特許第6249255号(P6249255)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249255
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】貫通開口用の閉鎖システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/13 20060101AFI20171211BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20171211BHJP
   E06B 5/16 20060101ALI20171211BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20171211BHJP
   A62C 2/06 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   E06B9/13 A
   E06B9/68 A
   E06B5/16
   E06B9/58 A
   A62C2/06 503
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-517641(P2016-517641)
(86)(22)【出願日】2013年6月4日
(65)【公表番号】特表2016-526124(P2016-526124A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】ES2013070356
(87)【国際公開番号】WO2014195523
(87)【国際公開日】20141211
【審査請求日】2016年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】515330708
【氏名又は名称】アミセル,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】イグレシアス バリェステール,ミゲル アンヘル
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6470949(US,B1)
【文献】 特開平8−151878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/06
E06B 9/00
9/02
9/06− 9/18
9/40− 9/50
9/56− 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通開口用の閉鎖システムであって、垂直方向に可動なフレキシブルパネル(1)を有するクイック開放ドアを備え、前記フレキシブルパネル(1)が、作動用の電動式ドラム(2)に接続され、かつ1対の垂直ガイド(3)に取り付けられ、前記垂直ガイド(3)が、前記貫通開口(H)が画定された壁または表面に固定され、閉鎖システムが、
前記壁または表面に画定された貫通開口(H)を開放する位置と閉鎖する位置との間で変位することができるように取り付けられた防火ドア(6)を備え、
前記クイック開放ドアの前記垂直ガイド(3)が、前記貫通開口(H)の高さにわたって延びる固定下側部分(31)、及び可動上側部分(32)を備え、前記上側部分(32)が、前記貫通開口(H)の上方に位置され、前記固定下側部分(31)に近い下側位置と、前記固定下側部分(31)から特定の距離の上側位置との間で垂直方向に可動であり、前記上側部分(32)が前記下側位置から前記上側位置へ移動することにより、前記下側位置と前記上側位置との間に開口を画定し、
前記上側部分(32)が前記上側位置にあって前記防火ドアがその閉鎖位置に配置されるときに前記貫通開口(H)において、前記壁と前記防火ドアとの間の空間の閉鎖を確立するように、前記防火ドア(6)が有する側方延在部(61)、または前記上側部分(32)に備えられた部品(64)が、前記下側部分(31)と前記上側部分(32)との間の前記開口内に移動することができる、ことを特徴とする閉鎖システム。
【請求項2】
前記クイック開放ドアの前記ガイドの前記上側部分(32)が当接体(33)を有し、前記当接体(33)が、バッグ(5)の作用によって前記上側位置に向けて前記上側部分(32)を押し上げるに適しており、前記バッグ(5)が、前記フレキシブルパネル(1)の下端部に固定され、前記フレキシブルパネル(1)よりも厚いことを特徴とする請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項3】
火災警報システムに接続された駆動手段(9)を備え、前記駆動手段(9)が、通常作動を行って、前記貫通開口(H)の最大高さまで前記クイック開放ドアを上げ、防火ドアを開いたまま保つように、または代替として緊急作動を行って、前記貫通開口(H)の高さを越えるように前記クイック開放ドアを余剰開放させ、かつ前記ガイドの前記可動上側部分を引き上げ、前記防火ドア(6)を閉鎖させるようにスケジュールされることを特徴とする請求項1に記載の閉鎖システム。
【請求項4】
前記防火ドア(6)が、水平ガイド(7)に取り付けられ、前記貫通開口(H)に対して側方にずらされた開放位置と、前記貫通開口(H)の閉鎖位置との間で移動することができ、前記側方延在部(61)は、前記防火ドア(6)の上側部分に位置し、前記貫通開口(H)が画定された前記壁または表面に向けられ、前記側方延在部(61)が、前記垂直ガイドの前記下側部分(31)と前記上側部分(32)との間に画定された前記開口内に側方から収容されるのに適しており、前記上側部分(32)が前記上側位置にあって前記防火ドアがその閉鎖位置に配置されたときに、前記壁と前記防火ドア(6)との間の空間の閉鎖を前記貫通開口(H)において確立することを特徴とする請求項1〜3ののうちいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項5】
前記防火ドアが、少なくとも2つの垂直ストラット(8)を設けられ、前記垂直ストラット(8)が、前記クイック開放ドアの前記フレーム(3)の外側に配置され、前記防火ドア(6)の閉鎖面を画定することを特徴とする請求項4に記載の閉鎖システム。
【請求項6】
前記防火ドア(6)が、1つまたは複数の当接要素(62)を有し、前記当接要素(62)が、閉鎖位置で、その一方の側部で防火ガード(8’)に対して、およびその他方の側部で前記垂直ストラット(8)に対して前記防火ドア(6)を固定するのに適していることを特徴とする請求項4または5に記載の閉鎖システム。
【請求項7】
前記防火ドア(6)が、前記クイック開放ドアの前記垂直ガイド(3)それぞれに固定されたストラット(T’)を軸として揺動する1つまたは2つのシート(63、63’)を有することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【請求項8】
前記部品(64)は、シャフトまたはヒンジによって前記可動上側部分(32)に取り付けられ、前記部品(64)が、非動作中の垂直位置と動作中の水平位置との間で揺動することができ、前記水平位置で、前記部品(64)は、前記上側部分(32)が前記上側位置にあって前記防火ドアが前記閉鎖位置に配置されるときに、前記下側部分(31)と前記上側部分(32)の間に画定された前記開口内に配置されることで、前記壁と前記防火ドア(6)のリーフ(63、63’)との間の空間の閉鎖を前記貫通開口(H)において確立することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の閉鎖システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通開口用の閉鎖システムであって、垂直方向に可動のフレキシブルパネルを設けられたクイック開放ドアを備え、フレキシブルパネルが、1対の垂直ガイドの間に延び、上端部で、フレキシブルパネルの作動用の電動式ドラムに取り付けられ、システムが、クイック開放ドアと組み合わせて防火ドアを有し、防火ドアが、開放位置と閉鎖位置との間で移動することができるように取り付けられ、クイック開放ドアと防火ドアとが代替的に作動するように構成された閉鎖システムに関する。
【0002】
本発明は、貫通開口用の産業用ドアの製造の分野に適用可能である。
【背景技術】
【0003】
クイック開放ドアは、市場で広く知られており、周囲フレーム、及び1対の垂直ガイドを設けられ、垂直ガイド上で、フレキシブルパネルを垂直に移動させることができ、このパネルは、その上端部で電動式作動ドラムに取り付けられる。
【0004】
このタイプのこれらのタイプのクイック開放ドアは、貫通開口が画定された壁または表面の側部の一方に配置される。
【0005】
また、このタイプのクイック開放ドアでは、フレキシブルパネルがその下端部にバッグまたは肥厚部分を有することが通常であり、バッグまたは肥厚部分は、前記パネルよりも大きいサイズを有し、下側閉鎖位置に向けた前記パネルの迅速な下降を容易にするのに適した重い材料を含む。
【0006】
貫通開口によって連通されて部屋内に収納されている物を考慮して、火災時に一方の部屋を他方の部屋から隔離することを可能にするために防火ドアを設置することが必要であり得る。
【0007】
現在、貫通開口に対してずれたドアの配置または貫通開口に面したドアの配置を可能にする手段に取り付けられた防火ドアが知られており、貫通開口に面したドアの配置の際に、前記防火ドアが固定フレーム上で周囲密閉体を形成する。生じる問題は、このタイプの防火ドアがクイック開放ドアと適合しないことである。なぜなら、それらのドアが壁の同じ側に取り付けられる場合、クイック開放ドアのガイドおよびフレームが、防火ドアが効果的な閉鎖位置に達するのを妨げるからである。
【0008】
本願と同一出願人の
【特許文献1】に記載された低温保管室用の閉鎖システムで使用される解決策と同様の、しかし低温室ドアではなく防火ドアを使用する1つの取り得る解決策は、クイック開放ドアのフレキシブルパネルの移動の平面に平行な突出平面上に低温室ドアの閉鎖面を配置することである。しかし、熱および炎は上方向に流れて、クイック開放ドアのフレキシブルパネルの通過のためにフレームの上側領域に画定された開口を通って逃げるので、この解決策は効果的でない。
【0009】
したがって、対処すべき技術的問題は、貫通開口を閉鎖するためのシステムであって、クイック開放ドアを防火ドアと組み合わせることを可能にし、それにより、両方が選択式および代替式に機能することができ、通常の状況では、クイック開放ドアを使用して貫通開口の開閉を行い、火災時には防火ドアを使用して貫通開口を閉鎖するシステムの開発である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献2】国際出願PCT/ES00/00038号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的の貫通開口用の閉鎖システムは、通常使用のためのクイック開放ドア、及び代替動作のための防火ドアの組合せによって形成され、それらの機能の複合を可能にし、防火ドアの閉鎖動作中にクイック開放ドアが妨害とならないようにし、また火災時に防火ドアが貫通開口の効果的な密閉を行うことができることを保証することを狙いとする特徴を有する。
【0012】
システムは、垂直方向で可動のフレキシブルパネルを有するクイック開放ドアから構成され、フレキシブルパネルが、1対の垂直ガイド上に延び、上端部で、フレキシブルパネルの作動用の電動式ドラムに取り付けられ、さらに、システムは、前記クイック開放ドアと組み合わせて防火ドアを備え、防火ドアは、開放位置と、貫通開口が密閉される閉鎖位置との間で移動することができるように取り付けられる。
【0013】
本発明のシステムは、火災時に防火ドアによって貫通開口の適切な閉鎖を可能にすること、および前記防火ドアがクイック開放ドアの垂直ガイドと干渉するのを防止することを狙いとする特定の特徴を有する。
【0014】
本発明によれば、クイック開放ドア用の垂直ガイドが、貫通開口の高さまで延びる固定下側部分、及び可動上側部分を有し、可動上側部分が、貫通開口の上方に位置され、下側位置(可動上側部分が固定下側部分に近い)と上側位置(可動上側部分が固定下側部分から特定の距離に配置される)との間で垂直方向に可動であり、両部分、すなわち上側部分と下側部分との間に、防火ドアがその閉鎖位置に配置されるときに壁と防火ドアとの間の空間の閉鎖を確立するのに適した手段を配置するための開口を貫通開口において画定する。
【0015】
本発明によれば、クイック開放ドア用のフレームおよびガイドの上側可動部分が当接要素を有し、当接要素は、バッグおよび肥厚部によって上側位置に向けて上側可動部分を上方向に押し上げるのに適しており、バッグおよび肥厚部は、フレキシブルパネルの下端部に固定され、前記フレキシブルパネルよりも厚い。
【0016】
前記バッグまたは肥厚部は、閉鎖位置に向かうドアの迅速な下降を促すために重い物質を配置するという目的で、このタイプのクイック開放ドアで現在使用されているバッグでよい。
【0017】
本発明によれば、システムは、火災警報システムに接続された駆動手段を備え、駆動手段は、通常作動を行って、貫通開口の最大高さまでクイック開放ドアを上げ、防火ドアを開いたまま保つように、または代替として緊急作動を行って、貫通開口の高さを越えるように前記クイック開放ドアを余剰開放させ、かつフレームおよび前記ガイドの前記可動上側部分を引き上げ、それと同時に前記防火ドアを閉鎖させるようにスケジュールされる。
【0018】
クイック開放ドアのこれらの特徴は、摺動防火ドアまたは揺動防火ドアの使用から独立してガイドの上側可動部分が上方向に変位されるときに、貫通開口の上方の領域で火に対する効果的な閉鎖を確立することを可能にする。
【0019】
これに関連して、本発明の一実施形態によれば、防火ドアは摺動タイプであり、水平ガイドに取り付けられ、貫通開口に対して側方にドアがずらされた開放位置と、貫通開口を閉鎖する位置との間で移動することができ、前記防火ドアは、その上側部分に側方延在部を有し、側方延在部が、貫通開口が画定された壁または表面に向けられ、側方延在部が、垂直ガイドの固定下側部分と可動上側部分との間に画定された開口内に側方から収容されるのに適しており、ガイドの上側可動部分が上側領域に向けてずらされて前記防火ドアがその閉鎖位置に配置されたときに、壁と防火ドアとの間の空間の閉鎖を貫通開口において確立する。
【0020】
ドア自体および側方延在部によって画定される防火ドアの逆「L」字形の断面形状により、防火ドアが、クイック開放ドア用のフレームの外側の側方要素に配置された固定垂直ストラットに対しても、貫通開口の上方でも、効果的な閉鎖を行うことが可能になり、クイック開放ドアのガイドまたはフレームが妨害とならない。
【0021】
本発明は、システムを自動的に駆動させることができ、したがってクイック開放ドアと防火ドアの両方の運動が電動式であることを企図する。
【0022】
本発明の変形形態では、防火ドアは、クイック開放ドアの各垂直ガイドに固定されたストラットを軸として揺動する1つまたは2つのリーフを有する。この場合、クイック開放ドアの垂直ガイドの可動上側部分が、シャフトまたはヒンジに取り付けられた部品を有し、部品は、中立垂直位置と水平動作位置との間で揺動することができ、水平位置で、前記部品は、前記ドアがこの閉鎖位置に配置されるときに壁と防火ドアのリーフとの間の空間の閉鎖を貫通開口において確立する。
【0023】
説明を完全にするために、および本発明の特徴の理解を容易にする狙いで、1組の図面を本明細書に添付する。図面中、限定ではなく例示として以下の図が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による貫通開口を閉鎖するためのシステムの例示的実施形態の正面図である。クイック開放ドアが、中間開放位置で示されており、防火ドアが開放位置で示されている。この図は、制御パネルによってシステムを駆動させるための手段を図示する。
図2図1に示される平面A−A’に沿って断面を取られた閉鎖システムの上面図である。
図3図1に示される垂直平面B−B’に沿って断面を取られた閉鎖システムの側面図である。
図4】緊急作動の開始時の、図1図3に示される閉鎖システムの正面図である。クイック開放ドアが余剰開放位置に配置され、上側部分または垂直ガイドを上側領域に向けて押し上げており、閉鎖位置に向かう移動中の防火ドアも示す。
図5図4に示される平面C−C’に沿って断面を取ったシステムの上面図である。
図6図4に示される垂直平面D−D’に沿って断面を取られた閉鎖システムの側面図である。
図7】クイック開放ドアが余剰開放位置にあり、防火ドアが閉鎖位置で示されている、本発明の閉鎖システムの正面図である。
図8図7に示される平面E−E’に沿って断面を取られた本発明のシステムの上面図である。
図9】防火ドアが開放位置にある本発明のシステムの詳細上面図である。
図10】摺動防火ドアではなく2つのリーフ揺動防火ドアを備える本発明のシステムの変形形態の正面図であり、防火ドアが開放位置から離れている図である。
図11図10に示される本発明の変形形態の上面図であり、この場合には、その閉鎖位置で揺動防火ドアのリーフを示す図である。
図12図10に示される本発明の変形形態の側面図であり、防火ドアの揺動リーフを開放位置で示す図である。
図13図10に示される本発明の変形形態の側面図であり、防火ドアの揺動リーフを閉鎖位置で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1図9に示される例示的実施形態では、貫通開口を閉鎖するためのシステムが、クイック開放ドアを有し、クイック開放ドアは、垂直方向に可動なフレキシブルパネル(1)を設けられ、フレキシブルパネル(1)は、電動式ドラム(2)に接続され、1対の垂直ガイド(3)上に組み立てられ、垂直ガイド(3)は、固定下側部分(31)及び可動上側部分(32)を備え、ガイドの下側部分(31)は、図2に示されるように貫通開口(H)の各側面にそれぞれ配置され、前記開口の全高に達し、一方、上側可動部分(32)は、開口の上方に位置し、2つの当接要素(33)を有し、当接要素(33)は、この場合には2つの平行なバーによって形成され、これらのバーに接しながらクイック開放ドアのフレキシブルパネル(1)が移動する。
【0026】
フレキシブルパネル(1)は、その下端部に、重い要素(51)を含むバッグ(5)を有して、クイック開放ドアを閉鎖する操作中のフレキシブルパネルの下降を促す。
【0027】
図3で見ることができるように、前記バッグ(5)は、フレキシブルパネル(1)よりも厚く、また、クイック開放ドアの垂直ガイド(3)の2つの上側部分(32)を連係する当接体(33)の間に画定された貫通開口よりも厚い。通常動作中(すなわち緊急時でないとき)、クイック開放ドアは、連続的な開閉運動を行い、その下端部は、開放位置で貫通開口の最大高さ(H)に達する。
【0028】
添付図面で見ることができるように、システムは、クイック開放ドアと組み合わせて防火ドア(6)を備え、防火ドア(6)は、図1および図2に示される開放位置と図7および図8に示される閉鎖位置との間で水平ガイド(7)上を長手方向に移動することが可能であり、前記防火ドア(6)は、その上部領域に側方延在部(61)を有し、側方延在部(61)は、貫通開口(H)が画定された壁または表面に向けられる。前記水平ガイド(7)は、様々な点(T)で、貫通開口(H)が画定された壁または表面に固定される。
【0029】
防火ドア(6)は、クイック開放ドアのフレーム(3)の外側に少なくとも2つの垂直ストラット(8)を備える閉鎖面に対してその閉鎖作用を行う。この閉鎖位置において、防火ドアの上側部分に画定された側方延在部(61)は、クイック開放ドア用の垂直ガイド(3)の下側部分(31)の上方で閉鎖作用を確立しなければならない。
【0030】
このために、また火災警報時の緊急作動の際に防火ドアの側方延在部(61)がクイック開放ドアの垂直ガイド(32)の上側部分に衝突しないように、クイック開放ドアは、余剰開放を行い、その下端部を貫通開口(H)の上方に持ち上げる。このようにすると、フレキシブルパネルの下端部に固定されたバッグ(5)が当接要素(33)に作用して、図4図6、および図7に示されるように上側領域に向けて垂直ガイド(3)の上側部分(32)を移動させ、図4図5、および図6に示されるようにガイド(3)の上側部分(32)と下側部分(31)との間に十分な経路を画定して、防火ドア(6)が閉鎖位置に移動することができるようにし、図7および図8に示されるように貫通開口ドアの上方で側方延在部(61)による閉鎖を確立し、前記側方延在部が垂直ガイドの上側部分(32)と干渉せず、またはクイック開放ドアの任意の他の要素と干渉しない。
【0031】
図9に示されるように、防火ドア(6)は、その垂直フレームに複数の当接要素(62)を有し、当接要素(62)は、閉鎖位置で、一方の側部で防火ガード(8’)に対して、および他方の側部で垂直ストラット(8)に対してドアを固定することを狙いとする。前記当接要素は、火災または爆発時に防火ドア(6)を閉鎖する安定性を高める。
【0032】
システムは、火災警報システム(図示せず)に接続された作動手段(9)を有し、この手段は、通常作動を行って、貫通開口の最大高さまでクイック開放ドアを上げ、防火ドアを開いたままにしておくように、または代替として緊急作動を行って、クイック開放ドアを余剰開放させて防火ドアを閉鎖させるようにスケジュールされる。
【0033】
図10図13に示されている変形形態では、システムの防火ドア(6)が、摺動式ではなく揺動式に取り付けられることが企図されており、それにより、提案される解決策は、防火ドアの開放を可能にするための側方空間が存在しないので防火ドアを位置させるのに十分な空間が利用可能でない場所(廊下などであり得る)に適合させることができる。
【0034】
そのような変形形態を必要とする場合、クイック開放ドア(3)の構造は、クイック開放ドア(9)のフレキシブルパネル(1)用のガイドとして働く下側部分(31)及び上側部分(32)にやはり分割され、作動手段(9)によって警報信号が受信された場合に、クイック開放ドアのフレキシブルパネル(1)が上昇運動を行って当接体(33)に対して作用し、垂直ガイド(3)の上側部分(32)を上側領域に向けて変位させるようにする。
【0035】
前記変形形態では、元の実施形態の防火ドア(6)は、1つまたは2つのリーフ(63、63’)によって形成され、リーフ(63、63’)の役割は、火災時に貫通開口(H)を閉鎖することであり、2つのリーフの場合にはリーフの一方を他方のリーフに重ねる、または揺動点(T’)の1つでのみ揺動する。
【0036】
前記変形形態では、防火ドア(6)に取り付けられた部品(61)は、適切なサイズを有する揺動部品(64)によって置き換えることができる。警報信号時、および前記警報信号の作用によってクイック開放ドアのフレキシブルパネル(1)が余剰開放位置に向けて上方向に進んで垂直ガイド(3)の上側部分(32)を上側領域に向けて変位させるのと同時に、揺動部品(64)は、垂直ガイド(3)の上側部分(32)の余剰開放運動の作用の下でシャフトまたはヒンジ(65)を軸として揺動し、それにより、前記揺動部分(64)は、図13で見ることができるように垂直位置から水平位置に切り替わり、このようにして、貫通開口(H)の上側部分を覆い、その回転時に、防火ドアの揺動リーフ(63、63’)のための閉鎖上側フレームとして作用する。
【0037】
本発明および本発明の好ましい実施形態の特性を十分に述べてきたが、次のとおり特許請求される本発明の本質的な特性を変えることを修正が意味しない限り、上記の要素の材料、形状、サイズ、および構成を修正することができるという趣旨で述べたものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13