特許第6249157号(P6249157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249157
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】液体噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20171211BHJP
   B41J 2/17 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   B41J2/01 125
   B41J2/01 305
   B41J2/17 103
   B41J2/17 201
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-213971(P2013-213971)
(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公開番号】特開2015-74216(P2015-74216A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 恒之
【審査官】 村石 桂一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−320856(JP,A)
【文献】 特開2003−145737(JP,A)
【文献】 特開2013−163336(JP,A)
【文献】 特開2011−016301(JP,A)
【文献】 特開2010−184450(JP,A)
【文献】 特開2007−001078(JP,A)
【文献】 特開2006−175644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と前記第1の面の裏側の第2の面を有する被記録媒体の前記第1の面に液体を噴射する液体噴射部と、
前記被記録媒体の第1の面に噴射された前記液体を加熱する第1加熱部と、
前記被記録媒体の第1の面と対向する位置に設けられた第1回収部と、
前記被記録媒体の第2の面と対向する位置に設けられた第2回収部と、を備え、
前記第1回収部と前記第2回収部は、前記第1加熱部による前記液体の加熱処理で生じる蒸気を集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備え
前記液体は液体成分として水と水溶性有機溶媒を含むインクであり、
前記蒸気液化部は、水の蒸気は水蒸気のまま残り、他の蒸気は液化する温度に設定可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記被記録媒体を支持する支持部材を備え、
前記支持部材の前記被記録媒体の支持面は水平面に対して10°以上60°以下の範囲で傾斜して支持されている、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の液体噴射装置において、
前記液体は液体成分として水と水溶性有機溶媒を含むインクであり、
前記蒸気液化部は、温度が40℃〜65℃の範囲に設定可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記蒸気液化部は第2加熱部を備え、該第2加熱部による加熱温度は調整可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記第1回収部と前記第2回収部は、蒸気を取り入れるための蒸気取り入れ口を有し、前記蒸気取り入れ口に前記蒸気集め部内への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部を備え、
前記蒸気液化部は前記移動力によって移動する蒸気の移動経路に位置する、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液体噴射装置において、
前記蒸気移動力発生部は前記蒸気取り入れ口に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファンであり、
前記蒸気液化部は前記蒸気の移動経路において前記蒸気取り入れ口より下流で且つ前記ファンよりも上流に位置する、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項7】
請求項5に記載の液体噴射装置において、
前記蒸気移動力発生部は前記蒸気の移動経路と異なる位置に設けられ、気流によって前記蒸気取り入れ口に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファンであり、
前記蒸気液化部は前記ファンの作る気流の方向において該ファンより下流で、且つ前記蒸気の移動経路において前記蒸気取り入れ口よりも下流に位置する、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記第2回収部は蒸気取り入れ口を有し、
前記被記録媒体を支持する支持部材を備え、
前記蒸気取り入れ口は前記支持部材に設けられた上面から下面に連通する連通孔であり、
前記被記録媒体の第2面側に発生した蒸気は前記連通孔を通って前記蒸気液化部に向かう、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記第2回収部は蒸気取り入れ口を有し、
前記被記録媒体を支持する支持部材と、
前記蒸気取り入れ口に前記蒸気集め部内への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部と、を備え、
前記蒸気取り入れ口は前記支持部材に設けられた上面から下面に連通する連通孔であり、
前記蒸気液化部は前記支持部材よりも熱伝導率の高い材料で構成され、
前記蒸気移動力発生部による前記蒸気の移動力は、前記支持部材よりも熱伝導率が高い前記蒸気液化部の方で前記蒸気が結露しやすいことで発生する、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記第1回収部は蒸気取り入れ口を有し、
前記蒸気取り入れ口は前記加熱処理で蒸発する蒸気が上昇する位置に設けられている、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項11】
請求項10に記載の液体噴射装置において、
前記第1回収部は、前記蒸気集め部内に外気を取り込み可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の液体噴射装置において、
前記第1回収部は、前記蒸気液化部が複数層に構成され、各層は液化温度が異なる、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記液体噴射部から液体が噴射される領域から発生する蒸気に対する第3回収部を備え、
前記第3回収部は、前記蒸気を集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備える、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項14】
請求項13に記載の液体噴射装置において、
前記第3回収部の蒸気集め部で集めた蒸気は前記第1回収部に送られる、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項15】
請求項13に記載の液体噴射装置において、
前記第1加熱部は、電磁波を利用して液体を乾燥する電磁波照射部を備えている、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記第1回収部と前記第2回収部の少なくとも一方は、蒸気液化後の空気中の蒸気量を測る濃度センサーを備えている、ことを特徴とする記録装置。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記第1回収部と前記第2回収部の少なくとも一方は、蒸気液化部に蒸気圧を測る気圧センサーを備えている、ことを特徴とする記録装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記液体噴射部のメンテナンスのために噴射させる液体を溜める貯留部を備え、
該貯留部は前記蒸気液化部で蒸気が液化された廃液の貯留部を兼ねる、ことを特徴とする記録装置。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記被記録媒体として布帛を使用可能であることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項20】
第1の面と前記第1の面の裏側の第2の面を有する被記録媒体の前記第1の面に液体を噴射する液体噴射部と、
前記被記録媒体の第1の面に噴射された前記液体を加熱する第1加熱部と、
前記被記録媒体の第1の面と対向する位置に設けられた第1回収部と、
前記被記録媒体の第2の面と対向する位置に設けられた第2回収部と、を備え、
前記第1回収部と前記第2回収部は、前記第1加熱部による前記液体の加熱処理で生じる蒸気を集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備え
前記液体は液体成分として水と水溶性有機溶媒を含むインクであり、
前記蒸気液化部は、温度が40℃〜65℃の範囲に設定可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項21】
第1の面と前記第1の面の裏側の第2の面を有する被記録媒体の前記第1の面に液体を噴射する液体噴射部と、
前記被記録媒体の第1の面に噴射された前記液体を加熱する第1加熱部と、
前記被記録媒体の第1の面と対向する位置に設けられた第1回収部と、
前記被記録媒体の第2の面と対向する位置に設けられた第2回収部と、を備え、
前記第1回収部と前記第2回収部は、前記第1加熱部による前記液体の加熱処理で生じる蒸気を集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備え
前記蒸気液化部は第2加熱部を備え、該第2加熱部による加熱温度は調整可能である、ことを特徴とする液体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体に液体を噴射し、該噴射された液体を加熱して乾燥すると共に発生する蒸気を液化して回収する構造の液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種液体噴射装置の一例として、以下の特許文献1から特許文献3に記載されたインクジェット記録装置が挙げられる。
特許文献1(特開平5-330033号公報)には以下の記載がある。
搬送される被記録媒体の記録面側に位置し、記録ヘッド、インク乾燥用のヒーター及び被記録媒体を覆い、前記ヒーターによる加熱で発生するインク溶媒蒸気が外部に拡散しないようにするための遮蔽部材が設けられている。前記遮蔽部材で囲われた空間内に発生する前記蒸気は熱交換器によって液体として回収され、蒸発した溶媒蒸気の周囲環境への放出を防止する。
【0003】
特許文献2(特開平11-14258号公報)には以下の記載がある。
記録ヘッドの後段に乾燥装置を備え、該乾燥装置内において記録後の被記録媒体を加熱し、発生した蒸気を外装内の上方に集め、更に放熱フィンに接触させて結露させる。蒸気が液化して生じた水滴はパンによって回収され、廃液タンクに導かれる。
【0004】
特許文献3(特開2004-1426号公報)には以下の記載がある。
インクジェット印刷装置において、インクの乾燥で発生する油と水の蒸気の混合物から油の蒸気だけを液化して分離し、水蒸気は液化せずに大気に放出するための構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−330033号公報
【特許文献2】特開平11−14258号公報
【特許文献3】特開2004−1426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1と特許文献2に記載の蒸気回収は、被記録媒体の記録面側に発生し、上昇する蒸気を集めて液化することしか意図されていない。被記録媒体の記録面と反対側となる裏面側に発生する蒸気を集め更に液化することについては、記載も示唆もない。布帛等にインクで記録する場合は、インクの加熱処理によって被記録媒体の裏側にも無視できないほどの蒸気が発生するが、そもそもこのような問題は全く考慮されていない。
【0007】
特許文献3には、水蒸気と油の蒸気を分離すること詳しく説明されているが、発生する蒸気を集める部分の構造については、具体的な説明はない。図3に示されたプラテン305と、プリントキャリッジ310及び通気路330との配置から判断すると、特許文献1及び2と同様に、被記録媒体の記録面側に発生し、上昇する蒸気を集めて液化することしか意図されていないと観るのが自然である。
ましてや、被記録媒体の記録面と反対側となる裏面側に発生する蒸気を集め更に液化することについては、記載も示唆もない。更に布帛等にインクで記録する場合は、その裏側にも無視できないほどの蒸気が発生するが、このような問題は全く考慮されていない。
【0008】
本発明の目的は、インクジェット記録装置等の液体噴射装置において、被記録媒体に噴射された液体を加熱乾燥することで発生する蒸気を、該被記録媒体の記録面側と更にその反対側である裏面側において、それぞれ集め更に液化することで、蒸気の周囲環境への放出を有効に低減できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の液体噴射装置は、第1の面と前記第1の面の裏面の第2の面を有する被記録媒体の前記第1の面に液体を噴射する液体噴射部と、前記被記録媒体の第1の面に噴射された前記液体を加熱する第1加熱部と、前記被記録媒体の第1の面と対向する位置に設けられた第1回収部と、前記被記録媒体の第2の面と対向する位置に設けられた第2回収部と、を備え、前記第1回収部と前記第2回収部は、前記第1加熱部による前記液体の加熱処理で生じる蒸気を集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備える、ことを特徴とする
【0010】
ここで、「被記録媒体の第1の面と対向する位置に設けられた第1回収部」とは、本明細書においては、前記加熱処理で生じる蒸気を集めるための蒸気取り入れ口が前記第1の面と対向する位置に設けられていればよく、当該第1回収部の構成部材の全てが前記第1の面と対向する位置に設けられていなくてもよい意味で使われている。
「被記録媒体の第2の面と対向する位置に設けられた第2回収部」とは、同様に本明細書においては、前記加熱処理で生じる蒸気を集めるための蒸気取り入れ口が前記第2の面と対向する位置に設けられていればよく、当該第2回収部の構成部材の全てが前記第2の面と対向する位置に設けられていなくてもよい意味で使われている。
【0011】
本態様によれば、前記第1加熱部よって前記加熱処理を行う部分における前記被記録媒体の第1の面と対向する位置に第1回収部、前記加熱処理を行う部分における前記被記録媒体の第2の面と対向する位置に第2回収部とがそれぞれ設けられている。そして、前記第1回収部と前記第2回収部は、前記加熱処理で生じる蒸気を蒸気取り入れ口から集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備える。
これにより、インクジェット記録装置等の液体噴射装置において、被記録媒体に噴射された液体を加熱乾燥することで発生する蒸気を、該被記録媒体の液体噴射面側と更にその反対側である裏面側において、それぞれ集めて更に液化するので、蒸気の周囲環境への放出を有効に低減することができる。
【0012】
本発明の第2の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様において、前記被記録媒体を支持する支持部材を備え、前記支持部材の前記被記録媒体の支持面は水平面に対して10°以上60°以下の範囲で傾斜して支持されている、ことを特徴とする。
【0013】
傾斜状態の被記録媒体から加熱処理によって発生する蒸気は鉛直上方への上昇気流となる。従って、加熱により前記加熱処理を行う部分の面積に対して前記上昇気流が占める領域の水平断面の面積は小さくなる。従って、前記蒸気集め部が備える前記蒸気取り入れ口のサイズを前記傾斜させない水平支持構造に対して小さくすることが可能になる。これにより小型化を図ることができる。
【0014】
本発明の第3の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様又は第2の態様において、前記液体は液体成分として水と水溶性有機溶媒を含むインクであり、前記蒸気液化部は、水の蒸気は水蒸気のまま残り、他の蒸気は液化する温度に設定可能である、ことを特徴とする。
【0015】
ここで、「水の蒸気は水蒸気のまま残り」とは、本願明細書においては、すべてが水蒸気のまま残ることまでは要せず、一部が凝縮して液化してもよい意味で使われている。また、「他の蒸気は液化する」とは、その蒸気のすべてが凝縮して液化することまでは要せず、一部が蒸気であってもよい意味で使われている。それでも、水の蒸気と他の蒸気を高分離率で分離するように該蒸気液化部の温度等の条件を設定することが好ましい。
また、「前記蒸気液化部は、水の蒸気は水蒸気のまま残り、他の蒸気は液化する温度に設定されている」における温度が設定さえている部分は、当該蒸気液化部の構成部材の内の蒸気を液化させる作用をする部分である。
【0016】
本態様によれば、噴射される前記液体が水と水溶性有機溶媒を含むインクである場合、前記蒸気液化部は水の蒸気は水蒸気のまま残し、他の蒸気は液化する。従って、液化して回収する廃液から水を除くことが出来る。インクの成分はほとんどが水であるので、水蒸気も液化して廃液に含めると廃液タンクが短時間で満杯になってしまうので該廃液タンクの容量を大型化する必要がある。しかし、本態様によれば周囲の環境を悪化しない水は水蒸気のまま環境中に放出するので、廃液の発生量を大幅に減少することができ、以て廃液タンクを小型化することができる。
【0017】
本発明の第4の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様又は第2の態様において、前記液体は液体成分として水と水溶性有機溶媒を含むインクであり、前記蒸気液化部は、温度が40℃〜65℃の範囲に設定可能である、ことを特徴とする。
【0018】
ここで、「前記蒸気液化部は、温度が40℃〜65℃の範囲に設定されている」における温度が設定さえている部分は、当該蒸気液化部の構成部材の内の蒸気を液化させる作用をする部分である。
【0019】
本態様によれば、噴射される前記液体が水と水溶性有機溶媒を含むインクである場合、前記蒸気液化部は、温度が40℃〜65℃の範囲に設定されている。この温度範囲ではインク中に分散剤として含まれる前記水溶性有機溶媒の蒸気は液化するが、水蒸気は液化せず蒸気のまま残る。従って、液化して回収する廃液から水を除くことが出来る。インクの成分はほとんどが水であるので、水蒸気も液化して廃液に含めると廃液タンクが短時間で満杯になってしまうので該廃液タンクの容量を大型化する必要がある。しかし、本態様によれば周囲の環境を悪化しない水は水蒸気のまま環境中に放出するので、周囲環境への有機溶媒の放出を抑制しつつ、廃液の発生量を大幅に減少することができ、以て廃液タンクを小型化することができる。
【0020】
本発明の第5の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様において、前記蒸気液化部は第2加熱部を備え、該第2加熱部による加熱温度は調整可能である、ことを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、前記第2加熱部による加熱温度が調整可能であるので、当該蒸気液化部は、液体の種類の違いに対応して、当該液体の蒸気を液化する為の適切な温度への変更が容易である。
或いは、前記液体が前記インクである場合に、水の蒸気は水蒸気のまま残し、水溶性有機溶媒の蒸気を液化するために適切な温度への変更が容易である。
【0022】
本発明の第6の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの態様において、前記第1回収部と前記第2回収部は、蒸気を取り入れるための蒸気取り入れ口を有し、前記蒸気取り入れ口に前記蒸気集め部内への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部を備え、前記蒸気液化部は前記移動力によって移動する蒸気の移動経路に位置する、ことを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、蒸気移動力発生部によって前記蒸気集め部の蒸気取り入れ口に当該蒸気集め部内への蒸気の移動力が発生するので、前記加熱処理で発生した蒸気は前記蒸気取り入れ口に誘導され、該蒸気集め部内に容易に集めることができる。
また、前記蒸気液化部は前記移動力によって移動する蒸気の移動経路に位置するので、集めた蒸気を効率良く液化することができる。
【0024】
本発明の第7の態様の液体噴射装置は、前記第6の態様において、前記蒸気移動力発生部は前記蒸気取り入れ口に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファンであり、前記蒸気液化部は前記蒸気の移動経路において前記入り口より下流で且つ前記ファンよりも上流に位置する、ことを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、第6の態様の作用効果に加えて、前記蒸気液化部は前記蒸気の移動経路において前記蒸気取り入れ口より下流で且つ前記ファンよりも上流に位置するので、該ファンの部分で蒸気が結露する虞が低減できる。
【0026】
本発明の第8の態様の液体噴射装置は、前記第6の態様において、前記蒸気移動力発生部は前記蒸気の移動経路と異なる位置に設けられ、気流によって前記蒸気取り入れ口に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファンであり、前記蒸気液化部は前記ファンの作る気流の方向において該ファンより下流で、且つ前記蒸気の移動経路において前記蒸気取り入れ口よりも下流に位置する、ことを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、第6の態様の作用効果に加えて、前記蒸気移動力発生部を成すファンを前記蒸気の移動経路と異なる位置に設ける構造によっても、前記蒸気取り入れ口に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作ることができる。そして、この構造によっても、該ファンの部分で蒸気が結露する虞が低減できる。
【0028】
本発明の第9の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第8の態様のいずれか一つの態様において、前記被記録媒体を支持する支持部材を備え、前記蒸気取り入れ口は前記支持部材に設けられた上面から下面に連通する連通孔であり、前記被記録媒体の第2面側に発生した蒸気は前記連通孔を通って前記蒸気液化部に向かう、ことを特徴とする。
【0029】
本態様によれば、第2回収部は被記録媒体の下側に位置する。そして、該第2回収部は、被記録媒体を支持部材によって下側から支持した状態で、該被記録媒体の液体噴射面側と反対側である裏面側に発生する蒸気を、その連通孔を前記蒸気取り入れ口として蒸気集め部内に集めることができる。
【0030】
本発明の第10の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第5の態様のいずれか一つの態様において、前記被記録媒体を支持する支持部材と、前記蒸気取り入れ口に前記蒸気集め部内への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部と、を備え、前記蒸気取り入れ口は前記支持部材に設けられた上面から下面に連通する連通孔であり、前記蒸気液化部は前記支持部材よりも熱伝導率の高い材料で構成され、前記蒸気移動力発生部による前記蒸気の移動力は、前記支持部材よりも熱伝導率が高い前記蒸気液化部の方で前記蒸気が結露しやすいことで発生する、ことを特徴とする。
【0031】
本態様によれば、当該蒸気移動力発生部を第7の態様や第8の態様のようにファンを用いずに、支持部材の熱伝導率と蒸気液化部の熱伝導率の差によって、前記蒸気取り入れ口に蒸気の移動力を発生することができる。この構造によっても第9の態様と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
本発明の第11の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第10の態様のいずれか一つの態様において、前記第1回収部の前記蒸気取り入れ口は前記加熱処理で蒸発する蒸気が上昇する位置に設けられている、ことを特徴とする。
【0033】
本態様によれば、第1回収部は被記録媒体の上側に位置する。そして、第1回収部は、被記録媒体の液体噴射面側に発生する蒸気を、該蒸気が上昇する位置に設けられた蒸気取り入れ口から効果的に前記蒸気集め部内に集めることができる。
【0034】
本発明の第12の態様の液体噴射装置は、前記第11の態様において、前記第1回収部は、前記蒸気集め部内に外気を取り込み可能である、ことを特徴とする。
【0035】
本態様によれば、前記第1回収部は、前記蒸気集め部内に外気を取り込み可能であるので、該外気の取り込み量の調整によって前記蒸気液化部の温度調整を簡単に行うことができる。
【0036】
本発明の第13の態様の液体噴射装置は、前記第11の態様又は第12の態様において、前記第1回収部は、前記蒸気液化部が複数層に構成され、各層は液化温度が異なる、ことを特徴とする。
【0037】
本態様によれば、前記第1回収部は、前記蒸気液化部が複数層に構成され、各層は液化温度が異なるので、当該複数層構造によって蒸気の液化効率を向上することができる。
【0038】
本発明の第14の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第13の態様のいずれか一つの態様において、前記液体噴射部から液体が噴射される領域から発生する蒸気に対する第3回収部を備え、前記第3回収部は、前記蒸気を集める蒸気集め部と、該集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備える、ことを特徴とする。
【0039】
本態様によれば、第3回収部が前記液体噴射部から液体が噴射される領域から発生する蒸気を集めて更に液化するので、蒸気の周囲環境への放出を一層有効に低減することができる。
【0040】
本発明の第15の態様の液体噴射装置は、前記第14の態様において、前記第3回収部の蒸気集め部で集めた蒸気は前記第1回収部に送られる、ことを特徴とする。
【0041】
本態様によれば、第1回収部の蒸気液化部に第3回収部の蒸気液化部の役割を兼ねさせることができるので、第3回収部専用の蒸気液化部を設ける必要がなく、以て部品点数の削減および小型化を実現することができる。
【0042】
本発明の第16の態様の液体噴射装置は、前記第14の態様において、前記第1加熱部は、電磁波を利用して液体を乾燥する電磁波照射部を備えている、ことを特徴とする。
【0043】
本態様によれば、赤外線等の電磁波を利用して被記録媒体に噴射された液体を乾燥するので、加熱処理を行う部分の構造が複雑化しない。
【0044】
本発明の第17の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第16の態様のいずれか一つの態様において、前記第1回収部と前記第2回収部の少なくとも一方は、蒸気液化後の空気中の蒸気量を測る濃度センサーを備えている、ことを特徴とする。
【0045】
本態様によれば、前記濃度センサーの測定結果を利用して前記蒸気液化部の温度を設定することにより、蒸気或いは有機溶媒が空気中に存在でききにくい状態を担保することが出来る。
【0046】
本発明の第18の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第16の態様のいずれか一つの態様において、前記第1回収部と前記第2回収部の少なくとも一方に、蒸気液化部に蒸気圧を測る気圧センサーを備えている、ことを特徴とする。
【0047】
本態様によれば、前記気圧センサーの測定結果を利用して当該蒸気液化部の温度を設定することにより、蒸気或いは有機溶媒が空気中に存在できない状態を容易に実現することが出来る。
【0048】
本発明の第19の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第18の態様のいずれか一つの態様において、前記液体噴射部のメンテナンスのために噴射させる液体を溜める貯留部を備え、該貯留部は前記蒸気液化部で蒸気が液化された廃液の貯留部を兼ねる、ことを特徴とする。
【0049】
本態様によれば、前記液体噴射部のメンテナンスのために噴射させる液体を溜める貯留部が、前記蒸気液化部で蒸気が液化された廃液の貯留部を兼ねるので、部品点数の削減および小型化を実現することができる。
【0050】
本発明の第20の態様の液体噴射装置は、前記第1の態様から第19の態様のいずれか一つの態様において、前記被記録媒体として布帛を使用可能であることを特徴とする。
ここで、「布帛」とは、綿、麻、絹、ポリエステル又はこれらを混合したもの等を原糸とする布や織物等の繊維製品を意味し、例えば、ブラウス、ワイシャツ、作業着などの衣料品の材料として用いられるブロード、シーチング等の繊維製品が挙げられる。
【0051】
本態様によれば、前記被記録媒体として布帛を使用可能である。このような被記録媒体は該被記録媒体の液体噴射面とは反対側に前記蒸気が通り抜けやすい。本発明は、このような被記録媒体を使用可能な液体噴射装置において特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一部を表す概略側断面図。
図2】本発明の実施形態1に係る液体噴射装置における被記録媒体の支持部材を表す概略斜視図。
図3】インクの成分である水、2−ピロリドン(2P)、ジプロピレングリコールの温度と蒸気圧の関係を示す図。
図4】本発明の実施形態2に係る液体噴射装置を表す概略側断面図。
図5】本発明の実施形態3に係る液体噴射装置における蒸気移動力発生部を表す概略平面図。
図6】本発明の実施形態3に係る液体噴射装置における蒸気移動力発生部を表す概略側断面図。
図7】本発明の実施形態4に係る液体噴射装置を表す概略側断面図。
図8】本発明の実施形態4に係る液体噴射装置における第2回収部の一部を表す概略斜視図。
図9】本発明の実施形態5に係る液体噴射装置における第1回収部を表す概略側断面図。
図10】本発明の実施形態6に係る液体噴射装置における第1回収部を表す概略側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0053】
[実施形態1](図1図3
以下に、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置について、図1から図3を参照して詳細に説明する。ここでは、液体噴射装置がインクジェット記録装置である場合を説明するが、これに限定されないことは勿論である。
【0054】
本実施形態1のインクジェット記録装置は、搬送される被記録媒体である被記録媒体Pに液体であるインクを噴射する液体噴射部である記録ヘッド1を備える記録実行部2と、搬送される被記録媒体Pに噴射すなわち吐出されたインクを加熱する第1加熱部3と、第1加熱部3よって前記インクに対して加熱処理を行う部分4における被記録媒体Pの第1の面5と対向する位置に設けられた第1回収部6と、加熱処理を行う部分4における被記録媒体Pの第2の面7と対向する位置に設けられた第2回収部8とを備えている。そして、第1回収部6と第2回収部8は、前記加熱処理で生じる蒸気を蒸気取り入れ口9(6)、9(8)から集める蒸気集め部10(6)、10(8)と、集めた蒸気を液化する蒸気液化部11(6)、11(8)とを備えている。
本実施形態では、第1の面5がインクが吐出される面である記録面5(「第1の面」と同じ符号5を用いる)であり、第2の面7が記録面5と反対側の裏面7(「第2の面」と同じ符号7を用いる)であるとして以下説明する。
【0055】
第1の回収部6は、第2回収部8より上に位置している。即ち、第1回収部6は、被記録媒体Pの記録面5と対向する位置に設けられている。また、蒸気取り入れ口9(6)は加熱処理で蒸発する蒸気が上昇する位置に設けられている。
ここで、「蒸発する蒸気が上昇する位置に設けられている」とは、加熱処理を行う部分4の真上の位置に限定されず、多少ずれていても上昇してくる蒸気を吸い込める位置であればよい意味で使われている。
また、第1回収部6は、蒸気取り入れ口9(6)に蒸気集め部10(6)の内側への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部13(6)を備え、蒸気液化部11(6)は移動力によって移動する蒸気の移動経路F(6)に位置する。
本実施形態では、蒸気移動力発生部13(6)は、蒸気取り入れ口9(6)に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファン113(6)であり、蒸気液化部11(6)は蒸気の移動経路F(6)において蒸気取り入れ口9(6)より下流で且つファン113(6)よりも上流に位置する。
【0056】
第2の回収部8は、第1回収部6より下に位置している。即ち、第2の回収部8は、被記録媒体Pの記録面5と反対側の裏面7と対向する位置に設けられている。
そして、第2回収部8は、前記搬送される被記録媒体Pを下から支持する支持部材14を備え、蒸気取り入れ口9(8)は支持部材14に設けられた上面から下面に連通する連通孔15であり、被記録媒体Pの裏面7側に発生した蒸気は連通孔15を通って蒸気液化部11(8)に向かうよう構成されている。
また、第2回収部8は、蒸気取り入れ口9(8)に蒸気集め部10(8)の内側への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部13(8)を備え、蒸気液化部11(8)は前記移動力によって移動する蒸気の移動経路F(8)に位置する。
本実施形態では、蒸気移動力発生部13(8)は、蒸気取り入れ口9(8)に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファン113(8)であり、蒸気液化部11(8)は蒸気の移動経路F(8)において蒸気取り入れ口9(8)より下流で且つファン113(6)よりも上流に位置する。
【0057】
第1回収部6の蒸気集め部10(6)は、気流の蒸気取り入れ口9(6)と出口16(6)を有する筒状体17で構成され、筒状体17の内部が蒸気の移動経路F(6)になっている。筒状体17の内面の一部に蒸気液化部11(6)が設けられている。蒸気液化部11(6)で液化した液体は、桶部18(6)に集まり、更に廃液貯留部19(6)に図示を省いた流路を通って流下する。
蒸気液化部11(6)は、本実施形態ではステンレス製或いはアルミニウム製等の板材で構成され、更に蒸気液化部11(6)の温度を調整可能にする第2加熱部20(6)を備えている。勿論、第2加熱部20(6)を備えず、使用する材料の特性(熱伝導率等)によって蒸気の液化が行われる構造であってもよい。その場合はアルミニウム材料を用いると作りやすい。
【0058】
第2回収部の蒸気集め部10(8)は、支持部材14に設けられた連通孔15より成る蒸気取り入れ口9(8)と、更にファン113(8)の手前の位置に設けられた出口16(8)を有する箱状体21で構成され、箱状体21の内部が蒸気の移動経路F(8)になっている。箱状体21の側面に蒸気液化部11(8)が設けられている。蒸気液化部11(8)で液化した液体は、桶部18(8)に集まり、更に廃液貯留部19(8)に流路22を通って流下する。
蒸気液化部11(8)は、本実施形態ではステンレス製或いはアルミニウム製等の板材で構成され、更に蒸気液化部11(8)の温度を調整可能にする第2加熱部20(8)を備えている。勿論、第2加熱部20(8)を備えず、使用する材料の特性(熱伝導率等)によって蒸気の液化が行われる構造であってもよい。その場合はアルミニウム材料を用いると作りやすい。
【0059】
第1加熱部3は、被記録媒体Pを加熱可能なものであれば全て適用できるが、本実施形態では、電磁波を利用して液体を乾燥する電磁波照射部12を備えるもので構成されている。電磁波としては、赤外線を用いることが望ましく、その波長は0.76〜1000μmである。一般的に、赤外線は波長によってさらに、近赤外線、中赤外線、遠赤外線に区分され、区分の定義は様々であるが、おおよそ波長域は、0.78〜2.5μm、2.5〜4.0μm、4.0〜1000μmとなる。
電磁波照射部7による電磁波照射により被記録媒体Pの加熱処理を行う部分4が100℃〜120℃程度に加熱されて、被記録媒体Pに吐出された前記インクに加熱処理がなされる。
【0060】
本実施形態に係るインクジェット記録装置は、被記録媒体Pとして通気性があり蒸気が通り抜ける材質のものに適用可能であり、例えば、用紙の他に布帛にも記録可能である。
ここで、「布帛」とは、綿、麻、絹、又はこれらを混合したもの等を原糸とする布や織物等の繊維製品を意味し、例えば、ブラウス、ワイシャツ、作業着などの衣料品の材料として用いられるブロード、シーチング等の繊維製品が挙げられる。また、化学繊維のレーヨン、キュプラ、ポリノジック、アセテート、トリアセテート、プロミックス、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンであってもよい。コート紙等の表面コーティングがなされたもの、裏面剥離フィルム、レーヨン、合成紙等も使用可能である。
被記録媒体Pが布帛である場合、被記録媒体Pの記録面5とは反対の裏面7側に蒸気が通り抜けやすい。そのため、裏面7側にも蒸気が発生する。被記録媒体Pが用紙である場合は、裏面7側における蒸気の発生は少ないが、用紙の種類(繊維密度が低い場合等)によっては裏面7側にも蒸気が発生する。
本実施形態では、上記構成の第2回収部により被記録媒体Pの裏面7側に発生する蒸気も回収するようになっている。
【0061】
本実施形態では、図1に示したように、被記録媒体Pの第1の面5と対向する位置に第1回収部6の構成部材の全部が設けられている構造を説明したが、この構造に限定されない。本願発明としては、加熱処理で生じる蒸気を集めるための蒸気取り入れ口9(6)が第1の面5と対向する位置に設けられていればよく、第1回収部6の構成部材の全てが第1の面5と対向する位置に設けられていなくてもよい。
同様に、被記録媒体Pの第2の面7と対向する位置に第2回収部8の構成部材の全部が設けられている構造を説明したが、この構造に限定されない。本願発明としては、加熱処理で生じる蒸気を集めるための蒸気取り入れ口9(8)が第2の面7と対向する位置に設けられていればよく、第2回収部8の構成部材の全てが第2の面7と対向する位置に設けられていなくてもよい。
【0062】
連通孔15の形状等に特に限定はなく、円形、多角形、その他蒸気を通過できる構造であれば全てよい。
図2に示したように、連通孔15の好ましい構成例として、少なくとも一部が直径0.3mm以下の線状部材を格子状に並べて構成されている四角形が挙げられる。蒸気の結露という観点からは、結露するには一定の面積の領域が必要になるが、少なくとも一部が直径0.3mm以下の線状部材を用いて連通孔15を構成することにより、連通孔15以外の面積を小さくすることができる。これにより、支持部材14における被記録媒体Pとの接触部分で蒸気が結露することを高い精度で抑制できる。
また、支持部材14に対する連通孔15の開口率は、40%以上であることが好ましい。蒸気を連通孔15を介して移動させやすいからである。
【0063】
本実施形態で記録ヘッド2から吐出される液体は、液体成分として水と水溶性有機溶媒を含むインクである。勿論この種のインクには限定されない。
そして、蒸気液化部11(6)、11(8)は、水の蒸気は水蒸気のまま残り、他の蒸気は液化する温度に設定される。本実施形態では、図3に示した、インクの成分である水、2−ピロリドン(2P)、ジプロピレングリコールの温度と蒸気圧の関係に基づいて、蒸気液化部11(6)、11(8)の温度が40℃〜65℃の範囲に設定されている。即ち蒸気中から水溶性有機溶媒を液化した分離し、水は水蒸気のまま環境に放出するように温度設定されている。尚、前記温度が40℃〜65℃の範囲に設定されている部分は、蒸気液化部11(6)、11(8)の構成部材の内の蒸気を液化させる作用をする部分である。
尚、水の蒸気も他の蒸気もいずれも液化するように上記より低い温度に設定されていてもよい。
【0064】
次に実施形態1の作用を説明する。
本実施形態においては、第1加熱部3よって加熱処理を行う部分4における被記録媒体Pの第1の面5と対向する位置に第1回収部6、加熱処理を行う部分4における被記録媒体Pの第2の面7と対向する位置に第2回収部8とがそれぞれ設けられている。そして、第1回収部6と第2回収部8は、加熱処理で生じる蒸気を蒸気取り入れ口9(6)、9(8)から集める蒸気集め部10(6)、10(8)と、集めた蒸気を液化する蒸気液化部11(6)、11(8)とを備える。
これにより、インクジェット記録装置等の液体噴射装置において、被記録媒体Pに吐出されたインクを加熱乾燥することで発生する蒸気を、被記録媒体Pの記録面5側と更にその反対側である裏面7側において、それぞれ集めて更に液化するので、蒸気の周囲環境への放出を有効に低減することができる。
【0065】
また、本実施形態においては、吐出される前記液体が水と水溶性有機溶媒を含むインクであり、蒸気液化部11(6)、11(8)は水の蒸気は水蒸気のまま残し、他の蒸気は液化する。従って、液化して回収する廃液から水を除くことが出来る。インクの成分はほとんどが水であるので、水蒸気も液化して廃液に含めると廃液タンクが短時間で満杯になってしまうので廃液貯留部19(6)、19(8)の容量を大型化する必要がある。
しかし、本実施形態によれば周囲の環境を悪化しない水は水蒸気のまま環境中に放出するので、有機溶媒の放出を抑制しつつ、廃液の発生量を大幅に減少することができ、以て廃液貯留部19(6)、19(8)を小型化することができる。
【0066】
また、本実施形態においては、蒸気液化部11(6)、11(8)は、温度が40℃〜65℃の範囲に設定されている。この温度範囲ではインク中に分散剤として含まれる水溶性有機溶媒の蒸気は液化するが、水蒸気は液化せず蒸気のまま残る。従って、液化して回収する廃液から水を除くことが出来る。本実施形態によれば周囲の環境を悪化しない水は水蒸気のまま環境中に放出するので、廃液の発生量を大幅に減少することができ、以て廃液貯留部を小型化することができる。
【0067】
また、本実施形態においては、第2加熱部20(6)、20(8)による加熱温度が調整可能であるので、蒸気液化部11(6)、11(8)は、液体の種類の違いに対応して、当該液体の蒸気を液化する為の適切な温度への変更が容易である。
即ち、前記液体が水と有機溶媒を含むインクである場合に、水の蒸気は水蒸気のまま残し、水溶性有機溶媒の蒸気を液化するために適切な温度への変更が容易である。或いは、水の蒸気も水溶性有機溶媒の蒸気もいずれも液化する場合にも、その適切な温度への変更が容易である。
【0068】
また、本実施形態においては、蒸気移動力発生部13(6)、13(8)によって蒸気集め部10(6)、10(8)の蒸気取り入れ口9(6)、9(8)に蒸気集め部10(6)、10(8)の内側への蒸気の移動力が発生するので、前記加熱処理で発生した蒸気は蒸気取り入れ口9(6)、9(8)に誘導され、蒸気集め部10(6)、10(8)内に容易に集めることができる。
また、蒸気液化部11(6)、11(8)は前記移動力によって移動する蒸気の移動経路F(6)、F(8)に位置するので、集めた蒸気を効率良く液化することができる。
【0069】
また、本実施形態においては、蒸気移動力発生部13(6)、13(8)は蒸気取り入れ口9(6)、9(8)に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファン113(6)、113(8)であり、蒸気液化部11(6)、11(8)は蒸気の移動経路F(6)、F(8)において蒸気取り入れ口9(6)、9(8)より下流で且つファン113(6)、113(8)よりも上流に位置する。従って、ファン113(6)、113(8)の部分で蒸気が結露する虞が低減できる。
【0070】
また、本実施形態においては、第2回収部8は被記録媒体Pの裏面7側に位置する。そして、第2回収部8は、被記録媒体Pを支持部材14によって下側から支持した状態で、被記録媒体Pの記録面5と反対側である裏面7側に発生する蒸気を、その連通孔15を蒸気取り入れ口9(8)として蒸気集め部10(8)内に集めることができる。
【0071】
また、本実施形態においては、第1回収部6は被記録媒体Pの記録面5側に位置する。そして、第1回収部6は、被記録媒体Pの記録面5側に発生する蒸気を、該蒸気が上昇する位置に設けられた蒸気取り入れ口9(6)から効果的に蒸気集め部10(6)内に集めることができる。
【0072】
また、本実施形態においては、第1加熱部3は、電磁波を利用して液体を乾燥する電磁波照射部12を備えている。
従って、赤外線等の電磁波を利用して被記録媒体Pに噴射されたインクを乾燥するので、加熱処理を行う部分の構造が複雑化しない。
【0073】
また、本実施形態においては、被記録媒体Pとして布帛を使用可能である。この布帛は記録面5とは反対側に蒸気が通り抜けやすい。本発明は、このような被記録媒体Pを使用可能な液体噴射装置において特に有効である。
【0074】
[実施形態2](図4
以下に、本発明の実施形態2に係るインクジェット記録装置について図4を参照して説明する。
本実施形態2に係るインクジェット記録装置は、第1加熱部3よってインクに対して加熱処理を行う部分4における被記録媒体Pは、当該インクジェット記録装置の図示を省く設置面(通常は水平な床面)に対して10°以上60°以下の範囲で傾斜して支持されている。
【0075】
本実施形態2において、第1回収部6と第2回収部8は、実施形態1のものと基本的に同じ構造である。第2回収部8の支持部材14が前記傾斜構造である点、及び該傾斜構造に整合させる設計変更の点を除けば、実施形態1の構造と同じであるので、同じ構成部分に同一符号を付してその説明は省略する。
【0076】
傾斜状態の被記録媒体Pから加熱処理によって発生する蒸気は鉛直上方への上昇気流となる。従って、加熱により加熱処理を行う部分4の面積に対して前記上昇気流が占める領域の水平断面の面積は小さくなる。従って、第1回収部6が備える蒸気取り入れ口9(6)のサイズを前記傾斜させない水平支持構造に対して小さくすることが可能になる。これにより小型化を図ることができる。
【0077】
本実施形態2においては、更に、記録ヘッド1からインクが吐出される領域24から発生する蒸気に対する第3回収部23を備え、第3回収部23は、蒸気を集める蒸気集め部10(23)と、集めた蒸気を液化する蒸気液化部とを備える。
【0078】
記録ヘッド1は、被記録媒体Pの搬送方向Aと交差する走査方向Bに往復移動して記録するシリアル式のものであるが、インクを吐出するノズルを搬送方向Aと交差する方向に複数設けた所謂ラインヘッドでもよい。
ここで、「ラインヘッド」とは、被記録媒体Pの搬送方向Aと交差する方向に形成されたノズルの領域が、被記録媒体Pの前記交差方向の全体をカバー可能なように設けられる。記録ヘッド又は被記録媒体の一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いる。なお、ラインヘッドの前記交差方向のノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体Pの前記交差方向の全体をカバー可能でなくてもよい。また、記録ヘッド又は被記録媒体の一方を固定せずに双方を移動可能としてもよい。
【0079】
蒸気集め部10(23)は、本実施形態では、記録ヘッド1からインクが吐出される領域24、記録ヘッド1、更に領域24を加熱する第3加熱部25を囲う囲い体26で構成されている。尚、囲い体26は、内部を完全に密封する構造ではない。例えば被記録媒体Pを通過させるための開口(蒸気取り入れ口と出口)を備える。即ち、領域24から発生した蒸気を外部が外部にほとんど漏らさずに集めることが出来るという意味においての囲い構造である。
第3加熱部25は、領域24において被記録媒体Pに吐出されたインクの揮発成分の一部を蒸発させるため、領域24を50℃〜60℃程度に加熱可能な赤外線等の電磁波を照射する電磁波照射式のヒーターで構成されている。
【0080】
更に、本実施形態2においては、第3回収部23の蒸気集め部10(23)で集めた蒸気は第1回収部6に送られる構造である。即ち、第1回収部6の蒸気液化部11(6)に第3回収部23の蒸気液化部の役割を兼ねさせる構造である。
これにより、第3回収部23専用の蒸気液化部を設ける必要がなく、以て部品点数の削減および小型化を実現することができる。
尚、第3回収部23専用の蒸気液化部を設ける構造であってもよい。
図4において、符号F(23)は、記録ヘッド1からインクが吐出される領域24から発生した蒸気の移動経路を示す。この蒸気の移動経路F(23)における蒸気の移動力は、第1の回収部6のファン113(6)の吸引力に基づく。
【0081】
本実施形態2においては、第3回収部23が記録ヘッド1からインクが吐出される領域24から発生する蒸気を集めて更に液化するので、蒸気の周囲環境への放出を一層有効に低減することができる。
【0082】
本実施形態2のインクジェット記録装置は、記録を行うための被記録媒体Pを送り出すことが可能にロールR1をセットするセット部27を備えている。なお、本実施形態の記録装置は被記録媒体Pとしてロール式の被記録媒体を使用しているが、このようなロール式の被記録媒体を使用する記録装置に限定されない。例えば、単票式の被記録媒体を用いてもよい。
本実施形態の記録装置は、被記録媒体Pを搬送方向Aに搬送する際、セット部27は回転方向Cに回転する。
【0083】
また、本実施形態2の記録装置は、ロール式の被記録媒体Pを搬送方向Aに搬送するための図示しない複数の搬送ローラーを備える搬送機構を備えている。セット部27が回転方向Cに回転し、搬送機構15の不図示の複数の搬送ローラーが回転し、巻取部28が回転方向Cに回転することにより被記録媒体Pは搬送方向Aに搬送される。この搬送される際の被記録媒体Pの移動経路が被記録媒体Pの搬送経路である。図4において、符号29は搬送される被記録媒体Pの張力調整部である。
【0084】
[実施形態3](図5図6
以下に、本発明の実施形態3に係るインクジェット記録装置について図5及び図6を参照して説明する。
本実施形態3のインクジェット記録装置は第2回収部8が以下のように構成されている。即ち、蒸気移動力発生部13(8)は蒸気の移動経路F(8)と異なる位置に、即ち移動経路F(8)の上流の外側に設けられ、気流Eによって蒸気取り入れ口9(8)に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作るファン113(8)であり、蒸気液化部11(8)はファン113(8)の作る気流Eの方向においてファン113(8)より下流で、且つ蒸気の移動経路F(8)において蒸気取り入れ口9(8)よりも下流に位置する。
【0085】
実施形態1及び実施形態2の第2回収部8は、蒸気移動力発生部13(8)としてのファン113(8)が移動経路F(8)において下流側に位置し、その吸引力を直接利用する構造である。
一方、本実施形態の第2回収部8は、ファン113(8)により、搬送方向Aと交差し、支持部材14の面に対して略平行な方向に気流Eを発生させる。そして、この方向の気流Eにより、支持部材14の被記録媒体Pを支持する側から連通孔15を介して支持部材14の被記録媒体Pを支持する側とは反対側に向かう方向に蒸気の流れを発生させる構成である。尚、気流Eが連通孔15を逆流して被記録媒体Pを支持する側に流れないようにするために逆流防止構造、例えば連通孔15の向きを逆流しにくい方向に傾斜させること等の工夫を加えることが望ましい。
【0086】
前記蒸気は、気流Eにより支持部材14の被記録媒体Pを支持する側から連通孔15を介して支持部材14の被記録媒体Pを支持する側とは反対側に向かった後、蒸気移動経路F(8)を流れて蒸気液化部11(8)と接触し、液化する。そして液化した液体は、蒸気液化部11(8)の表面を伝って流れることにより、廃液貯留部30に流下する。
なお、本実施形態では、蒸気液化部11(8)で液化しきれない蒸気をトラップするフィルター29を備えている。ただし、このような構成に限定されない。
【0087】
本実施形態3においては、蒸気移動力発生部13(8)を成すファン113(8)を蒸気の移動経路F(8)と異なる位置に設ける構造によっても、蒸気取り入れ口9(8)に吸引力を発生して蒸気の移動状態を作ることができる。そして、この構造によっても、ファン113(8)の部分で蒸気が結露する虞が低減できる。
【0088】
[実施形態4](図7図8
以下に、本発明の実施形態4に係るインクジェット記録装置について図7及び図8を参照して説明する。
本実施形態4のインクジェット記録装置は第2回収部8が以下のように構成されている。
即ち、本実施形態4の第2回収部8は、第1回収部6より下に位置し、前記搬送される被記録媒体Pを下から支持する支持部材14と、蒸気取り入れ口9(8)に蒸気集め部10(8)の内側への蒸気の移動力を発生する蒸気移動力発生部13(8)とを備える。
そして、蒸気取り入れ口9(8)は、支持部材14に設けられた上面から下面に連通する連通孔15であり、蒸気液化部11(8)は支持部材14よりも熱伝導率の高い材料31で構成され、蒸気移動力発生部13(8)による前記蒸気の移動力は、支持部材14よりも熱伝導率が高い蒸気液化部11(8)の方で前記蒸気が結露しやすいことで発生する構成である。
【0089】
本実施形態4では、支持部材14と蒸気液化部11(8)は間隔L1をあけて配置されている。この間隔L1は2mm以上20mm以下が好ましい。また、蒸気液化部11(8)はアルミニウム材で形成され、支持部材14はステンレス材で形成されている。勿論この組み合わせに限定されない。
【0090】
本実施形態4においては、蒸気移動力発生部13(8)を前記実施形態のようにファンを用いずに、支持部材14の熱伝導率と蒸気液化部11(8)の熱伝導率の差によって、蒸気取り入れ口9(8)に蒸気の移動力を発生することができる。この構造によっても前記実施形態と同様に蒸気を回収することができる。
【0091】
[実施形態5](図9
以下に、本発明の実施形態5に係るインクジェット記録装置について図9を参照して説明する。
本実施形態5のインクジェット記録装置は第1回収部6が以下のように構成されている。
本実施形態5の第1回収部6は、蒸気集め部10(6)内に外気32を取り込み可能な通気孔33が蒸気集め部10(6)に設けられている。更に蒸気液化部11(6)にフィン34が設けられ、蒸気との接触面積の拡大が図られている。図9で符号37は補助ファンである。
これにより、第1回収部6は、蒸気集め部10(6)内に外気を取り込み可能であるので、外気の取り込み量の調整によって蒸気液化部11(6)の温度調整を簡単に行うことができる。
【0092】
また、本実施形態5では、第1回収部6は、蒸気液化後の空気中の蒸気量を測る濃度センサー35をファン113(6)の位置よりも上流に備えている。濃度センサー35として具体的にジルコニア式高温湿度計、長波長InGaAsフォトダイオード、赤外LED等が挙げられる。第2回収部8に濃度センサー35を設けてもよいことは勿論である。
これにより、濃度センサー35の測定結果を利用して蒸気液化部11(6)の温度を設定することにより、蒸気或いは有機溶媒が空気中に存在でききにくい状態を担保することが出来る。
【0093】
また、本実施形態5では、第1回収部6は、更に蒸気液化部11(6)に蒸気圧を測る気圧センサー36をファン113(6)の位置よりも上流に備えている。気圧センサー36として具体的に水晶圧力センサー、MEMS気圧センサー等が挙げられる。第2回収部8に気圧センサー36を設けてもよいことは勿論である。
これにより、気圧センサー36の測定結果を利用して蒸気液化部11(6)の温度を設定することにより、蒸気或いは有機溶媒が空気中に存在できない状態を容易に実現することが出来る。
【0094】
[実施形態6](図10
以下に、本発明の実施形態6に係るインクジェット記録装置について図10を参照して説明する。
本実施形態6のインクジェット記録装置は第1回収部6が以下のように構成されている。
本実施形態6の第1回収部6は、蒸気液化部11(6)が複数層に構成され、各層は液化温度が異なる構成である。例えば第1層38は30℃、第2層39は50℃、第3層40は70℃に設定されている。図10で符号41は外気取り込み用のファンである。
【0095】
本実施形態6においては、第1回収部6は、蒸気液化部11(6)が複数の層をもつ階層構造で構成され、各層は液化温度が異なるので、当該複数層構造によって蒸気の液化効率を向上することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 記録ヘッド、2 記録実行部、3 第1加熱部、4 加熱処理を行う部分、
5 第1の面(記録面)、6 第1回収部、7 第2の面(裏面)、8 第2回収部、
9(6)、9(8) 蒸気取り入れ口、10(6)、10(8) 蒸気集め部、
11(6)、11(8) 蒸気液化部、12 電磁波照射部、
13(6)、13(8) 蒸気移動力発生部、14 支持部材、15 連通孔、
16(6)、16(8) 出口、17 筒状体、18(6)、18(8) 桶部、
19(6),19(8) 廃液貯留部、20(6)、20(8) 第2加熱部、
21 箱状体、22 流露、23 第3回収部、24 インクが吐出される領域、
25 第3加熱部、26 囲い体、27 セット部、 28 巻取部、
29 張力調整部、30 廃液貯留部、31 熱伝導率の高い材料、32 外気、
33 通気孔、34 フィン、35 濃度センサー、36 気圧センサー、
37 補助ファン、38 第1層、39 第2層、40 第3層、
41 外気取り込み用のファン、113(6)、113(8) ファン、
P 被記録媒体、R1 被記録媒体のロール
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9
図10