角錐形状となっている。圧子41と圧子47の形状は上述と反対でもよい。なお、この硬さ試験機では、圧子41、47をその先端が球形のブリネル硬さ試験用のブリネル圧子に変更することも可能である。
【0026】
図3は、ターレット40に支持された対物レンズ等の配置を示す説明図である。
【0027】
ターレット40には、載置台32上に載置された試料100に押し込まれる圧子41、47が、後述する圧子ユニット90をターレット40に接続することにより配設されている。さらに、ターレット40には、5倍の対物レンズ42、10倍の対物レンズ43、40倍の対物レンズ44および100倍の対物レンズ45とが配設されている。これらの圧子41、47および対物レンズ42、43、44、45は、ターレット40の回転軸Cを中心とした円上に配置されている。試料100に形成されたくぼみのサイズにより、これらの対物レンズ42、43、44、45が選択的に使用される。なお、対物レンズ42、43、44、45の倍率および配設個数はこれに限定されるものではない。
【0028】
図4は、圧子41および圧子47に対して試験力を付与するための負荷機構と、試料100に形成されたくぼみを観察するための光学系の概要図である。なお、
図4は、
図3において一点鎖線で示す位置における断面を示している。
【0029】
この硬さ試験機は、くぼみ観察部51に圧子41、47の先端を試料100に対して押し込むための試験力を圧子41、47に対して付与する負荷機構と、載置台32上に載置された試料100を照明するとともにくぼみを観察するための光学系とを備える。
【0030】
図4に示すように、ターレット40は、軸筒48がベアリング49を介して回転軸Cに接続されており、ツマミ46を操作することにより、あるいは、図示を省略したモータの駆動により、鉛直方向を向く回転軸Cを中心に回転する。
図4においては、ターレット40の回転により圧子軸86を介して圧子47に試験力が与えられる場合、すなわち、圧子47が
図1に示す試料100と対向する位置に配置されている場合を示している。圧子41に対して試験力を付与する場合には、圧子41が、
図4に示す圧子47の位置に配置される。
【0031】
負荷機構は、水平方向を向く軸81を中心に揺動可能なレバー82を備える。レバー82には、中空の押圧部85が配設されている。この押圧部85は、レバー82の揺動に伴って、圧子47に接続された圧子軸86の端部に付設された当接部87を押圧する構成となっている。また、レバー82の一端には、このレバー82の揺動に伴って移動する圧子軸86の移動量を検出する差動トランス式の変位検出機構60が接続されている。なお、この変位検出機構60は、試料100の表面の検出に使用される。すなわち、圧子47を極めて小さい力で下降させたときの移動量を常に検出し、圧子47の移動が停止したときに圧子47の先端が試料100の表面と当接したと判断している。
【0032】
レバー82の他端には、永久磁石83が付設されている。この永久磁石83の外部には、電磁コイル84が配設されている。この永久磁石83と電磁コイル84とにより、ボイスコイルモータが構成される。このボイスコイルモータは、電磁式の負荷機構となり、電磁コイル84に流れる電流を制御することにより、圧子軸86の先端に配設された圧子47による試料100への試験力を制御することが可能となる。
【0033】
圧子軸86は、上下の板バネ61を、板バネ支持部62を介してターレット40に接続したロバーバル構造により支持されており、負荷機構により与えられた試験力に応じて昇降可能となっている。なお、板バネ支持部62はターレット40に吊設されている。この板バネ支持部62は、先端がターレット40に当接するネジ部材64を操作することにより、圧子軸86の傾斜を調整する傾き調整部材として機能する。
【0034】
圧子軸86の先端は、板バネ61および板バネ支持部62を収容するケーシング63を貫通しており、圧子ホルダ91を介して圧子軸86の先端に圧子47が接続される。なお、負荷機構による試験力を伝達する当接部87および圧子軸86、圧子軸86を支持する板バネ61および板バネ支持部62、圧子47を圧子軸86に接続する圧子ホルダ91は、圧子ユニット90を構成する。圧子軸86の先端に圧子41が配設される圧子ユニット90も、同様の構成を有する。
【0035】
光学系は、LED光源71と、LED光源71からの光を水平方向に導く光筒72と、試料100を上から照明するために光筒72により導かれた光を押圧部85の中空部に導光するとともに、試料100の表面からの反射光をカメラ37側に透過させるハーフミラー73と、ハーフミラー73を透過した試料100の表面からの反射光を接眼レンズ36およびカメラ37に分割するハーフミラー74とを備える。対物レンズ42が
図4における圧子軸86の位置、すなわち試料100に形成されたくぼみの観察位置に配置された場合には、試料100の表面からの反射光が、対物レンズ42、押圧部85の中空部、ハーフミラー73、74を介して、接眼レンズ36およびカメラ37に入射する。これにより、接眼レンズ36により試料100の拡大像を観察することができるとともに、カメラ37により撮影した拡大像を表示部55に表示することができる。その他の対物レンズ43、44、45がくぼみの観察位置に配置された場合も、対物レンズ42による場合と同様である。
【0036】
図5は、圧子47の位置調整機構を説明する図である。
図5(a)は、圧子ホルダ91付近を拡大して示す斜視図である。
図5(b)は圧子ホルダ91等の断面概要図である。
【0037】
圧子47は、圧子保持部材である圧子ホルダ91によりターレット40に配設される。この圧子ホルダ91は、ターレット40から延設された支持部材であるケーシング63に形成された孔部を貫通する圧子軸86に、後述するボールプランジャ93を介して係合する。圧子ホルダ91の内径は、圧子軸86の外径よりやや大きい径となっている。すなわち、圧子ホルダ91は、その内径と圧子軸86との隙間の分だけ、ターレット40の回転軸Cに垂直な平面において、すなわち、回転軸Cに垂直な平面内で移動可能となっている。
【0038】
圧子ホルダ91のケーシング63側とは逆側の底部には、圧子47の試料100への押し込み側とは逆側端を挿入するための孔部が形成され、圧子ホルダ91の側面には、圧子47を圧子ホルダ91に固定するための固定部材である固定ネジ92が配設されている。
図5(b)に示すように、圧子軸86の先端平面に、圧子47の試料100への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態で、固定ネジ92で圧子ホルダ91の側面を押圧することにより、圧子47が圧子ホルダ91に固定される。これにより、圧子47が、圧子軸86を介して伝達される試験力を受けることが可能な状態で圧子軸86に接続される。
【0039】
また、圧子ホルダ91には、90度の等間隔でボールプランジャ93が4個螺合して配設されている。このボールプランジャ93は、バネで付勢された球体を圧子軸86に当接させることにより、付勢力を圧子軸86の径方向から圧子軸86に与える付勢部材である。ボールプランジャ93は、バネのストローク範囲内であれば、対向する位置に配設されたボールプランジャ93の一方を緩めた(圧子軸86から離れる方向に操作した)場合でも、付勢力により圧子軸86に対する保持力が維持できる。
【0040】
このため、ボールプランジャ93により負荷方向であるZ方向での圧子ホルダ91の位置が固定されるとともに、圧子ホルダ91の圧子軸86からの脱落が防止される。なお、付勢部材としては、圧子軸86に対する保持力が維持できるものであれば、先端が球体でなくゴムなどであるバネ付押しネジや、バネが他の弾性部材で構成された押しネジなどを使用してもよい。また、この実施形態では、圧子ホルダ91に、90度の等間隔でボールプランジャ93が4個配設されている例を示しているが、120度の等間隔でボールプランジャ93を3個配設してもよい。
【0041】
さらに、このボールプランジャ93は、対向する位置に配設されたボールプランジャ93を相互に操作することにより、圧子軸86の負荷方向に垂直な平面における圧子47の位置を調整する位置調整機構として機能する。上述したように、圧子47は、圧子軸86の先端平面に圧子47の試料100への押し込み側とは逆側の端面を当接させた状態であるとともに、圧子47は圧子ホルダ91に固定されている。
【0042】
したがって、
図5(b)の対向する位置にあるボールプランジャ93の一方を緩め、他方をねじ込むと、圧子ホルダ91を
図5(b)に示すX方向(紙面左右方向)に移動させることができる。他の対向する位置に配設されたボールプランジャ93を同様に操作すると、
図5(b)の紙面に垂直な方向に圧子ホルダ91を移動させることができる。この圧子ホルダ91の移動に伴い、圧子47も試料100への押し込み側とは逆側の端面が圧子軸86の先端平面に当接した状態のまま同様に移動する。すなわち、圧子47は圧子軸86に当接しているだけで、圧子軸86に固定されてはいないため、ボールプランジャ93を操作することにより、圧子47と圧子ホルダ91とが一体的に移動する。このように、この実施形態では、ボールプランジャ93により構成された位置調整機構により、圧子47の圧子軸86の負荷方向(Z方向)に垂直な平面において、すなわち、圧子軸86の負荷方向に垂直な平面内で、圧子47の2方向の位置調整が可能である。
【0043】
また、圧子ユニット90において、圧子軸86等が収容されているケーシング63の外側の圧子ホルダ91に位置調整機構を設けていることから、ボールプランジャ93の操作がユーザ側から容易に行うことができ、ユーザ側で圧子間の位置調整を容易に行うことを可能としている。また、圧子軸86の傾斜を調整する傾き調整機構と圧子47の位置調整機構とを別に構成できることから、圧子軸86の傾き調整が圧子47の位置に影響を及ぼすことがなく、圧子47の位置調整により圧子軸86が傾斜することもない。
【0044】
以上のような構成を有する硬さ試験機において、圧子41により形成されたくぼみと、圧子47により形成されたくぼみとが、くぼみ読取用の高倍率の対物レンズ(例えば、40倍の対物レンズ44)において、くぼみの計測が可能な視野内に形成されるように、圧子41および圧子47の相対的な位置を調整する手順について説明する。
図6は、圧子41に対する圧子47の位置調整を模式的に示した説明図である。なお、
図6(a)から(d)の各矩形は、表示部55に表示される対物レンズ44の視野枠を示している。また、
図6では、圧子41(第1圧子)がビッカース試験用の圧子、圧子47(第2圧子)がヌープ試験用の圧子である例を示している。
【0045】
まず、圧子41および圧子47について、次のような手順で粗位置調整を行う。載置台32の上の対物レンズ44の視野中心の位置にピンを立て、圧子41を負荷軸上にもってきた状態で圧子41の先端とピンの先端との位置を傾き調整機構や位置調整機構を利用してオペレータが目視で合わせる。次にターレット40を回転させて圧子47を負荷軸上にもってきた状態で、圧子47の先端がピンの先端の位置に合うように、圧子41の場合と同様に圧子47の位置調整をする。この粗位置調整により、例えば、圧子41の軸心が対物レンズ44の視野中心に合っている状態で、圧子47によるくぼみも対物レンズ44の視野内に入るようになる(
図6(c)参照)。なお、この粗位置調整は、くぼみの計測が可能なようにくぼみの全形状が対物レンズ44の視野内に入ることを要求するほど高精度なものではない。
【0046】
次に、圧子41(第1圧子)を適当な試験力で試料100に圧子41を押し込む(
図6(a)参照)。そして、この圧子41を基準として、各対物レンズ42、43、44、45の視野中心を圧子41によって試料100に形成されたくぼみVの中心に合わせる。なお、
図6においては、対物レンズ44の視野中心を十字破線で示している。各対物レンズ42、43、44、45は、ターレット40における位置が調整できるように構成されており、順次試料100に対向させて、各対物レンズ42、43、44、45の視野中心がくぼみVの中心と合うように、対物レンズ42、43、44、45の位置を調整する(
図6(b)参照)。
【0047】
次に、試料100に圧子47を対向させ、圧子47を適当な試験力で試料100に押し込んだ後に、くぼみ読取用の対物レンズ44に切り替えて、圧子47により形成されたくぼみK1の位置を確認する。
図6(c)に示す例では、くぼみK1の全体像が対物レンズ44の視野内にないため、くぼみK1の計測ができずヌープ硬さを算出することができない。このような場合には、上述した圧子ホルダ91に配設された4個のボールプランジャ93を操作して、圧子47の位置を、圧子41により形成されるくぼみVの中心にできるだけ一致するように調整する。すなわち、圧子41、47間の軸心を一致させるように調整する。
【0048】
ボールプランジャ93を操作することにより圧子47の位置を移動させ後、再度、圧子47を試料100に押し込んで、形成されたくぼみK2の全体像が、対物レンズ44の視野内にあるかどうかを確認する(
図6(d)参照)。圧子47により形成されたくぼみK2の対物レンズ44の視野枠での位置が、くぼみK2の計測が問題なく実行できる位置であれば、ボールプランジャ93を操作して行う圧子47の位置調整を終了する。なお、この
図6(c)、(d)では、圧子41、47間の軸心を一致させる調整であることの説明の便宜上、試料100の表面に圧子41によるくぼみV、くぼみK1、くぼみK2が同一画面上に見えるかのごとく図示している。しかし、対物レンズ44の視野中心は、圧子41により形成されたくぼみVの中心と一致するように先に調整されていることから、くぼみK1、K2を形成させるときには、圧子41によるくぼみVを形成させたものとは別の試料100を用いて対物レンズ44の視野中心に対して圧子47のくぼみK1、K2の中心の位置との関係から、圧子47の位置の調整状態を確認している。
【0049】
図6を参照して説明した圧子47の位置調整は、圧子41または圧子47を付け替えたときなど、圧子41と圧子47の相対的な位置関係にズレが生じたときに行えばよい。このように、圧子41により形成されるくぼみと圧子47により形成されるくぼみとが、くぼみの計測が可能な状態でくぼみ読取用の対物レンズ44の同一視野内となるように、予め圧子41の位置に対して圧子47の位置を調整しておくことで、例えば、先にビッカース硬さ試験を行った後に、試料100を入れ替えてヌープ硬さ試験を行う場合でも、ターレット40を回転させて、試料100に対向させる圧子を圧子41から圧子47に切り替えたときに、ヌープ硬さ試験用の圧子47によるくぼみがくぼみ読取用の対物レンズ44の視野外となることがない。このため、従来のように、くぼみの一部が視野外となった
ためにくぼみ全体を計測可能な位置に移動させる動作による中断がなく、圧子47を押し込んでからくぼみの自動読取までの一連の動作を、スムーズに行うことができる。
【0050】
上述した第1実施形態では、オペレータは、カメラ37を介して表示部55に表示される対物レンズ44の視野枠でのくぼみV、K1、K2等の位置を確認しながら、各ボールプランジャ93を操作しているが、カメラ37および表示部55はなくてもよい。カメラ37および表示部55がない場合には、オペレータは接眼レンズ36を介して対物レンズ44の視野枠でのくぼみV、K1、K2の位置を確認し、ボールプランジャ93を操作することになる。なお、この第1実施形態では、カメラ37と表示部55を備えることで、オペレータが圧子41、47間の位置調整を行うときに、オペレータの視界が接眼レンズ36に拘束されないため、ボールプランジャ93の操作とくぼみV、K1、K2の位置の確認を容易に行うことができる。
【0051】
図7は、この発明の第2実施形態に係る硬さ試験機の正面概要図である。なお、第1実施形態に係る硬さ試験機と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0052】
この硬さ試験機は、本体部1と、表示部21と入力部22と筐体部23からなるパーソナルコンピュータ2を備える。この硬さ試験機では、本体部1にパーソナルコンピュータ2を接続することで、表示部21に、カメラ37から入力された試料100の表面の画像だけでなく、後述するオペレータへの位置調整機構の操作に関する案内表示を表示することが可能となっている。
【0053】
表示部21は、液晶ディスプレイなどのデジタル表示装置であり、表示部21には、撮影手段としてのカメラ37からパーソナルコンピュータ2に入力された試料100の表面のデジタル画像データが表示される。筐体部23には、RAM、ROMなどの記憶装置やCPUなどの演算装置が収容されており、筐体部23は、この発明の表示制御部として機能する。
【0054】
図8は、表示部21に表示されるオペレータへの位置調整機構の操作に関する案内表示の表示例を示す説明図である。
【0055】
図8に示す表示例では、カメラ37から入力された試料100の表面の画像を表示する画像表示領域27と、オペレータに対して提供する圧子47の位置調整に必要な情報を表示する操作案内表示領域28とが設けられている。
【0056】
対物レンズ44により拡大された試料100の表面の像は、カメラ37により撮影された後にパーソナルコンピュータ2の筐体部23に入力されると、表示部21の画像表示領域27にそのデジタル画像が表示される。
図8の画像表示領域27には、先に
図6を参照して説明した、圧子41の軸心に対する各対物レンズ42、43、44、45の位置調整が終わっている状態で、圧子47を試料100の表面に押し付けてくぼみK1を形成させた状態を示している。対物レンズ44の視野中心からくぼみK1の中心までのX方向の距離aとY方向の距離bは、画像データ上での両者間の距離と対物レンズ44の拡大率や画像表示領域27のX方向‐Y方向の表示比率などから算出される。
【0057】
操作案内表示領域28には、
図5に示すボールプランジャ93の配置位置での圧子ホルダ91の断面図を模式的に示し、各ボールプランジャ93を締めるのか緩めるのかの操作方向を矢印で示すとともに、ボールプランジャ93の操作量(回転量)をそれぞれ示している。ボールプランジャ93は、外周部にねじ加工が施されており、そのねじ部分の寸法(ピッチ)は、JIS(日本工業規格)などの規格で定められている。したがって、ねじ部分の寸法から圧子47を移動させたい距離に応じたボールプランジャ93の操作量(回転量)を、計算により求めることができる。
【0058】
図8の表示例では、X方向に互いに対向するボールプランジャ93の一方を1/m回転締め、他方を1/m回転緩めると、圧子軸86に対して、圧子ホルダ91が圧子47とともにX方向に距離‐a移動し、Y方向に互いに対向するボールプランジャ93の一方を1/n回転締め、他方を1/n回転緩めると、圧子軸86に対して、圧子ホルダ91が圧子47とともにY方向に距離‐b移動することになる。なお、m、nは整数であり、圧子47を移動させたい距離に応じて定まる値となる。なお、ボールプランジャ93の操作量の表示は、回転量を小数点表示することや、実際の距離(mm)を小数点表示するなど、他の表示態様であってもよい。
【0059】
このように、この第2実施形態では、試料100の表面の画像のみならず、各ボールプランジャ93を締めるのか緩めるのかの操作方向に関する情報と、ボールプランジャ93の操作量の情報とを、操作するボールプランジャ93の位置に対応づけて案内することができる。オペレータは、表示部21の操作案内表示領域28に表示された情報に従って、各ボールプランジャ93を操作する。これにより、オペレータは、ボールプランジャ93の操作を誤ることがなく、速やかに圧子47の軸心を対物レンズ44視野中心と一致している圧子41の軸心に近づけることが可能となる。
【0060】
圧子47の軸心が圧子41の軸心に近づいたか否かの確認は、
図6(d)に示すように、再度、圧子47を試料100に押し込んで形成させ、画像表示領域27に表示される画像上のくぼみK2の中心位置と対物レンズ44の視野中心との位置関係をオペレータが目で確認することにより行う。
【0061】
なお、上述した第2実施形態では、圧子保持部材である圧子ホルダ91を移動させる方向であるボールプランジャ93の操作方向と、圧子ホルダ91の移動量に対応するボールプランジャ93の操作量(回転量)の両方を表示部21の操作案内表示領域28に表示させているが、どちらか一方を表示させるようにしてもよい。
【0062】
なお、上述した第1実施形態および第2実施形態では、圧子41(第1圧子)の位置に対して圧子47(第2圧子)の位置調整を行っているため、圧子41を保持する圧子ホルダについては、ボールプランジャ93を利用した位置調整機構が配設されていなくてもよい。また、圧子41と圧子47の圧子ホルダ91が、ボールプランジャ93を利用した位置調整機構が配設された同様のものであれば、圧子41または圧子47の交換頻度に応じて、一方の位置調整の基準となる第1圧子とし、他方を第1圧子に対して位置調整機構による位置調整を実行する第2圧子として扱えばよい。
【0063】
また、上述した実施形態においては、ターレット40に異なる2種類の圧子41、47を配設した例を示したが、ターレット40に3つの圧子ユニット90を接続して、3種類の異なる圧子を配設した場合でも、位置調整機構が配設された圧子ホルダ91により各圧子を保持させることで、各圧子間の相互の位置関係を容易に調節することが可能である。