特許第6249034号(P6249034)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249034
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】タイヤトレッド用ゴム組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 7/00 20060101AFI20171211BHJP
   C08L 9/06 20060101ALI20171211BHJP
   C08K 3/04 20060101ALI20171211BHJP
   C08L 3/06 20060101ALI20171211BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   C08L7/00
   C08L9/06
   C08K3/04
   C08L3/06
   B60C1/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-62444(P2016-62444)
(22)【出願日】2016年3月25日
(65)【公開番号】特開2017-171853(P2017-171853A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2017年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 慶介
【審査官】 横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−000971(JP,A)
【文献】 特開2015−196825(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/002506(WO,A1)
【文献】 特開2015−101636(JP,A)
【文献】 特開2009−001176(JP,A)
【文献】 特開2015−124370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
B60C 1/00
C08K 3/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブタジエンゴムを10〜30質量%、スチレンブタジエンゴムを30〜80質量%および天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを20質量%以上含む充填剤を50〜100質量部、硫黄をS質量部、加硫促進剤をA質量部およびオイルを配合したゴム組成物であって、前記スチレンブタジエンゴムが、スチレン含有量が22〜38質量%である乳化重合スチレンブタジエンゴムおよび/または溶液重合スチレンブタジエンゴムからなる複数のブレンドであり、前記天然ゴムおよびブタジエンゴムの質量比(NR/BR)が0.3以上、前記硫黄および加硫促進剤の配合比(S/A)が0.8以下であると共に、前記オイルを含むゴム組成物中のオイル成分の合計が15〜25質量部であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物。
【請求項2】
請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物を、トレッド部に使用した乗用車用空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雪上性能および耐チッピング性のバランスを一層向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
氷雪路用空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)には、積雪路面を走行するときの雪上性能に優れることが要求される。雪上性能を改良するためタイヤトレッド用ゴム組成物にブタジエンゴムやアロマオイルを配合することにより、低温状態での柔軟性を確保することが一般に行われる。しかしブタジエンゴムやアロマオイルを多く配合すると、タイヤトレッドにチッピングが発生しやすくなるという問題がある。
【0003】
特許文献1は、末端変性スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、シリカおよびカーボンブラックを配合したゴム組成物により、雪上性能、ウェット性能および耐摩耗性を改良することを提案している。しかし、需要者が、雪上性能と共に耐チッピング性を向上させることに対する期待がより高く、これら特性を一層改善することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−229701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、雪上性能および耐チッピング性のバランスを従来レベル以上に向上するようにしたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを10〜30質量%、スチレンブタジエンゴムを30〜80質量%および天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを20質量%以上含む充填剤を50〜100質量部、硫黄をS質量部、加硫促進剤をA質量部およびオイルを配合したゴム組成物であって、前記スチレンブタジエンゴムが、スチレン含有量が22〜38質量%である乳化重合スチレンブタジエンゴムおよび/または溶液重合スチレンブタジエンゴムからなる複数のブレンドであり、前記天然ゴムおよびブタジエンゴムの質量比(NR/BR)が0.3以上、前記硫黄および加硫促進剤の配合比(S/A)が0.8以下であると共に、前記オイルを含むゴム組成物中のオイル成分の合計が15〜25質量部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを10〜30質量%、スチレン含有量が22〜38質量%の乳化重合スチレンブタジエンゴムおよび/または溶液重合スチレンブタジエンゴムの複数のブレンドからなるスチレンブタジエンゴムを30〜80質量%および天然ゴムをブタジエンゴムとの質量比(NR/BR)で0.3以上含むジエン系ゴム100質量部に、カーボンブラックを20質量%以上含む充填剤を50〜100質量部およびゴム組成物中のオイル成分の合計が15〜25質量部になるようにオイルを配合すると共に、硫黄(S)および加硫促進剤(A)の質量比(S/A)を0.8以下にしたので、雪上性能および耐チッピング性を従来レベル以上に向上させることができる。
【0009】
本発明のゴム組成物をトレッド部に使用した乗用車用空気入りタイヤは、雪上性能および耐チッピング性を従来レベル以上に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムであり、そのジエン系ゴムは、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび天然ゴムを必ず含む。ブタジエンゴムを含有することにより、低温状態におけるゴム組成物の柔軟性を維持し雪上性能を確保することができる。また天然ゴムを含有することにより耐チッピング性を改良することができる。
【0011】
本発明において、ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中10〜30質量%、好ましくは15〜30質量%にする。ブタジエンゴムの配合量が10質量%未満であると雪上性能が低下する。またブタジエンゴムの配合量が30質量%を超えると、耐チッピング性が低下する。ブタジエンゴムとしては、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常用いられるものを使用するとよい。
【0012】
タイヤトレッド用ゴム組成物は、天然ゴムを含有することにより雪上性能を高いレベルで維持しながら耐チッピング性を改良することができる。天然ゴムとしては、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常用いられるものを使用するとよい。天然ゴムの含有量は、ブタジエンゴムの含有量との質量比(NR/BR)が0.3以上、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上であるとよい。また天然ゴムおよびブタジエンゴムの含有量の質量比(NR/BR)は、好ましくは4.5以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは1.0未満であるとよい。天然ゴムおよびブタジエンゴムの含有量の質量比(NR/BR)が0.3未満であると、耐チッピング性が低下する。
【0013】
本発明において、ジエン系ゴムはブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムおよび天然ゴム以外の他のジエン系ゴムを含有することができる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。これら他のジエン系ゴムは、単独又は複数のブレンドとして含有することができる。
【0014】
チレンブタジエンゴムを含有することにより、雪上性能を確保しながら耐チッピング性を改良することができる。スチレンブタジエンゴムとしては、乳化重合スチレンブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴムから選ばれる複数のブレンドとして含有する。複数のスチレンブタジエンゴムを含有することにより、雪上性能および耐チッピング性のバランスをより高くすることができる。
【0015】
本発明で好適に使用するスチレンブタジエンゴムは、スチレン含有量が38質量%以下、22質量%以上であり、好ましくは24質量%以上である。スチレンブタジエンゴムのスチレン含有量をこのような範囲内にすることにより、空気入りタイヤにしたときの耐チッピング性をより高くすることができる。なおスチレンブタジエンゴムのスチレン単位含有量は赤外分光分析(ハンプトン法)により測定するものとする。
【0016】
本発明において、スチレンブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中30〜80質量%、好ましくは40〜70質量%である。スチレンブタジエンゴムの含有量がジエン系ゴム中の87質量%を超えると、耐チッピング性が低下する虞がある。
【0017】
タイヤトレッド用ゴム組成物は、オイル成分の合計が、ジエン系ゴム100質量部に対し、15〜25質量部、好ましくは16〜24質量部であるとよい。オイル成分の合計が15質量部未満であると、雪上性能が低下する。またオイル成分の合計が25質量部を超えると、耐チッピング性が低下する。なお、オイル成分の合計とは、ジエン系ゴム中の油展オイル、およびゴム組成物の調製時に添加するオイルからなるゴム組成物中に含まれる総量をいう。またゴム組成物の調製時に添加するオイルとしては、例えば天然オイル、合成オイル、可塑剤などを例示することができる。
【0018】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、硫黄および加硫促進剤を配合する。ジエン系ゴム100質量部に対する硫黄および加硫促進剤の配合量をS質量部およびA質量部とするとき、硫黄および加硫促進剤の配合比(S/A)は0.8以下、好ましくは0.78以下にする。硫黄および加硫促進剤の配合比(S/A)を0.8以下にすることにより、耐チッピング性を優れたものにすることができる。なお硫黄の配合量S質量部は、加硫用に配合する硫黄の正味量である。また加硫促進剤の配合量A質量部は、1種類以上の加硫促進剤を配合するとき、それらの合計量とする。
【0019】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラックを20質量%以上含む充填剤をジエン系ゴム100質量部に対し50〜100質量部配合する。充填剤の配合量をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の雪上性能および耐チッピング性をより高いレベルでバランスさせることができる。充填剤の配合量が50質量部未満であると、高いレベルの耐チッピング性を確保することができない。充填剤の配合量が100質量部を超えると、雪上性能が悪化してしまう。
【0020】
また充填剤100質量%中のカーボンブラックの含有量は20質量%以上、好ましくは20〜60質量%にする。充填剤中のカーボンブラックの含有量をこのような範囲にすることにより、ゴム組成物の雪上性能および耐チッピング性を両立することが可能になる。
【0021】
カーボンブラックとしては、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常使用されるカーボンブラックを配合することができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、好ましくは110〜180m2/g、より好ましくは130〜160m2/gであるとよい。本明細書において、窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して測定するものとする。
【0022】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の充填剤を配合することができる。カーボンブラック以外の他の充填剤としては、例えばシリカ、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等が例示される。なかでもシリカが好ましい。他の充填剤をカーボンブラックと共に配合することによりゴム強度を高くすることができる。他の充填剤の含有量は、充填剤100質量%中80質量%以下、好ましくは40〜80質量%にするとよい。他の充填剤の含有量が80質量%を超えると耐チッピング性が悪化する。
【0023】
シリカとしては、タイヤトレッド用ゴム組成物に通常使用されるシリカ、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。またシリカの粒子性状は、特に制限されるものではないが、好ましくはCTAB比表面積が、好ましくは120〜200m2/g、より好ましくは140〜180m2/gであるとよい。本明細書において、CTAB比表面積は、JIS K6430 附属書Gに準拠して測定するものとする。
【0024】
本発明のゴム組成物において、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を向上しジエン系ゴムとの補強性をより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%配合するとよい。シランカップリング剤の配合量がシリカ質量の3質量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤の配合量が20質量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果を得ることができなくなる。
【0025】
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。
【0026】
タイヤトレッド用ゴム組成物には、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、液状ポリマー、テルペン系樹脂、熱硬化性樹脂などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫成形するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤトレッド用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
【0027】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、乗用車用空気入りタイヤに好適に使用することができる。このゴム組成物をトレッド部に使用した乗用車用空気入りタイヤは、積雪路面を走行するときの雪上性能と、耐チッピング性とのバランスを従来レベル以上に向上することができる。
【0028】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0029】
表3に示す配合剤を共通配合とし、表1〜2に示す配合からなる22種類のタイヤトレッド用ゴム組成物(標準例、実施例1〜5,7〜13、比較例1〜)を調製するに当たり、それぞれ硫黄および加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.7L密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチを放出し室温冷却した。このマスターバッチを同1.7L密閉式バンバリーミキサーに供し、硫黄および加硫促進剤を加え、混合しタイヤトレッド用ゴム組成物を得た。なお、表1,2において、SBR−1およびSBR−3〜−5は油展品であるため、正味のゴム量を括弧内に併記した。また、表3の共通成分の配合量は、表1,2に示すジエン系ゴム100質量部に対する質量部として記載した。
【0030】
得られた22種類のゴム組成物を150℃、30分の条件でプレス加硫して、雪上性能評価用の試験片(厚みが12mm以上)を作成した。また22種類のゴム組成物をキャップトレッドに用いたサイズ(225/60R17)の空気入りタイヤを加硫成形した。それぞれの空気入りタイヤを用いて、耐チッピング性を下記に示す方法により評価した。
【0031】
雪上性能(−10℃におけるゴム硬度)
上記で得られた試験片を使用し、JIS K6253に準拠しデュロメータのタイプAにより温度−10℃でゴム硬度を測定した。得られた結果は標準例を100とする指数として、表1,2に示した。この指数が小さいほど、特に指数が100以下であると、積雪路面における雪上性能(操縦安定性)が優れていることを意味する。
【0032】
耐チッピング性
得られた空気入りタイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組付け、排気量2000ccの四輪駆動車(SUV)に装着し、空気圧230kPaの条件で1000km走行させた後、未舗装の悪路を60km/時までの速度範囲にて30km走行させた。走行後のトレッド部の外観から以下の判定基準で耐チッピング性を評価した。評価AおよびBを合格レベルとした。
A: チッピングおよびクラックが全く生じていない。
B: 僅かなクラックが認められるが、チッピングは生じない。
C: 僅かなチッピング(欠け)が生じている。
D: 大きなチッピング(ブロック欠け)が生じている。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
なお、表1〜2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・BR:ブタジエンゴム、タイシンセティック社製UBEPOL BR150
・NR:天然ゴム、SIR20
・SBR−1:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL 9548、スチレン含有量37質量%、37.5質量部のオイルを含む油展品
・SBR−2:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL 1502、スチレン含有量24質量%、非油展品
・SBR−3:溶液重合スチレンブタジエンゴム、旭化成社製TUFDENE F3420、スチレン含有量36質量%、25質量部のオイルを含む油展品
・SBR−4:乳化重合スチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製NIPOL 1739、スチレン含有量40質量%、37.5質量部のオイルを含む油展品
・SBR−5:溶液重合スチレンブタジエンゴム、JSR社製JSR HP755R、スチレン含有量40質量%、37.5質量部のオイルを含む油展品
・カーボンブラック:THAI TOKAI CARBON社製N−134、窒素吸着比表面積(N2SA)が141m2/g
・シリカ:エボニック社製ULTRASIL 7000GR、CTAB比表面積が158m2/g
・シランカップリング剤:エボニックデグサ社製Si69、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
・アロマオイル:H&Rケミカル社製VIVATEC 500
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄(硫黄の含有量95.24質量%)
・加硫促進剤1:加硫促進剤CBS、大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤2:加硫促進剤DPG、大内新興化学工業社製ノクセラーD−G
【0036】
【表3】
【0037】
なお、表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・老化防止剤1:Solutia Europe社製SANTOFLEX 6PPD
・老化防止剤2:NOCIL LIMITED社製PILNOX TDQ
【0038】
表1,2から明らかなように標準例および実施例1〜5,7〜13のタイヤトレッド用ゴム組成物は、雪上性能および耐チッピング性のバランスを標準例レベル以上に向上させることができる。
【0039】
比較例1のゴム組成物は、ブタジエンゴムの配合量が10質量%未満であるので雪上性能が劣る。
比較例2のゴム組成物は、ブタジエンゴムの配合量が30質量%を超えるので耐チッピング性が劣る。
比較例3のゴム組成物は、オイル成分の合計が15質量部未満であるので雪上性能が劣る。
比較例4のゴム組成物は、オイル成分の合計が25質量部を超えるので耐チッピング性が劣る。
比較例5のゴム組成物は、硫黄および加硫促進剤の質量比(S/A)が0.8を超えるので耐チッピング性が劣る。
比較例6のゴム組成物は、充填剤中のカーボンブラックの質量割合が20質量%未満であるので、耐チッピング性が劣る。
比較例7のゴム組成物は、充填剤の配合量が50質量部未満であるので耐チッピング性が劣る。
比較例8のゴム組成物は、充填剤の配合量が100質量部を超えるので雪上性能が劣る。