(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による情報検索システム及び情報検索方法について詳細に説明する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態による情報検索システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の情報検索システム1は、端末装置10、無線アクセスポイント20、及び検索サーバ30を備えており、作業員Wがプラントに設置されたフィールド機器FD(機器)をメンテナンスするために必要なドキュメントDC(情報)を検索するシステムである。
【0016】
図1に示す通り、端末装置10と無線アクセスポイント20とは、無線ネットワークN1(ネットワーク)を介して接続される。また、無線アクセスポイント20及び検索サーバ30等は、イントラネットN2に接続されている。無線ネットワークN1は、無線アクセスポイント20によってプラントの現場に形成される無線のネットワークである。この無線ネットワークN1は、例えばWi−Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、3G/LTE(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信が可能な無線ネットワークである。イントラネットN2は、例えばプラントの監視室内に敷設されたイーサネット(登録商標)等のネットワークである。
【0017】
ここで、プラントとしては、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等がある。
【0018】
また、フィールド機器FDは、例えば流量計や温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、その他のプラントの現場に設置され、分散制御システム(DCS)の中核をなす制御装置(図示省略)によって制御される機器である。尚、フィールド機器FDには、配管やバルブ機器の振動をモニターする振動センサ、アクチュエータ機器から発する音をモニターする騒音センサ等も含まれる。このフィールド機器FDには、識別子IDが付随して設けられる。識別子IDは、例えばQRコード(登録商標)等のマトリックス型の二次元コードである。
【0019】
識別子IDには、ドキュメントDCの検索に必要となる情報が含まれている。例えば、識別子IDには以下の情報が含まれている。
・「機器タグ名」…フィールド機器FDを識別するための識別情報(第1情報)
・「位置コード」…フィールド機器FDの設置位置を示す情報(第1情報)
・「モデル名」…フィールド機器FDの種別を示す情報(第1情報)
・「格納場所」…フィールド機器FDに関連するドキュメントDCの格納場所を示す情報(第2情報)
【0020】
ドキュメントDCは、フィールド機器FDのマニュアルやスペックシート等であり、フィールド機器FDのメンテナンス等を行う際に参照される電子文書である。このドキュメントDCは、プラントに設けられたサーバに格納されても良く、フィールド機器FDのベンダーが管理するサーバに格納されても良い。つまり、ドキュメントDCは、検索サーバ30が検索可能な場所であれば、任意の場所に格納することが可能である。即ち、
図1に示す通り、ドキュメントDCの格納場所は、検索サーバ30が検索可能なクラウドCLにすることが可能である。
【0021】
端末装置10は、ドキュメントDCの検索を行うために用いられる端末装置であり、プラントの現場作業を行う作業員Wによって使用される。この端末装置10は、例えばスマートフォンやタブレット型のコンピュータであるが、ドキュメントDCの検索を行うために必要な機能(例えば、カメラ機能及び無線通信機能等)を備えている端末装置であれば、任意の形態の端末装置(例えば、メガネ型或いは腕時計型の端末装置)を用いることができる。
【0022】
図2は、本発明の第1実施形態による情報検索システムが備える端末装置の要部構成を示すブロック図である。
図2に示す通り、端末装置10は、カメラ11(取得部、画像取得部)、タッチパネル12(表示部)、無線通信部13(通信部)、格納部14、及びデータ処理部15(処理部)を備える。カメラ11は、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)等の固体撮像素子を備えており、静止画及び動画の撮影が可能である。
【0023】
タッチパネル12は、液晶表示装置や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の表示装置とタッチパッド等の位置入力装置とを組み合わせた操作表示装置である。無線通信部13は、前述したWi−Fi(登録商標)、WiMAX(登録商標)、3G/LTE(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信が可能であり、無線ネットワークN1を介した通信を行う。格納部14は、データ処理部15で用いられる各種情報等を格納する。この格納部14は、例えば半導体メモリ等の記憶装置或いはハードディスク等の記録装置で実現される。
【0024】
データ処理部15は、端末装置10で取り扱われる各種情報の処理を行う。例えば、データ処理部15は、タッチパネル12に表示させるデータ及びタッチパネル12から入力されるデータ、無線通信部13を介して送受信されるデータ、格納部14に入出力されるデータ、その他のデータの処理を行う。
【0025】
このデータ処理部15は、識別子読取部15aを備える。識別子読取部15aは、カメラ11で撮影された画像に対する画像処理を行って、識別子IDに含まれる情報(例えば、前述した「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」、「格納場所」)を読み取る。尚、識別子読取部15aでの読み取り処理は、カメラ11で撮影された画像が識別子IDの画像を含む画像(機器特定情報)である場合には行われるが、識別子IDの画像を含まない画像である場合には行われない。
【0026】
無線アクセスポイント20は、上述した無線ネットワークN1を形成し、無線ネットワークN1を介して送受信されるデータと、イントラネットN2を介して送受信されるデータとの中継を行う。このような無線アクセスポイント20が設けられていることで、端末装置10と検索サーバ30との間の通信が可能になる。尚、本実施形態では、説明を簡単にするために、無線ネットワークN1をイントラネットN2に直接接続する無線アクセスポイント20を例に挙げて説明するが、無線アクセスポイント20は、3G(第3世代移動通信システム)又は4G(第3世代移動通信システム)等の公衆回線を経由してイントラネットN2に接続するための中継機器であっても良い。
【0027】
検索サーバ30は、無線ネットワークN1を介して端末装置10から送信されてくるデータに基づいてドキュメントDCの検索を行い、その検索結果を、無線ネットワークN1を介して端末装置10に送信する。具体的に、検索サーバ30は、端末装置10から送信されてくるデータに含まれる「格納場所」(ドキュメントDCの格納場所を示す情報)に基づいて検索場所を特定し、残りの「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」を検索キーワードとして、特定した検索場所を検索する。尚、本実施形態では、「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」を検索キーワードとする例について説明するが、これら「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」の少なくとも1つを検索キーワードとして用いることもできる。
【0028】
図3は、本発明の第1実施形態による情報検索システムが備える検索サーバの要部構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示す通り、検索サーバ30は、索引構築部31、索引格納部32、及び検索部33を備える。索引構築部31は、ドキュメントDC等の情報を取得し、検索対象となるテキスト文書を検索しやすいフォーマット(索引)に変換する。この索引構築部31では、転置索引や接尾辞配列等の索引構造毎に様々な索引手法が用いられる。
【0029】
索引格納部32は、索引構築部31で構築された索引を格納する。この索引格納部32に格納される索引の構造及び形式は任意である。検索部33は、入力されるクエリに基づいて、索引格納部32に対する検索処理を行う。具体的に、検索部33は、端末装置10から送信されてくる「格納場所」に基づいて検索場所を特定した上で、残りの「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」等をクエリとして検索を行う。
【0030】
このような検索サーバ30では、検索対象のコンテンツ(ドキュメントDCを含む)を取得して内容を解析し、検索が行われるであろうと推測されるキーワードと紐付けた索引を作成して管理する処理が索引構築部31で予め行われる。そして、端末装置10からのデータを受信すると、検索場所を特定した上で、検索キーワードに基づき索引格納部32に格納された索引を検索し、その検索結果を端末装置10に送信する処理が検索部33で行われる。
【0031】
次に、情報検索システム1の動作について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態による情報検索システムの動作を示すフローチャートである。
図4に示すフローチャートの処理は、作業員Wが端末装置10のタッチパネル12を操作して、検索開始の指示を行うことによって開始される。作業員Wによる検索開始の指示がなされると、この指示はタッチパネル12からデータ処理部15に入力される。
【0032】
すると、識別子IDの画像を含む画像をカメラ11で撮影してデータ処理部15に取り込む処理が行われる(ステップS11:第1ステップ)。ここで、上述の検索開始の指示を行った後、作業員Wは、フィールド機器FDに付随して設けられている識別子IDが、カメラ11の視野内に配置されるように端末装置10を操作する。このような操作を行うことで、識別子IDの画像を含む画像を撮影することができる。
【0033】
識別子IDの画像を含む画像がデータ処理部15に取り込まれると、識別子IDに含まれる情報を読み取る処理が識別子読取部15aで行われる(ステップS12:第2ステップ)。具体的には、識別子IDに含まれる「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」、「格納場所」等を読み取る処理が行われる。識別子読取部15aで読み取られた情報は、データ処理部15から無線通信部13に出力され、無線ネットワークN1、無線アクセスポイント20、及びイントラネットN2を順に介して検索サーバ30に送信される(ステップS13)。
【0034】
端末装置10から送信されてきたデータを受信すると、まず受信したデータに含まれる「格納場所」に基づいて検索場所を特定する処理が検索サーバ30で行われる。そして、受信したデータに含まれる残りの「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」を検索キーワードとして、特定した検索場所を検索する処理が検索サーバ30によって行われる(ステップS14:第3ステップ)。
【0035】
以上の処理によって検索結果が得られると、得られた検索結果はランキング付けされた上で、検索サーバ30から、イントラネットN2、無線アクセスポイント20、及び無線ネットワークN1を順に介して端末装置10に送信される(ステップS15:第4ステップ)。検索サーバ30からの検索結果を受信すると、その検索結果をランキング付けられた順でタッチパネル12に一覧表示する処理がデータ処理部15で行われる。
【0036】
ここで、検索サーバ30で行われる検索結果のランキング付けは、例えば端末装置10からのデータに含まれる「機器タグ名」で特定されるフィールド機器FDについてのメンテナンス履歴を用いて行われる。尚、メンテナンスの履歴は、端末装置10からのデータに含まれる「格納場所」に基づいて検索場所を特定することで、検索サーバ30が検索することが可能である。
【0037】
以上の通り、本実施形態では、フィールド機器FDに付随して設けられる識別子IDを端末装置10のカメラ11で撮影して識別子IDに含まれる情報(「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」、「格納場所」)を読み取り、読み取った情報を端末装置10から検索サーバ30に送信している。そして、検索サーバ30が、端末装置10からのデータに含まれる「格納場所」に基づいて検索場所を特定し、残りの「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」を検索キーワードとして検索を行うようにしている。このため、本実施形態では、作業員が検索キーワードを入力しなくとも、作業員の状況に応じた最適な検索結果を得ることが可能である。
【0038】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態による情報検索システムの全体構成を示すブロック図である。尚、
図5においては、
図1に示す構成と同じ構成については同一の符号を付してある。
図5に示す通り、本実施形態の情報検索システム2は、
図1に示す情報検索システム1の端末装置10を端末装置40に代えた構成である。また、本実施形態では、
図1に示す識別子IDに代えてNFCタグTG(近距離通信タグ)がフィールド機器FDに付随して設けられている。
【0039】
前述した第1実施形態による情報検索システム1は、端末装置10がフィールド機器FDに付随して設けられた識別子IDに含まれる情報を読み取ってドキュメントDCの検索を行うものであった。これに対し、本実施形態の情報検索システム2は、端末装置40がフィールド機器FDに付随して設けられたNFCタグTGとNFC(Near Field Communication:近距離通信)を行って得られる情報を用いてドキュメントDCの検索を行うものである。ここで、NFCとは、例えば通信する装置間の距離が、数十cm以下である場合に可能となる通信(非接触通信)を意味し、通信する装置の筐体が接触した状態で行われる通信も含まれる。
【0040】
図6は、本発明の第2実施形態による情報検索システムが備える端末装置の要部構成を示すブロック図である。
図6に示す通り、端末装置40は、
図1に示す端末装置10のカメラ11に代えてNFCリーダライタ41(取得部、近距離通信部)を設け、識別子読取部15aに代えて検索情報取得部15bを設け、格納部14にテーブルTB1(第1テーブル)を設けた構成である。
【0041】
NFCリーダライタ41は、NFCタグTGに対して非接触で給電を行うとともに、NFCタグTGとの間でNFCを行って、NFCタグTGに格納されているID情報(格納情報)の読み出しを行う、尚、NFCリーダライタ41は、NFCタグTGに対するデータの書き込みも可能である。検索情報取得部15bは、格納部14に格納されたテーブルTB1を用いて、NFCリーダライタ41で読み出されたID情報に応じた検索情報を取得する。ここで、テーブルTB1を用いて検索情報取得部15bで取得される検索情報としては、第1実施形態と同様に、「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」、「格納場所」等が挙げられる。
【0042】
図7は、本発明の第2実施形態による情報検索システムで用いられるテーブルの一例を示す図である。
図7に示す通り、テーブルTB1は、ID情報(NFCタグTGに格納されるID情報)と、検索情報(「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等)とが対応付けられたものである。尚、
図7に示すテーブルTB1は一例にすぎず、最適なドキュメントDCの検索結果を得るために任意の検索情報をテーブルTB1に格納することができる。
【0043】
次に、情報検索システム2の動作について説明する。情報検索システム2の基本的な動作は、
図4に示す情報検索システム1の動作と同様である。このため、以下では、情報検索システム1の動作と異なる点を中心に説明する。作業員Wが、NFCタグTGに対して端末装置40を接近させ、端末装置40のタッチパネル12を操作して検索開始の指示を行う。すると、データ処理部15によってNFCリーダライタ41が制御され、NFCリーダライタ41とNFCタグTGとの間でNFCが行われる。これにより、NFCタグTGに格納されたID情報(機器特定情報)が読み出される(
図4のステップS11に相当するステップ)。
【0044】
NFCタグTGから読み出されたID情報は、NFCリーダライタ41からデータ処理部15に出力され、格納部14に格納されたテーブルTB1を用いて、読み出されたID情報に応じた検索情報を取得する処理が検索情報取得部15bで行われる(
図4のステップS12に相当するステップ)。具体的には、読み出されたID情報に応じた「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等を取得する処理が行われる。
【0045】
検索情報取得部15bで取得された情報は、データ処理部15から無線通信部13に出力され、無線ネットワークN1、無線アクセスポイント20、及びイントラネットN2を順に介して検索サーバ30に送信される(
図4のステップS13に相当するステップ)。尚、検索情報取得部15bで取得された情報が検索サーバ30に送信された後は、第1実施形態と同様の動作が行われる。
【0046】
以上の通り、本実施形態では、フィールド機器FDに付随して設けられるNFCタグTGに格納されたID情報を端末装置40のNFCリーダライタ41で読み出し、格納部14に格納されたテーブルTB1を用いて、読み出したID情報に応じた検索情報(「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等)を取得し、取得した検索情報を端末装置40から検索サーバ30に送信している。そして、検索サーバ30が、端末装置40からの検索情報に含まれる「格納場所」に基づいて検索場所を特定し、残りの「機器タグ名」、「モデル名」等を検索キーワードとして検索を行うようにしている。このため、本実施形態でも、作業員が検索キーワードを入力しなくとも、作業員の状況に応じた最適な検索結果を得ることが可能である。
【0047】
尚、本実施形態では、フィールド機器FDに付随してNFCタグTGを設け、NFCタグTGと端末装置40との間でNFCが行われる例について説明した。しかしながら、Bluetooth(登録商標)に準拠した通信を行う通信機能をフィールド機器FDに設け(或いは、このような通信機能を有する通信機器をフィールド機器FDに付随して設け)、且つ、端末装置40にも同様の通信機能を設け、フィールド機器FD(或いは、フィールド機器FDに付随して設けられる通信機器)と端末装置40との間でBluetooth(登録商標)に準拠した通信が行われるようにしても良い。
【0048】
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態による情報検索システムの全体構成を示すブロック図である。尚、
図8においては、
図1に示す構成と同じ構成については同一の符号を付してある。
図8に示す通り、本実施形態の情報検索システム3は、
図1に示す情報検索システム1の端末装置10を端末装置50に代えた構成である。尚、本実施形態では、
図1に示す識別子IDが省略されている。
【0049】
本実施形態の情報検索システム3は、端末装置50がフィールド機器FDの位置情報を取得し、この位置情報を用いてドキュメントDCの検索を行うものである。尚、端末装置50は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等の測位機能を用いて位置情報を取得するものとする。
図8では、理解を容易にするために、GPSで用いられているGPS衛星STを1つ図示している。
【0050】
図9は、本発明の第3実施形態による情報検索システムが備える端末装置の要部構成を示すブロック図である。
図9に示す通り、端末装置50は、
図1に示す端末装置10のカメラ11に代えて測位部51(取得部、位置情報取得部)を設け、識別子読取部15aに代えて検索情報取得部15cを設け、格納部14にテーブルTB2(第2テーブル)を設けた構成である。
【0051】
測位部51は、端末装置50の位置を測定する。具体的に、測位部51は、
図8に示すGPS衛星STからの電波を受信するとともに、受信信号に対する信号処理を行って端末装置50の位置を測定する。ここで、フィールド機器FDの設置位置に端末装置50を配置すれば、フィールド機器FDの設置の位置を示す位置情報が測位部51で取得されることとなる。
【0052】
検索情報取得部15cは、格納部14に格納されたテーブルTB2を用いて、測位部51で取得された位置情報に応じた検索情報を取得する。ここで、テーブルTB2を用いて検索情報取得部15cで取得される検索情報としては、第1実施形態と同様に、「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」、「格納場所」等が挙げられる。このテーブルTB2は、
図7に示すテーブルTB1と同様の形式のテーブルであり、例えば
図7中の「ID情報」を「位置情報」に代えたものである。
【0053】
次に、情報検索システム3の動作について説明する。情報検索システム3の基本的な動作は、
図4に示す情報検索システム1の動作と同様である。このため、以下では、情報検索システム1の動作と異なる点を中心に説明する。作業員Wが、フィールド機器FDの設置位置に端末装置50を接近させて配置し、端末装置50のタッチパネル12を操作して検索開始の指示を行う。すると、測位部51で測定された位置情報(機器特定情報)がデータ処理部15に取得される(
図4のステップS11に相当するステップ)。
【0054】
フィールド機器FDの設置位置を示す位置情報が取得されると、格納部14に格納されたテーブルTB2を用いて、取得された位置情報に応じた検索情報を取得する処理が検索情報取得部15cで行われる(
図4のステップS12に相当するステップ)。具体的には、読み出された位置情報に応じた「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等を取得する処理が行われる。
【0055】
検索情報取得部15cで取得された情報は、データ処理部15から無線通信部13に出力され、無線ネットワークN1、無線アクセスポイント20、及びイントラネットN2を順に介して検索サーバ30に送信される(
図4のステップS13に相当するステップ)。尚、検索情報取得部15cで取得された情報が検索サーバ30に送信された後は、第1実施形態と同様の動作が行われる。
【0056】
以上の通り、本実施形態では、フィールド機器FDの設置位置を示す位置情報を端末装置50の測位部51で測定し、格納部14に格納されたテーブルTB2を用いて、測定された位置情報に応じた検索情報(「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等)を取得し、取得した検索情報を端末装置50から検索サーバ30に送信している。そして、検索サーバ30が、端末装置50からの検索情報に含まれる「格納場所」に基づいて検索場所を特定し、残りの「機器タグ名」、「モデル名」等を検索キーワードとして検索を行うようにしている。このため、本実施形態でも、作業員が検索キーワードを入力しなくとも、作業員の状況に応じた最適な検索結果を得ることが可能である。
【0057】
尚、本実施形態では、GPSを用いて端末装置50の位置情報を取得する例について説明した。しかしながら、端末装置50の位置情報を取得する方法は、GPSを用いる方法に制限されることはなく、任意の方法を用いることができる。例えば、Wi−Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)で用いられている既存の測位方法を用いることも可能である。
〔第4実施形態〕
図10は、本発明の第4実施形態による情報検索システムの全体構成を示すブロック図である。尚、
図10においては、
図1に示す構成と同じ構成については同一の符号を付してある。
図10に示す通り、本実施形態の情報検索システム4は、
図1に示す情報検索システム1の端末装置10を端末装置60に代えた構成である。尚、本実施形態では、
図1に示す識別子IDが省略されている。
【0058】
端末装置60は、拡張現実(AR:Augmented Reality)技術を用いて、カメラ等で撮影された画像に対し、撮影された画像に応じた付加情報を重畳させて表示させることが可能なものである。端末装置60は、
図10に示す通り、例えば配管及びフィールド機器の画像G11〜G14を含む画像Gに対し、配管及びフィールド機器に割り当てられたタグ情報を示す画像G21〜G24(付加情報)を重畳させて表示させることが可能である。
【0059】
本実施形態の情報検索システム4は、端末装置60に表示される付加情報(
図10に例示する画像G21〜G24)のうち、作業員Wの指示によって選択された付加情報を用いてドキュメントDCの検索を行うものである。
【0060】
図11は、本発明の第4実施形態による情報検索システムが備える端末装置の要部構成を示すブロック図である。
図11に示す通り、端末装置60は、
図1に示す端末装置10に測位部61及び姿勢検出部62を追加し、識別子読取部15aに代えて付加情報生成部15d、付加情報取得部15e、及び検索情報取得部15fを設け、格納部14にテーブルTB3(第3テーブル)を設けた構成である。
【0061】
測位部61は、
図9に示す測位部51と同様のものであり、端末装置60の位置を測定する。例えば、
図8に示すGPS衛星STからの電波を受信し、受信信号に対する信号処理を行って端末装置60の位置を測定する。姿勢検出部62は、ジャイロセンサや地磁気センサ(電子コンパス)等を備えており、端末装置60の姿勢や方位を検出する。尚、姿勢検出部62の検出結果を用いると、例えばカメラ11の撮影方向を特定することができる。
【0062】
付加情報生成部15dは、
図10に例示した付加情報(画像G21〜G24)を生成する。具体的に、付加情報生成部15dは、測位部61の測定結果、姿勢検出部62の検出結果、カメラ11の画角を示す情報、及び格納部14に格納されているフィールド機器FDに関する機器情報から、カメラ11で撮影されている方向に位置するフィールド機器FDを特定する。そして、特定したフィールド機器FDのタグ情報を示す画像(例えば、
図10に示すG21〜G24)を生成する。
【0063】
付加情報取得部15eは、タッチパネル12に表示された付加情報のうち、作業員Wがタッチパネル12を操作して行った指示によって選択された付加情報(機器特定情報)を取得する。検索情報取得部15fは、格納部14に格納されたテーブルTB3を用いて、付加情報取得部15eで取得された付加情報に応じた検索情報を取得する。ここで、テーブルTB3を用いて検索情報取得部15fで取得される検索情報としては、第1実施形態と同様に、「機器タグ名」、「位置コード」、「モデル名」、「格納場所」等が挙げられる。このテーブルTB3は、
図7に示すテーブルTB1と同様の形式のテーブルであり、例えば
図7中の「ID情報」を「付加情報」に代えたものである。
【0064】
次に、情報検索システム4の動作について説明する。情報検索システム4の基本的な動作は、
図4に示す情報検索システム1の動作と同様である。このため、以下では、情報検索システム1の動作と異なる点を中心に説明する。まず、作業員Wは、端末装置60のタッチパネル12を操作して拡張現実機能を有効にする。これにより、付加情報生成部15dの処理が開始され、端末装置60は、カメラ11で撮影された画像に対し、撮影された画像に応じた付加情報が重畳された画像がタッチパネル12表示される状態になる。
【0065】
作業員Wが、タッチパネル12を操作して、タッチパネル12に表示されている付加情報の1つを選択する操作を行うと、その操作に応じて1つの付加情報が付加情報取得部15eによって取得される(
図4のステップS11に相当するステップ)。1つの付加情報が取得されると、格納部14に格納されたテーブルTB3を用いて、取得された付加情報に応じた検索情報を取得する処理が検索情報取得部15fで行われる(
図4のステップS12に相当するステップ)。具体的には、取得された付加情報に応じた「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等を取得する処理が行われる。
【0066】
検索情報取得部15fで取得された情報は、データ処理部15から無線通信部13に出力され、無線ネットワークN1、無線アクセスポイント20、及びイントラネットN2を順に介して検索サーバ30に送信される(
図4のステップS13に相当するステップ)。尚、検索情報取得部15fで取得された情報が検索サーバ30に送信された後は、第1実施形態と同様の動作が行われる。
【0067】
以上の通り、本実施形態では、カメラ11で撮影された画像に対し、撮影された画像に応じた付加情報が重畳された画像を端末装置60のタッチパネル12に表示させるようにし、作業員Wの指示に応じて付加情報を選択し、格納部14に格納されたテーブルTB3を用いて、選択された付加情報に応じた検索情報(「機器タグ名」、「モデル名」、「格納場所」等)を取得し、取得した検索情報を端末装置60から検索サーバ30に送信している。そして、検索サーバ30が、端末装置60からの検索情報に含まれる「格納場所」に基づいて検索場所を特定し、残りの「機器タグ名」、「モデル名」等を検索キーワードとして検索を行うようにしている。このため、本実施形態でも、作業員が検索キーワードを入力しなくとも、作業員の状況に応じた最適な検索結果を得ることが可能である。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した第1〜第4実施形態で説明した端末装置10,40,50,60の機能が1つの端末装置にまとめられていても良い。このような端末装置を用いることで、フィールド機器FDに付随して識別子IDが設けられている場合、フィールド機器FDに付随してNFCタグTGが設けられている場合、識別子ID及びNFCタグTGの双方がフィールド機器FDに付随して設けられていない場合等の何れの場合であっても、ドキュメントDCの検索を行うことができる。
【0069】
また、上述した実施形態では、フィールド機器FDのドキュメントDC(マニュアルやスペックシート等)を検索する例について説明したが、フィールド機器FDのドキュメントDC以外の情報を検索することも可能である。例えば、フィールド機器FDの在庫数、在庫の置き場、及び在庫の納期等を示す在庫情報がクラウドCLに存在していれば、「モデル名」等を検索キーワードとして、在庫情報を検索することも可能である。また、検索された在庫情報から、フィールド機器FDの発注を行うようにすることも可能である。