(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示の技術においては、清掃等の保守作業の効率化のために光路上の所定の位置でのゴミや傷等の出現回数をカウントして、データを蓄積している。また、特許文献2に開示の技術においては、原稿台ガラスのゴミの検出作業時に、原稿を載置しない状態での原稿台ガラスの読み取りを行なうことによって、ゴミの位置情報をメモリに記憶する。
【0009】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示の技術においては、光路上または原稿台ガラスのゴミの位置の情報を蓄積しているにすぎない。このような蓄積されたゴミの位置の情報を基に、ゴミの存在に起因する黒筋状の画像を消去しようとしても、実際に原稿台ガラス上のごみが除去されている場合があり、不適切な場合がある。
【0010】
一方、実際に画像の読み取りを開始してから読み取り位置に付着したゴミに起因する黒筋状の画像を除去しようとしても、原稿の画像の先端からある程度の範囲までは、原稿の画像に含まれる線画に起因する黒筋状の画像なのか、または読み取り位置に付着したゴミに起因する黒筋状の画像なのかを判別する必要がある。そうすると、この判別にある程度の時間を要することとなり、原稿の画像の先頭部分、すなわち、原稿の画像の読み取りの開始の位置からある程度の範囲において、ゴミに起因する黒筋状の画像が発生せざるを得ず、このような状況は、ユーザーが望むものではない。
【0011】
この発明の目的は、ユーザーの要望に沿った画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読み取り部、および画像読み取り部によって読み取った画像を基に画像を形成する画像形成部を備える。画像形成装置は、原稿の画像を読み取る読み取り位置に設けられる透明板と、読み取り位置に向かって原稿を副走査方向に搬送する搬送部と、搬送部によって搬送された原稿に対して透明板を透過させて光を照射する光源と、光源から照射され、原稿側から反射される反射光から原稿の画像を読み取るイメージセンサーと、透明板に付着した異物によってイメージセンサーに読み取られる副走査方向に延びる黒筋状の画像を検出する検出部と、検出部によって検出された黒筋状の画像の発生した主走査方向の位置の情報を記憶する記憶部と、搬送部によって搬送される原稿の先端が読み取り位置に達するまでにイメージセンサーによって原稿側から反射される反射光の読み取りを開始する時間を時間T
1とし、搬送部によって搬送される原稿の先端が読み取り位置に
達する時間を時間T
2とすると、時間T
1から時間T
2までに、検出部により黒筋状の画像を検出すれば、検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、記憶部に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報とが一致するか否かを判断する第一の判断部と、時間T
2の経過後、原稿の画像
の副走査方向の所定の位置を読み取る時間T
3に達した時に、検出部により黒筋状の画像を検出すれば、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、時間T
2から時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報とが一致するか否かを判断する第二の判断部と、第一の判断部によって、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、記憶部に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報とが一致すると判断し、第二の判断部によって、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、時間T
2から時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報とが一致すると判断すれば、画像読み取り部により読み取った画像を基に画像形成部により画像を形成する際に、原稿の先端に相当する画像から検出部により検出した黒筋状の画像を消去する処理を行って画像を形成するよう制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
このような画像形成装置によると、第一の判断部によって、搬送部によって搬送される原稿の先端が読み取り位置に達するまでにイメージセンサーによって原稿側から反射される反射光の読み取りを開始する時間T
1から搬送部によって搬送される原稿の先端が読み取り位置に達するまでの時間T
2までに検出部によって検出された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、記憶部に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と一致するか否かを判断しているため、実際に原稿の画像の読み取りを開始する前から、検出部により検出した黒筋状の画像が、記憶部に記憶された黒筋状の画像であるか否かを認識することができる。そして、第一の判断部により一致していると判断すれば、記憶部に記憶された黒筋状の画像が有効、すなわち、未だ異物が残存していると認識することができる。また、第二の判断部によって、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、時間T
2から原稿の画像を副走査方向の所定の位置を読み取る時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報とが一致するか否かを判断しているため、有効と判断された黒筋状の画像が実際に原稿の画像を読み取る際に発生しているか否かを認識することができる。そして、制御部により、記憶部に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報、および時間T
2から時間T
3までに検出部により検出された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報が一致すれば、黒筋状の画像を消去する処理を行う。そうすると、異物の存在に基づく黒筋状の画像を早期に消去する処理を行うことができ、原稿の画像の読み取りを開始し出した領域から黒筋状の画像を消去する処理を施した画像形成をすることができる。したがって、このような画像形成装置は、ユーザーの要望に沿った画像形成を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を説明する。まず、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の外観を示す概略斜視図である。
図2は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【0016】
図1および
図2を参照して、デジタル複合機11は、デジタル複合機11全体の制御を行う制御部12と、デジタル複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示画面21を含み、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンまたはオフを入力させる操作部13と、セットされた原稿を自動的に読み取り位置へ搬送するADF(Auto Document Feeder)22、および後述する光源等を備え、副走査方向に移動可能なキャリッジ28を含み、原稿や印刷物の画像を読み取る画像読み取り部14と、トナーを用いて現像を行う
現像装置23を含み、読み取った画像やネットワーク25を介して送信された画像データを基に画像を形成する画像形成部15と、送信された画像データや入力された画像形成条件等の記憶を行う記憶部としてのハードディスク16と、公衆回線24に接続されており、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信部17と、ネットワーク25と接続するためのネットワークインターフェース部18とを備える。なお、デジタル複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、
図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。なお、
図1における紙面手前側、すなわち、操作部13が配置されている側がデジタル複合機11のフロント側であり、その逆がデジタル複合機11のリア側である。
【0017】
デジタル複合機11は、画像読み取り部14により読み取られた原稿を用いて画像形成部15において画像を形成することにより、複写機として作動する。また、デジタル複合機11は、ネットワークインターフェース部18を通じて、ネットワーク25に接続されたコンピューター26a、26b、26cから送信された画像データを用いて、画像形成部15において画像を形成して用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。すなわち、画像形成部15は、要求された画像を印刷する印刷部として作動する。また、デジタル複合機11は、ファクシミリ通信部17を通じて、公衆回線24から送信された画像データを用いて、DRAMを介して画像形成部15において画像を形成することにより、また、画像読み取り部14により読み取られた原稿の画像データを、ファクシミリ通信部17を通じて公衆回線24に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。すなわち、デジタル複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
【0018】
画像形成システム27は、上記した構成のデジタル複合機11と、ネットワーク25を介してデジタル複合機11に接続される複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。この実施形態においては、複数のコンピューター26a〜26cについては、3台示している。各コンピューター26a〜26cはそれぞれ、デジタル複合機11に対して、ネットワーク25を介して印刷要求を行って印刷をすることができる。デジタル複合機11とコンピューター26a〜26cとは、LAN(Local Area Network)ケーブル等を用いて有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、ネットワーク25内には、他のデジタル複合機やサーバーが接続されている構成でもよい。
【0019】
次に、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11に備えられる画像読み取り部14に含まれるADF22の構成について説明する。
図3は、画像読み取り部14に備えられるADF22の一部を示す概略断面図である。
図1〜
図3を参照して、ADF22は、搬送される複数の原稿51をセットする原稿セット台31と、原稿セット台31にセットされた原稿51を順次供給するピックアップローラー32と、搬送する原稿51を一枚ごとに分離する分離ローラー33と、原稿51を読み取り位置43まで搬送する搬送ローラー34、35、36と、読み取り位置43で読取られた原稿51を排紙する排紙ローラー37と、排紙された原稿51が載置される排紙トレイ38とを含む。搬送ローラー36は、白色の部材で構成されている。なお、
図3における副走査方向を、
図3中の矢印D
1またはその逆の方向で示している。
【0020】
ADF22を含む画像読み取り部14は、原稿51の搬送方向における搬送ローラー36と対向する位置に設けられる透明板39と、透明板39の副走査方向の隣り合う位置に設けられ、原稿51を載置して原稿51の画像を読み取らせる際の載置面となるコンタクトガラス29と、透明板39およびコンタクトガラス29の下部領域において配置され、副走査方向に移動可能なキャリッジ28とを含む。また、画像読み取り部14は、ADF22によって搬送された原稿51に対して透明板39を透過させて光を照射する光源41と、複数のミラー(図示せず)と、光を集光するレンズ(図示せず)と、イメージセンサーとしてのCCD(Charge Coupled Device)センサー42とを含む。キャリッジ28は、光源41と、複数のミラーのうちの一部を含む。光源41は、いわゆる複数のLED(Light Emitting Diode)を主走査方向に配置することにより構成されている。ADF22によって搬送される原稿51の画像を読み取る際に、キャリッジ28は、透明板39の下部の位置に停止される。光源41は、原稿51の画像を読み取る読み取り位置43に向かって光を照射する。そして、透明板39の上側、具体的には、読み取り位置43の上に搬送された原稿51から反射される反射光を複数のミラーおよびレンズによって集光し、CCDセンサー42に入力させることにより、読み取り位置43上に搬送された原稿51の画像を読み取る。
【0021】
ADF22は、操作部13のスタートボタンの押下を検知すると、セットされた複数枚の原稿51を順次読み取り位置43に搬送する。ADF22は、読み取り位置43においてCCDセンサー42により原稿51の画像が順次読み取り、排紙トレイ38に複数枚の原稿51を順次排紙する。
【0022】
なお、原稿51が搬送されていない状態で、光源41から光が照射されると、照射された光は、透明板39を透過し、白色の搬送ローラー36の表面で反射する。そして、この反射光をCCDセンサー42が読み取ることとなる。
【0023】
ADF22によって搬送された原稿51の画像が読み取られる際に、透明板39の表面44に、例えば、消しゴムのカスやゴミ等の異物が付着していると、この異物が影になってCCDセンサー42に読み取られることになる。この異物が除去されず、継続的に透明板39の表面に付着していれば、原稿51の搬送方向、すなわち、副走査方向に延びる黒筋状の画像として読み取ってしまうこととなる。
【0024】
ここで、ハードディスク16には、前回の原稿51の画像のコピー時または原稿51の画像のスキャン時においてCCDセンサー42に読み取られた原稿51の画像のうちの黒筋状の画像の情報が記憶されている。
図4は、ハードディスク16に記憶された情報の内容を示す概念図である。
図4を参照して、ハードディスク16には、黒筋状の画像の情報46が記憶されている。この黒筋状の画像の情報46は、前回のデジタル複合機11における原稿51の画像のコピー時、または原稿51の画像のスキャン時に読み取られたものである。この実施形態においては、ハードディスク16に記憶されている黒筋状の画像の情報46は、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報47a、黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報47b、および黒筋状の画像の濃度の情報47cである。また、この黒筋状の画像の情報46として他に、例えば、記憶された時間の情報等が含まれていてもよい。
【0025】
次に、デジタル複合機11によって、透明板39に異物が付着している状況において、ユーザーがADF22を用いて原稿51の画像のコピーを行う場合について説明する。ここでまず、読み取られる原稿51の内容について、簡単に説明する。
【0026】
図5は、搬送される原稿51の一例を示す図である。
図5を参照して、原稿51の画像52は、文字画像53と、2つの写真画像54a、54bとから構成されている。原稿51は、先端55から画像52が読み取られるように原稿セット台31にセットされる。すなわち、原稿51のサイズをA4とした場合、原稿51は、いわゆるA4Rの方向でセットされる。原稿51は、先端55から、
図5中の矢印D
1で示す搬送方向、すなわち、副走査方向に沿って後端56に向かって、画像52が読み取られる。
【0027】
次に、デジタル複合機11によって原稿51の画像52をコピーする場合について説明する。
図6は、デジタル複合機11がコピーを行う場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、画像読み取りの経過時間と黒筋状の画像の検出状態との関係を示す図である。画像読み取りの経過時間については、
図7中の横軸の右側に向かって時間が経過するものとしている。また、
図7の紙面縦方向は、デジタル複合機11の主走査方向の位置を示す。なお、理解の容易の観点から、
図7において、図面の紙面上側の領域に、
図3に示すADF22の概略断面図の一部を複数縮小して図示している。また、同じく理解の容易の観点から、異物61が付着した透明板39をデジタル複合機11の上側から見た概略図を、左側に図示している。なお、異物61については、透明板39のリア側の端面45を起点として長さL
1の位置から長さL
2の位置に亘って付着しているものとする。
【0028】
図1〜
図7を参照して、ユーザーは、まず、複数の原稿51を原稿セット台31上にセットする。原稿セット台31に原稿51がセットされ、制御部12が、ユーザーによるコピーのスタートキーの押下を検知すると、1枚目の原稿51を原稿セット台31から読み取り位置43に向けて搬送を開始する(
図4において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。この時間、すなわち、原稿51の搬送を開始した時間は、
図5において、時間T
0で示される。
【0029】
次に、搬送された原稿51の先端55が読み取り位置43に達するまでに、読み取りを開始する(S12)。読み取り開始の時間は、
図5中の時間T
1によって示される。この読み取りは、原稿51の先端55が到達していない状態、すなわち、白色の搬送ローラー36からの反射光の読み取りとなる。
【0030】
ここで、透明板39の読み取り位置43に相当する位置の表面44に異物61が付着していると、原稿51の先端55が読み取り位置43に到達する時間T
2までに、この異物61の存在に基づく黒筋状の画像62が読み取られる。異物61は透明板39にずっと付着しているため、この読み取りは、原稿51の先端55が到達する時間T
2に至るまで行われることとなる。すなわち、時間T
2に到達した際に(S13)、光源41から照射され、白色の搬送ローラー36によって反射される反射光の主走査方向の一部がこの異物61によって遮られ、搬送方向、すなわち、副走査方向に延びる黒い筋状の影の画像として検出される(S14)。ここで、制御部12、画像読み取り部14等は、透明板39に付着した異物61によって副走査方向に延びる黒筋状の画像を検出する検出部として作動する。なお、この場合、原稿51の先端55が読み取り位置43に達していないので、黒筋状の画像62は明らかに原稿51の画像52に含まれる副走査方向に延びる線画ではなく、透明板39の表面44への異物61の付着に起因するものである。
【0031】
検出される黒筋状の画像62は、透明板39のリア側の端面45から主走査方向のフロント側に向かって、主走査方向の長さL
1から長さL
2の位置に亘って検出されるものである。すなわち、検出部は、異物61の端部63aから端部63bに亘る黒筋状の画像62を検出する。この黒筋状の画像62の主走査方向の幅は、
図7における端部63aから端部63bに至る長さL
3で示される。
【0032】
そして、時間が経過すると、原稿51の先端55が、時間T
2で読み取り位置43に到達する。その後、原稿51の先端55から引き続き読み取りを行う(S15)。この場合、原稿51の先端55が読み取り位置43に到達しているので、時間T
2の経過後からが実際の原稿51の画像52の読み取りとなる。なお、時間T
1から時間T
2に至るまでの時間は、原稿51が存在していない領域での読み取り、すなわち、原稿外の領域64aでの読み取りとなる。この時間T
1から時間T
2までに読み取った画像については、原稿51の画像52ではないことが明らかであるため、原稿51の画像52を読み取って画像形成を行う際に形成する画像に反映されないものである。
【0033】
ここで、時間T
2から原稿51の前半の途中までの読み取りに相当する時間である所定の時間T
3に向かって原稿51の画像52の読み取りを進めると共に、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報47aと、原稿51の先端55が到達するまでに読み取った画像における黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報が一致しているか否かを判断する(S16)。ここで、制御部12は、第一の判断部として作動する。この場合、黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報がハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報47aと一致しているか否かの判断に加え、読み取った黒筋状の画像62の主走査方向の幅の情報および黒筋状の画像62の濃度の情報と、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報47bおよび濃度の情報47cとがそれぞれ一致しているか否かも判断する。
【0034】
ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報47a、幅の情報47b、および濃度の情報47cと、原稿51の先端55が到達するまでに読み取った画像における黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報、幅の情報、および濃度の情報が全て一致していると判断すれば(S16において、YES)、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の情報46が有効であると認識する(S17)。すなわち、制御部12は、異物61が未だ透明板39から除去されず、読み取られた黒筋状の画像62が、異物61が存在していることに起因する黒筋状の画像62であると認識する。
【0035】
その後、引き続き原稿51の画像52の読み取りが進められる。そして、原稿51の上半分の領域の途中部分である時間T
3に達し(S18)、さらに引き続き、時間T
4に達するまで原稿51の画像52の読み取りを行う(S19)。また、時間T
2の経過後、原稿51の画像52を読み取る時間T
3に達した時に、引き続き検出部により黒筋状の画像62を検出すれば、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報、幅の情報、および濃度の情報と、時間T
2から時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報、幅の情報、および濃度の情報とが一致するか否かを判断する(S20)。ここで、制御部12は、第二の判断部として作動する。
【0036】
時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報等と、時間T
2から時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報等とが一致すると判断すれば(S20において、YES)、この黒筋状の画像62が、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像であると認識する。すなわち、ハードディスク16に記憶された有効であると認識された黒筋状の画像であると認識する。
【0037】
そして、原稿51の画像52の読み取りを引き続き行いながら、画像読み取り部14により読み取った画像を基に画像形成部15により画像を形成する際に、原稿51の先端55に相当する画像52から黒筋状の画像を消去する処理を行って画像を形成する(S21)。このようにして、原稿51の画像52の先端55から画像形成を行う際に、黒筋状の画像を消去してコピーを行う。この消去の処理は、黒筋状の画像に隣接するデータの補間処理等により行う。
【0038】
その後、引き続き原稿51の画像52の読み取りが進められる。そして、原稿51の後半の途中までの読み取りに相当する時間である所定の時間T
4に達すると(S22)、さらに引き続き、原稿51の後端56を読み取る時間である時間T
5に達するまで原稿51の画像52の読み取りを行う(S23)。また、時間T
3の経過後、原稿の画像を読み取る時間T
4に達した時に、引き続き黒筋状の画像62を検出し、この黒筋状の画像52の主走査方向の位置の情報等と時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置等の情報とが一致すれば(S24において、YES)、この黒筋状の画像62を画像形成の際に消去して画像を形成する(S25)。
【0039】
その後、時間T
5に達し(S26)、原稿51の後端56までの画像52の読み取りを終える。原稿51の画像52を読み終えた後、読み取った原稿51の画像52の残りの部分について、画像処理を行い、画像を形成する。このようにして、1枚目の画像形成を終了する(S27)。
【0040】
時間T
5に達して原稿51の後端56までの画像52を読み終えた後も、読み取りを止めずに、時間T
6に至るまで読み取りを続ける(S28)。この読み取りについては、上述した時間T
1から時間T
2に至るまでの時間と同様、原稿51が存在していない原稿外の領域64cの読み取りとなる。なお、時間T
2から時間T
5に至るまでの時間は、原稿51の先端55から原稿51の後端56までの読み取りとなり、原稿51の領域64bでの読み取りとなる。
【0041】
時間T
5の経過後、時間T
6に達した時に(S29)、引き続き黒筋状の画像62を検出すれば、時間T
5から時間T
6までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報等と、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報等とが一致するか否かを判断する(S30)。ここで、制御部12は、第三の判断部として作動する。
【0042】
時間T
5から時間T
6までに検出部により検出した黒筋状の画像62の主走査方向の位置の情報等と、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報47a等とが一致すると判断すれば(S30において、YES)、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の情報46を消去せず、そのまま記憶しておく(S31)。
【0043】
その後、2枚目の原稿の画像を読み取り、読み取った画像を基に画像を形成してコピーを行う。この場合、黒筋状の画像62が存在していれば、黒筋状の画像62を消去して画像形成を行う。このようにして、2枚目以降の画像形成を行う(S32)。
【0044】
図8は、画像形成を行って出力された1枚目の複写物を示す図である。
図8を参照して、複写物71の画像72には、オリジナルの原稿51の画像52と同じように、文字画像73および2つの写真画像74a、74bが形成されている。ここで、異物61の存在に基づいて画像処理を行わなければ形成されていた
図8中の破線で示す黒筋状の
画像67については、上記した処理により消去されている。すなわち、複写物71の先端75から後端76に至るまで、黒筋状の
画像67は存在していない。同様の複写物71が、2枚目以降も得られる。
【0045】
すなわち、このようなデジタル複合機11によれば、第一の判断部によって、時間T
1から時間T
2までに検出部によって検出された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等が、記憶部に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等と一致するか否かを判断しているため、実際に原稿の画像の読み取りを開始する前から、検出部により検出した黒筋状の画像が、記憶部に記憶された黒筋状の画像であるか否かを認識することができる。そして、第一の判断部により一致していると判断すれば、記憶部に記憶された黒筋状の画像が有効、すなわち、未だ異物が残存していると認識することができる。また、第二の判断部によって、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等と、時間T
2から時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等とが一致するか否かを判断しているため、有効と判断された黒筋状の画像が実際に原稿の画像を読み取る際に発生しているか否かを認識することができる。そして、制御部により、記憶部に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等、および時間T
2から時間T
3までに検出部により検出された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等が一致すれば、黒筋状の画像を消去する処理を行う。そうすると、異物の存在に基づく黒筋状の画像を早期に消去する処理を行うことができ、原稿の画像の読み取りを開始し出した領域から黒筋状の画像を消去する処理を施した画像形成をすることができる。したがって、このような画像形成装置は、ユーザーの要望に沿った画像形成を行うことができる。
【0046】
この場合、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報に加え、黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報および濃度の情報も一致するか否かを判断しているため、より精度よく一致しているか否かを判断することができる。
【0047】
また、時間T
3の経過後、原稿の画像を副走査方向の所定の位置を読み取る時間T
4に達した時に、検出部により黒筋状の画像を検出すれば、時間T
1から時間T
2までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置と、時間T
2から時間T
3までに検出部により検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置とが一致するか否かを判断する第三の判断部を備えるため、さらに精度よく黒筋状の画像の消去を行うことができる。
【0048】
また、制御部12は、時間T
5から時間T
6までに、検出部により黒筋状の画像を検出
し、かつ、検出した黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報と、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報とが一致すると判断すれば、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像を消去せず、そのまま記憶しているため、次回の画像形成時において、原稿の画像の先端から黒筋状の画像を検出した場合に、原稿の画像の先端部分から画像処理により消去することができる。
【0049】
なお、S16において、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等が一致しない場合(S16において、NO)、S20において、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等が一致しない場合(S20において、NO)、およびS24において、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等が一致しない場合(S24において、NO)については、そのまま画像形成を行う(S33)。この場合、画像形成の途中で、新たな異物61による黒筋状の画像であると判断すれば、画像形成の途中から黒筋状の画像の消去を行って画像を形成することとしてもよい。また、ADF22により原稿51を搬送している最中に、原稿51の先端55に異物61が当たり、異物61が透明板39の表面44から取り除かれる場合があるが、このような場合には、取り除かれた以降の読み取りにおいて、異物61の存在に起因する黒筋状の画像は発生しないこととなる。そうすると、検出部により黒筋状の画像を検出することはなく、そのまま、すなわち、読み取ったままの画像が形成されることとなる。
【0050】
また、S30において、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等が一致しない場合(S16において、NO)、ハードディスク16から黒筋状の画像の情報を消去する(S34)。具体的には、時間T
5から時間T
6までに、検出部によって、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置に黒筋状の画像を検出しなければ、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の
主走査方向の位置の情報を消去する。ここで、制御部12等は、時間T
5から時間T
6までに、検出部によって、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の主走査方向の位置に黒筋状の画像を検出しなければ、ハードディスク16に記憶された黒筋状の画像の
主走査方向の位置の情報を消去する情報消去部として作動する。こうすることにより、より最新のハードディスク16における黒筋状の画像の情報とすることができる。
【0051】
以上より、このようなデジタル複合機11は、ユーザーの要望に沿った画像形成を行うことができる。
【0052】
また、上記の実施の形態においては、時間T
3に至るまでに一致するか否かを判断し、時間T
4に至るまでに一致するか否かを判断することとしたが、これに限らず、いずれか一方のみで一致するか否かを判断するように構成することにしてもよい。こうすることにより、より簡易な構成とすることができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態においては、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報、黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報、および黒筋状の画像の濃度の情報が全て一致するか否かを判断することとしたが、これに限らず、黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報について、一致するか否かを判断するようにしてもよい。こうすることにより、より簡易に黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報が一致するか否かを判断することができる。また、主走査方向の位置に加え、黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報、および黒筋状の画像の濃度の情報の少なくともいずれか一方で判断するようにしてもよい。すなわち、ハードディスクは、黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報および黒筋状の画像の濃度の情報のうちの少なくともいずれか一方を記憶し、第一の判断部は、ハードディスクに記憶された黒筋状の画像の主走査方向の幅の情報および黒筋状の画像の濃度の情報のうちの少なくともいずれか一方に基づいて判断するよう構成することにしてもよい。主走査方向の位置の判断に加え、幅が一致するか否かを判断、または濃度が一致するか否かを判断することにより、より広い範囲で記憶された情報と一致するか否かを判断することができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態においては、一致しないと判断すれば、記憶した情報を消去することとしたが、これに限らず、一致しないと判断しても、記憶した情報を消去しなくともよい。こうすることにより、再びその位置に異物が付着しやすい状況であった場合に、対応することができる。
【0055】
また、上記の実施の形態においては、デジタル複合機に備えられているハードディスクに黒筋状の画像の主走査方向の位置の情報等を記憶することとしたが、これに限らず、他の記憶媒体、例えば、ネットワークに接続されているハードディスクや接続されたUSB(Universal Serial Bus)メモリ等に記憶することにしてもよい。
【0056】
なお、上記の実施の形態においては、コピーを行う場合について説明したが、これに限らず、例えば、ADFを使用してスキャンし、読み取った原稿の画像を基に画像データを生成するスキャナーとして利用される場合にも、もちろん適用される。
【0057】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。