【文献】
Sung Hwan WON,Status Report to TSG, Inter-eNB CoMP for LTE,3GPP RP-140053,2014年 3月 6日
【文献】
NSN et al.,Simulation Results for CoMP scenario.2 with non-ideal backhaul, 3GPP TSG-RAN WG1#75 R1-136023,2013年11月15日
【文献】
NSN,Signalling framework for inter-eNB CoMP based on Coordinated Muting, 3GPP TSG-RAN WG3♯83 R3-140181,2014年 2月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の送信点と第2の送信点とを含むワイヤレス通信システムにおいて、前記第1の送信点において実装され、協調マルチポイント送受信方式(CoMP)をサポートするワイヤレス通信方法であって、
1つまたは複数のCoMP仮説集合を前記第2の送信点に送信することと、
各CoMP仮説集合に対応するベネフィットメトリックを前記第2の送信点に送信することと、を有しており、
前記ベネフィットメトリックは負の値であり得、
前記第2の送信点は、提案された作用のために前記第2の送信点が受信するゲイン、ベネフィット、損失、またはコストの値を合計し、前記提案された作用に従う際に前記第2の送信点が取得するゲイン、ベネフィット損失、またはコストを加算する、ワイヤレス通信方法。
第1の送信点と第2の送信点とを含むワイヤレス通信システムにおいて、前記第2の送信点において実装され、協調マルチポイント送受信方式(CoMP)をサポートするワイヤレス通信方法であって、
1つまたは複数のCoMP仮説集合を前記第1の送信点から受信することと、
各CoMP仮説集合に対応するベネフィットメトリックを前記第1の送信点から受信することと、を有しており、
前記ベネフィットメトリックは負の値であり得、
前記第2の送信点は、提案された作用のために前記第2の送信点が受信するゲイン、ベネフィット、損失、またはコストの値を合計し、前記提案された作用に従う際に前記第2の送信点が取得するゲイン、ベネフィット損失、またはコストを加算する、ワイヤレス通信方法。
第1の送信点と第2の送信点とを含むワイヤレス通信システムにおいて、前記第1の送信点において実装され、協調マルチポイント送受信方式(CoMP)をサポートするワイヤレス通信方法であって、
1つまたは複数のCoMP仮説集合を前記第2の送信点に送信することと、
各CoMP仮説集合に対応するベネフィットメトリックを前記第2の送信点に送信することと、を有しており、
前記ベネフィットメトリックは負の値であり得、
前記ベネフィットメトリックは、ゼロまたはCoMP仮説におけるリソース配分が必須であるという情報を表す特別な値を含む、ワイヤレス通信方法。
第1の送信点と第2の送信点とを含むワイヤレス通信システムにおいて、前記第2の送信点において実装され、協調マルチポイント送受信方式(CoMP)をサポートするワイヤレス通信方法であって、
1つまたは複数のCoMP仮説集合を前記第1の送信点から受信することと、
各CoMP仮説集合に対応するベネフィットメトリックを前記第1の送信点から受信することと、を有しており、
前記ベネフィットメトリックは負の値であり得、
前記ベネフィットメトリックは、ゼロまたはCoMP仮説におけるリソース配分が必須であるという情報を表す特別な値を含む、ワイヤレス通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで
図1を参照すると、本発明の実施形態が実装され得るCoMP協調ゾーンもしくはエリアまたはCoMP協働集合402を有するCoMPモバイル通信システム400が示されている。1つまたは複数のユーザ機器410が、1つもしくは複数のTPまたはセル404〜408によって、サービスを受けている。TP404〜408は、基地局、すなわち、eNBとすることができる。ユーザ機器のそれぞれは、たとえば、送信機と受信機とを含み、基地局、すなわち、eNB104のそれぞれは、たとえば、送信機と受信機とを含む。
実施形態A
われわれは、スケジューリングフレームワークの詳細については、付録に収集することにした。各ユーザに対し、協調ゾーンにおけるそれらのうちの3つ以下のTPを含む測定集合が定義され、集中化された決定(プリコーダタプルまたはミューティングパターンの割り当て、およびおそらくはユーザの関連付け)がなされる時間スケールよりもさらに粗い時間スケールの間、固定された状態で保持される、とわれわれは想定する。
【0023】
付録に与えられている説明から、フルバッファトラフィックモデルの下で(プリコーダタプルの割り当ておよびユーザの関連付けなど)集中化された決定を下すためには、指定された中央ノード(本明細書では、マスタTP(MTP)と称される)が
【0025】
を取得可能であるべきであることが分かるが、これは、プリコーダタプル
【0027】
がそのゾーンにおけるTPに割り当てられており、その他のどのユーザもTPbと関連しないという状況が与えられている場合に、それがTPbによってデータをサービスされるときに(単位サイズを有するように正規化された利用可能な時間−周波数リソースを介して)ユーザuが取得することができる平均レートの推定を表す、ということをわれわれは思い出す。また、プリコーダタプル
【0029】
は、また、時間−周波数単位においてどのTPがアクティブであるべきであり、どれがオフに切り換えられるべきか、を決定するミューティングパターンに対応し得る、ということも思い出すべきである。半固定的ポイントミューティング(SSPM:semi-static point muting)および半固定的ポイントスイッチング(SSPS:semi-static point switching)のジョイント方式(付録の(P1)を参照)のためには、この平均推定
【0031】
が、各ユーザuと、その測定集合における各TPbと、すべてのプリコーダタプルの割り当てとに対して得られなくてはならない。任意のプリコーダタプルに対して、TPbがユーザuの測定集合の中に存在しない場合には、
【0033】
は、無視できると考えることが可能であることに留意されたい。また、
【0037】
に等しいと想定することが可能なのであるが、そのように想定可能であるのは、ユーザuの測定集合の中にないTPに割り当てられているプリコーダにおいてだけ異なる任意の2つのプリコーダタプル割り当て
【0041】
に対してである、ということにも気付くべきである。所定のユーザ関連付けを伴うSSPM問題(付録の(P2)を参照)に対しては、平均推定である
【0043】
が、その所定のサービス側TPbのためだけに各ユーザuに得られるはずであるが、そのTPと関連するユーザの集合もまた得られるはずである。よって、集中化された実装を容易にするためには、以下のタイプのバックホールシグナリングが必要とされる。
【0044】
A1. (プリコーダタプル/ミューティングパターンの割り当ておよびユーザ関連付けなどの)集中化された動作の決定を可能にするためのバックホールシグナリング
われわれは、次に、いずれかのユーザuのためのMTPにおける平均レート推定である
【0046】
の計算を考察するのであるが、ただし、プリコーダタプル割り当て
【0048】
の下での考察となる。これらのレートは、その測定集合におけるTPからユーザが見るチャネルに依存する。共通の干渉測定リソース(IMR:interference measurement resource)を含む3つまでのCSIプロセス(最大の測定集合のサイズは3であることを思い出してほしい)を用いると、UEは、その測定集合における各TPbに対する短期的なCSIを報告することが可能であるが、この短期的なCSIは、TPbによって送信された非ゼロのCSI基準信号(RS)とIMR上で観測される干渉とに基づいて計算され、ひいては、ユーザuの測定集合の中にないTPからの干渉だけを含む。UEは、現在は、そのようなCSIを、その指定されたアンカTPだけにしか報告しない。
【0049】
しかし、ポイントスイッチングゲインを十分に利用するためには、われわれは、ユーザを非アンカTPに関連付け、次に、それが関連付けられている非アンカTPに瞬間的(短期的)CSIをそのユーザが報告することを可能にすることが必要である。さらに、CSIプロセスは、構成要素であるIMR上で適切な干渉をユーザが測定するように、協調的な態様で、定義されるべきである。IMRのそのような協調的な構成により、(等方的に分散された干渉など)所望の干渉をこれらのIMRにおけるリソース要素の上に注入することも、可能になる。
【0050】
これらの短期的CSIは、バックホール上をMTPまで送られることが可能であるが、このMTPは、次に、ユーザuの測定集合における各TPbに対する平均化されたチャネル推定である
【0052】
を得るために、受信されたCSIシーケンスをフィルタリングする(すなわち、その重み付け平均を実行する)ことができる。あるいは、短期的CSIの平均化(またはサブサンプリング)は、短期的CSIを受信するTPによってなされ得るが、その場合に、平均化のためのウィンドウ(および、おそらくは、重み付けファクタまたはサブサンプリングファクタ)は、CSIプロセスごとをベースにしてそのUEのために構成され得る。
【0053】
いずれの場合にも、各TPによって(その仮説によるその割り当てられたプリコーダに沿って)送信された信号が等方的に分散されていると仮定するならば、
【0057】
に対して、そして必要な場合にはその測定集合における各TPbにも対しても計算するために、そのUEの測定集合におけるすべてのTPに対するこれらの平均化またはサブサンプリングされたチャネル推定が、MTPによって用いられ得る。別のオプションは、MTPが、各受信された短期的CSIを用いてレートの推定を直接的に計算し、次に、平均レートの推定を得るために、計算されたこれらのレートを平均化することである。各プリコーダタプル仮説がミューティングパターンである場合には、平均レートの推定は、その測定集合における各TPからの各ユーザによって観測される平均の受信電力だけを用いて計算され得る、ということにわれわれは注意する。そのような場合には、基準信号受信電力(RSRP:reference signal received powers)だけが、バックホールを介して、ユーザの設定可能な集合と交換される必要がある。
【0058】
さらに、バックホールを介してのCSI(RSRPでもあり得る)のシグナリングにより、対応するCSIプロセスの(ゼロ電力CSI−RSまたは非ゼロ電力CSI−RSなどの)属性だけでなく、そのCSIがシグナリングされているユーザの識別が可能になるはずである。所定のユーザ関連付けを用いるシナリオでは、そのゾーンにおける各TPと関連するユーザの集合が交換される、または、MTPに運ばれることが必要である、ということも思い出してほしい。
【0059】
これらの見解は、以下の提案に纏められる。
【0060】
提案:ユーザの設定可能な集合に対応するCSIプロセスを介して得られる平均化またはサブサンプリングされたCSIのシグナリングが考慮されるべきである。これらのCSIプロセスを設定する際の協調が、許容されるべきである。
【0061】
提案:TPの設定可能な集合における複数のTPまたは選択されたTPに短期的CSIを報告するためにユーザを設定する可能性が考慮されるべきである。
【0062】
次に、より一般的な有限バッファモデルにおいては、それぞれのおおまかな(集中化された)働きを決定するために、待ち行列のサイズの推定が必要とされ、それぞれのそのようなユーザ待ち行列のサイズは、次のおおまかな働きまでにそのユーザにサービスするための送信に利用可能であり得るトラフィックの量を表す。これらの待ち行列のサイズの推定を決定するには、TPが、次のおおまかな働きの前に、それらのもっとも最近更新された関連するユーザの待ち行列のサイズをMTPに報告することが要求される。
【0063】
提案:おそらくは、状態レポートを強化することによる、関連するユーザの待ち行列サイズのTPによる別のTPへのシグナリングが考慮されるべきである。
A2. MTPからTPへのバックホールシグナリング
調整ゾーンにおける各TPは、それ自体が用いるべきプリコーダと、おそらくはそれ自体が時間−周波数リソース上でサービスすべきユーザとについて、(半固定的に)告知される。MTPによってなされる決定は、CoMP仮説を用いて表され得る。これは、たとえば、調整ゾーンにおける各TPに識別子を割り当て、次に、(TP識別子と決定の対応部分とを)表現するペアをCoMP仮説に含ませることによって、達成され得る。次に、各TPは、そのTPがそれ自体と関連するユーザから受信する瞬間的CSIに基づいて、それ自体のサブフレームごとのスケジューリングを実装する。各TPに割り当てられ得るプリコーダの集合を含む集合Ψに関するいくつかのコメントが、求められている。この集合は、特別な場合としてミューティングを包摂するためにコードワード0を含む、ということをわれわれは思い出す。この集合はまた、αによって正の電力レベルを表すとして、αIという形式のコードワードも含み得る。加えて、この集合は、そのコードワードとして、セクタビームを含み得る。われわれが、これまで、各TPはMTPによってなされた決定を受け入れる、ということを黙示的に仮定してきたことに注意すべきである。この仮定は必ずしも常に成り立つことは限らないのであるが、その場合、受信側のTPから、その受信側TPがCoMP仮説における決定のその部分を実装するために受け入れるかどうかを運ぶ受信確認を有することが有益で(必要でも)ある。
【0064】
CoMP仮説によって表される決定は(最大の)バックホール遅延よりも長い期間にわたり有効である、ということに注意すべきである。よって、これ以降では、その間はCoMP仮説が有効であると想定される(または、適応されると想定される)時間期間を、フレームと称することにする。このように、CoMP仮説は、最大のバックホール遅延の整数倍である時間精度(すなわち、連続的なCoMP仮説の間の時間間隔)で、シグナリングされるべきである。いくつかのシナリオでは、MTPが、受信確認を受信するのが好ましいことがあり得る、ということに注意してほしいが、その場合には、この整数倍は、少なくとも2であるはずである。この整数倍の値が小さいと、システムがより高速で適応する助けになり、よって、われわれは、3未満または3に等しい値を、この整数倍に対して提案する。
【0065】
提案:(プリコーダ集合またはミューティングパターンの割り当てなど)あるTPによってバックホールを介して下される決定のすべての他のTPへのシグナリングが、考察されるべきである。そのような決定は、CoMP仮説によって表され得る。はい/いいえという応答を受信されたCoMP仮説まで運ぶ受信確認のシグナリングが考慮されるべきである。
【0066】
A3. 分散型実装
非集中化または分散された動作を可能にするため、各CoMP仮説に対応するベネフィットメトリックが定義され得る。[1]には、電力制御の分散型実装が提供されている。バイナリ電力制御を考慮する例示的な分散型動作が次に説明されており、われわれは、同一のアプローチに従うと、複数の電力レベルへの拡張が展開され得ることに注意する。協調集合における各TPbは、干渉を生じさせるTPのその集合を決定することができるのであるが、ここで、TPは、それがTPbと関連する少なくとも1人のユーザの測定集合の中にある場合には、TPbに対して干渉を生じさせる、いうラベル付けがなされる。TPbは干渉を生じさせるTPの集合を決定することができる、ということに注意すべきである。さらに、存在するTPbに干渉を生じさせるすべてのTPの集合を、TPbの外部隣接集合(out neighbor set)と称することにする。各CoMP仮説は、たとえばTPbなどの送信側TPが、時間−周波数リソースの集合に対するミューティング(または、一般的に、電力レベル)パターンを、TPaのその干渉を生じさせる集合におけるTPaなどの受信側TPに提案するように、定義され得る。その仮説に対するベネフィットメトリックは、(各時間−周波数リソースに対して1つの)集合ゲイン(または、損失、すなわち、ゲインは負であり得る)値を含むのであるが、ここで、各ゲインは、受信側のノード(TPa)が提案されたミューティングまたは電力レベル(以下では、提案された作用と称される)をその時間−周波数リソース上で受け入れ、他方では、TPbだけではなく、TPbの干渉を生じさせる集合における他のTPがそれらの現在の状態(現在の電力レベル)を変更しない場合には、送信側ノード(TPb)に対して達成され得るインクリメンタルな平均スループットまたはユーティリティを、表す。TPaは、次に、各時間−周波数リソースを考察して、そのリソース上で各提案された作用に対してそれが受信したすべてのゲイン値を合計することができる。この和に対し、TPは、その干渉を生じさせる集合におけるすべてのTPがそれらの現在の状態を変更しないと仮定して、提案された作用に従う際に取得することになるゲイン(または損失)を加算できる。各作用に対するこの和のゲインは、1ステップの変更によって達成され得るシステムのユーティリティゲインを表し得るのであるが、これは、すなわち、TPaがそのリソース上で提案された作用を受け入れ、協調集合におけるすべての他のTPがそれらの現在のそれぞれの状態を維持するときに達成される協調集合に対するインクリメンタルなスループットまたはユーティリティゲインである。TPaは、次に、確率論的な規則[1]を用いて、各時間−周波数リソース上でその作用を独立に選択し、この分散型の動作は、収束することが示され得る。さらに、TPaは、強化されたRNTPを用いて、作用に関するその選択をシグナリングすることができる。ここで、別の選択肢として、CoMP仮説は、ただ1つの時間−周波数リソースを考察して、複数の作用を提案することができることに注意すべきであるが、ここで複数というのは、その干渉を生じさせる集合における各TPに対して1つということであり、対応するベネフィットメトリックは、提案される各作用に対して1つのゲイン(または1つの損失)を含むことができる。一般的に、CoMP仮説は、複数のタプルを含むことがあり得るのであるが、各タプルは、TP識別子と、提案される作用の識別子と、その仮説におけるすべてのタプルに対して共通である1つの時間−周波数リソース識別子とを含む。あるいは、各タプルは、時間−周波数リソース識別子と提案される作用の識別子とを含み得るのに対して、他方で、仮説は、その構成要素であるすべてのタプルを通じて共通であるTP識別子を含む。これらの一般的な2つの選択肢の組合せは、また、CoMP仮説を定義するのに用いられ得る。それぞれの場合において、ベネフィットメトリックは、提案される各作用に対するゲイン(または損失)を含み、ベネフィットメトリックを受信するTPは、どのゲインが提案されるどの作用に対応するのかを決定することができなければならない。
【0067】
次に、われわれは、効率的なシグナリング機構に関して論じる。第1に、シグナリングオーバヘッドを短縮するために、ネットワークは、協調集合におけるTPの部分集合だけが変化することを許容するように設定できることに注意する。これは、(協調集合におけるすべてのTPに知られている)所定の機能を用いて、非集中的な態様で行われ得るのであるが、この機能は、フレームまたはサブフレームインデクスが入力として与えられると、変化することを許されているすべてのTPのインデクス(または識別子)を返す。あるいは、指定されたTPが、変化することを許されているTPの集合を、各フレームの始点において、協調集合におけるすべての他のTPまで運ぶことができる。いずれの場合でも、TPaがその干渉集合の中にあり、TPaがそのフレームにおいて変化することを許されているTPの集合の中にある場合にのみ、TPbは、TPaと対応するベネフィットメトリックとに対する1つまたは複数のCoMP仮説を、送ることになる。さらに、TPの上述した集合の濃度は、その作用を残りのTPに運ぶためにその集合における各TPによって用いられる強化された相対的狭帯域TX電力(RNTP)のサイズだけではなく、バックホールシグナリングオーバヘッドを制御するためにも、用いられ得る。時間−周波数リソース上でその作用を変更する各TPは、その変更された作用を、外部の隣接する集合におけるTPにだけ報告することに注意されたい。
【0068】
上述した分散型の手順は、各時間−周波数リソースとは独立に実装され得る、ということに注意すべきである。次に、TPがあるフレームにおいてその作用を変更することができる時間−周波数リソースの集合は、シグナリングオーバヘッドを短縮するようにも、制御され得る。これは、たとえば、各フレームの始点において時間−周波数リソースの集合を決定するために(協調集合におけるすべてのTPに知られている)フレームインデクスを用いて、ある規則を定義することによって、従前と同じように達成され得る。各フレームにおいて、その作用を変更することを許されているTPの集合と、それらのTPがその作用をその上で変更する時間−周波数リソースの集合とが、各フレームに対して識別可能であるような組合せも可能である。
【0069】
これらの集合の設定(または識別)は、その代わりに、フレームの継続時間よりも粗い時間スケールで、すなわちnは設定可能であるとして、n個のフレームごとに1回という時間スケールで、なされ得る。われわれは、その作用を変更することを許されているTPの集合は、そのようなリソースの集合におけるすべての時間−周波数リソースにわたり同一である、と仮定している。より一般的なアプローチは、各時間−周波数リソースに対してTPの別個の集合を設定する、ということになるであろう。ここでは、指定されたノードが、設定された集合をすべての他のTPに運ぶために、オプションとして用いられ得る。
【0070】
しかし、上述された分散型アプローチに伴う潜在的な短所とは、ベネフィットメトリックのために、TPが、時間−周波数リソースにおいて提案された作用によって生じることになるシステムのユーティリティゲイン(または損失)(のよい近似)を推論することが許容されないということであり、その場合には、結果的に、発振行動またはおよそ最適ではない動作点への収束が生じ得る。われわれは、われわれの見解を、次の提案としてまとめる。
【0071】
提案:TPによって受信されるベネフィットメトリックは、その受信されたCoMP仮説におけるそれぞれでのそのTPに対して提案された各作用に対して、システムユーティリティの変化を計算することを可能になるようにすべきである。
【0072】
よって、われわれは、以下の提案を含むCoMP−NIBのために必要とされるバックホールシグナリングに関するわれわれ見解を提供した。
【0073】
提案:ユーザの設定可能な集合に対応するCSIプロセス上で得られた平均化されたまたはサブサンプリングされたCSIのシグナリングが考慮されるべきである。これらのCSIプロセスを設定する際の協調が許容されるべきである。
【0074】
提案:短期的なCSIを、TPの設定可能な集合における複数のTPまたは選択された1つのTPに報告するために、ユーザを設定する可能性が考慮されるべきである。
【0075】
提案:おそらくは、状態レポートを強化することによる、関連するユーザの待ち行列サイズのTPによる別のTPへのシグナリングは考慮されるべきである。
【0076】
提案:(プリコーダ集合またはミューティングパターン割り当てなどの)あるTPによってなされる決定をバックホール経由ですべての他のTPにシグナリングすることが、考察されるべきである。そのような決定は、CoMP仮説によって表され得る。はい/いいえという応答を受信されたCoMP仮説まで運ぶ受信確認のシグナリングが考慮されるべきである。
【0077】
提案:あるTPによって受信されたベネフィットメトリックは、その受信されたCoMP仮説のそれぞれにおけるそのTPのために提案された各作用に対するシステムユーティリティの変更を計算できるようにすべきである。
実施形態B
われわれは、ネットワーク支援型干渉除去抑圧(NAICS)ゲインを抽出するのに適切なシグナリングに関するわれわれの見解を提示する。
【0078】
潜在的に干渉を生じさせるセルの候補リストは、対象となるユーザのために、ネットワークによって設定される、とわれわれは仮定する。このリストにおける各セル(インデクスによって識別されるが、そのインデクスの自然な選択は対応するセルIDである)に対し、ネットワークは、1組のパラメータを特定することができる。そのような候補リストは(その構成要素であるパラメータと共に)、ユーザのブラインド検出を単純化および支援するために、ユーザのためのネットワークによって、半固定的に設定されるはずである。
B1. 基準信号(RS)に関するパラメータのシグナリング
B1.1 セルに固有な基準信号(CRS)と関連するパラメータのシグナリング
われわれは、最初に、候補リストにおける各セルによって送信されるCRSと関連するパラメータを運ぶために必要なシグナリングを考察する。われわれの見解では、このリストにおける各セルに対するCRSポートの個数(そして、オプションであるが、その対応する周波数シフト、または、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)もしくは単一周波数ネットワーク(MBSFMN)のサブフレーム設定)は、対象となるユーザにおけるブラインド検出の複雑度を低下させる際に、極めて有益である。この明細書において、われわれは、動的なセルのオンオフを組み入れるためには、CRSが干渉物によってまったく送信されない可能性についても、いずれかのサブフレームにわたりユーザによって考慮される必要があり得る、ということを注意しておく。別の有用なパラメータは、(予測される)物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)開始シンボルである。このパラメータのシグナリングは、干渉を生じさせるPDSCHの実際の(または可能性のある)開始シンボルを運ぶのであって、(すべての送信された干渉を生じさせるPDSCHシンボルにわたり)NAICSゲインを十分に利用するために、必要とされる。さらに、ユーザによる開始シンボルのブラインド検出が、極めて困難であると思われる。
B1.2 CSI−RSに関係するパラメータのシグナリング
次に、われわれは、(ゼロ電力と非ゼロ電力との両方のCSI−RSを含む)CSI−RSと関連する設定パラメータについて考察する。この場合、ユーザは、そのリストにおける各潜在的干渉物によって用いられ得る1つまたは複数のCSI−RS設定を知ると、それぞれのそのような干渉物仮説の下で可能なPDSCHリソース要素(RE)のマッピングを知ることになるが、これは、明らかに、(複雑さに関して与えられている実行可能なレベルに対する)干渉除去/抑制ゲインを増加させる。
【0079】
他方で、地理的に同一(QCL)な指示のためのシグナリングは、さらなる評価を必要とするのであるが、その理由は、3GPPのリリース11の間の複数の評価されたインスタンスにおける所望の信号復調のためには、純粋に復調基準信号(DMRS)ベースのチャネル推定で十分であるし、干渉物から見られたチャネルの強化された推定が除去/抑制ゲインのために実際に必要とされるかどうかは不明確であるからである。
【0080】
要約すると、われわれは、RSに関するパラメータに対して、下記を提案する。
【0081】
提案:以下を、候補リストにおける各セルに関する半固定的なシグナリング経由で、運ぶべきである:
(1)CRSポートの個数およびPDSCH開始シンボル
(2)(1つまたは複数の)CSI−RS設定
B2.
他の動的パラメータのブラインド検出を支援するためのシグナリング
B2.
1 変調の分類
われわれは、CRSベースのTM(送信モード)を用いての、ある支配的な干渉物の変調、PMI、RIおよび存在の同時的なブラインド検出が、少なくともシミュレートされたシナリオの下では、そして、他の要求されるパラメータが完全に知られていると仮定するならば、2つのCRSポートについて実現可能であると考えられてきた、ということに注意したい。同様に、DMRSベースのTMの場合には、2つまでのDMRSポート(ポート7および8)を用いての、ある支配的な干渉物の変調、nSCIDおよび存在の同時的なブラインド検出が、やはりシミュレートされたシナリオの下では、そして、他の要求されるパラメータが完全に知られていると仮定するならば、実現可能であると考えられてきた。
【0082】
しかし、これまでの評価は、3GPPのリリース11までに用いられ得る3つの変調タイプだけを、すなわち、直交位相シフトキーイング(QPSK)、16直交振幅変調(QAM)および64QAMだけを、想定してきている。3GPPのリリース12では、より高次の変調(256QAM)が合意される見込みがある(または、合意されることが差し迫っている)。すると、これにより、干渉物によって256QAMが用いられ得るシナリオにおけるブラインド検出の実行可能性に関する疑問が生じる。この明細書において、われわれは、複数のより高次の変調タイプが干渉物によって用いられ得るときにブラインド変調分類を適用することは、より複雑になる(実際に、変調の次数と共に、分類エラーが増加する傾向にある)、ということに注意しておく。さらに、ベースライン干渉除去合成(IRC)受信機上のNAICSゲインは(より高次の変調を用いている干渉物を正確に分類した後であっても)より小さくなるのであるが、その理由は、IRC受信機が干渉を(制限されない)ガウス変数と見なすからであって、これは、より稠密なQAM配置(constellations)にとって、ますます適切になりつつある仮定である。まとめると、NAICSを伴う256QAMのサポートは、さらに評価されることが必要である。したがって、われわれの選好は、以下の通りである。
【0083】
提案:ブラインド変調分類は、QPSK、16QAMおよび64QAMが任意の干渉物によって用いられ得る変調タイプであると仮定して、ユーザによってなされる。
【0084】
ユーザによってなされるこの仮定はその候補リストにおける各干渉物によって実際に順守されることが望ましい、すなわち、256QAMがセルのクラスタにおいて用いられない方式においてのみ、ネットワークがNAICSの機能を有効にすることが望ましい。万が一、これが真ではない場合には、ユーザは、256QAMが1つまたは複数の干渉物によってしばしば用いられることがあるシナリオにおける動作に起因するパフォーマンスの低下を知覚するときには、何らかの判定規則に従って、そのNAICS能力をそれ自体で無効にし、IRCベースの受信に戻ることができる。
【0085】
B2.
2 4TXのサポート
4TXに対するサポートは重要であり、NAICSゲインはそのような展開に対して有効なはずである。支配的な4TX干渉物がCRSベースのTMを用いる場合について検討する。この場合、すべての4つの可能性がある送信ランクの間で、干渉物の割り当てられた送信ランクのブラインド検出がなされると、結果的に、より大きなランクに対してはますます重要ではなくなるゲインを追跡するために、過剰な複雑さが消費されることになり得る。よって、干渉物に割り当てられる送信ランクを制限するのは、意味があることである。ユーザは、その候補リストにおける潜在的に干渉を生じさせる各セルによって割り当てられ得る送信ランクへの上限について、半固定的なシグナリングを介して、告知を受けることがあり得る。あるいは、半固定的なシグナリングが、干渉物によって割り当てられ、予想される送信ランクを指示することがあり得るが、それが、ブラインド検出の実装のためのより可能性のあるシード値として用いられることがあり得る。
【0086】
次に、われわれは、DMRSベースのTMを用いる(候補リストからの)支配的な干渉物を想定する。この場合、物理リソースブロック(PRB)ペアが、いずれかのそのような干渉物によって割り当てられ得る時間−周波数ユニットの最小の解像度として合意されている。
【0087】
ここで、ユーザが、干渉物の存在および不存在を検出し、おそらくは、対応する均等なチャネル推定のコラムのノルムを決定することによって、各PRBペア上のランクを分類するために、ポート7および8だけを考察しなければならない場合には、それは、特に有益である。ジョイントブラインド検出は、そのような認定を用いてだけ実行可能であると考えられていることを思い出してほしい。結果的に、各潜在的な干渉物によって付属するトランスミットランクの上限を半固定的にシグナリングすることが、ここでも同様に有益である。
【0088】
提案:候補リストにおける各セルに関する半固定的なシグナリング経由で、次のものを運ぶこと。
【0089】
割り当てられ得るトランスミットランクに対する上限。
【0090】
B3.
他の問題
われわれは、どのような明示的なシグナリングがなくても、同期がユーザによって想定されるべきであり、その理由は、それが、どのような場合でも、NAICSゲインが実現可能な態様で達成され得る主な動作状態であるからである、と信じている。ユーザは、非同期のシナリオにおける動作に起因してパフォーマンスの劣化を知覚するときには、何らかの決定規則に従って、自分自身でそのNAICS能力を無効にし、IRCベースの受信に戻ることが可能であるが、ネットワークが、同期状態だけにおいて、NAICS機能を有効にすることが望ましい。
【0091】
ユーザは、各送信方式の下で干渉物によって割り当てられ得る一定の最小の時間−周波数ユニットを想定した後で、換言すると、分類しようとしているパラメータがそのユニットの内部で一定であり続けると想定した後で、ブラインド検出(分類)を実行することができる。この最小の割り当て可能な時間−周波数ユニットは、たとえば、1つのPRBペアとなるように設定または想定され得る。これは、少なくともDMRSベースのTMに対して実に正確な選択であり、信頼性の高いブラインド検出を保証すると考えられてきている。DMRSベースのすべてのTMに対する1つのPRBペアは、信頼性の高いブラインド検出を保証するのに十分であると考えられてきている。CRSベースのTMに対しては、最小の想定されるユニットは、スロットまたはPRBペアのいずれかとなるように、(ユーザのためのネットワークによって)構成され得る。この想定がリストにおける各干渉物によって非常に重視されるということが、NAICSゲインに関して有益であり、すなわち、それぞれの想定されている最小の割り当て可能な時間−周波数ユニットがすべてのセルによって順守される状態においてのみ、ネットワークがNAICS機能を有効にするのが、望ましい。次に、CRSベースのTMのための最小の想定されるユニットをスロットとなるように設定すると、ブラインド検出が難しくなるが、分散型の仮想リソースブロック(DVRB)ベースの配分を排除することはないが、他方で、最小の想定されるユニットをPRBペアとなるように設定すると、ブラインド検出はより実行可能になるが、DVRBベースの配分を排除することになることに留意されたい。これらの想定される最小の割り当て可能な時間−周波数ユニットは、各ユーザに対して干渉物ごとベースでさらに設定可能にされ得るが、すなわち、これらの想定される最小の割り当て可能な時間−周波数ユニットを、干渉物に関するそのユーザの候補リストにおける各セルに対して半固定的に変更することが可能であるが、これが有益かどうかを評価するためには、さらなる評価が必要となる。この理由は、何らかの明示的なスケジューリングに関する制約が存在しない場合に、そのような半固定的な設定をしても、意味のあるNAICSゲインに至らないからであり、他方で、スケジューリングに関する制約を課すことは、トラフィックのバースト的な性質に起因して、反生産的になってしまうことがあり得る。この明細書において、われわれは、トラフィックの相当な部分はバースト的であることが期待されており、非常に小さなユーザごとのデータ要求によって形成されている、ということに注意したい。
【0092】
提案:同期と、各送信方式に対する支配的な干渉物によって割り当てられ得る最小の時間−周波数ユニットとを想定して、干渉の削除/抑制がユーザによって試みられること。
【0093】
想定されている最小の割り当てられたユニットがCRSベースのTMに対するスロットであるように設定されている場合には、ブラインド検出のために、リソース配分がDVRBベースでないときに、最小ユニットは、CRSベースのTMの下であっても1つのスロットを超える場合があり得る(すなわち、PRBペアになり得る)という事実を利用することが依然として可能である、ということに注意する。
【0094】
最後になるが、ユーザの候補リストにおける各セルに対して、そのセルによって利用され得る送信方式の可能な集合が、特定されるべきである。これは、ユーザ側におけるブラインド検出の複雑さを明らかに低下させることになるし、また、(ネットワークによって有益であると見なされるならば)そのネットワークがNAICSのための最良で可能なシナリオを設定することを可能にするのであるが、この場合に、ユーザは、(DMRSベースの方式などの)同一の送信方式がサービス側のセルと干渉物との両者によって用いられているのを見ることになる。
【0095】
B4.
非理想的バックホールを用いた協調マルチポイント送受信方式(CoMP−NIB)におけるベネフィットメトリック
図2を参照すると、CoMP−NIBの実装を可能にするために、以下を含む(しかし、それらに限定されることはない)CoMP協調リクエストが、あるeNBから別のeNBに送られ得る:
− それぞれがセルIDと関連する仮想的リソース配分を有する1つまたは複数のCoMP仮説であって、セルIDによって識別されるセルは、必ずしも受信側eNBによって制御されるとは限らない、1つまたは複数のCoMP仮説、
− 1つまたは複数のCoMP仮説と関連しており、関連するCoMP仮説が想定されるそのスケジューリングにおいて送信側のノードのセルが期待するベネフィットを数量化している、ベネフィットメトリック、および
− 関連するCoMP仮説と同一の、必要な時間/周波数粒度およびシグナリング周期。
【0096】
あるCoMP仮説と関連するベネフィットメトリックを考察するのであるが、その仮説におけるセルIDは、受信側eNBによって制御されるセルを識別する、と仮定する。ベネフィットメトリックの意図は、送信側eNBによって生じさせられるベネフィットを受信側eNBが計るのを、関連するCoMP仮説における提案にそれが従う場合に、助けることである。受信側eNBは、その提案に従うときに生じさせる得る損失に対するこのベネフィットの重みを計測し、その応答を決定することができる。しかし、送信側eNBが、CoMP仮説において示されている時間−周波数リソース上で受信側eNBのために(または同等にIDにより識別されるセルのために)想定する基準状態の使用は、このセル固有のベネフィットメトリックの導出において黙示的である。たとえば、CoMP仮説が時間−周波数リソース上での「ミューティング」(ゼロの電力レベル)を提案する場合には、送信側eNBは、同一の示されている時間−周波数リソース上の受信側eNBに対して非ミューティング(すなわち、一定の非ゼロである電力レベル)の基準状態を想定した後で、ベネフィットメトリックを計算してみた可能性があり得る。ベンダーが複数であるシナリオにおいては、および特に、(単にバイナリだけでなく)複数の電力レベルがCoMP仮説を介して示され得るときには、各送信側eNBによってそのベネフィットメトリックを導出する際に用いられる基準状態が受信側eNBに知られているのが望ましく、それによって、後者はその応答を適切に決定することができる。ベネフィットメトリックが各送信側eNBによって所定の基準状態を用いて計算されることが合意された場合には、これは、明示的なシグナリングなしで行われ得る。この所定の基準状態は、たとえば、時間−周波数リソース上で用いられ得る最高の電力レベルであり得るし、または、時間−周波数リソース上で受信側eNBによって用いられている現在の電力レベルであり得る。
【0097】
次に、複数のCoMP仮説と関連する共通のベネフィットメトリックについて検討する。
【0098】
ここでは、再び、上述した基準状態が、複数の仮説において、それらのIDを介して示されるすべてのセルに対して、想定され得る。ベネフィットメトリックの使用は、それが複数の仮説ではなくて1つの仮説と関連するときによりよく正当化されるのであるが、その理由は、複数の仮説の場合には、どの個別の仮説がその全体としての共通のベネフィットメトリックのどの部分に寄与するのかを決定できないからである。結果的に、ベネフィットメトリックを運ぶために利用可能な所与のビット数に対して、ベネフィットメトリックの範囲が、複数の仮説ではなく個別の仮説に対してそれが用いられる場合のために、最適化されなければならない。さらに、代替案としては、ベネフィットメトリックのためのスケーリングファクタが、(必要であれば、eNBごとをベースにして)別々に設定可能であるべきである。次に、受信側のeNBは、その応答を決定するために、送信側のeNBと関連するスケーリングファクタ(これは、すべてのeNBに対して共通であり得るし、または、オプションとして、各送信側eNBに対して別々に設定され得る)によって、受信されるベネフィットメトリックをスケーリングすることができる。別の代替案は、各eNBが、送信側eNBによって送られるベネフィットメトリックの時間平均を取得し、次に、その平均を用いてその送信側eNBに対するスケーリングファクタを決定する、というものである。
【0099】
実施形態C
3GPP RAN3の第84回会議では、eNB間のCoMPをサポートするためのX2メッセージに関して、以下の合意がなされた[3]:
「eNB間のCoMPのタスクは、高いデータレートのカバレッジとセルエッジのスループットとが改善され、また、システムのスループットを増加させるために、複数のeNBを協調させることである。複数のeNBの協調は、仮想的なリソース配分情報と、CoMP仮説と、関連するベネフィットメトリックとを有する複数のeNBの間で、シグナリングを行うことによって達成される。シグナリングされたCoMP仮説のそれぞれは、受信側eNB、送信側eNB、またはそれらに近接するもののいずれかに属するセルと関係する。CoMP仮説と関連するベネフィットメトリックは、CoMP仮説が適用されると想定して、ベネフィットを数量化したものである。そのCoMP仮説とそのベネフィットメトリックとの受信側eNBは、RRMのためにそれらを考慮し、FFSのさらなるシグナリングをトリガし得る。RSRP測定報告もまた、eNB間のCoMPのために利用され得る。たとえば、RSRP測定報告は、CoMP仮説とベネフィットメトリックとを決定および/または有効化するのに用いられ得る。[UEに関するRSRP測定報告に関するさらなる説明は、FFS]eNB間のCoMPは、eNBに配置される。」
以下において、われわれは、要求されるメッセージ構造と共に、われわれの見解を提供する。
【0100】
C1.1 eNB間のCoMPのためのCoMP仮説
各CoMP仮説(CH:CoMP hypothesis)は、受信側eNBによって必ずしも制御されないセルのための仮想的なリソース配分を含む。そのようなCoMP仮説と関連するシグナリングの設計は、集中型と分散型との両方の無線リソース管理(RRM:radio resource management)を容易にするものでなければならない。集中型のRRMでは、CHの潜在的な使用が、そのCHにおいて示されている、セルが従う(または、従わなければならない)必須のリソース配分であり、他方で、分散型のRRMシナリオでは、CHは、示されているセルが従う、または、従わないことがあり得るリクエストであり得る。結果的に、構成要素のリソース配分が必須であるかまたは必須ではないかを示すためにある要素をCHに含めることが望ましい。示されているセルを制御していないeNBにCHが送られるときには、この要素も有用であるが、その理由は、後者のeNBが、それ自体のリソース配分を決定するために、隣接するセルの可能なリソース配分に関するより多くの情報を有することがあり得るから、である。われわれは、必須のリソース配分(または、集中型RRMの最終決定)を運ぶのにCHが用いられるときに、関連するベネフィットメトリックの使用が限定されている、ということに注意したい。よって、その要素を実現する1つのアプローチは、ベネフィットメトリックのある特別の値を経由するものであり得る。特に、関連するベネフィットメトリックがゼロであるか、または、その特別の値に設定されているときには、CHにおけるリソース配分は必須であり、そうでない場合には、リソース配分は必須ではない。集中型の協調の例が、
図3(a)および3(b)に与えられており、分散型の場合の例は、
図4に与えられている。分散型の場合には、eRNTPが、リソース配分の決定を運ぶのに用いられ得ることに留意されたい。
【0101】
提案C1:示されているセルに対する含まれているリソース配分が必須であるか必須でないかを示すために、ある要素をCoMP仮説メッセージに含ませる。
【0102】
ここでの別の関連するポイントは、セルは、IDを用いて、CHにおいて示される必要がある、ということである。このIDは、セルごとに一意的であるべきである。この要件により、物理的なセルIDを用いることは除外されるのであるが、その理由は、一定の展開では、複数の隣接するセル(または、送信点)が同じ物理的なセルIDを共用することがあり得るからである。それにもかかわらず、同一の物理的セルIDを共用するセルの集合の中で、特定のセルに対するCHを特定できるまたはシグナリングできることは、重要である。
【0103】
C1.2 ベネフィットメトリック
われわれは、最初に、分散型の設定におけるベネフィットメトリックの役割について考察する。そのような場合、関連するCoMP仮説において示されているセルは、典型的には、受信側eNBによって制御されることになる。次に、([4]などのRAN1の提案で述べられているように)ベネフィットメトリックの意図は、関連するCoMP仮説における提案されたリソース配分に受信側eNBが従う場合に、送信側eNBによって生じさせられるベネフィットを受信側eNBが計ることを助けることである。受信側eNBは、次に、それ自体と特定のリソース配分とによって制御される特定のセルに対して受け取るすべてのメトリックを合計して、そのセルに対するリソース配分を決定するために、その和を、それが生じさせ得るゲインまたは損失と比較することができる。受信側eNBは、社会的最適の方向へ向かう決定を行うために、(リクエストに応答して先にミューティングされていたいずれかのPRBにおける電力ブースティングなどの)一定の配分によって他のeNBに対して生じさせ得る損失に関する情報を有するべきである。この点は、
図5に図解されている。さらに、送信側eNBによって識別されるセルがその送信側によって制御される場合には、一定のリソースのミューティングを行うことによって送信側eNBが生じさせ得る損失を運ぶために、負の値が用いられ得る。たとえば、われわれは、ベネフィットメトリックの値の符号は、ベネフィットメトリックフィールドにおける別個のバイナリ値になっている要素を介して別個に運ばれ得るのであって、このバイナリ値とは、メトリックが正の場合には1であり、そうでない場合には0である、または、その逆である、ということに注意したい。
【0104】
提案C2:ベネフィットメトリックにおいて負の値を許容する。
【0105】
ベネフィットメトリックの背後にある指導原理は、効用関数における変化を簡潔な態様で運ぶためにベネフィットメトリックが用いられ得る、ということであった。効用関数は、通常、待ち行列のサイズ、チャネル状態、そのeNBもしくはセルによってサービスされるユーザの優先順位(または、サービスの品質(QoS)のクラス)など、いくつかのファクタに依存する。ベネフィットメトリックは、効用関数のすべての構成要素の項をシグナリングすることを必要とすることなく、仮想的なリソース配分の結果として生じる変化を運ぶポテンシャルを有する。しかし、このポテンシャルは、ベネフィットメトリックフィールドが、十分に大きな場合にだけ、実現され得る。さらに、効用の変化の精細な数量化を可能にするベネフィットメトリックフィールドを有していないという潜在的に深刻な短所は、それが、分散型の協調における発振現象に至る可能性がある、ということである。より大きなベネフィットメトリックフィールドの追加的使用は、それが、オペレータに、同一の仮想的リソース配分(または、ベネフィットメトリックと関連するCoMP仮説の集合におけるリソース配分の集合)に対して複数の異なる効用の変化を同時に運ぶ柔軟性を提供するということであり、この場合に、そのようなそれぞれの変化は、効用関数の異なる項を強調することによって、計算され得る。
【0106】
提案C3:ベネフィットメトリックフィールドは、たとえば、3バイトまたは2バイトなど、十分に大きさを有するべきである。
【0107】
ひとつのベネフィットメトリックが複数のCoMP仮説すなわちCoMP仮説集合と関連する場合があり得る、ということが、これまでに合意されている。1つのベネフィットメトリックが、あるCoMP仮説集合のうちのL個の仮説と関連するそのようなシナリオを考察する。L>1として、そのような場合には、ベネフィットメトリックフィールドがL+1個の数のストリングを表すとすると、有益である。これによって、ベネフィットメトリックの差動エンコーディングが可能になる。たとえば、第1の数が、すべてのリソース配分が一緒に適用されるときの効用の変化を表す(たとえば3バイトまたは24ビットであるベネフィットメトリックフィールドのサイズよりも小さな、一定のビット数によって数量化された)ベース値であり得る。他方で、他方のL個の数のそれぞれは、ベース値に対して計算される(それぞれがΔビットで表される)オフセットであり得るが、それにより、ベース値とオフセットとの和が、対応する個別的なリソース配分だけが適用されるときの効用の変化を捕捉することになる。差動エンコーディングが、ある所与のペイロードサイズに対してより精細な数量化を可能にするということは、広く確立されている。LとΔとは別々に運ぶことが可能であり、たとえば、LがCoMP仮説集合の範囲で運ばれ得るように、設定可能であることに留意されたい。よって、L=1またはΔ=0とは、ベネフィットメトリックが、すべての関連する1つまたは複数の仮説に対して共通である1つの数に還元される、ということを意味し得る。この差動エンコーディングという特徴の代替えの利点は、それが、オペレータに、同じ仮想的なリソース配分に対して複数の異なる効用の変化を運ぶ柔軟性を提供することであり、この場合に、それぞれのそのような変化は、効用関数の異なる項を強調することによって、計算され得る。Lの値は、1と、maxnoofCoMPCellsによって表される最大値、との間を変動し得ることに留意されたい。maxnoofCoMPCellsの例示的な値は、4、8、16、または256である。われわれは、maxnoofCoMPCellsのより大きな値はオーバヘッドを短縮するのに役立ち得る(ひとつのベネフィットメトリックフィールドがその集合におけるすべての仮説と関連しているから)し、CoMP仮説集合が集中型RRMにおける最終的な決定を運ぶのに用いられている場合に有益であることに注意するのであるが、この理由は、その場合には、関連するひとつのベネフィットメトリック値が、その仮説集合が必須であることを示すために特別の値(すなわち、ゼロ)に設定され得るからである。
【0108】
提案C4:ベネフィットメトリックフィールドの差動エンコーディングがサポートされるべきである。
【0109】
われわれは、eNB間のCoMPをサポートするための、必要なX2メッセージについて論じる。
【0110】
C2. テキスト提案
9.2.xx CoMP情報
この情報要素(IE)は、CoMP仮説集合のリストを提供するが、ここで、各CoMP仮説集合は、1つまたは複数のセルのCoMP仮説の集まりであり、各CoMP仮説集合は、あるベネフィットメトリックと関連している。
例−1a
【0118】
maxnoofCoMPInformationに対する例示的なサイズは、4、8、16、または256である。
【0119】
実施形態D
以下では、われわれは、要求されるメッセージ構造と共にeNB間のCoMPをサポートするX2メッセージに関するわれわれの見解を提供する。
D1. eNB間のCoMPに対するCoMP仮説
各CoMP仮説(CH)は、受信側eNBによって必ずしも制御されるとは限らないセルに対する仮想的なリソース配分を含む。そのようなCoMP仮説に関連するシグナリングの設計と、関連するベネフィットメトリックとが、集中型と分散型との両方のRRMを容易にするはずである。集中型と分散型との両方のRRMにおける使用の場合が、付録において説明されている。ベネフィットメトリックを線形スケールで計算するためのわれわれの選好が、そこで正当化されている。
【0120】
次に、われわれは、CoMP仮説のコーディング構造に関するわれわれの見解を提示する。
【0121】
これまでになされた合意([2]および[3])から、ベネフィットメトリックは複数のCoMP仮説と関連することは明らかであるが、ここで、各CoMP仮説は、時間領域(複数のサブフレームにわたる)だけではなく、周波数領域(RBごとベースでの)におけるリソース配分を示す。ベネフィットメトリックの背後にある指導原理は、効用関数における変化を簡潔な態様で運ぶためにベネフィットメトリックが用いられ得る、ということであった。効用関数は、通常、待ち行列のサイズ、チャネル状態、そのeNBもしくはセルによってサービスされるユーザの優先順位(または、サービスの品質(QoS)のクラス)など、いくつかのファクタに依存する。ベネフィットメトリックは、効用関数のすべての構成要素の項をシグナリングすることを必要とすることなく、仮想的なリソース配分の結果として生じる変化を運ぶポテンシャルを有する。しかし、このポテンシャルは、ベネフィットメトリックの値が、十分に精細な数量化を表す場合にだけ、実現され得る。さらに、効用の変化の精細な数量化を可能にするベネフィットメトリックフィールドを有していないという潜在的に深刻な短所は、それが、分散型の協調における発振現象に至る可能性がある、ということである。
【0122】
ベネフィットメトリックの単一の値(有効な数量化レベル)を用いてわれわれが運ぶことができる情報量は、各仮説によって運ばれ得るリソース配分の選択肢(可能性)をわれわれが増加させるときだけはなく、われわれがCoMP仮説集合により多くの仮説を含ませるにつれてますます減少する、ということは明らかである。よって、支配的な使用の場合は、限定されたCoMP仮説集合のサイズ(これは制御可能であり、最大値は32である)を有する場合と、各仮説によって運ばれるリソース配分の可能性に関する限定された選択肢を有する場合と、であろう。
【0123】
これは、(RBごとをベースにした)周波数にわたり、(リストを介して)時間領域における1つ(または数個の)サブフレーム上で、各仮説と関連するリソース配分を運ぶことによって達成され得る。リストによって表されるパターンは、連続的に反復されるものと理解される。さらに、(集合における異なる仮説に対応する)すべてのパターンを、それらによって張られるサブフレームの個数に関して同じサイズを有するように制限することは、賢明である。そのような設計は、典型的な使用の場合によって必要とされるすべての柔軟性を許容し、オーバヘッドの短縮も達成する。われわれは、さらに、サイズが等しくないパターンもベネフィットメトリックの計算を複雑化させる、ということに注意したい。この設計は、われわれのテキスト提案に記載されている。
【0124】
われわれは、eNB間のCoMPをサポートするのに必要なX2メッセージについて論じ、対応するテキスト提案を提示した。
【0125】
D2. テキスト提案
9.2.xx CoMP情報
このIEは、CoMP仮説集合のリストを提供するが、ここで、各CoMP仮説集合は、1つまたは複数のセルの(1つまたは複数の)CoMP仮説の集まりであり、各CoMP仮説集合は、ベネフィットメトリックと関連する。
【0127】
maxnoofSubframesは、二者択一的に、20または80であり得る。
【0128】
9.2.xy CoMP仮説集合
このIEは、CoMP仮説の集合を提供する。CoMP仮説は、あるセルに対する仮想的でPRBに固有のリソース配分情報である。
【0130】
D3. 特別の値の使用
集中型のRRMでは、CoMP仮説(CH)集合の典型的な使用は、それぞれのCHで示されている各セルが従うであろう(または、従わなければならない)必須のリソース配分であり得るが、他方で、分散型のRRMシナリオでは、CHは、示されているセルが従う、または、従わないことがあり得るリクエストであり得る。結果的に、構成要素のリソース配分が必須であるか必須でないかを示すために関連のベネフィットメトリックの特別な値を用いることが望ましい。これは、示されているセルを制御していないeNBにCHが送られるときに、有用でもあるが、その理由は、後者のeNBが、それ自体のリソース配分を決定するために、隣接するセルの可能なリソース配分に関する情報をより多く有し得るからである。集中型の協調の例は
図3(a)に与えられており、分散型の協調の例は
図4に与えられている。分散型の場合には、eRNTPが、リソース配分の決定を運ぶために用いられ得ることに留意されたい。
【0131】
D4. ベネフィットメトリックの利用
セクションC1.2の明細書において、われわれは、ある所与の(仮想的な)リソース配分に対する異なる複数のベネフィットメトリック値を比較することは、これらの値が線形スケールを用いて計算される場合には単純化される、ということに注意した。その場合、われわれは、正味のベネフィット(またはコスト)を評価するために、(スケーリングまたはシフティングの後で)それらの値を、単純に、相互加算することができる。スケーリングまたはシフティングパラメータ(必要な場合)は、先に受信された報告に基づき、各eNBによって決定され得る。他のオプションとしては、あるエンティティ(オペレータ)が、各eNBに、それに隣接するもののそれぞれに対応するループアップテーブルを提供することがあり、これを、そのeNBは、最初に、各受信されたベネフィット値を適切なルックアップテーブルを用いて推定された値にマッピングし、次に、推定された複数の値を比較するために、用いることができる。われわれは、第1のオプションの方を僅かに好むのであるが、その理由は、第2のオプションの方がより複雑であるからである。
【0132】
付録 プロポーショナルフェア型のユーティリティメトリックの最適化
CoMPクラスタすなわち協調集合において、または、関心対象として、K人のユーザとB個の送信ノードまたは送信点(TP)とが存在しており、これらのTPは複数のeNBを含み得る、と仮定する。説明における便宜のため、ここで、われわれは、フルバッファトラフィックモデルを想定し、ΩはK人のユーザの集合を表すものとする。われわれは、プリコーディング行列(ビーム形成ベクトルまたはセクタ分割されたビーム)のB個のTPへの割り当てと、ユーザとこれらのTPとの関連付け(すなわち、ポイントスイッチング)とが、SINRおよびレートなどの平均推定値に基づき、半固定的な集中的態様でなされるハイブリッドな方式を考察する。他方で、割り当てられたそのプリコーダ(またはビーム)とそれに関連するユーザとが与えられると、各TPは、瞬間的な短期的CSIに基づいて、独立に、サブフレームごとのスケジューリングを行う。
【0133】
W
bをb番目のTPに割り当てられたプリコーダとして、
【0135】
は、プリコーダタプルの割り当てを示すものとする。ここで、各プリコーダW
bは、コードワード0を含む所定の有限集合Ψから選択可能であり、W
b=0は、b番目のTPがミュートになっていることを意味する。よって、SSPMは、特別な場合として包摂される。
【0140】
がB個のTPに割り当てられており、他のどのユーザもTPbと関連していないという状況が与えられている場合に、ユーザuが、TPbによってデータがサービスされるときに、(単位サイズを有するように正規化された利用可能な時間−周波数リソースを介して)得ることができる平均レートの推定値を示すものとする。この時間−周波数ユニットは、たとえば、リソースブロックの集合であり得る。次に、全体でm人のユーザがTPbと関連していると仮定する。従来型のアプローチに従うと、プロポーショナルフェア型のサブフレームごとのスケジューリングの下でユーザuが次に得ることができる平均レートは、
【0143】
これらの定義を前提にすると、われわれは、最適化問題
【0145】
を解くことによって、プリコーディングタプルの割り当てとユーザの関連付けとを共に決定すること(すなわち、半固定的な協調ビーム形成(SSCB)問題と半固定的協調ポイントスイッチング(SSPS)問題とを共に考察すること)ができる。
【0146】
(P1)においては、各x
u,bは、ユーザuがTPbと関連しているときには1に等しくそれ以外の場合にはゼロであるインジケータ変数であることに注意してほしい。したがって、(P1)における制約条件により、各ユーザはただ1つのTPとだけ関連していなければならないということが強制される。(P1)を効率的な態様で最適に解くことができない、ということを示すことは可能であり、それによって、(P1)を近似的に解くことができる複雑度の低いアルゴリズムを設計することが必要となる。任意の与えられたプリコーダタプル
【0148】
に対して、SSPSサブ問題を、最適に解くことが可能である。あるいは、さらなる複雑度の軽減を達成するような欲張ったアプローチを採用することも可能である。
【0149】
SSPS問題へのこれらのソリューションをレバレッジとして利用し、SSCBおよびSSPSのジョイント問題(P1)を半最適に解くためのアルゴリズムを得ることができる。
【0150】
われわれは、次に、ユーザの関連付けが予め決定されているSSPMだけの問題を考察する。
【0152】
ここで、S
bは、TPbと関連するユーザの所定の集合を表し、|S
b|は、その集合の濃度を表す。
【0153】
(P2)は、また、一般には、効率的な態様で最適に解くことができない困難な問題である。しかし、(P2)を解くために、経験則による開発は可能である。
【0154】
以上は、あらゆる点において例証的かつ例示的であって制約的なものではない、と理解されるべきであり、本明細書に開示されている本発明の範囲は、詳細な説明から決定されるのではなく、むしろ特許関連法規によって許容されるもっとも広い範囲に従って解釈される特許請求の範囲から、決定される。本明細書で示され説明されている実施形態は、本発明の諸原理を例証するものに過ぎないのであって、当業者であれば、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく様々な修正を実装し得る、ということが理解されるべきである。当業者であれば、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、特徴の様々な他の組合せを実装できるであろう。