特許第6249167号(P6249167)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249167
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】LED点灯装置及びLED照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20171211BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20171211BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20171211BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   H02M3/28 X
   H01L33/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-48270(P2014-48270)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-173043(P2015-173043A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160967
【弁理士】
【氏名又は名称】▲濱▼口 岳久
(72)【発明者】
【氏名】山崎 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】白木 知広
(72)【発明者】
【氏名】岩館 秀明
(72)【発明者】
【氏名】野月 伸一
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−287499(JP,A)
【文献】 特開2013−030390(JP,A)
【文献】 特開2012−129129(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0018261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
H01L 33/00
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED点灯装置であって、
一次側回路のスイッチング素子を駆動して二次側回路の出力電圧をLEDに印加する絶縁型の直流電源回路と、
前記二次側回路と同じ基準電位を有し、前記二次側回路の出力状態を検出する検出回路と、
前記二次側回路と同じ基準電位を有し、前記検出回路によって検出された検出値に基づいて前記スイッチング素子の駆動状態を決定するための二次側制御回路と、
前記二次側回路と同じ基準電位を有し、前記スイッチング素子の駆動に応じて生成される電圧から第1の電圧を生成し、該第1の電圧を前記二次側制御回路に制御電圧として供給する二次側補助電源回路と、
前記二次側回路の出力電圧から第2の電圧を生成し、該第2の電圧を前記制御電圧に重畳するように構成された電圧補充回路と
を備えたLED点灯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED点灯装置において、前記電圧補充回路が、前記二次側回路の高電位側出力端に接続された抵抗素子と、該抵抗素子に直列接続されるとともにアノードが前記二次側回路の基準電位端に接続されたツェナーダイオードと、アノードが前記ツェナーダイオードのカソードに接続されるとともにカソードが前記二次側補助電源回路の正極端に接続されたダイオードとを備える、LED点灯装置。
【請求項3】
請求項2に記載のLED点灯装置において、前記電圧補充回路が、前記高電位側出力端と前記二次側補助電源回路の正極端の間の電圧を検出する電圧検出部と、前記抵抗素子と前記ツェナーダイオードのカソード及び前記ダイオードのアノードとの間に挿入されたスイッチ素子とを更に含み、前記電圧検出部によって検出された電圧が所定値を超える場合に前記スイッチ素子が導通するように構成されたLED点灯装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のLED点灯装置において、前記直流電源回路がトランスを有するフライバックコンバータからなり、前記トランスの一次主巻線に前記一次側回路が接続され、前記トランスの二次主巻線に前記二次側回路が接続され、前記トランスの補助巻線に前記二次側補助電源回路が接続されたLED点灯装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のLED点灯装置と、前記LEDとを備えたLED照明装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED点灯装置及びそれを用いたLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、絶縁型のスイッチング電源回路及び過負荷保護手段を備えた電源装置を開示する。この電源装置は、交流を直流に変換する変換部と、変換部からトランスの一次側に供給される直流をスイッチングするスイッチング素子と、トランスの二次側に設けられるLED等の負荷の過負荷状態を検出する過負荷検出部と、過負荷検出部で過負荷状態を検出した場合にスイッチング素子の動作を停止させるとともに停止状態を保持する過負荷保護部を備える。また、上記電源装置は、トランスの補助巻線から供給される電圧を用いて直流電圧を生成するレギュレータ部と、レギュレータ部で生成された直流電流によって動作し、LEDの電流及び電圧に応じてフィードバック制御信号を制御する定電流定電圧制御部を備える。そして、過負荷保護部は、定電流定電圧制御部からの信号に基づいてLEDの過電圧等の過負荷状態を検出した場合に、スイッチング素子の動作を停止させ、その状態をラッチする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−57331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、ラッチ型の保護回路が採用されているため、過負荷時の保護動作においてはLEDへの出力停止が保持される。このような構成においては、過負荷が解消した場合にLEDの点灯が自動復帰しないため、過負荷解消後の再点灯にはユーザによる交流電源(商用電源)の再投入が必要となる。しかし、照明装置の本来的な機能である投光機能は、過負荷状態の解消時に即座に確保されることが望ましい。したがって、過負荷解消時に自動で点灯復帰させるためにも、保護状態においては装置の出力動作の停止状態をラッチするのではなく、出力動作を間欠的にでも継続させておくことが好ましい。
【0005】
ところで、同文献のように、絶縁型の電源回路においては、一次側回路と基準電位が異なる二次側回路の制御電圧の生成には、一般にトランスの補助巻線から供給される電圧が利用される。このような制御電源回路においては、LEDが断線又は取り外された無負荷状態にトランス一次側のスイッチング素子が間欠駆動すると、トランス補助巻線に発生する電力が低下し、二次側回路の制御部(定電流定電圧制御部)に十分な制御電圧が供給されない状態が起こり得る。そして、この不十分な制御電圧に起因して不安定な制御状態がもたらされ、本来であれば定電圧制御の機能により上限設定値に維持されるべきトランスの二次出力電圧がその上限設定値を超えて上昇する可能性がある。このような状態は、装置を構成する回路部品の故障の原因となり、装置の信頼性が低下する。
【0006】
そこで、本発明は、絶縁型の直流電源回路を有するLED点灯装置において、無負荷等の軽負荷時に直流電源回路のスイッチング素子が間欠駆動状態となった場合においても、安定して二次側回路の制御電圧が得られる構成を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のLED点灯装置は、一次側回路のスイッチング素子を駆動して二次側回路の出力電圧をLEDに印加する絶縁型の直流電源回路と、二次側回路と同じ基準電位を有し、二次側回路の出力状態を検出する検出回路と、二次側回路と同じ基準電位を有し、検出回路によって検出された検出値に基づいてスイッチング素子の駆動状態を決定するための二次側制御回路と、二次側回路と同じ基準電位を有し、スイッチング素子の駆動に応じて生成される電圧から第1の電圧を生成し、第1の電圧を二次側制御回路に制御電圧として供給する二次側補助電源回路と、二次側回路の出力電圧から第2の電圧を生成し、第2の電圧を制御電圧に重畳するように構成された電圧補充回路を備える。
【0008】
本発明のLED点灯装置によると、電圧補充回路が、二次側回路の出力電圧から第2の電圧を生成してそれを二次側制御回路の制御電圧に重畳する構成としたので、無負荷等の軽負荷時に、絶縁型直流電源回路の一次側回路のスイッチング素子が間欠駆動状態となった場合においても、安定して二次側制御回路の制御電圧が得られる。
【0009】
ここで、電圧補充回路は、二次側回路の高電位側出力端に接続された抵抗素子と、抵抗素子に直列接続されるとともにアノードが二次側回路の基準電位端に接続されたツェナーダイオードと、アノードがツェナーダイオードのカソードに接続されるとともにカソードが二次側補助電源回路の正極端に接続されたダイオードとを備える。これにより、無負荷時等の軽負荷時においても確実に給電可能な電圧補充回路が少ない部品点数で構成され、LED点灯装置の小型・低コスト化が可能となる。
【0010】
さらに、電圧補充回路は、高電位側出力端と二次側補助電源回路の正極端の間の電圧を検出する電圧検出部と、抵抗素子とツェナーダイオードのカソード及びダイオードのアノードとの間に挿入されたスイッチ素子とを更に含み、電圧検出部によって検出された電圧が所定値を超える場合にスイッチ素子が導通するように構成してもよい。これにより、無負荷時等の軽負荷時にのみ、二次側回路の出力電圧から電圧補充回路への通電経路が形成されるので、電圧補充回路における損失が軽減される。
【0011】
また、直流電源回路がトランスを有するフライバックコンバータからなり、トランスの一次主巻線に一次側回路が接続され、トランスの二次主巻線に二次側回路が接続され、トランスの補助巻線に二次側補助電源回路が接続される構成とすることができる。これにより、簡素な構成でLED点灯装置が形成され、その小型化及び低コスト化が可能となる。
【0012】
本発明のLED照明装置は、上記のLED点灯装置とLEDを備える。上記の各効果を有するLED点灯装置が搭載されるので、LED照明装置の信頼性向上、小型・低コスト化等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態によるLED点灯装置を含むLED照明装置の回路構成図である。
図2】比較例によるLED点灯装置の動作を説明する図である。
図3】第1の実施形態によるLED点灯装置の動作の一例を説明する図である。
図4】第1の実施形態によるLED点灯装置の動作の他の例を説明する図である。
図5】本発明の第2の実施形態によるLED点灯装置の電圧補充回路を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態1.
図1に、本発明の第1の実施形態に係るLED点灯装置100及びそれを用いたLED照明装置150の回路構成図を示す。LED照明装置150はLED点灯装置100及びLEDモジュール50を含む。交流電源ACからの入力電圧がLED点灯装置100の入力端子T1及びT2に入力され、LED点灯装置100の出力端子T3及びT4からの直流出力が配線W1及びW2を介してLEDモジュール50の端子T5及びT6に供給される。
【0015】
LEDモジュール50は、端子T5と端子T6間に直列接続された複数のLEDからなるLEDアレイを含む。LEDアレイのアノード端は入力端子T5及び配線W1を介してLED点灯装置100の高電位側出力端子T3に接続され、LEDアレイのアノード端は入力端子T6及び配線W2を介して低電位側出力端子T4に接続される。なお、LED点灯装置100とLEDモジュール50とは、1つの筐体において一体化されていてもよいし、2つの筐体において別体として構成されていてもよい。
【0016】
LED点灯装置100は、入力回路200、直流電源回路300、検出回路400、一次側補助電源回路500、二次側補助電源回路600、一次側制御回路700、二次側制御回路800、及び電圧補充回路900を備える。なお、本明細書における説明において、各回路素子が上記のどの回路に属するかは便宜的なものであり、本発明を拘束するものではない。
【0017】
入力回路200は、電流ヒューズ1及び2、ダイオードブリッジ3、コンデンサ4、並びに必要に応じてノイズフィルタを備える。入力回路200には交流電源AC(例えば商用電源)からの交流電圧が入力され、ダイオードブリッジ3による全波整流出力が直流電源回路300に入力される。なお、入力電源が直流電源である場合にはダイオードブリッジ3は不要である。
【0018】
直流電源回路300は絶縁型フライバックコンバータからなり、力率改善機能を持つ、いわゆるワンコンバータ方式のフライバック降圧回路を構成する。直流電源回路300は、スイッチング素子5、トランス6、抵抗7、ダイオード8、及び電解コンデンサ9を含む。電解コンデンサ9の正電極端子が直流電源回路300の高電位側出力端となり、負電極端子が基準電位端、すなわちグランドとなる。直流電源回路300において、スイッチング素子5、トランス6の一次主巻線6a及び抵抗7が一次側回路を構成し、トランス6の二次主巻線6b、ダイオード8及び電解コンデンサ9が二次側回路を構成する。
【0019】
直流電源回路300において、スイッチング素子5のオン期間にトランス6の一次主巻線6aによってエネルギーが蓄積され、スイッチング素子5のオフ期間にそのエネルギーがトランス6の二次主巻線6b側からダイオード8を介して電解コンデンサ9に充電される。降圧比は一次主巻線6aに対する二次主巻線6bの巻数比によって決まり、出力電流はスイッチング素子5のPWM制御におけるオンデューティ(オン幅)によって決まる。スイッチング素子5は、スイッチング制御IC10によって駆動され、スイッチング制御IC10は、抵抗7によって検出されるスイッチング素子6の電流を参照して駆動状態を適宜調整する。なお、以降の説明において、直流電源回路300の出力電圧を「出力電圧VL」といい、直流電源回路300の出力電流を「出力電流IL」という。
【0020】
検出回路400は、分圧抵抗11、12及び13からなる電圧検出回路と、電流検出抵抗14からなる電流検出回路を含む。検出回路400は直流電源回路300の二次側回路と同じ基準電位を有する。分圧抵抗11、12及び13は直流電源回路300の電解コンデンサ9に並列接続された分圧抵抗回路からなり、出力電圧VLに比例した電圧が分圧抵抗13に発生する。電流検出抵抗14はグランドと低電位側出力端子T4の間に挿入された低抵抗素子からなり、出力電流ILに比例した電圧が電流検出抵抗14に発生する。
【0021】
一次側補助電源回路500は、トランス6の一次側補助巻線6c、ダイオード15、コンデンサ16、トランジスタ17、抵抗18、ツェナーダイオード19、及びコンデンサ20を含む。一次側補助電源回路500の基準電位は直流電源回路300の一次側回路の基準電位(ダイオードブリッジ3の共通アノード端の電位)と同じである。一次側補助巻線6cの巻き方向は二次主巻線6bの巻き方向と同じであり、二次主巻線6bに対する一次側補助巻線6cの巻数比に応じた電圧が一次側補助巻線6cに発生する。一次側補助巻線6cに発生する電圧はダイオード15及びコンデンサ16によって整流及び平滑され、この平滑された電圧が、トランジスタ17、抵抗18及びツェナーダイオード19によって構成されたシリーズレギュレータで降圧される。この降圧された電圧がコンデンサ20によって平滑されて一次側補助電源回路500の出力電圧となる。このように、一次側補助電源回路500は、スイッチング素子5の駆動パルスごとに生成される電圧を平滑してスイッチング制御IC10に制御電圧を供給する。
【0022】
二次側補助電源回路600は、トランス6の二次側補助巻線6d、ダイオード21、コンデンサ22、トランジスタ23、抵抗24、ツェナーダイオード25、ダイオード26、及びコンデンサ27を含む。二次側補助電源回路600は直流電源回路300の二次側回路と同じ基準電位を有する。二次側補助巻線6dの巻き方向は一次主巻線6aの巻き方向と同じであり、一次主巻線6aに対する二次側補助巻線6dの巻数比に応じた電圧が二次側補助巻線6dに発生する。二次側補助巻線6dに発生する電圧はダイオード21及びコンデンサ22によって整流及び平滑され、この平滑された電圧が、トランジスタ23、抵抗24及びツェナーダイオード25によって構成されたシリーズレギュレータで降圧される。この降圧された電圧(以下、「駆動系補助電圧」という)がダイオード26を介してコンデンサ27によって平滑され、二次側補助電源回路600の出力(以下、「二次側制御電圧Vcc」という)となる。
【0023】
一次側制御回路700は、スイッチング制御IC10及びフォトカプラ28(フォトトランジスタの部分)を含む。一次側制御回路700は直流電源回路300の一次側回路と同じ基準電位を有する。スイッチング制御IC10は、フォトカプラ28のフォトトランジスタの出力状態に基づくオン幅でスイッチング素子5をPWM制御する。フォトカプラ28の出力状態は二次側制御回路800によって決定される。なお、スイッチング制御IC10には、必要に応じて周辺回路部品が接続されていてもよい。
【0024】
二次側制御回路800は、オペアンプ29及び30、抵抗31、シャントレギュレータ32、抵抗33、34、35及び36、ダイオード37及び38、抵抗39及び40、並びにフォトカプラ28(フォトダイオードの部分)を含む。二次側制御回路800は直流電源回路300の二次側回路と同じ基準電位を有する。概略として、オペアンプ29は出力電圧VLを一定化させる機能を担う定電圧制御用のオペアンプであり、オペアンプ30は出力電流ILを一定化させる機能を担う定電流制御用のオペアンプである。そして、直流電源回路300の出力状態に応じて、定電圧制御及び定電流制御の一方がダイオード37及び38からなるダイオードOR回路によって選択され、フォトカプラ28の入力状態が決定される。すなわち、スイッチング素子5は、二次側制御回路800による定電流制御又は定電圧制御のいずれか一方を行うように一次側制御回路700によってPWM制御される。
【0025】
定電圧制御用のオペアンプ29は二次側制御電圧Vccの給電により動作する。オペアンプ29の負入力端子(−)には電圧検出回路によって検出された電圧検出値が入力され、正入力端子(+)には出力電圧VLの目標値に対応する電圧基準値Vref1が入力される。電圧基準値Vref1は、シャントレギュレータ32により安定化された電圧を抵抗33及び34で分圧して得られる電圧である。なお、オペアンプ29の負入力端子と出力端子間には不図示の帰還素子(抵抗、コンデンサ、又はこれらの直列回路若しくは並列回路)が接続されるものとする。オペアンプ29は、負入力端子に入力される電圧検出値と、正入力端子に入力される電圧基準値Vref1との誤差を増幅して出力する。言い換えると、ダイオード37がオンされて定電圧制御が選択されている場合には、オペアンプ29は電圧検出値が電圧基準値Vref1に一致するようにPWM制御におけるオン幅を決定することになる。
【0026】
定電流制御用のオペアンプ30も二次側制御電圧Vccの給電により動作する。オペアンプ29及び30は同一のICに内蔵されたオペアンプで構成することができる。オペアンプ30の負入力端子(−)には電流検出回路によって検出された電流検出値が入力され、正入力端子(+)には出力電流ILの目標値に対応する電流基準値Vref2が入力される。電流基準値Vref2は、シャントレギュレータ32により安定化された電圧を抵抗35及び36で分圧して得られる電圧値である。なお、オペアンプ30の負入力端子と出力端子間にも不図示の帰還素子が接続されるものとする。オペアンプ30は、負入力端子に入力される電流検出値と、正入力端子に入力される電流基準値Vref2との誤差を増幅して出力する。言い換えると、ダイオード38がオンされて定電流制御が選択されている場合には、オペアンプ30は電流検出値が電流基準値Vref2に一致するようにPWM制御におけるオン幅を決定することになる。
【0027】
ダイオード37及び38からなるダイオードOR回路は、定電流制御用のオペアンプ29の出力端子電圧又は定電圧制御用のオペアンプ30の出力端子電圧のいずれか低い方に対してオンする。ダイオードOR回路の共通アノードはフォトカプラ28のフォトダイオードのカソード側に接続される。フォトカプラ28のフォトダイオードのアノードはシャントレギュレータ32の出力に抵抗39を介して接続され、フォトダイオードに抵抗40が並列接続される。なお、抵抗39はフォトダイオードのカソード側に挿入されていてもよい。フォトカプラ28のフォトトランジスタには、フォトダイオードに流れる電流(発光)に応じた出力電流が流れる。前述したように、スイッチング制御IC10はフォトカプラ28のフォトトランジスタの出力状態に応じたパルス幅のPWM駆動信号を生成し、それをスイッチング素子5のゲート電圧として出力する。
【0028】
ここで、LEDモジュール50が正常な場合の動作(以下、「通常動作」という)を説明する。通常動作においては、基本的には、ダイオードOR回路によってオペアンプ30の動作が選択されて定電流制御が行われる。本実施形態においては、電流検出値が電流基準値Vref2よりも小さいと、オペアンプ30の出力端子電圧はハイ側に振れ、フォトカプラ28のフォトダイオードに流れる電流が減少するとともにフォトトランジスタからの出力電流も減少する。一方、電流検出値が電流基準値Vref2よりも大きいと、オペアンプ30の出力端子電圧はロー側に振れ、フォトカプラ28のフォトダイオードに流れる電流が増加するとともにフォトトランジスタからの出力電流も増加する。スイッチング制御IC10はフォトトランジスタの出力電流の減少に対してPWM制御のパルス幅を増加させるように構成されているものとする。
【0029】
したがって、電流検出値が電流基準値Vref2よりも小さいと、オペアンプ30はスイッチング素子5のPWM制御のパルス幅を増加させる方向、すなわち出力電流ILを増大させる方向に作用する。逆に、電流検出値が電流基準値Vref2よりも大きいと、オペアンプ30はスイッチング素子5のPWM制御のパルス幅を減少させる方向、すなわち出力電流ILを低下させる方向に作用する。これにより、通常点灯動作時には出力電流ILのフィードバックによる定電流制御が行われる。
【0030】
また、LEDモジュール50が取り外され、又はLEDモジュール50を構成するLED素子が断線してLED点灯装置100が無負荷状態となった場合の動作を説明する。無負荷時には電流検出抵抗14に電流は流れない。したがって、仮に上記の定電流制御がそのまま行われたとすると、定電流制御用のオペアンプ30の作用により、スイッチング素子5のPWM幅は最大となり、出力電圧VLも大幅に増大することになる。したがって、無負荷時には、ダイオードOR回路によって定電圧制御用のオペアンプ29の動作が選択されて出力電圧VLが(電圧基準値Vref1に対応する)リミッタ電圧で一定となるように定電圧制御が行われる。
【0031】
本実施形態では、電圧検出値が電圧基準値Vref1よりも小さいと、オペアンプ29の出力端子電圧はハイ側に振れ、フォトカプラ28のフォトダイオードに流れる電流が減少するとともにフォトトランジスタからの出力電流も減少する。一方、電圧検出値が電圧基準値Vref1よりも大きいと、オペアンプ29の出力端子電圧はロー側に振れ、フォトカプラ28のフォトダイオードに流れる電流が増加するとともにフォトトランジスタからの出力電流も増加する。
【0032】
したがって、定電流制御の場合と同様に、電圧検出値が電圧基準値Vref1よりも小さいと、オペアンプ29はスイッチング素子5のPWM制御のパルス幅を増加させる方向、すなわち出力電圧VLを増大させる方向に作用する。逆に、電圧検出値が電圧基準値Vref1よりも大きいと、オペアンプ29はスイッチング素子5のPWM制御のパルス幅を減少させる方向、すなわち出力電圧VLを低下させる方向に作用する。これにより、無負荷時には出力電圧VLのフィードバックによる定電圧制御が行われ、オペアンプ29は無負荷状態(場合によっては通常動作状態)における出力電圧VLのリミッタとして機能する。
【0033】
電圧補充回路900は、抵抗41及び42、ツェナーダイオード43、並びにダイオード44を含む。抵抗41及び42は直流電源回路300の高電位側出力端に接続される。ツェナーダイオード43は抵抗41及び42に直列接続され、そのカソードが抵抗42に接続され、アノードがグランドに接続される。ダイオード44は、そのアノードがツェナーダイオード43のカソードに接続されるとともにカソードが二次側補助電源回路600の正極端(ダイオード26のカソードとコンデンサ27の接続点)に接続される。詳細を後述するように、電圧補充回路900は、抵抗41及び42を介して得られる電圧(以下、「出力系補助電圧」という)を二次側制御電圧Vccに重畳して二次側制御回路800に供給するように構成される。
【0034】
ここで、上記の無負荷時等の軽負荷時の動作について再度検討する。上述した無負荷状態におけるオペアンプ29による出力電圧リミッタとしての機能は、当然に二次側制御電圧Vccがオペアンプ29及び30の動作停止電圧よりも高い場合、すなわちオペアンプ29及び30が動作している場合に発揮される。更には、シャントレギュレータ32を介して抵抗35〜38、39及び40並びにフォトカプラ28が適切に給電される必要がある。ところで、スイッチング素子5が間欠駆動状態となると、トランス6の二次側補助巻線6dから二次側補助電源回路600に供給される電力が低下し、これにより駆動系補助電圧が低下して二次側制御電圧Vccが低下する。二次側制御電圧Vccの低下は、オペアンプ29及び30、フォトカプラ28、シャントレギュレータ32を介した抵抗33、34、35及び36、抵抗39及び40等による電力消費によってもたらされる。更に、外部調光に対応するための回路、付加機能のためのマイクロコンピュータ等が設けられて、これらが二次側制御電圧Vccから給電される場合には、二次側制御電圧Vccの低下は一層速くなる。したがって、スイッチング素子5が間欠駆動される状態においても二次側制御電圧Vccが確保されて二次側制御回路800内の各回路が正常に動作することが必要となる。
【0035】
図2に、LED点灯装置100から電圧補充回路900を除いた回路構成(比較例)において無負荷状態が発生した場合の二次側制御電圧Vcc及び出力電圧VLを示す。横軸は時間であり、縦軸は電圧である。概略として、点Aの時点で無負荷状態が発生し、その後、二次側制御電圧Vccは上昇と低下を繰り返し(本例では、この繰返しの1サイクルが100ms程度である)、この繰返しに応じて出力電圧VLが徐々に上昇していく。
【0036】
詳細には、点Aの時点で無負荷状態が発生すると、上述した二次側制御回路800及び一次側制御回路700の作用により出力電圧VLがリミッタ電圧に達し、スイッチング素子5の駆動が停止される。スイッチング素子5が停止されることにより、駆動系補助電圧の生成が停止して二次側制御電圧Vccが低下するとともに、出力電圧VLがわずかに減少していく。
【0037】
点Bの時点で、二次側制御電圧Vccがオペアンプ29及び30の動作停止電圧以下となると、オペアンプ29及び30は動作を停止してそれぞれの出力端をオープン状態とする。これにより、フォトカプラ28のフォトダイオードに流れる電流及びフォトトランジスタから出力される電流が減少するので、一次側制御回路700は、スイッチング素子5を最大オンデューティで再駆動させ、すなわち出力電圧VLを最大出力で増大させるように作用する。なお、スイッチング素子5が「駆動する」とは、スイッチング素子5がオン・オフを反復していることをいうものとする。これにより、点Bの時点で出力電圧VLが上昇するとともに、駆動系補助電圧が得られて二次側制御電圧Vccが瞬時に上昇する。二次側制御電圧Vccがオペアンプ29及び30の動作停止電圧を超えると、オペアンプ29及び30が再起動し、二次側制御回路800の定電圧制御が再開されるが、この定電圧制御は長くは継続されない。
【0038】
点Bの直後の点Cの時点で、オペアンプ29において既に電圧検出値が電圧基準値Vref1よりも高いために、出力電圧VLをリミッタ電圧に維持する二次側制御回路800の定電圧制御に応じて一次側制御回路700は再びスイッチング素子5の駆動を停止する。言い換えると、点Bから点Cの時点まではスイッチング素子5が駆動されるので、出力電圧VLは点Bにおける電圧から上昇する。一方、点C以降は、二次側制御電圧Vccは点A〜点Bと同様に降下する。その後、点Dの時点で点Bの時点と同様の動作が起こる。このように、点B〜点Dで示す動作が繰り返されることにより、無負荷期間中には、出力電圧VLが上昇していくことになる。
【0039】
図3に、電圧補充回路900を備えた本実施形態のLED点灯装置100における無負荷時の動作の一例を示す。図2と同様に、横軸は時間であり、縦軸は電圧である。概略として、点Aの時点で無負荷状態が発生し、その後、二次側制御電圧Vccは上昇と低下を繰り返すが(本例では、繰返しの1サイクルが50ms程度である)、出力電圧VLは一定に維持される。
【0040】
詳細には、点Aの時点で無負荷状態が発生すると、上述した二次側制御回路800及び一次側制御回路700の作用により出力電圧VLがリミッタ電圧に達し、スイッチング素子5の駆動が停止される。スイッチング素子5が停止されることにより、駆動系補助電圧の生成が停止して二次側制御電圧Vccが低下するとともに、出力電圧VLが減少していく。
【0041】
点Bの時点では、駆動系補助電圧と出力系補助電圧の合計である二次側制御電圧Vccはオペアンプ29及び30の動作停止電圧を超えているので、オペアンプ29及び30は動作を継続している。ここで、オペアンプ29は、電圧検出値(出力電圧VL)を電圧基準値Vref1に戻すために、再びスイッチング素子5を駆動させるよう動作する。このように、スイッチング素子5の間欠駆動がその後も継続されるが、この間欠駆動により駆動系補助電圧が間欠的に減少することによっては、二次側制御電圧Vccがオペアンプ29及び30の動作停止電圧以下となることはない。したがって、二次側制御回路800の定電圧制御が期間を通じて有効化され、出力電圧VLはリミッタ電圧に略一定に維持される。その後、点Dの時点で点Bと同様の動作が起こる。このように、点B〜点Dで示す動作が繰り返されることにより、無負荷期間中には、出力電圧VLが略一定に維持される。
【0042】
図4に、電圧補充回路900を備えた本実施形態のLED点灯装置100における無負荷時の動作の他の例を示す。図3と同様に、横軸は時間であり、縦軸は電圧である。図3に示す動作と図4に示す動作の相違は回路定数の相違等によってもたらされる。概略として、点Aの時点で無負荷状態が発生し、その後、二次側制御電圧Vccは上昇と低下を繰り返すが(本例では、繰返しの1サイクルは5s程度である)、出力電圧VLは一定に維持される。
【0043】
詳細には、点Aの時点で無負荷状態が発生すると、上述した二次側制御回路800及び一次側制御回路700の作用により出力電圧VLがリミッタ電圧に達し、スイッチング素子5の駆動が停止される。スイッチング素子5が停止されることにより、駆動系補助電圧の生成が停止して二次側制御電圧Vccが低下するとともに、出力電圧VLがゆるやかに減少していく。
【0044】
点Bの時点では、駆動系補助電圧は尽きているが、出力系補助電圧がオペアンプ29及び30の動作停止電圧を超えているので、オペアンプ29及び30は動作を継続し、スイッチング素子5の間欠駆動がその後も継続される。そのため、その後スイッチング素子5が駆動されない期間(点B〜点Cの期間)においても、二次側制御電圧Vccがオペアンプ29及び30の動作停止電圧以下となることはない。したがって、二次側制御回路800の定電圧制御が期間を通じて有効化され、出力電圧VLはリミッタ電圧に略一定に維持される。なお、点Cの直後の点Dでは、二次側制御電圧Vccはツェナーダイオード24又はツェナーダイオード43の降伏電圧でクランプされる。その後、点Eの時点で点Bと同様の動作が起こる。このように、点B〜点Eで示す動作が繰り返されることにより、無負荷期間中には、出力電圧VLが略一定に維持される。
【0045】
なお、抵抗41及び42は、無負荷時の二次側制御回路800が動作できる最小限の電流を供給できるような抵抗値に調整又は設定されることが好ましい。これにより、通常動作時の損失が低減される。逆に、通常動作時の損失が問題とならないのであれば、抵抗41及び42の抵抗値を小さくして二次側制御電圧Vccの一層の安定化を実現することができる。
【0046】
例えば、通常動作時の出力電圧VLが100Vであり、無負荷時の出力電圧VL(リミッタ電圧)が120Vであり、通常動作時の二次側制御電圧Vccが12Vであり、オペアンプ29及び30の動作停止電圧が3Vである場合、抵抗41及び42の合計の抵抗値は数kΩ〜100kΩ程度、好ましくは、10kΩ〜60kΩ程度であればよい。なお、この場合、ツェナーダイオード43の降伏電圧は二次側制御電圧Vccと同じ12Vであればよい。
【0047】
以上のように、本実施形態によるLED点灯装置100によると、二次側補助電源回路600が、スイッチング素子5の駆動に応じて生成される電圧から駆動系補助電圧を生成し、それを二次側制御電圧Vccとして二次側制御回路800に供給し、電圧補充回路900が、出力電圧VLから出力系補助電圧を生成し、それを二次側制御電圧Vccに重畳する。これにより、無負荷等の軽負荷時にスイッチング素子5が間欠駆動状態となった場合においても、安定して二次側制御電圧Vccが得られ、二次側制御回路800の安定動作が実現される。そして、出力電圧VLがリミッタ電圧を超えることがないので、LED点灯装置100及びLED照明装置150の信頼性が確保される。
【0048】
実施形態2.
上記第1の実施形態では電圧補充回路900が常時通電される構成を示したが、本実施形態では、直流電源回路300の通常動作時(無負荷でない状態)においては電圧補充回路900が通電されない構成を示す。すなわち、本実施形態は、スイッチング素子5が連続して駆動されている場合には、駆動系補助電圧による二次側制御電圧Vccの供給能力が充分にあることから電圧補充回路900への通電を停止して損失を回避するものである。
【0049】
図5に本実施形態のLED点灯装置100における電圧補充回路900を示す。なお、第1の実施形態と同じ要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。電圧補充回路900は、抵抗41及び42、ツェナーダイオード43、ダイオード44、抵抗45、46及び47、並びにスイッチ素子48を含む。抵抗45、46及び47は、直流電源回路300の高電位側出力端とツェナーダイオード43のカソード間に直列接続され、その間の電圧を検出する電圧検出部を構成する。スイッチ素子48は、抵抗42とツェナーダイオード43のカソード及びダイオード44のアノードの間に挿入される。具体的には、スイッチ素子48の入力端子が抵抗42に接続され、出力端子がツェナーダイオード43のカソードに接続され、制御端子が抵抗46と抵抗47の接続点に接続される。上記入力端子、出力端子及び制御端子は、スイッチ素子48がバイポーラトランジスタからなる場合には、それぞれコレクタ端子、エミッタ端子及びベース端子であり、スイッチ素子48がFETからなる場合には、それぞれドレイン端子、ソース端子及びゲート端子である。
【0050】
上記構成においては、出力電圧VLが上昇するとともにツェナーダイオード43のカソード電圧が低下し、抵抗41及び42の両端電圧が上昇した場合に、電圧検出部によって検出される電圧(すなわち抵抗47に発生する電圧)がスイッチ素子48の動作閾値を超えるとスイッチ素子48が導通する。言い換えると、抵抗45、46及び47の抵抗値は、出力電圧VLがリミッタ電圧付近となるとともに二次側制御電圧Vccが低下している場合に抵抗47に発生する電圧がスイッチ素子48の動作閾値を超えるように設定されている。出力電圧VLが上昇するとともに二次側制御電圧Vccが低下する上記の状態は、スイッチング素子5が間欠駆動される無負荷時等の軽負荷時に起こり得る。したがって、無負荷時等の軽負荷時のみスイッチ素子48をオン状態として電圧補充回路900による出力系補助電圧の生成を有効化することができる。一方、出力電圧VL及び二次側制御電圧Vccがともに比較的高い状態、又は出力電圧VL及び二次側制御電圧Vccがともに比較的低い状態は、スイッチング素子5が連続駆動される通常動作時(有負荷時)に起こり得る。したがって、駆動系補助電圧が充分に得られる通常動作時には、スイッチ素子48はオフ状態となるので電圧補充回路900への通電は行われず、抵抗41及び42における損失が回避される。
【0051】
なお、上記電圧検出部は、高電位出力端と二次側補助電源回路600の正極端の間の電圧、すなわち出力電圧VLと二次側制御電圧Vccの電位差を直接又は間接的に検出できるものであれば、他の構成の回路であってもよい。例えば、検出部の抵抗47はダイオード44のアノードではなくカソード(すなわち二次側補助電源回路600の正極端)に接続されていてもよい。
【0052】
以上のように、本実施形態におけるLED点灯装置100においては、スイッチング素子5が間欠駆動される無負荷時等の軽負荷時に電圧補充回路900の通電経路が形成される。したがって、スイッチング素子5が連続駆動される通常動作時には電圧補充回路900の通電経路が開放され、抵抗41及び42における損失が軽減される。
【0053】
<変形例>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、本発明は、例えば以下に示すように種々の態様に変形可能である。
【0054】
(1)直流電源回路300の変形
上記各実施形態においては、直流電源回路300として、いわゆるワンコンバータ方式の絶縁型フライバックコンバータを示したが、直流電源回路300は他の方式のコンバータからなるスイッチング電源回路であってもよい。例えば、直流電源回路300は、フォワード型コンバータであってもよいし、力率改善回路及びフライバックコンバータからなる回路であってもよい。
【0055】
(2)二次側補助電源回路600の変形
上記各実施形態においては、直流電源回路300がフライバックコンバータで構成され、駆動系補助電圧が、フライバックコンバータのトランスの補助巻線から生成される構成を示したが、駆動系補助電圧が生成される構成はこれに限られない。例えば、直流電源回路300がフォワード型コンバータからなる場合には、駆動系補助電圧は、トランス二次巻線に直列接続されるチョークコイルに設けられた補助巻線から生成されるようにすることもできる。また、直流電源回路300が力率改善回路及びフライバックコンバータからなる場合には、駆動系補助電圧は、力率改善回路を構成するコイルに設けられた補助巻線から生成されるようにすることもできる。いずれの構成も、各回路を構成するスイッチング素子の駆動パルスごとに生成される電圧を平滑して駆動系補助電圧を生成することができる。
【符号の説明】
【0056】
5 スイッチング素子
6 トランス
41、42 抵抗(抵抗素子)
43 ツェナーダイオード
44 ダイオード
45、46、47 抵抗(電圧検出部)
48 スイッチ素子
50 LEDモジュール(LED)
100 LED点灯装置
150 LED照明装置
300 直流電源回路
600 二次側補助電源回路
800 二次側制御回路
900 電圧補充回路


図1
図2
図3
図4
図5