特許第6248936号(P6248936)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6248936センサ装置、振動検知システム、センサユニット、情報処理装置、振動検知方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248936
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】センサ装置、振動検知システム、センサユニット、情報処理装置、振動検知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01H 5/00 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   G01H5/00
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-538619(P2014-538619)
(86)(22)【出願日】2013年9月27日
(86)【国際出願番号】JP2013076210
(87)【国際公開番号】WO2014051030
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】特願2012-217512(P2012-217512)
(32)【優先日】2012年9月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】又賀 純一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】高橋 尚武
(72)【発明者】
【氏名】篠田 茂樹
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−190777(JP,A)
【文献】 特開2009−007859(JP,A)
【文献】 特開2004−132821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループと、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有するセンサ装置。
【請求項2】
前記第1方向は、前記被検知体に生じる振動の伝播方向に垂直な方向であり、
前記第2方向は、前記伝播方向に平行な方向である、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記位相差算出部は、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記加速度算出部は、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記振動センサは圧電式振動センサである、
請求項1から4のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記被検知体は水道配管である、
請求項1から5のいずれか1項に記載のセンサ装置。
【請求項7】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと、情報処理装置とを備え、
前記センサユニットは、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を送信する送信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記複数の第1信号を受信する受信部と、
前記複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有する振動検知システム。
【請求項8】
前記第1方向は、前記被検知体に生じる振動の伝播方向に垂直な方向であり、
前記第2方向は、前記伝播方向に平行な方向である、
請求項7に記載の振動検知システム。
【請求項9】
前記センサユニットは、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記送信部は、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に送信し、
前記受信部は、
前記複数の第2信号を更に受信し、
前記位相差算出部は、
前記複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記加速度算出部は、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
請求項7又は8に記載の振動検知システム。
【請求項10】
前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
請求項9に記載の振動検知システム。
【請求項11】
前記振動センサは圧電式振動センサである、
請求項7から10のいずれか1項に記載の振動検知システム。
【請求項12】
前記被検知体は水道配管である、
請求項7から11のいずれか1項に記載の振動検知システム。
【請求項13】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループと、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を外部に送信する送信部と、
を有し、情報処理装置と通信するセンサユニットであって、
前記複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて、前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを算出する前記情報処理装置と通信するセンサユニット。
【請求項14】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと通信する情報処理装置であって、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を受信する受信部と、
前記複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有する情報処理装置。
【請求項15】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサ装置が、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する、
ことを含む振動検知方法。
【請求項16】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと、情報処理装置とにより実現される振動検知方法であって、
前記センサユニットが、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を送信し、
前記情報処理装置が、
前記複数の第1信号を受信し、
前記複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する、
ことを含む振動検知方法。
【請求項17】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサ装置に、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出機能と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項18】
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと通信する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を受信する受信機能と、
前記複数の第1信号の時間差と、前記被検知体に対する振動の伝搬速度とから前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離を算出し、前記時間差の間に水平方向に伝搬する波の距離と前記複数の第1の振動センサ間の距離とに基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出機能と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行でかつ前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検知体からの振動を検知する、センサ装置、振動検知システム、センサユニット、情報処理装置、振動検知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、老朽化した建物や、経年劣化した機械及び電子機器等の故障が多くみられている。これらの劣化故障の多くは長期間の使用による機械的な磨耗やひび割れ等から生じる。そして、この磨耗劣化やひび割れは不要な振動を生じさせる。そのため、劣化や故障による大きな事故を事前に予知・予防するために、磨耗劣化やひび割れ等から生じる振動を検知するセンサが多く使用されている。
【0003】
水道配管等の振動源となる被検知体から生じる振動には、被検知体の表面に垂直な方向だけでなく、様々な方向に対する振動が含まれている。そのため、劣化を予知・予防するためには様々な方向の振動を検知する必要がある。例えば、3軸方向の振動加速度を検知するための技術として、特許文献1のように圧電式加速度センサを用いるものや、特許文献2のように、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いた加速度センサが用いるものがある。
【0004】
また、特許文献3には、1軸方向の振動加速度を検知する3つの振動センサによってそれぞれ検知される、位相の互いに異なった検知出力に基づいて、検知方向(Z軸)に直交するX軸及びY軸方向の外力を検知する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−298137号公報
【特許文献2】特開2010−156704号公報
【特許文献3】特開平09−152372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1または特許文献2のような、3軸方向の加速度センサは一般的に高価であり、センサユニットの製造コストが増加してしまう。すると、センサユニットを利用するシステム全体のコストが増加してしまう。また、特許文献3では、安価な1軸方向の振動センサを用いているが、振動センサは最低3つ必要となる。この点において、特許文献3については、コストを削減する余地がある。
【0007】
本発明の目的は、複数軸方向の振動を安価に検知し得るセンサ装置、振動検知システム、センサユニット、情報処理装置、振動検知方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループと、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有するセンサ装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと、情報処理装置を備え、
前記センサユニットは、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を送信する送信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記複数の第1信号を受信する受信部と、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有する振動検知システムが提供される。
【0010】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループと、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を外部に送信する送信部と、
を有するセンサユニットが提供される。
【0011】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと通信する情報処理装置であって、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を受信する受信部と、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有する情報処理装置が提供される。
【0012】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサ装置が、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する、
ことを含む振動検知方法が提供される。
【0013】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと、情報処理装置とにより実現される振動検知方法であって、
前記センサユニットが、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を送信し、
前記情報処理装置が、
前記複数の第1信号を受信し、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する、
ことを含む振動検知方法が提供される。
【0014】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサ装置に、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出機能と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出機能と、
を実現させるプログラムが提供される。
【0015】
本発明によれば、
被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと通信する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を受信する受信機能と、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出機能と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出機能と、
を実現させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数軸方向の振動を安価に検知し得るセンサ装置、振動検知システム、センサユニット、情報処理装置、振動検知方法、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0018】
図1】第1実施形態に係る振動検知システムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態に係るセンサユニットの装置構成例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る振動検知システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
図4】センサユニットが振動を検知する流れを説明する図である。
図5】第1の振動センサにより検知された振動加速度の一例を示す図である。
図6】第1位相差と第1信号群に含まれる各信号とに基づいて、第1方向の振動加速度と第2方向の振動加速度とを算出する例を示す図である。
図7図5に示す各信号に基づいて得られた、第1方向及び第2方向の振動加速度の加速度スペクトル分布を示す図である。
図8】第1実施形態に係るセンサユニットの別の構成例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る振動検知システムの構成例を示す図である。
図10】第2実施形態に係るセンサユニットの装置構成例を示す図である。
図11】本発明のセンサユニット及び情報処理装置を用いた漏水検知システムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る振動検知システム1の構成例を示す図である。振動検知システム1は、センサユニット100と情報処理装置200とを備える。
【0021】
センサユニット100は、第1センサグループ13に含まれる複数の第1の振動センサ12と、送信部110を有する。第1センサグループ13に含まれる複数の第1の振動センサ12は、センサユニットが設置された被検知体から発生される、ある1つの方向(検知方向)に関する振動の振動加速度を検知して電気信号に変換する。送信部110は、第1センサグループ13に含まれる第1の振動センサ12毎に生成された各信号(第1信号)を取得し、無線通信又は有線通信により、情報処理装置200へ送信する。
【0022】
図2は、第1実施形態に係るセンサユニット100の装置構成例を示す図である。図2(a)は、センサユニット100の斜視図であり、図2(b)は、センサユニット100のA−A'面での断面図である。センサユニット100は、ユニット筐体11、及び第1の振動センサ12a、12bを有する。第1の振動センサ12a、12bは、第1センサグループ13として、向きが揃えられ、並列に配置されている。なお、本実施形態の第1センサグループ13は、2つの第1の振動センサ12を有しているが、3つ以上の第1の振動センサ12を有していてもよい。この場合も、各々の第1の振動センサ12は、向きが揃えられ、並列に配置される。
【0023】
本実施形態において、第1の振動センサ12a、12bは、ユニット筐体11の垂直方向の振動を検知する。第1の振動センサ12a、12bとしては、特には限定しないが、例えば、圧電セラミックスの屈曲による分極変化を利用した圧電式振動センサを採用することができる。このような圧電式振動センサにおいて、圧電セラミックスの一端は支持体に固定されていて、他端は開放端となっている。そして、圧電セラミックスの開放端側が振動することにより電圧が生じ、振動加速度を示す信号が生成される。また、第1の振動センサ12a、12bの構造は、特に限定しないが、金属シム材の片面に圧電セラミックスが接着されたユニモルフ型であっても、金属シム材の両面に圧電セラミックスが接着されたバイモルフ型であってもよいし、振動を拡大するために、金属シム材と外周固定リングとの間を高分子フィルムで挟み込んだ構造であってもよい。また、第1の振動センサ12a、12bは、第1の振動センサ12a、12bのそれぞれにおいて生成される信号の差分を大きくするために、できるだけ間隔をあけて配置されることが好ましい。
【0024】
センサユニット100は、例えば水道配管等の、振動源である被検知体に設置される。センサユニット100の設置方法としては、センサユニット100の底面に取り付けた磁石(不図示)によって被検知体の金属部分に設置する方法があるが、これに限定されない。センサユニット100の設置方法は、被検知体からの振動を抑制しない方法であれば、例えば高分子接着材等を用いて接着する方法等であってもよい。
【0025】
情報処理装置200は、受信部210、位相差算出部220、及び加速度算出部230を有する。受信部210は、センサユニット100の送信部110から送信された、複数の第1信号を受信する。位相差算出部220は、複数の第1信号の差分に基づいて、その複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する。また、第1センサグループ13に、3つ以上の第1の振動センサ12が含まれる場合、位相差算出部220は、例えば、隣り合う第1の振動センサ12で検出された各第1信号の位相差をそれぞれ求め、それらの平均値や中間値を求める等して、第1位相差を算出する。加速度算出部230は、第1方向の振動加速度と第2方向の振動加速度とを、第1位相差、及び複数の第1信号に基づいて算出する。ここで、第1方向とは、複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な方向である。そして、センサユニット100は、例えば、第1方向が被検知体における振動の伝播方向に垂直な方向になるように、被検知体に設置される。また、第2方向とは、複数の第1の振動センサ12が並ぶ面に平行な方向である。そして、センサユニット100は、例えば、第2方向が被検知体における振動の伝播方向に平行な方向になるように、被検知体に設置される。
【0026】
なお、各図に示されるセンサユニット100及び情報処理装置200の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。センサユニット100及び情報処理装置200の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0027】
図3は、第1実施形態に係る振動検知システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0028】
センサユニット100は、第1センサグループに含まれる第1の振動センサ12a、12bのそれぞれが検出した振動の振動加速度を示す、第1信号をそれぞれ生成する(S102)。
【0029】
ここで、センサユニット100が振動を検知する流れを、図4を用いて説明する。図4(a)は、センサユニット100の断面図である。図4(b)は、被検知体に振動が生じた場合のセンサユニット100の断面図である。
【0030】
被検知体に振動が生じた場合、センサユニット100の底面の剛性は非常に高いため、センサユニット100全体は図4(b)に示すユニット筐体11のように回転を伴う。この場合、第1の振動センサ12a、12bは、図4(b)の矢印の方向に対する振動をそれぞれ検知する。また、水道配管等の被検知体に伝播する振動は、ユニット筐体11の垂直方向の振動加速度以外に、ユニット筐体11の水平方向の振動加速度を含んでいるため、内部の第1の振動センサ12a、12bで生成される信号には時間的なずれが生じる。図5は、第1の振動センサ12a、12bにより検知された振動加速度の一例を示す図である。図5の例では、実線で示される波形が、第1の振動センサ12aで検知された振動加速度を示す第1信号501を表し、点線で示される波形が、第1の振動センサ12aで検知された振動加速度を示す第1信号502を表している。
【0031】
センサユニット100は、第1の振動センサ12a、12bにより生成された各第1信号を、図示しない信号増幅回路により増幅して、情報処理装置200へ送信する(S104)。ここで、各第1信号は位相差を算出する前に増幅されればよく、情報処理装置200が信号増幅回路を有し、各第1信号を増幅させてもよい。
【0032】
情報処理装置200は、受信した各第1信号に基づいて、各第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する(S106)。具体的には、情報処理装置200は、第1の振動センサ12a、及び第1の振動センサ12bにより生成される信号により、被検知体に対する振動の伝搬速度vを求めることができる。そして、情報処理装置200は、振動の伝搬速度v、及び第1の振動センサ12aにより生成された第1信号と、第1の振動センサ12bにより生成された第1信号との時間差△tに基づいて、時間差△t間に水平方向に伝搬する波の距離Lを求めることができる。そして、情報処理装置200は、距離L、及び図6に示すような第1の振動センサ12aと第1の振動センサ12a、12bとの距離dに基づいて、位相差(第1位相差)を算出する。また、時間差△tは、例えば、図5に示すように、それぞれの信号が最大値を取る時間の差により求めることができる。また、位相差は下記の式1に基づいて算出される。
【数1】
【0033】
情報処理装置200は、S106で算出された第1位相差と、各第1信号とに基づいて、第1方向の振動加速度と、第2方向の振動加速度とを算出する(S108)。図6は、第1位相差と第1信号とに基づいて、第1方向の振動加速度と第2方向の振動加速度とを算出する例を示す図である。図6では、被検知体からの振動によりユニット筐体11が傾いた状態を示しているが、これは、振動が伝播しているセンサユニット100の状態を瞬間的に表した図である。そのため、図6において、第1方向は紙面上で垂直方向であるZ方向となり、第2方向は紙面上で水平方向であるX方向となる。また図6において、ユニット筐体11が傾いた際の、第1の振動センサ12a、12bが振動を検知する方向はZ'として示される。
【0034】
図6において、第1の振動センサ12a、12bで検知される振動加速度は、矢印αで示される。ここで、振動加速度αと、この振動加速度αから分離される、第1方向の振動加速度β及び第2方向の振動加速度γとの関係は、以下の式2及び式3で表される。ここで、θはS106で算出された第1位相差を示す。
【数2】
【0035】
式2及び式3の関係を用いて分離された第1方向の振動加速度β及び第2方向の振動加速度γからは、図7に示すような第1方向の加速度スペクトル503及び、第2方向の加速度スペクトル504を得ることができる。この第1方向の加速度スペクトル503、及び第2方向の加速度スペクトル504は、第1方向の振動加速度β及び第2方向の振動加速度γが示す時間波形を、それぞれ各周波数にフーリエ変換することにより、求めることができる。
【0036】
以上、本実施形態では、共に同一の方向の振動を検知するように向きが揃えられ、並列に配置される2つの第1の振動センサ12a、12bが被検知体から検出した振動加速度を示す第1信号がそれぞれ生成される。そして、第1の振動センサ12a、12bにより生成された各第1信号が、情報処理装置200へ送信される。そして、情報処理装置200で受信された各第1信号の差分に基づいて、位相差(第1位相差)が算出される。そして、その第1位相差と、各第1信号とに基づいて、第1方向の振動加速度と、第2方向の振動加速度が算出される。これにより、安価な1軸方向の振動センサを用いて、2軸方向の振動を検知することが可能となり、被検知体の劣化を振動により検知するセンサユニットのコストを低減させることができる。その結果として、振動検知システムのコストを削減することができる。
【0037】
また、図2に示すように圧電式振動センサを配置することにより、特許文献3のように縦長に振動センサを配置するよりもユニット筐体11の高さを抑えることができ、センサユニット100をより小さく製造することができる。
【0038】
また、本実施形態において、振動検知システム1は、センサユニット100と情報処理装置200とを別々の装置として備える例を述べたが、図1に示す各処理部を有する1つの装置(センサ装置)を備える構成としてもよい。この場合においても、上述した振動検知システム1と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、本実施形態において、例えば図8に示すように、センサユニット100が、情報処理装置200の各処理部を有していてもよい。このようにすることで、送信部102を介して情報処理装置200に複数の第1信号を送信しなくとも、センサユニット100のみで、上述した振動検知システム1と同様の効果を得ることができる。
【0040】
(第2実施形態)
本実施形態は、以下の点を除いて、第1実施形態と同様である。
【0041】
図9は、第2実施形態に係る振動検知システム1の構成例を示す図である。本実施形態のセンサユニット100は、第2センサグループ22に含まれる複数の第2の振動センサ21を更に有する。送信部110は、第2センサグループに含まれる複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に取得し、情報処理装置200へ送信する。
【0042】
受信部210は、第2センサグループ22に含まれる第2の振動センサ21毎に生成された、複数の第2信号を更に受信する。位相差算出部220は、複数の第2信号に基づいて、その複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を算出する。加速度算出部230は、第1方向の振動加速度と、第1方向および第2方向と異なる第3方向の振動加速度とを、第2位相差、及び各第2信号に基づいて算出する。
【0043】
図10は、第2実施形態に係るセンサユニット100の装置構成例を示す図である。図10(a)は、センサユニット100の斜視図であり、図10(b)は、センサユニット100のA−A'面での断面図である。本実施形態におけるセンサユニット100は、第1実施形態に加えて、第2の振動センサ21a、21bを、第2センサグループ22として有する。第2の振動センサ21a、21bは、第1センサグループ13に含まれる第1の振動センサ12a、12bと同じ向きとなるように、向きが揃えられている。また、第2の振動センサ21a、21bは、第1の振動センサ12a、12bが並ぶ面を垂直方向から見た場合において、当該第1の振動センサ12a、12bが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている。これにより、加速度算出部230は、第1センサグループ13の場合と同様にして、第3方向の振動加速度を算出できる。なお、本実施形態の第2センサグループ22は、2つの第2の振動センサ21を有しているが、3つ以上の第2の振動センサ21を有していてもよい。この場合も、各々の第2の振動センサ21は、向きが揃えられ、並列に配置される。なお、図10では、第1の振動センサ12a、12bと、第2の振動センサ21a、21bとを重ねて配置する例が示されているが、第1の振動センサ12a、12bと、第2の振動センサ21a、21bとの位置関係はこれに限定されない。例えば、第1の振動センサ12a、12b及び第2の振動センサ21a、21bは、同一の平面上に配置されていてもよい。
【0044】
本実施形態おいて、第2センサグループ22は、第1センサグループ13の向きを変えて配置されたものであり、第2センサグループ22に係る処理の流れは第1実施形態と同様となるため、その説明は省略する。本実施形態では、情報処理装置200は、第2センサグループ22に含まれる第2の振動センサ21a、21bにより検出された振動加速度を示す、複数の第2信号を受信する。そして、情報処理装置200は、各第2信号の差分に基づいて、位相差(第2位相差)を算出する。そして、算出された第2位相差を、上記の式2のθに代入することで、第3方向の振動加速度を更に算出することができる。また、図10の例において、第1の振動センサ12a、12bが並ぶ面を垂直方向から見て、第1の振動センサ12a、12bが並ぶ方向と、第2の振動センサ21a、21bとが並ぶ方向が直交する場合、算出される第1方向、第2方向、及び第3方向は、それぞれ互いに直交する。
【0045】
以上より、本実施形態では、第1方向及び第2方向の振動加速度に加え、第3方向の振動加速度が更に算出される。これにより、高価な3軸センサを使用しなくとも、安価な1軸方向の振動センサによって、3軸方向の振動を検知することができる、振動検知システムを構築することができる。
【0046】
また、図10に示すように圧電式振動センサを配置することにより、特許文献3のように縦長に振動センサを配置するよりもユニット筐体11の高さを抑えることができ、センサユニット100をより小さく製造することができる。
【0047】
また、本実施形態において、第1実施形態で説明したように、センサユニット100と情報処理装置200とを併せ持つ、1つのセンサ装置としても、上述した効果を得ることができる。また、第1実施形態で説明したように、センサユニット100が情報処理装置200の各処理部を有している場合は、センサユニット100のみで上述した効果を得ることができる。
【0048】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。例えば、説明の便宜上、各実施形態において、センサユニット100や情報処理装置200が1つである構成を例に挙げたが、センサユニット100または情報処理装置200が複数である構成であってもよい。
【0049】
また、上述した各実施形態におけるセンサユニット100は、例えば、図11に示すように、水道配管に設置して使用することができる。図11は、本発明のセンサユニット100及び情報処理装置200を用いた漏水検知システムの例を示す図である。この場合、センサユニット100は、水道配管からの振動を検知して、その振動の振動加速度を示す各信号を情報処理装置200へ送信する。情報処理装置200は、センサユニット100で検知された振動を示す第1信号及び第2信号に基づいて、各方向の振動加速度を算出する。そして、情報処理装置200で算出された、各方向の振動加速度に基づいて、水道配管に生じている振動が、漏水によるものか否かを判定する。
【0050】
また、上述の説明で用いたシーケンス図では、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0051】
以下、参考形態の例を付記する。
1. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループと、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有するセンサ装置。
2. 前記第1方向は、前記被検知体に生じる振動の伝播方向に垂直な方向であり、
前記第2方向は、前記伝播方向に平行な方向である、
1.に記載のセンサ装置。
3. 前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記位相差算出部は、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記加速度算出部は、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
1.又は2.に記載のセンサ装置。
4. 前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
3.に記載のセンサ装置。
5. 前記振動センサは圧電式振動センサである、
1.から4.のいずれか1つに記載のセンサ装置。
6. 前記被検知体は水道配管である、
1.から5.のいずれか1つに記載のセンサ装置。
7. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと、情報処理装置とを備え、
前記センサユニットは、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を送信する送信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記複数の第1信号を受信する受信部と、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有する振動検知システム。
8. 前記第1方向は、前記被検知体に生じる振動の伝播方向に垂直な方向であり、
前記第2方向は、前記伝播方向に平行な方向である、
7.に記載の振動検知システム。
9. 前記センサユニットは、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記送信部は、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に送信し、
前記受信部は、
前記複数の第2信号を更に受信し、
前記位相差算出部は、
前記複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記加速度算出部は、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
7.又は8.に記載の振動検知システム。
10. 前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
9.に記載の振動検知システム。
11. 前記振動センサは圧電式振動センサである、
7.から10.のいずれか1つに記載の振動検知システム。
12. 前記被検知体は水道配管である、
7.から11.のいずれか1つに記載の振動検知システム。
13. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループと、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を外部に送信する送信部と、
を有するセンサユニット。
14. 前記センサユニットは、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記複数の第1の振動センサが並ぶ面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記送信部は、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に送信する、
13.に記載のセンサユニット。
15. 前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
14.に記載のセンサユニット。
16. 前記振動センサは圧電式振動センサである、
13.から15.のいずれか1つに記載のセンサユニット。
17. 前記被検知体は水道配管である、
13.から16.のいずれか1つに記載のセンサユニット。
18. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと通信する情報処理装置であって、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を受信する受信部と、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出部と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出部と、
を有する情報処理装置。
19. 前記センサユニットは、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記受信部は、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に受信し、
前記位相差算出部は、
前記複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記加速度算出部は、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
18.に記載の情報処理装置。
20. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサ装置が、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する、
ことを含む振動検知方法。
21. 前記第1方向は、前記被検知体に生じる振動の伝播方向に垂直な方向であり、
前記第2方向は、前記伝播方向に平行な方向である、
20.に記載の振動検知方法。
22. 前記センサ装置は、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記センサ装置が、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記加速度算出部は、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
ことを含む20.又は21.に記載の振動検知方法。
23. 前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
22.に記載の振動検知方法。
24. 前記振動センサは圧電式振動センサである、
20.から23.のいずれか1項に振動検知方法。
25. 前記被検知体は水道配管である、
20.から24.のいずれか1項に記載の振動検知方法。
26. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと、情報処理装置とにより実現される振動検知方法であって、
前記センサユニットが、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を送信し、
前記情報処理装置が、
前記複数の第1信号を受信し、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出し、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する、
ことを含む振動検知方法。
27. 前記第1方向は、前記被検知体に生じる振動の伝播方向に垂直な方向であり、
前記第2方向は、前記伝播方向に平行な方向である、
26.に記載の振動検知方法。
28. 前記センサユニットは、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記センサユニットが、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に送信し、
前記情報処理装置が、
前記複数の第2信号を更に受信し、
前記複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出し、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する、
ことを含む26.又は27.に記載の振動検知方法。
29. 前記面を垂直方向から見た場合に、前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と、前記第2の振動センサが並ぶ方向とが互いに直交する、
28.に記載の振動検知方法。
30. 前記振動センサは圧電式振動センサである、
ことを含む26.から29.のいずれか1つに記載の振動検知方法。
31. 前記被検知体は水道配管である、
ことを含む26.から30.のいずれか1つに記載の振動検知方法。
32. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサ装置に、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出機能と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出機能と、
を実現させるプログラム。
33. 前記センサ装置は、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有し、
前記センサ装置に、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出する機能と、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する機能と、
を実現させる32.に記載のプログラム。
34. 被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第1の振動センサが、向きを揃えて配置されている第1センサグループを有するセンサユニットと通信する情報処理装置を動作させるプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記第1センサグループに含まれる前記複数の第1の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第1信号を受信する受信機能と、
前記複数の第1信号に基づいて、前記複数の第1信号の位相差を示す第1位相差を算出する位相差算出機能と、
前記複数の第1の振動センサが並ぶ面に垂直な第1方向の振動加速度と、前記面に平行な第2方向の振動加速度とを、前記第1位相差及び前記複数の第1信号を用いて算出する加速度算出機能と、
を実現させるプログラム。
35. 前記センサユニットは、
前記被検知体に対する1つの方向の振動加速度を検知する複数の第2の振動センサが、前記面を垂直方向から見た場合に前記複数の第1の振動センサが並ぶ方向と異なる方向に並んで配置されている第2センサグループを更に有しており、
前記情報処理装置に、
前記第2センサグループに含まれる前記複数の第2の振動センサのそれぞれが検出した振動加速度を示す、複数の第2信号を更に受信する機能と、
前記複数の第2信号に基づいて、前記複数の第2信号の位相差を示す第2位相差を更に算出する機能と、
前記第2位相差及び前記複数の第2信号に基づいて、前記第1方向及び前記第2方向とは異なる第3方向の振動加速度を更に算出する機能と、
を実現させる34.に記載のプログラム。
【0052】
この出願は、2012年9月28日に出願された日本出願特願2012−217512号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
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