(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記寝具をベッド,布団,マットレスを含むベース部材上に載置した状態で、前記寝具を前記ベース部材に着脱自在に取り付けるための取付部材を更に備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の寝具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冬季など気温の低いとき、特に冷え症の人や老人は、就寝中に足もとが暖かくならず、つま先が冷たくて寝付けないことがある。その原因の一つは、つま先付近の隙間から寝具内に冷気が入ってくることである。そこで、寒い季節には冷えるのを防ぐために電気毛布などの補助加熱器がしばしば用いられてきた。
【0007】
しかしながら、このような補助加熱器は、就寝前に温度設定をして使用するが、就寝中に体温が上昇すると寝具全体の温度が上がり過ぎてしまい、寝苦しくなって夜中に目が覚め、睡眠が途中で妨げられるという問題があった。また、補助加熱器は、使用中に電気を消費するため省エネルギーには繋がらないという問題もあった。
【0008】
また、寝ている状態において、敷き布団と掛け布団や上掛け毛布の間にできた隙間から冷気が入り込むことがある。特に、冬季において、重く厚い掛け布団を使用する場合には、掛け布団が身体にぴったりとは沿わず、敷布団と掛け布団の間に隙間が生じ易くなり、その隙間から冷気が入り込んで寒さのために良い睡眠が取れないという問題があった。
【0009】
また、寝返りを打つと、掛け布団や上掛け毛布が寝返りを打つ方向に移動したままになる。このため、寝返りを打つと、敷き布団と掛け布団等の間に隙間が生じたり、身体から掛け布団等がずれて身体が露出してしまい、就寝中に体温が下がって眠りが浅くなって目覚めてしまったり、風邪を引いたりする場合があった。
【0010】
また、登山や野営用の寝袋は携行するためにはコンパクトで軽いことが要求されているため、敷き布団と掛け布団等からなる通常の寝具の代わりに用いるには、内容積が狭く窮屈で寝心地の点で満足できるものではなかった。また、寝袋は、シート状材料に柔軟性がないため寝返りを打ちにくくなっている。仮に寝返りを打てたとしても、身体の姿勢の変化にシート状材料が追従しないため、寝返り時に身体の表面にシート状材料が密着せず、シート状材料と身体との間に隙間が生じて、この隙間から冷気が入り込んで、身体が冷え良い睡眠が取れないという問題があった。これを防ぐにはジッパーやボタン等により、寝袋の首元を締めつけることが考えられるが、この状態では、人によっては窮屈に感じるため、快適な睡眠を取れないおそれがあった。また、寝袋は、一日の疲れを取り除くためには寝室には相応しいものではない。
【0011】
また、特許文献1に記載のような寝具においては、身体が敷き寝具と上掛け寝具との間の内部空間にある限りにおいて、上掛け寝具が身体から離れることはなく、身体が外部に露出することはない。しかしながら、上掛け寝具の側方周縁部が敷き寝具の側方周縁部に取り付けられているので、寝返りを打とうとしても、身体の姿勢変化に追従せず、寝返りの方向に上掛け寝具が移動しない。このため、寝返りが打ちづらく、窮屈に感じ、寝心地の点で満足できなかった。また、寝返りを打った場合には、寝袋と同様に、首元にできた隙間から冷気が入り込むおそれがあった。また、例えば、気温が低い場合に上掛け寝具の上にさらに毛布等の別の上掛け寝具を重ねると、上に重ねた別の上掛け寝具が、寝返りを打った際にずれてしまうおそれがあった。
【0012】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、寝返りを打つことを妨げることなく、また、寝返りを打った場合においても上掛け寝具を身体に沿わした状態に維持し、快適な睡眠を提供することができる寝具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明は、人が横たわるためのシート状の敷き寝具と、敷き寝具上に横たわる人を覆う上掛け寝具と、を備えた寝具であって、上掛け寝具は、伸縮自在なシート状材料により形成されており、且つ、上掛け寝具の周縁部は、外部から敷き寝具と上掛け寝具との間に人が入り込むための開口部分を形成するように、上掛け寝具の周縁部の一部を除いて、敷き寝具に固定的又は着脱可能に取り付けられている。
【0014】
このように構成された本発明では、敷き寝具上に上掛け寝具が配置され、これらの間の内部空間に出入り可能な開口部分を除いて、上掛け寝具の周縁部が敷き寝具に固定的又は着脱可能に取り付けられている。さらに、本発明では、上掛け寝具が伸縮自在なシート状材料で形成されている。したがって、就寝者は、本発明の寝具を用いる場合、先ず、上掛け寝具の一部を掴んで上に引っ張り上げることにより、上掛け寝具を伸張させて身体を入れる内部空間を広げることができ、開口部分から内部空間へ身体を入れることが可能である。そして、身体を内部空間に入れた後、引っ張り上げていた上掛け寝具から手を離せば、上掛け寝具が元の状態に収縮する。これにより、上掛け寝具は、就寝者の身体表面及び敷き寝具の表面に密着状態となる。このため、上掛け寝具と敷き寝具との間に隙間ができにくくなり、就寝中に冷気が内部空間に入り込んで就寝者の体温を低下させることが抑制され、電気毛布等の補助加熱器を使用することなく、就寝者に快適な睡眠を提供することができる。
【0015】
また、本発明では、就寝中に就寝者が内部空間で移動しても、上掛け寝具が身体表面からずれて身体が露出することがないので、身体を外部に露出することによって良質な睡眠が妨げられることがない。
また、本発明では、上掛け寝具が伸縮する構成であるので、寝返りを打つ際に上掛け寝具が寝返りの方向に伸張可能である。このため、本発明では、寝返りを打つことが妨げられることがなく、就寝者は寝返りを打つ際にストレスを感じることがない。
【0016】
さらに、本発明では、寝返りを打つ際に、身体の移動に追従して上掛け寝具が移動するように上掛け寝具が伸張可能であるため、就寝者の身体と上掛け寝具との密着状態が維持される。よって、本発明では、寝返りによる姿勢変化に上掛け寝具を追従させて、身体と寝具との間に隙間を形成しないようにすることができる。さらに、寝返りを打った後に、伸張した上掛け寝具が収縮して自然と元の状態に戻ることも可能であり、その際にも就寝者の身体と上掛け寝具との密着状態が維持される。これにより、寝返りを打った後も、上掛け寝具と敷き寝具との間に隙間ができにくく、就寝中に冷気が内部空間に入り込むことを抑制することができる。
一方、従来、上掛け寝具として、中綿材料を綿素材又は化学繊維素材のカバーで被覆した上掛け布団や毛布等が用いられており、これらはほとんど伸縮性を有していなかった。このため、従来の寝具では、上掛け寝具が抵抗になって寝返りが打ちづらく、また、寝返りによって身体と寝具との間に隙間ができ易かった。
【0017】
また、本発明では、上掛け寝具は、第1の上掛け寝具であり、敷き寝具の一方の面側に配置されており、敷き寝具の他方の面側に第2の上掛け寝具を更に備え、第2の上掛け寝具は、伸縮自在なシート状材料により形成されており、且つ、第2の上掛け寝具の周縁部は、外部から敷き寝具と第2の上掛け寝具との間に人が入り込むための開口部分を形成するように、第2の上掛け寝具の周縁部の一部を除いて、敷き寝具に固定的又は着脱可能に取り付けられている。
【0018】
このように構成された本発明では、第1の上掛け寝具と、第1の上掛け寝具と同様な第2の上掛け寝具とが、敷き寝具の両面に設けられている。これにより、第1の上掛け寝具を上側にして配置すれば、第1の上掛け寝具を使用することが可能であり、第2の上掛け寝具を上側にして配置すれば、第2の上掛け寝具を使用することが可能となる。就寝者は、季節や好みに応じて、第1及び第2の上掛け寝具を選択的に使用することができる。例えば、夏季には第1の上掛け寝具を使用し、冬季には第2の上掛け寝具を使用すれば、一年を通じて本発明の寝具を使用することができる。また、第1及び第2の上掛け寝具が異なるシート状材料により形成されている場合は、就寝者の好みの肌触りや質感等を有する方を選択して使用することができる。
【0019】
また、本発明では、第1の上掛け寝具と第2の上掛け寝具は、異なるシート状材料により形成されている。
このように構成された本発明では、就寝者の好みや環境条件等によって、第1の上掛け寝具と第2の上掛け寝具とを選択的に使用することができる。
例えば、異なるシート状材料は、保温性能が異なる。このように構成すると、気温が低い時期には保温性能が高い方の上掛け寝具を使用することができ、また、気温が高い時期には保温性能が低い方の上掛け寝具を使用することができる。
【0020】
また、本発明では、寝具をベッド,布団,マットレスを含むベース部材上に載置した状態で、寝具をベース部材に着脱自在に取り付けるための取付部材を更に備えた。
このように構成された本発明では、就寝者の好みに応じて適切なベース部材を選択することにより、敷き寝具の寝心地に加えて、又は、敷き寝具の弾力性,硬さ等を変更して、快適な寝心地を提供することができる。
【0021】
また、本発明では、寝具上に1つ又はそれ以上のシート状部材を重ねた状態で着脱自在に固定するための固定具を更に備えた。
このように構成された本発明では、就寝者の好みや環境に応じて、寝具の上に更に、毛布や掛け布団のような別のシート状部材を重ねて配置することができる。これにより、就寝者の好みの重量感、保温性等をアレンジすることができる。さらに、固定されたシート状部材は、就寝者が寝返りを打っても上掛け寝具からずれることがないので、就寝中に継続的に快適性を提供し続けることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の寝具によれば、寝返りを打つことを妨げることなく、また、寝返りを打った場合においても上掛け寝具を身体に沿わした状態に維持し、快適な睡眠を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
先ず、
図1及び
図2を参照して、本発明の一実施形態の寝具を説明する。
本実施形態の合わせ寝具1は、いずれも略矩形の第1の上掛け寝具20と、敷き寝具10と、第2の上掛け寝具30とを重ね合わせて構成されている。合わせ寝具1は、第1の上掛け寝具20を表側にして使用する場合と第2の上掛け寝具30を表側にして使用する場合の2通りの使用が可能となっている。
【0025】
敷き寝具10,第1の上掛け寝具20,第2の上掛け寝具30は、長手方向又は縦方向(
図1及び
図2において左右方向)の長さがほぼ同じである(例えば、200cm)。一方、第1の上掛け寝具20及び第2の上掛け寝具30の幅方向の長さ(例えば、130cm)は、互いに略同じであるが、敷き寝具10の幅方向の長さ(例えば、100cm)よりはやや長く形成されている。
【0026】
敷き寝具10は、例えば、薄手の毛布や敷き布団であるシート状の敷きものであり、就寝者が長手方向に沿うように身体を横たえる部分である。また、第1の上掛け寝具20及び第2の上掛け寝具30は、少なくとも幅方向において伸縮性に富んだ伸縮自在なシート状材料で形成されており、敷き寝具10上で横になった就寝者の上部を覆う部分である。伸縮自在なシート素材は、例えば、伸縮性を有する線状材料を編んだシート状の編み物又は織物や、伸縮性線状材料又は非伸縮性線状材料をゴム編み等することにより伸縮性を付与されたシート状の編み物又は織物である。
【0027】
敷き寝具10,第1の上掛け寝具20,第2の上掛け寝具30は、寒暖等の環境に応じた保温機能を有するように、同一又は別々の材料で形成することができる。本実施形態では、第1の上掛け寝具20は夏季用の上掛けであり、第2の上掛け寝具30は冬季用の上掛けであり、それぞれ保温性能が異なるような異なるシート材料が選択されている。即ち、第1の上掛け寝具20よりも第2の上掛け寝具30の方が、生地の厚みが厚く、保温性能が高い材料が用いられている。
【0028】
図1においては、就寝者は、右側を頭にして寝具1で寝ることができる。第1の上掛け寝具20は、4辺からなる周縁部のうち就寝者に対して左右の側縁部21a,21bと、足が配置される側の底縁部21cが、それぞれ敷き寝具10の左右の側縁部11a,11bと、底縁部11cに接合されている。同様に、第2の上掛け寝具30も、左右の側縁部31a,31bと、底縁部31cが、それぞれ敷き寝具10の左右の側縁部11a,11bと、底縁部11cに接合されている。
【0029】
このように、敷き寝具10,第1の上掛け寝具20,第2の上掛け寝具30の周縁部のうち就寝者の頭が配置される側の頂縁部21d,31d以外の縁部が、敷き寝具10に対して全体としてコ字形に接合されることにより、開口部2が形成され、就寝者の頭部側が開放状態にされている。本実施形態の合わせ寝具1は、開口部2が敷き寝具10の幅方向の長さにわたって延びており、ジッパーやボタン等により開閉するようには構成されていない。
【0030】
なお、本実施形態では、敷き寝具10,第1の上掛け寝具20,第2の上掛け寝具30の周縁部が互いに縫い合わされることにより固定的に接合されているが、これに限らず、ジッパー,ボタン,紐,面ファスナー等により、着脱自在に取り付ける構成としてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、合わせ寝具10の左右の側縁部の3か所にそれぞれ取付部材40が取り付けられている。各取付部材40は、第1部材40aと第2部材40bが一対となっており、それぞれが可撓性を有する伸縮性又は非伸縮性の長尺部材と、その先端部に互いに着脱自在に係合する係合手段とを有する構成である。係合手段は、例えば、バックル、ボタン、面ファスナー等である。また、長尺部材の長さを調整できる機構が、長尺部材自体又は係合手段に付属していることが好ましい。第1部材40aと第2部材40bの基端部は合わせ寝具10の側縁部に取り付けられている。なお、取付部材40が、単に紐状の部材のみで形成されていてもよく、この場合、紐同士を結び合わせて係合させることができる。
【0032】
合わせ寝具10は、単独で使用してもよいが、
図3に示すように、ベッド本体,敷布団,マットレス等のベース部材4上に載置した状態で使用してもよい。
図3は、第1の上掛け寝具20を表側にして使用した例を示している。この場合、3個の取付部材40をベース部材4(
図3の例では、敷布団)の裏側に回し、第1部材40aと第2部材40bを係合させることにより、合わせ寝具10をベース部材4上に取り付けることができる。これにより、敷き寝具10及び下側の第2の上掛け寝具30は、固定状態でベース部材4に取り付けられ、一方、上側の第1の上掛け寝具20は、就寝者Aにより上掛けとして使用できるようになる。
【0033】
就寝者Aは、合わせ寝具1を使用するとき、先ず、第1の上掛け寝具20の縁部の中心部分を手で上側に引っ張り、身体がすっぽり入るように大きな空間を作る。第1の上掛け寝具20は、伸縮自在のシート材料で形成されているため、手で上側に引っ張ることによりシート材料を伸張させて、容易に大きな内部空間を形成することができる。その後、敷き寝具10と第1の上掛け寝具20の間の開口部2から足先及び身体を内部空間に挿入し、開口部2から頭部を外に出した状態で、引っ張っていた第1の上掛け寝具20から手を離す。これにより、伸張していた第1の上掛け寝具20が自然状態に戻ろうとして収縮する。
【0034】
第1の上掛け寝具20は、伸縮自在であるため手を離して元の形に復元しようとするとき、周縁部が敷き寝具10に接合されているので、敷き寝具10の有る方向に向けて縮み、形成されていた大きな内部空間が縮小される。これにより、重力にしたがって第1の上掛け寝具20が就寝者Aの身体表面及び敷き寝具10の表面に密着する。特に、第1の上掛け寝具20は、開口部2において就寝者Aの首部に密着するため、開口部2において隙間が形成され難くなり、外部から冷気が入り込むことを防止することができる。
【0035】
また、就寝者Aが就寝中に寝返りを打つ場合、第1の上掛け寝具20が伸縮自在であるため、就寝者Aの動作が妨げられることなく、寝返りを打つことができる。その際、第1上掛け寝具20のうち就寝者Aの身体に密着していた部分は、第1上掛け寝具20を形成するシート状材料が伸縮自在であるため、姿勢の変化に追従して寝返りの方向に伸縮して容易に移動することができる。このため、就寝者Aの寝返り動作が妨げられることはない。また、寝返りを打った後においても、シート状材料が就寝者Aの身体に密着し続け、且つ、開口部2を閉じようとするので、冷気が入り込む隙間が形成されず、快適な睡眠を提供し続けることができる。
【0036】
本実施形態では、第1の上掛け寝具20及び第2の上掛け寝具30は、その縦寸法が敷き寝具10の縦寸法と同じ長さに設定されているが、伸縮自在なシート材料で形成されているため、就寝者の首回りにたくし込むことができるので邪魔にはならず、また、寝返りを打っても引きつれを起さないようにゆとりを持たせることができる。
【0037】
また、本実施形態では、第1の上掛け寝具20及び第2の上掛け寝具30は、その横寸法(幅方向の長さ)が敷き寝具10の横寸法よりも大きく設定されているため、就寝者が寝返りを打つ方向において余裕を持たせることが可能となり、より就寝者の寝返り動作が妨げられないようになっている。
なお、本実施形態では、就寝者Aの身体が内部空間に入れられた状態において、掛け寝具がやや幅方向に伸張する程度に、掛け寝具20,30の横寸法が敷き寝具10の横寸法よりも大きく設定されている。
【0038】
また、本実施形態の合わせ寝具1は、従来の寝袋のように横寸法が就寝者の横幅又は肩幅よりもわずかに大きいだけの寸法ではなく、通常の寝具と同じ程度の横寸法を有しており、広い内部空間を確保することが可能である。このため、寝袋のように狭い空間に束縛されることなく、また、内部で自由に寝返りを打つことができるので、窮屈に感じることがなく、ゆったりとした快適な睡眠を提供することができる。
【0039】
次に、敷き寝具10、第1の上掛け寝具20、及び、第2の上掛け寝具30に用いられるシート状材料について説明する。
本実施形態の合わせ寝具1は、基本的に一年を通じて使用可能となるように構成されている。したがって、敷き寝具10には、汗を吸収し易く且つ肌触りのよい木綿からなるものを使用することが好ましいが、繊維自体が自然保温力の豊かな羊毛の毛織物、絹織物、綿織物を使用してもよい。さらには、保温に適した天然繊維に加え、化学繊維の織物、例えばウレタン、テトロン、ポリエステル、ナイロン等の織物も肌触りが良く保温性に優れた素材として採用することができる。
【0040】
第1の上掛け寝具20,第2の上掛け寝具30を形成するシート状素材は、寒暖、肌触り、その他好みによって天然繊維及び/又は化学繊維等によって形成することができる。
夏季用の第1の上掛け寝具20は、夏季においても環境によっては就寝中に上掛けがずれて身体が露出すると寒い場合もあるので伸縮自在に構成され、例えば、医療用の薄い包帯のガーゼのような素材が汗を吸収し且つ伸縮性を有するため好適である。
【0041】
冬季用の第2の上掛け寝具30は、身体への馴染み易さをよくするように、純毛の極細と極太の毛糸を使った手編みの編み物、又は機械編みでも手編みに近い編み方をした編み物からなるシート状材料が好ましい。身体への密着度を良好にするには、ゴム編みによるものが好ましい。毛糸の手編み編み物や、機械編みでも手編み風の編み物は、身体に馴染むソフトさがあるので好ましい。毛糸以外にも、身体の動きに追従できる柔軟性のある天然繊維や、身体からの水分により発熱する吸湿発熱性の繊維や、身体からの熱を蓄熱できる繊維や、ウレタン繊維等を使用して、保温性に優れた編み物又は織物を形成してもよい。
【0042】
極細の毛糸で編んだ編み物は、軽量となるため身体への密着度が低くなるが肌触りはよくなる。一方、重量のある極太の毛糸で編んだ編み物は、身体への密着度が高くなる。極細と極太の毛糸による編み物の利点を利用するため、極細の毛糸による編み物を身体に密着させるために身体に接触する側に配置し、これに極太の毛糸による編み物を重ねた構成としてもよい。このような併用によって、素材の持つ特徴が生かされ、編み物同士の間に暖かい空気が閉じ込められ、1層の編み物からなるシート状材料からなる上掛けよりも、保温効果を高めることができる。
【0043】
また、極細と極太の毛糸による編み物の間(又は、2枚の極細の毛糸による編み物の間、或いは2枚の極太の毛糸による編み物の間)に、体温の発散を防止する機密性のアルミ蒸着樹脂シートを、例えば帯状に複数並列配置することにより、蓄熱効果を向上させることができる。
【0044】
上述のような複数の編み物や樹脂シートを重ねた構成を採用しない場合は、極太の毛糸による手編み編み物からなるシート状材料を第2の上掛け寝具30のために用いることが好ましい。極太の毛糸は、並太や極細の毛糸より重いので、寝返りを打っても自重で身体に覆いかぶさり、身体の上面の形状に追従するので身体と上掛けの間に隙間ができにくくなる。身体を覆う上掛けは敷き寝具10の表面にもぴったりとフィットし、身体と上掛けの間や敷き寝具と上掛けの間の隙間を減らすので、冷気が入りにくくなり、十分な保温効果が得られる。また、本実施形態では、第2の上掛け寝具20は、敷き寝具10よりも面積が大きいため、大きい分だけ熱を蓄え易くなる。
【0045】
さらに、上述のように、上掛け寝具が、2種類以上のシート状素材(編み物によるシート状材料、樹脂シート等)を一体化した構成、及び、1種類のシート状素材(編み物によるシート状材料)からなる場合において、就寝者の身体に触れる部分には、伸縮自在の医療用ガーゼのような素材をさらに固定的又は着脱自在に一体化させて配置してもよい。すなわち、毛糸のような繊維が直接身体に触れるとチクチクと皮膚の表面が刺激され、これを不快に感じる人のため、上掛け寝具の身体に接する最も下側の層に、医療用の包帯のような伸縮自在のガーゼなどの織物を一体的に重ねた構成とすることができる。これにより、毛糸の繊維が肌に直接触れることがないので、不快感を無くすことができる。
【0046】
編み物の編み方は、ゴム編みが好ましく、ゴム編みは全方向に大きな伸縮性があり、寝返りを打った時でも常に初期の状態に自動的に復元しようとするので上掛けに適している。また、メリヤス編みを用いることもできる。メリヤス編みは、横方向の伸縮率が大きいが、縦方向の伸縮率が小さい。このため、メリヤス編みのシート状材料を用いる場合は、伸縮率の大きい方向が合わせ寝具1の幅方向に沿うように上掛け寝具を形成することが好ましい。
また、ループ編みを用いることもできる。ループ編みは、メリヤス編みやガータ編みのような平坦な編み物ではなく、編み物の表面にループ状の突起を形成する。このため、ループ編みによる編み物は、平坦な編み物より単位面積当たり重量が大きく、身体の表面形状に沿って馴染み易くなり、身体と編み物の隙間を減少させることができる。
【0047】
また、編み物に用いる撚糸は、ストレートヤーンに限らず、一般的にファンシーヤーンと呼ばれている意匠撚糸を用いてもよい。例えば、ファンシーヤーンの一種であるファーヤーンは、長さ方向に対して側方周囲に細い繊維が広がって空気層を形成し、柔らかい肌触りを与える。側方に広がる繊維の長さは、1〜5cm程度である。ファンシーヤーンを用いた編み物によるシート状材料により形成された上掛け寝具は、側方に広がる繊維層に柔軟性があり、身体との間に隙間が生じ難くなり、冷気が入り込むことをさらに効率的に防止することができる。また、ファンシーヤーン、特にファーヤーンを用いた編み物によるシート状材料は、ストレートヤーンのものより比重が大きいので、重力にしたがい身体の表面や敷き寝具に密着し易くなる。編み方は、上述のようなゴム編み等を採用することができる。
【0048】
また、
図4に示すように、第2の上掛け寝具30の裏面の全体又は一部に、天然繊維又は化学繊維を球状に成形し内部に空気を多く蓄えることが可能な蓄熱部材32を配置してもよい。蓄熱部材32は、例えば、直径5mm〜50mmであり、第2の上掛け寝具30の裏面に1〜5cmの長さの糸によってぶら下げるように取り付けることができる。蓄熱部材32は、就寝中に就寝者の身体から出る熱を蓄積することにより、保温効果を向上させることができる。なお、蓄熱部材32を第1の上掛け寝具20に取り付けてもよい。
【0049】
蓄熱部材32は、球状が好ましいが、身体の各部分の形状にフィットし易くさせるため、楕円球状、半球状、半楕円球状、丸棒形状、円柱の先端部が半球状に加工されたすりこぎ形状等の任意形状とすることができる。蓄熱部材32は、第2の上掛け寝具30の裏面からぶら下がっている状態で身体に接するので、身体のどの部分に接しても回転しながら移動して、最終的に身体表面の低い位置に留まるので身体に密着しやすい。
【0050】
蓄熱部材32の素材は、羊毛などの天然繊維を用いる場合、価格が比較的高く且つ防虫のため保存に注意しなければならないが、重量があり保温力が大きいというメリットが得られ、一方、ウレタン繊維などの化学繊維を用いる場合、価格が比較的安く且つ保温性もあるというメリットが得られる。
また、蓄熱部材32が取り付けられた上掛け寝具において、肌に直接接する最も下側の層に、医療用の包帯のような伸縮自在のガーゼなどの織物を一体的に重ねた構成としてもよい。
【0051】
また、
図5に示すように、第1の上掛け寝具20及び第2の上掛け寝具30の上側に、1枚又はそれ以上の枚数のシート状部材60(毛布、掛け布団等)を重ねた状態で一体的に配置可能とするための固定具51を設けてもよい(第2の上掛け寝具30のための固定具は図示されていない)。本実施形態では、固定具51は、所定長さの紐であり、基端部が第1の上掛け寝具20及び第2の上掛け寝具30の周縁部付近の8か所に固定されている。一方、シート状部材60には、各固定具51に対応する位置に固定孔61が形成されている。固定孔61は、所定の径寸法を有する貫通孔であり、孔の内部周縁に穴かがりを施され、これによりシート状部材60のほつれが保護されている。また、これに限らず、ハトメ器具を孔に取り付けてもよい。
【0052】
シート状部材60は、第1の上掛け寝具20又は第2の上掛け寝具30の上に重ね合わされ、各固定具51の自由端を、対応する固定孔61に通し、シート状部材60が外れないように固定具51を結び付ける。複数枚のシート状部材60を取り付ける場合は、シート状部材60を複数枚重ねて上掛け寝具の上に重ね合せ、固定具51を重なった複数の固定孔61に順次に通して結びつける。これにより、1枚又は複数枚のシート状部材60を上掛け寝具上に一体的且つ着脱自在に配置することができる。
【0053】
したがって、季節,気温,好みに応じて、付加的に必要な枚数のシート状部材60を上掛け寝具上に選択的に配置することができる。また、シート状部材60は、絹,木綿,毛糸等の天然繊維、合成繊維からなる編み物や織物によるものを使用することができる。シート状部材60は、上掛け寝具と同様に少なくとも幅方向に伸縮自在であることが好ましいが、そうでない場合には、シート状部材60の幅を上掛け寝具の幅よりも大きく設定することが好ましい。シート状部材60の幅が上掛け寝具の幅よりも大きければ、上掛け寝具と敷き寝具10との間に、就寝者が自由に寝返りを打つだけの内部空間を確保することができる。
【0054】
シート状部材60は、保温性の観点からだけではなく、外観上の好ましさや寝心地の点から素材,色,重量,厚み等を選択してもよく、個人のファッション性も満足させることが可能である。例えば、保温性を重視する場合には、シート状部材60として、アルミ蒸着の樹脂シートを選択することができる。さらに、気温が低い季節には、複数枚のシート状部材60を重ねて使用することができる。このように、本実施形態では、個人の体質や環境等の外的要因に応じて、最適にシート状部材60を選択することができるので、快適な睡眠を提供することが可能である。
【0055】
また、重い上掛けを好む場合には、複数枚のシート状部材60の上にさらに従来の掛け布団を、固定せずに配置してもよい。睡眠者が寝返りを打っても伸縮自在の上掛け寝具が伸びたり縮んだりするだけなので、最上段の重い掛け布団は殆ど動かずにそのままの位置に保持される。
【0056】
なお、本実施形態では、固定具51が上掛け寝具に固定的に取り付けられているが、これに限らず、敷き寝具10に固定的に取り付けられていてもよい。この場合、上掛け寝具20,30にもシート状部材60と同様に固定孔を設け、上掛け寝具20,30も固定具によって着脱可能とする構成とすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、固定具51を固定孔61に通すことによって、シート状部材60を上掛け寝具に取り付けているが、取付方式はこれに限らない。例えば、固定孔61をシート状部材60に直接的に形成するのではなく、シート状部材60の周縁に側方に突出するように別の布状部材を縫い付け、この布状部材に固定孔61を形成してもよい。なお、本実施形態では、固定具51及び対応する固定孔61が8か所に設けられているが、これに限らず、隙間が生じないように、より多数の箇所に固定具51及び対応する固定孔61を設けてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、固定具51として紐を使用しているが、これに限らず、ボルト及びナット、結束バンドを使用してもよい。ボルト及びナットは、金属製でもよいが、木製,竹製等の自然素材で形成されたものや樹脂製のものが好ましく、取り付けも簡単である。
【0059】
なお、本実施形態では、第1の上掛け寝具20を夏季用とし、第2の上掛け寝具30を冬季用としているが、これに限らず、それぞれの上掛け寝具を異なるシート状材料で形成して、異なる肌触りや質感等を提供するように構成してもよい。この場合、就寝者は、好みに応じていずれかの上掛け寝具を選択的に使用することができる。