【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の特徴として、
軸部と、該軸部の先端において塗布面を有する塗布部とから構成され、
軸部と塗布部との間で、両者を一体に連結し、軸部に対して塗布部を傾倒可能とする屈撓部を形成するとともに、該屈撓部の屈撓により傾倒する塗布部と軸部とを当接させて塗布部の傾倒を抑止、保持するものであ
って、
上記傾倒する塗布部と軸部とのなす傾動角度が傾倒方向に応じて相違するものである。
【0011】
そのため、塗布部の塗布面によって塗布部の化粧料の保持量を十分に確保し、塗布面の表面素材を部分的に異なるものとすることによって多様な被塗布部に対応するものとなるので、塗布部の機能性を著しく向上させることができるものである。
【0012】
そして、塗布部の塗布面を被塗布部に密着させて押勢すると、該塗布部は軸部と塗布部との間で形成される屈撓部の屈撓によって反対方向に傾倒しつつ軸部と当接し屈撓部の屈撓は抑止され、さらに塗布部を押勢し続けることで傾倒した塗布部はそのままで保持されるものとなる。その結果、軸部は被塗布部近傍に近接しないので、持ち手の自由を十分に確保して化粧料の塗布において繊細な操作を行うことができるとともに、被塗布部近傍に対する汚損を防止できるものである。
【0013】
さらに、被塗布部に対して塗布部を密着させた上で押勢すると、屈撓部の屈撓により塗布部は傾倒するとともに、塗布部の傾倒方向に応じて、異なる傾倒角度をもって傾倒する塗布部は抑止、保持されるものとなる。その結果、塗布部を被塗布部に対してどのような位置に密着させても軸部は被塗布部から確実に離れ、持ち手の自由は十分に確保されるので、塗布部の繊細な操作や被塗布近傍への汚損を防止できるものである。
【0014】
その上、塗布部の挿脱に際しては、塗布部に対しての押勢がないので、塗布部を傾倒させるために屈撓していた屈撓部は弾性をもって反発して該塗布部は軸部の軸心に沿うように位置するものとなり、該塗布部とシゴキとが当接しても大きな抵抗は生じないものである。その結果、塗布部がシゴキと当接しても容易に通過して、塗布部の挿脱を円滑に行うことができるものである。
【0015】
なお、塗布部に有する塗布面は、少なくとも一面とするものから、互いに対向するように位置して二面とするもの、及び塗布部の全体形状を円錐形状、多角錐形状、円柱状としてその側面全体を塗布面としてなるものであっても良いものである。
さらに、軸部と塗布部との間に形成される屈撓部は、塗布部と軸部とを連結するとともに、軸部に対して塗布部を傾倒可能とすれば足りるので、該屈撓部を、軸部と塗布部との間で一体に形成するものであって薄板状やコ字状とするものの他、ボールジョイントやスプリング等の技術を適用するものであっても良いものである。
ここで、例えば、塗布部の全体形状を円錐形状及び円柱形状とし、その側面を塗布面とするものでは、塗布面は全方向的となるので屈撓部の断面形状は円形状とすることが適しており、また、例えば、塗布部の全体形状を多角錐形状とし、その側面を塗布面とするものでは、塗布面には方向性が発生するので屈撓部の断面形状を該多角錐形状である塗布部の断面形状と同形状とするものが適している。その結果、塗布部の断面形状方向と屈撓部の断面形状方向とを一致させることによって、容易に屈撓部を屈撓させて塗布部を傾倒させることができるものである。
【0016】
そこで、第1の特徴を踏まえて、第2の特徴として、
上記傾倒して互いに当接し、塗布部の傾倒を抑止、保持する塗布部と軸部とにおいて、少なくとも該塗布部と軸部のいずれか一方に形成する傾倒制御部を他方との間に介在させるものである。
【0017】
そのため、傾倒する塗布部が軸部と当接するに当たっては、塗布部と軸部のいずれか一方に形成する傾倒制御部が他方と当接するので、屈撓部の屈撓は抑止され、塗布部を押勢し続けることで傾倒する塗布部はそのままで保持されるものとなる。その結果、被塗布部の位置等を考慮した上で、軸部又は塗布部のうち少なくともいずれか一方において形成される傾倒制御部を設定することで、傾倒して軸部と当接することとなる塗布部の傾倒角度を任意に調整して、被塗布部に対する軸部の傾倒角度を最適とするので、持ち手の自由をより十分に確保し、あらゆる被塗布部に対してより繊細な操作により化粧料の塗布を行うことができるものである。
【0018】
さらに、第1の特徴又は第2の特徴を踏まえて、第
3の特徴として、
上記塗布部に有する塗布面において、その一部の形状や表面状態を相違させるものである。
【0019】
そのため、塗布部に有する塗布面の形状や表面状態が互いに相違することによって、被塗布部に対する塗布部の密着性や塗布面に保持される化粧料の量や塗布状態が相違するものとなるので、被塗布部に対して正確に対応して化粧料の最適な塗布状態を得ることができるものである。
【0020】
そして、第1の特徴、第2の特徴、
又は第3の特徴を踏まえて、第
4の特徴として、
上記塗布部に有する塗布面の全面又はその一部分に対して、特に静電植毛処理を施すものである。
【0021】
そのため、塗布部に有する塗布面に施された静電植毛処理によって、該塗布面における表面摩擦や化粧料の保持量が増大するものとなる。その結果、被塗布部に対して塗布面は強く密着するとともに、さらに多量の化粧料を保持するので、被塗布面に対して化粧料を強力に密着して、しかも厚く塗布することができるものである。
【0022】
なお、
図7〜
図11では本願発明の後述する各実施例である化粧料塗布体において適宜適用される変形例を示している。
すなわち、まず
図7では、塗布部と軸部との間には傾倒する塗布部の傾倒を当接によって抑止、保持する傾倒制御部がないものが示されている。その結果、軸部に対する傾倒する塗布部との当接、保持は軸部により簡易な構造によって行われるので、製造コストの削減を図ることができる。
次に、
図8では、塗布部における表面の塗布面を凹面とし、裏面の塗布面を平面とするものを示している。その結果、表面における塗布面では、凹面中に化粧料が多量に保持できるので、被塗布部に対して広範囲又は厚く塗布を行うことができるとともに、裏面における平面の塗布面では、表面における塗布面によって塗布した化粧料を平滑にすることができる。
さらに
図9では、表裏面に有する塗布面が平面である塗布部の塗布面方向の傾動角度が異なるものを示している。その結果、塗布部を傾動させて被塗布部に対して最適な角度で密着させて、簡易且つ正確に化粧料を塗布することができる。
そして
図10は、塗布部の屈撓を行う屈撓部がコ字状となっているものを示している。
その結果、軸部等に付着した化粧料を屈撓部内を通じて排除して、化粧料の塗布時に被塗布近傍に対する汚損を確実に防止できる。
また
図11では、塗布部における表面の塗布面では突起を設け、裏面の塗布面では平面とするものを示している。その結果、表面における塗布面では、突起間で化粧料が多量に保持するものであるので、被塗布部に対して突起による刺激を与えるとともに、広範囲又は厚く均一に化粧料を塗布することができる。一方、裏面における塗布面では、表面における塗布面によって塗布した化粧料を平滑にすることができる。