特許第6248946号(P6248946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧
特許6248946通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム
<>
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000002
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000003
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000004
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000005
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000006
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000007
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000008
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000009
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000010
  • 特許6248946-通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6248946
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 13/00 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   H04B13/00
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-551915(P2014-551915)
(86)(22)【出願日】2013年9月10日
(86)【国際出願番号】JP2013074368
(87)【国際公開番号】WO2014091806
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年7月29日
(31)【優先権主張番号】特願2012-269978(P2012-269978)
(32)【優先日】2012年12月11日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100128587
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 一騎
(72)【発明者】
【氏名】和城 賢典
(72)【発明者】
【氏名】佐古 曜一郎
(72)【発明者】
【氏名】河上 達
(72)【発明者】
【氏名】猪口 達也
【審査官】 野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−199484(JP,A)
【文献】 特開2012−023565(JP,A)
【文献】 特開2010−034617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、
前記電極部において送受信される信号を所定の周波数で共振させる共振部と、
前記電極部により受信された受信信号から電力を得て前記受信信号を処理し、負荷変調によって応答信号を前記電極部から送信させる処理部と、
を備え、
前記共振部は、
インダクタとコンデンサとで構成され、インピーダンス変換を行う第1の共振回路と、
前記第1の共振回路と電気的に接続され、インダクタとコンデンサとが並列に接続される第2の共振回路と、
を備える、通信端末。
【請求項2】
前記処理部は、前記受信信号に含まれる命令に応じた処理の処理結果を含む信号、および/または、前記受信信号に含まれる命令に応じた情報を、前記応答信号として送信させる、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記受信信号に含まれる命令が、通信端末の識別に用いることが可能な識別情報の送信を要求する識別情報送信要求である場合、前記処理部は、前記識別情報を含む信号を、前記応答信号として送信させる、請求項2に記載の通信端末。
【請求項4】
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、
前記電極部において送受信される信号を所定の周波数で共振させる共振部と、
を備え、
前記共振部は、
インダクタとコンデンサとで構成され、インピーダンス変換を行う第1の共振回路と、
前記第1の共振回路と電気的に接続され、インダクタとコンデンサとが並列に接続される第2の共振回路と、
を備える、通信端末に用いられる通信方法であって、
前記電極部により受信された受信信号から電力を得て、前記受信信号を処理するステップと、
負荷変調によって応答信号を前記電極部から送信させるステップと、
を有する、通信方法。
【請求項5】
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、
前記電極部において送受信される信号を所定の周波数で共振させる共振部と、
を備え、
前記共振部は、
インダクタとコンデンサとで構成され、インピーダンス変換を行う第1の共振回路と、
前記第1の共振回路と電気的に接続され、インダクタとコンデンサとが並列に接続される第2の共振回路と、
を備える、通信端末に用いられるプログラムであって、
前記電極部により受信された受信信号から電力を得て、前記受信信号を処理するステップ、
負荷変調によって応答信号を前記電極部から送信させるステップ、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
通信装置と、
誘電体を介して前記通信装置と通信を行う通信端末と、
を有し、
前記通信装置は、
前記誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う装置側電極部と、
前記装置側電極部において送受信される信号を、前記装置側電極部において送受信される信号の周波数で共振させる装置側共振部と、
送信信号を前記装置側電極部から送信させ、前記装置側電極部により受信された、前記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理する通信部と、
を備え、
前記通信端末は、
前記誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う端末側電極部と、
前記端末側電極部において送受信される信号を所定の周波数で共振させる端末側共振部と、
前記端末側電極部により受信された受信信号から電力を得て前記受信信号を処理し、負荷変調によって前記応答信号を前記端末側電極部から送信させる処理部と、
を備え、
前記端末側共振部は、
インダクタとコンデンサとで構成され、インピーダンス変換を行う第1の共振回路と、
前記第1の共振回路と電気的に接続され、インダクタとコンデンサとが並列に接続される第2の共振回路と、
を備える、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体を介して装置間で通信を行う人体通信に係る技術が開発されている。人体通信と、例えばNFC(Near Field Communication)による通信技術を用いた無線通信との双方を用いる技術としては、例えば下記の特許文献1に記載の技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−352318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1に記載の技術は、人体通信と、例えばNFCによる通信技術を用いた無線通信(特許文献1に記載の従来型の無線通信)との双方を用いる。よって、例えば特許文献1に記載の技術を用いる場合には、人体通信と、例えばNFCによる通信技術を用いた無線通信(特許文献1に記載の従来型の無線通信)とを組み合わせた処理を行うことによって、ユーザの利便性を向上させることができる可能性はある。
【0005】
ここで、例えば特許文献1に記載の技術が用いられる装置(特許文献1に記載の携帯デバイス)は、リーダ/ライタ機能を働かせることによってIC(Integrated Circuit)カードと無線通信を行う。しかしながら、リーダ/ライタ機能は、電源がなければ動作しない。そのため、例えば特許文献1に記載の技術が用いられる装置では、例えば備えているバッテリがきれた場合など、電力が得られない状態では、無線通信を行うことができない。
【0006】
したがって、例えば特許文献1に記載の技術を用いたとしても、ユーザの利便性を向上できるとは限らない。
【0007】
本開示では、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能な、新規かつ改良された通信端末、通信装置、通信方法、プログラム、および通信システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、上記電極部により受信された受信信号から電力を得て上記受信信号を処理し、負荷変調によって応答信号を上記電極部から送信させる処理部と、を備える、通信端末が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、送信信号を上記電極部から送信させ、上記電極部により受信された、上記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理する通信部と、を備える、通信装置が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部により受信された受信信号から電力を得て、上記受信信号を処理するステップと、負荷変調によって応答信号を上記電極部から送信させるステップと、を有する、通信方法が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、送信信号を、誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部から送信させるステップと、上記電極部により受信された、上記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理するステップと、を有する、通信方法が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部により受信された受信信号から電力を得て、上記受信信号を処理するステップ、負荷変調によって応答信号を上記電極部から送信させるステップ、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0013】
また、本開示によれば、送信信号を、誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部から送信させるステップ、上記電極部により受信された、上記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理するステップ、をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0014】
また、本開示によれば、通信装置と、誘電体を介して上記通信装置と通信を行う通信端末と、を有し、上記通信装置は、上記誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う装置側電極部と、送信信号を上記装置側電極部から送信させ、上記装置側電極部により受信された、上記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理する通信部と、を備え、上記通信端末は、上記誘電体に電界を誘起させて上記誘電体を介して信号の送受信を行う端末側電極部と、上記端末側電極部により受信された受信信号から電力を得て上記受信信号を処理し、負荷変調によって上記応答信号を上記端末側電極部から送信させる処理部と、を備える、通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る通信システムの一例を示す説明図である。
図2】本実施形態に係る通信装置の構成の一例を示す説明図である。
図3】本実施形態に係る通信装置が備える通信部の構成の一例を示す説明図である。
図4】本実施形態に係る通信装置が備える通信部の他の例を示す説明図である。
図5】本実施形態に係る通信端末の構成の一例を示す説明図である。
図6】本実施形態に係る通信端末が備える処理部の構成の一例を示す説明図である。
図7】本実施形態に係る通信端末の構成の他の例を示す説明図である。
図8】本実施形態に係る通信端末が備える処理部の構成の一例を示す説明図である。
図9】本実施形態に係る通信システムにより実現可能な第1のユースケースに係る処理の一例を示す流れ図である。
図10】本実施形態に係る通信システムにより実現可能な第2のユースケースに係る処理の一例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本実施形態に係る通信方法
2.本実施形態に係る通信システム
3.本実施形態に係るプログラム
【0019】
(本実施形態に係る通信方法)
本実施形態に係る通信システムを構成する本実施形態に係る通信端末および本実施形態に係る通信装置それぞれの構成について説明する前に、まず、本実施形態に係る通信システムの一例を説明しつつ、本実施形態に係る通信方法について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る通信システム1000の一例を示す説明図である。通信システム1000は、例えば、通信装置100と、通信端末200とを有する。
【0021】
通信装置100と通信端末200とは、誘電体Dを介して通信を行う。より具体的には、通信システム1000では、例えば、通信装置100の結合電極(後述する)に信号(電圧信号)が印加されることにより誘電体Dが分極し、誘電体Dに電界が誘起されることによって、誘電体Dを介して通信端末200の結合電極(後述する)に当該信号が伝達される。また、通信システム1000では、例えば、例えば、通信端末200の結合電極(後述する)に負荷変調により信号(電圧信号)が印加されることにより誘電体Dが分極し、誘電体Dに電界が誘起されることによって、誘電体Dを介して通信装置100の結合電極(後述する)に当該信号が伝達される。以下では、誘電体Dを介した本実施形態に係る通信を「誘電体通信」と示す場合がある。
【0022】
ここで、図1では、誘電体Dとして人体を示しているが、本実施形態に係る誘電体Dは、人体に限られない。例えば、本実施形態に係る誘電体Dとしては、樹脂や、液体、生体、セラミック、高分子化合物などが挙げられる。
【0023】
また、図1では、通信装置100が人体(誘電体Dの一例。以下、同様とする。)の足元に位置し、通信端末200が人体の腕に位置する例を示しているが、通信装置100と通信端末200との位置は、図1に示す例に限られない。通信装置100と通信端末200とは、それぞれが誘電体Dに電界を誘起させることが可能な任意の位置(誘電体通信を行うことが可能な任意の位置)に、位置していてもよい。
【0024】
以下、図1に示すような通信システム1000を例に挙げて、通信端末200における本実施形態に係る通信方法と、通信装置100における本実施形態に係る通信方法とについて説明する。
【0025】
[1]本実施形態に係る通信端末200における本実施形態に係る通信方法
まず、本実施形態に係る通信端末200における本実施形態に係る通信方法について説明する。
【0026】
通信端末200は、誘電体Dを介して電極部(後述する)により受信された受信信号(通信装置100から送信される送信信号に対応する信号)から電力を得て、当該受信信号を処理する(信号処理)。そして、通信端末200は、例えば得られた電力を用いて負荷変調を行うことによって、応答信号を電極部(後述する)から誘電体Dを介して送信する(送信処理)。つまり、通信端末200は、通信システム1000において、例えばNFCなどにおける応答器としての役目を果たす。
【0027】
通信端末200は、本実施形態に係る通信方法として、(1)信号処理、および(2)送信処理、を行う。
【0028】
ここで、通信端末200は、誘電体Dを介して受信された受信信号から電力を得て駆動し、当該受信信号を処理して応答信号を負荷変調により送信する。つまり、本実施形態に係る通信システム1000では、通信端末200は、誘電体通信を行うための別途の電源や電源回路を備えなくとも、誘電体Dを介して通信装置100と通信を行うことが可能である。
【0029】
よって、例えば、通信端末200がバッテリなどの電源を有していない場合や、電源を備えていても当該電源がきれている場合など、電源から電力が得られない状態であっても、通信端末200は、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体Dを介して送信することができる。つまり、通信端末200が用いられることによって、通信端末200のユーザが、通信端末200において電力が得られないことによって、通信システム1000において提供されるサービス(サービスの例は、後述する。)を受けることができないなどの、利便性を低下させる事態が防止される。
【0030】
したがって、通信端末200は、本実施形態に係る通信方法として、上記(1)の処理(信号処理)および上記(2)の処理(送信処理)を行うことによって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0031】
また、通信端末200は、例えば、ユーザ操作に応じた信号(ユーザの指示を示す信号)が入力されなくとも、受信された受信信号の処理結果に基づいて負荷変調を行うことにより、応答信号を誘電体Dを介して送信することができる。
【0032】
[2]本実施形態に係る通信装置100における本実施形態に係る通信方法
次に、本実施形態に係る通信装置100における本実施形態に係る通信方法について説明する。
【0033】
通信装置100は、送信信号を、誘電体Dに電界を誘起させて誘電体Dを介して信号の送受信を行う電極部(後述する)から送信させる(送信処理)。また、通信装置100は、送信信号に対して通信端末200から負荷変調により送信された応答信号を処理する(信号処理)。つまり、通信装置100は、通信システム1000において、例えばNFCなどにおけるリーダ/ライタ(または質問器)としての役目を果たす。
【0034】
通信装置100は、本実施形態に係る通信方法として、(I)送信処理、および(II)信号処理、を行う。
【0035】
上述したように、通信システム1000において通信端末200は、通信装置100が上記(I)の処理(送信処理)において送信した送信信号から電力を得て駆動し、送信信号に対する応答信号を送信する。また、通信装置100は、上記(II)の処理(信号処理)において、通信端末200から負荷変調により送信された応答信号を処理する。つまり、通信装置100と通信端末200とを有する通信システム1000では、通信端末200において電力が得られないことによって、通信端末200のユーザが、通信システム1000において提供されるサービス(サービスの例は、通信システム1000におけるユースケースとして後述する。)を受けることができないなどの、利便性を低下させる事態が防止される。
【0036】
したがって、通信装置100が、本実施形態に係る通信方法として、上記(I)の処理(送信処理)および上記(II)の処理(信号処理)を行うことによって、誘電体Dを介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能な通信システムが実現される。
【0037】
(本実施形態に係る通信システム)
次に、上述した本実施形態に係る通信装置における通信方法を行うことが可能な通信装置100の構成の一例と、本実施形態に係る通信端末における通信方法を行うことが可能な通信端末200の構成の一例とについて、それぞれ説明する。また、以下では、本実施形態に係る通信方法が適用されることにより実現可能な、通信システム1000におけるユースケースについても説明する。
【0038】
[I]本実施形態に係る通信装置100の構成
図2は、本実施形態に係る通信装置100の構成の一例を示す説明図である。
【0039】
通信装置100は、例えば、電極部102(装置側電極部)と、共振部104と、通信部106とを備える。
【0040】
また、通信装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory。図示せず)や、RAM(Random Access Memory。図示せず)、制御部(図示せず)、記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、様々な画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えていてもよい。通信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により上記各構成要素間を接続する。
【0041】
ここで、制御部(図示せず)は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)や各種処理回路などで構成され、通信装置100全体を制御する。また、制御部(図示せず)は、例えば、通信部106の役目を果たしてもよい。
【0042】
ROM(図示せず)は、制御部(図示せず)が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部(図示せず)により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
【0043】
記憶部(図示せず)は、通信装置100が備える記憶手段であり、例えば、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)などが挙げられる。また、記憶部(図示せず)は、通信装置100から着脱可能であってもよい。
【0044】
操作部(図示せず)としては、例えば、ボタンや、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。また、通信装置100は、例えば、通信装置100の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)と接続可能であってもよい。
【0045】
表示部(図示せず)は、通信装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報(例えば、画像、および/または、文字など)を表示する。表示部(図示せず)の表示画面に表示される画面としては、例えば、所望する動作を通信装置100に対して行わせるための操作画面や、通信装置100のユーザに対するメッセージが表示される画面などが挙げられる。
【0046】
ここで、表示部(図示せず)としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などの表示デバイスが挙げられる。また、通信装置100は、例えばタッチスクリーンで表示部(図示せず)を構成することもできる。上記の場合には、表示部(図示せず)は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
【0047】
電極部102は、誘電体Dに電界を誘起させて誘電体Dを介して信号の送受信を行う。電極部102は、例えば、基準電極110と、結合電極112とを備える。
【0048】
基準電極110は、電極部102においてグランド(基準電位となる位置)の役目を果たす。基準電極110としては、例えば、結合電極112よりも面積が大きい金属板や、導電性のマット、導電性のシートなどが挙げられる。
【0049】
結合電極112は、電極部102において、誘電体Dを介した送信信号の送信や応答信号の受信など、誘電体Dを介した信号の送受信を行う。結合電極112としては、例えば、基準電極110よりも面積が小さい金属板や、基準電極110よりも面積が小さい導電性のマット、基準電極110よりも面積が小さい導電性のシートなどが挙げられる。また、結合電極112は、例えば、基準電極110よりも誘電体Dに対して静電結合が強くなる位置に設けられる。
【0050】
共振部104は、電極部102において送受信される信号を所定の周波数で共振させる。図2では、共振部104が、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL1と所定の静電容量を有するキャパシタC1とで構成され、インピーダンス変換を行う共振回路で構成されている例を示している。共振部104が信号を共振させる所定の周波数(共振周波数)としては、例えば、13.56[MHz]など、電極部102において送受信される信号の周波数が挙げられる。
【0051】
なお、共振部104の構成は、図2に示す構成に限られない。例えば、共振部104は、電極部102において送受信される信号を所定の周波数で共振させることが可能な、任意の共振回路で構成されていてもよい。また、共振部104は、例えばトランスなどインピーダンス変換を行うことが可能な回路を含んで構成されてもよい。
【0052】
通信部106は、本実施形態に係る通信方法に係る上記(I)の処理(送信処理)および上記(II)の処理(信号処理)を主導的に行う役目を果たす。より具体的には、通信部106は、例えば、送信信号を電極部102から送信させ、また、電極部102により受信された、送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理する。
【0053】
図3は、本実施形態に係る通信装置100が備える通信部106の構成の一例を示す説明図である。ここで、図3では、共振部104を併せて示している。
【0054】
通信部106は、例えば、信号生成部150と、復調部152と、処理部154とを備え、NFCなどにおけるリーダ/ライタ(または質問器)としての役目を果たす。また、通信部106は、例えば、暗号化回路(図示せず)や通信衝突防止(アンチコリジョン)回路などをさらに備えてもよい。
【0055】
信号生成部150は、例えば処理部154から伝達される信号生成命令を受け、信号生成命令に応じた信号(本実施形態に係る送信信号に該当する信号)を生成する。また、信号生成部150は、例えば処理部154から伝達される、信号の送信停止を示す信号送信停止命令を受け、信号の生成を停止する。ここで、図4では、信号生成部150として交流電源を示しているが、本実施形態に係る信号生成部150の構成は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る信号生成部150は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調を行う変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)とを備えることができる。
【0056】
ここで、信号生成部150が生成する信号としては、例えば、識別情報の送信を要求する識別情報送信要求(命令の一例)が含まれる信号や、外部装置に対する各種処理命令や処理するデータを含む信号が挙げられる。
【0057】
本実施形態に係る識別情報とは、通信端末200などの誘電体Dを介して通信を行う外部装置の識別に用いることが可能な情報(データ)である。本実施形態に係る識別情報としては、例えば、外部装置固有の識別番号を示すデータや、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)を示すデータ、外部装置の種類を示すデータ(例えば、メーカや型番などを示すデータ)、外部装置使用時(外部装置の駆動時)における電力波形を示す電力波形データなどが挙げられる。なお、本実施形態に係る識別情報は、外部装置の識別に用いることが可能な情報であれば、上記の例に限られない。
【0058】
なお、信号生成部150が生成する信号は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る信号は、通信端末200などの誘電体Dを介して通信を行う外部装置に対して電力供給を行う役目を果たす信号(例えば、無変調の信号)であってもよい。
【0059】
復調部152は、例えば、信号生成部150と共振部104との間における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、電極部102が受信した応答信号を復調する。そして、復調部152は、復調した応答信号を、処理部154へ伝達する。なお、復調部152における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、復調部152は、信号生成部150と共振部104との間における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
【0060】
処理部154は、例えばMPUなどで構成され、復調部152から伝達される応答信号を処理する。処理部154における処理の例(通信部106における処理の例)については、後述する通信システム1000におけるユースケースにおいて説明する。
【0061】
本実施形態に係る通信部106は、例えば図3に示す構成によって、送信信号を電極部102から送信させ、また、電極部102により受信された応答信号を処理する。
【0062】
なお、本実施形態に係る通信部106の構成は、図3に示す構成に限られない。図4は、本実施形態に係る通信装置100が備える通信部106の他の例を示す説明図である。ここで、図4では、図3と同様に、共振部104を併せて示している。
【0063】
他の例に係る通信部106は、信号生成部150と、復調部152と、処理部154と、第1搬送波送受信部156と、第2搬送波送受信部158とを備える。また、他の例に係る通信部106は、例えば、暗号化回路(図示せず)や通信衝突防止(アンチコリジョン)回路などをさらに備えてもよい。
【0064】
信号生成部150は、図3に示す信号生成部150と同様に、信号生成命令に応じた信号を生成し、信号送信停止命令に応じて信号の生成を停止する。
【0065】
復調部152は、後述する第1搬送波送受信部156のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、電極部102が受信した応答信号を復調する。なお、復調部152における応答信号の復調手段は、上記に限られず、復調部152は、例えば、第1搬送波送受信部156のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
【0066】
第1搬送波送受信部156は、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL2と所定の静電容量を有するキャパシタC2とを備え、共振回路を構成する。ここで、第1搬送波送受信部156の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などが挙げられる。第1搬送波送受信部156は、上記構成により、信号生成部150が生成した信号を送信し、また、電極部102により受信された応答信号を受信する。つまり、第1搬送波送受信部156は、通信部106における第1の通信アンテナとしての役目を果たす。
【0067】
第2搬送波送受信部158は、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL3と所定の静電容量を有するキャパシタC3とを備え、共振回路を構成する。ここで、第2搬送波送受信部158の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などが挙げられる。第2搬送波送受信部158は、上記構成により、第1搬送波送受信部156から送信された信号を受信し、また、電極部102により受信された応答信号を送信する。つまり、第2搬送波送受信部158は、通信部106における第2の通信アンテナとしての役目を果たす。
【0068】
本実施形態に係る通信部106は、図4に示す構成であっても、図3に示す構成と同様に、送信信号を電極部102から送信させ、また、電極部102により受信された応答信号を処理する。
【0069】
通信装置100は、例えば図2に示す構成によって、本実施形態に係る通信方法に係る上記(I)の処理(送信処理)および上記(II)の処理(信号処理)を行う。したがって、通信装置100が例えば図2に示す構成を有することによって、誘電体Dを介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能な通信システムが実現される。
【0070】
なお、本実施形態に係る通信装置100の構成は、図2に示す構成に限られない。
【0071】
例えば、通信装置100は、共振部104を備えない構成をとることも可能である。共振部104を備えない場合であっても、通信装置100は、送信信号を電極部102から送信させ、また、電極部102により受信された応答信号を処理することができる。よって、通信装置100が共振部104を備えない場合であっても、誘電体Dを介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能な通信システムを実現することが可能である。
【0072】
[II]本実施形態に係る通信端末200の構成
図5は、本実施形態に係る通信端末200の構成の一例を示す説明図である。
【0073】
通信端末200は、例えば、電極部202(端末側電極部)と、共振部204Aと、処理部206Aとを備える。
【0074】
また、通信端末200は、例えば、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)、制御部(図示せず)、記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、様々な画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えていてもよい。通信端末200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。
【0075】
ここで、制御部(図示せず)は、例えば、MPUや各種処理回路などで構成され、通信端末200全体を制御する。また、制御部(図示せず)は、例えば、処理部206Aの役目を果たしてもよい。
【0076】
ROM(図示せず)は、制御部(図示せず)が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部(図示せず)により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
【0077】
記憶部(図示せず)は、通信端末200が備える記憶手段であり、例えば、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどが挙げられる。また、記憶部(図示せず)は、通信端末200から着脱可能であってもよい。
【0078】
操作部(図示せず)としては、例えば、ボタンや、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。また、通信端末200は、例えば、通信端末200の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)と接続可能であってもよい。
【0079】
表示部(図示せず)は、通信端末200が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報(例えば、画像、および/または、文字など)を表示する。表示部(図示せず)の表示画面に表示される画面としては、例えば、所望する動作を通信端末200に対して行わせるための操作画面や、通信端末200のユーザに対するメッセージが表示される画面などが挙げられる。
【0080】
ここで、表示部(図示せず)としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示デバイスが挙げられる。また、通信端末200は、例えばタッチスクリーンで表示部(図示せず)を構成することもできる。上記の場合には、表示部(図示せず)は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
【0081】
電極部202は、誘電体Dに電界を誘起させて誘電体Dを介して信号の送受信を行う。電極部202は、例えば、基準電極210と、結合電極212とを備える。
【0082】
基準電極210は、電極部202においてグランドの役目を果たす。基準電極210としては、例えば、結合電極212よりも面積が大きい金属板などが挙げられる。
【0083】
結合電極212は、電極部202において、誘電体Dを介した受信信号の受信や応答信号の送信など、誘電体Dを介した信号の送受信を行う。結合電極212としては、例えば、基準電極210よりも面積が小さい金属板などが挙げられる。また、結合電極212は、例えば、基準電極210よりも誘電体Dに対して静電結合が強くなる位置に設けられる。
【0084】
共振部204Aは、電極部202において送受信される信号を所定の周波数で共振させる。図5では、共振部204Aが、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL4と所定の静電容量を有するキャパシタC4、C5とで構成され、インピーダンス変換を行う共振回路(第1の共振回路)で構成されている例を示している。共振部204Aが信号を共振させる所定の周波数(共振周波数)としては、例えば、13.56[MHz]など、電極部202において送受信される信号の周波数が挙げられる。
【0085】
なお、共振部204Aの構成は、図5に示す構成に限られない。例えば、共振部204Aは、電極部202において送受信される信号を所定の周波数で共振させることが可能な、任意の共振回路で構成されていてもよい。また、共振部204Aは、例えばトランスなどインピーダンス変換を行うことが可能な回路を含んで構成されてもよい。
【0086】
処理部206Aは、本実施形態に係る通信方法に係る上記(1)の処理(信号処理)および上記(2)の処理(送信処理)を行う役目を果たす。より具体的には、処理部206Aは、例えば、誘電体Dを介して受信された受信信号から電力を得て駆動し、当該受信信号を処理して応答信号を負荷変調により電極部202から送信させる。
【0087】
図6は、本実施形態に係る通信端末200が備える処理部206Aの構成の一例を示す説明図である。ここで、図6では、共振部204Aを併せて示している。また、図6では、処理部206Aが、電極部202において受信された受信信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を送信させるICチップ250を備える構成を示している。なお、本実施形態に係る処理部206Aは、図6に示すICチップ250を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
【0088】
ICチップ250は、例えば、検出部252と、検波部254と、レギュレータ256と、復調部258と、データ処理部260と、負荷変調部262とを備える。なお、図6では示していないが、ICチップ250は、例えば、過電圧や過電流がデータ処理部260に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオードなどで構成されたクランプ回路が挙げられる。
【0089】
また、ICチップ250は、例えば、ROM264と、RAM266と、内部メモリ268とを備える。データ処理部260と、ROM264、RAM266、内部メモリ268とは、例えば、データの伝送路としてのバス270によって接続される。
【0090】
キャリア検出部252は、共振部204Aから伝達される信号に基づいて、例えば、矩形の検出信号を生成し、当該検出信号をデータ処理部260へ伝達する。また、データ処理部260は、伝達される上記検出信号を、例えば、データ処理のための処理クロックとして用いる。ここで、上記検出信号は、共振部204Aから伝達される信号に基づくものであるので、電極部202が受信した受信信号の周波数と同期することとなる。したがって、ICチップ250は、キャリア検出部252を備えることによって、誘電体Dを介して通信を行う通信装置100との間の処理を、通信装置100と同期して行うことができる。
【0091】
検波部256は、共振部204Aから伝達される信号(電圧信号)を整流する。ここで、検波部256は、例えば、ダイオードD1と、キャパシタC6とで構成される。
【0092】
レギュレータ256は、共振部204Aから伝達される信号を平滑、定電圧化し、データ処理部260へ駆動電圧を出力する。ここで、レギュレータ256は、例えば、共振部204Aから伝達される信号の直流成分を駆動電圧として用いる。
【0093】
復調部258は、共振部204Aから伝達される信号に基づいて受信信号を復調し、受信信号に対応するデータ(例えば、ハイレベルとローレベルとの2値化されたデータ信号)を出力する。ここで、復調部258は、例えば、共振部204Aから伝達される信号の交流成分をデータとして出力する。
【0094】
データ処理部260は、例えば、レギュレータ256から出力される駆動電圧を電源として駆動し、復調部258において復調されたデータの処理を行う。ここで、データ処理部260は、例えば、MPUや各種処理回路などで構成される。
【0095】
また、データ処理部260は、応答信号の送信に係る負荷変調を制御する制御信号(例えば、ハイレベル/ローレベルの信号)を処理結果に応じて選択的に生成する。そして、データ処理部260は、制御信号を負荷変調部262へと選択的に出力する。
【0096】
データ処理部260が制御信号を負荷変調部262へ出力することによって、負荷変調部262において負荷変調が行われ、変調に応じた信号が共振部204Aへと伝達される。つまり、データ処理部260が出力する制御信号は、応答信号の送信を制御する信号に該当する。ここで、データ処理部260が生成する制御信号としては、例えば、受信信号に含まれる命令(要求)に応じた処理結果を含む信号や、識別情報など内部メモリ268に記憶されているデータ(受信信号に含まれる命令(要求)に応じた情報の一例)を含む信号、当該処理結果および記憶されている当該データを含む信号などが挙げられる。
【0097】
また、データ処理部260は、例えば、復調部258において復調されたデータに含まれる命令に基づいて、内部メモリ268に記憶されたデータの読出しや更新などを行う。
【0098】
負荷変調部262は、例えば、負荷ZとスイッチSW1とを備え、データ処理部260から伝達される制御信号の信号レベル(例えばハイレベル/ローレベル)に応じて負荷Zを選択的に接続する(有効化する)ことによって負荷変調を行う。ここで、負荷Zは、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗で構成されるが、負荷Zは、上記に限られない。また、スイッチSW1は、例えば、pチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)や、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、スイッチSW1は、上記に限られない。
【0099】
ROM264は、データ処理部260が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM266は、データ処理部260により実行されるプログラムや、演算結果、実行状態などを一時的に記憶する。
【0100】
内部メモリ268は、ICチップ250が備える記憶手段であり、例えば耐タンパ性を有し、データ処理部260によって、例えば、データの読出しや、データの新規書込み、データの更新が行われる。内部メモリ268には、例えば、識別情報や、電子バリュー、暗号化などに用いられる鍵データ、アプリケーションなど様々なデータが記憶される。ここで、図6では、内部メモリ268が、識別情報272と電子バリュー274とを記憶している例を示しているが、内部メモリ268に記憶されるデータは、上記に限られない。
【0101】
ICチップ250は、例えば図6に示す構成によって、電極部202により受信された受信信号(図6の例では共振部204Aから伝達される信号)から電力を得て駆動し、当該受信信号を処理して応答信号を負荷変調により送信する。なお、本実施形態に係るICチップ250の構成が、図6に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0102】
処理部206Aは、例えば図6に示す構成によって、誘電体Dを介して電極部202により受信された受信信号から電力を得て駆動し、当該受信信号を処理して応答信号を負荷変調により電極部202から送信させる。
【0103】
通信端末200は、例えば図5に示す構成によって、本実施形態に係る通信方法に係る上記(1)の処理(信号処理)および上記(2)の処理(送信処理)を行う。したがって、通信端末200は、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0104】
なお、本実施形態に係る通信端末200の構成は、図5に示す構成に限られない。
【0105】
図7は、本実施形態に係る通信端末200の構成の他の例を示す説明図である。
【0106】
他の例に係る通信端末200は、例えば、電極部202(端末側電極部)と、共振部204Bと、処理部206Bとを備える。
【0107】
また、他の例に係る通信端末200は、例えば、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)、制御部(図示せず)、記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、様々な画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えていてもよい。通信端末200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。
【0108】
共振部204Bは、電極部202において送受信される信号を所定の周波数で共振させる。共振部204Bは、例えば、第1の共振回路214と、第2の共振回路216とで構成される。
【0109】
第1の共振回路214は、図5に示す共振部204Aと同様の構成を有し、インピーダンス変換を行う。
【0110】
第2の共振回路216は、第1の共振回路214と電気的に接続され、所定のインダクタンスを有するインダクタL5と所定の静電容量を有するコンデンサC7とが並列に接続される。第2の共振回路216が信号を共振させる所定の周波数(共振周波数)としては、例えば、13.56[MHz]など、電極部202において送受信される信号の周波数が挙げられる。
【0111】
第2の共振回路216は、上記構成により、電極部202が受信した受信信号を送信し、また、後述する処理部206Bから送信される応答信号を受信する。つまり、第2の共振回路216は、共振部204Bにおける通信アンテナとしての役目を果たす。
【0112】
共振部204Bは、例えば上記のような第1の共振回路214および第2の共振回路216で構成される。なお、共振部204Bの構成は、図6に示す構成に限られない。例えば、共振部204Bを構成する第1の共振回路は、例えばトランスなどインピーダンス変換を行うことが可能な回路を含んで構成されてもよい。
【0113】
処理部206Bは、本実施形態に係る通信方法に係る上記(1)の処理(信号処理)および上記(2)の処理(送信処理)を行う役目を果たす。より具体的には、処理部206Bは、例えば、誘電体Dを介して受信された受信信号から電力を得て駆動し、当該受信信号を処理して応答信号を負荷変調により電極部202から送信させる。
【0114】
図8は、本実施形態に係る通信端末200が備える処理部206Bの構成の一例を示す説明図である。ここで、図8では、共振部204Bを併せて示している。また、図8では、処理部206Bが、電極部202において受信された受信信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を送信させるICチップ250を備える構成を示している。なお、本実施形態に係る処理部206Bは、図8に示すICチップ250を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
【0115】
処理部206Bは、共振回路280と、ICチップ250とを備える。
【0116】
共振回路280は、所定のインダクタンスを有するインダクタL6と所定の静電容量を有するコンデンサC8とが並列に接続される。共振回路280が信号を共振させる所定の周波数(共振周波数)としては、例えば、13.56[MHz]など、電極部202において送受信される信号の周波数が挙げられる。
【0117】
共振回路280は、上記構成により、共振部204Bの第2の共振回路216から送信される受信信号を受信し、また、ICチップ250から伝達される応答信号を送信する。より具体的には、共振回路280は、受信信号の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせ、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧をICチップ250へと出力する。また、共振回路280は、ICチップ250が備える負荷変調部264において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。つまり、共振回路280は、処理部206Bにおける通信アンテナとしての役目を果たす。
【0118】
ICチップ250は、共振回路280から伝達される受信電圧に基づいて、図6に示すICチップ250と同様に処理を行う。
【0119】
処理部206Bは、図8に示す構成であっても、図6に示す構成と同様に、電極部202により受信された受信信号(図8の例では共振部204Bから送信される信号)から電力を得て駆動し、当該受信信号を処理して応答信号を負荷変調により送信する。
【0120】
他の例に係る通信端末200は、例えば図7に示す構成によって、図5に示す構成をとる場合と同様に、本実施形態に係る通信方法に係る上記(1)の処理(信号処理)および上記(2)の処理(送信処理)を行う。したがって、他の例に係る通信端末200は、図5に示す通信端末200と同様に、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0121】
[3]通信システム1000におけるユースケース
次に、例えば上述した構成の通信装置100および通信端末200を有する通信システム1000により実現可能なユースケースについて説明する。
【0122】
(i)第1のユースケース:ドアの選択的な開錠
第1のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100は、例えば人(誘電体の一例)が触れるドアノブに設けられる。また、通信端末200は、人(誘電体の一例)に身に着けられている。通信端末200を身に着けている人(誘電体の一例)がドアノブに触れると、通信装置100と通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信が行われる。そして、通信装置100は、通信結果に基づく処理によって、ドアを選択的に開錠する。
【0123】
図9は、本実施形態に係る通信システム1000により実現可能な第1のユースケースに係る処理の一例を示す流れ図である。ここで、図9は、通信装置100における処理の一例を示している。図9に示す各処理は、例えば、通信部106や、通信部106および制御部(図示せず)などによって、主導的に行われる。
【0124】
通信装置100は、識別情報を送信させるための識別情報送信要求を、電極部102から送信する(S100)。通信装置100は、例えば、ポーリングを行い、当該ポーリングに対する応答が検出された場合に、識別情報送信要求を送信する。なお、通信装置100は、例えば、ドアノブに設けられているタッチセンサの検出結果に基づいて、ドアノブへの接触が検出された場合に、識別情報送信要求を送信してもよい。
【0125】
ステップS100の処理を行うと、通信装置100は、識別情報が取得されたか否かを判定する(S102)。
【0126】
ステップS102において識別情報が取得されたと判定されない場合には、通信装置100は、識別情報が取得されたと判定されるまで処理を進めない。なお、ステップS100の処理が行われてから設定されている所定の時間、識別情報が取得されたと判定されない場合には、通信装置100は、例えば、処理を終了してもよい。
【0127】
また、ステップS102において識別情報が取得されたと判定された場合には、通信装置100は、識別情報を用いた認証処理を行う(S104)。通信装置100は、例えば、取得された識別情報が、データベースに登録されている場合に、識別情報に対応する通信端末200を認証する。ここで、通信装置100は、例えば、記憶部(図示せず)に記憶されているデータベースを用いてステップS104の処理を行ってもよいし、サーバなどの外部装置と通信を行い、当該外部装置に記憶されているデータベースを用いてステップS104の処理を行ってもよい。なお、通信装置100は、識別情報を用いて認証を行うことが可能な、任意の認証処理をステップS104において行うことが可能である。
【0128】
通信装置100は、正常に認証されたか否かを判定する(S106)。
【0129】
ステップS106において認証されたと判定された場合には、通信装置100は、ドアを開錠させる(S108)。ここで、ステップS108におけるドアの開錠は、認証結果に対応する処理の一例である。
【0130】
また、ステップS106において認証されたと判定されない場合には、通信装置100は、例えば、音声出力デバイスから警告音を発信させ、また、撮像デバイスにドアノブに触れている誘電体を撮像させる(S110)。ここで、ステップS108における警告音の発信や撮像に係る制御は、認証結果に対応する処理の一例である。
【0131】
例えば通信装置100において図9に示す処理が行われることによって、第1のユースケースでは、通信端末200を身に着けているユーザ(誘電体の一例)は、ドアノブに触れるだけでドアを開錠させることが可能となる。
【0132】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信端末200を身に着けているユーザ(誘電体の一例)は、ドアノブに触れるだけでドアを開錠させることができる。
【0133】
したがって、第1のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。なお、第1のユースケースに係る通信装置100における処理が、図9に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0134】
(ii)第2のユースケース:無線通信機能の選択的な有効化
第2のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100と通信端末200とは、ユーザ(誘電体の一例)に身に着けられている。また、通信端末200には、例えばIMSIを示すデータ(識別情報の一例)など、通信装置100における無線通信機能を有効化させるための認証に用いられる情報が記憶されている(例えば、通信端末200がSIM(Subscriber Identity Module)カードを備えている場合などが該当する。)無線通信機能の有効化するためのユーザ操作が検出されると、通信装置100は、通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信を行う。そして、通信装置100は、通信結果に基づく処理によって、自装置の無線通信機能を選択的に有効化する。
【0135】
図10は、本実施形態に係る通信システム1000により実現可能な第2のユースケースに係る処理の一例を示す流れ図である。ここで、図10は、通信装置100における処理の一例を示している。図10に示す各処理は、例えば、通信部106や、通信部106および制御部(図示せず)などによって、主導的に行われる。
【0136】
通信装置100は、誘電体通信機能が有効であるか否かを判定する(S200)。ステップS200において誘電体通信機能が有効であると判定されない場合には、通信装置100は、誘電体通信機能を有効にし(S202)、再度ステップS200からの処理を繰り返す。
【0137】
ステップS200において誘電体通信機能が有効であると判定された場合には、通信装置100は、図9のステップS100と同様に、識別情報送信要求を、電極部102から送信する(S204)。
【0138】
ステップS204の処理を行うと、通信装置100は、識別情報が取得されたか否かを判定する(S206)。
【0139】
ステップS206において識別情報が取得されたと判定されない場合には、通信装置100は、識別情報が取得されたと判定されるまで処理を進めない。なお、ステップS204の処理が行われてから設定されている所定の時間、識別情報が取得されたと判定されない場合には、通信装置100は、例えば、処理を終了してもよい。
【0140】
また、ステップS206において識別情報が取得されたと判定された場合には、通信装置100は、識別情報を用いてSIMを認証する(S208)。ここで、ステップS210の認証に係る識別情報としては、例えば、IMSIを示すデータなどが挙げられる。
【0141】
通信装置100は、正常にSIMが認証されたか否かを判定する(S210)。
【0142】
ステップS210において認証されたと判定された場合には、通信装置100は、無線通信機能を有効にする(S212)。また、ステップS210において認証されたと判定されない場合には、通信装置100は、無線通信機能を有効にしない(S214)。ここで、ステップS212、S214における無線通信機能の選択的な有効化は、認証結果に対応する処理の一例である。
【0143】
例えば通信装置100において図10に示す処理が行われることによって、第2のユースケースでは、例えば通信装置100にSIMカードが存在しない場合であっても、通信装置100における無線通信機能を有効化することが可能となる。
【0144】
また、第2のユースケースでは、ユーザは、既存のケースのように通信装置においてSIMカードの入れ替えを行うことなく、例えば、記憶しているIMSIを示すデータ(識別情報の一例)が異なる通信端末200を身に着けるだけで、通信装置100において異なる電話番号を用いた無線通信を行うことができる。
【0145】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信装置100の無線通信機能を選択的に有効化することができる。
【0146】
したがって、第2のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。なお、第2のユースケースに係る通信装置100における処理が、図10に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0147】
(iii)第3のユースケース:自動改札
第3のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100は、改札口において、例えば図1に示すように、人(誘電体の一例)が歩く床に設けられ、通信端末200は、当該人(誘電体の一例)に身に着けられている。通信端末200を身に着けている人(誘電体の一例)が、通信装置100が設けられている床を通ると、通信装置100と通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信が行われる。そして、通信装置100は、通信結果に基づいて改札に係る処理を行う。
【0148】
第3のユースケースでは、通信端末200を身に着けているユーザ(誘電体の一例)は、改札口を通るだけで、通信装置100(または、通信装置100を含む改札システム)に改札に係る処理を行わせることが可能となる。
【0149】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信端末200を身に着けているユーザ(誘電体の一例)は、通信装置100(または、通信装置100を含む改札システム)に改札に係る処理を行わせることができる。
【0150】
したがって、第3のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0151】
(iv)第4のユースケース:自動販売機
第4のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100は、例えば、自動販売機において、人(誘電体の一例)が商品を選択するときに触れる部分(例えば、選択ボタン部分など)に設けられる。また、通信端末200は、人(誘電体の一例)に身に着けられている。通信端末200を身に着けている人(誘電体の一例)が、自動販売機において商品を選択する部分に触れると、通信装置100と通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信が行われる。そして、通信装置100は、通信端末200に記憶されている電子バリューを用いた課金処理を行い、正常に課金が行われた場合に、自動販売機に、選択された商品を、通信端末200を身に着けている人(誘電体の一例)に対して渡させる。
【0152】
第4のユースケースでは、通信端末200を身に着けているユーザ(誘電体の一例)は、自動販売機において商品を選択するだけで、通信装置100(または、通信装置100を含む自動販売機システム)に、商品の販売に係る処理を行わせることが可能となる。
【0153】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信端末200を身に着けているユーザ(誘電体の一例)は、通信装置100(または、通信装置100を含む自動販売機システム)に、商品の販売に係る処理を行わせることができる。
【0154】
したがって、第4のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0155】
(v)第5のユースケース:家畜の個体管理
第5のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100は、例えば、家畜(誘電体の一例)を飼育している小屋の入り口の、家畜(誘電体の一例)が歩く床に設けられる。また、通信端末200は、例えば、家畜(誘電体の一例)に身に着けられている、または、家畜(誘電体の一例)の体に埋め込まれている。上記家畜(誘電体の一例)が通信装置100が設けられている床を通ると、通信装置100と通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信が行われる。そして、通信装置100(または、通信装置100を含む個体管理システム)は、通信結果に基づいて個体管理に係る処理を行う。
【0156】
第5のユースケースでは、上記家畜(誘電体の一例)が通信装置100が設けられている床を通るだけで、通信装置100(または、通信装置100を含む個体管理システム)は、家畜の個体管理に係る処理を行うことが可能となる。よって、第5のユースケースでは、家畜を飼育しているユーザなど、家畜の個体管理を所望するユーザにおける、家畜の個体管理に係る負荷が軽減される。
【0157】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信装置100(または、通信装置100を含む個体管理システム)は、家畜の個体管理に係る処理を行うことができる。
【0158】
したがって、第5のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0159】
(vi)第6のユースケース:車両の認証管理
第6のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100は、例えば、駐車場や道路において、自動車や自動二輪車、自転車などの車両が通る場所に設けられる。また、通信端末200は、例えば、車両が備えるタイヤ(誘電体の一例)に設けられる。上記タイヤ(誘電体の一例)を備える車両が通信装置100が設けられている場所を通ると、通信装置100と通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信が行われる。そして、通信装置100(または、通信装置100を含む認証管理システム)は、通信結果に基づいて、車両の認証管理に係る処理を行う。
【0160】
第6のユースケースでは、上記タイヤ(誘電体の一例)を備える車両が通信装置100が設けられている場所を通るだけで、通信装置100(または、通信装置100を含む認証管理システム)は、車両の認証管理に係る処理を行うことが可能となる。よって、第6のユースケースでは、例えば駐車場の管理者や道路の管理者など、車両の認証管理を所望するユーザにおける、車両の認証管理に係る負荷が軽減される。
【0161】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信装置100(または、通信装置100を含む認証管理システム)は、車両の認証管理に係る処理を行うことができる。
【0162】
したがって、第6のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0163】
(vii)第7のユースケース:製造管理
第7のユースケースに係る通信システム1000では、通信装置100は、例えば、工場の生産ラインにおいて、製造物(誘電体の一例)が通る床に設けられる。また、通信端末200は、例えば、製造物(誘電体の一例)に設けられる。上記製造物(誘電体の一例)が通信装置100が設けられている床を通ると、通信装置100と通信端末200との間で本実施形態に係る通信方法を用いた誘電体通信が行われる。そして、通信装置100(または、通信装置100を含む製造管理システム)は、通信結果に基づいて、製造物の製造管理に係る処理を行う。
【0164】
第7のユースケースでは、上記製造物(誘電体の一例)が通信装置100が設けられている床を通るだけで、通信装置100(または、通信装置100を含む製造管理システム)は、製造物の製造管理に係る処理を行うことが可能となる。よって、第7のユースケースでは、例えば工場の管理者など、製造物の製造管理を所望するユーザにおける、製造物の製造管理に係る負荷が軽減される。
【0165】
また、上述したように、本実施形態に係る通信端末200は、電源から電力が得られない状態であっても、受信された受信信号を処理し、応答信号を誘電体を介して送信することが可能である。つまり、通信端末200が電源から電力が得られない状態であっても、通信装置100(または、通信装置100を含む製造管理システム)は、製造物の製造管理に係る処理を行うことができる。
【0166】
したがって、第7のユースケースに係る通信システム1000は、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0167】
例えば上述した構成の通信装置100、通信端末200を有する通信システム1000によって、上記第1のユースケース〜上記第7のユースケースが実現される。なお、本実施形態に係る通信システム1000により実現可能なユースケースが、上記第1のユースケース〜上記第7のユースケースに限られないことは、言うまでもない。
【0168】
以上、本実施形態として通信装置を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、時計やベルト、アクセサリなどのウェアラブルデバイスや、上記第1のユースケース〜上記第7のユースケースに係るデバイスや設備、携帯電話やスマートフォンなどの通信装置、携帯型ゲーム機など、誘電体通信を適用することが可能な様々な機器や設備に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、上記のような機器や設備に組み込むことが可能な、処理ICに適用することもできる。
【0169】
また、本実施形態として通信端末を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、ウェアラブルデバイスや、携帯電話やスマートフォンなどの通信装置、携帯型ゲーム機など、誘電体通信を適用することが可能な様々な機器に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、上記のような機器に組み込むことや、家畜などの生体に埋め込むことが可能な、処理ICに適用することもできる。
【0170】
(本実施形態に係るプログラム)
[1]本実施形態に係る通信装置に係るプログラム
コンピュータを、本実施形態に係る通信装置として機能させるためのプログラム(例えば、上記(I)の処理(送信処理)および上記(II)の処理(信号処理)など、本実施形態に係る通信装置における通信方法に係る処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいて実行されることによって、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることが可能な通信システムが実現される。
【0171】
[2]本実施形態に係る通信端末に係るプログラム
コンピュータを、本実施形態に係る通信端末として機能させるためのプログラム(例えば、上記(1)の処理(信号処理)および上記(2)の処理(送信処理)など、本実施形態に係る通信端末における通信方法に係る処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいて実行されることによって、誘電体を介した通信によって、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0172】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0173】
例えば、上記では、コンピュータを、本実施形態に係る通信装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)と、コンピュータを、本実施形態に係る通信端末として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)とが提供されることを示したが、本実施形態は、さらに、上記プログラムをそれぞれ記憶させた記録媒体や、上記プログラムを共に記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
【0174】
上述した構成は、本実施形態の一例を示すものであり、当然に、本開示の技術的範囲に属するものである。
【0175】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、
前記電極部により受信された受信信号から電力を得て前記受信信号を処理し、負荷変調によって応答信号を前記電極部から送信させる処理部と、
を備える、通信端末。
(2)
前記電極部において送受信される信号を所定の周波数で共振させる共振部をさらに備える、(1)に記載の通信端末。
(3)
前記共振部は、インダクタとコンデンサとで構成され、インピーダンス変換を行う第1の共振回路を備える、(2)に記載の通信端末。
(4)
前記共振部は、前記第1の共振回路と電気的に接続され、インダクタとコンデンサとが並列に接続される第2の共振回路をさらに備える、(3)に記載の通信端末。
(5)
前記処理部は、前記受信信号に含まれる命令に応じた処理の処理結果を含む信号、および/または、前記受信信号に含まれる命令に応じた情報を、前記応答信号として送信させる、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の通信端末。
(6)
前記受信信号に含まれる命令が、通信端末の識別に用いることが可能な識別情報の送信を要求する識別情報送信要求である場合、前記処理部は、前記識別情報を含む信号を、前記応答信号として送信させる、(5)に記載の通信端末。
(7)
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部と、
送信信号を前記電極部から送信させ、前記電極部により受信された、前記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理する通信部と、
を備える、通信装置。
(8)
前記電極部において送受信される信号を所定の周波数で共振させる共振部をさらに備える、(7)に記載の通信装置。
(9)
前記通信部は、
外部装置の識別に用いることが可能な識別情報の送信を要求する識別情報送信要求が含まれる信号を、前記送信信号として送信させ、
前記識別情報送信要求に応じて送信された、前記識別情報を含む前記応答信号を処理する、(7)、または(8)に記載の通信装置。
(10)
前記通信部は、前記識別情報に基づいて前記外部装置を認証し、認証結果に対応する処理を行う、(9)に記載の通信装置。
(11)
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部により受信された受信信号から電力を得て、前記受信信号を処理するステップと、
負荷変調によって応答信号を前記電極部から送信させるステップと、
を有する、通信方法。
(12)
送信信号を、誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部から送信させるステップと、
前記電極部により受信された、前記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理するステップと、
を有する、通信方法。
(13)
誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部により受信された受信信号から電力を得て、前記受信信号を処理するステップ、
負荷変調によって応答信号を前記電極部から送信させるステップ、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(14)
送信信号を、誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う電極部から送信させるステップ、
前記電極部により受信された、前記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理するステップ、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(15)
通信装置と、
誘電体を介して前記通信装置と通信を行う通信端末と、
を有し、
前記通信装置は、
前記誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う装置側電極部と、
送信信号を前記装置側電極部から送信させ、前記装置側電極部により受信された、前記送信信号に対して負荷変調で送信された応答信号を処理する通信部と、
を備え、
前記通信端末は、
前記誘電体に電界を誘起させて前記誘電体を介して信号の送受信を行う端末側電極部と、
前記端末側電極部により受信された受信信号から電力を得て前記受信信号を処理し、負荷変調によって前記応答信号を前記端末側電極部から送信させる処理部と、
を備える、通信システム。
【符号の説明】
【0176】
100 通信装置
102、202 電極部
104、204A、204B 共振部
106 通信部
110、210 基準電極
112、212 結合電極
154、206A、206B 処理部
200 通信端末
214 第1の共振回路
216 第2の共振回路
1000 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10