(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1解像度の原画像の階調値を画素ごとに示す画像データを第2解像度へ高解像度化する際に、前記原画像内のオブジェクトの種別を画素ごとに示す属性データを前記第2解像度へ高解像度化し、前記属性データの高解像度化の際、前記第1解像度の前記属性データにおいて、注目画素において所定属性値の段差を形成する所定の属性値パターンを検出した場合、前記属性値パターンに対応するエッジラインを特定し、前記エッジラインが通る位置に応じて、前記注目画素に対応する前記第2解像度の画素についての前記属性データのマルチビット値を決定する属性解像度変換部と、
前記原画像の画像データを前記第2解像度へ高解像度化する際、前記第2解像度の画素の周辺に存在する前記第1解像度の最近傍4画素について、(a)前記最近傍4画素の属性データの値に応じて、前記最近傍4画素のうち、前記所定属性値を有する画素の階調値に基づいて得られる値で、前記所定属性値を有さない画素の階調値を置き換えて第1補正画像データを生成し、(b)前記最近傍4画素の属性データの値に応じて、前記最近傍4画素のうち、前記所定属性値を有さない画素の階調値に基づいて得られる値で、前記所定属性値を有する画素の階調値を置き換えて第2補正画像データを生成し、(c)前記第1補正画像データから所定の補間法で、前記第2解像度の画素の第1階調値を導出し、(d)前記第2補正画像データから前記所定の補間法で、前記第2解像度の画素の第2階調値を導出する画像解像度変換部と、
前記第2解像度の画素ごとに、前記属性データのマルチビット値に基づいて、前記第1階調値と前記第2階調値とを混合して得られる値を、その第2解像度の画素の階調値とする補間値導出部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
前記エッジラインが、前記第2解像度の画素の中心から前記第2解像度の画素の幅の2分の1の範囲を通る場合、前記属性データのマルチビット値は、主走査方向および副走査方向の一方における前記第2解像度の画素中心における、主走査方向および副走査方向の他方における前記第2解像度の画素の端と前記エッジラインとの間の距離と、主走査方向または副走査方向の前記他方における前記第2解像度の画素の幅との比を示す中間値であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す画像形成装置1は、複合機である。ただし、画像形成装置1は、コピー機などでもよい。
【0018】
この画像形成装置1は、印刷装置11と、画像読取装置12と、ファクシミリ装置13と、画像処理装置14とを備える。
【0019】
印刷装置11は、ラスター画像データに基づいて原稿画像を印刷する内部装置である。印刷装置11は、例えば、画像処理装置14により拡大処理された画像データに基づいて原稿画像を印刷する。
【0020】
画像読取装置12は、イメージセンサーで原稿から原稿画像を光学的に読み取り、原稿画像の画像データを生成する内部装置である。
【0021】
ファクシミリ装置13は、送信すべき原稿画像の画像データからファクシミリ信号を生成し所定の通信路を介して送信するとともに、ファクシミリ信号を所定の通信路を介して受信し画像データに変換する内部装置である。
【0022】
画像処理装置14は、画像読取装置12、ファクシミリ装置13などで生成された画像データに対して拡大処理などの画像処理を行う。なお、画像の拡大は、画像の解像度の増加と同義である。
【0023】
画像処理装置14は、演算処理装置21と記憶装置22とを有する。演算処理装置21は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やマイクロコンピューターで実現され、各種処理部を実現する。記憶装置22は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置である。
【0024】
演算処理装置21は、処理部として、制御部31、画素属性判定部32、エッジ検出部33、属性解像度変換部34、画像解像度変換部35、および補間値導出部36を実現する。演算処理装置21は、図示せぬメモリーを有し、そのメモリーに、解像度変換前の画像データおよび属性データ、解像度変換後の画像データおよび属性データなどを記憶する。また、記憶装置22は、パターンデータ41を予め記憶している。
【0025】
図2は、
図1における画像処理装置14におけるデータフローを説明する図である。
【0026】
制御部31は、印刷装置11、画像読取装置12、およびファクシミリ装置13を制御するとともに、画素属性判定部32、エッジ検出33、属性解像度変換部34、画像解像度変換部35、および補間値導出部36を制御する。
【0027】
例えば、制御部31は、画像読取装置12により得られた原稿画像のラスター画像データである入力画像データを取得し、画素属性判定部32、エッジ検出33、属性解像度変換部34、画像解像度変換部35、および補間値導出部36を制御して、入力画像データを高解像度化する。
【0028】
画素属性判定部32は、その画像データの画像内のオブジェクト(ここでは、文字および線画部、およびそれ以外)の種別を画素ごとに示す属性データを生成する。なお、画像内のオブジェクトの抽出は、公知の技術によって行われる。
【0029】
図3は、画像データと属性データとの関係を説明する図である。画素属性判定部32により生成される属性データは、画像データの解像度と同一の解像度で各画素について、その画素の属性を示す値(以下、属性値という)を有する。例えば、
図3に示すように、文字および線画部分61に属する画素の属性値は1とされ、階調部分62および背景部分に属する画素の属性値は0とされる。
【0030】
なお、この実施の形態では、この画像データは、カラー画像の画像データであって、そのカラー画像の複数の色成分のそれぞれの階調値を画素ごとに示し、また、属性データは、その複数の色成分に対して共通である。
【0031】
また、エッジ検出部33は、属性データにおいて、第1画素値(文字および線画部分を示す1)についての段差を形成する段差画素を検出する。
【0032】
ここでは、段差は、値1の2本のエッジが横(主走査方向)または縦(副走査方向)に1画素だけずれて接している箇所のことである。
【0033】
エッジ検出部33は、パターンデータ41における属性値パターンを、段差画素の検出に使用する。パターンデータ41は、属性データにおいて段差画素から直線的に連続し同一の画素値を有する画素の数(以下、段差長という)および段差の向きのそれぞれに対応する複数の属性値パターンを有する。
【0034】
図4は、本発明の実施の形態における1つの段差方向についての属性値パターンの例を示す図である。
【0035】
図4に示す属性値パターンは、拡大倍率(つまり、解像度の倍率)が4倍であるときに使用されるものであって、
図4(A)に示す属性値パターンは、段差長が1である属性値パターンであり、
図4(B)に示す属性値パターンは、段差長が2である属性値パターンであり、
図4(C)に示す属性値パターンは、段差長が3である属性値パターンであり、
図4(D)に示す属性値パターンは、段差長が4である属性値パターンである。
【0036】
図4において、黒い星のマークを付した画素101が注目画素とされ、黒い星のマークを付した画素101と黒い四角のマークを付した画素102とが同一の画素値を有し、白い星のマークを付した画素103と白い四角のマークを付した画素104とが同一の画素値を有し、黒い星および黒い四角のマークを付した画素101,102と、白い星および白い四角のマークを付した画素103,104とが互いに異なる画素値を有する。
【0037】
図4に示す属性値パターンは、
図4における黒色のマークの画素101,102の属性値が1であり、白色のマークの画素103,104の属性値が0である属性値パターンとして使用される。
【0038】
図5は、本発明の実施の形態における8つの方向#1〜#8についての属性値パターンの例を示す図である。
図5における方向#1の属性値パターンは、
図4に示す属性値パターンである。パターンマッチングでは、注目画素周辺の画素の属性値パターンが、これらの属性値パターンのそれぞれに一致するか否かが判定される。
【0039】
方向#1,#3,#5,#7の属性値パターンは、段差長が主走査方向に延びている。方向#1の属性値パターンと方向#3の属性値パターンでは、段差長が延びる方向が異なる。方向#5の属性値パターンと方向#7の属性値パターンでは、段差長が延びる方向が異なる。
【0040】
方向#2,#4,#6,#8の属性値パターンは、段差長が副走査方向に延びている。方向#2の属性値パターンと方向#6の属性値パターンでは、段差長が延びる方向が異なる。方向#4の属性値パターンと方向#8の属性値パターンでは、段差長が延びる方向が異なる。
【0041】
注目画素から所定の範囲内でこのような属性値パターンが検索され、各画素について、(a)その画素が段差画素であるか否か、(b)その画素が段差画素である場合の段差長、および(c)その画素が段差画素である場合の段差の向きがエッジ判定結果として特定される。
【0042】
また、属性解像度変換部34は、属性データを、元の解像度(第1解像度)より高い解像度(第2解像度)へ高解像度化する。このとき、高解像度化後の解像度は、画像データの高解像度化後の解像度と同一とされる。
【0043】
具体的には、属性解像度変換部34は、属性データの高解像度化の際、第1解像度の属性データ(上述の1ビット値)において、注目画素において所定属性値の段差を形成する所定の属性値パターンを検出した場合、属性値パターンに対応するエッジラインを特定し、エッジラインが通る位置に応じて、注目画素に対応する第2解像度の画素についての属性データのマルチビット値を決定する。
【0044】
ここでは、検出された属性値パターンに含まれるすべての画素(
図4および
図5に示す画素)のそれぞれに対応する第2解像度の画素については、以下のようにして、エッジラインに基づいて、第2解像度の属性データの値が決定される。なお、検出された属性値パターンに含まれる画素以外の画素に対応する第2解像度の画素については、ニアレストネイバー法などで第2解像度の属性データの値(1または0)が決定される。
【0045】
図6および
図7は、
図1における属性解像度変換部34によるエッジラインの特定について説明する図である。
図6(A)に示す段差長が4である属性値パターンの場合、
図6(B)に示すエッジラインが特定される。
【0046】
エッジラインは、第1解像度の画素座標系(x,y)における1次式として特定され、1次式における傾きは、段差長の逆数に設定され、1次式における切片は、検出された属性値パターンが連続すると仮定したときに、所定属性値(=1)を有する画素と所定属性値(=1)を有さない画素とを均等に切り分けるように設定される。
【0047】
なお、パターンデータ41において、各属性値パターンに対して、その属性値パターンについてのエッジラインの傾きおよび切片が関連付けられており、属性解像度変換部34は、パターンデータ41から、検出された属性値パターンについてのエッジラインの傾きと切片を読み出して使用する。
【0048】
図7に示すように、注目画素の主走査方向の幅をduxとし、注目画素の副走査方向の幅をduyとし、
図7に示す矩形の画素範囲の頂点を原点とすると、
図6(A)に示す段差長が4である段差の属性値パターンの切片は、duy/2となる。なお、注目画素の主走査方向の幅duxは、主走査方向の画素間隔と等しく注目画素の副走査方向の幅duyは、副走査方向の画素間隔と等しい。
【0049】
そして、属性解像度変換部34は、第1解像度での注目画素に対応する第2解像度の画素を特定し、その第2解像度の画素についての属性データの値を、エッジラインに基づいて特定する。
【0050】
図8は、
図1における属性解像度変換部34による第2解像度での属性データの値の特定について説明する図である。
【0051】
まず、属性解像度変換部34は、第1解像度での注目画素の範囲に画素中心が含まれる第2解像度の画素を特定する。
図8においては、第2解像度での画素P1,P2,P4,P5が特定される。
【0052】
特定された第2解像度での画素における注目画素の中心を(xi,yi)とし、ye=a(xi−Ix)+Iyとすると、属性解像度変換部34は、エッジラインの1次式y=a(x−Ix)+Iy(a,Ix,Iy:定数)に基づいて、(yi−dy/2)≦ye≦(yi+dy/2)である場合には、注目画素の属性値AをLy/dyとし、(yi+dy/2)<yeである場合には、注目画素の属性値Aを1とし、ye<(yi−dy/2)である場合には、注目画素の属性値Aを0とする。
【0053】
ここで、Lyは、主走査方向における第2解像度の画素中心xiでの、副走査方向における第2解像度の画素の端とエッジラインとの間の距離であり、dxは、第2解像度での注目画素の主走査方向の幅であり、dyは、第2解像度での注目画素の副走査方向の幅である。なお、注目画素の主走査方向の幅dxは、主走査方向の画素間隔と等しく注目画素の副走査方向の幅dyは、副走査方向の画素間隔と等しい。なお、第1解像度での属性データは1ビットデータであるが、第2解像度での属性データはマルチビットデータ(ここでは8ビット)である。また、第1解像度の画素座標系(x,y)における第2解像度の画素Piの画素中心(xi,yi)は、その画素の順番、拡大倍率などで特定される。
【0054】
図8に示す場合、画素P1の属性値は0とされ、画素P2の属性値はLy2/dyとされ、画素P4の属性値はLy4/dyとされ、画素P5の属性値は1とされる。
【0055】
また、
図8に示す場合のように、段差長が主走査方向に延びている場合(
図5における方向#1,#3,#5,#7の場合)、(yi−dy/2)≦ye≦(yi+dy/2)であれば、注目画素の属性値AをLy/dyとし、(yi+dy/2)<yeであれば、注目画素の属性値Aを1とし、ye<(yi−dy/2)であれば、注目画素の属性値Aを0とする。
【0056】
ただし、方向#1,#3については、Lyは、画素下端からエッジラインまでの副走査方向の距離であり、方向#5,#7については、Lyは、画素上端からエッジラインまでの副走査方向の距離である。
【0057】
一方、段差長が副走査方向に延びている場合(
図5における方向#2,#4,#6,#8の場合)、(xi−dx/2)≦xe≦(xi+dx/2)であれば、注目画素の属性値AをLx/dxとし、(xi+xy/2)<xeであれば、注目画素の属性値Aを1とし、xe<(xi−dx/2)であれば、注目画素の属性値Aを0とする。
【0058】
ここで、yi=a(xe−Ix)+Iyであり、Lxは、副走査方向における第2解像度の画素中心yiでの、主走査方向における第2解像度の画素の端とエッジラインとの間の距離である。
【0059】
ただし、方向#2,#6については、Lxは、画素右端からエッジラインまでの主走査方向の距離であり、方向#4,#8については、Lxは、画素左端からエッジラインまでの主走査方向の距離である。
【0060】
このように、属性データが中間値(1および0以外の数値)を有する場合、その中間値は、主走査方向および副走査方向の一方における第2解像度の画素中心における、主走査方向および副走査方向の他方における第2解像度の画素の端とエッジラインとの間の距離Lx,Lyと、主走査方向または副走査方向の他方における第2解像度の画素の幅dx,dyとの比を示す。
【0061】
画像解像度変換部35は、原画像の画像データの解像度を、元の解像度(第1解像度)より高い解像度(第2解像度)へ高解像度化する。
【0062】
具体的に、画像解像度変換部35は、第2解像度の画素の周辺に存在する第1解像度の最近傍4画素について、(a)その最近傍4画素の属性データの値に応じて、その最近傍4画素のうち、所定属性値(ここでは、1)を有する画素の階調値に基づいて得られる値で、所定属性値を有さない画素の階調値を置き換えて第1補正画像データを生成し、(b)その最近傍4画素の属性データの値に応じて、その最近傍4画素のうち、所定属性値を有さない画素の階調値に基づいて得られる値で、所定属性値を有する画素の階調値を置き換えて第2補正画像データを生成し、(c)第1補正画像データから所定の補間法で、第2解像度の画素の第1階調値を導出し、(d)第2補正画像データから同一の補間法で、第2解像度の画素の第2階調値を導出する。
【0063】
なお、最近傍4画素の属性データの値が一様である場合には、最近傍4画素の、入力画像データでの階調値が、そのまま、第1補正画像データおよび第1補正画像データでの階調値とされる。一方、最近傍4画素の属性データの値が一様ではあい場合には、上述のようにして、階調値の置換によって、最近傍4画素の、第1補正画像データおよび第1補正画像データでの階調値が決定される。
【0064】
この実施の形態では、ここで使用される補間法は、ニアレストネイバー法より高次の補間法(バイリニア法など)である。
【0065】
図9は、第2解像度での注目画素に対する第1解像度での最近傍4画素を説明する図である。
図9に示すように、ここでは、第2解像度での注目画素201に対する第1解像度での最近傍4画素をA,B,C,Dとし、最近傍4画素A,B,C,Dの階調値(入力画像データでの階調値)をそれぞれPa,Pb、Pc,Pdとする。
【0066】
図10は、第1解像度での属性データの値と、第1補正画像データの値および第2補正画像データの値との対応関係の一例を示す図である。画像解像度変換部35は、例えば
図10に示すテーブルを使用して、最近傍4画素の画像データ(階調値Pa,Pb,Pc,Pd)から、第1補正画像データCfおよび第2補正画像データCbを導出する。
【0067】
そして、画像解像度変換部35は、第2解像度の注目画素201について、例えばバイリニア法で、第1補正画像データCfから第1階調値Pfを導出し、第2補正画像データCbから第2階調値Pbを導出する。
【0068】
補間値導出部36は、次式のように、第2解像度の注目画素201の属性値Aに基づいて、第1階調値Pfと第2階調値Pbとを混合して得られる値を、その画素201の階調値Pとする。
【0070】
次に、上記画像形成装置の動作について説明する。
【0071】
例えば、制御部31は、画像読取装置12により得られた原稿画像のラスター画像データである第1解像度の画像データを取得する。そして、画素属性判定部32は、その画像データに対応する第1解像度の属性データを生成する。
【0072】
次に、エッジ検出部33が、第1解像度の属性データにおいて所定の属性値パターンを検出し、属性値解像度変換部34は、検出された属性値パターン内の第1解像度の画素に対応する第2解像度の画素については、属性値パターンに対応するエッジラインを特定し、そのエッジラインの通る位置に基づいて属性値Aを特定し、検出された属性値パターン内の画素以外の第1解像度の画素に対応する第2解像度の画素については、ニアレストネイバー法などで属性値Aを特定する。
【0073】
そして、第2解像度において、注目画素が順番に選択され、注目画素に対して次の処理が実行される。画像解像度変換部35は、第2解像度の画像データについて注目画素の階調値を求める際、注目画素についての第1解像度の最近傍4画素を特定し、上述のようにして、最近傍4画素の入力画像データから第1補正画像データCfおよび第2補正画像データCbを生成し、補正画像データCf,Cbから所定の補間法で注目画素の第1階調値および第2階調値を導出する。補間値導出部36は、第2解像度の注目画素の属性値Aに基づいて、第1階調値Pfと第2階調値Pbとを混合して得られる値を、その画素の階調値Pとする。
【0074】
以上のように、上記実施の形態によれば、属性解像度変換部34は、第1解像度の属性データにおいて、注目画素において所定属性値の段差を形成する所定の属性値パターンを検出した場合、属性値パターンに対応するエッジラインを特定し、エッジラインが通る位置に応じて、注目画素に対応する第2解像度の画素についての属性データのマルチビット値を決定する。画像解像度変換部35は、第2解像度の画素に対する第1解像度の最近傍4画素について、最近傍4画素の属性データの値に応じて、第1補正画像データおよび第2補正画像データを生成し、第1補正画像データから所定の補間法で第2解像度の画素の第1階調値を導出し、第2補正画像データから所定の補間法で第2解像度の画素の第2階調値を導出する。補間値導出部36は、第2解像度の画素ごとに、属性データのマルチビット値に基づいて第1階調値と第2階調値とを混合してその第2解像度の画素の階調値を得る。
【0075】
これにより、高解像度での画素の属性がマルチビット値で表わされ、エッジにおける階調値の変化が適度に緩やかになるため、アンチエリアシング効果が得られ、画像内の文字、線画などのエッジでのボケの抑制および滑らかさが両立される。
【0076】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。