特許第6249170号(P6249170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249170窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249170
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/20 20060101AFI20171211BHJP
   B01J 37/03 20060101ALI20171211BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20171211BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20171211BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20171211BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20171211BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   B01J23/20 AZAB
   B01J37/03 B
   B01J37/08
   B01D53/86 222
   F01N3/10 A
   F01N3/08 A
   F01N3/08 B
   F01N3/28 301C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-158878(P2014-158878)
(22)【出願日】2014年8月4日
(65)【公開番号】特開2016-34629(P2016-34629A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001047
【氏名又は名称】特許業務法人セントクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱口 豪
(72)【発明者】
【氏名】田中 寿幸
【審査官】 山口 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/117047(WO,A1)
【文献】 特開2016−034630(JP,A)
【文献】 特開2016−034885(JP,A)
【文献】 A.A.Yaremchenko et al,Methane oxidation by lattice oxygen of CeNbO4+δ,Catalysis Communications,2007年,vol.8,pp335-339
【文献】 M. CASAPU et al.,A Niobia-Ceria based multi-purpose catalyst for selective catalytic reduction of NOx, urea hydrolysis and soot oxidation in diesel exhaust,Applied Catalysis B: Environmental,2011年,103,79-84.
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J21/00−38/74
B01D53/73,86−90,94−96
F01N3/00,3/02,3/04−3/38,9/00,11/00
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ce(セリウム)とNb(ニオブ)とを含有する複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒であって、
前記複合金属酸化物が、組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有しており、かつ、
前記複合金属酸化物をX線回折測定することにより得られるCuKα線を用いたX線回折パターンから求められる、2θが25.0〜30.0°の領域に存在する回折ピークのピーク面積の合計(B)に対する、前記領域に存在する前記セリウムニオブ複酸化物の回折ピークのピーク面積の合計(A)の比率(A/B)の値が0.5以上である、
ことを特徴とする窒素酸化物分解触媒。
【請求項2】
前記比率(A/B)の値が0.7以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物分解触媒。
【請求項3】
前記セリウムニオブ複酸化物が、CeNbO4.00、CeNbO4.08及びCeNbO4.25からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒素酸化物分解触媒。
【請求項4】
セリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液を調製する工程と、
前記原料溶液に塩基を添加してセリウムとニオブとを含有する沈殿物を生成させる工程と、
前記原料溶液中の前記沈殿物を120〜180℃の範囲内の温度で熟成させる工程と、
前記熟成後に前記沈殿物を不活性雰囲気中又は還元雰囲気中で700〜900℃の範囲内の温度で焼成することにより請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の窒素酸化物分解触媒を得る工程と、
を含むことを特徴とする窒素酸化物分解触媒の製造方法。
【請求項5】
窒素酸化物含有ガスを請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の窒素酸化物分解触媒に接触させて窒素酸化物を分解せしめることを特徴とする窒素酸化物の分解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディーゼルエンジン、燃料消費率の低い希薄燃焼式(リーンバーン)エンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するために、アンモニア(NH)等の還元剤により排ガス中のNOxを選択的に還元して無害なN(窒素)とHO(水)に分解する窒素酸化物選択還元触媒(SCR触媒:Selective Catalytic Reduction catalysts)等が開発されている。
【0003】
このような窒素酸化物選択還元触媒としては、特表2013−527799号公報(特許文献1)には、窒素酸化物の選択触媒還元のために使用する触媒であって、酸化セリウム、酸化ニオブ、希土類金属三二酸化物及び酸化ジルコニウムからなる触媒活性混合酸化物である窒素酸化物選択還元触媒が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されている窒素酸化物選択還元触媒は、NOx浄化活性が必ずしも十分なものではなかった。
【0004】
また、特表2013−523419号公報(特許文献2)において、窒素含有還元剤を用いた窒素酸化物の選択的接触還元のために使用する触媒であって、セリウム−ジルコニウム酸化物固溶体等のジルコニウムの酸化物から誘導される純相格子構造と、前記格子構造内に分散されたCu、Fe、Nb、Ta、W等の触媒活性カチオンとを含む卑金属酸化物触媒である窒素酸化物選択還元触媒が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示されている窒素酸化物選択還元触媒においても、NOx浄化活性が必ずしも十分なものではなかった。
【0005】
更に、特表2013−544628号公報(特許文献3)には、窒素含有還元剤による窒素酸化物(NOx)の還元反応が実施される、NOxを含む気体を処理する方法において使用する触媒であって、酸化セリウムベースの触媒系に2〜20質量%の酸化ニオブを含んでいる窒素酸化物選択還元触媒が開示されている。しかしながら、特許文献3に開示されている窒素酸化物選択還元触媒においても、NOx浄化活性が必ずしも十分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2013−527799号公報
【特許文献2】特表2013−523419号公報
【特許文献3】特表2013−544628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、セリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液から、塩基を添加してセリウムとニオブとを含有する沈殿物を生成させ、この沈殿物を所定温度で熟成させ、これを所定雰囲気及び所定温度の条件で焼成して窒素酸化物分解触媒を得るようにすることにより、本発明にかかる組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有する複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒が得られるようになり、この窒素酸化物分解触媒が十分に高い窒素酸化物分解活性を発揮することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の窒素酸化物分解触媒は、Ce(セリウム)とNb(ニオブ)とを含有する複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒であって、
前記複合金属酸化物が、組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有しており、かつ、
前記複合金属酸化物をX線回折測定することにより得られるCuKα線を用いたX線回折パターンから求められる、2θが25.0〜30.0°の領域に存在する回折ピークのピーク面積の合計(B)に対する、前記領域に存在する前記セリウムニオブ複酸化物の回折ピークのピーク面積の合計(A)の比率(A/B)の値が0.5以上である、ことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の窒素酸化物分解触媒においては、前記比率(A/B)の値が0.7以上であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の窒素酸化物分解触媒においては、前記セリウムニオブ複酸化物が、CeNbO4.00、CeNbO4.08及びCeNbO4.25からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
【0012】
本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法は、セリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液を調製する工程と、前記原料溶液に塩基を添加してセリウムとニオブとを含有する沈殿物を生成させる工程と、前記原料溶液中の前記沈殿物を120〜180℃の範囲内の温度で熟成させる工程と、前記熟成後に前記沈殿物を不活性雰囲気中又は還元雰囲気中で700〜900℃の範囲内の温度で焼成することにより上記本発明の窒素酸化物分解触媒を得る工程と、を含むことを特徴とする方法である。
【0013】
本発明の窒素酸化物の分解方法は、窒素酸化物含有ガスを上記本発明の窒素酸化物分解触媒に接触させて窒素酸化物を分解せしめることを特徴とするものである。
【0014】
なお、本発明の窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法によって上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。
【0015】
すなわち、先ず、本発明の窒素酸化物分解触媒は、Ce(セリウム)とNb(ニオブ)とを含有する複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒であって、前記複合金属酸化物が、組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有している複合金属酸化物としたことにより、同一粒子上にアンモニア吸着点とNOx吸着点を配置でき、窒素酸化物の分解に適した表面構造を形成したと考えられる。
【0016】
このような複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒とすることにより、十分に高い窒素酸化物分解活性を発現することが可能となるものと本発明者らは推察する。
【0017】
また、本発明の複合金属酸化物の製造方法においては、セリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液に塩基を添加して生成させたセリウムとニオブとを含有する沈殿物を、120〜180℃の範囲内の温度で熟成させることによりニオブの水酸化物又は酸化物とセリウムの水酸化物又は酸化物の弱い結合をつくることが可能となり、その後焼成することにより前記セリウムニオブ複酸化物を主成分として含有している複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒を得ることが可能になるものと本発明者らは推察する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】耐久試験後の実施例1及び比較例1〜3で得られた触媒のX線回折パターンを示すグラフである。
図2】実施例1及び比較例1〜3で得られたNOx浄化活性測定試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0021】
[窒素酸化物分解触媒]
先ず、本発明の窒素酸化物分解触媒について説明する。すなわち、本発明の窒素酸化物分解触媒は、Ce(セリウム)とNb(ニオブ)とを含有する複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒であって、前記複合金属酸化物が組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有しており、かつ、前記複合金属酸化物をX線回折測定することにより得られるCuKα線を用いたX線回折パターンから求められる、2θが25.0〜30.0°の領域に存在する回折ピークのピーク面積の合計(B)に対する、前記領域に存在する前記セリウムニオブ複酸化物の回折ピークのピーク面積の合計(A)の比率(A/B)の値が0.5以上である、ことを特徴とするものである。
【0022】
(セリウムニオブ複酸化物)
このような本発明の窒素酸化物分解触媒における複合金属酸化物としては、組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有していることが必要である。なお、本発明にかかるセリウムニオブ複酸化物(cerium−niobium multiple oxide)とは、Ce(セリウム)とNb(ニオブ)と酸素との化合物のうち、構造上酸素酸イオンの存在が認められないものである。このようなセリウムニオブ複酸化物の組成式における酸素の原子比、すなわちxの値が前記下限未満では、セリウムニオブ複酸化物の生成ができないため、触媒を構成した場合に窒素酸化物分解活性が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとセリウムの価数が変化しにくくなるため、触媒を構成した場合に窒素酸化物分解活性が低下する傾向にある。なお、窒素酸化物分解活性が高いという観点から、xの値を3.95〜4.03とすることが好ましい。
【0023】
また、このような本発明の窒素酸化物分解触媒における前記複合金属酸化物としては、前記複合金属酸化物をX線回折測定することにより得られるCuKα線を用いたX線回折パターンから求められる、2θが25.0〜30.0°の領域に存在する回折ピークのピーク面積の合計(B)に対する、前記領域に存在する前記セリウムニオブ複酸化物の回折ピークのピーク面積の合計(A)の比率(A/B)(以下、単に「ピーク面積比率」と略すことがある。)の値が0.5以上であることが必要である。前記複合金属酸化物の前記ピーク面積比率の値が前記下限未満では、セリウムニオブ複酸化物の含有量が少なくなり、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒が得られない。また、このような複合金属酸化物の前記ピーク面積比率の値は、より十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒を得るという観点から、0.7以上の範囲にあることが好ましく、0.75以上の範囲がより好ましく、0.8以上の範囲が特に好ましい。なお、本発明の前記複合金属酸化物に含有するセリウムニオブ複酸化物の含有量は、このようなピーク面積比率の値に相関があり、例えば検量線を作成することによって、ピーク面積比率の値からセリウムニオブ複酸化物の含有量を求めることができる。このようなピーク面積比率の値が1.00の場合は、前記複合金属酸化物が基本的に前記セリウムニオブ複酸化物のみからなることを意味する。また、前記ピーク面積比率の値が0.00の場合は、前記複合金属酸化物が基本的に前記セリウムニオブ複酸化物を含まないことを意味する。
【0024】
なお、本発明におけるX線回折パターンとは、X線回折測定において、試料にX線(CuKα線)を照射しながら入射角度θを所定角度範囲で走査し、この間に回折するX線の強度を計数し、横軸に回折角度2θ、縦軸に回折強度をプロットすることにより得られるものである。また、回折ピークとは、X線回折パターンにおけるSN比(信号(S)とノイズ(N)の比(S/N))の値が10以上である山状の部分をいう。個々の回折ピークは結晶面に対応する。なお、ピーク部分については、ピーク強度の積分を行う際にベースラインを求める公知の手法に従ってベースラインを定める。
【0025】
また、粉末X線回折法(Cu−K線)によって前記複合金属酸化物を測定した際に、2θが25.0〜30.0°の領域に存在する前記セリウムニオブ複酸化物の回折ピークが2つ以上観測されることが好ましい。このようなセリウムニオブ複酸化物の回折ピークが2つ以上観測されると、得られる触媒の窒素酸化物分解活性がより高くなる傾向にある。
【0026】
更に、このようなセリウムニオブ複酸化物としては、例えば、より高い窒素酸化物分解活性が得られるという観点から、基本組成がCeNbO4.00[回折ピーク:2θ=27.568°、29.170°]、CeNbO4.08[回折ピーク:2θ=28.254°、28.728°]及びCeNbO4.25[回折ピーク:2θ=28.190°、29.415°]からなる群から選択される少なくとも一種以上のセリウムニオブ複酸化物を用いることが好ましい。なお、基本組成とは、上記セリウムニオブ複酸化物の代表的な組成という意味であり、上記組成式で表されるものの他、必ずしも化学量論組成のものに限定されるわけではなく、例えば、製造上不可避的に生じるCe、Nb等の陽イオン元素が欠損した、或いは酸素元素が欠損した非化学量論組成のもの等も含む。また、例えば、セリウムサイトやニオブサイトを他の1種又は2種以上の元素で一部置換したもの等の組成も含む。
【0027】
(複合金属酸化物)
本発明にかかる複合金属酸化物(composite metal oxide)は、Ce(セリウム)とNb(ニオブ)とを含有する複合金属酸化物であり、前述した組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.30以下の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有していることが必要である。なお、前記セリウムニオブ複酸化物以外の成分としては、組成式:CeNbOx(式中、xは3.95未満又は4.30超の数を示す。)で表わされるセリウムニオブ複酸化物[x=4.33、回折ピーク:2θ=27.603°、28.327°、28.568°、29.317°、29.736°]、前記セリウムニオブ複酸化物以外のCe(セリウム)とNb(ニオブ)とを含有する複酸化物[CeNb14、回折ピーク:2θ=28.681°、CeNbO、回折ピーク:2θ=29.16°、CeNb19、回折ピーク:2θ=26.634°]、セリウム酸化物[回折ピーク:2θ=28.555°]、ニオブ酸化物[回折ピーク:2θ=26.832°]、等が挙げられる。
【0028】
(窒素酸化物分解触媒)
次に、本発明の窒素酸化物分解触媒は、前記複合金属酸化物からなるものであることが必要である。ここで、「複合金属酸化物からなる」とは、前記窒素酸化物分解触媒が前記複合金属酸化物のみから構成されるもの、或いは、主として前記複合金属酸化物からなり本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含み構成されるものであることを意味する。このような窒素酸化物分解触媒に含有させることが可能な他の成分としては、触媒の担体や複合金属酸化物に利用することが可能な公知の他の成分を適宜利用することができる。このような複合金属酸化物に含有する他の成分としては、担体の熱安定性や触媒活性の観点から、例えば、チタニウム(Ti)、ケイ素(Si)、リン(P)、ジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、ランタン(La)等の元素の酸化物を好適に用いることができる。なお、後者の場合、窒素酸化物分解触媒における前記複合金属酸化物の含有量は、窒素酸化物分解触媒の全質量100質量%に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、97質量%以上であることが特に好ましい。このような窒素酸化物分解触媒における複合金属酸化物の含有量が前記下限未満では、本発明の効果が十分に得られない傾向にある。
【0029】
このような窒素酸化物分解触媒の比表面積としては、特に制限されないが、より十分に高い窒素酸化物分解活性が得られるという観点から、2m/g以上が好ましく、3m/g以上がより好ましく、5〜100m/gが特に好ましい。なお、このような比表面積は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。また、このようなBET比表面積は、市販の装置を利用して求めることができる。
【0030】
また、このような窒素酸化物分解触媒の粒子径としては、より十分に高い窒素酸化物分解活性が得られるという観点から、平均粒子径が0.005〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.005〜0.1μmがより好ましい。なお、このような平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察、走査型電子顕微鏡写真(SEM)観察、電子線マイクロアナライザー(EPMA)観察等により測定することができる。
【0031】
また、本発明の窒素酸化物分解触媒の形態としては、特に制限されないが、例えば、目的とする触媒の用途等に応じたハニカム形態、ペレット形態等が挙げられ、前記窒素酸化物分解触媒をそのような形態に成形しても、或いは基材に前記窒素酸化物分解触媒を固定せしめてもよい。このような基材としては、特に制限されないが、目的とする触媒の用途等に応じて適宜選択されるが、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等をより好適に用いることができる。更に、このような基材の材料も特に制限されないが、コージェライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材をより好適に用いることができる。また、このような基材を用いる場合において、前記窒素酸化物分解触媒を前記基材に固定する方法としては、例えば、基材に前記窒素酸化物分解触媒の粉末をウォッシュコート法等の方法でコートして前記窒素酸化物分解触媒からなるコート層を基材の表面に形成せしめる方法を採用することができる。
【0032】
また、前記窒素酸化物分解触媒を基材に固定せしめた形態とする場合、基材容量1L当たりの前記窒素酸化物分解触媒の量としては、得られる触媒において十分な触媒活性が得られ、かつ圧損上昇やコート層剥離が抑制できるという観点から、金属酸化物換算で50〜400g/L程度であることが好ましい。
【0033】
また、本発明の窒素酸化物分解触媒は、他の触媒と組み合わせて利用してもよい。このような他の触媒としては、特に制限されず、公知の触媒(例えば、自動車の排ガス浄化用触媒の場合は、三元触媒、酸化触媒、NOx還元触媒、NOx吸蔵還元型(NSR触媒)、HC選択酸化触媒等)を適宜用いてもよい。
【0034】
[窒素酸化物分解触媒の製造方法]
次に、本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法を説明する。本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法は、セリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液を調製する工程(原料溶液調製工程)と、前記原料溶液に塩基を添加してセリウムとニオブとを含有する沈殿物を生成させる工程(沈殿工程)と、前記原料溶液中の前記沈殿物を120〜180℃の範囲内の温度で熟成させる工程(熟成工程)と、前記熟成後に前記沈殿物を不活性雰囲気中又は還元雰囲気中で700〜900℃の範囲内の温度で焼成することにより前記本発明の窒素酸化物分解触媒を得る工程(焼成工程)と、を含むことを特徴とする方法である。このような方法により、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒を製造することができる。
【0035】
(原料溶液調製工程)
本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法においては、先ず、セリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液を調製する(原料溶液調製工程)。
【0036】
このような本発明の製造方法にかかる原料溶液調製工程において用いるセリウム塩としては、特に制限されないが、例えば、硝酸セリウム(III)・6水和物、酢酸セリウム(III)、硫酸セリウム(III)・8水和物、しゅう酸セリウム(III)、塩化セリウム(III)が挙げられ、中でも、水への溶解性の高さという観点から、硝酸セリウム(III)・6水和物、塩化セリウム(III)が好ましい。
【0037】
また、このような本発明の製造方法にかかる原料溶液調製工程において用いるニオブ塩としては、特に制限されないが、例えば、塩化ニオブ、しゅう酸ニオブ、しゅう酸ニオブアンモニウムが挙げられ、中でも、水への溶解性の高さという観点から、塩化ニオブ、しゅう酸ニオブが好ましい。
【0038】
また、このような本発明の原料溶液調製工程におけるセリウム塩とニオブ塩とを含有する原料溶液を調製する方法としては、特に制限されないが、例えば、前記セリウム塩と前記ニオブ塩とを溶媒(好ましくはイオン交換水、蒸留水等の水)に溶解せしめて原料溶液を得る。なお、このような原料溶液の濃度としては、特に制限されないが、含有される金属塩の合計濃度が0.05〜1.0mol/L程度であることが好ましい。また、このような原料溶液としては、前記セリウム塩と前記ニオブ塩の含有比率が、モル比([セリウムのモル数]:[ニオブのモル数])で5:3〜3:5であることが好ましく、4:3〜3:4であることがより好ましい。このようなモル比が前記下限未満では目的とする複酸化物が形成されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると目的とする複酸化物が形成されない傾向にある。
【0039】
(沈殿工程)
次に、本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法においては、前記原料溶液に塩基を添加してセリウムとニオブとを含有する沈殿物を生成させる(沈殿工程)。
【0040】
このような本発明の製造方法にかかる沈殿工程において用いる塩基としては、特に制限されないが、例えば、アンモニア、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウムが挙げられ、中でも、不純物の低減という観点から、アンモニアが好ましい。
【0041】
このような沈殿工程においては、前記原料溶液のpHを7〜10(より好ましくは8〜9)に調整してセリウムとニオブとを含有する酸化物又は水酸化物等の沈殿物を生成させることが好ましい。その際、不純物の低減という観点からアンモニアの存在下で前記沈殿物を生成せしめることが好ましい。
【0042】
(熟成工程)
次いで、本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法においては、前記原料溶液中の前記沈殿物を120〜180℃の範囲内の温度で熟成させる(熟成工程)。
【0043】
このような本発明の製造方法にかかる熟成工程において、前記沈殿物を熟成させる際の条件としては、温度は120〜180℃であることが必要であり、110〜160℃であることがより好ましく、120〜150℃であることが特に好ましい。熟成温度が前記下限未満では沈殿物の熟成が十分に進行しない傾向にあり、他方、前記上限を超えると沈殿物の結晶化が進むために比表面積が小さくなる傾向にある。また、前記沈殿物を熟成させる時間は、特に制限されないが、例えば、2〜72時間であることが好ましく、3〜50時間であることがより好ましい。熟成時間が前記下限未満では沈殿物の熟成が十分に進行しない傾向にあり、他方、前記上限を超えても平衡状態となり反応がそれ以上進行しなくなる傾向にある。
【0044】
(焼成工程)
次に、本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法においては、前記熟成後に前記沈殿物を不活性雰囲気中又は還元雰囲気中で700〜900℃の範囲内の温度で焼成することにより前記本発明の窒素酸化物分解触媒を得る(焼成工程)。
【0045】
このような本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法にかかる焼成工程においては、前記熟成後に前記沈殿物の焼成を、不活性雰囲気中又は還元雰囲気中で行うことが必要である。
【0046】
前記不活性雰囲気としては、活性ガス濃度が0.1容量%以下であることが好ましく、0.01容量%以下であることがより好ましい。このような不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスの雰囲気が挙げられる。
【0047】
また、前記還元雰囲気としては、還元性ガス濃度が0.1容量%以上にあることが好ましく、0.1〜10容量%にあることがより好ましい。このような還元性ガスとしては、水素、一酸化炭素、炭化水素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0048】
更に、このような焼成工程における雰囲気としては、1〜5容量%の水素(H)ガスであることが好ましい。
【0049】
また、このような本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法にかかる焼成工程においては、前記熟成後に前記沈殿物を700〜900℃の範囲内の温度で焼成せしめることが必要である。前記焼成温度が、前記下限未満では、焼成が十分に達成されず、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒が得られず、他方、上限を超えると、複酸化物の比表面積が低下するという問題がある。このような焼成温度は、より高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒を得るという観点から、750〜850℃の範囲内の温度であることがより好ましい。また、焼成(加熱)時間としては、前記焼成温度により異なるものであるため一概には言えないが、0.5〜20時間であることが好ましく、1〜10時間であることがより好ましい。
【0050】
更に、前記熟成後に前記沈殿物を焼成して前記担体を得るが、その際に、前記沈殿物を必要に応じて濾過、洗浄した後に乾燥し、更に焼成することが好ましい。このような洗浄方法としては、特に制限されないが、例えば、イオン交換水を用いて数回洗浄する方法等が適宜採用される。また、乾燥方法としては、特に制限されないが、一般的に80〜150℃で1〜48時間程度の乾燥条件が適宜採用される。
【0051】
以上、本発明の窒素酸化物分解触媒の製造方法の好適な実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではない。
【0052】
[窒素酸化物の分解方法]
次に、上記本発明の窒素酸化物分解触媒を用いて窒素酸化物含有ガスを分解する本発明の方法について説明する。
【0053】
本発明の窒素酸化物の分解方法は、窒素酸化物含有ガスを前記本発明の窒素酸化物分解触媒に接触させて窒素酸化物を分解せしめることを特徴とする方法である。
【0054】
本発明にかかる窒素酸化物含有ガスとしては、一酸化窒素及び二酸化窒素等の窒素酸化物を含有しているガスであればよく、特に制限されないが、例えば、燃焼炉や自動車などから排出される燃焼排ガスや、加熱装置や化学プラントなどから排出される各種産業排ガスなどが挙げられる。なお、このような窒素酸化物含有ガスとしては、二酸化窒素の生成の点から、酸素の濃度は1%以上であることが好ましい。また、このような本発明の窒素酸化物の分解方法においては、窒素酸化物含有ガスを前記本発明の窒素酸化物分解触媒に接触せしめる際の温度条件は、250〜600℃であることが好ましい。このような窒素酸化物含有ガスと窒素酸化物分解触媒の接触温度が前記下限未満では、窒素酸化物含有ガスを十分に分解できない傾向にある。他方、前記上限を超えると、活性点であるNbやCeが粗大化する傾向にある。
【実施例】
【0055】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0056】
(実施例1)
300mlのイオン交換水に塩化ニオブ(和光純薬工業社製)を4.73g、硝酸セリウム(III)・6水和物(和光純薬工業社製)を7.60g溶解させ、得られた原料溶液に25%アンモニア水溶液を溶液のpHが8.0となるまで撹絆しながら滴下して沈殿物を得た。次いで、原料溶液を150℃にて48時間維持して原料溶液中の沈殿物を熟成させた後、得られた沈殿物をイオン交換水で4回洗浄し、120℃にて12時間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物を5.0g秤量し、H(5%)/N雰囲気中、800℃の温度条件で5時間焼成せしめることによってセリウムニオブ複酸化物を主成分として含有する複合金属酸化物からなる窒素酸化物分解触媒を得た。
【0057】
(比較例1)
300mlのイオン交換水に塩化ニオブ(和光純薬工業社製)を4.73g、硝酸セリウム(III)・6水和物(和光純薬工業社製)を7.60g溶解させ、得られた原料溶液に25%アンモニア水溶液を溶液のpHが8.0となるまで撹絆しながら滴下して沈殿物を得た。次に、原料溶液を150℃にて48時間維持して原料溶液中の沈殿物を熟成させた後、得られた沈殿物をイオン交換水で4回洗浄し、120℃にて12時間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物を5.0g秤量し、大気中、550℃の温度条件で5時間焼成せしめることによって比較用触媒を得た。
【0058】
(比較例2)
300mlのイオン交換水に塩化ニオブ(和光純薬工業社製)を4.73g、硝酸セリウム(III)・6水和物(和光純薬工業社製)を7.60g溶解させ、得られた原料溶液に25%アンモニア水溶液を溶液のpHが8.0となるまで撹絆しながら滴下して沈殿物を得た。次に、得られた沈殿物をイオン交換水で4回洗浄し、120℃にて12時間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物を5.0g秤量し、大気中、550℃の温度条件で5時間焼成せしめることによって比較用触媒を得た。
【0059】
(比較例3)
300mlのイオン交換水にしゅう酸ニオブ(三津和化学薬品社製)を15.6g溶解させた後、酸化セリウム(関東化学社製、商品名「CeO」NanoTek(登録商標))を10.0g添加して水分を蒸発させた。得られた沈殿物を120℃にて12時間乾燥した。その後、乾燥した沈殿物を5.0g秤量し、大気中、550℃の温度条件で5時間焼成せしめることによって比較用触媒を得た。
【0060】
なお、実施例1及び比較例1〜3における、原料溶液のセリウム源及びニオブ源、沈殿工程において得られた沈殿物、熟成工程のおける条件(温度及び時間)、及び、焼成工程における条件(温度、時間及び雰囲気)を、表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
<耐久試験>
実施例1及び比較例1〜3で得られた触媒に対して、大気中、750℃の温度条件で24時間熱処理を施し、耐久試験を行った。
【0063】
<X線回折(XRD)の測定>
実施例1及び比較例1〜3で得られた耐久試験後の触媒に対して、以下のようにして、XRD(X線回折法:X−ray diffraction)により、各触媒のX線回折パターンを測定し、ピーク面積比率を測定した。
【0064】
すなわち、先ず、前記触媒をめのう乳鉢を用いて粉砕し粉末化した。次いで、得られた触媒約100mgを触媒試料として同一形状のサンプルホルダーを用いて試料量が一定となるようにし、X線回折装置((株)リガク社製、UltimaIV)に設置した。
【0065】
<測定条件>
X線源:Cu−Kα線(λ=0.15418nm)
出力設定:40kV×50mA
測定時光学条件:
発散スリット=1°
散乱スリット=1°
受光スリット=0.2mm
回折ピークの位置:2θ(回折角)
測定範囲:2θ=10〜70度
走査速度:10度/分
測定方法:連続。
【0066】
実施例1及び比較例1〜3で得られた触媒のXRD測定結果(XRDスペクトル)を図1に示す。図1は、耐久試験後の実施例1及び比較例1〜3で得られた触媒のX線回折パターンを示すグラフである。
【0067】
また、実施例1及び比較例1〜3で得られた触媒の、X線回折測定により得られるCuKα線を用いたX線回折パターンから求められる、2θが25.0以上30.0°以下の間の回折ピークのピーク面積の合計(B)に対する、2θが25.0以上30.0°以下の間の回折ピークにおける組成式:CeNbOx(式中、xは3.95以上4.3以下の数を示す。)のピーク面積の合計(A)の比率(A/B)の値を表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
<XRD測定結果>
図1に示した結果から明らかなとおり、実施例1の窒素酸化物分解触媒のX線回折測定により得られるCuKα線を用いたX線回折パターン(XRDスペクトル)においては、2θ=27.568°及び2θ=29.170°にセリウムニオブ複酸化物CeNbO4.00の回折ピークが存在しており、この2つの回折ピークはセリウムニオブ複酸化物CeNbO4.00の(−121)面に帰属するものであることが確認された。また、2θ=28.32°付近に酸化セリウムの回折ピークの存在が確認された。
【0070】
また、比較例1〜3で得られた触媒のX線回折パターンにおいては、いずれも2θ=28.555°に酸化セリウム(CeO)の回折ピークが存在しており、この回折ピークは酸化セリウム(CeO)の(111)面に帰属するものであることが確認された。
【0071】
更に、表2に示した結果から明らかなとおり、実施例1の窒素酸化物分解触媒のピーク面積比率が0.80であるのに対し、比較例1〜3で得られた比較用触媒のピーク面積比率はいずれも0.00であることが確認された。
【0072】
<NOx浄化活性の評価>
実施例1及び比較例1〜3で得られた耐久試験後の触媒に対して、NOx浄化率を以下の方法により測定した。
【0073】
すなわち、先ず、前記触媒を1000kgf/cmで圧粉成型し、破砕、整粒して直径0.5〜1.0mmのペレット化した。次いで、得られた触媒1.0gを触媒試料として常圧固定床流通型反応装置(大倉理研社製、TP−5000)に設置した。
【0074】
次に、O(10質量%)、NO(440ppm)、NH(500ppm)、CO(10質量%)、HO(10質量%)、N(残部)からなるリーンガスを5リットル/分のガス流量で供給し、触媒入りガス温度が350℃となるように調整した。その後、触媒入りガス温度を350℃に10分間保持しつつ、定常状態における触媒入りガス及び触媒出ガス中のNOx濃度を測定し、それらの測定値からNOx浄化率(%)を算出した。得られた結果を図2及び表2に示す。図2は、実施例1の窒素酸化物分解触媒及び比較例1〜3で得られた比較用触媒のNOx浄化活性測定試験の結果を示すグラフである。
【0075】
<NOx浄化活性の評価>
図2に示した実施例1の結果と比較例1〜3の結果との比較から明らかなように、実施例1の窒素酸化物分解触媒は、比較例1〜3の比較用触媒よりもNOx浄化率が向上しており、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒が得られていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上説明したように、本発明によれば、十分に高い窒素酸化物分解活性を有する窒素酸化物分解触媒を提供することが可能となる。
したがって、本発明の窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法は、ディーゼルエンジンや燃料消費率の低い希薄燃焼式(リーンバーン)エンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物含有ガスを浄化するための窒素酸化物分解触媒、その製造方法、及びそれを用いた窒素酸化物の分解方法として特に有用である。
図1
図2