【実施例】
【0009】
図1から
図3までを合わせて参照されたい。
図1は本発明の第1の実施方式における発光システムの立体状態図であり、
図2および
図3はそれぞれ本発明の第1の実施方式における発光システムの立体分解図である。発光システム1は平面(図示せず)に向かって光束を投射する。発光システム1は発光素子18および照明角度調整装置(付番せず)を含み、照明角度調整装置は光束の照明角度(または光の形という)を変化させる。照明角度調整装置は、平面と発光素子18との間に位置し、さらに光束の伝達経路上に位置する。照明角度調整装置は、鏡筒10、支持台12、第1のレンズ16、および第2のレンズ14を含む。
【0010】
鏡筒10の外観は軸対称の円筒状を呈し、鏡筒10は収容空間100と、収容空間100の2つの相反する側に位置し、収容空間100とつながる上開口102(
図2に示す)および下開口104(
図3に示す)とを含む。
【0011】
鏡筒10の内筒壁106に、特定方向に沿って延伸するスロット108が形成され、スロット108は鏡筒10の内筒壁106から外筒壁110の方向に向かってくぼむ。スロット108の数量は1個または数個でよく、スロット108の数量が数個であるとき、それらの間は等間隔で配列する。本実施方式において、鏡筒10は2つのスロット108を有しており、これを説明の例とする。この2つのスロット108は向かい合わせて設置され、スロット108の側断面はおおよそ矩形を呈し、スロット108は鏡筒10の上開口102から直線状に下開口104に延伸する。他に、鏡筒10の内筒壁106に反射層(図示せず)を塗設することができ、そこにある光線を反射、伝達する。
【0012】
支持台12はおおよそ円形を呈し、その外壁面120にストッパ122が突設される。実施方式において、ストッパ122の側断面はスロット108に対応し、おおよそ矩形を呈する。支持台12の高度は鏡筒10の高度より小さい。支持台12は収容空間100に位置し、ストッパ122はスロット108中に対応して嵌入される。支持台12は、外力を受けて動くとき、収容空間100内で往復運動することができ、本実施例において、支持台12は収容空間100中で上開口102または下開口104の方向に向かって移動することができる。
【0013】
支持台12における上開口102に面する側に、設置部126および固定部128が形成される(
図2に示す)。固定部128は支持台12の上表面1200に形成され、さらに支持台12の下表面1202の方向に向かってくぼみ、設置部126は固定部128の中央部分から下表面1202の方向に向かってくぼむ。設置部126の高度は固定部128の高度より大きい。このうち、外壁面120は上表面1200および下表面1202に隣接する。
【0014】
設置部126に貫通孔124および複数の透過孔125が形成され、本実施例において、貫通孔124は円形孔を説明の例とする。その設置位置はちょうど支持台12の中央部分であるが、実際に実施する時はこれに限定されない。
【0015】
図4を参照されたい。第2のレンズ14は上開口102を密封する。本実施方式において、第2のレンズ14はフレネルレンズ(Fresnel lens)であり、このうち、フレネルレンズは発光システム1の体積および重量を低減する特徴を有する。本実施方式において、第2のレンズ14は単に1枚のレンズ素子であるが、実際に実施する時、第2のレンズ14は光学システム1の光学性能に対する需要に基づいて、複数枚のレンズ素子で構成することができることを説明する。
【0016】
第1のレンズ16は支持台12に設置される。本実施方式において、第1のレンズ16は入光部160および出光部162を含み、出光部162は入光部160に接続される。出光部162の外径は入光部160の外径より大きく、入光部160の外径は出光部162から離れるのに伴って逓減し、入光部160における出光部162に隣接する部分の反対にくぼみ164が形成される。本実施方式において、入光部160は円盤状を呈し、入光部160は截頭円錐状を呈する。出光部162の外縁は固定部128に設置され、入光部160は支持台12における第2のレンズ14と反対側に位置する。本実施方式において、第1のレンズ16は単に1枚のレンズ素子であるが、実際に実施する時、第1のレンズ16は光学システム1の光学性能に対する需要に基づいて、複数枚のレンズ素子で構成することができることを説明する。
【0017】
発光素子18は設置部126に位置し、さらにくぼみ164の下方にある対応位置に設置し、発光素子18は光源を提供する。発光システム1は回路基板19を含んでもよく、設置部126に設置される。回路基板19は発光素子18を支持し、さらに発光素子18の操作時に必要な電力を伝送する。ここで、回路基板19は複数の導線(図示せず)により外部の電源供給器に接続することができ、前記導線は貫通孔124または透過孔125を通過して開路基板19と電気的に接続することができることを説明する。
【0018】
実際に使用する時、発光素子18が放射する光線は、くぼみ164から第1のレンズ16に進入する。第1のレンズ16に進入する部分的な光線は出光部162に直接伝達され、さらに出光部162から放射される。その他の部分的な光線は入光部160で全反射が生じてから出光部162に伝達され、さらに出光部162から放射される。出光部162から放射された光線は、続いて第2のレンズ14に伝達され、さらに第2のレンズ14から発光システム1外に伝達される。
【0019】
実際に操作する時、収容空間100中における支持台12および第1のレンズ16の相対位置を変化させる(すなわち、第2のレンズ14の第1のレンズ16に対する距離を変化させる)ことにより、発光システム1の焦点距離を変化させることができ、さらには発光システム1が放射する光線の光の形を変化させる。本発明の発光システム1は、懐中電灯または室内外用スポットライトなどに応用することができる。
【0020】
図5を合わせて参照されたい。発光システム1の照明角度調整装置は駆動要素20を含むこともでき、駆動要素20は使用者が手動で第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を移動させることができる。あるいは、駆動要素20は自動制御システムに接続することができ、自動制御システムの制御により、第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を調整する。このうち、自動制御システムは発光システム1に取り付けることができるか、または自動制御システムはネットワーク(例えばローカルエリアネットワークまたはインターネット)により、発光システム1の照明角度を変化させることができる。
【0021】
本実施方式において、駆動要素20は台座200、スクリュ202、およびモータ204を含む。台座200は平面部206および螺着部208を含み、平面部206は支持台12の底部に当接し、螺着部208は平面部206の中央部分に接続され、台座200の側断面はおおよそT字形を呈する。スクリュ202の一端はモータ204に接続され、もう一端は螺着部208に対応して螺合される。モータ204は鏡筒10の収容空間100の中に取り付けられる。
【0022】
モータ204が回転すると、スクリュ202も回転する。スクリュ202が回転すると、螺着部208をねじによって上げたり下げたりし、さらには平面部206と接続される支持台12が上下に移動する。これにより、第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を変化させることができ、発光システム1の照明角度を変化させる。
【0023】
また、発光システム1は無線制御モジュールも含むことができ、例えば赤外線制御モジュール、ブルートゥース制御モジュール、無線周波数認識(RFID)モジュールまたはZigbeeモジュールである。これにより、使用者は遠隔端末で遠隔操作により、第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を変化させることができ、発光システム1を調整する機能を達成する。前記無線制御モジュールは、例えば無線受信機3および無線送信機(図示せず)を含むことができ、無線受信機3は発光システム1の鏡筒10内に取り付けられ、さらにモータ204と電気的に接続される。無線受信機3が無線送信機の送信した信号を受信すると、駆動要素20を移動させることができ、これにより第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を調整し、発光システム1の照明角度を変化させる。
【0024】
図6および
図7を合わせて参照されたい。
図6および
図7は、それぞれ本発明の第2の実施方式における発光システムの断面図である。本実施方式の発光システム1bは、前記第1の実施方式の発光システム1に類似しており、さらに同じ素子は同じ符号で表示する。本実施方式の発光システム1bおよび第1の実施方式の発光システム1の違いは、照明角度調整装置の鏡筒10b、支持台12b、および駆動要素20bにある。
【0025】
本実施方式において、鏡筒10bの内壁面108bは平滑面であり、つまり、鏡筒10bの内壁面108bにスロットが形成されておらず、さらに、支持台12bの外壁面にも第1の実施方式のようなストッパが形成されていない。これにより、支持台12bは収容空間100b中で上下方向に往復運動することができる以外に、さらに収容空間100b中で回転することもできる。
【0026】
駆動要素20bは台座200b、連接棒202b、およびモータ204bを含む。台座200bは平面部206bおよび接続部208bを含み、平面部206bは支持台12bの底部に当接し、接続部208bは平面部206bの中央部分に接続され、台座200bの側断面はおおよそT字形を呈する。連接棒202bの一端はモータ204bに接続され、もう一端は接続部208bに接続される。
【0027】
モータ204bが起動すると、連接棒202bも回転および移動する。連接棒202bが回転および移動すると、それと同時に平面部206bに接続される支持台12bが上下に移動および回転する。このようにすると、第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を変化させることができ、発光システム1bの焦点距離を変化させ、さらには発光システム1bの照明角度を変化させる。
【0028】
この他、モータ204bはネットワーク(ローカルエリアネットワークまたはインターネット)の制御により起動することができる。あるいはモータ204bは、無線受信機に電気的に接続することもでき、無線受信機3が無線信号を受信すると起動し、さらに第1のレンズ16と第2のレンズ14との間の距離を調整する。
【0029】
図8および
図9を合わせて参照されたい。
図8および
図9は、それぞれ本発明の第3の実施方式における発光システムの立体分解図および断面図である。発光システム3はある平面(図示せず)に向かって光束を投射する。発光システム3は照明角度調整装置(付番せず)および発光素子38を含み、照明角度調整装置は平面と発光素子38との間に位置し、さらに光束の伝達経路上に位置する。照明角度調整装置は、光束の照明角度を変化させる。
【0030】
照明角度調整装置は、鏡筒30、支持台32、第1のレンズ36、第2のレンズ34、駆動要素40および放熱要素42を含む。鏡筒30の外観は軸対称の円筒状を呈し、鏡筒30は収容空間300と、収容空間300の2つの相反する側に位置し、収容空間300とつながる上開口302および下開口304とを含む。鏡筒30の内筒壁306に反射層(図示せず)を塗設することができ、そこの光線に反射、伝達される。
【0031】
固定アーム320は、第1のレンズ36を発光素子38上に据え付ける。駆動要素40が稼働するとき、駆動要素40の連接棒404は該第1のレンズ36を収容空間300中で第2のレンズ34に対して往復運動させることができる。
【0032】
第2のレンズ34は上開口302を密封し、第2のレンズ34の底面342に複数のマイクロレンズ344が形成され、前記マイクロレンズ344は同心円状に分布する。このうち、マイクロレンズ344は正レンズまたは負レンズでよい。
【0033】
第1のレンズ36は支持台32に設置され、本実施方式において、第1のレンズ36は入光部360および出光部362を含む。出光部362の外径は入光部360の外径より大きく、入光部360の外径は出光部362から離れるのに伴って逓減し、入光部360における出光部362に隣接する部分の反対に、複数の導光領域3600およびくぼみ3602が形成される。
【0034】
出光部362は円盤状を呈し、第2のレンズ34に近い表面に複数の2次レンズ363が形成され、前記2次レンズ363はマイクロレンズ344に対応して同心円状に配列する。マイクロレンズ344が負レンズであるとき、2次レンズ363は正レンズであり、さらに第1のレンズ36と第2のレンズ34との距離がゼロのとき、前記2次レンズ363はマイクロレンズ344に組み合わさることができる。同じ道理で、マイクロレンズ344が正レンズであるとき、2次レンズ363は負レンズであり、さらに第1のレンズ36と第2のレンズ34の距離がゼロであるとき、前記2次レンズ363はマイクロレンズ344に組み合わさることができる。当然、マイクロレンズ344および2次レンズ363は、同時に正レンズまたは負レンズであってもよい。
【0035】
くぼみ3602は入光部360の底端(すなわち支持台32に近い部分)の中央部分に位置する。導光領域3600はくぼみ3602を同心円状に取り囲み、全反射の原理によりそこの光線に反射、伝達して、発光素子38が放射する光線の伝達方向を変化させ、光線を出光部362の方向に向かって伝達することができる。
【0036】
支持台32は複数の固定アーム320を含み、本実施方式において、支持台32は3個の等間隔で分布する固定アーム320を含み、これを説明の例とする。固定アーム320の頂点に支持部322およびストッパ要素323を有し、支持部322およびストッパ要素323は、第1のレンズ36の出光部362の辺縁を組み合わさって挟持する。これにより、モータ402が稼働するとき、第1のレンズ36は収容空間300中で第2のレンズ34に移動することができる。
【0037】
放熱要素42は柱体420を含み、柱体420の外壁面(図示せず)に発散状のフィン424が形成される。放熱要素は駆動要素40と第2のレンズ34との間に位置し、支持台32の固定アーム320はフィン424の間の開口を通過して、第1のレンズ36を放熱要素42上に据え付ける。
【0038】
発光システム3は回路基板44を含むこともでき、回路基板44は柱体420の上面に設置される。回路基板44は発光素子38を支持し、発光素子38に操作時の電力を伝達する。
【0039】
駆動要素40は台座400、モータ402、および連接棒404を含む。モータ402は台座400中に設置され、連接棒404の一端はモータ402に接続され、もう一端は支持台32に接続される。モータが起動すると、該連接棒404は支持台32を一次元方向に往復運動させ、これにより該第1のレンズ36と第2のレンズ34との間の距離を変化させる。
【0040】
発光システム3は無線制御モジュールを含むこともでき、例えば赤外線制御モジュールまたはブルートゥース制御モジュールまたはZigbeeモジュールである。これにより、使用者は遠隔端末で遠隔操作により、モータ402の操作状態を制御することができ、さらには第1のレンズ36と第2のレンズ34との間の距離を変化させて、発光システム3の光の形を調整する。固定アーム320が移動するとき、放熱要素42により内部空間が制限され、移動範囲が上限または下限に達すると、モータ402が停止する。さらには制御モジュールが異常な電圧電流を検出すると、モータ402の回転を停止し、操作が適当でないための破損を防止する。
【0041】
他に、本実施方式の発光システムは第2のレンズ34を含まなくてもよい。言い換えると、照明角度調整装置が第1のレンズ36と発光素子38との間の距離を変化させることにより、発光システム3の光の形を調整する効果を達成することもできる。
図11に示すのは、第1のレンズ36の底縁と回路基板44の下表面とが重なるときの光の形の配光曲線である。
図11から、第1のレンズ36が発光素子38に近づくにつれ、大部分の光線はより中心に近い導光領域3600およびくぼみ3602を通過することができるため、第1のレンズ36を通過する光線の発散角度は約49度となることがわかる。レンズ36が発光素子38に接近するとき、光線は各導光領域3600およびくぼみ3602から全反射部360に屈折および全反射され、光線が不均一に分布して、ゴーストが生じる。したがって、反射リング(Reflection Baffle)39を追加して、角度の大きい迷光現象を改善することができる。このうち反射リング39は発光素子38を取り囲み、くぼみ3602に対応して設置される。
【0042】
図12に示すのは、第1のレンズ36の底縁と回路基板44の下表面との距離が2.8ミリメートルのときの光の形の配光曲線である。
図12から、第1のレンズ36および発光素子38の距離が最小角度に達するとき、光線は各導光領域3600およびくぼみ3602に分布し、なおかつ全反射部360が角度の分布範囲を制御するため、第1のレンズ36を通過する光線の発散角度は約15.5度となることがわかる。
図11および
図12の配光曲線から、第1のレンズ36の底縁から回路基板44の下表面までの距離が増加するとき、第1のレンズ36の光線は光軸方向に次第に集まることがわかる。
【0043】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、当然本発明の実施範囲を限定することはできない。本発明の特許請求の範囲に基づいて行う均等変化および修飾などは、いずれも本発明の包含する範囲で保護される範疇に属するべきである。