特許第6249257号(P6249257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許6249257ターゲットセルおよび端末を選択するための方法
<>
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000002
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000003
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000004
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000005
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000006
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000007
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000008
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000009
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000010
  • 特許6249257-ターゲットセルおよび端末を選択するための方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249257
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】ターゲットセルおよび端末を選択するための方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20171211BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20171211BHJP
   H04W 36/00 20090101ALI20171211BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20171211BHJP
【FI】
   H04W36/30
   H04W36/08
   H04W36/00 110
   H04W36/36
【請求項の数】15
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-554777(P2016-554777)
(86)(22)【出願日】2014年10月20日
(65)【公表番号】特表2016-537938(P2016-537938A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】CN2014088948
(87)【国際公開番号】WO2016061734
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2016年1月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】党 淑君
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−027518(JP,A)
【文献】 特開2012−095314(JP,A)
【文献】 特開2013−090203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットセルを選択するための方法であって、
予め決定された期間のインタバルに従って、端末によって、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップであって、前記サービス提供セルは、前記端末が現在キャンプしているセルであり、前記近隣セルは、前記端末が信号を受信できるセルである、取得するステップと、
前記端末によって、候補ターゲットセル集合を判定するステップであって、前記候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、前記サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを備え、前記特定の瞬間は、前記サービス提供セルの信号強度と、前記近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、前記第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップと、
前記特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内で少なくとも3回検出された、前記候補ターゲットセル集合における前記近隣セルの前記信号強度に基づいて、前記特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、前記候補ターゲットセル集合における前記近隣セルの信号変化傾向を、前記端末によって検出するステップと、
前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップであって、前記第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である、判定するステップと、
前記ターゲットセルをサービス提供セルとして、前記端末によって再選択するステップとを備える方法。
【請求項2】
前記候補ターゲットセル集合における前記近隣セルの信号変化傾向を前記端末によって検出するステップと、前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップとの間に、前記方法はさらに、
前記予め決定された時間長さ内にある、前記サービス提供セルの信号変化傾向を、前記端末によって検出するステップを備え、
前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップは、
前記予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定した場合に、前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、前記ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップであって、前記第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である、判定するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予め決定された時間長さ内にある、前記サービス提供セルの信号変化傾向を、前記端末によって検出するステップの後、前記方法はさらに、
前記予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、前記第2の状態を満たさないと判定した場合、前記端末によって、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間のインタバルまで、前記端末によって待機するステップを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、前記サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを、前記端末によって選択するステップの後、前記方法はさらに、
前記候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを、前記端末によって判定するステップと、
前記候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定した場合、前記特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、前記候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を、前記端末によって検出するステップをトリガし、かつ、前記候補ターゲットセル集合が空集合であると判定した場合、前記端末によって、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間のインタバルまで、前記端末によって待機するステップとを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップは特に、
前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、前記ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップであって、前記第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、前記ターゲットセルであると、前記端末によって判定するステップは、
前記端末によって、信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、前記候補ターゲットセル集合から選択するステップと、
前記第1の近隣セルの信号変化傾向が、前記第1の状態を満たすか否かを、前記端末によって判定するステップと、
前記第1の近隣セルの信号変化傾向が、前記第1の状態を満たさないと判定した場合、前記候補ターゲットセル集合を更新するために、前記候補ターゲットセル集合から前記第1の近隣セルを削除し、信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、前記候補ターゲットセル集合から選択するステップを、前記端末によって再トリガし、かつ、前記第1の近隣セルが前記第1の状態を満たしていると判定した場合、前記第1の近隣セルが前記ターゲットセルであると判定するステップとを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
端末であって、
予め決定された期間のインタバルに従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するように構成された取得モジュールであって、前記サービス提供セルは、前記端末が現在キャンプしているセルであり、前記近隣セルは、前記端末が信号を受信できるセルである、取得モジュールと、
候補ターゲットセル集合を判定するように構成された第1の判定モジュールであって、前記候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、前記サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを備え、前記特定の瞬間は、前記サービス提供セルの信号強度と、前記近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、前記第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、第1の判定モジュールと、
前記特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内で少なくとも3回検出された、前記候補ターゲットセル集合における前記近隣セルの前記信号強度に基づいて、前記特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、前記第1の判定モジュールによって判定された候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出するように構成された第1の検出モジュールと、
前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、前記第1の検出モジュールによって検出された、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定するように構成された第2の判定モジュールであって、前記第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である、第2の判定モジュールと、
前記第2の判定モジュールによって判定された、前記ターゲットセルを、サービス提供セルとして再選択するように構成された再選択モジュールとを備える端末。
【請求項8】
前記端末はさらに、
前記予め決定された時間長さ内にある、前記サービス提供セルの信号変化傾向を検出するように構成された第2の検出モジュールと、
前記予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合、前記第2の判定モジュールをトリガするように構成された第1のトリガモジュールであって、前記第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である、第1のトリガモジュールとを備えた、請求項7に記載の端末。
【請求項9】
前記端末はさらに、
前記予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、前記第2の状態を満たさないと判定された場合、前記第1の判定モジュールをトリガするため、次の予め決定された期間のインタバルまで待機するように構成された第2のトリガモジュールを備える、請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記端末はさらに、
前記候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定するように構成された第1の判断モジュールと、
前記候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定された場合、前記第1の検出モジュールをトリガするように構成された第3のトリガモジュールと、
前記候補ターゲットセル集合が空集合であると判定された場合、前記第1の判定モジュールをトリガするため、次の予め決定された期間のインタバルまで待機するように構成された第4のトリガモジュールとを備える、請求項7から9のいずれか一項に記載の端末。
【請求項11】
前記第2の判定モジュールは特に、前記候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、前記ターゲットセルである、と判定するように構成され、前記第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、請求項7から10のいずれか一項に記載の端末。
【請求項12】
前記第2の判定モジュールは特に、
信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、前記候補ターゲットセル集合から選択するように構成された選択ユニットと、
前記第1の近隣セルの信号変化傾向が、前記第1の状態を満たすか否かを判定するように構成された判断ユニットと、
前記第1の近隣セルの信号変化傾向が、前記第1の状態を満たさないと判定された場合、前記候補ターゲットセル集合を更新するために、前記候補ターゲットセル集合から前記第1の近隣セルを削除し、前記選択ユニットを再トリガするように構成されたトリガユニットと、
前記第1の近隣セルが前記第1の状態を満たすと判定された場合、前記第1の近隣セルが前記ターゲットセルであると判定するように構成された判定ユニットとを備える、請求項11に記載の端末。
【請求項13】
前記端末はさらに、
前記端末が高速移動状態にあるか否かを判定するように構成された第2の判断モジュールと、
前記端末が前記高速移動状態にあると判定された場合、前記取得モジュールをトリガするように構成された第5のトリガモジュールとを備える、請求項7から12のいずれか一項に記載の端末。
【請求項14】
前記第2の判断モジュールは特に、センサを用いることによって、前記端末の速度値を検出し、前記端末の速度値が、予め決定された速度しきい値よりも大きい場合、前記端末が前記高速移動状態にあると判定するように構成された、請求項13に記載の端末。
【請求項15】
前記第2の判断モジュールは特に、予め設定された時間長さ内での前記端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを検出し、前記予め設定された時間長さ内での前記端末の自動周波数制御のオフセットが、前記予め決定されたオフセットよりも大きい場合、前記端末が前記高速移動状態にあると判定するように構成された、請求項13に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に、セル再選択中のターゲットセルと、端末とを選択するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セル再選択は、セルラモバイル通信システムの最も基本的なプロセスのうちの1つである。モバイル電話は、サービスの品質を保証するために、移動中、セル再選択をコンスタントに実行する必要がある。セル再選択のプロセスにおいて、適切なターゲットセルのタイムリーな選択は、モバイル電話のネットワークキャンピングパフォーマンスを直接的に決定する。
【0003】
特定の規格(たとえば、GSM(登録商標))の場合、典型的なセル再選択プロセスは、以下の通りである。頻繁なピンポン再選択を回避するために、セル再選択の基準は、2つのパラメータ、すなわちヒステリシス信号強度(それは通常3dBmV dBmである)、およびヒステリシス時間(それは通常5秒に設定される)を用いることによって、端末のセル再選択挙動を制御することである。ターゲットセルから受信した信号の強度(たとえば、-72dBm)が、サービス提供セルの信号強度(-80dBm)に、ヒステリシス信号強度(3dBm)を加えたものよりも大きく、持続時間が、ヒステリシス時間(たとえば、5秒)よりも大きい場合、セル再選択が開始される。そうではない場合、端末は、現在のサービス提供セルにキャンプし続ける。
【0004】
高速移動(たとえば、高速列車をカバーするネットワーク内)のシナリオでは、ユーザが、高速で走行する自動車または列車(特に、高速列車)に乗っている場合、端末が著しく高速で移動するので、セル信号が迅速に変動し得る。ここでは通常、サービス提供セルの信号が迅速に弱くなる一方、ターゲットセルの信号は迅速に強くなる。これは、以下のようなケースを頻繁に引き起こす。すなわち、再選択されるべきセルを判定するプロセスにおいて、持続時間がヒステリシス時間に達する前に、端末が既に、現在のサービス提供セルのカバレージエリアを出ているが、再選択されるべきセルの判定が未だに完了しておらず、サービス提供セルがサービスを提供できなくなった後に、端末は、信号が比較的大きなターゲットセルに未だアクセスしておらず、ネットワークからの一時的な途絶の後にのみ、ターゲットセルにアクセスする。ネットワークからの一時的な途絶は、ユーザを、通信サービスを楽しむことをできなくさせるか、進行中の通信サービスを中断させる。これは、ユーザ経験の低下を直接的にもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、ターゲットセルおよび端末を選択するための方法を提供する。これは、高速移動のシナリオにおけるネットワークからの頻繁な一時的な途絶の問題を解決するために使用される。
【0006】
本発明の実施形態の第1の態様は、ターゲットセルを選択するための方法を提供する。この方法は、
予め決定された期間に従って、端末によって、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップであって、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである、取得するステップと、
端末によって、候補ターゲットセル集合を判定するステップであって、候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間においてサービス提供セルの第1の強度パラメータよりもその第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含み、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップと、
特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を、端末によって検出するステップと、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップであって、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である、判定するステップと、
ターゲットセルをサービス提供セルとして、端末によって再選択するステップとを含む。
【0007】
本発明の実施形態の第1の態様に関して、本発明の実施形態の第1の態様の第1の実施方式では、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップの前に、この方法はさらに、
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を、端末によって検出するステップを含み、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップは、 予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たすと判定した場合に、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップであって、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である、判定するステップを含む。
【0008】
本発明の実施形態の第1の態様の第1の実施方式に関して、本発明の実施形態の第1の態様の第2の実施方式では、予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を、端末によって検出するステップの後、この方法はさらに、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定した場合、端末によって、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間まで、端末によって待機するステップを含む。
【0009】
本発明の実施形態の第1の態様から第1の態様の第2の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第1の態様の第3の実施方式では、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを、端末によって選択するステップの後、この方法はさらに、
候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを、端末によって判定するステップと、
候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定した場合、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を、端末によって検出するステップをトリガするステップ、または、
候補ターゲットセル集合が空集合であると判定した場合、端末によって、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするために、次の予め決定された期間まで、端末によって待機するステップとを含む。
【0010】
本発明の実施形態の第1の態様から第1の態様の第3の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第1の態様の第4の実施方式では、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップは特に、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップであって、第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップを含む。
【0011】
本発明の実施形態の第1の態様の第4の実施方式に関して、本発明の実施形態の第1の態様の第5の実施方式では、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップは、
端末によって、信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、候補ターゲットセル集合から選択するステップと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たすか否かを、端末によって判定するステップと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たさないと判定した場合、候補ターゲットセル集合を更新するために、候補ターゲットセル集合から第1の近隣セルを削除し、端末によって、信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、候補ターゲットセル集合から選択するステップを再トリガするステップ、または、
第1の近隣セルが第1の状態を満たすと判定した場合、第1の近隣セルがターゲットセルであると判定するステップとを含む。
【0012】
本発明の実施形態の第1の態様から第1の態様の第5の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第1の態様の第6の実施方式では、予め決定された期間に従って、端末によって、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップの前に、この方法はさらに、
端末が高速移動状態にあるか否かを、端末によって判定するステップと、
端末が高速移動状態にあると判定した場合、予め決定された期間に従って、端末によって、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップをトリガするステップとを含む。
【0013】
本発明の実施形態の第1の態様の第6の実施方式に関して、本発明の実施形態の第1の態様の第7の実施方式では、端末が高速移動状態にあるか否かを、端末によって判定するステップは、
センサを用いることによって、端末の速度値を、端末によって検出するステップと、
端末の速度値が、予め決定された速度しきい値よりも大きい場合、端末が高速移動状態にあると判定するステップとを含む。
【0014】
本発明の実施形態の第1の態様の第6の実施方式に関して、本発明の実施形態の第1の態様の第8の実施方式では、端末が高速移動状態にあるか否かを、端末によって判定するステップは、
予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを、端末によって検出するステップと、
予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きい場合、端末が高速移動状態にあると判定するステップとを含む。
【0015】
本発明の実施形態の第2の態様は、端末を提供する。この端末は、
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するように構成された取得モジュールであって、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである、取得モジュールと、
候補ターゲットセル集合を判定するように構成された第1の判定モジュールであって、候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含み、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、第1の判定モジュールと、
特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、第1の判定モジュールによって判定された候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を、検出するように構成された第1の検出モジュールと、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、第1の検出モジュールによって検出された、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定するように構成された第2の判定モジュールであって、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である、第2の判定モジュールと、
第2の判定モジュールによって判定されたターゲットセルを、サービス提供セルとして再選択するように構成された再選択モジュールとを含む。
【0016】
本発明の実施形態の第2の態様に関して、本発明の実施形態の第2の態様の第1の実施方式では、端末はさらに、
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出するように構成された第2の検出モジュールと、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合、第2の判定モジュールをトリガするように構成された第1のトリガモジュールであって、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である、第1のトリガモジュールとを含む。
【0017】
本発明の実施形態の第2の態様の第1の実施方式に関して、本発明の実施形態の第2の態様の第2の実施方式では、端末はさらに、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定された場合、第1の判定モジュールをトリガするため、次の予め決定された期間まで待機するように構成された第2のトリガモジュールを含む。
【0018】
本発明の実施形態の第2の態様から第2の態様の第2の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第2の態様の第3の実施方式では、端末はさらに、
候補ターゲットセル集合が、空集合であるか否かを判定するように構成された第1の判断モジュールと、
候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定された場合、第1の検出モジュールをトリガするように構成された第3のトリガモジュールと、
候補ターゲットセル集合が空集合であると判定された場合、第1の判定モジュールをトリガするため、次の予め決定された期間まで待機するように構成された第4のトリガモジュールとを含む。
【0019】
本発明の実施形態の第2の態様から第2の態様の第3の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第2の態様の第4の実施方式では、第2の判定モジュールは特に、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルであると判定するように構成され、第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである。
【0020】
本発明の実施形態の第2の態様の第4の実施方式に関して、本発明の実施形態の第2の態様の第5の実施方式では、第2の判定モジュールは特に、
信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、候補ターゲットセル集合から選択するように構成された選択ユニットと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たすか否かを判定するように構成された判断ユニットと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たさないと判定された場合、候補ターゲットセル集合を更新するために、候補ターゲットセル集合から第1の近隣セルを削除し、選択ユニットを再トリガするように構成されたトリガユニットと、
第1の近隣セルが第1の状態を満たすと判定された場合、第1の近隣セルがターゲットセルであると判定するように構成された判定ユニットとを含む。
【0021】
本発明の実施形態の第2の態様から第2の態様の第5の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第2の態様の第6の実施方式では、端末はさらに、
端末が高速移動状態にあるか否かを判定するように構成された第2の判断モジュールと、
端末が高速移動状態にあると判定された場合、取得モジュールをトリガするように構成された第5のトリガモジュールとを含む。
【0022】
本発明の実施形態の第2の態様の第6の実施方式に関して、本発明の実施形態の第2の態様の第7の実施方式では、第2の判断モジュールは特に、センサを用いることによって、端末の速度値を検出し、端末の速度値が、予め決定された速度しきい値よりも大きい場合、端末が高速移動状態にあると判定するように構成されている。
【0023】
本発明の実施形態の第2の態様の第6の実施方式に関して、本発明の実施形態の第2の態様の第8の実施方式では、第2の判断モジュールは特に、予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを検出し、予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きい場合、端末が高速移動状態にあると判定するように構成される。
【0024】
本発明の実施形態の第3の態様は端末を提供する。この端末は、
入力装置、出力装置、プロセッサ、およびメモリを含み、
メモリ内に記憶された動作命令を起動することによって、プロセッサは、
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップであって、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである、取得するステップと、
候補ターゲットセル集合を判定するステップであって、候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含み、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップと、
特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出するステップと、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定するステップであって、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である、判定するステップと、
ターゲットセルをサービス提供セルとして再選択するステップとを実行するように構成される。
【0025】
本発明の実施形態の第3の態様に関して、本発明の実施形態の第3の態様の第1の実施方式では、プロセッサはさらに、
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出するステップを実行し、
プロセッサは特に、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定した場合に、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップであって、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である、判定するステップを実行する。
【0026】
本発明の実施形態の第3の態様の第1の実施方式に関して、本発明の実施形態の第3の態様の第2の実施方式では、プロセッサはさらに、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定した場合、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間まで待機するステップを実行する。
【0027】
本発明の実施形態の第3の態様から第3の態様の第2の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第3の態様の第3の実施方式では、プロセッサはさらに、
候補ターゲットセル集合が、空集合であるか否かを判定するステップと、
候補ターゲットセル集合が、空集合ではないと判定した場合、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出するステップをトリガするステップ、または、
候補ターゲットセル集合が、空集合であると判定した場合、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間まで待機するステップとを実行する。
【0028】
本発明の実施形態の第3の態様から第3の態様の第3の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第3の態様の第4の実施方式では、プロセッサは特に、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルであると判定するステップであって、第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップを実行する。
【0029】
本発明の実施形態の第3の態様の第4の実施方式に関して、本発明の実施形態の第3の態様の第5の実施方式では、プロセッサは特に、
信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、候補ターゲットセル集合から選択するステップと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たすか否かを判定するステップと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たさないと判定した場合、候補ターゲットセル集合を更新するために、候補ターゲットセル集合から第1の近隣セルを削除し、信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、候補ターゲットセル集合から選択するステップを再トリガするステップ、または、
第1の近隣セルが第1の状態を満たすと判定した場合、第1の近隣セルがターゲットセルであると判定するステップとを実行する。
【0030】
本発明の実施形態の第3の態様から第3の態様の第5の実施方式のうちのいずれか1つに関して、本発明の実施形態の第3の態様の第6の実施方式では、プロセッサはさらに、
端末が高速移動状態にあるか否かを判定するステップと、
端末が高速移動状態にあると判定した場合、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップをトリガするステップとを実行する。
【0031】
本発明の実施形態の第3の態様の第6の実施方式に関して、本発明の実施形態の第3の態様の第7の実施方式では、プロセッサは特に、
センサを用いることによって、端末の速度値を検出するステップと、
端末の速度値が、予め決定された速度しきい値より大きい場合、端末が高速移動状態にあると判定するステップとを実行する。
【0032】
本発明の実施形態の第3の態様の第6の実施方式に関して、本発明の実施形態の第3の態様の第8の実施方式では、プロセッサは特に、
予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを検出するステップと、
予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいと判定した場合、端末が高速移動状態にあると判定するステップとを実行する。
【0033】
前述した技術的解決策から理解され得るように、本発明の実施形態は、以下の利点を有する。本発明の実施形態における端末は、近隣セルの信号変化傾向を判定することによって、サービス提供セルの再選択を実施する。特に、端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得し、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを選択し、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータであり、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、従って、候補ターゲットセル集合内の全ての近隣セルは、特定の瞬間において、比較的大きな信号強度を有し、端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出し、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定し、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向であり、すなわち、ターゲットセルは、比較的大きな信号強度を有し、この信号強度は、連続的に増加し、従って、端末は、ヒステリシス時間を決定する必要なく、ターゲットセルを、サービス提供セルとして直接的に再選択し、端末は、信号が迅速に変化した場合、時間内に適切なターゲットセルを再選択できるようになり、これによって、端末がキャンプするネットワークの信号品質を改善し、ネットワークからの一時的な途絶の時間量を低減し、端末のコール接続レートを増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に従ってターゲットセルを選択するための方法の概要フローチャートである。
図2】本発明の実施形態に従ってターゲットセルを選択するための方法の別の概要フローチャートである。
図3】本発明の実施形態に従ってターゲットセルを選択するための方法の別の概要フローチャートである。
図4】本発明の実施形態に従う端末の概要構成図である。
図5】本発明の実施形態に従う端末の別の概要構成図である。
図6】本発明の実施形態に従う端末の別の概要構成図である。
図7】本発明の実施形態に従う端末の別の概要構成図である。
図8】本発明の実施形態に従う端末の別の概要構成図である。
図9】本発明の実施形態に従う端末の別の概要構成図である。
図10】本発明の実施形態に従う端末の別の概要構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下は、本発明の実施形態において、添付図面が参照された本発明の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に記載している。明らかに、記載された実施形態は、本発明の実施形態の単なるいくつかであるが、全てではない。創造的な努力無しで本発明の実施形態に基づいて当業者によって取得されるその他全ての実施形態は、本発明の保護範囲内にあるものとする。
【0036】
本発明の記載において使用される用語は、特定の実施形態を記載することが意図されているが、本発明を限定するようには意図されていない。
【0037】
「特定の瞬間」という用語は、サービス提供セルの信号強度および近隣セルの信号強度が取得された直近の瞬間を示す。たとえば、端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。これは、予め決定された期間が1秒であると仮定し、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度の取得が、第0秒から始まる。時間が経過するとともに、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度は、1秒のインタバル(たとえば、第1秒、第2秒、第3秒等)で一度取得される。現在の瞬間が第8秒であり、端末が、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度を一度取得したと仮定すると、このケースでは、特定の瞬間は、第8秒であり、現在の瞬間が第8.3秒(第8秒と第9秒との間の任意の瞬間)であると仮定すると、特定の瞬間は未だに第8秒であり、時間が経過し、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度が、第9秒において再度取得されると仮定すると、このケースでは、特定の瞬間は、第9秒である。
【0038】
「安定傾向」という用語は、信号強度が安定していること、すなわち、たとえば信号強度の変化範囲が2dBmV(デシベル-mV、dBm)内にあるように、信号強度の変化範囲が、予め決定された強度しきい値内にあることを示している。現在、予め決定された強度しきい値は、別の値でもあり得る。または、実際のアプリケーション状況に従って設定され、それに何の限定も課せられない。
【0039】
「上昇傾向」という用語は、信号強度が連続的に増加すること、および、特定の時間長さ内の増加振幅が、予め決定された第1の信号強度を超えることを示している。ここで、予め決定された第1の信号強度は、実際のアプリケーション状況に従って設定され、それに何の限定も課せられない。
【0040】
「下降傾向」という用語は、信号強度が連続的に減少すること、および、特定の時間内の減少振幅が、予め決定された第2の信号強度を超えることを示している。ここで、予め決定された第2の信号強度は、実際のアプリケーション状況に従って設定され、それに何の限定も課せられない。
【0041】
図1を参照して示すように、本発明の実施形態においてターゲットセルを選択するための方法の実施形態は、以下を含む。
【0042】
101:端末が、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。
【0043】
端末が、ネットワークにキャンプする通常状態にある場合、端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。ここで、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである。
【0044】
端末は、取得の開始から現在の瞬間までの期間内の予め決定された期間のインタバルで、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度を取得し得ることが理解され得る。たとえば、取得が第0秒から始まり、現在の瞬間が、第6.3秒であり、予め決定された期間が2秒であれば、端末は、第0秒、第2秒、第4秒、および第6秒において、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度を取得する。
【0045】
予め決定された期間は、たとえば、1秒に設定され得る、0.5秒に設定され得る、または、別の値に設定され得るという具合に、何の限定も課せられず、実際の状況に従って設定され得ることが注目されるべきである。
【0046】
102:端末は、候補ターゲットセル集合を判定する。候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含む。
【0047】
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した後、端末は、特定の瞬間におけるサービス提供セルの第1の強度パラメータを、特定の瞬間における近隣セルの第1の強度パラメータと比較し、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを用いる。特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである。
【0048】
特定の瞬間は、ステップ102が実行される瞬間とは必ずしも同じである必要はなく、ステップ102が実行される瞬間は、特定の瞬間であり得るか、または、特定の瞬間ではないこともあり、ここでは限定されないことが理解され得る。たとえば、第0秒から始まるのであれば、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが、予め決定された期間である1秒に従って取得され、ステップ102が実行される瞬間が第6.4秒であれば、端末が、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した直近の瞬間は、第6秒であり、このケースでは、ステップ102が実行される瞬間は第6.4秒である一方、特定の瞬間は第6秒であり、ステップ102が実行される瞬間が第8秒であれば、端末が、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した直近の瞬間は、第8秒であり、このケースでは、ステップ102が実行される瞬間と、特定の瞬間とは同じであり、共に第8秒である。
【0049】
103:端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出する。
【0050】
候補ターゲットセル集合を取得した後、端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出する。この信号変化傾向は、安定傾向、上昇傾向、または下降傾向を含む。
【0051】
候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向は、検出される必要があるので、検出の持続時間として予め決定された時間長さは、予め決定された期間よりも長く、信号変化傾向が検出され得ること、すなわち、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが、予め決定された時間長さ内で、少なくとも3回検出され得ることが要求されることが理解され得る。さらに、予め決定された時間長さ内の信号変化傾向が、特定の瞬間において、信号変化傾向をある程度反映し得る限り、予め決定された時間長さの終点は、特定の時間前の瞬間であり得る。確かに、予め決定された時間長さの終点が、特定の瞬間に近づくほど、特定の瞬間における信号変化傾向が、より良く反映され得る。予め決定された時間長さおよび予め決定された時間長さの終点は、実際のアプリケーション状況に従って設定され得る。好適には、予め決定された時間長さの終点は、特定の瞬間である。たとえば、取得が第0秒から始まり、現在の瞬間が第6秒であり、予め決定された期間が1秒であり、予め決定された時間長さが5秒であれば、端末は、候補ターゲットセル集合内の近隣セルの、第1秒から第6秒までの5秒以内にある信号変化傾向を検出し、現在の瞬間が第8秒であれば、端末は、候補ターゲットセル集合内の近隣セルの、第3秒から第8秒までの5秒以内にある信号変化傾向を検出する。予め決定された時間長さはまた、予め決定された時間長さ内の近隣セルの信号変化傾向が判定され得る限り、実際のアプリケーション状況に従って設定され得る。
【0052】
104:端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。
【0053】
予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出した後、端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。ここで、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。
【0054】
ここでは3つの方式があることが理解され得る。
【0055】
第1の方式は、候補ターゲットセル集合における安定傾向を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と端末が判定することである。
【0056】
第2の方式は、候補ターゲットセル集合における上昇傾向を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と端末が判定することである。
【0057】
第3の方式は、安定傾向を満たす信号変化傾向を有する近隣セルと、上昇傾向を満たす信号変化傾向を有する近隣セルとによって形成された近隣セル集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と端末が判定することである。
【0058】
適切な方式が、実際のアプリケーションのニーズに従ってこれら3つの方式から選択され得、それに何の限定も課せられない。
【0059】
105:端末は、ターゲットセルをサービス提供セルとして再選択する。
【0060】
ターゲットセルを判定した後、端末はターゲットセルをサービス提供セルとして再選択する。
【0061】
本発明のこの実施形態では、端末は、近隣セルの信号変化傾向を判定することにより、サービス提供セルの再選択を実施する。その基礎は、高速列車においてキャプチャされたセル信号の強度を分析することによって、単一セルの一般的なキャンピング時間が20秒であることと、ネットワークからの途絶または再選択がなされる前に、サービス提供セルの信号が連続的に弱くなる(RSRP/-90dBm)か、または、近隣セルの信号強度が規則的に変化している間に突然弱くなることとが発見されることにある。具体的には、端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得し、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを選択する。第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータであり、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、従って、候補ターゲットセル集合内の全ての近隣セルは、特定の瞬間において、比較的大きな信号強度を有し、端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出し、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定する。第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。すなわち、ターゲットセルは、比較的大きな信号強度を有し、この信号強度は、連続的に増加し、従って、端末は、ヒステリシス時間を決定する必要なく、ターゲットセルを、サービス提供セルとして直接的に再選択し、端末は、信号が迅速に変化したケースにおいて、時間内に適切なターゲットセルを再選択できるようになり、これによって、端末がキャンプするネットワークの信号品質を改善し、ネットワークからの一時的な途絶の時間量を低減し、端末のコール接続レートを増加させる。
【0062】
前述した実施形態では、端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定する。この時、サービス提供セルの信号変化傾向は、上昇傾向であり得るか、安定傾向であり得るか、または下降傾向であり得る。実際のアプリケーションでは、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定される前に、サービス提供セルの信号変化傾向が最初に判定され、サービス提供セルの信号変化傾向と、近隣セルの信号変化傾向とが共に、ターゲットセルを選択するための基準条件として使用される。図2を参照して示すように、本発明の実施形態においてターゲットセルを選択するための方法の別の実施形態は、以下を含む。
【0063】
201:端末が、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。
【0064】
端末が、ネットワークにキャンプする通常状態にある場合、端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。ここで、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである。
【0065】
端末は、取得の開始から現在の瞬間までの期間内の予め決定された期間のインタバルで、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度を取得し得ることが理解され得る。たとえば、取得が第0秒から始まり、現在の瞬間が第6.3秒であり、予め決定された期間が2秒であれば、端末は、第0秒、第2秒、第4秒、および第6秒において、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度を取得する。
【0066】
予め決定された期間は、たとえば、1秒に設定され得る、0.5秒に設定され得る、または、別の値に設定され得るという具合に、何の限定も課せられず、実際の状況に従って設定され得ることが注目されるべきである。
【0067】
202:端末は、候補ターゲットセル集合を判定する。候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含む。
【0068】
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した後、端末は、特定の瞬間におけるサービス提供セルの第1の強度パラメータを、特定の瞬間における近隣セルの第1の強度パラメータと比較し、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを用い得る。特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである。
【0069】
第1の強度パラメータが、信号強度に従って計算することによって取得される強度パラメータである場合、多くの具体的な計算方式が存在し得る。たとえば、第1の強度パラメータは、信号強度Rxlevから、セル基地局の受信感度RXLEV_ACCESS_MINを減じることにより取得され得るか、または、予め設定された重み(たとえば、40%)とセル基地局の受信感度との積を、信号強度から減じることによって取得され得る。または、実際のアプリケーションの異なるニーズに従って、セル基地局の信号強度および別のパラメータに従って計算することによって取得され得るが、ここでは限定されない。
【0070】
特定の瞬間は、ステップ202が実行される瞬間とは必ずしも同じである必要はなく、ステップ202が実行される瞬間は、特定の瞬間であり得るか、または、特定の瞬間ではないこともあり、ここでは限定されないことが理解され得る。たとえば、第0秒から始まるのであれば、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが、予め決定された期間である1秒に従って取得され、ステップ202が実行される瞬間が第6.4秒であれば、端末が、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した直近の瞬間は、第6秒であり、このケースでは、ステップ202が実行される瞬間は第6.4秒である一方、特定の瞬間は第6秒であり、ステップ202が実行される瞬間が第8秒であれば、端末が、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した直近の瞬間は、第8秒であり、このケースでは、ステップ202が実行される瞬間と、特定の瞬間とは同じであり、共に第8秒である。
【0071】
203:端末は、候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定する。
【0072】
候補ターゲットセル集合を取得した後、端末は、候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定し、
候補ターゲットセルが空集合ではないと判定された場合、ステップ204がトリガされるか、または、
候補ターゲットセル集合が空集合であると判定された場合、現在の期間中に、現在の瞬間において、サービス提供セルのものよりも、その信号強度が大きい近隣セルが存在しないことを示し、端末は、ステップ202を再トリガするために、次の予め決定された期間まで待機する。
【0073】
端末のオーバヘッドを節約するために、候補ターゲットセル集合が空集合であると判定した場合、端末は、ステップ202をトリガするために、1つの予め決定された期間のみ待機するのではなく、たとえば、ステップ202を再トリガするために、2つ、3つ、またはそれ以上の予め決定された期間のように、より長い時間待機し得るが、これらは、実際のニーズに従って設定され、限定されないことが理解され得る。
【0074】
204:端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出する。
【0075】
候補ターゲットセル集合を取得し、候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定した後、端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出する。ここで、信号変化傾向は、信号強度の変化の傾向であり、信号変化傾向は、安定傾向、上昇傾向、または下降傾向を含む。
【0076】
候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向は、検出される必要があるので、検出の持続時間として予め決定された時間長さは、予め決定された期間よりも長く、信号変化傾向が検出され得ること、すなわち、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが、予め決定された時間長さ内で、少なくとも3回検出され得ることが要求されることが理解され得る。さらに、予め決定された時間長さ内の信号変化傾向が、特定の瞬間において、信号変化傾向をある程度反映し得る限り、予め決定された時間長さの終点は、特定の時間前の瞬間であり得る。確かに、予め決定された時間長さの終点が、特定の瞬間に近づくほど、特定の瞬間における信号変化傾向が、より良く反映され得る。予め決定された時間長さおよび予め決定された時間長さの終点は、実際のアプリケーション状況に従って設定され得る。好適には、予め決定された時間長さの終点が、特定の瞬間である。たとえば、取得が第0秒から始まり、現在の瞬間が第6秒であり、予め決定された期間が1秒であり、予め決定された時間長さが5秒であれば、端末は、候補ターゲットセル集合内の近隣セルの、第1秒から第6秒までの5秒以内にある信号変化傾向を検出し、現在の瞬間が第8秒であれば、端末は、候補ターゲットセル集合内の近隣セルの、第3秒から第8秒までの5秒以内にある信号変化傾向を検出する。予め決定された時間長さはまた、予め決定された時間長さ内の近隣セルの信号変化傾向が判定され得る限り、実際のアプリケーション状況に従って設定され得る。
【0077】
205:端末は、予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出する。
【0078】
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号強度を取得した後、端末は、予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出し得る。
【0079】
ステップ205およびステップ204を実行するシーケンスは、限定されないことが理解され得る。ステップ205は、ステップ204の前に実行され得るか、またはステップ204の後に実行され得るか、またはステップ205およびステップ204が同時に実行され得るが、これらはここでは限定されない。
【0080】
206:端末は、予め決定された時間長さ内におけるサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすか否かを判定する。ここで、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である。
【0081】
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出した後、端末は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすか否かを判定する。
【0082】
第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向であることが理解され得る。従って、サービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定するための3つの方式がある。
【0083】
第1の方式は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、安定傾向を満たすと判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0084】
第2の方式は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、下降傾向を満たすと判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0085】
第3の方式は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、下降傾向および安定傾向のうちのいずれかを満たすと判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0086】
適切な方式が、実際のアプリケーションのニーズに従ってこれら3つの方式から選択され得、それに何の限定も課せられない。一般に、セル再選択の頻度が低減される必要があるのであれば、第2の方式が好まれ、端末がネットワークから途絶されないことが可能な限り保証される必要があるのであれば、第3の方式が好まれる。
【0087】
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合、ステップ207がトリガされるか、または、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定され、特定の瞬間において判定された、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、再選択のための要件を満たさないことと、サービス提供セルを再選択するための瞬間が未だに到来していないこととを示す場合、端末は、ステップ202をトリガするために、次の期間まで待機し得る。
【0088】
207:端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。
【0089】
予め決定された時間長さ内の候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向が検出された後、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合、端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定する。ここで、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。
【0090】
近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たすと判定するためにも3つの方式があることが理解され得る。
【0091】
第1の方式は、候補ターゲットセル集合における安定傾向を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と端末が判定することである。
【0092】
第2の方式は、候補ターゲットセル集合における上昇傾向を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と端末が判定することである。
【0093】
第3の方式は、安定傾向を満たす信号変化傾向を有する近隣セルと、上昇傾向を満たす信号変化傾向を有する近隣セルとによって形成された近隣セル集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と端末が判定することである。
【0094】
適切な方式が、実際のアプリケーションのニーズに従ってこれら3つの方式から選択され得、それに何の限定も課せられない。一般に、ターゲットセルの信号が優れていることを保証するために、第2の方式が好まれ、端末がネットワークから途絶されないことを可能な限り保証するためであれば、第3の方式が好まれる。
【0095】
サービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たす3つの方式があり、近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たすのにも3つの方式があり、これら方式は、異なる効果を達成するための実際のニーズに従って意のままに組み合わされ得ることが理解され得る。たとえば、ターゲットセルの信号が最適であることを保証し、セル再選択の頻度を低減するためであれば、サービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たす第2の方式と、近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たす第2の方式と、が好適に組み合わされ得るか、または、特定の状況に従って、別の効果を達成するために、これら方式の別の組み合わせが実行され得るが、ここでは限定されない。
【0096】
208:端末は、サービス提供セルとしてターゲットセルを再選択する。
【0097】
ターゲットセルを判定した後、端末は、サービス提供セルとしてターゲットセルを再選択する。
【0098】
サービス提供セルとしてターゲットセルを再選択した後、端末は、ステップ202をトリガするために、次の予め決定された期間まで待機し、再選択決定の新たなラウンドを開始し得るか、または、再選択決定の新たなラウンドを開始するために、より長い時間待機し、特定の待機期間が、実際のニーズに従って判定され得るが、ここでは限定されないことが理解され得る。
【0099】
本発明のこの実施形態では、端末は、サービス提供セルの信号変化傾向と、近隣セルの信号変化傾向とを共に、ターゲットセルを選択するための基準条件として用いる。予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たすと判定された場合のみ、端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルがターゲットセルであると判定し、これによって、サービス提供セルの信号強度が増加する場合、サービス提供セルの再選択が実行されないようになる。このように、ターゲットセルの信号強度が保証され、サービス提供セルの再選択の頻度が低減され、システムリソースが節約される。
【0100】
実際のアプリケーションでは、実際の状況のニーズに従って、近隣セルの信号変化傾向のみが基準条件として使用され得、サービス提供セルの信号変化傾向が上昇傾向を満たすか否かに関わらず、近隣セルの信号変化傾向が第2の状態を満たす限り、ターゲットセルを選択するための後続する判定が実行されるが、これには限定されないことが理解され得る。
【0101】
前述した実施形態では、端末は、近隣セルの信号変化傾向を用いることによってセル再選択を実行し、セル再選択を実行する方式は、様々なシナリオに適応され得る。実際アプリケーションでは、端末は、先ず、端末が高速移動状態にあるか否かを判定し、端末が高速移動状態にある場合にのみ、信号変化傾向を用いることによってセル再選択を実行し得る。別の態様では、前述した実施形態では、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルがターゲットセルであると判定される。実際のアプリケーションでは、その信号変化傾向が第1の状態を満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルがターゲットセルであると判定するために、その信号変化傾向が第1の状態を満たす近隣セルの集合における近隣セルの第2の強度パラメータが比較され得る。図3を参照して示すように、本発明の実施形態においてターゲットセルを選択するための方法の別の実施形態は、以下を含む。
【0102】
301:端末が、端末が高速移動状態にあるか否かを判定する。
【0103】
端末が、ネットワークにキャンプする通常状態にある場合、端末は、端末が高速移動状態にあるか否かを判定し、
端末が高速移動状態にあると判定された場合、ステップ302がトリガされるか、または、
端末が高速移動状態にないと判定された場合、ステップ310がトリガされる。
【0104】
端末が高速移動状態にあるか否かを判定するための複数の方式が存在することが理解され得る。
【0105】
オプションとして、端末は、センサを用いることによって、端末の速度値を検出し得る。そして、端末の速度値が、予め決定された速度しきい値よりも大きい場合、この端末が高速移動状態にあると判定する。
【0106】
オプションとして、端末は、予め設定された時間長さ内の端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを検出し得る。そして、予め設定された時間長さ内の端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きい場合、この端末が高速移動状態にあると判定する。
【0107】
端末が高速移動状態にあるか否かを判定するためのその他多くの方式も存在し、それに何の限定も課せられない。
【0108】
302:端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。
【0109】
端末が高速移動状態にあると判定されると、端末は、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。ここで、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである。
【0110】
取得の開始から現在の瞬間までの期間内の予め決定された期間のインタバルにおいて、サービス提供セルと近隣セルとの信号強度を取得し得ることが理解され得る。たとえば、取得が第0秒から始まり、現在の瞬間は第6.3秒であり、予め決定された期間は2秒であれば、端末は、第0秒、第2秒、第4秒、および第6秒において、サービス提供セルおよび近隣セルの信号強度を取得する。
【0111】
予め設定された期間は、たとえば、1秒に設定され得る、0.5秒に設定され得る、または別の値に設定され得る具合に、何の限定も課せられず、実際の状況に従って設定され得ることが注目されるべきである。
【0112】
この実施形態では、好適には、予め決定された期間は0.47秒である。
【0113】
303:端末は、候補ターゲットセル集合を判定する。候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含む。
【0114】
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した後、端末は、特定の瞬間におけるサービス提供セルの第1の強度パラメータを、特定の瞬間における近隣セルの第1の強度パラメータと比較し、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを用い得る。特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである。
【0115】
第1の強度パラメータが、信号強度に従って計算することによって取得される強度パラメータである場合、多くの具体的な計算方式が存在し得る。たとえば、第1の強度パラメータは、信号強度Rxlevから、セル基地局の受信感度RXLEV_ACCESS_MINを減じることにより取得され得るか、または、予め設定された重み(たとえば、40%)とセル基地局の受信感度との積を、信号強度から減じることによって取得され得る。または、実際のアプリケーションの異なるニーズに従って、セル基地局の信号強度および別のパラメータに従って計算することによって取得され得るが、ここでは限定されない。
【0116】
この実施形態では、好適には、第1の強度パラメータは、セル基地局の受信感度RXLEV_ACCESS_MINが減じられた信号強度Rxlevである。
【0117】
特定の瞬間は、ステップ303が実行される瞬間と必ずしも同じである必要はなく、ステップ303が実行される瞬間は、特定の瞬間であり得るか、または、特定の瞬間ではないこともあり、ここでは限定されないことが理解され得る。たとえば、第0秒から始まるのであれば、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが、予め決定された期間である1秒に従って取得され、ステップ303が実行される瞬間が第6.4秒であれば、端末が、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した直近の瞬間は、第6秒であり、このケースでは、ステップ303が実行される瞬間は6.4秒である一方、特定の瞬間は第6秒であり、ステップ303が実行される瞬間が第8秒であれば、端末が、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得した直近の瞬間は、第8秒であり、このケースでは、ステップ303が実行される瞬間と、特定の瞬間とは同じであり、共に第8秒である。
【0118】
304:端末は、候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定する。
【0119】
候補ターゲットセル集合を取得した後、端末は、候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定し、
候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定された場合、ステップ305がトリガされるか、または、
候補ターゲットセル集合が空集合であると判定された場合、現在の期間中に、現在の瞬間において、サービス提供セルのものよりも、その信号強度が大きい近隣セルが存在しないことを示し、端末は、ステップ303を再トリガするために、次の予め決定された期間まで待機する。
【0120】
端末のオーバヘッドを節約するために、候補ターゲットセル集合が空集合であると判定した場合、端末は、ステップ303をトリガするために、1つの予め決定された期間のみ待機するのではなく、たとえば、ステップ303を再トリガするために、2つ、3つ、またはそれ以上の予め決定された期間のように、より長い期間待機し得るが、これらは、実際のニーズに従って設定され、限定されないことが理解され得る。
【0121】
305:端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出する。
【0122】
候補ターゲットセル集合を取得し、候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定した後、端末は、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変更傾向を検出する。ここで、信号変化傾向は、信号強度の変化の傾向であり、信号変化傾向は、安定傾向、上昇傾向、または下降傾向を含む。
【0123】
候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向は、検出される必要がありので、検出の持続時間として予め決定された時間長さは、予め決定された期間よりも長く、信号変化傾向が検出され得ること、すなわち、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが、予め決定された時間長さ内で、少なくとも3回検出され得ることが要求されることが理解され得る。さらに、予め決定された時間長さ内の信号変化傾向が、特定の瞬間において、信号変化傾向をある程度反映し得る限り、予め決定された時間長さの終点は、特定の時間前の瞬間であり得る。確かに、予め決定された時間長さの終点が、特定の瞬間に近づくほど、特定の瞬間における信号変化傾向が、より良く反映され得る。予め決定された時間長さおよび予め決定された時間長さの終点は、実際のアプリケーション状況によって設定され得る。好適には、予め決定された時間長さの終点が、特定の瞬間である。たとえば、取得が第0秒から始まり、現在の瞬間が第6秒であり、予め決定された期間が1秒であり、予め決定された時間長さが5秒であれば、端末は、候補ターゲットセル集合内の近隣セルの、第1秒から第6秒までの5秒以内にある信号変化傾向を検出し、現在の瞬間が第8秒であれば、端末は、候補ターゲットセル集合内の近隣セルの、第3秒から第8秒までの5秒以内にある信号変化傾向を検出する。予め決定された時間長さはまた、予め決定された時間長さ内の近隣セルの信号変化傾向が判定され得る限り、実際のアプリケーションに従って設定され得る。
【0124】
この実施形態では、好適には、予め決定された時間長さは5秒である。
【0125】
306:端末は、予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出する。
【0126】
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号強度を取得した後、端末は、予め決定された時間長さ内にあるサービス提供セルの信号変化傾向を検出し得る。
【0127】
ステップ306およびステップ305を実行するシーケンスは限定されないことが理解され得る。ステップ306は、ステップ305の前に実行され得るか、または、ステップ305の後に実行され得る。または、ステップ306およびステップ305が、同時に実行され得るが、ここでは限定されない。
【0128】
307:端末は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たしているか否かを判定する。ここで、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である。
【0129】
予め決定された時間長さ内にあるサービス提供セルの信号変化傾向を検出した後、端末は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たすか否かを判定する。
【0130】
第2の状態が、安定傾向および/または下降傾向であると理解され得る。従って、サービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定するための3つの方式がある。
【0131】
第1の方式は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、安定傾向を満たすと判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0132】
オプションとして、この方式はさらに限定され得る。予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向は、安定傾向を満たし、第1の信号強度しきい値未満であると判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0133】
第2の方式は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、下降傾向を満たすと判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0134】
第3の方式は、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、下降傾向および安定傾向のいずれかを満たすことが判定された場合、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定される。
【0135】
適切な方式が、実際のアプリケーションのニーズに従ってこれら3つの方式から選択され得、それに何の限定も課せられない。一般に、セル再選択の頻度が低減される必要があるのであれば、第2の方式が好まれ、端末がネットワークから途絶されないことが可能な限り保証される必要があるのであれば、第3の方式が好まれる。
【0136】
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合、ステップ308がトリガされるか、または、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定され、特定の瞬間において判定された、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、再選択のための要件を満たさないことと、サービス提供セルを再選択するための瞬間が未だに到来していないこととを示す場合、端末は、ステップ303をトリガするために、次の期間まで待機し得る。
【0137】
308:端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。ここで、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。
【0138】
予め決定された時間長さ内の候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向が検出された後、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合、端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。ここで、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。
【0139】
近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たすことを判定するためにも、3つの方式があることが理解され得る。
【0140】
第1の方式は、候補ターゲットセル集合における近隣のセルの信号変化傾向が、安定傾向を満たすと判定された場合、近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たすと判定される。
【0141】
オプションで、この方式はさらに限定され得る。候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向が安定傾向を満たし、第2の信号強度しきい値よりも大きいと判定された場合、近隣セルの信号変化傾向が第1の傾向を満たすと判定される。
【0142】
第2の方式は、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向が、上昇傾向を満たすと判定された場合、近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たすと判定される。
【0143】
第3の方式は、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向が、上昇傾向を満たすか安定傾向を満たすと判定された場合、近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たすと判定される。
【0144】
適切な方式が、実際のアプリケーションのニーズに従ってこれら3つの方式から選択され得、それに何の限定も課せられない。一般に、ターゲットセルの信号が良好であることを保証するために、第2の方法が好まれ、端末がネットワークから途絶されないことを可能な限り保証するためであれば、第3の方式が好まれる。
【0145】
サービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たす3つの方式があり、近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たすのにも3つの方式があり、これら方式は、異なる効果を達成するための実際のニーズに従って意のままに組み合わされ得ることが理解され得る。たとえば、ターゲットセルの信号が最適であることを保証し、セル再選択の頻度を低減するためであれば、サービス提供セルの信号変化傾向が第2の状態を満たす第2の方式と、近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たす第2の方式と、が好適に組み合わされ得るか、または、特定の状況に従って、別の効果を達成するために、これら方式の別の組み合わせが実行され得るが、ここでは限定されない。
【0146】
第2の強度パラメータが、信号強度に従って計算することによって取得される強度パラメータである場合、多くの具体的な計算方式が存在し得る。たとえば、第2の強度パラメータは、信号強度Rxlevから、セル基地局の受信感度RXLEV_ACCESS_MINを減じることにより取得され得るか、または、予め設定された重み(たとえば、50%)とセル基地局の受信感度との積を、信号強度から減じることによって取得され得る。または、実際のアプリケーションの異なるニーズに従って、セル基地局の信号強度および別のパラメータに従って計算することによって取得され得るが、ここでは限定されない。
【0147】
この実施形態では、好適には、第2の強度パラメータは、信号強度である。
【0148】
実際のアプリケーションでは、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルがターゲットセルであると端末によって判定することは、2つのステージで実行され得る。
【0149】
第1のステージ:端末は、候補ターゲットセル集合から、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして選択する。
【0150】
第2のステージ:端末は、第1の近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たすか否かを判定する。
【0151】
第1の近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たさないと判定された場合、候補ターゲットセル集合を更新するために、候補ターゲットセル集合から第1の近隣セルが削除され、第1のステージが再実行され、
第1の近隣セルが、第1の状態を満たすと判定された場合、第1の近隣セルが、ターゲットセルであると判定されるか、または、
候補ターゲットセル集合における近隣セルのいずれも第1の状態を満たさず、近隣セルが削除された場合、候補ターゲットセルは空集合になり、端末は、ステップ303を再トリガするために、次の期間まで待機し得る。
【0152】
実際のアプリケーションプロセスでは、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定されるステップ308に加えて、別の設定ルールに従って、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルもまた、ターゲットセルとして選択され得ることが理解され得る。たとえば、セルのネットワークキャンピング持続時間を増加させ、セル再選択の頻度を低減させるためであれば、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も小さい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定され得る。異なる実際のニーズに従って、別の選択方式もあり得るが、ここでは限定されない。
【0153】
309:端末は、ターゲットセルをサービス提供セルとして再選択する。
【0154】
ターゲットセルを判定した後、端末はターゲットセルをサービス提供セルとして再選択する。
【0155】
310:端末は、ヒステリシス決定の既存の方式でセル再選択を実行する。
【0156】
端末が高速移動状態にはないと判定された場合、端末は、ヒステリシス決定の既存の方式でセル再選択を実行する。
【0157】
ヒステリシス決定の既存の方式でセル再選択を実行することは、2つのパラメータ、すなわち、ヒステリシス信号強度(通常、3dBmV dBmである)およびヒステリシス時間(通常、5秒に設定される)を用いることによって端末のセル再選択挙動を制御することを含む。ターゲットセルから受信した信号の強度(たとえば、-72dBm)が、サービス提供セルの信号強度(-80dBm)に、ヒステリシス信号強度(3dBm)を加えたものよりも大きく、持続時間が、ヒステリシス時間(たとえば、5秒)よりも大きい場合、セル再選択が開始される。そうではない場合、端末は、現在のサービス提供セルにキャンプし続ける。
【0158】
本発明のこの実施形態では、端末が高速移動状態にあるか否かが最初に判定され、端末が高速移動状態にある場合に限り、傾向判定方式でセル再選択が実行され、そうではない場合には、ヒステリシス決定の既存の方式でセル再選択が実行される。このように、非高速移動状態のケースにおいては、セル再選択の頻度が明らかに低減され、高速移動状態のケースにおいては、ネットワークからの一時的な途絶の現象が回避され得る。これは、端末が、様々なアプリケーションシナリオにおいて、通信品質とシステムオーバヘッドとの平準化を良好に達成できるように、端末の利用可能性を改善する。さらに、端末は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定し、これによって、ターゲットセルの信号は、要求される信号変化傾向が満たされる条件における最高のものとなり、端末の通信品質を向上させる。
【0159】
理解の容易さのために、以下は、特定のアプリケーションシナリオにおける本発明の実施形態においてターゲットセルを選択するための方法を具体的に記載する。
【0160】
端末におけるセンサが、端末の現在の速度値が予め決定された速度しきい値200KM/hよりも大きい250KM/hであると検出する。端末は、高速移動状態が現在利用可能であると判定し、
端末は、1秒である予め決定された期間に従って、サービス提供セルAおよび近隣セルの信号強度を取得する。そして、この取得が第0秒から始まり、現在の時間が第8.2秒であると仮定すると、端末は既に、第0秒、第1秒、第2秒、第3秒、第4秒、第5秒、第6秒、第7秒、および第8秒において、サービス提供セルAおよび近隣セルのものである信号強度を取得しており、
端末は、候補ターゲットセル集合を形成するために、サービス提供セルの信号強度よりも、その第8秒(特定の瞬間)における信号強度が大きい4つの近隣セルD、E、FおよびGを選択する。ここでは、第8秒において、サービス提供セルAの信号強度が-80dBmであり、近隣セルDの信号強度が-60dBmであり、近隣セルEの信号強度が-63dBmであり、近隣セルFの信号強度が-50dBmであり、近隣セルGの信号強度が-62dBmであり、
端末は、第3秒から第8秒まで(予め決定された時間長さである5秒以内)のサービス提供セルの信号変化傾向を検出し、第3秒におけるサービス提供セルAの信号強度は-45dBmであり、第4秒におけるサービス提供セルAの信号強度は-47dBmであり、第5秒におけるサービス提供セルAの信号強度は-50dBmであり、第6秒におけるサービス提供セルAの信号強度は-60dBmであり、第7秒におけるサービス提供セルAの信号強度は-70dBmであり、第8秒におけるサービス提供セルAの信号強度は-80dBmであることを学習し、第3秒から第8秒までのサービス提供セルの信号変化傾向が下降傾向であると判定する。
端末は、第3秒から第8秒までであり、候補ターゲットセル集合における近隣セルのものである信号変化傾向を検出し、第3秒から第8秒まで、近隣セルDの信号変化傾向は上昇傾向であり、近隣セルEの信号変化傾向は上昇傾向であり、近隣セルFの信号変化傾向は安定傾向であり、近隣セルGの信号変化傾向は下降傾向であることを学習し、
端末が、第3秒から第8秒までのサービス提供セルの信号変化傾向が下降傾向を満たしていると判定した場合、端末は、候補ターゲットセル集合において、その信号変化傾向が上昇傾向を満たす近隣セル(近隣セルDおよび近隣セルE)の集合において、その信号強度が最も高い近隣セル(近隣セルD)が、ターゲットセルである、と判定し、
端末は、サービス提供セルとしてターゲットセル(近隣セルD)を再選択する。
【0161】
以下は本発明の実施形態における端末を記載する。図4を参照して示すように、本発明の実施形態における端末の実施形態は、以下を含む。
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するように構成された取得モジュール401。ここで、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである。
候補ターゲットセル集合を判定するように構成された第1の判定モジュール402。候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータの方が大きい近隣セルを含む。特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである。
第1の判定モジュール402によって判定された候補ターゲットセル集合における近隣セルの、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある信号変化傾向を検出するように構成された第1の検出モジュール403。
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、第1の検出モジュール403によって検出されたその信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定するように構成された第2の判定モジュール404。
第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。第2の判定モジュール404によって判定されたターゲットセルをサービス提供セルとして再選択するように構成された再選択モジュール405。
【0162】
本発明のこの実施形態において、端末は、近隣セルの信号変化傾向を判定することによって、サービス提供セルの再選択を実施する。具体的には、取得モジュール401が、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得する。第1の判定モジュール402が、候補ターゲットセル集合を形成するために、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータの方が大きい近隣セルを選択する。第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータであり、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、従って、候補ターゲットセル集合における全ての近隣セルは、特定の瞬間において、比較的大きな信号強度を有する。第1の検出モジュール403が、候補ターゲットセル集合における近隣セルの、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある信号変化傾向を検出する。第2の判定モジュール404が、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルがターゲットセルであると判定する。第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である。すなわち、ターゲットセルは比較的大きな信号強度を有し、この信号強度は連続的に増加し得る。従って、再選択モジュール405が、ヒステリシス時間を決定する必要なく、ターゲットセルをサービス提供セルとして直接的に再選択し、端末は、信号が迅速に変化したケースにおいて、時間内に適切なターゲットセルを再選択できるようになり、従って、端末がキャンプするネットワークの信号品質を改善し、ネットワークからの一時的な途絶の時間量を低減し、端末のコール接続レートを増加させる。
【0163】
前述した実施形態では、第2の判定モジュール404が、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。そしてこの時、サービス提供セルの信号変化傾向は、上昇傾向であり得るか、安定傾向であり得るか、または下降傾向であり得る。実際のアプリケーションでは、第2の判定モジュール404が、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する前に、端末はさらに、サービス提供セルの信号変化傾向を判定し、サービス提供セルの信号変化傾向と、近隣セルの信号変化傾向とを共に、ターゲットセルを選択するための基準条件として用い得る。図5を参照して示すように、前述した端末はさらに、
予め決定された時間長さ内にある、サービス提供セルの信号変化傾向を検出するように構成された第2の検出モジュール501と、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合に、第2の判定モジュール404をトリガするように構成された第1のトリガモジュール502とを含む。ここで、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である。
【0164】
前述した実施形態では、サービス提供セルの信号変化傾向および近隣セルの信号変化傾向は、ターゲットセルを選択するための基準条件として共に使用される。予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たすと判定された場合に限り、第1のトリガモジュール502は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する第2の判定モジュール404をトリガする。これによって、サービス提供セルの信号強度が増加する場合、サービス提供セルの再選択が実行されないようになる。このように、ターゲットセルの信号強度が保証され、サービス提供セルの再選択の頻度が低減され、システムリソースが節約される。
【0165】
実際のアプリケーションでは、予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないことを、第2の検出モジュール501が検出した場合、端末は、第1の判定モジュール402を再トリガするために、設定された時間長さ、待機し得る。
【0166】
オプションとして、図6に図示されるように、本発明における端末の別の実施形態として、図5に対応する前述した実施形態における端末はさらに、以下を含み得る。
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定された場合に、第1の判定モジュール402をトリガするために、次の予め決定された期間まで待機するように構成された第2のトリガモジュール601。
【0167】
前述した実施形態では、第1のトリガモジュール601は、第1の判定モジュール402をトリガするために、次の予め決定された期間まで待機し、これによって、条件が満たされない場合、セル再選択の連続性を保証する。
【0168】
実際のアプリケーションでは、判定された候補ターゲットセル集合は、空集合であり得る。このケースでは、複数のプロセス方式が存在し、以下は、例としてこれら方式のうちの1つを用いる。図7に図示されるように、本発明の端末の別の実施形態として、前述した端末はさらに、以下を含み得る。
候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定するように構成された第1の判断モジュール701。
候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定された場合、第1の検出モジュール403をトリガするように構成された第3のトリガモジュール702。
候補ターゲットセル集合が空集合であると判定された場合、第1の判定モジュール402をトリガするために、次の予め決定された期間まで待機するように構成された第4のトリガモジュール703。
【0169】
前述した実施形態では、候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定された場合にのみ、第3のトリガモジュール702は、第1の検出モジュール403をトリガした場合、そうではない場合、第4のトリガモジュールは、第1の判定モジュール402をトリガするために、次の予め決定された時間長さまで待機し、これによって、候補ターゲットセル集合が空集合である場合におけるセル再選択プロセスの連続性を保証する。
【0170】
前述した実施形態では、第2の判定モジュール404は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。実際のアプリケーションでは、その信号変化傾向が第1の状態を満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定するために、第2の判定モジュール404は、その信号変化傾向が第1の状態を満たす近隣セルの集合における近隣セルの第2の強度パラメータを比較し得る。従って、前述した端末における第2の判定モジュール404は特に、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定するように構成され得る。第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである。
【0171】
実際のアプリケーションプロセスでは、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合のうち、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定することに加えて、第2の判定モジュール404はさらに、別の設定ルールに従って、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルを、ターゲットセルとして選択し得ることが理解され得る。たとえば、セルのネットワークキャンピング持続時間を増加させ、セル再選択の頻度を低減させるためであれば、第2の判定モジュール404は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす隣接セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も小さい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定し得る。異なる実際のニーズに従って、別の選択方式もあり得るが、ここでは限定されない。
【0172】
前述した実施形態では、第2の判定モジュール404は、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定する。実際のアプリケーションでは、この判定は、第2の判定モジュール404における複数のユニットによって段階的に実行され得る。図8を参照して示すように、本発明の実施形態における端末の別の実施形態として、図7に対応する実施形態における端末では、第2の判定モジュール404は、具体的に以下を含む。
その信号強度が最も大きい近隣セルを、候補ターゲットセル集合から、第1の近隣セルとして選択するように構成された選択ユニット801。
第1の近隣セルの信号変化傾向が第1の状態を満たしているか否かを判定するように構成された判断ユニット802。
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たさないと判定された場合、候補ターゲットセル集合を更新し、選択ユニット801を再トリガするために、候補ターゲットセル集合から第1の近隣セルを削除するように構成されたトリガユニット803。
第1の近隣セルが第1の状態を満たすと判定された場合、第1の近隣セルがターゲットセルであると判定するように構成された判定ユニット804。
【0173】
前述した実施形態では、候補ターゲットセル集合における近隣セルのいずれもが、第1の状態を満たさず、近隣セルがトリガユニット803によって削除された場合、候補ターゲットセルは空集合となり、端末は、第1の判定モジュール402を再トリガするために、次の期間まで待機し得る。
【0174】
前述した実施形態では、端末は、近隣セルの信号変化傾向を用いることによってセル再選択を実行し、セル再選択を実行するための方式は、様々なシナリオに適応され得る。実際のアプリケーションでは、端末は、先ず、端末が高速移動状態にあるか否かを判定し、端末が高速移動状態にある場合にのみ、信号変化傾向を用いることによって、セル再選択を実行し得る。図9を参照して示すように、本発明の実施形態における端末の別の実施形態として、前述した端末はさらに、
端末が高速移動状態にあるか否かを判定するように構成された第2の判断モジュール901と、
端末が高速移動状態にあると判定された場合、取得モジュール401をトリガするように構成された第5のトリガモジュール902とを含む。
【0175】
本発明のこの実施形態では、第2の判断モジュール901が先ず、端末が高速移動状態にあるか否かを判定し、端末が高速移動状態にある場合にのみ、第5のトリガモジュール902が、傾向判定方式で、セル再選択を開始するように取得モジュール401をトリガし、そうではない場合には、ヒステリシス決定の既存の方式でセル再選択が実行される。このように、非高速移動状態のケースにおいては、セル再選択の頻度が明らかに低減され、高速移動状態のケースにおいては、ネットワークからの一時的な途絶の現象が回避され得る。これは、端末が、様々なアプリケーションシナリオにおいて、通信品質とシステムオーバヘッドとの平準化を良好に達成できるように、端末の利用可能性を改善する。
【0176】
前述した実施形態では、第2の判断モジュール901は、端末が高速移動状態にあるか否かを判定する。実際のアプリケーションプロセスでは、端末が高速移動状態にあるか否かを具体的に判定するための多くの方式が存在し得る。
【0177】
オプションで、第2の判断モジュール901は具体的に、センサを用いることによって、端末の速度値を検出するように構成され得る。そして、端末の速度値が、予め決定された速度しきい値よりも大きい場合、この端末が高速移動状態にあると判定する。
【0178】
オプションで、第2の判断モジュール901は具体的に、予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを検出し、予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きい場合、この端末が高速移動状態にあると判定するように構成され得る。
【0179】
前述した実施形態の理解を容易にするために、下記は、特定のアプリケーションシナリオにおける前述した端末のモジュール間の相互作用のプロセスを記載する。
【0180】
第2の判断モジュール901におけるセンサは、端末の現在の速度値が予め決定された速度しきい値200KM/hよりも大きい250KM/hであることを検出する。そして、第2の判断モジュール901は、高速移動状態が現在利用可能であると判定し、取得モジュール401をトリガする。
取得モジュール401は、1秒である予め決定された期間に従って、サービス提供セルAと近隣セルとの信号強度を取得する。そして、第0秒から取得が始まり、現在の時間が第8.2秒であると仮定すると、取得モジュール401は既に、第0秒、第1秒、第2秒、第3秒、第4秒、第5秒、第6秒、第7秒、および第8秒における、サービス提供セルAおよび近隣セルの信号強度を取得しており、
第1の判定モジュール402は、候補ターゲットセル集合を形成するために、第8秒(特定の瞬間)におけるその信号強度が、サービス提供セルの信号強度よりも大きい4つの近隣セルD、E、FおよびGを選択する。ここで、第8秒において、サービス提供セルAの信号強度は-80dBmであり、近隣セルDの信号強度は-60dBmであり、近隣セルEの信号強度は-63dBmであり、近隣セルFの信号強度は-50dBmであり、近隣セルGの信号強度は-62dBmであり、
第2の検出モジュール501は、第3秒から第8秒まで(予め決定された時間長さである5秒以内)にあるサービス提供セルの信号変化傾向を検出し、第3秒におけるサービス提供セルAの信号強度が-45dBmであり、第4秒におけるサービス提供セルAの信号強度が-47dBmであり、第5秒におけるサービス提供セルAの信号強度が-50dBmであり、第6秒におけるサービス提供セルAの信号強度が-60dBmであり、第7秒におけるサービス提供セルAの信号強度が-70dBmであり、第8秒におけるサービス提供セルAの信号強度が-80dBmであることを学習し、第3秒から第8秒までのサービス提供セルの信号変化傾向が下降傾向であると判定し、
第1の検出モジュール403は、第3秒から第8秒までの、候補ターゲットセル集合における近隣セルものである信号変化傾向を検出し、第3秒から第8秒まで、近隣セルDの信号変化傾向が上昇傾向であり、近隣セルEの信号変化傾向が上昇傾向であり、近隣セルFの信号変化傾向が安定傾向であり、近隣セルGの信号変化傾向が下降傾向であることを学習し、
第2の検出モジュール501が、第3秒から第8秒までのサービス提供セルの信号変化傾向が下降傾向を満たしていると判定した場合、第1のトリガモジュール502は、第2の判定モジュール404をトリガし、第2の判定モジュール404は、候補ターゲットセル集合における上昇傾向を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合(近隣セルDおよび近隣セルE)において、その信号強度が最も大きい近隣セル(近隣セルD)が、ターゲットセルである、と判定し、
再選択モジュール405は、サービス提供セルとしてターゲットセル(近隣セルD)を再選択する。
【0181】
図10を参照して示すように、本発明の実施形態における端末1000の別の実施形態は、
入力装置1001、出力装置1002、プロセッサ1003、およびメモリ1004(ここで、端末1000には、1つまたは複数のプロセッサ1003が存在し、図10では例として1つのプロセッサ1003が用いられている)を含む。本発明のいくつかの実施形態では、入力装置1001、出力装置1002、プロセッサ1003、およびメモリ1004は、バスを用いることによって、または、別の方式で接続され、バスを用いることによって入力装置1001、出力装置1002、プロセッサ1003、およびメモリ1004が接続される例が図10で用いられている。
【0182】
メモリ1004に記憶された動作命令を起動することによって、プロセッサ1003は、以下のステップ、すなわち、
予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップであって、サービス提供セルは、端末が現在キャンプしているセルであり、近隣セルは、端末が信号を受信することができるセルである、取得するステップと、
候補ターゲットセル集合を判定するステップであって、候補ターゲットセル集合は、特定の瞬間において、サービス提供セルの第1の強度パラメータよりも、その第1の強度パラメータが大きい近隣セルを含み、特定の瞬間は、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とが取得された直近の瞬間であり、第1の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、判定するステップと、
特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出するステップと、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると判定するステップであって、第1の状態は、安定傾向および/または上昇傾向である、判定するステップと、
ターゲットセルをサービス提供セルとして再選択するステップとを実行するように構成される。
【0183】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003はさらに、
サービス提供セルの、予め決定された時間長さ内にある信号変化傾向を検出するステップを実行する。
【0184】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003は具体的に、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たしていると判定した場合に、候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たしている近隣セルの集合における近隣セルが、ターゲットセルであると、端末によって判定するステップであって、第2の状態は、安定傾向および/または下降傾向である、判定するステップを実行する。
【0185】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003はさらに、
予め決定された時間長さ内のサービス提供セルの信号変化傾向が、第2の状態を満たさないと判定した場合、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間まで待機するステップを実行する。
【0186】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003はさらに、
候補ターゲットセル集合が空集合であるか否かを判定するステップと、
候補ターゲットセル集合が空集合ではないと判定した場合、特定の瞬間前の予め決定された時間長さ内にある、候補ターゲットセル集合における近隣セルの信号変化傾向を検出するステップをトリガするステップ、または、
候補ターゲットセル集合が空集合であると判定した場合、候補ターゲットセル集合を判定するステップをトリガするため、次の予め決定された期間まで待機するステップとを実行する。
【0187】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003は具体的には、
候補ターゲットセル集合における第1の状態を、その信号変化傾向が満たす近隣セルの集合において、その第2の強度パラメータが最も大きい近隣セルが、ターゲットセルである、と判定するステップであって、第2の強度パラメータは、信号強度であるか、または、信号強度に従って計算することによって取得された強度パラメータである、ステップを実行する。
【0188】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003は具体的には、
信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして、候補ターゲットセル集合から選択するステップと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たすか否かを判定するステップと、
第1の近隣セルの信号変化傾向が、第1の状態を満たさないと判定した場合、候補ターゲットセル集合を更新するために、候補ターゲットセル集合から第1の近隣セルを削除し、候補ターゲットセル集合から、その信号強度が最も大きい近隣セルを、第1の近隣セルとして選択するステップを再トリガするステップ、または、
第1の近隣セルが第1の状態を満たしていると判定した場合、第1の近隣セルがターゲットセルであると判定するステップとを実行する。
【0189】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003はさらに、
端末が高速移動状態にあるか否かを判定するステップと、
端末が高速移動状態にあると判定した場合、予め決定された期間に従って、サービス提供セルの信号強度と、近隣セルの信号強度とを取得するステップをトリガするステップとを実行する。
【0190】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003は具体的に、
センサを用いることによって、端末の速度値を検出するステップと、
端末の速度値が、予め決定された速度しきい値よりも大きい場合、端末が高速移動状態にあると判定するステップとを実行する。
【0191】
本発明のいくつかの実施形態では、プロセッサ1003は具体的に、
予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいか否かを検出するステップと、
予め設定された時間長さ内での端末の自動周波数制御のオフセットが、予め決定されたオフセットよりも大きいと判定した場合、端末が高速移動状態にあると判定するステップとを実行する。
【0192】
便利で簡潔な記載の目的のために、前述したシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスのために、前述した方法実施形態において対応するプロセスに対する参照がなされ、詳細は再度記載されることはないことが当業者によって明確に理解され得る。
【0193】
本願において提供されるいくつかの実施形態では、開示されたシステム、装置、および方法は、他の方式で実現され得ることが理解されるべきである。たとえば、記載された装置実施形態は、単に典型的である。たとえば、ユニット分割は単なる論理的な機能分割であって、実際の実施では、他の分割であり得る。たとえば、複数のユニットまたは構成要素が、別のシステムに結合または統合され得るか、または、いくつかの特徴が、無視され得るか、または実行されない。さらに、表示または記載された相互カップリングまたは直接的なカップリングまたは通信接続は、いくつかのインターフェースを用いることによって実現され得る。装置間またはユニット間の間接的なカップリングまたは通信接続は、電子的、機械的、またはその他の形式で実施され得る。
【0194】
個別の部分として記載されたユニットは、物理的に分離していることも、物理的に分離していないこともあり、ユニットとして表示された部品が、物理的なユニットである場合も、物理的なユニットではない場合もあり、1つの場所に配置され得るか、または、複数のネットワークユニット上に分散され得る。これらユニットのうちのいくつかまたは全ては、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際のニーズに従って選択され得る。
【0195】
さらに、本発明の実施形態における機能的なユニットは、1つの処理ユニットへ統合され得るか、または、ユニットの各々が、物理的に単独で存在し得るか、または、2つ以上のユニットが1つのユニットへ統合される。統合されたユニットは、ハードウェアの形式で実現され得るか、または、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され得る。
【0196】
統合されたユニットが、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売または使用される場合、統合されたユニットは、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本発明の本質的な技術的解決策、または先行技術に寄与する部分、または技術的解決策の全てまたはいくつかが、ソフトウェア製品の形式で実現され得る。ソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、本発明の実施形態に記載された方法のステップのうちの全てまたはいくつかを実行するようにコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)に対して指示するためのいくつかの指示を含んでいる。前述した記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読取専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクのようなプログラムコードを記憶し得る任意の媒体を含む。
【0197】
前述した実施形態は、単に本発明の技術的解決策を記載するためにしか意図されておらず、本発明を限定するためには意図されていない。本発明は、前述した実施形態を参照して詳細に記載されているが、当業者は、本発明の実施形態の技術的解決策の精神および範囲から逸脱することなく、前述した実施形態に記載された技術的解決策に対する変更をし得ること、または、そのいくつかの技術的特徴に対する等価な置換を行い得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0198】
401 取得モジュール
402 第1の判定モジュール
403 第1の検出モジュール
404 第2の判定モジュール
405 再選択モジュール
501 第2の検出モジュール
502 第1のトリガモジュール
601 第2のトリガモジュール
701 第1の判断モジュール
702 第3のトリガモジュール
703 第4のトリガモジュール
801 選択ユニット
802 判断ユニット
803 トリガユニット
804 判定ユニット
901 第2の判断モジュール
902 第5のトリガモジュール
1000 端末
1001 入力装置
1002 出力装置
1003 プロセッサ
1004 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10