(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を説明する。まず、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の外観を示す概略図である。
図2は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1および
図2を参照して、デジタル複合機11は、デジタル複合機11全体の制御を行う制御部12と、デジタル複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示画面21を含み、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンまたはオフを入力させる操作部13と、セットされた原稿を自動的に読み取り部へ搬送するADF(Auto Document Feeder)22を含み、原稿の画像を読み取る画像読み取り部14と、手差しで用紙をセットする手差しトレイ28やサイズの異なる複数枚の用紙を収納可能な給紙カセット群29を含み、画像形成部15に供給する用紙をセットする用紙セット部19と、読み取った画像やネットワーク25を介して送信された画像データを基に画像を形成する画像形成部15と、画像形成部15により用紙に画像を形成した後に用紙を排出する排出トレイ30と、送信された画像データや入力された画像形成条件等の格納を行うハードディスク16と、公衆回線24に接続されており、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信部17と、ネットワーク25と接続するためのネットワークインターフェース部18とを備える。なお、デジタル複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、
図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。なお、
図1に示すように、この実施形態においては、給紙カセット群29は、3つの給紙カセット23a、23b、23cから構成されている。
【0013】
デジタル複合機11は、画像読み取り部14により読み取られた原稿を用いて画像形成部15において画像を形成することにより、複写機として作動する。また、デジタル複合機11は、ネットワークインターフェース部18を通じて、ネットワーク25に接続されたコンピューター26a、26b、26cから送信された画像データを用いて、画像形成部15において画像を形成して用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。すなわち、画像形成部15は、要求された画像を印刷する印刷部として作動する。また、デジタル複合機11は、ファクシミリ通信部17を通じて、公衆回線24から送信された画像データを用いて、DRAMを介して画像形成部15において画像を形成することにより、また、画像読み取り部14により読み取られた原稿の画像データを、ファクシミリ通信部17を通じて公衆回線24に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。デジタル複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
【0014】
この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11を含む画像形成システム27は、上記した構成のデジタル複合機11と、ネットワーク25を介してデジタル複合機11に接続される複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。この実施形態においては、複数のコンピューター26a〜26cについては、3台示している。各コンピューター26a〜26cはそれぞれ、デジタル複合機11に対して、ネットワーク25を介して印刷要求を行って印刷をすることができる。デジタル複合機11とコンピューター26a〜26cとは、LAN(Local Area Network)ケーブル等を用いて有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、ネットワーク25内には、他のデジタル複合機やサーバーが接続されている構成でもよい。
【0015】
次に、デジタル複合機11に備えられる画像形成部15の構成について、さらに詳細に説明する。
図3は、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11の概略的な構成を示す断面図である。なお、理解の容易の観点から、
図3において、部材のハッチングを省略する。また、
図3は、上下方向に延びる平面でデジタル複合機11を切断した場合の断面図である。
【0016】
図3を参照して、画像形成部15は、それぞれ感光体31a、31b、31c、31dを含み、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各4色に対応する4つの作像ユニット32a、32b、32c、32dを含む作像器33と、画像読み取り部14によって読み取った画像を基に、4つの作像ユニット32a〜32dにそれぞれ露光する露光ユニットとしてのLSU(Laser Scanner Unit)34と、作像ユニット32a〜32dによって形成されたトナーによる可視画像を用紙に転写する前に一時的に転写される中間転写体としての転写ベルト35と、転写ベルト35上に残存したトナーをブレード等によって除去する転写ベルトクリーニングユニット37とを備える。LSU34については、一点鎖線で概略的に示している。転写ベルトクリーニングユニット37についても、概略的に示している。画像形成部15は、いわゆる4連タンデム形式の現像方式である。
【0017】
転写ベルト35は、無端状であって、一対の駆動ローラー36a、36bによって一方方向に回転しながら、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の作像ユニット32a〜32dにより形成された可視画像を転写される。転写ベルト35の回転方向は、
図3中の矢印D
1で示される。なお、転写ベルト35の回転方向において、作像ユニット32a〜32dのうち、イエローの作像ユニット32aが最も上流側に配置されており、ブラックの作像ユニット32dが最も下流側に配置されている。また、転写ベルトクリーニングユニット37は、イエローの作像ユニット32aの上流側に配置されている。
【0018】
転写ベルト35上に転写されたトナーによる可視画像は、搬送されてきた用紙に転写され、図示しない定着ユニットにより用紙に定着される。定着後、用紙はデジタル複合機11外、具体的には、排出トレイ30に排出される。トナーによる可視画像が用紙に転写された後、転写ベルト35上に残存したトナーは、転写ベルトクリーニングユニット37によって除去される。そして、次の画像形成が行われる。
【0019】
デジタル複合機11は、ブラックの作像ユニット32dのみを用いたモノクロ印刷が可能である。また、デジタル複合機11は、イエローの作像ユニット32a、マゼンタの作像ユニット32b、およびシアンの作像ユニット32cの少なくともいずれか一つを用いたカラー印刷が可能である。
【0020】
デジタル複合機11は、所定のタイミングでトナーによる可視画像の濃度を調整するトナー濃度調整部41を備える。所定のタイミングとは、例えば、環境の変動があったタイミング、具体的には、デジタル複合機11の設置されている環境における温度の値や湿度の値がある所定の値以上となったと検知したタイミングである。また、所定のタイミングは、例えば、デジタル複合機11を構成する部材の経時的な変化が起こるタイミング、具体的には、画像形成の枚数が1000枚毎のタイミング、デジタル複合機11のエンジンの駆動時間が所定の時間に達したタイミング等である。このようなタイミングで、転写ベルト35上に形成されるトナーによる可視画像の濃度を調整する。こうすることにより、転写ベルト35等の経時的な変化に基づく画像濃度の微小な変化や、環境の変動に起因するトナーの付着量の影響を緩和することができる。
【0021】
トナー濃度調整部41は、文字線画画像のトナー濃度と、写真画像のトナー濃度とをそれぞれ別個に調整する。トナー濃度調整部41は、写真画像のトナー濃度を調整する際、濃度の異なるハーフトーンのパターン画像を用いてトナー濃度を調整する。文字線画画像のトナー濃度の調整については、後述する。
【0022】
トナー濃度調整部41は、画像形成部15によって形成される画像のトナー濃度を検知するトナー濃度検知センサー42を備える。トナー濃度調整部41は、画像形成部15によって形成されたトナー濃度を調整するためのパターン画像に対して、トナー濃度検知センサー42によりトナー濃度を検知する。
【0023】
ここで、トナー濃度検知センサー42の構成について、簡単に説明する。
図4は、トナー濃度検知センサー42の構成を示す概略図である。なお、
図3においては、トナー濃度検知センサー42は、二点鎖線で概略的に示している。
【0024】
図1〜
図4を参照して、トナー濃度検知センサー42は、転写ベルト35の回転方向において、ブラックの作像ユニット32dの下流側に配置されている。トナー濃度検知センサー42は、転写ベルト35の表面38側に光を照射する発光素子43aと、転写ベルト35の表面38側から反射された反射光を受光する受光素子43bと、受光素子43bによって受光した反射光の光量からトナー濃度を算出するトナー濃度算出部44とを備える。発光素子43aと受光素子43bとは、転写ベルト35の表面に垂直な方向に延びる平面45に対して、対称の位置となるように設置されている。すなわち、受光素子43bは、発光素子43aによって発光された光に対して正反射光を受光する位置に設けられている。発光素子43aの一例として、具体的には、赤外光を照射する赤外発光ダイオードが採用される。また、受光素子43bの一例として、具体的には、赤外受光素子が採用される。
【0025】
発光素子43aは、転写ベルト35の表面38またはトナーによる可視画像39に向かって、
図4中の矢印E
1で示す左斜め上方向に赤外光といった光46aを照射する。トナーによる可視画像39が形成されていない場合には、発光素子43aは、転写ベルト35の表面38に向かって光46aを照射することになる。
【0026】
受光素子43bは、
図4中の矢印E
2で示す左斜め下方向に向かうトナーによる可視画像39からの反射光46bおよび転写ベルト35の表面38からの反射光46bのいずれか一方か、またはトナーによる可視画像39と転写ベルト35の表面38との双方からの反射光46bを受光する。トナーによる可視画像39が転写ベルト35の表面38を完全に覆っていれば、トナーによる可視画像39からの反射光46bのみを受光する。トナーによる可視画像39が転写ベルト35の表面38上に形成されていなければ、転写ベルト35の表面38からの反射光46bのみを受光する。トナーによる可視画像39が転写ベルト35の表面38を完全に覆っておらず、トナーによる可視画像39のトナー量が少なければ、トナーによる可視画像39と転写ベルト35の表面38との双方からの反射光46bを受光する。
【0027】
トナー濃度検知センサー42は、その表面38にトナーによる可視画像39が形成された転写ベルト35に対して、
図4中の矢印E
1で示す方向に光46aを照射する。光46aは、トナーによる可視画像39および転写ベルト35の表面38のいずれか一方か、またはトナーによる可視画像39と転写ベルト35の表面38との双方に当たって反射する。反射された反射光46bは、受光素子43bによって受光される。受光素子43bは、受光した光の光量に応じた電流をそれぞれ出力する。トナー濃度算出部44は、受光素子43bによって出力された電流を電圧値に変換する。そして、この電圧値に基づいてトナー濃度を算出する。このようにして、トナー濃度検知センサー42は、トナー濃度を検知する。
【0028】
次に、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11を用いて、トナー濃度を調整する場合について説明する。
図5は、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11を用いて、文字線画から構成される画像のトナー濃度を調整する場合の処理の内容を示すフローチャートである。ここでは、ブラックのトナーのトナー濃度を調整する場合について説明する。
【0029】
図5を参照して、デジタル複合機11は、ブラックの作像ユニット32dを用いて、文字線画から構成される画像のトナー濃度を調整するためのパターン画像を複数形成する(
図5において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。ここで、制御部12および画像形成部15は、文字線画から構成される画像のトナー濃度を調整するための文字線画パターン画像を形成する文字線画パターン画像形成部として作動する。
【0030】
具体的には、LSU34によって、ブラックの感光体31dに光を照射する。すなわち、LSU34によって、ブラックの感光体31dに露光する。この場合、露光パルス幅を4段階に変更し、感光体31dの回転方向に位置を異ならせて、4つの文字線画から構成される静電潜像による文字線画パターン画像を形成するように露光する。
【0031】
4つの文字線画パターン画像における露光パルス幅については、露光パルス幅が100%のもの、80%のもの、60%のもの、40%のものとなる。換言すれば、4つの文字線画パターン画像における露光パルス幅については、露光パルスの全体に対する間引きの割合がそれぞれ0%のもの、20%のもの、40%のもの、60%のものとなる。
【0032】
ここで、露光パルス幅について説明する。露光パルス幅は、1画素の走査に要する時間に対して、1画素に照射するレーザー光の照射時間の割合を示すものである。また、1画素の走査に要する時間をt
1とし、1画素に照射するレーザー光の照射時間をt
2とすると、露光パルスの間引きの割合は、100−(100×t
2/t
1)として百分率で表されるものである。なお、露光パルスの間引きの割合が0%の場合、1画素の走査に要する時間と、レーザー光の照射時間とが同じとなる。
【0033】
そして、形成された各文字線画パターン画像の静電潜像に対して、ブラックの作像ユニット32dによってトナーを供給し、各文字線画パターン画像のトナーによる可視画像とする。すなわち、作像ユニット32dにより、トナーによって可視画像となった文字線画パターン画像を形成する。
【0034】
図6は、形成された4つの文字線画パターン画像51a〜51dの一例を示す図である。
図7は、文字線画パターン画像51aを拡大して示す図である。
図6および
図7において、矢印D
1で示す方向が、転写ベルト35の回転方向であり、デジタル複合機11の副走査方向でもある。一方、矢印D
2で示す方向またはその逆の方向は、デジタル複合機11の主走査方向である。
【0035】
図6および
図7を参照して、転写ベルト35の表面38上には、露光パルス幅が100%である第一の文字線画パターン画像51a、露光パルス幅が80%である第二の文字線画パターン画像51b、露光パルス幅が60%である第三の文字線画パターン画像51c、および露光パルス幅が40%である第四の文字線画パターン画像51dがトナーにより形成されている。すなわち、第一の文字線画パターン画像51aは、露光する際の露光パルスの間引きの割合が0%のものである。第二の文字線画パターン画像51bは、露光する際の露光パルスの間引きの割合が20%のものである。第三の文字線画パターン画像51cは、露光する際の露光パルスの間引きの割合が40%のものである。第四の文字線画パターン画像51dは、露光する際の露光パルスの間引きの割合が60%のものである。
【0036】
第一〜第四の文字線画パターン画像51a〜51dはそれぞれ、副走査方向に間隔を開けて形成されている。第一〜第四の文字線画パターン画像51a〜51dの形成されている主走査方向の位置は、同じである。
【0037】
第一の文字線画パターン画像51aについては、転写ベルト35の表面38に垂直な方向から見た場合に、主走査方向にやや長い矩形状に構成されている。第一の文字線画パターン画像51aの副走査方向の長さ、すなわち、矩形状の第一の文字線画パターン画像51aの副走査方向の一方側の境界52aから他方側の境界52bまでの長さは、
図7中の長さL
1で示される。第一の文字線画パターン画像51aの主走査方向の長さ、すなわち、矩形状の第一の文字線画パターン画像51aの主走査方向の一方側の境界53aから他方側の境界53bまでの長さは、
図7中の長さL
2で示される。なお、
図6および
図7において、第一〜第四の文字線画パターン画像51a〜51dの主走査方向の中央を一点鎖線47で示している。
【0038】
第一の文字線画パターン画像51aは、副走査方向に間隔を開けて主走査方向に延びる複数の細線54aの画像から構成されている。この実施形態においては、細線54aの数は、11本である。第一の文字線画パターン画像51aは、11本の細線54aの領域と細線54a同士の間に位置する11個の余白54bの領域とから構成されている。
【0039】
なお、第二〜第四の文字線画パターン画像51b〜51dについても、第一の文字線画パターン画像51aと同様の構成であるため、それらの説明を省略する。すなわち、第二〜第四の文字線画パターン画像51b〜51dについても、それぞれ副走査方向の長さが長さL
1であり、主走査方向の長さが長さL
2である矩形状で構成されている。また、理解の容易の観点から、第一〜第四の文字線画パターン画像51a〜51dはそれぞれ、
図6において異なるハッチングで示している。
【0040】
このようにして形成された第一〜第四の文字線画パターン画像51a〜51dのそれぞれについて、トナー濃度を検知する(S12)。この場合、上記したトナー濃度検知センサー42を用いて、トナー濃度を検知する。
【0041】
ここで、トナー濃度検知センサー42の出力値については、例えば、デジタル複合機11の設置されている環境によって、異なるものとなる。具体的には、例えば、デジタル複合機11の設置されている環境が温度15℃、湿度10%といった低温低湿環境の場合、デジタル複合機11の設置されている環境が温度25℃、湿度65%といった常温常湿環境の場合、デジタル複合機11の設置されている環境が温度35℃、湿度85%といった高温高湿環境の場合とで、それぞれ出力値が異なることとなる。
【0042】
図8は、各環境におけるトナー濃度検知センサー42の出力値と、露光パルス幅の値との関係を示すグラフである。
図8において、縦軸は、トナー濃度検知センサー42の出力値を示し、横軸は、露光パルス幅の値を示す。縦軸のグラフ上方向に向かって、トナー濃度検知センサー42の出力値が高くなることを示す。また、横軸のグラフ右方向に向かって、露光パルス幅の値が高くなることを示す。
【0043】
図8中に示す折れ線55aが、上記した常温常湿環境の場合を示す。
図8中に示す折れ線55bが、上記した低温低湿環境の場合を示す。
図8中に示す折れ線55cが、上記した高温高湿環境の場合を示す。また、露光パルス幅の値C
1が、露光パルスの間引きの割合が0%の場合、すなわち、露光パルス幅が全体の100%であった場合を示す。露光パルス幅の値C
2が、露光パルスの間引きの割合が20%の場合、すなわち、露光パルス幅が全体の80%であった場合を示す。露光パルス幅の値C
3が、露光パルスの間引きの割合が40%の場合、すなわち、露光パルス幅が全体の60%であった場合を示す。露光パルス幅の値C
4が、露光パルスの間引きの割合が60%の場合、すなわち、露光パルス幅が全体の40%であった場合を示す。
【0044】
第一の文字線画パターン画像51aにおけるトナー濃度を検知して、露光パルス幅の値C
1におけるトナー濃度検知センサー42の出力値を得る。第二の文字線画パターン画像51bにおけるトナー濃度を検知して、露光パルス幅の値C
2におけるトナー濃度検知センサー42の出力値を得る。第三の文字線画パターン画像51cにおけるトナー濃度を検知して、露光パルス幅の値C
3におけるトナー濃度検知センサー42の出力値を得る。第四の文字線画パターン画像51dにおけるトナー濃度を検知して、露光パルス幅の値C
4におけるトナー濃度検知センサー42の出力値を得る。これらの得られた各環境におけるトナー濃度検知センサー42の出力値に基づいて、折れ線55a〜55cが形成される。
【0045】
図8を参照して、トナー濃度検知センサー42の出力値について、各露光パルス幅の値C
1〜値C
4において、低温低湿環境の場合が最も低く、高温高湿環境の場合が最も高く出力されている。常温常湿環境の場合は、低温低湿環境の場合よりも高く、高温高湿環境の場合よりも低く出力されている。また、トナー濃度検知センサー42の出力値について、それぞれの環境において、露光パルス幅の値C
1の場合が最も高く、露光パルス幅の値C
2、値C
3、値C
4の場合の順に低くなっていく。
【0046】
ここで、トナー濃度検知センサー42の出力値としてある目標値P
1を設定する。この目標値P
1は、トナー量の削減を目的として設定されたあるトナー濃度に対応するトナーの付着量を検知した場合のトナー濃度検知センサー42の出力値である。トナー濃度検知センサー42の出力値をこの目標値P
1として、低温低湿環境の場合と、常温常湿環境の場合と、高温高湿環境の場合とで、露光パルス幅を決定する。この場合、各環境において、露光パルスの間引きの割合を異ならせて、トナー濃度検知センサー42の出力値を目標値P
1とする。
【0047】
具体的には、デジタル複合機11の設置されている環境が低温低湿環境であった場合、露光パルス幅の値を値C
1よりも高く、値C
2よりも低い値V
1とすることにより、トナー濃度検知センサー42の出力値を、目標値P
1とすることができる。この場合、露光パルスの間引きの割合は、おおよそ12%となる。また、デジタル複合機11の設置されている環境が常温常湿環境であった場合、露光パルス幅の値を値C
2よりも高く、値C
3よりも低い値V
2とすることにより、トナー濃度検知センサー42の出力値を、目標値P
1とすることができる。この場合、露光パルスの間引きの割合は、おおよそ21%となる。また、デジタル複合機11の設置されている環境が高温高湿環境であった場合、露光パルス幅の値を値V
1よりも高く、値C
3よりも低い値V
3とすることにより、トナー濃度検知センサー42の出力値を、目標値P
1とすることができる。この場合、露光パルスの間引きの割合は、おおよそ32%となる。
【0048】
このようにして、環境に応じて、検知したそれぞれのトナー濃度に基づいて、露光パルス幅の値、ひいては、露光パルスの間引きの割合を一旦決定する(S13)。そして、文字線画画像における端部と内部とで、露光パルスの間引きの割合を変更する。すなわち、トナー濃度調整部41は、トナー濃度検知センサー42により検知された各文字線画パターン画像51a〜51dのトナー濃度に基づいて、文字線画画像の内部および端部毎に露光パルス幅を決定する露光パルス幅決定部48を備える。
【0049】
この場合、一旦決定した露光パルスの間引きの割合が所定の値以下か否かを判断する(S14)。そして、一旦決定した露光パルスの間引きの割合が所定の値以下か否かで、文字線画画像の内部と文字線画画像の端部とで、露光パルスの間引きの割合を異ならせるよう制御して、露光パルス幅を決定する。
【0050】
ここで、文字線画画像の端部と内部について説明する。
図9は、アルファベットの「a」の文字を拡大した文字線画画像61を示した図である。
図10は、
図9中の領域Xで示す部分の拡大図である。
【0051】
図9および
図10を参照して、文字線画画像61のうちの文字の端部62aとは、地肌の領域63と文字線画画像61との境界64aで示される部分から文字線画画像61の内方側に向かった部分で示される領域であり、ある程度の幅を有するものである。境界64aは、地肌の領域63における白画像の出現と文字線画画像61における黒画像の出現とをラインセンサで読み取ることにより識別される。文字線画画像61のうちの文字の内部62bとは、
図9におけるハッチングで示す端部62aと端部62aとの間の部分で示される領域である。端部62aの幅L
3については、地肌の領域63と文字線画画像61との境界64aから端部62aと内部62bとの境界64bまでの長さで示されるものである。
【0052】
図11は、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルスの間引きの割合と、文字線画画像61の内部62bにおける露光パルスの間引きの割合との関係を示すグラフである。グラフにおける折れ線65は、それぞれに対する間引きの割合を示す。
図11において、縦軸は、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルスの間引きの割合を示し、横軸は、文字線画画像61の内部62bにおける露光パルスの間引きの割合を示す。縦軸のグラフ上方向およびグラフ右方向に向かって、それぞれ露光パルスの間引きの割合が増加する。
【0053】
図11を参照して、露光パルスの間引きの割合が所定の値Q
1以下であれば(S14において、YES)、露光パルス幅決定部48は、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルス幅と文字線画画像61の内部62bにおける露光パルス幅とが同じとなるよう決定する。この場合、トナー濃度検知センサー42の出力値の目標値P
1に対して照射される露光パルス幅のずれが相対的に小さいものとして、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルスの間引きの割合と文字線画画像61の内部62bにおける露光パルスの間引きの割合とを同じとして決定する(S15)。このようにして、間引きの割合を決定してトナー濃度を調整する(S17)。
【0054】
一方、露光パルスの間引きの割合が所定の値Q
1よりも大きければ(S14において、NO)、露光パルス幅決定部48は、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルス幅を文字線画画像61の内部62bにおける露光パルス幅よりも多くするよう決定する。すなわち、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルスの間引きの割合を文字線画画像61の内部62bにおける露光パルスの間引きの割合よりも少なくなるよう決定する(S16)。この場合、一旦決定した露光パルスの間引きの割合に対して、文字線画画像61の端部62aについては、露光パルス幅を増加させるようにして露光パルスの間引きの割合を決定する。このようにして、間引きの割合を決定してトナー濃度を調整する(S17)。
【0055】
具体的には、文字線画画像61の内部62bにおける露光パルス幅の値を値Q
2とすると、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルス幅の値Q
3は、値Q
2よりも小さくする。また、文字線画画像61の内部62bにおける露光パルス幅の値を値Q
2とよりも大きい値Q
4とすると、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルス幅の値Q
5は、値Q
4よりも小さくする。
【0056】
この実施形態においては、一旦決定した露光パルスの間引きの割合の値Q
1以下であれば、所定の傾きを有する正比例関係で、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルスの間引きの割合と文字線画画像61の内部62bにおける露光パルスの間引きの割合とを同じとしている。一方、一旦決定した露光パルスの間引きの割合が値Q
1よりも大きくなれば、上記した所定の傾きよりも小さい傾きを有する正比例関係で、文字線画画像61の端部62aにおける露光パルスの間引きの割合を文字線画画像61の内部62bにおける露光パルスの間引きの割合よりも少なくしている。
【0057】
こうすることにより、トナー濃度検知センサー42の出力値の目標値P
1に対して照射される露光パルス幅のずれが相対的に大きくなり、露光パルスの間引きの割合が所定の値Q
1よりも大きくなった場合に、露光パルスの間引きの割合について、端部62aの方を内部62bの方よりも少なく間引くことにより、文字線画画像61の端部62aにおける境界64aを明確にして、文字線画画像61の輪郭を鮮明にすることができる。この場合、露光パルスの間引きの割合について、内部62bの方が端部62aの方よりも大きいため、効率的なトナー消費量の削減を図ることができる。
【0058】
したがって、このようなデジタル複合機11によれば、高画質を維持しながら、効率的にトナー消費量を削減することができる。
【0059】
ここで、露光パルス幅決定部48により決定される文字線画画像61の端部62aにおける露光パルス幅に応じて、端部62aの幅を決定する端部幅決定部49を備える構成としてもよい。具体的には、文字線画画像61の端部62aの間引きの割合を所定の値Q
2以下であった場合、端部62aの幅を1dot(ドット)とし、文字線画画像61の端部62aの間引きの割合を所定の値Q
2よりも大きく値Q
4以下であった場合、端部62aの幅を2dotとし、文字線画画像61の端部62aの間引きの割合を所定の値Q
4よりも大きかった場合、端部62aの幅を3dotとする。
【0060】
こうすることにより、間引きの割合が大きかった場合に、端部62aの幅を長くして、文字線画画像61の輪郭をより鮮明にすることができる。この端部62aの幅については、
図10中の長さL
3で示されるものである。
【0061】
また、端部幅決定部49は、端部62aから内部62b側に向かって端部62aの幅が増加するよう決定するよう構成してもよい。具体的には、
図11において、境界64aで示す部分から矢印D
3で示す文字線画画像61の内部62bの方向に向かって露光パルス幅を増加するよう調整し、露光パルス幅を決定する。
【0062】
こうすることにより、文字線画画像61の端部62aにおける境界64aをより鮮明にして、文字線画画像61の輪郭を際立たせることができる。すなわち、いわゆる文字線画画像61の文字太りといわれる現象を回避することができる。
【0063】
なお、上記の実施の形態においては、
図11に示すグラフにおいて、所定の値から傾きを変えて正比例関係を有するよう、文字線画画像61の端部62aの間引きの割合と、文字線画画像61の内部62bの間引きの割合を変更することとしたが、これに限らず、例えば、最初から、すなわち、間引きの割合が0の部分から、文字線画画像61の端部62aの間引きの割合に対して文字線画画像61の内部62bの間引きの割合が多くなる程度の傾きを持った正比例のグラフの関係となるよう制御するようにしてもよい。また、正比例関係を有しない関係でもよく、例えば、段階的に文字線画画像61の端部62aの間引きの割合と、文字線画画像61の内部62bの間引きの割合とを変更するようにしてもよい。
【0064】
なお、上記の実施の形態においては、所定のタイミングとして、デジタル複合機11が設置される環境において、温度および湿度が変化した際のタイミングとしたが、これに限らず、デジタル複合機11の設置される環境の温度の値および湿度の値のうちの少なくともいずれか一つが所定の値以上となったタイミングを含むこととしてもよい。さらには、例えば、環境の変化として、絶対水分量が所定の値以下となった場合に、トナー濃度調整を行うようにしてもよい。また、所定のタイミングとして、環境が変化した場合にトナー濃度調整を行うこととしたが、これに限らず、画像形成の枚数が1000枚に達したタイミングや、駆動時間が100時間を経過したタイミング等でトナー濃度調整を行ってもよい。
【0065】
また、上記の実施の形態において、露光パルス幅を調整するに際し、露光パルスの間引きの割合で露光パルス幅を調整することとしたが、これに限らず、他の方法で露光パルス幅を調整することにしてもよい。
【0066】
また、上記の実施の形態においては、転写体として転写ベルトを適用することとしたが、これに限らず、他の転写体であってもよい。
【0067】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。