(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249098
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】ロール製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
B65H 23/04 20060101AFI20171211BHJP
B65H 35/02 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
B65H23/04
B65H35/02
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-528178(P2016-528178)
(86)(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公表番号】特表2016-539879(P2016-539879A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】KR2014010479
(87)【国際公開番号】WO2015065145
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年10月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0133104
(32)【優先日】2013年11月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502411241
【氏名又は名称】コーニング精密素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】Corning Precision Materials Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】キム、 キ ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム、 シン
(72)【発明者】
【氏名】ソル、 ムン ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、 トン ヨン
【審査官】
佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−168403(JP,A)
【文献】
特開2012−187453(JP,A)
【文献】
特開2010−132531(JP,A)
【文献】
特開2007−314347(JP,A)
【文献】
特表2010−523436(JP,A)
【文献】
特開昭62−244469(JP,A)
【文献】
特開2011−052823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 23/00−23/34
B65H 27/00
B65H 20/00−20/40
B65H 26/00−26/08
B65H 16/00−16/10
B65H 18/00−18/28
B65H 19/00−19/30
B65H 21/00−21/02
B65G 49/00−49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材をウェブに成形する成形段階と;
成形済みの前記ウェブを搬送する搬送段階と;
前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設された振動抑制部が前記ウェブの振動を抑制する振動抑制段階と;
搬送されてきた前記ウェブをロールに巻き取る巻取り段階;を含み、
前記振動抑制部は、第1の超音波振動部及び第2の超音波振動部を含み、前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部とは、前記ウェブがそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設され、前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、前記ウェブを前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部との間で非接触にて拘束することで、前記ウェブの振動を抑制し、
前記搬送段階では、前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設された搬送部が前記ウェブを搬送し、
前記搬送部は、非接触搬送部と接触搬送部を含み、
前記非接触搬送部は、超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、非接触状態で前記ウェブに浮上力を加え、
前記接触搬送部は、前記非接触搬送部によって浮上された前記ウェブの少なくとも一地点と接触状態でその少なくとも一地点を搬送し、
前記ウェブは、有効領域とその周囲の非有効領域を含み、
前記非接触搬送部は前記有効領域に反発力を加えて浮上させ、前記接触搬送部は前記非有効領域と接触することを特徴とするロール製造方法。
【請求項2】
前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設されたカッティング部が前記ウェブの辺をトリムカットするカッティング段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項3】
カッティングは、前記ウェブと前記カッティング部とが非接触となるレーザーカッティングであることを特徴とする請求項2に記載のロール製造方法。
【請求項4】
前記振動抑制部は、前記ウェブのカッティング部位の長手方向の両隣接部位の少なくとも一部位に前記超音波振動によって発生した反発力を加えることを特徴とする請求項2に記載のロール製造方法。
【請求項5】
前記振動抑制部は、前記カッティング部によってカットされ前記ウェブから切り出されて排出されるトリム部位の排出経路上の少なくとも一地点に配設され、前記トリム部位の振動を抑制することを特徴とする請求項2に記載のロール製造方法。
【請求項6】
前記振動抑制部は、前記成形段階で成形済みの前記ウェブが軟化点未満に冷却される前に前記ウェブに前記超音波振動による反発力を加えて、前記ウェブの振動を抑制することを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項7】
前記ウェブの搬送経路上の一地点に配設された洗浄部及び/または検査部が、前記ウェブを洗浄及び/または検査する洗浄及び/または検査段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項8】
前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設されたカッティング部が前記ウェブの辺をトリムカットするカッティング段階を更に含み、
前記カッティング段階は、前記洗浄及び/または検査段階に先立って行われ、
前記カッティング段階と、前記洗浄及び/または検査段階の間では、中間巻取り段階及び中間巻出し段階が行われ、
前記中間巻取り段階及び前記中間巻出し段階は、相互非連続工程として行われ、
前記中間巻取り段階では、前記ウェブを中間リールに巻き取り、前記中間巻出し段階では、前記ウェブを前記中間リールから巻き出すことを特徴とする請求項7に記載のロール製造方法。
【請求項9】
前記成形段階で成形済みの前記ウェブは、前記ウェブの搬送経路上に配設された方向切り替え部に至るまで垂直下方に搬送され、前記方向切り替え部によって垂直下方から水平方向に搬送方向が切り替えられて搬送されることを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項10】
前記方向切り替え部は非接触搬送部を含み、
前記非接触搬送部は、超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、非接触状態で前記ウェブに浮上力を加えることを特徴とする請求項9に記載のロール製造方法。
【請求項11】
前記方向切り替え部は、接触搬送部を更に含み、
前記接触搬送部は、前記非接触搬送部によって浮上された前記ウェブの少なくとも一地点と接触状態でその少なくとも一地点を搬送することを特徴とする請求項10に記載のロール製造方法。
【請求項12】
前記方向切り替え部は、第1の超音波振動部及び第2の超音波振動部を含み、
前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部とは、前記ウェブがそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設され、前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、前記ウェブを前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部との間で非接触にて拘束することで、前記ウェブの振動を抑制することを特徴とする請求項9に記載のロール製造方法。
【請求項13】
前記巻取り段階では、
保護フィルムリールから巻き出された保護フィルムを前記ウェブと一緒に巻取りリールに巻き取って、前記保護フィルムがコートされた前記ウェブを前記ロールに巻き取ることを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項14】
前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設された張力調節部が、前記ウェブの張力を調節する張力調節段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項15】
前記ウェブは薄板ガラスウェブであることを特徴とする請求項1に記載のロール製造方法。
【請求項16】
母材をウェブに成形する成形部と;
成形済みの前記ウェブを搬送する搬送部と;
前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設され、前記ウェブの振動を抑制する振動抑制部と;
搬送されてきた前記ウェブをロールに巻き取る巻取部と;を含み、
前記振動抑制部は、第1の超音波振動部及び第2の超音波振動部を含み、
前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部とは、前記ウェブがそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設され、前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、前記ウェブを前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部との間で非接触にて拘束することで、前記ウェブの振動を抑制し、
搬送段階では、前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設された搬送部が前記ウェブを搬送し、
前記搬送部は、非接触搬送部と接触搬送部を含み、
前記非接触搬送部は、超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、非接触状態で前記ウェブに浮上力を加え、
前記接触搬送部は、前記非接触搬送部によって浮上された前記ウェブの少なくとも一地点と接触状態でその少なくとも一地点を搬送し、
前記ウェブは、有効領域とその周囲の非有効領域を含み、
前記非接触搬送部は前記有効領域に反発力を加えて浮上させ、前記接触搬送部は前記非有効領域と接触することを特徴とするロール製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール製造方法及び製造装置に係り、より詳しくは、超音波振動を利用してウェブと設備との表面接触を取り除くことでウェブの不良可能性を除去することができるロール製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ市場におけるスリム化・軽量化の進行に伴い、基板厚さの薄型化が加速している。既存の0.7mm厚さの基板から、現在は0.5mm以下の厚さの基板が望まれており、薄型化トレンドが持続していき、0.3mm以下の厚さの基板では、既存のシート形態の搬送に比べて搬送難易度が高くなることで生産歩留まりが低下し、生産性の限界に逢着するようになった。そこで、既存のフィルム産業で主に使用されていたロール・ツー・ロール方式を基板の生産に適用して生産性の向上を図り、且つ、基板の薄型化に対応できるようにする方案が台頭してきている。
【0003】
既存のフィルム産業のロール・ツー・ロール設備では、Web表面の品質が重要な要素ではないため、Webの搬送では接触搬送が主に使用されていた。しかし、本発明で取り扱いたい基板ガラスの産業分野では、基板ガラスの表面品質が重要な要素であるため、接触搬送で発生し得る表面スクラッチ(Scratch)、汚染、基板破損などは製品の品質に悪影響を及ぼす。
【0004】
これを避けるために、既存の方法では、別途の異形材料を基板に貼り付けるか、または塗布する方式も用いられているが、これでは、工程上において別途の設備の追加が必要となることから工程が複雑になり、設備原価が増大する。また、継続的に、付加的な貼り付けまたは塗布材料が消耗するため、製品の原価をアップさせる要因になる。
【0005】
このような接触搬送の不具合を克服するために、エアーフローティング(Air Floating)を利用した非接触搬送が提案された。しかし、薄板ガラスウェブは、材料の特性上、外部の振動による動的影響が大きく、割れやすい脆性材料であって、エアーフローティングの適用時に様々な問題を伴うことが考えられる。その事例として、エアーフローティング方式では、流体の流れの制御が難しいことや乱流の影響によりガラスウェブ(Glass Web)の不安定な搬送を誘発して、設備の表面にガラスウェブが接触し、ガラスウェブを巻き取る際に幅方向への位置偏差などを悪化させる。また、エア(Air)が汚染されている場合、ガラス表面を汚染させて製品の品質に悪影響を及ぼす。また、一定圧力の浄化したエアを持続的に供給しなければならないため、相当なユーティリティ(Utility)費用を誘発し、製品原価をアップさせる要因になる。
【0006】
また、工程が長くなるほどエアーフローティングのための供給配管の連結が次第に複雑化していき、初期設備投資費用をアップさせる要因になる。
【0007】
一方、ウェブの加工(切断、研磨、成形、印刷、コーティングなど)工程、特に薄板加工工程において、ウェブが機械的な振動などの様々な原因によって振動し、場合によっては、共振によって所望しないウェブの振動現象が生じることがある。このようなウェブの振動は、単なる騷音だけではなく、様々な加工精度を劣化し阻害する原因になる。このような振動は、ウェブの加工のみならず、ウェブの検査、測定、制御、搬送などの精度にも悪影響を与える。
【0008】
従来の振動抑制方法として、流体ベント(高圧空気)を使用して非接触にて振動を抑制する技術がある(製鉄連続ラインにおける鋼板の非接触式振動抑制装置、韓国公開特許第2003−0053390号)。しかし、この方法では、空気の流速だけではウェブの均一な高さ調節が難しく、且つ、ウェブを非接触状態で保持する力が非常に弱いことから、ウェブの不安定な状態(揺れなど)が発生した場合、接触しやすくなるという問題点があった(ウェブ隔離装置及びこれを利用するための方法、韓国公開特許第2011−0095191号)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ウェブと設備との表面接触を取り除くことでウェブの不良を誘発する可能性を除去し、超音波の安定した浮上力を基にウェブの搬送品質を向上させることである。
【0010】
また、本発明は、機械的な接触をすることなくウェブに均一な圧力を加えることで安定した非接触状態を保持し、ウェブの工程で発生する振動現象を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は、母材をウェブに成形する成形段階と;成形済みの前記ウェブを搬送する搬送段階と;前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設された振動抑制部が前記ウェブの振動を抑制する振動抑制段階と;搬送されてきた前記ウェブをロールに巻き取る巻取り段階;を含み、前記振動抑制部は、第1の超音波振動部及び第2の超音波振動部を含み、前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部とは、前記ウェブがそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設され、前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動による反発力を前記ウェブに加えて、前記ウェブを前記第1の超音波振動部と前記第2の超音波振動部との間で非接触にて拘束することで、前記ウェブの振動を抑制することを特徴とするロール製造方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、母材をウェブに成形する成形部と;成形済みの前記ウェブを搬送する搬送部と;前記ウェブの搬送経路上の少なくとも一地点に配設され、前記ウェブの振動を抑制する振動抑制部と;搬送されてきた前記ウェブをロールに巻き取る巻取部と;を含むことを特徴とするロール製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
前述した構成によれば、本発明は、ウェブと設備との表面接触を取り除くことでウェブの不良を誘発する可能性を除去することができ、超音波の安定した浮上力を基にウェブの搬送品質を向上することができる。
【0014】
また、本発明は、機械的接触によるウェブの損傷がなく、ウェブの振動を抑制することで、加工、検査、測定、制御、搬送などの工程を安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施例に係るロール製造装置の概略的な側面図である。
【
図2】本発明の第2の実施例に係るロール製造装置の概略的な側面図である。
【
図3】
図1及び
図2の成形部で成形されたウェブの幅方向断面図である。
【
図4】
図2の振動抑制部の振動抑制原理を概略的に示す図である。
【
図5】
図1及び
図2の方向切り替え部を概略的に示す図である。
【
図6】方向切り替え部のまた他の実施例を概略的に示す図である。
【
図7】方向切り替え部のまた他の実施例を概略的に示す図である。
【
図8】方向切り替え部のまた他の実施例を概略的に示す図である。
【
図10】
図2の張力調節部の張力調節原理を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を詳しく説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施例に係るロール製造装置の概略的な側面図である。
【0018】
図1のロール製造装置は、成形部400、搬送部100、方向切り替え部600、及び巻取部を含む。
【0019】
成形部400は母材をウェブWに成形する。搬送部100は成形されたウェブWを搬送する。方向切り替え部600はウェブWの搬送方向を切り替え、
図1において、方向切り替え部600は、垂直下方から水平方向に搬送方向を切り替える。すなわち、成形段階で成形されたウェブWは、ウェブWの搬送経路上に配設された方向切り替え部600に至るまで垂直下方に搬送され、方向切り替え部600によって垂直下方から水平方向に搬送方向が切り替えられて搬送される。巻取部は、搬送されてきたウェブWをロールに巻き取る。巻取部は、保護フィルムが巻き出される保護フィルムリール712と、ウェブと保護フィルムとが一緒に巻き取られる巻取りリール711を含む。
【0020】
本発明のウェブWは、典型的にガラスウェブである。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、ウェブWは、その他、多様な材質からなるものであってよい。本発明は、ウェブW、特に薄板ガラスウェブをロール形態で生産する製造方法及び装置に係り、より詳しくは、非接触搬送にてガラスロールを製造する方法及び装置に関する。
【0021】
このために、本発明は、超音波を活用したウェブ非接触搬送装置を構成した。フュージョンドロー(Fusion Draw)あるいはフローティング(Floating)方式などのガラス基板成形装置によって生産されたガラスウェブWを、韓国公開特許第2010−0057530号に明記された超音波非接触技術を活用してガラスウェブWを非接触にて搬送し、これを最終的にガラスロールに製造する。
【0022】
前記ガラスロールを製造する製造装置では、成形部400で成形されたガラスウェブWが設備と接触することなく搬送されてきて、最終的にガラスロールに巻き取られるため、ガラス表面への損傷や汚染なしにガラスロールを生産することができる。ガラスウェブWまたはこれより得られたガラスシートは、ディスプレイ、電子素材(太陽電池、タッチセンサー、及びウエハ)、建築、家電などの多様な分野で使用可能である。
【0023】
図2は、本発明の第2の実施例に係るロール製造装置の概略的な側面図である。
【0024】
ガラスロールを製造するためには、成形部400から下方に繰り出されたガラスウェブWを安定して搬送し、下流の振動をガラス成形に影響させないための振動抑制部200を配設していてよい。好ましくは、成形部400で成形されたウェブWが軟化点未満に冷却する前に、ウェブWに超音波振動によって発生した高圧の空気層による反発力を加えて、ウェブWの振動を抑制する。軟化点以上のウェブWに振動が伝わった場合、ウェブWの品質に極めて悪い影響を及ぼすため、軟化点未満に冷却する以前からウェブWの振動を抑制する必要があるからである。
【0025】
また、垂直に繰り出されたガラスウェブWを水平に搬送するために非接触ガラスウェブ方向切り替え部600を有していてよい。
【0026】
水平にガラスウェブ搬送方向が切り替えられた後、カッティング部501に通されるようになる。カッティング部501は、ウェブWと非接触になるレーザーを利用してカッティングを行うのが好ましい。安定したカッティングを助けるために、振動抑制部200は、カッティング部位の長手方向の両隣接部位のうちの少なくとも一部位に超音波振動によって発生した反発力を加える。
図2では、カッティング部位の長手方向の両隣接部位に反発力を加える実施例を示している。
【0027】
カッティング部501によってカットされて、ウェブWから分離され排出されるトリム部位の排出経路上の少なくとも一地点に振動抑制部200を配設して、トリム部位の振動を抑制する。
【0028】
このようにトリム部位がカッティング分離されたガラスウェブWは、中間リール713によってガラスロールに巻き取られる。
【0029】
中間リール713から巻き出されたガラスウェブWを非接触搬送にて搬送していき、巻取りリールに再びガラスロールに巻き取って、ガラスウェブWに損傷を与えることなくガラスロールを生産することができる。ここで、中間リール713に巻き取り、中間リール713から巻き出す段階は相互非連続で行われていてよい。このとき、保護フィルムが保護フィルムリール714から巻き出され、保護フィルムリール716に巻き取られる過程も非連続で行われていてよい。保護フィルムリール714と保護フィルムリール716とは同一のリールであっても、互いに異なるリールであってもよい。場合によっては、互いに異なる主体によって、i)成形〜中間リールの巻取りとii)中間リールの巻出し〜巻取りリールの巻取が行われていてよい。
【0030】
ガラスウェブWの張力を調節し、且つガラスウェブWのねじれを吸収することができる非接触張力調節部300を含んでいてよい。張力調節部300は、ウェブWの搬送経路上の少なくとも一地点に配設される。
【0031】
また、前記搬送部100は、超音波振動部と接触搬送部を含んでいてよい。接触搬送部は、超音波振動部によって浮上されたウェブWの少なくとも一地点と接触状態でその少なくとも一地点を搬送することで搬送の安定性を高める。接触搬送部は、例えば、ベルト、ローラ、クランプ、などを含んでいてよい。
【0032】
図2のロール製造装置は、成形部400、搬送部100、及び巻取部の他、方向切り替え部600、カッティング部501、振動抑制部200、張力調節部300、洗浄部800、及び検査部900を含む。
【0033】
成形部400は、フュージョンドロー(Fusion Draw)成形技術を用いてガラスウェブWを生成するとき、ガラスウェブWがZ方向に生産され、ガラスウェブWのZ軸断面は、
図3に示す幅方向両端の厚みが厚めの形態で生産される。ガラスウェブWの厚みが薄い中心部は製品に活用され、両端の厚い非有効ガラスウェブWは下流においてトリムカッティング部501によってウェブWから切り出されて除去される。
【0034】
成形部400でガラスを生産する際に下流からの振動や外部気流の影響でガラスが振るえたりすると、ガラスの形状などが不安定に形成されたり、割れが発生したりすることもある。それで、成形部400の内部あるいは下流に振動抑制部200を配設していてよい。振動抑制部200は、
図4に示すように、超音波振動部をガラスウェブWの両面に対向するように配設し、ガラスウェブWに接触しない状態でガラスウェブWが厚さ方向に振動することを抑える役割をする。超音波加振器231、232は超音波振動部221、222を振動させる。振動吸収部241、242は、超音波振動部221、222の振動がウェブ以外の部位に影響を及ぼさないよう、振動の外部への漏れを遮断する。固定フレーム251、252は超音波振動部221、222を固定位置で支持できるようにする。カバー271は、振動抑制部200の構成部を収容する。
【0035】
このようにして生産されたガラスウェブWは、
図5〜
図8に示された非接触ガラスウェブ方向切り替え部にてX方向に搬送方向が切り替えられる。生産現場の高さに問題がない場合、前記方向切り替え部600を設けることなくZ軸方向にそのまま搬送し続けてもよい。
【0036】
方向切り替え部600は、超音波非接触技術を用いてガラスに接触することなくガラスウェブWの方向をZ軸からX軸に切り替える装置である。
図5に示すように方向切り替え部600は非接触搬送部601を含んでいてよい。ガラスウェブWの幅方向全体に対して超音波振動によって発生した高圧の空気層による反発力を加えて、非接触状態でウェブWに浮上力を加えることで非接触支持をすることもできる。設備投資費用の削減のために、
図6に示すように幅方向一部の部分だけを非接触支持してもよい。また
図7に示すように、非接触搬送部601と接触搬送部602を併用してもよい。接触搬送部602は、非接触搬送部601によって浮上されたウェブWの少なくとも一地点と接触状態でその少なくとも一地点を搬送する。ウェブWの非有効領域に接触搬送部602が接触するように構成し、ガラスウェブWをより安定して搬送させることができる。ここで有効領域とは、ガラスウェブWまたはこれより得られるガラスシートにおいて使用領域として予定された領域のことをいい、また、非有効領域とは、非使用領域として予定された領域のことをいう。例えば、ガラスウェブWが幅方向に切り出されてディスプレイガラス基板として使用されるとき、有効領域は、使用領域、すなわちディスプレイ領域であり、非有効領域は、非使用領域、すなわち画面光が透過しない周りの縁領域であって非ディスプレイ領域を意味する。ここで、接触搬送部602として、ローラ、ベルト、またはクランプなどが使用されていてよい。また、
図8に示すように、二つの超音波振動部603、604が対向してなる振動抑制部を方向切り替え部600として使用し、後段部の振動が成形装備へ伝わることを防止し、且つガラスの搬送方向切り替えをより効果的に誘導することができる。
【0037】
進行方向が切り替えられたガラスウェブWは、搬送部100によって搬送される。搬送部100は、ウェブWの搬送経路上の少なくとも一地点に配設される。搬送部100は非接触搬送部101を含む。非接触搬送部101は、ガラスウェブWの全面に亘って支持をすることもでき、一部の部分だけ支持をすることもできる。非接触搬送部101は、超音波振動し、その超音波振動によって発生した高圧の空気層による反発力をウェブWに加えて、非接触状態でウェブWに浮上力を加える。また、
図9に示すように、搬送部100は、必要によっては接触搬送部102を含んでいてよい。接触搬送部102は、非接触搬送部101によって浮上されたウェブWの少なくとも一地点と接触状態でその少なくとも一地点を搬送する。接触搬送部102は、ガラス幅方向両端のエッジ(Edge)から所定距離内の部位だけを接触することが好ましい。接触搬送部102は、トリムカッティング前はトリム部位と接触することが好ましく、トリムカッティング後は非有効領域と接触することが好ましい。ここで、接触する量は10mm未満が適当である。非接触搬送部101は、有効領域に反発力を加えて浮上させる。
【0038】
接触搬送部102は、基本的に幅方向両端と接触していてよい。しかし、両端と接触した場合、二つの接触搬送部102の搬送速度の同期化に失敗した場合、ガラスウェブWが歪んで蛇行したり、割れたりすることがある。これを抑えるため、接触搬送部102を幅方向両端の一方だけに配設していてよい。ガラスウェブWが非接触搬送部101によって浮上された状態であるため、ガラスウェブWと接触搬送部102との接触面積が相対的に小さくても搬送が可能となる。
【0039】
カッティング部501は、ウェブWの搬送経路上の少なくとも一地点に配設される。カッティング部501は、ウェブWの辺をカットしてトリム部位をガラスウェブWから除去するようになる。カッティング方式はメカニカル(Mechanical)やレーザーカッティング方式が用いられる。レーザーカッティング方式としては、ガラスウェブWに初期クラックを発生させ、ガラスウェブWを局所的に加熱した後、冷却によってクラックを伝播させるカッティング方式が主に用いられる。
【0040】
カッティングの際にはガラスウェブWの安定した搬送が必要であるため、カッティング部501と隣接した上流及び下流の少なくとも1ヶ所に振動抑制部200を配設していてもよい。こうした場合、カッティング部501の上・下流から伝わり得るガラスウェブWの振動及びガラスウェブWの波などがカッティングに影響を与えることを防止することができる。カッティング部501によってガラスウェブWから切り出されたトリム部位は、ガラスウェブWとは異なる進行方向に排出された後、破砕される。このとき、破砕される過程で切り取られたトリム部位に沿って振動が逆流してカッティング部501に影響を与えることがあるため、非接触振動抑制部を使用したり、接触式振動抑制部を使用したりして振動の伝達を遮断する。
【0041】
振動抑制部200は、ウェブWの搬送経路上の少なくとも一地点に配設され、ウェブWの振動を抑制する。
図4に示すように、振動抑制部200は、第1の超音波振動部221及び第2の超音波振動部222を含む。また、振動発生部、振動吸収部、固定フレーム、及びカバーを含んでいてよい。第1の超音波振動部221と第2の超音波振動部222とは、ウェブWがそれらの間で介在できるよう、相互離隔して対向して配設される。第1の超音波振動部221と第2の超音波振動部222は、それぞれ超音波振動し、その超音波振動による反発力をウェブWに加えて、ウェブWを前記第1の超音波振動部221と前記第2の超音波振動部222との間で非接触にて拘束することで、前記ウェブWの振動を抑制する。
【0042】
トリム部位が切り取られたガラスウェブWは、再び非接触搬送部101によって搬送されていき、以降、中間リール713によってロールに巻き取られる。ガラスロールを巻き取る際は、ガラスウェブW同士が接触してスクラッチが発生することを防止するために、保護フィルムリール714から巻き出された保護フィルムをウェブWと一緒に巻き取って、保護フィルムがコートされたウェブWをロールに巻き取ることができる。
【0043】
ガラスロールの生産が完了すると、別の加工工程を施すためにロール・ツー・ロール工程を実施することがある。
図2に示すように、ロール・ツー・ロール工程は、ガラスロールからガラスウェブWを繰り出す巻出し工程から始まる。巻出し工程では、保護フィルムを回収し、ベア(Bare)状態のガラスウェブWが工程に投入できるようにする。ガラスウェブWは、必要によっては張力制御部に通される。張力制御部のダンサー(Dancer)は非接触超音波振動部を含み、超音波振動によって発生した高圧の空気層による反発力をウェブWに加えて、非接触でウェブWの張力を調節することができる。
【0044】
図10に示すように、非接触ダンサー(Dancer)320をウェブ張力の制御と速度の制御のために組み込むことができる。張力の制御のためにウェブWに一定の力を外部から持続的に加えることで、ウェブWに一定の張力を保持させる。速度の制御のために、巻取りと巻出しの一方がマスターで、他方がスレーブである場合、ダンサー320の高さをリアルタイムで測定し、フィードバックして、スレーブの巻き速度を加減することで、巻取り及び巻出し速度の差をリアルタイムで制御して同期化することができる。
【0045】
図10の張力調節装置300は、ダンサー320、リンク331、及び支持部341、342を含む。
【0046】
ガラスウェブWは、洗浄工程と検査工程を経ていてよい。このために、ウェブWの搬送経路上の一地点に洗浄部800及び検査部900が配設される。洗浄部800はウェブWを洗浄する。検査部900はウェブWを検査する。また、必要によっては、追加の工程が含まれていてよい。この工程中でも、できれば超音波非接触搬送部101を利用して非接触搬送が行われるようにしていてよい。
【0047】
最終的に、巻取部において、保護フィルムリール718から巻き出された保護フィルムをウェブWと一緒に巻取りリール717に巻き取って保護フィルムがコートされたウェブWをロールに巻き取る。