特許第6248906号(P6248906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248906
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】情報機器および印刷装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/14 20060101AFI20171211BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H05K7/14 K
   H05K7/14 C
   B41J29/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-237067(P2014-237067)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2016-100486(P2016-100486A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雅士
(72)【発明者】
【氏名】三木 孝司
(72)【発明者】
【氏名】岩本 直紀
【審査官】 白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−143341(JP,A)
【文献】 特開2002−244569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H05K 7/00
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示装置と、
一方の面である第一面に複数の接点が形成され、且つ前記第一面とは反対側の第二面側に、前記表示装置に表示する情報を出力する表示制御部が配置される制御基板であって、前記制御基板の外縁の一部である第一辺が、前記表示装置の外縁の一部である第二辺に対し、前記表示装置の外縁の他の辺よりも近傍に位置するように配置される制御基板と、
導電性の導通部を複数有し、弾性材料で形成された部材であって、前記制御基板の前記第一面と向き合って配置され、且つ対となる前記接点と前記導通部とが向き合って配置されたキー部材と、
前記表示装置の前記第二辺側から引き出され、前記表示装置と前記表示制御部とを電気的に接続する接続線と
を備え、
前記キー部材の縁部のうち前記制御基板の前記第一辺に対応する縁部に、前記制御基板の厚み方向において前記第二面側へ突出した突出部が形成され、前記突出部の前記第一辺に沿う方向における長さは、前記接続線の前記第一辺に沿う方向の長さよりも長いことを特徴とする情報機器。
【請求項2】
前記表示装置に接続する前記接続線の接続位置は、前記制御基板の前記厚み方向において、前記第二面の位置よりも前記第一面側に位置することを特徴とする請求項1に記載の情報機器。
【請求項3】
前記突出部の前記第一辺に沿う方向における長さは、前記表示装置の前記第一辺に沿う方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1または2に記載の情報機器。
【請求項4】
前記制御基板と前記表示装置とは、前記第一辺と前記第二辺とが平行に配置され、
前記突出部の前記第一辺に沿う方向における長さは、前記表示装置の前記第二辺の長さよりも長いことを特徴とする請求項3に記載の情報機器。
【請求項5】
前記制御基板の前記第一辺に対応する前記キー部材の縁部に、前記突出部とは反対側へ向けて突出する他の突出部が形成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報機器。
【請求項6】
前記制御基板は、前記第一面に前記複数の接点が形成され、前記第二面側に、前記表示制御部を実装する表示制御基板が配置され、前記表示制御基板と電気的に接続される基板であり、
前記接続線は、前記表示装置と前記表示制御基板とを電気的に接続することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報機器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の情報機器と、
前記表示装置に表示する情報に応じた画像を印刷媒体に印刷する印刷部と
を備えたことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示装置を備えた情報機器および印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を表示する表示装置を備える情報機器が知られている。情報機器に表示する情報を出力する表示制御部は、情報機器の筐体内で、表示装置とは離れた位置に設けられる制御基板に配置される。表示装置と表示制御部とは接続線によって電気的に接続される(例えば特許文献1参照)。
【0003】
情報機器の製造過程において、表示装置と制御基板とを筐体に組み付ける作業の容易性を確保するため、接続線の長さが、筐体に組み付けられた表示装置と制御基板との間の長さよりも長く設定される場合がある。この場合、接続線は屈曲されて表示装置と制御基板との間に配置され、筐体内に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−110411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、筐体内における表示装置と制御基板の位置関係によっては、制御基板の表示装置側の端部に接続線が接触した状態となる可能性がある。制御基板の端部に接続線が擦れると端部が削れ、接続線が断線する可能性と、削り屑が筐体内に落ちる可能性があった。
【0006】
本発明は、表示装置と表示制御部とを電気的に接続する接続線が制御基板の端部に接触しないようにした情報機器および印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、情報を表示する表示装置と、一方の面である第一面に複数の接点が形成され、且つ前記第一面とは反対側の第二面側に、前記表示装置に表示する情報を出力する表示制御部が配置される制御基板であって、前記制御基板の外縁の一部である第一辺が、前記表示装置の外縁の一部である第二辺に対し、前記表示装置の外縁の他の辺よりも近傍に位置するように配置される制御基板と、導電性の導通部を複数有し、弾性材料で形成された部材であって、前記制御基板の前記第一面と向き合って配置され、且つ対となる前記接点と前記導通部とが向き合って配置されたキー部材と、前記表示装置の前記第二辺側から引き出され、前記表示装置と前記表示制御部とを電気的に接続する接続線とを備え、前記キー部材の縁部のうち前記制御基板の前記第一辺に対応する縁部に、前記制御基板の厚み方向において前記第二面側へ突出した突出部が形成され、前記突出部の前記第一辺に沿う方向における長さは、前記接続線の前記第一辺に沿う方向の長さよりも長いことを特徴とする情報機器が提供される。
【0008】
キー部材の突出部は、制御基板の表示装置側端部と表示装置との間に配置される。突出部の第一辺に沿う長さは、接続線の第一辺に沿う長さよりも長い。この構成により、例えば、情報機器が外部から振動を受け、筐体内で表示装置と表示制御部とを接続する接続線が振れた場合でも、接続線は、突出部に遮られ、制御基板の端部に接触しにくい。故に、情報機器は、接続線が制御基板の端部に接触し、端部を擦ることによって削り屑が発生すること、および接続線が断線することを防止することができる。
【0009】
本態様において、前記表示装置に接続する前記接続線の接続位置は、前記制御基板の前記厚み方向において、前記第二面の位置よりも前記第一面側に位置してもよい。表示装置に接続する接続線の接続位置は、制御基板の第二面よりも厚み方向に第一面側に位置する。即ち、接続線は、筐体内で、制御基板の表示装置側端部と厚み方向に交差する部分を有して配線される。このような構成において、キー部材の突出部は、制御基板の表示装置側端部と表示装置との間に配置されることで、接続線と制御基板の表示装置側端部とを非接触の状態に維持することができる。故に、情報機器は、接続線と制御基板の端部との接触による削り屑の発生と接続線の断線とを防止することができる。
【0010】
本態様において、前記突出部の前記第一辺に沿う方向における長さは、前記表示装置の前記第一辺に沿う方向の長さよりも長くてもよい。突出部が表示装置の第一辺に沿う方向の長さより長ければ、突出部は、第一辺と直交する方向において、表示装置の制御基板側端部と、制御基板の表示装置側端部との間に位置することができる。故に突出部は、接続線と制御基板の表示装置側端部とを非接触の状態に維持することができる。また、例えば情報機器の組立時に、制御基板の表示装置側端部において削り屑が発生した場合でも、突出部は、削り屑が表示装置側へ移動し、表示画面に付着することを防止できる。
【0011】
本態様において、前記制御基板と前記表示装置とは、前記第一辺と前記第二辺とが平行に配置されてもよい。前記突出部の前記第一辺に沿う方向における長さは、前記表示装置の前記第二辺の長さよりも長くてもよい。表示装置の第二辺の長さより長い突出部は、表示装置の制御基板側端部の全体と、制御基板の表示装置側端部との間に確実に位置することができる。故に突出部は、接続線と制御基板の表示装置側端部とを非接触の状態に維持することができる。また、例えば情報機器の組立時に、制御基板の表示装置側端部において削り屑が発生した場合でも、突出部は、削り屑が表示装置側へ移動し、表示画面に付着することを防止できる。
【0012】
本態様において、前記制御基板の前記第一辺に対応する前記キー部材の縁部に、前記突出部とは反対側へ向けて突出する他の突出部が形成されてもよい。突出部に加え、他の突出部が表示装置と制御基板の表示装置側端部との間に配置される。即ち、制御基板の表示装置側端部は、突出部と他の突出部とによって、より広い範囲で、接続線との接触から保護される。故に、情報機器は、例えば、情報機器が外部から振動を受け接続線が制御基板の厚み方向に振れた場合でも、より確実に、接続線と制御基板の端部とを非接触の状態に維持することができる。
【0013】
本態様において、前記制御基板は、前記第一面に前記複数の接点が形成され、前記第二面側に、前記表示制御部を実装する表示制御基板が配置され、前記表示制御基板と電気的に接続される基板であってもよい。前記接続線は、前記表示装置と前記表示制御基板とを電気的に接続してもよい。接続線が制御基板の第二面側に配置される表示制御基板に接続される場合、例えば情報機器の組立容易性を確保するため、接続線は、比較的長く設けられる場合がある。この場合、筐体内に組み込まれた接続線は、制御基板の表示装置側端部と表示装置との間で湾曲されて配置されるので、例えば、情報機器が外部から振動を受けた場合に大きく振れやすい。このような構成において、突出部が制御基板の表示装置側端部と表示装置との間に配置されることで、突出部は、接続線と制御基板の表示装置側端部とを非接触の状態に維持することができる。故に、情報機器は、接続線と制御基板の端部との接触による削り屑の発生と接続線の断線とを防止することができる。
【0014】
本態様に係る情報機器と、前記表示装置に表示する情報に応じた画像を印刷媒体に印刷する印刷部とを備えた印刷装置が提供されてもよい。表示装置を備えた印刷装置の筐体内における接続線の配線において、制御基板と接続線との接触を防止することができるので、印刷装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】テーププリンタ1を上方且つ前方左側方から見た斜視図である。
図2】テーププリンタ1を下方且つ後方右側方から見た斜視図である。
図3】上筐体3を下方且つ後方右側方から見た分解斜視図である。
図4】上筐体3を下方且つ後方右側方から見た斜視図である。
図5図4の二点鎖線A−Aにおいて矢視方向に見た上筐体3の断面図である。
図6】上筐体103(変形例)の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図示された装置の構成は、その形態のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0017】
図1図5を参照し、本発明に係る印刷装置の一例であるテーププリンタ1の概略構成について説明する。以下の説明では、図1の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側を、夫々テーププリンタ1の右側、左側、前側、後側、上側、下側と定義する。また、テープカセット10(図2参照)の各方向の定義は、テープカセット10がテーププリンタ1に装着された状態におけるテーププリンタ1の各方向の定義に倣うものとする。
【0018】
図1に示す、テーププリンタ1は、着脱自在なテープカセット10(図2参照)を装着し、テープカセット10に収容されたテープ11に文字、数字、図形等のキャラクタを印刷することができる印刷装置である。テープ11は、例えば、一方の面が加熱によって発色する印刷面であり、他方の面に接着剤が塗布されて剥離紙が貼り付けられたサーマルタイプの印刷媒体である。
【0019】
テーププリンタ1は、筐体2を備える。筐体2は、平面視、左右方向が長い略矩形状である。筐体2は、上下方向に厚みを有し、角部が丸みを帯びた箱状である。筐体2は樹脂製である。筐体2は、上筐体3、下筐体4およびカバー21を備える。上筐体3は、筐体2の上側の壁部を含む。下筐体4は、筐体2の前後左右の側壁部および下側の壁部を含む。筐体2は、上筐体3と下筐体4とを上下方向に組み合わせて箱状に構成される。上筐体3内には、後述するキーパッド5、キー基板6、表示制御基板7、液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)8、除電板90等(図3参照)が組み付けられる。下筐体4内には、後述する印刷機構15、切断機構13(図2参照)等が組み付けられる。カバー21は、筐体2の底部に取り外し可能に取り付けられる。カバー21は樹脂製である。カバー21は、筐体2の下側の壁部(以下、「底壁部2B」(図2参照)という。)全体を覆う。
【0020】
筐体2の上側の壁部(以下、「上壁部2A」という。)には、入力部25および表示部26が設けられる。入力部25は、上壁部2Aにおいて、平面視、前後方向の中央よりも後寄りの位置から前側の部分に設けられる。上壁部2Aの上面には、上筐体3内に組み付けられるキーパッド5(図3参照)に設けられた複数のキートップ部51が夫々露出される。テーププリンタ1は、入力部25において、テーププリンタ1に対する種々の指示の入力を受け付ける。
【0021】
表示部26は、上壁部2Aにおいて、平面視、入力部25よりも後側の部分に設けられる。表示部26は、入力部25よりも上側に突出する。表示部26には、透明または半透明な樹脂で板状に形成された窓部27が設けられる。窓部27は前側が下方に傾斜する。窓部27の下側には、上筐体3内に組み付けられるLCD8(図3参照)の表示画面(図示略)が配置される。LCD8は、窓部27の傾斜に表示画面を沿わせ、水平方向に対して傾斜した状態で上筐体3内に組み付けられる(図5参照)。
【0022】
筐体2は、左側の側壁部(以下、「左側壁部2D」という。)の後部に、カットレバー12を備える。カットレバー12は後側部分が下筐体4に軸支され、前側部分が左右方向に移動する。カットレバー12は、下筐体4内の切断機構13(図2参照)に連結する。切断機構13は、印刷済みのテープ11を所定の長さで切断する。切断機構13によるテープ11の切断が行われないとき、カットレバー12の前側部分は左側壁部2Dよりも左方に突出した状態に配置される。
【0023】
図2に示すように、筐体2の底壁部2Bの右側前部には、バッテリー収容部23が凹部状に形成される。バッテリー収容部23には、テーププリンタ1に電力を供給するバッテリー(図示略)が収容される。底壁部2Bの左側後部には、カセット装着部22が凹部状に形成される。カセット装着部22は、テープカセット10の外形形状に合わせた形状に形成される。カセット装着部22には、テープ11を収容するテープカセット10が上下方向に沿って装着される。
【0024】
カセット装着部22の左側後部には、ガイド板28が設けられる。ガイド板28は板状に形成され、凹部底面から下方へ突出する。ガイド板28の厚み方向は、前後方向に配置される。ガイド板28は、テープカセット10がカセット装着部22に装着される際に、テープカセット10に形成された挿通孔10Bに挿通される。ガイド板28は、カセット装着部22に対してテープカセット10を位置決めする。
【0025】
下筐体4の印刷機構15は、テープカセット10からテープ11を引き出し、印刷面に印刷を行う機構である。印刷機構15は、ヘッドホルダ16、プラテンホルダ17、駆動モータ(図示略)等を備える。ヘッドホルダ16は、カセット装着部22の左側端部に配置され、凹部底面から下方へ突出する。ヘッドホルダ16は、上下方向へ延びる1枚の板状部材によって形成され、厚み方向が左右方向に配置される。ヘッドホルダ16の左側面には、サーマルヘッド(図示略)が設けられる。サーマルヘッドは、上下方向に沿って一列に配列される複数(例えば64個)の発熱素子(図示略)を備える。カセット装着部22にテープカセット10が装着された場合、テープ11は印刷面をヘッドホルダ16の左側面に向け、サーマルヘッドと対向した状態に配置される。テーププリンタ1は、各発熱素子への通電を制御し、個々の発熱素子を個別に発熱させることで、テープ11の印刷面にキャラクタを印刷する。
【0026】
プラテンホルダ17は、前後方向に延びるアーム状の部材である。プラテンホルダ17は、カセット装着部22の左側壁内に設けられる。プラテンホルダ17は、前端部が下筐体4に軸支され、後端部が左右方向に移動する。プラテンホルダ17の後端部には、プラテンローラ18が回転可能に軸支される。プラテンローラ18の回転軸は、上下方向に沿って配置される。プラテンホルダ17の後端部が左右方向へ移動することによって、プラテンローラ18は、プラテンホルダ17のサーマルヘッドに対して近接および離間する。カセット装着部22の上側、即ち凹部裏側には、駆動モータ(図示略)が配置される。プラテンホルダ17およびプラテンローラ18は、複数のギア(図示略)を介して駆動モータに接続される。カセット装着部22にテープカセット10が装着された場合、テープ11は、プラテンホルダ17のプラテンローラ18とヘッドホルダ16のサーマルヘッドとの間に配置される。印刷時、テーププリンタ1は、駆動モータを駆動させ、プラテンホルダ17の後側部分を左右方向に移動させて、プラテンローラ18とサーマルヘッドとの間にテープ11を挟む。テーププリンタ1は、駆動モータの駆動を制御し、プラテンローラ18を回転させることで、テープ11をテープカセット10から引き出し、後方へ搬送する。
【0027】
カセット装着部22に装着されるテープカセット10は、内部に、印刷面を内側に向けた状態でテープスプール(図示略)に巻回されたテープ11を収容する。テープカセット10は、平面視、略矩形状で、テープ11の幅に応じた厚みを有する。テープカセット10の後部左側には、厚み方向に貫通する挿通孔10Bが形成される。テープカセット10がカセット装着部22に装着された場合、挿通孔10Bには、カセット装着部22のガイド板28が挿通される。テープカセット10は、腕状の案内部10Aを備える。案内部10Aは、左前角部から左方に突出し、後方へ向けて延びる。テープ11は、案内部10A内を通り、案内部10Aの後端部からテープカセット10の外部に引き出される。テープカセット10がカセット装着部22に装着された場合、印刷機構15のヘッドホルダ16は、前側部分が、案内部10Aと、案内部10Aに対向するテープカセット10の左側壁面との間に配置される。サーマルヘッドはヘッドホルダ16の後側部分に設けられており、案内部10Aの後端よりも後側に配置される。
【0028】
筐体2の底壁部2Bのカセット装着部22よりも後側の部分には、筐体2の後側の壁部(以下、「後壁部2C」という。)の背面とカセット装着部22とを接続する排出溝24が形成される。排出溝24はカセット装着部22の後部左側、即ちサーマルヘッドの後方に位置する。印刷機構15によって印刷されたテープ11は、排出溝24から筐体2の外部へ排出される。筐体2にカバー21(図1参照)が取り付けられた場合、カセット装着部22、バッテリー収容部23、および排出溝24の開口は、カバー21に覆われて蓋される。
【0029】
切断機構13は、カセット装着部22内で排出溝24の近傍に設けられる。切断機構13は固定刃と可動刃(図示略)を備える。可動刃はカットレバー12(図1参照)に連結する。カットレバー12の前側部分が右側に移動されると、可動刃はテープ11を固定刃との間に挟んで切断し、テープ11の排出溝24から排出された部分を切り離す。
【0030】
図3に示すように、上筐体3内で入力部25が設けられた部分には、キーパッド5とキー基板6が設けられる。キーパッド5とキー基板6は、テーププリンタ1に対する指示の入力を受け付けるための部品である。上筐体3の入力部25における上壁部2Aには、複数の穴部31が形成される。複数の穴部31は、夫々、角が湾曲した矩形状に形成される。複数の穴部31には、キーパッド5に設けられた複数のキートップ部51(図1参照)が、筐体2の内側から外側に向けて挿通される。入力部25における上壁部2Aの下面には、入力部25の前後および左右の四隅に、下方へ突出する突出部材32が夫々設けられる。夫々の突出部材32の先端部には、ねじ穴が形成される。図4に示すように、突出部材32のねじ穴には、夫々、ねじ33が螺合される。突出部材32とねじ33は、上筐体3内にキーパッド5とキー基板6を固定する。
【0031】
図3図5に示すように、キーパッド5は、弾性を有する弾性部材である。キーパッド5は、例えばシリコンゴム製である。キーパッド5は、キートップ部51、スカート部52およびベース部53を一体的に有する。ベース部53は、入力部25の平面形状と略同一の平面板状の部分である。ベース部53の前後および左右の四隅には、上筐体3の突出部材32が挿通される穴部55または切欠部56が夫々形成される。
【0032】
また、ベース部53は、後側の縁部に、下方へ向けて突出する突出部57を備える。突出部57は、キー基板6の後端部62において、後側の端面の少なくとも一部を覆う位置に設けられる。突出部57は、少なくとも後述するフレキシブル配線基板(以下、「FPC」という。)9の幅よりも長く左右方向に延びる。
【0033】
ベース部53は、入力部25の複数の穴部31に夫々対応する部位に、夫々、スカート部52を有する。スカート部52は、夫々、ベース部53から上方へ向けて、有底筒状に突出する。各スカート部52の上端部には、夫々、中実で柱状のキートップ部51(図1参照)が設けられる。キートップ部51は、夫々、上方へ向けて延びる。複数のキートップ部51は、夫々、平面視で矩形状である。
【0034】
複数のキートップ部51には、QWERTY配列で並んだ文字、数字および各種機能(電源、スタイル設定、書体設定、文字サイズ設定、印刷など)が割り当てられる。スカート部52内には、夫々、導通部54が設けられる。導通部54は、複数のキートップ部51夫々の下端に位置し、スカート部52内で下方に突出する。上筐体3内にキーパッド5が組み付けられた状態(図4参照)で、特定のキートップ部51が押下された場合、筐体2の外側から内側に向かう方向の力が、特定のキートップ部51に接続する特定のスカート部52に作用する。この場合、特定のスカート部52は弾性変形し、スカート部52内の導通部54を下方に移動させる。一方、特定のキートップ部51の押下が解除された場合、スカート部52は復元力によって元の形状に戻り、導通部54を上方に移動させる。
【0035】
キー基板6は、厚み方向を上下方向に沿わせ、キーパッド5の下側に配置され、上筐体3内に組み付けられる。キー基板6の上面6Aは、キーパッド5の下側の面に対向して配置される。キー基板6の平面形状は、筐体2の入力部25、およびキーパッド5のベース部53の夫々の平面形状と略同一である。キー基板6の前後および左右の四隅には、ねじ33(図4参照)が挿通される穴部65が夫々形成される。
【0036】
図5に示すように、キー基板6の上面6Aには、複数の電極部63およびグランド(図示略)が設けられる。複数の電極部63の夫々は、一対の接点である。複数の電極部63は、キーパッド5およびキー基板6が上筐体3に組み付けられた状態(図4参照)で、キーパッド5の複数のキートップ部51の夫々の下方に配置される。複数のキートップ部51夫々の下端に設けられた導通部54は、夫々が対応する電極部63と向き合って配置される。特定のキートップ部51が押下された場合、特定のキートップ部51に対応する導通部54は下方に移動し、特定のキートップ部51に対応する位置に配置された電極部63に接触する。電極部63を構成する一対の接点は、導通部54を介して導通する。これにより、入力部25において押下されたキートップ部51が特定される。グランド(図示略)は、キー基板6の上面6Aにおいて、複数の電極部63の周囲を取り巻き、上面6Aの外縁部を略一周して設けられる。グランドは、線状のベタ配線であり、基準電位に接続される。
【0037】
図4に示すように、キーパッド5およびキー基板6が上筐体3に組み付けられる場合、キーパッド5は、キー基板6と、入力部25における上壁部2Aの下面との間に挟まれる。キーパッド5の穴部55または切欠部56に挿通された上筐体3の突出部材32に、キー基板6の穴部65に挿通されたねじ33が螺合される。これにより、キー基板6は、上筐体3内に固定される。キーパッド5は、入力部25における上壁部2Aの下面と、キー基板6の上面6A(図5参照)との間に挟まれて、上筐体3内に配置される。
【0038】
図3に示すように、キー基板6の前端部61には、左右方向に並ぶ複数の穴部64が形成される。複数の穴部64には、複数の信号線60(図5参照)の夫々の上端部が接続される。複数の信号線60の下端部は、表示制御基板7に接続される。
【0039】
表示制御基板7は、上筐体3内に組み付けられた状態で、キー基板6の下面6B側に配置される。表示制御基板7は、キー基板6の下面6Bに対して下方に離隔した位置で対向し、キー基板6と水平に延びる。表示制御基板7は、平面視、矩形状である。表示制御基板7の前後方向の長さは、キー基板6と略同一であり、左右方向の長さは、キー基板6の略半分である。表示制御基板7には、表示制御部75が設けられる。表示制御部75は、LCD8に表示させる情報を出力する回路部である。また、本実施形態の表示制御基板7は、テーププリンタ1全体の制御を司るCPU(図示略)等を実装する。表示制御基板7の前端部71で左側角部には、コネクタ73が設けられる。コネクタ73には、下筐体4の印刷機構15およびバッテリー収容部23の電源端子(図示略)に接続する接続線(図示略)が接続される。
【0040】
表示制御基板7の前端部71には、左右方向に並ぶ複数の穴部74が形成される。複数の穴部74には、複数の信号線60(図5参照)の夫々の下端部が接続される。キー基板6と表示制御基板7は、複数の信号線60を介して電気的に接続される。表示制御基板7のCPUは、複数の信号線60を介してキー基板6から信号を受信する。CPUは、受信した信号に基づいて、複数のキートップ部51のいずれか押下されたかを特定できる。
【0041】
表示制御基板7の72後端部の右側角部と左側角部は、夫々、一対に設けられた支持部材96,97に保持される。支持部材96,97は、表示制御基板7を上筐体3内で保持するための部材である。支持部材96,97の形状は左右対称である。支持部材96,97は、表示制御基板7を、キー基板6に対して下方に離隔した位置で保持する。支持部材96と支持部材97とは、架橋部材98(図5参照)によって左右方向において接続され、一体に形成される。支持部材96,97の後端部には、上下方向に貫通する穴部99が夫々形成される。表示制御基板7が上筐体3に組み付けられる場合、穴部99にねじ43が挿通される(図4参照)。
【0042】
表示制御基板7の72後端部には、FPC9の一端部が接続される。FPC9は、表示制御基板7とLCD8(後述)とを電気的に接続する接続線である。FPC9の一端部が接続される接続端子(図示略)は、表示制御基板7の72後端部において、表示制御基板7の外縁に沿って設けられる。
【0043】
上筐体3の表示部26が設けられた部分には、上下方向に貫通する穴部41が形成される。穴部41の形状は、左右方向に長い長方形である。窓部27(図1参照)は、穴部41を上側から覆い、上筐体3に組み付けられる。また、表示部26における上壁部2Aには、穴部41の後方、右方および左方を囲う板状の収容部29が形成される。LCD8は、収容部29内に収容され、穴部41の下側に配置される(図4参照)。
【0044】
表示部26における上壁部2Aの下面で、穴部41の前側の部分には、平坦な固定部44が形成される。固定部44の左右方向の長さは、穴部41の左右方向の長さと略同じ長さに設けられる。固定部44には、除電板90の表示側部分91が配置される。表示部26における上壁部2Aの下面で、固定部44の左右両側には、夫々、下方へ突出する突出部材42が設けられる。突出部材42の夫々の先端部には、ねじ穴が形成される。図4に示すように、表示制御基板7が上筐体3に組み付けられる場合、突出部材42のねじ穴に、夫々、ねじ43が螺合される。突出部材42とねじ43は、上筐体3内に、支持部材96,97を固定する。支持部材96,97に保持された表示制御基板7は、キー基板6に対して位置決めされる。
【0045】
図3に示すように、除電板90はステンレス製の板状部材である。除電板90は、表示部26付近で筐体2内に侵入する静電気からLCD8を保護するための部材である。除電板90は、表示側部分91、延設部分92、および入力側部分93を有する。表示側部分91は、表示部26における上壁部2Aの下面に形成された固定部44に、例えば両面テープによって固定される。表示側部分91は、表示部26に配置されるLCD8の外枠に接触した状態で、上壁部2AとLCD8との間に挟まれる。入力側部分93は、キーパッド5とキー基板6との間に配置される。入力側部分93は、キー基板6のグランドに接触した状態で、キーパッド5のベース部53と、キー基板6の上面6Aとの間に挟まれる。延設部分92は、表示側部分91および入力側部分93を繋ぐ。除電板90は、筐体2内に侵入した静電気をキー基板6のグランドを通じて基準電位に逃す。
【0046】
LCD8は、例えばテープ11に印刷するキャラクタ等、情報を表示する表示画面(図示略)を備えた表示装置である。LCD8は、平面視、略矩形の板状に形成される。表示画面は、液晶表示素子(図示略)によって構成される。液晶表示素子を駆動するドライバ回路(図示略)は、LCD8の前端部81に設けられる。前端部81には、FPC9の他端部が接続される。FPC9の他端部が接続される接続端子(図示略)は、前端部81において、LCD8の外縁に沿って設けられる。表示制御基板7とLCD8は、FPC9を介して電気的に接続する。表示制御基板7のCPUは、FPC9を介してLCD8側に信号を出力することによって、LCD8の表示画面に情報を表示させる。
【0047】
このような構成のテーププリンタ1において、図4に示すように、LCD8とキー基板6は、上筐体3内で、前後方向に並べて配置される。即ち、LCD8の前端部81の前方に、キー基板6の後端部62が位置する。ここで、キー基板6を平面視したときの輪郭線を構成するキー基板6の外縁の一部であり、後端部62における外縁を、辺66とよぶ。また、LCD8を平面視したときの輪郭線を構成するLCD8の外縁の一部であり、前端部81における外縁を、辺86とよぶ。LCD8とキー基板6とが前後方向に並べて配置されることによって、キー基板6の辺66は、LCD8の辺86に対し、LCD8の外縁の他の辺よりも近傍に配置される。また、本実施形態において、キー基板6の辺66と、LCD8の辺86とは、平行に配置される。
【0048】
FPC9の他端部は、LCD8の前端部81に接続される。即ちFPC9は、LCD8の辺86側からLCD8の外部に引き出される。FPC9の一端部は、キー基板6の下方に配置される表示制御基板7の後端部72に接続される。テーププリンタ1の組立容易性を確保するため、FPC9は、上筐体3内に組み込まれた場合のLCD8の前端部81と表示制御基板7の後端部72との直線距離よりも長く形成される。従って、FPC9は、上筐体3内で屈曲された状態で配置される。図5に示すように、FPC9の折り曲げによる断線等を防止するため、FPC9は、上筐体3内で、例えば左右方向に見た場合にS字状となるように屈曲される。よって、FPC9の部分で、辺86付近に位置する部分は、LCD8の前側へ向けて、LCD8の辺86側から引き出された向きに延びながら、下方へ向けて徐々に屈曲する。
【0049】
ここで、LCD8は、表示部26の上壁部2Aの下面で、穴部41の下側に配置される。そして前述したように、表示部26は、入力部25よりも上側に突出する。従って、FPC9がLCD8に接続する接続位置85は、入力部25に設けられたキー基板6の下面6Bよりも、上下方向の上側に位置する。この構成により、LCD8の辺86の前方に、キー基板6の辺66が配置される。FPC9は、キー基板6の辺66と交差して配線される。よって、FPC9の辺86付近に位置する部分は、キー基板6の辺66へ向かうように延びながら、下方へ向けて屈曲する。
【0050】
前述したように、キーパッド5は、後側の縁部に突出部57を備える。突出部57はキー基板6の後端部62の後端面の少なくとも一部を覆い、後端部62とFPC9との間に位置する。図3に示すように、突出部57は、左右方向に延びて設けられる。キーパッド5とFPC9とが上筐体3内に組み付けられた状態において、突出部57が左右方向に延びる長さL1は、少なくともFPC9が左右方向に延びる長さL2よりも長い。故に、例えば、FPC9が外部からの振動等で上下に揺れても、突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を抑制することができる。
【0051】
また、LCD8とキーパッド5とが上筐体3内に組み付けられた状態において、キーパッド5の突出部57が左右方向に延びる長さL1は、LCD8の左右方向の長さL3よりも長い。この構成によって、例えば、FPC9が外部からの振動等で上下だけでなく左右に揺れても、突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を、より確実に抑制することができる。また、突出部57の左右方向の長さL1は、収容部29の左右方向の長さL4よりも長い。この構成によって、例えば、FPC9が外部からの振動等で揺れても、突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を、さらに確実に抑制することができる。また、例えば、キー基板6の端部が他の部品と接触して擦れ屑等が発生しても、突出部57は、キー基板6側から収容部29内に、擦れ屑等が進入するのを防止することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のテーププリンタ1において、キーパッド5の突出部57は、キー基板6の後端部62とLCD8との間に配置される。突出部57の辺66に沿う長さL1は、FPC9の辺66に沿う長さL2よりも長い。この構成により、例えば、テーププリンタ1が外部から振動を受け、筐体2内でLCD8と表示制御部75を搭載する表示制御基板7とを接続するFPC9が振れた場合でも、FPC9は、突出部57に遮られ、キー基板6の後端部62に接触しにくい。故に、テーププリンタ1は、FPC9がキー基板6の後端部62に接触し、後端部62を擦ることによって削り屑が発生すること、およびFPC9が断線することを防止することができる。
【0053】
LCD8に接続するFPC9の接続位置85は、キー基板6の下面6Bよりも上下方向において上面6A側に位置する。即ち、FPC9は、筐体2内で、キー基板6の後端部62と上下方向に交差する部分を有して配線される。このような構成において、キーパッド5の突出部57は、キー基板6の後端部62とLCD8との間に配置されることで、FPC9とキー基板6の後端部62とを非接触の状態に維持することができる。故に、テーププリンタ1は、FPC9とキー基板6の後端部62との接触による削り屑の発生とFPC9の断線とを防止することができる。
【0054】
突出部57がLCD8の左右方向の長さL3より長ければ、突出部57は、辺66と直交する前後方向において、LCD8の前端部81と、キー基板6の後端部62との間に位置することができる。故に突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62とを非接触の状態に維持することができる。また、例えばテーププリンタ1の組立時に、キー基板6の後端部62において削り屑が発生した場合でも、突出部57は、削り屑がLCD8側へ移動し、表示画面に付着することを防止できる。
【0055】
長さL1が、LCD8の辺86の長さL3より長い突出部57は、LCD8の前端部81の全体と、キー基板6の後端部62との間に確実に位置することができる。故に突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62とを非接触の状態に維持することができる。また、例えばテーププリンタ1の組立時に、キー基板6の後端部62において削り屑が発生した場合でも、突出部57は、削り屑がLCD8側へ移動し、表示画面に付着することを防止できる。
【0056】
FPC9がキー基板6の下面6B側に配置される表示制御基板7に接続される場合、例えばテーププリンタ1の組立容易性を確保するため、FPC9は、比較的長く設けられる場合がある。この場合、筐体2内に組み込まれたFPC9は、キー基板6の後端部62とLCD8との間で湾曲されて配置されるので、例えば、テーププリンタ1が外部から振動を受けた場合に大きく振れやすい。このような構成において、突出部57がキー基板6の後端部62とLCD8との間に配置されることで、突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62とを非接触の状態に維持することができる。故に、テーププリンタ1は、FPC9とキー基板6の後端部62との接触による削り屑の発生とFPC9の断線とを防止することができる。
【0057】
LCD8を備えたテーププリンタ1の筐体2内におけるFPC9の配線において、突出部57がキー基板6とFPC9との接触を防止することができるので、本構成を備えたテーププリンタ1は、小型化を図ることができる。
【0058】
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。例えば、キーパッド5の突出部57は、キー基板6の後端部62に接触しなくてもよい。突出部57は、FPC9とキー基板6の後端部62との間に配置されればよい。
【0059】
また、図6に示す、上筐体103内に組み付けられたキーパッド105のように、ベース部153の後側の縁部に、下方へ向けて突出する突出部157と、上方へ向けて突出する突出部158とを備えてもよい。突出部157は、例えば、FPC9が外部からの振動等で上下に揺れた場合に、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を抑制することができる。また、例えば、FPC9が外部からの振動等で、突出部157の上下方向の大きさよりも大きく上下に揺れた場合でも、突出部157に加え、突出部158がLCD8とキー基板6の後端部62との間に配置される。これにより、突出部157と突出部158は、上下方向においてより広い範囲で、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を抑制することができる。また、突出部158は、FPC9がキーパッド105の上面側に進入することを防止できる。故に突出部158は、例えば、FPC9が外部からの振動等でキーパッド105の上面側に進入した場合に、上筐体103とキーパッド105とに挟まれて折れ曲がることを防止することができる。
【0060】
また、キーパッド5の突出部57は、上記の突出部158とは別に、下端部から前方へ向けて突出する第三の突出部を備えてもよい。第三の突出部は、キー基板6の後端部62の下面6B側も覆うことができるので、より確実に、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を抑制することができる。
【0061】
また、キー基板6の辺66と、LCD8の辺86とは、平行に配置されなくてもよい。この場合、突出部57の辺66に沿う方向の長さは、LCD8の辺66に沿う方向の長さよりも長ければ、FPC9とキー基板6の後端部62との接触を抑制する上で、なお好ましい。
【0062】
表示制御基板7の表示制御部75は、キー基板6の下面6B側に設けられてもよい。この場合、表示制御基板7はなくてもよい。また、テーププリンタ1の制御を司るCPU等も、キー基板6の下面6B側に設けられてもよい。
【0063】
本実施形態のテーププリンタ1は一例であり、LCD8等の表示装置と表示制御部75とがFPC9等の接続線で接続された情報機器に本発明を適用すれば、接続線と基板の端部との接触、および接続線の断線を防止することができる。
【0064】
上記実施形態において、LCD8が、本発明の「表示装置」に相当する。上面6Aが、本発明の「第一面」に相当する。電極部63が、本発明の「接点」に相当する。下面6Bが、本発明の「第二面」に相当する。辺66が、本発明の「第一辺」に相当する。辺86が、本発明の「第二辺」に相当する。キー基板6が、本発明の「制御基板」に相当する。キーパッド5が、本発明の「キー部材」に相当する。FPC9が、本発明の「接続線」に相当する。突出部158が、本発明の「他の突出部」に相当する。テープ11が、本発明の「印刷媒体」に相当する。印刷機構15が、本発明の「印刷部」に相当する。
【符号の説明】
【0065】
1 テーププリンタ
6 キー基板
6A 上面
6B 下面
7 表示制御基板
8 LCD
9 FPC
11 テープ
15 印刷機構
54 導通部
57,157,158 突出部
63 電極部
66,86 辺
75 表示制御部
85 接続位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6