(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の第1の実施形態に係る操作入力装置を、腕時計型端末(情報端末)として構成する場合を例に、図を参照して説明する。なお、本発明に係る操作入力装置は腕時計型端末に限られるものではなく、リストバンド型端末や指輪型端末等の人体に装着される任意の端末に採用することができる。
【0036】
図1(A)は、本発明の第1の実施形態に係る情報端末10の正面図である。
図1(B)は、情報端末10の側面図である。
【0037】
情報端末10は、外装部1と、電子モジュール部2と、変形検出部3と、を備えている。外装部1は、バンド部11とガラス部12とを備えている。バンド部11は、第1のベルト部13と第2のベルト部14とケース部15とを備えている。ここでは、バンド部11、すなわち第1のベルト部13と第2のベルト部14とケース部15とは、シリコーンゴム等の弾性を有する樹脂部材で一体成型されている。なお、本実施形態においては、電子モジュール部2が、特許請求の範囲に記載の本体部を構成している。
【0038】
ケース部15は、電子モジュール部2を納める内部空間を有する形状、例えば、正面に開口が設けられた箱状や、正面および背面に開口が設けられた筒状であり、第1のベルト部13および第2のベルト部14よりも厚み方向の寸法が大きい。ガラス部12は、ケース部15の正面側開口にはめ込まれる蓋状である。なお、電子モジュール部2の正面が単純な表示セグメントを有して構成されるような場合には、ガラス部12は必ずしも設けなくてもよい。
【0039】
第1のベルト部13および第2のベルト部14は、それぞれ、厚み方向に可撓性を有する有端な帯状であり、ケース部15よりも厚み方向の寸法が小さい。第1のベルト部13の上端は、ケース部15の下端側の側面に接続されている。また、第2のベルト部14の下端は、ケース部15の上端側の側面に接続されている。第1のベルト部13や第2のベルト部14とケース部15との接続は、弾性を有する樹脂材料による一体成型の他、それぞれを別体に構成して、ヒンジ構造を介して接続することにより実現してもよい。
【0040】
第1のベルト部13と第2のベルト部14とにおけるケース部15との接続端とは反対側の端部には、尾錠部16および係止孔17を備えている。尾錠部16が係止孔17に係止されることで、第1のベルト部13と第2のベルト部14とケース部15とは環状に連結されることになる。
【0041】
なお、バンド部11は、尾錠部16を介してベルト部13,14を連結するベルト型に構成されるほか、バンド部11を人体と接するように装着できれば、開口径が拡縮自在な無端状(環状)や、螺旋状のように構成されてもよい。また、バンド部11は手首に装着される他、指、足首、頸部等に装着されるような構成であってもよい。
【0042】
本実施形態においては、1つの変形検出部3を第1のベルト部13のケース部15に隣接する部分(第1部分13’)に内蔵している。変形検出部3は、第1のベルト部13の厚み方向に薄手で、第1のベルト部13が延びる方向を長手とする帯状である。変形検出部3の長手方向の寸法は、第1のベルト部13の長手方向の寸法より短く、半分以下である。
【0043】
第1のベルト部13は、変形検出部3を収容するための内部空間を有している。この内部空間は、第1のベルト部13部分の射出成型により、または射出成型後の二次加工(切り込み加工)により、あるいは、射出成型された樹脂部材同士の接合時に部分的に接合されないようにすることにより、形成することができる。
【0044】
図2は、情報端末10のケース部15および電子モジュール部2付近を示す側面断面図である。
【0045】
電子モジュール部2は、パネル部21と、電源部22と、基板部23と、筐体24と、を備えている。筐体24は、少なくとも正面側が開口した箱状または筒状であり、内側に電源部22と基板部23とを収容している。パネル部21と、電源部22と、基板部23とは相互に配線接続されている。電源部22は、パネル部21および基板部23に電力を供給する。電源部22は、具体的には、ボタン電池や、バッテリパック、回生発電部、ソーラー発電部等によって構成されている。パネル部21は、基板部23と電気的に接続されていて、基板部23から入力される制御信号に基づいて、各種情報を表示や指定する機能を有している。具体的には、パネル部21は、液晶ディスプレイパネルや、有機ELディスプレイパネル、表示セグメントを有するパネル、電子制御可能な指示針などが付設される文字盤などとして構成されている。基板部23は、特許請求の範囲に記載の制御部としての機能を有するものであって、変形検出部3と電気的に接続されており、変形検出部3で所定の操作を検出した検出信号に基づいて適宜の入力処理を行うとともに表示制御処理を行う。基板部23と変形検出部3との電気的な接続構造は、ジャンパ線や、コネクタ、電極同士の接触、など適宜の方法を採用することができる。
【0046】
なお、上述のパネル部21やケース部15のベゼル部分、ケース部15の側面には、図示しないボタン式スイッチやタッチセンサ等の操作入力手段が設けられていてもよい。
【0047】
図3(A)は、変形検出部3の側面図である。
図3(B)は、変形検出部3の平面図である。
【0048】
変形検出部3は、第1のベルト部13と積層される積層面として天面31および底面32を有し、天面31および底面32の変形に基づく検出信号を基板部23に出力する。本実施形態においては、変形検出部3は、天面31および底面32に対して直交する方向の曲げ変形に対して感度を有するように構成している。
【0049】
具体的には、変形検出部3は、圧電フィルム33,34と、シグナル電極35と、基準電位電極36と、を備えている。圧電フィルム33,34、シグナル電極35、および基準電位電極36は、平面視して長手方向と短手方向とを有し、厚み方向を薄手とする帯状であり、互いに積層して接合されている。
【0050】
シグナル電極35は、厚さ10μm程度のシート状の銅箔を所定の形状に打ち抜いて形成してなる。シグナル電極35の長手方向の一端側は、圧電フィルム33,34、および、基準電位電極36の端面から突出して厚み方向に露出する接続部37として構成されている。
【0051】
圧電フィルム33,34は、ポリ乳酸(PLA)、より具体的には延伸処理が施されたL型ポリ乳酸(PLLA)からなり、フィルム面における長手方向が主延伸方向に対して45°の角度をなすように切り出されている。圧電フィルム33は、シグナル電極35の天面31側に積層されている。圧電フィルム34は、シグナル電極35の底面32側に積層されている。
【0052】
基準電位電極36は、シグナル電極35と圧電フィルム33,34との積層体の上下それぞれに積層されており、上下の基準電位電極36は互いに電気的に接続されている。ここでは、基準電位電極36を、導電性の不織布や銀ペースト付きウレタンフィルムなどの比較的柔らかい導電性材料からなるフィルムとして構成し、1枚のフィルムを折り返すことで、上下の基準電位電極36を構成している。基準電位電極36の長手方向の一端側は、圧電フィルム33,34、および、シグナル電極35の端面から突出して厚み方向に露出する接続部38として構成されている。
【0053】
なお、変形検出部3は、天面31や底面32に基準電位電極36の外側を覆う保護フィルム(不図示)を設けて構成してもよい。保護フィルムは、発泡性フィルム、ウレタンフィルム、薄いPETフィルム(12μm程度のPETフィルム)等であると好適である。
【0054】
そして、圧電フィルム33,34は、長手方向の伸縮に対する発生分極の方向が同一となる特性を有している。すなわち、変形検出部3が長手方向に伸張したときに圧電フィルム33と圧電フィルム34とに発生する電荷によって、圧電フィルム33の天面31側と圧電フィルム34の天面31側とが同一の電気極性を有することになり、その電気極性とは反対の電気極性を、圧電フィルム33の底面32側と圧電フィルム34の底面32側とが有することになる。そして、変形検出部3が長手方向に伸張したときに互いに反対の電気極性を有することになる圧電フィルム33の底面32側と圧電フィルム34の天面31側とは、共通してシグナル電極35が積層されている。また、変形検出部3が長手方向に伸張したときに互いに反対の電気極性となる圧電フィルム33の天面31側と圧電フィルム34の底面32側とは、共通して基準電位電極36が積層されている。したがって、変形検出部3が長手方向に伸張したときには、シグナル電極35と基準電位電極36とのそれぞれにおいて、圧電フィルム33,34で発生する電荷はキャンセルされることになる。
【0055】
一方、変形検出部3が厚み方向に曲げ変形したときには、圧電フィルム33と圧電フィルム34とのうちの一方には長手方向の伸びが生じ、他方には長手方向の縮みが生じる。したがって、圧電フィルム33,34に発生する電荷によって、圧電フィルム33の天面31側と圧電フィルム34の底面32側とが同一の電気極性を有することになり、その電気極性とは反対の電気極性を、圧電フィルム33の底面32側と圧電フィルム34の天面31側とが有することになる。そして、変形検出部3が厚み方向に曲げ変形したときに互いに同じ電気極性を有することになる圧電フィルム33の底面32側と圧電フィルム34の天面31側とは、共通してシグナル電極35が積層されている。また、変形検出部3が厚み方向に曲げ変形したときに互いに同じ電気極性となる圧電フィルム33の天面31側と圧電フィルム34の底面32側とは、共通して基準電位電極36が積層されている。したがって、変形検出部3が厚み方向に曲げ変形したときには、シグナル電極35と基準電位電極36とのそれぞれにおいて、圧電フィルム33,34で発生する電荷はキャンセルされずに、検出信号が形成されることになる。
【0056】
したがって、この変形検出部3では、長手方向に伸張したことは検出せずに、厚み方向に曲げ変形したことのみを検出することができる。
【0057】
ここで、圧電フィルム33,34を形成するPLLAの特性について簡単に説明しておく。
【0058】
PLLAはキラル高分子からなる。PLLAは、主鎖が螺旋構造を有する。したがって、PLLAのフィルムは、一軸延伸される方向に分子が配向され、当該分子の配向によって圧電性を有する。そして、一軸延伸されたPLLAのフィルムは、フィルム面において延伸方向に対して45°方向に伸長するような歪みが生じることで電荷を発生する。この際、発生する電荷量は、フィルムの歪み量によって決まる。一軸延伸されたPLLAの圧電定数は、高分子中で非常に高い部類に属する。例えば、PLLAの圧電歪み定数d
14は、延伸条件、熱処理条件、添加物の配合等の条件を整えることにより10〜20pC/Nという高い値が得られる。なお、PLLAのフィルムの延伸倍率は3〜8倍程度が好適である。延伸後に熱処理を施すことにより、ポリ乳酸の延びきり鎖結晶の結晶化が促進され圧電定数が向上する。また、二軸延伸する場合はそれぞれの軸の延伸倍率を異ならせることによって一軸延伸と同様の効果を得ることが出来る。例えばある方向をX軸としてその方向に8倍、その軸に直交するY軸方向に2倍の延伸を施した場合、圧電定数に関してはおよそX軸方向に4倍の一軸延伸を施した場合とほぼ同等の効果が得られる。単純に一軸延伸したフィルムは延伸軸方向に沿って裂け易いため、前述したような二軸延伸を行うことにより幾分強度を増すことができる。
【0059】
また、PLLAは、延伸等による分子の配向処理で圧電性を生じるので、PVDF等の他のポリマーや圧電セラミックスのように、ポーリング処理を行う必要がない。すなわち、強誘電体に属さないPLLAの圧電性は、PVDFやPZT等の強誘電体のようにイオンの分極によって発現するものではなく、分子の特徴的な構造である螺旋構造に由来するものである。このため、PVDF等は経時的に圧電定数の変動が見られ、場合によっては圧電定数が著しく低下する場合があるが、PLLAの圧電定数は経時的に極めて安定している。したがって、出力電荷量が周囲環境に影響されない。また、PLLAには、他の強誘電性の圧電体で生じる焦電性が生じないことは大きな特徴であり、温度変化に伴って電荷が発生し、センサ出力として誤検知してしまうという危険性がほとんどない。
【0060】
図4は、変形検出部3が出力する検出信号の電位の時間変化を例示するグラフである。変形検出部3は、天面31および底面32に生じる変形の方向性に応じて異なる検出信号を出力する。
【0061】
例えば、操作者が、変形検出部3の先端部に天面31側から押し込む方向の外力を一定時間働かせて、変形検出部3の天面31側を凸に、底面32側を凹に変形させる。この場合、
図4(A)に示すように、変形検出部3の検出信号は、変形検出部3に外力が働き始める瞬間に、基準電位からの電位差が第1の極性(例えば+)となり、変形検出部3から外力が除かれる瞬間に、基準電位からの電位差が第2の極性(例えば−)となる。
【0062】
また、操作者が、変形検出部3の先端部に底面32側から押し込む方向の外力を一定時間働かせて、変形検出部3の天面31側を凹に、底面32側を凸に変形させる。この場合、
図4(B)に示すように、変形検出部3の検出信号は、変形検出部3に外力が働き始める瞬間に、基準電位からの電位差が第2の極性(例えば−)となり、変形検出部3から外力が除かれる瞬間に、基準電位からの電位差が第1の極性(例えば+)となる。
【0063】
このように、変形検出部3においては、検出信号における基準電位からの電位差の極性が外力の方向性に応じて変わる。したがって、この変形検出部3を用いれば、検出信号における基準電位からの電位差の極性に基づいて、変形検出部3に生じる変形の方向性の違いを把握することができる。また、この変形検出部3を用いることによって、変形検出部3を1箇所に設けていても、変形検出部3に異なる方向性で変形が生じるような2箇所の変形(操作)を区別して検知することができる。具体的には、
図1に示した情報端末10においては、第1のベルト部13に設けた変形検出部3によって、第1のベルト部13での変形だけでなく、第2のベルト部14における変形まで区別して検知することが可能になる。
【0064】
なお、検出信号における基準電位からの電位差は、外力が変化する速度に応じたものであり、外力の変化が速やかであれば電位差が大きくなり、外力の変化が緩やかであれば電位差が小さくなる。したがって、この変形検出部3を用いれば、検出信号に基づいて、変形検出部3の天面31および底面32に働く外力の変化速度を把握することができる。したがって、検出信号の電位差を閾値等を用いて判別することで、外力の変化速度に応じて制御(入力処理)の種類を異ならせることもできる。
【0065】
以上のような変形検出部3を用いる情報端末10は、操作者が外装部1を視覚的に確認しなくても感覚的(触覚的)に触れて外力をかけて、第1のベルト部13および変形検出部3の積層面を曲げ変形させることができる。このため、操作者が容易かつ確実に情報端末10を操作することができる。
【0066】
なお、変形検出部3に対して少なくとも一部で重なる位置や、変形検出部3に対して近接するような位置に、更に静電容量センサのようなタッチセンサを配置してもよい。このような場合、タッチセンサでのタッチ状態の検知の有無に基づいて、操作者の意図しない変形検知部3の変形に対して、情報端末10の回路部23(制御部)が反応しないようにすることが好ましい。このようにすれば、操作者がベルト部13,14を指で押したことをより正確に検知することができる。
【0067】
図5は、情報端末10の操作による変形態様を例示する情報端末10の側面図である。
【0068】
操作者は、情報端末10を手首に装着した状態で、第1のベルト部13と第2のベルト部14とにおけるケース部15に隣接する部分(第1部分13’および第2部分14’)のそれぞれ、またはいずれかに指を当てて、情報端末10を操作する。
【0069】
例えば、
図5(A)に示すように、操作者は、情報端末10を手首に装着した状態で、第1のベルト部13におけるケース部15に隣接する第1部分13’に指を当て、第1部分13’を手首側に押し込む。すると、第1部分13’において、手首に装着されることで生じている曲げ変形が緩和される、または、曲げ変形の方向が逆向きになる。これにより、第1部分13’に付設されている変形検出部3においては、曲げ変形による歪み量が低減する、または、歪み量の正負が反転する。この歪み量の変化に伴って圧電フィルム33,34に電荷が発生して変形検出部3から検出信号が出力されることになる。
【0070】
また、
図5(B)に示すように、操作者は、情報端末10を手首に装着した状態で、第2のベルト部14におけるケース部15に隣接する第2部分14’に指を当て、第2部分14’を手首側に押し込む。すると、第2部分14’において、手首に装着されることで生じている曲げ変形が緩和される、または、曲げ変形の方向が逆向きになる。すると、この第2部分14’に接続されているリジッドなケース部15に、第2部分14’側が手首に沈み込み、第1部分13’側が手首から浮き上がるような傾きが生じる。これにより、第2部分14’とは反対側でケース部15に接続されている第1部分13’に、より大きな曲げ変形が生じる。したがって、第1部分13’に付設されている変形検出部3においては、曲げ変形による歪み量が増大する。この歪み量の変化に伴って圧電フィルム33,34に電荷が発生して、
図5(A)の場合とは基準電位からの電位差の極性が逆の検出信号が変形検出部3から出力されることになる。
【0071】
また、
図5(C)に示すように、操作者は、情報端末10を手首に装着した状態で、第1のベルト部13における第1部分13’の両側面を指で挟み持ち、第1部分13’を手首から引き離す。これにより、第1部分13’に付設されている変形検出部3においては、曲げ変形による歪み量が増大する。この歪み量の変化に伴って圧電フィルム33,34に電荷が発生して、基準電位からの電位差の極性が
図5(A)の場合とは逆で
図5(B)の場合と同じ検出信号が変形検出部3から出力されることになる。
【0072】
したがって、前述の基板部(制御部)23においては、変形検出部3が出力する検出信号の基準電位からの電位差の極性や、電位差の大きさ、タッチセンサを設ける場合にはタッチセンサの検知状況、などに基づき、外力の作用方向や、外力の作用位置、外力の作用速度などに応じて入力処理を切り替えることができ、操作者の意図する操作に基づく入力処理を正確に実行することができる。
【0073】
例えば、情報端末10がディスプレイパネルを有する時計等であれば、第1のベルト部13や第2のベルト部14が比較的短時間に一度押されるような操作(クリック操作)や、比較的短時間に複数回連続して押されるような操作(ダブルクリック操作)に対して、それぞれ異なるボタン機能を割り当てることができる。ボタン機能としては、例えば、ディスプレイパネルの表示画面を別の表示画面に切り替える画面切り替えボタンの機能や、表示画面上でのアイコン選択を切り替えるアイコン切り替えボタンの機能、選択されたアイコンに対応する機能の実行などを決定する決定ボタンの機能、決定ボタンによる決定をキャンセルするキャンセルボタンの機能などを割り当てることができる。
【0074】
また、第1のベルト部13や第2のベルト部14が比較的長時間、長押しされるような操作に対して、それぞれ異なる機能を割り当てることもできる。例えば、ディスプレイパネルの表示する画面をスクロールする機能を第1のベルト部13や第2のベルト部14の長押し操作に割り当て、長押しされる時間にスクロール量を対応させるとともに、第1のベルト部13と第2のベルト部14とでスクロール方向を異ならせるようにすることもできる。
【0075】
また、第1のベルト部13や第2のベルト部14が押される速度(操作速度)に対して、表示画面のスクロール速度などを関連づけ、表示画面のスクロール速度などを操作速度に応じて調整可能にするように、回路部23(制御部)で入力および表示制御を行うこともできる。
【0076】
このように、情報端末10の回路部23(制御部)においては、バンド部11に対する多種の操作を、多種の制御に対応付けすることができ、操作者が違和感なく情報端末10を快適に操作することができ、操作者にとっての利便性を高めることができる。なお、上記の情報端末10における各種制御はあくまで例示であり、本願発明を適用または応用したその他の制御や使い方にも本願発明に含まれるものである。
【0077】
次に、変形検出部3についての具体的な寸法の設定例について説明する。
【0078】
変形検出部3において、操作者のバンド部に対する押圧操作を検出する精度は、その長手方向(バンド部が延びる方向)の寸法に大きく依存する。
図6(A)は、変形検出部3の長手方向の寸法毎に、変形検出部3に発生する電荷の分布について説明する模式図である。
【0079】
図6(A)上段部分には、変形検出部3の長手方向の寸法が適切な場合を示している。変形検出部3の長手方向の寸法が適切な場合には、変形検出部3の長手方向のいずれの位置においても、同じ方向の曲げ応力が作用し、変形検出部3に発生する電荷は長手方向のいずれの位置においても、同じ電気極性となる。
【0080】
一方、
図6(A)中段部分には、変形検出部3の長手方向の寸法が適切な範囲を超えて大きい場合を示している。変形検出部3の長手方向の寸法が過大である場合には、変形検出部3における外力の作用点よりもケース部15側の位置と、外力の作用点よりもケース部15とは反対側の位置とで、曲げ応力が作用する方向が逆転する。したがって、変形検出部3に発生する電荷が異なる電気極性同士で打ち消しあい、変形検出部3から出力される検出信号においてSN比が劣化してしまう。
【0081】
また、
図6(A)下段部分には、変形検出部3の長手方向の寸法が適切な範囲を超えて小さい場合を示している。変形検出部3の長手方向の寸法が過小である場合には、変形検出部3から外力の作用点が大きく離れ、変形検出部3に変形がほとんど生じなくなる。このため、やはり、変形検出部3から出力される検出信号においてSN比が劣化してしまう。
【0082】
図6(B)は、変形検出部3のモデル試験により確認された変形検出部3からの発生電荷と、変形検出部3の長手方向の寸法との関係を示すグラフである。モデル試験においては、片持ち梁状のベース材の一方主面に、圧電フィルムを1mmだけベース材の固定端から離して設け、ベース材の固定端から1mm〜21mmの範囲に面荷重を働かせた。
【0083】
試験の結果からは、変形検出部3の長手方向の寸法が、5mm未満であれば、圧電フィルムの発生電荷が極めて小さくなり、5mmを超えれば圧電フィルムの発生電荷が一定以上となることが確認された。これは、
図6(A)下段部分に示すように、圧電フィルムから外力の作用点が大きく離れ、圧電フィルムに変形がほとんど生じなくなったためと考えられる。
【0084】
また、圧電フィルムの長手方向の寸法が、31mmを超えれば、圧電フィルムの発生電荷が比較的小さい状態で一定になることが確認された。これは、
図6(A)中段部分に示すように、圧電フィルムにおいて正負両方の電荷が発生し、電荷の打ち消しあいが生じたためと考えられる。
【0085】
また、圧電フィルムの長手方向の寸法が、7mm以上かつ31mm未満であれば、31mmを超える場合よりも、圧電フィルムの発生電荷が大きくなることが確認された。これは、圧電フィルムにおいて電荷の打ち消しあいがあまり生じず、また、圧電フィルムの変形が適切に生じているためと考えられる。
【0086】
更には、圧電フィルムの長手方向の寸法が、15mm以上かつ25mm未満であれば、特に圧電フィルムの発生電荷が大きくなることが確認された。これは、
図6(A)上段部分に示すように、圧電フィルムに適切な変形が生じているためと考えられる。
【0087】
したがって、変形検出部3の長手方向の寸法には適切な範囲があり、変形検出部3の長手方向の寸法は、5mmを超えることが望ましいことがわかる。更には、変形検出部3の長手方向の寸法は、7mm以上かつ31mm以下であることが望ましいことがわかる。特には、変形検出部3の長手方向の寸法は、15mm以上かつ25mm以下であるとほぼ最適であることがわかる。
【0088】
以上に説明したように、本実施形態に係る情報端末10によれば、第1のベルト部13の変形を伴う外装部1の操作を検出するので、操作者は外装部1を視覚的に確認しなくても感覚的(触覚的)に外装部1に触れて外力をかけることで情報端末10の操作を行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態の説明においては、変形検出部3として圧電フィルム33,34を利用する例を示したが、変形検出部3は、圧電フィルムとは別の機能フィルムを利用して構成されていてもよい。例えば、電荷移動型フィルム、抵抗型フィルム、エレクトレット型フィルム等を用いることもできる。なお、詳細については後述するが多様な変形態様を区別して検出するような場合や、焦電性が問題となるような場合には、本実施形態で示したように圧電フィルム、特にPLLAのフィルムを利用することが好適である。また、圧電フィルムとしては、PLLAからなるフィルムの他にも、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)からなるフィルムや、樹脂フィルムに圧電セラミックスを積層した複合フィルムなどを利用することもできる。
【0090】
次に、本発明の第2の実施形態に係る操作入力装置として、曲げ変形とは異なる変形態様を検出する場合について説明する。
【0091】
第2の実施形態に係る情報端末10Aは、第1の実施形態と相違する構成の変形検出部3Aを備えるものである。
【0092】
図7(A)は、変形検出部3Aの側面図であり、
図7(B)は、変形検出部3Aの平面図である。
【0093】
変形検出部3Aは、第1のベルト部13と積層される積層面として天面31および底面32を有し、天面31および底面32の変形に基づく検出信号を基板部23に出力する。本実施形態においては、変形検出部3Aは、天面31および底面32における長手方向に沿う軸周りの捩じり変形に対して感度を有するように構成している。
【0094】
具体的には、変形検出部3は、圧電フィルム33Aと、シグナル電極34Aと、基準電位電極35Aと、を備えている。圧電フィルム33A、シグナル電極34A、および基準電位電極35Aは、平面視して長手方向と短手方向とを有し、厚み方向を薄手とする帯状であり、互いに積層して接合されている。
【0095】
シグナル電極34Aは、厚さ10μm程度のシート状の銅箔を所定の形状に打ち抜いて形成してなる。シグナル電極34Aの長手方向の一端側は、圧電フィルム33A、および、基準電位電極35Aの端面から突出して厚み方向に露出する接続部37として構成されている。
【0096】
圧電フィルム33Aは、ポリ乳酸(PLA)、より具体的には延伸処理が施されたL型ポリ乳酸(PLLA)からなり、フィルム面における長手方向が主延伸方向に対して0°または90°の角度をなすように切り出されている。圧電フィルム33Aをこのように切り出すことにより、圧電フィルム33Aは長手方向に沿う軸周りの捩じり変形に対して感度を有することになる。この圧電フィルム33Aは、シグナル電極34Aの天面31側に積層されている。
【0097】
基準電位電極35Aは、圧電フィルム33Aにおける天面31側に積層されている。基準電位電極35Aの長手方向の一端側は、圧電フィルム33A、および、シグナル電極34Aの端面から突出して厚み方向に露出する接続部38として構成されている。
【0098】
このように構成された変形検出部3Aを用いる情報端末10Aは、操作者が外装部1を視覚的に確認しなくても感覚的(触覚的)に触れて外力をかけて、第1のベルト部13を曲げ変形や伸縮変形ではなく、捩じり変形させることで、操作者が容易かつ確実に情報端末10Aを操作することができる。
【0099】
図8は、情報端末10Aの操作による変形態様を例示する情報端末10Aの、第1のベルト部13が延びる方向からケース部15を見た側面図である。
【0100】
操作者は、情報端末10Aを手首に装着した状態で、ケース部15または第1のベルト部13の両側面を指で挟み持ち、ケース部15または第1のベルト部13を一方の側面側から引き起こすことで、情報端末10Aを操作する。
【0101】
例えば、
図8(A)に示すように、操作者が、情報端末10Aを手首に装着した状態で、ケース部15の両側面に指を当て、ケース部15の一方の側面側を引き起こすと、第1のベルト部13に付設されている変形検出部3Aが、第1のベルト部13が延びる方向に沿う軸周りの第1の回転方向に捩じれるように変形する。また、
図8(B)に示すように、操作者が、情報端末10Aを手首に装着した状態で、ケース部15の両側面に指を当て、ケース部15の他方の側面側を引き起こすと、変形検出部3Aが、第1のベルト部13が延びる方向に沿う軸周りの第2の回転方向に捩じれるように変形する。
【0102】
これにより、変形検出部3Aにおいて、捩じり変形に伴って圧電フィルム33Aに電荷が発生し、検出信号が出力される。この際、捩じり変形の回転方向に応じて検出信号における基準電位からの電位差の極性が反転することになる。
【0103】
したがって、前述の基板部(制御部)23においては、変形検出部3Aが出力する検出信号における基準電位からの電位差の極性に基づいて入力処理を切り替えることで、操作者の意図する操作の種類に基づく入力処理を実行することができる。
【0104】
図9は、操作による変形態様を例示する情報端末10の正面図である。
【0105】
操作者は、情報端末10を手首に装着した状態で、ケース部15の両側面を指で挟み持ち、ケース部15を回転させることで、情報端末10を操作する。ただし、ケース部15は回転しないように、第1のベルト部13及び第2のベルト部14に固定されている。
【0106】
例えば
図9(A)に示すように、操作者が、情報端末10を手首に装着した状態で、ケース部15の両側面を指で挟み持ち、ケース部15を反時計回りに回転させる。これにより、第1のベルト部13に付設されている変形検出部3が、第1のベルト部13が延びる方向に沿う軸周りの第1の回転方向に捩じれるように変形する。
【0107】
また、例えば
図9(B)に示すように、操作者が、情報端末10を手首に装着した状態で、ケース部15の両側面を指で挟み持ち、ケース部15を時計回りに回転させる。これにより、第1のベルト部13に付設されている変形検出部3が、第1のベルト部13が延びる方向に沿う軸周りの第2の回転方向に捩じれるように変形する。
【0108】
そのため、変形検出部3において、捩じり変形に伴って圧電フィルム33に電荷が発生し、検出信号が出力される。この際、捩じり変形の回転方向に応じて検出信号における基準電位からの電位差の極性が反転することになる。
【0109】
したがって、前述の基板部(制御部)23は、変形検出部3が出力する検出信号における基準電位からの電位差の極性に基づいて入力処理を切り替えることで、操作者の意図する操作の種類に基づく入力処理を実行することができる。
【0110】
なお、
図9では、変形検出部3が第1のベルト部13にのみ配置されているが、これに限るものではない。実施の際、変形検出部3が第2のベルト部14にのみ配置されていても良いし、ケース部15を挟むよう第1のベルト部13及び第2のベルト部14の両方に配置されていても良い。第1のベルト部13及び第2のベルト部14の両方に配置された場合、情報端末10は、捻じれをより精度良く検知することが出来る。
【0111】
なお、以上の各実施形態においては、一つの変形検出部のみを設ける場合を例示したが、本発明に係る操作入力装置は、複数の変形検出部を備えて構成することもできる。
【0112】
次に、本発明の第3の実施形態に係る操作入力装置として、複数の変形検出部を備える場合について説明する。
【0113】
図10は、第3の実施形態に係る情報端末10Bの平面図および側面図である。
【0114】
第3の実施形態に係る情報端末10Bは、第1のベルト部13および第2のベルト部14のそれぞれに、曲げ変形に感度を有する変形検出部3を備えるものである。第1のベルト部13に設けられた変形検出部3は、第1のベルト部13の曲げ変形を主体となって検出するものであり、第2のベルト部14に設けられた変形検出部3は、第2のベルト部14の曲げ変形を主体となって検出するものである。このように複数の変形検出部3を異なる位置に配置することで、変形検出部3各々でより高精度に変形を検出することができる。また、ここでは、第1のベルト部13と第2のベルト部14とのそれぞれにおいて、2つの変形検出部3はケース部15を中心に線対称に配置されている。このため、第1のベルト部13と第2のベルト部14との固さ、すなわち、押し込みやすさを同程度にすることができる。
【0115】
なお、本実施形態においては、第1のベルト部13および第2のベルト部14のそれぞれに、曲げ変形に感度を有する変形検出部3を設ける場合を例示したが、第1のベルト部13および第2のベルト部14のそれぞれに、捩じり変形に感度を有する変形検出部3Aを設けるようにしてもよい。また、第1のベルト部13と第2のベルト部14との一方に、曲げ変形に感度を有する変形検出部3を設け、他方に、捩じり変形に感度を有する変形検出部3Aを設けるようにしてもよい。
【0116】
次に、本発明の第4の実施形態に係る操作入力装置として、複数の変形検出部を積層して設ける場合について説明する。
【0117】
第4の実施形態に係る操作入力装置は、上述の各実施形態と相違する構成の変形検出部3Cを備えるものである。
【0118】
図11(A)は、変形検出部3Cの側面図であり、
図11(B)は、変形検出部3Cの平面図である。
【0119】
変形検出部3Cは、第1の実施形態で示した変形検出部3と第2の実施形態で示した変形検出部3Aとを積層したものである。すなわち、変形検出部3Cは、バンド部11と積層される積層面として天面31および底面32を有し、天面31および底面32の曲げ変形に基づく検出信号と、捩じり変形に基づく検出信号とをそれぞれ基板部23に出力する。
【0120】
具体的には、変形検出部3Cは、圧電フィルム33,34、シグナル電極35、および、基準電位電極36と、圧電フィルム33A、シグナル電極34A、および、基準電位電極35Aと、変形検出部3と変形検出部3Aとの間を貼り付ける貼り付け材39Cと、を備えている。
【0121】
このように構成された変形検出部3Cを用いる操作入力装置は、操作者が外装部を視覚的に確認しなくても感覚的(触覚的)に触れて外力をかけて、第1のベルト部および変形検出部3Cの積層面を曲げ変形や捩じり変形させることで、変形検出部3Cに検出信号を出力させて操作者が容易かつ確実に操作入力装置を操作することができる。
【0122】
なお、この実施形態においては、変形検出部3Cが、曲げ検出用の変形検出部3と捩じり検出用の変形検出部3Aとをそれぞれ別に構成して貼り付ける場合を例示したが、曲げ検出用の変形検出部3と捩じり検出用の変形検出部3Aとで基準電位電極を共用するように構成することもできる。
【0123】
また、以上の各実施形態においては、ケース部15と第1のベルト部13と第2のベルト部14とを一体に構成したバンド部11を有する場合を例示したが、本発明に係るバンド部は、その他の構成にすることもできる。
【0124】
次に、本発明の第5の実施形態に係る操作入力装置として、ケース部をバンド部とは別体に構成する場合について説明する。
【0125】
図12は、第5の実施形態に係る情報端末10Dの平面図および側面図である。
【0126】
情報端末10Dは、外装部1Dと、電子モジュール部2と、変形検出部3と、を備えている。外装部1Dは、第1のベルト部13Dと第2のベルト部14Dとケース部15Dとガラス部12とを備えている。ここでは、第1のベルト部13Dと第2のベルト部14Dとがそれぞれ、特許請求の範囲に記載のバンド部に相当する構成である。第1のベルト部13Dと第2のベルト部14Dとは、それぞれ、シリコーンゴム等の弾性を有する樹脂部材からなる。ケース部15Dは、第1のベルト部13Dや第2のベルト部14Dよりもリジッドな異なる材質の樹脂、または、金属等からなり、ケース部15Dが、特許請求の範囲に記載の本体部を構成している。
【0127】
図13は、ケース部15Dとベルト部13D,14Dとの接続構造を示す模式図である。ベルト部13D,14Dにおけるケース部15Dとの接続端は、厚み方向の中央部分にケース部15D側に突出する突出部18Dが形成されている。突出部18Dは、変形検出部3の接続部が表面に露出するコネクタ状に構成されている。一方のケース部15Dにおけるベルト部13D,14Dとの接続端は、厚み方向の中央部分に凹部19Dが形成されている。凹部19Dは、基板部23に配線を介して繋がる電極が表面に露出するコネクタ状に構成されている。突出部18Dと凹部19Dとは、およその形状が一致して凹部19Dに突出部18Dが嵌合するように構成されている。また、ベルト部13D,14Dとケース部15Dとの接続端には、図示していない貫通孔やねじ穴が形成されて、ねじ20D等によって、ベルト部13Dとケース部15Dとは強固に連結されることが好ましい。
【0128】
このような接続構造を有することにより、第1のベルト部13Dや第2のベルト部14Dとケース部15Dとを別体に構成しても、第1のベルト部13Dに付設される変形検出部3を、ケース部15Dに設けられる基板部23に配線接続することができる。
【0129】
次に、本発明の第6の実施形態に係る操作入力装置として、変形検出部3を筐体24の側面に設けた場合について説明する。
【0130】
図14は、第6の実施形態に係る情報端末10Eの正面図および側面断面図である。情報端末10Eが情報端末10と相違する点は、変形検出部3及び加速度センサ6を筐体24の側面に備える点である。その他の点に関しては同じであるため、説明を省略する。
【0131】
この構成では、操作者が、情報端末10を手首に装着した状態で、ケース部15の両側面を指で挟み持ち、筐体24を押圧する。これにより、筐体24に付設されている変形検出部3が、捩じれるように変形する。
【0132】
そのため、変形検出部3において、捩じり変形に伴って圧電フィルム33に電荷が発生し、検出信号が出力される。この際、捩じり変形の回転方向に応じて検出信号における基準電位からの電位差の極性が反転することになる。
【0133】
したがって、前述の基板部(制御部)23は、変形検出部3が出力する検出信号における基準電位からの電位差の極性に基づいて入力処理を切り替えることで、操作者の意図する操作の種類に基づく入力処理を実行することができる。また、操作者は、スイッチのように特定位置を押圧する必要がないため、例えばランニング中などでも簡単に操作することができる。そのため、情報端末10Eは操作性に優れる。
【0134】
また、情報端末10Eが例えば操作者の手首等に装着される場合、筐体24の底面と比較して筐体24の側面の方が操作し易い。そのため、情報端末10Eは、筐体24の側面に変形検出部3が設けられることで、操作者の操作性を向上することができる。
【0135】
ここで、変形検出部3は、バンド部11の意図しない揺れによって誤作動を引き起こす可能性がある。バンド部11の意図しない揺れは例えば、操作者が腕時計を装着して歩行した時の腕の振れ、操作者が、腕時計が入ったカバンを持って歩行する時の振動などである。
【0136】
そこで、情報端末10Eは、加速度センサ6を筐体24の側面に備え、変形検出部3と併用している。これにより、情報端末10Eは、加速度センサ6の出力と変形検出部3の出力とに基づいて、操作者が意図して押圧を加えたかどうかを検知することが出来る。
【0137】
なお、
図14では、変形検出部3が筐体24の側面に設けられているが、これに限るものではない。実施の際、変形検出部3は、例えば筐体24の底面に設けられていても良い。さらに、変形検出部3は、例えば筐体24、第1のベルト部13、及び第2のベルト部14の内の少なくとも2箇所に設けられていても良い。このように、変形検出部3を少なくとも2箇所に備えることにより、情報端末10は、捻じれをより精度良く検知することが出来る。
【0138】
同様に、
図14では、加速度センサ6が筐体24の側面に設けられているが、これに限るものではない。実施の際、加速度センサ6は、例えば筐体24の底面に設けられていても良い。さらに、加速度センサ6は、例えば筐体24、第1のベルト部13、及び第2のベルト部14の内の少なくとも2箇所に設けられていても良い。このように、加速度センサ6を少なくとも2箇所に備えることにより、情報端末10は、加速度をより精度良く検知することが出来る。 また、情報端末10Eは、加速度センサ6を備えているが、これに限るものではない。実施の際、その他の情報端末10、10A〜10Dも加速度センサ6を備えることができる。
【0139】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第1の実施例について説明する。
【0140】
図15は、操作入力装置にストップウォッチ機能を持たせる場合の制御フローを示す図である。
【0141】
ストップウォッチモードで起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S11)。
【0142】
すると、制御部は、検出信号における基準電位からの電位差の極性や電位差の大きさ(操作速度)と適宜の閾値との関係に基づいて、操作者の行った操作種別を判別する(S12)。例えば、第1のベルト部が押圧される操作なのか、第2のバンド部が押圧される操作(第1のベルト部が引き離される操作)なのか、ケース部が左側面側から捩じり起される操作なのか、ケース部が右側面側から捩じり起される操作なのか、等の操作種別を制御部で判別する。
【0143】
制御部は、第1の操作(例えば第1のベルト部の押圧)が行われたと判別した場合には、現状が計時中の状態にあるかを判別する(S13)。制御部は、現状が計時中の状態に無い場合には、計時を開始する(S14)。また、制御部は、パネル部に計時している経過時間を表示させる(S15)。
【0144】
また、制御部は、第1の操作が行われたと判別するとともに現状が計時中の状態にある場合には、計時を一時的に停止する(S16)。また、制御部は、パネル部に計時を停止した停止時までの経過時間を表示させる(S17)。
【0145】
また、制御部は、第2の操作(例えば第2のバンド部の押圧)が行われたと判別した場合には、現状が計時中の状態にあるかを判別する(S18)。制御部は、現状が計時中の状態にある場合には、計時を継続する(S19)。また、制御部は、パネル部に第2の操作を検出した操作検出時までの経過時間を表示させる(S20)。そして、制御部は、一定時間がたってから、再びパネル部に計時している経過時間を表示させる(S21)。
【0146】
また、制御部は、第2の操作が行われたと判別するとともに現状が計時中の状態にない場合には、計時をリセットする(S22)。また、制御部は、パネル部の表示をリセットさせる(S23)。
【0147】
以上のように、本発明の第1の実施例に係る操作入力装置は、ストップウォッチ機能を持たせることができる。
【0148】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第2の実施例について説明する。
【0149】
操作入力装置が表示部を備える場合には、表示部の電源が常時オンになっていると、電源電圧が短時間で消費されてしまう。そこで、利用者の適宜の動作を検出して、表示オン状態と表示オフ状態の切り替えを行うと利用者にとっての利便性を向上させながら、消費電力を抑えることができる。ただし、加速度センサやタッチパネルなどを用いて利用者の適宜の動作を検出すると、利用者の意図していない動作により、誤って表示オン状態と表示オフ状態の切り替えが発生することがある。そこで、以下に説明する制御フローの第2の実施例では、バンド部の変形によって操作入力装置に表示オン状態と表示オフ状態とを切り替えさせることで、利用者の意図していない動作により、誤って表示オン状態と表示オフ状態の切り替えが発生することを防ぐ。
【0150】
図15は、操作入力装置に表示オン状態と表示オフ状態の切り替え機能を持たせる場合の制御フローを示す図である。
【0151】
表示オン状態と表示オフ状態の切り替えモードで起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S31)。
【0152】
すると、制御部は、検出信号における基準電位からの電位差の極性や電位差の大きさ(操作速度)と適宜の閾値との関係に基づいて、操作者の行った操作種別を判別する(S32)。そして、制御部は、第2の操作(例えば第2のバンド部の押圧)が行われたと判別した場合には、現状を変更しない、または、別種の動作モードの動作を行う。一方、制御部は、第1の操作(例えば第1のベルト部の押圧)が行われたと判別した場合には、現状が表示中の状態にあるか否かを判別する(S33)。制御部は、現状が表示中の状態に無い場合には、表示部をオンさせる(S34)。そして、制御部は、一定時間、その他の操作が得られるか否かを判定する(S35)。そして、制御部は、その他の操作が得られなければ、再び表示をオフさせる(S36)。
【0153】
また、制御部は、第1の操作が行われたと判別するとともに現状が表示中の状態にある場合には、表示をオフさせる(S37)。
【0154】
以上のように、本発明の第2の実施例に係る操作入力装置は、表示オン状態と表示オフ状態の切り替え機能を持たせることができる。
【0155】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第3の実施例について説明する。
【0156】
図17は、操作入力装置に家電等を操作する機能(リモコン機能)を持たせる場合の制御フローを示す図である。
【0157】
リモコンモードで起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S41)。
【0158】
すると、制御部は、検出信号における基準電位からの電位差の極性や電位差の大きさ(操作速度)と適宜の閾値との関係に基づいて、操作者の行った操作種別を判別する(S42)。
【0159】
制御部は、第1の操作(例えば第1のベルト部の押圧)が行われたと判別した場合には、現状で設定されている家電に対する制御信号のうち、当該操作に対応する制御信号(テレビのチャンネル変更信号等)を所定の無線送信手段を用いて送信する(S43)。所定の無線送信手段とは、赤外線送信、BLUETOOTH(登録商標)通信、Wifi通信等である。したがって、操作入力装置は、それら無線送信手段を実現する通信部(赤外線発光部、BLUETOOTH(登録商標)通信アンテナ、Wifi通信アンテナ等)を有する。
【0160】
また、制御部は、第2の操作(例えば第2のバンド部の押圧)が行われたと判別した場合には、現状で設定されている家電に対する制御信号のうち、当該操作に対応する制御信号を所定の無線送信手段を用いて送信する(S44)。なお、これらのステップ(S41〜S44)を実行する際には、予め操作入力装置が有する表示部に操作種別と送信信号との対応関係を予め表示させておくことが好ましい。
【0161】
また、制御部は、第3の操作(例えばケース部の左側面側からの引き起こし)が行われたと判別した場合には、制御信号を送信する対象とする家電を別の家電に変更(ローテーション)する設定を行う(S45)。同様に、制御部は、第4の操作(例えばケース部の右側面側からの引き起こし)が行われたと判別した場合には、制御信号を送信する対象とする家電を別の家電に変更(ローテーション)する設定を行う(S46)。なお、第3の操作と第4の操作とで、設定をローテーションする順番は逆にすると好適である。また、これらのステップ(S41〜S46)を実行する際には、予め操作入力装置が有する表示部に操作種別と選択される家電との対応関係を予め表示させておくことが好ましい。
【0162】
以上のように、本発明の第3の実施例に係る操作入力装置は、リモコン機能を持たせることができる。
【0163】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第4の実施例について説明する。
【0164】
図18は、操作入力装置にナースコールや防犯ベルのような通報機能を持たせる場合の制御フローを示す図である。
【0165】
通報モードで起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S51)。
【0166】
すると、制御部は、計時を開始する(S52)。そして、制御部は、変形検出部からの検出信号が再び検出されるか否かを判定しながら(S53)、一定時間の経過を待つ(S54)。一定時間(例えば10秒)が経過しても変形検出部からの検出信号が再び検出されなければ、ナースコールや防犯ベルの通報を所定の手段を用いて実行する(S55)。所定の手段を用いた通報は、無線送信手段(BLUETOOTH(登録商標)通信アンテナ、Wifi通信アンテナ等)を介した登録先への通信や、報音部等の発砲手段を介した発砲である。
【0167】
また、制御部は、計時開始から一定時間が経過するまでの間に、変形検出部からの検出信号が再び検出される場合には、通報と計時をキャンセル(解除)する(S53)。
【0168】
また、制御部は、通報処理の後で、所定の解除操作がなされれば(S56)、通報処理の停止を行う(S57)。
【0169】
以上のように、本発明の第4の実施例に係る操作入力装置は、通報機能を持たせることができる。この操作入力装置は、急病で倒れた時や、犯罪や事故に遭遇した時のように、緊急を有するとともに、タッチパネルやスイッチ等を操作することが難しい状況であっても、操作入力装置のバンド部等をつまむ、握りしめる等の操作で、所定の通報を行うことができる。なお、操作入力装置を誤操作した時には、通報する前の一定のカウントダウン期間中にキャンセルすることができる。
【0170】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第5の実施例について説明する。
【0171】
図19は、操作入力装置にGUI(グラフィカルユーザインターフェース)操作機能を持たせる場合の制御フローを示す図である。
【0172】
表示部にブラウザソフトのようなGUIが表示されている状態(GUI操作モード)で起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S61)。
【0173】
すると、制御部は、検出信号における基準電位からの電位差の極性や電位差の大きさ(操作速度)と適宜の閾値との関係に基づいて、操作者の行った操作種別を判別する(S62)。そして、制御部は、第1の操作(例えば第1のベルト部の押圧)が行われたと判別した場合には、GUIコントローラに第1の操作信号を出力する(S63)。第1の操作信号は、ブラウザ画面の下方スクロールを指示する操作信号や、ポインタの下方移動を指示する操作信号である。また、制御部は、第2の操作(例えば第2のバンド部の押圧)が行われたと判別した場合には、GUIコントローラに第2の操作信号を出力する(S64)。第2の操作信号は、ブラウザ画面の上方スクロールを指示する操作信号や、ポインタの上方移動を指示する操作信号である。
【0174】
以上のように、本発明の第5の実施例に係る操作入力装置は、GUI操作機能を持たせることができる。
【0175】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第6の実施例について説明する。
【0176】
図20は、操作入力装置に通話機能を持たせる場合の制御フローを示す図である。
【0177】
通話回線が繋がっている通話モードで起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S71)。
【0178】
制御部は、検出信号における基準電位からの電位差の極性と適宜の閾値との関係に基づいて、操作者の行っている操作状態を判別する(S72)。操作状態の判別とは、例えば、バンド部を握っているままの状態であるか、バンド部を握っていない状態であるかの判別である。そして、制御部は、通話回線が繋がっている状態のまま、判別した操作状態に応じて、所定機能のオンとオフとを切り替える(S73,S74)。例えば、バンド部が握られている状態ではマイクをオンして、利用者の発話を通話回線で送信し、バンド部が握られていない状態ではマイクをオフして、利用者の発話が通話回線で送信されないようにする。また、例えば、バンド部が握られている状態では録音機能をオンし、バンド部が握られていない状態では録音機能をオフする。
【0179】
以上のように、本発明の第6の実施例に係る操作入力装置は、通話に関する様々な機能の操作を容易に行うことができる。
【0180】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第7の実施例について説明する。
【0181】
図21は、本発明に係る操作入力装置の第7の実施例における制御フローを示す図である。第7の実施例において操作入力装置は、変形検出部および加速度センサの両方を備える。そのため、操作入力装置は、操作者が意図して押圧を加えたかどうかを検知することが出来る。前述したように変形検出部は、バンド部の意図しない揺れによって誤作動を引き起こす可能性があるためである。バンド部の意図しない揺れは例えば、操作者が腕時計を装着して歩行した時の腕の振れ、操作者が、腕時計が入ったカバンを持って歩行する時の振動などである。
【0182】
詳述すると、表示オン状態と表示オフ状態の切り替えモードで起動している操作入力装置において、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じると、変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力される(S81)。
【0183】
制御部は、加速度センサをオンする(S82)。このように、操作入力装置は、変形検出部が押圧を検知した時点で加速度センサをオンすることによって、加速度センサを常時動作させる必要が無い。そのため、操作入力装置は、消費電力を軽減することが出来る。
【0184】
そして、制御部は、閾値以上の加速度センサの出力を所定時間(例えば5秒)の間に確認できないかどうか、又は加速度センサの出力が一方向の加速度を示すものであるかどうか、を判別する(S83)。S83において制御部は、操作者が運動しているか否かを検知している。この分岐は、加速度センサからの出力が確認できない状態での押圧、又は一方向に加速度がかかっている状態での押圧は、操作者が立ち止まって意図的に押圧センサを押す場面であることを想定している。
【0185】
加速度センサの出力を所定時間の間に確認できるとき、且つ加速度センサの出力が一方向の加速度を示すものでないとき、(もしくは一定の閾値以上の加速度を示すものであるとき、)制御部は、S81に戻り処理を継続する。この流れは、バンド部の意図しない揺れによって、変形検出部から検出信号が入力された場面を想定している。そのため、操作入力装置は、バンド部の意図しない揺れによって誤作動を引き起こすことを防止できる。
【0186】
一方、加速度センサの出力を所定時間の間に確認できないとき、又は加速度センサの出力が一方向の加速度を示すものであるとき、制御部は、現在の状態が表示中の状態で無い場合には、表示部をオンする(S84)。そして、制御部は、例えばS12、S42、S62、又はS72などに示す操作判別の分岐に進む。
【0187】
次に、上述の各実施形態で示した操作入力装置に適用することができる制御フローの第8の実施例について説明する。
【0188】
図22は、本発明に係る操作入力装置の第8の実施例における制御フローを示す図である。第8の実施例において操作入力装置は、変形検出部および加速度センサの両方を備える。そのため、操作入力装置は、操作者が意図して押圧を加えたかどうかを検知することが出来る。前述したように変形検出部は、バンド部の意図しない揺れによって誤作動を引き起こす可能性があるためである。バンド部の意図しない揺れは例えば、操作者が腕時計を装着して歩行した時の腕の振れ、操作者が、腕時計が入ったカバンを持って歩行する時の振動などである。
【0189】
詳述すると、表示オン状態と表示オフ状態の切り替えモードで起動している操作入力装置において、制御部は、加速度センサの出力を監視する(S91)。
【0190】
制御部は、閾値以上の加速度センサの出力を所定時間(例えば5秒)の間に確認できないかどうか、又は加速度センサの出力が一方向の加速度を示すものであるかどうか、を判別する(S92)。S92において制御部は、操作者が運動しているか否かを検知している。この分岐は、加速度センサからの出力が確認できない状態での押圧、又は一方向に加速度がかかっている状態での押圧は、操作者が立ち止まって意図的に押圧センサを押す場面であることを想定している。
【0191】
加速度センサの出力を所定時間の間に確認できるとき、(もしくは一定の閾値以上の加速度を示すものであるとき、)且つ加速度センサの出力が一方向の加速度を示すものでないとき、制御部は、S91に戻り処理を継続する。この流れは、バンド部の意図しない揺れによって、変形検出部から検出信号が入力された場面を想定している。そのため、操作入力装置は、バンド部の意図しない揺れによって誤作動を引き起こすことを防止できる。
【0192】
一方、加速度センサの出力を所定時間の間に確認できないとき、又は加速度センサの出力が一方向の加速度を示すものであるとき、制御部は、変形検出部をオンする(S93)。このように、操作入力装置は、制御部が加速度センサの出力を判別した後に変形検出部をオンすることによって、変形検出部を常時動作させておく必要が無い。そのため、操作入力装置は、消費電力を軽減することが出来る。
【0193】
そして、制御部は、変形検出部の出力を確認する(S94)。
【0194】
変形検出部からの検出信号が制御部(基板部)に入力されていないとき、制御部は、S91に戻り処理を継続する。
【0195】
一方、変形検出部からの検出信号が制御部に入力されたとき、制御部は、現在の状態が表示中の状態で無い場合には、表示部をオンする(S95)。この処理は、外装部に所定の外力が働いてバンド部および変形検出部に変形が生じた場面を想定している。
【0196】
ここで、
図21、
図22のモードは、基本的に操作者が立ち止まった状態の時だけ操作したい場面を想定している。そのため、操作者は例えば、腕時計を装着している腕を振りながら操作したい場合、これらのモードをオフにすれば良いし、多少の腕の振りであれば操作することが出来るように閾値を設定しても良い。
【0197】
なお、前記実施形態では情報端末は、加速度センサを備えているが、これに限るものではない。実施の際、情報端末は加速度センサ以外のセンサを備えてもよい。このセンサは例えば、角速度センサ、静電容量センサ、温度センサ、超音波センサ、光センサ、CO
2センサである。光センサは例えば、可視光や赤外線によって検査を行う。
【0198】
角速度センサの使い方は、基本的には加速度センサの使い方と同じである。しかし、角速度センサは、回転を検知することが出来るため、情報端末は、操作者が腕をまわして表示画面を見る動きを角速度センサで検知した時点で変形検出部3をONにしても良い。
【0199】
また、情報端末は、指が触れたことを静電センサで検知した時点で変形検出部3をONにしても良い。逆に、情報端末は、変形検出部3への押圧を検知した時点で静電センサをONにして指が押しているのか、第1のベルト部13や第2のベルト部14に想定していない負荷がかかって押されたような変形をしているのかを検知してもよい。
【0200】
また、情報端末は、指が触れた時の指の温度を温度センサで検知した時点で変形検出部3をONにしても良いし、逆に変形検出部3への押圧を検知した時点で温度センサをONにして指が押しているのかを検知してもよい。この場合、指以外のもの(温度が無いもの)が押圧を加えても反応しないため誤検知を軽減出来るメリットがある。
【0201】
また、情報端末は、1つの加速度センサを備えているが、これに限るものではない。実施の際、情報端末は、センサを複数備えて誤検知をより軽減してもよい。
【0202】
以上の各実施形態および各実施例で示したように、本発明の操作入力装置は実施することができる。なお、本発明の操作入力装置は、上述した実施形態および実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成の範囲内であれば適宜の構成や制御を採用することができる。例えば、本発明の操作入力装置は、少なくとも変形検出部を有していればよく、変形検出部の他にボタン式スイッチやタッチセンサ、タッチパネル等を追加して構成してもよい。また、上述の各実施例に示す制御は、変形検出部の検出信号と、ボタン式スイッチやタッチセンサ、タッチパネル等の検出信号とを組み合わせることで実現してもよい。