特許第6249274号(P6249274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249274
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】インターホン装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 29/08 20060101AFI20171211BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   H04L13/00 307C
   H04M9/00 H
   H04L13/00 307D
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-187050(P2013-187050)
(22)【出願日】2013年9月10日
(65)【公開番号】特開2015-56672(P2015-56672A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大西 克則
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
(72)【発明者】
【氏名】庄司 武正
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−134268(JP,A)
【文献】 特開2003−163666(JP,A)
【文献】 特開平11−127201(JP,A)
【文献】 特開平11−122366(JP,A)
【文献】 特開2011−239232(JP,A)
【文献】 特開2007−318375(JP,A)
【文献】 特開2004−166008(JP,A)
【文献】 特開平08−298549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 29/08
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロビーインターホンと、
前記各ロビーインターホンと通信可能とした多数の住戸インターホンと、
前記各ロビーインターホンと前記住戸インターホンとを接続する伝送配線と、
前記伝送配線に介在される制御装置と
を備えたインターホン装置において、
前記制御装置には、
前記伝送配線を介して通信状態にあるチャンネル数を検出するチャンネル数判定部と、
前記チャンネル数判定部の検出信号に基づいて、通信ビットレート切替制御信号を出力する制御信号生成部を備え、
前記各ロビーインターホンには、前記通信ビットレート切替制御信号を受信して、前記住戸インターホンに出力する通話信号のビットレートを切り替えるとともに、圧縮方式を切り替える圧縮処理部を備え
前記圧縮処理部は、前記チャンネル数の増大にともなう前記通信ビットレート切替制御信号に基づいて、前記通話信号のビットレートを低速側に切り替えるとともに、前記圧縮方式を高圧縮側に切り替えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項2】
請求項1に記載のインターホン装置において、
前記圧縮処理部は、前記チャンネル数の減少にともなう通信ビットレート切替制御信号に基づいて、前記通話信号のビットレートを高速側に切り替えるとともに、前記圧縮方式を低圧縮側に切り替えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のインターホン装置において、
前記圧縮処理部は、前記通信ビットレート切替制御信号に基づいて、前記圧縮方式を高圧縮側に段階的に切り替えることを特徴とするインターホン装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のインターホン装置において、
前記制御装置は、
前記伝送配線に載る外来ノイズのノイズレベルを検出するノイズ判定部を備え
前記制御信号生成部は、前記ノイズ判定部の検出信号に基づいて前記通信ビットレート切替制御信号を出力することを特徴とするインターホン装置。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のインターホン装置において、
前記制御装置には、前記伝送配線で複数のチャンネルの通話路が確立されたとき、フレーム間隔制御信号を出力する制御信号生成部を備え、
前記圧縮処理部は、前記フレーム間隔制御信号の入力に基づいて、一方の通話路で通信する画像データのIフレームデータ送信間隔を変化させることを特徴とするインターホン装置。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のインターホン装置において、
前記制御装置には、前記伝送配線で複数のチャンネルの通話路が確立されたとき、フレーム間隔制御信号を出力する制御信号生成部を備え、
前記圧縮処理部は、前記フレーム間隔制御信号の入力に基づいて、各通話路で通信する画像データのIフレームデータの送信タイミングをずらすことを特徴とするインターホン装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のインターホン装置において、
前記制御装置には、前記伝送配線で複数のチャンネルの通話路が確立されたとき、Iフレーム圧縮制御信号を出力する制御信号生成部を備え、
前記圧縮処理部は、前記Iフレーム圧縮制御信号の入力に基づいて、各通話路で通信する画像データのIフレームデータの圧縮率を引き上げることを特徴とするインターホン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等に設置されるインターホン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンション等の集合住宅では、1階ロビーに設置される複数台のロビーインターホンと、各戸にそれぞれ設置される多数の住戸インターホンが共通の通信線を介して接続されている。
【0003】
各ロビーインターホンには、来訪者を撮像するためのカメラが備えられ、当該インターホンの使用時には映像信号及び音声信号が通信線を介して選択された住戸インターホンに送信される。
【0004】
そして、来訪者がロビーインターホンの呼出しボタンを押して、いずれかの住戸インターホンへの通信動作を起動すると、当該ロビーインターホンから映像信号及び音声信号が選択された住戸インターホンに送信され、ロビーインターホンと選択された住戸インターホンとで通話が可能となる。
【0005】
ロビーインターホンから出力される映像信号は、ロビーインターホンの台数と、通信線の伝送容量とを考慮して、あらかじめ設定された固定の圧縮方式及び通信ビットレートで送信される。
【0006】
特許文献1には、回線使用率が増大したとき、ウィンドウサイズを制限して、音声信号の途絶を防止可能としたインターホンシステムが開示されている。
特許文献2には、信号伝送のエラーレベルを監視し、エラーレベルが所定値より高くなった場合には、エラーレベルを改善するように圧縮レートを変更するようにしたインターホンシステムが開示されている。
【0007】
特許文献3には、通信容量の異なる複数のネットワーク間で、音声信号及び映像信号の品質を低下させることなく通信可能としたインターホンシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−290578号公報
【特許文献2】特開2010−28761号公報
【特許文献3】特開2010−178212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように固定の圧縮レート及びビットレートで映像信号及び音声信号を伝送するインターホン装置では、設置された複数のロビーインターホンが並行して使用されるとき、通信線の帯域が不足するため、いずれかのロビーインターホンの通話が終了するまで、他のロビーインターホンが使用不能となることがある。
【0010】
また、設置された複数のロビーインターホンをすべて並行して使用可能とするには、伝送信号の圧縮レートを高くする必要があるため、住戸インターホンで表示される画像の品質が低下する。
【0011】
特許文献1〜3には、通信量の増大にともなって画像データの圧縮レートを調整するインターホンシステムは開示されていない。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は通信量に応じて最適な画像を表示可能としたインターホン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するインターホン装置は、複数のロビーインターホンと、前記各ロビーインターホンと通信可能とした多数の住戸インターホンと、前記各ロビーインターホンと前記住戸インターホンとを接続する伝送配線と、前記伝送配線に介在される制御装置とを備えたインターホン装置において、前記制御装置には、前記伝送配線を介して通信状態にあるチャンネル数を検出するチャンネル数判定部と、前記チャンネル数判定部の検出信号に基づいて、通信ビットレート切替信号を出力する制御信号生成部を備え、前記各ロビーインターホンには、前記通信ビットレート切替制御信号を受信して、前記住戸インターホンに出力する通話信号のビットレートを切り替えるとともに、圧縮方式を切り替える圧縮処理部を備え、前記圧縮処理部は、前記チャンネル数の増大にともなう前記通信ビットレート切替制御信号に基づいて、前記通話信号のビットレートを低速側に切り替えるとともに、前記圧縮方式を高圧縮側に切り替えることを特徴とする。
【0014】
また、上記構成において、前記圧縮処理部は、前記チャンネル数の減少にともなう通信ビットレート切替信号に基づいて、前記通話信号のビットレートを高速側に切り替えるとともに、前記圧縮方式を低圧縮側に切り替えることが望ましい。
【0015】
また、上記構成において、前記圧縮処理部は、前記通信ビットレート切替制御信号に基づいて、前記圧縮方式を高圧縮側に段階的に切り替えることが望ましい。
また、上記構成において、前記制御装置は、前記伝送配線に載る外来ノイズのノイズレベルを検出するノイズ判定部を備え、前記制御信号生成部は、前記ノイズ判定部の検出信号に基づいて前記通信ビットレート切替制御信号を出力することが好ましい。
【0016】
また、上記構成において、前記制御装置には、前記伝送配線で複数のチャンネルの通話路が確立されたとき、フレーム間隔制御信号を出力する制御信号生成部を備え、前記圧縮処理部は、前記フレーム間隔制御信号の入力に基づいて、一方の通話路で通信する画像データのIフレームデータ送信間隔を変化させることが好ましい。
【0017】
また、上記構成において、前記制御装置には、前記伝送配線で複数のチャンネルの通話路が確立されたとき、フレーム間隔制御信号を出力する制御信号生成部を備え、前記圧縮処理部は、前記フレーム間隔制御信号の入力に基づいて、各通話路で通信する画像データのIフレームデータの送信タイミングを任意にずらすことが好ましい。
【0018】
また、上記構成において、前記制御装置には、前記伝送配線で複数のチャンネルの通話路が確立されたとき、Iフレーム圧縮制御信号を出力する制御信号生成部を備え、前記圧縮処理部は、前記Iフレーム圧縮制御信号の入力に基づいて、各通話路で通信する画像データのIフレームデータの圧縮率を引き上げることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のインターホン装置によれば、通信量に応じて最適な画像を表示可能としたインターホン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】インターホン装置を示すブロック図である。
図2】ロビーインターホンと制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図3】第一の実施形態の圧縮処理部の動作を示す説明図である。
図4】第二の実施形態の圧縮処理部の動作を示す説明図である。
図5】第三の実施形態の圧縮処理部の動作を示す説明図である。
図6】第四の実施形態の圧縮処理部の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、インターホン装置の一実施形態を図面に従って説明する。図1に示すインターホン装置は、マンションの1階ロビーに複数のロビーインターホン1a〜1dが設置され、各ロビーインターホン1a〜1dは制御装置2及び2線式の伝送配線3を介して各住戸の住戸インターホン4に接続されている。
【0022】
各ロビーインターホン1a〜1dは、住戸を選択するテンキー及び呼出しボタン(図示しない)の操作に基づいて選択された住戸の住戸インターホン4と通話可能である。
図2に示すように、前記各ロビーインターホン1a〜1dには、カメラ5、圧縮処理部6、伝送処理部7及びマイク(図示しない)がそれぞれ設けられている。カメラ5は、呼出しボタンの操作による起動後に、来訪者の撮像を開始し、その映像信号を圧縮処理部6に出力する。
【0023】
圧縮処理部6は、カメラ5から出力された映像信号と、マイクで集音され、デジタル化された音声信号を、あらかじめ設定された複数の圧縮方式の中から選択した圧縮方式で圧縮して伝送処理部7に出力する。
【0024】
伝送処理部7は、圧縮処理部6で圧縮された映像信号及び音声信号をあらかじめ設定された複数のビットレートの中から圧縮処理部6で選択されたビットレートで出力する。
前記各ロビーインターホン1a〜1dから出力される映像信号及び音声信号は、制御装置2及び伝送配線3を介して、選択された住戸インターホン4に出力される。
【0025】
前記制御装置2は、ノイズ判定部8と、チャンネル数判定部9と、制御信号生成部10とを備えている。ノイズ判定部8は、前記伝送配線3の通信環境を監視し、具体的には伝送配線3に載る外来ノイズが予め設定されている一定レベルを超えているか否かを検出する。
【0026】
チャンネル数判定部9は、伝送配線3を占有しているチャンネル数、すなわち通信状態にあるロビーインターホンの台数を検出する。
制御信号生成部10は、前記ノイズ判定部8の検出信号及びチャンネル数判定部9の検出信号に基づいて、外来ノイズが予め設定されている一定レベルを超えているとき、あるいは伝送配線3を占有しているチャンネル数が例えば2つ以上となったとき、通信ビットレート切替制御信号BRCを通信中のロビーインターホンに出力する。
【0027】
前記各ロビーインターホン1a〜1dの圧縮処理部6は、通信ビットレート切替制御信号BRCの入力に基づいて前記制御装置2に出力する映像信号の圧縮方式及びビットレートを切り替えて出力する。
【0028】
図3に示すように、具体的には通信ビットレート切替制御信号BRCをトリガとして通信ビットレートが例えば1024kbpsの第一のビットレートBR1から512kbpsの第二のビットレートBR2に切り替えられる。また、通信ビットレートの切替に基づいて、映像圧縮方式が第一の圧縮方式C1から第四の圧縮方式C4に向かって高圧縮側に3段階に順次切り替えられる。
【0029】
次に、上記のように構成されたインターホン装置の作用を説明する。制御装置2のチャンネル数判定部9は、通信中のチャンネル数を常時検出するとともに、ノイズ判定部8は伝送配線3に載る外来ノイズのレベルを常時検出している。
【0030】
外来ノイズレベルが一定レベル以下である状態で、伝送配線3が1つのチャンネルのみで占有されている場合には、制御装置2から通信ビットレート切替制御信号BRCは出力されない。そして、いずれか一つのロビーインターホンと住戸インターホン4との間で、例えば第一のビットレートBR1と、低圧縮処理の第一の圧縮方式C1で通信が行われる。
【0031】
伝送配線3が1つのチャンネルで占有されている状態から、別の1つあるいは複数のチャンネルで通信が開始されると、制御装置2はチャンネル数の増大を検出して、通信ビットレート切替制御信号BRCを通信中のロビーインターホンに出力する。
【0032】
すると、通信ビットレート切替制御信号BRCを受信したロビーインターホンでは通信ビットレートを低速側に切り替えるとともに、圧縮方式が高圧縮側に切り替えられる。この結果、通信中のチャンネルでは帯域の不足を生じることなく、画像データ及び通話データの送受信が可能となる。
【0033】
この状態から、いずれかのロビーインターホンと住戸インターホン4との通話が終了して、通信中のチャンネル数が1つに戻ると、制御装置2からの通信ビットレート切替制御信号BRCの信号が解除される。すると、通信中のロビーインターホンでは、通信ビットレートが高速側に復帰するとともに、圧縮方法が低圧縮側に切り替えられる。
【0034】
制御装置2では、チャンネル数の検出と同時に、伝送配線3の載る外来ノイズのレベルを検出し、ノイズレベルが一定値を超えていると、通信ビットレート切替制御信号BRCを通信中のロビーインターホンに出力する。
【0035】
すると、通信ビットレート切替制御信号BRCを受信したロビーインターホンでは通信ビットレートを低速側に切り替えるとともに、圧縮方式が高圧縮側に切り替えられる。
上記のようなインターホン装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)複数のロビーインターホンと住戸インターホン4とが並行して使用される場合には、制御装置2から出力される通信ビットレート切替制御信号BRCに基づいて、ロビーインターホンから出力される映像信号の通信ビットレート及び圧縮方式を、通信データ量を削減する方向に自動的に切り替えることができる。従って、通信チャンネル数が増大しても、各ロビーインターホン1a〜1dと住戸インターホン4との間で途絶することなく通話することができる。
(2)外来ノイズにより伝送配線の帯域が狭くなったとき、制御装置2から出力される通信ビットレート切替制御信号BRCに基づいて、ロビーインターホンから出力される映像信号の通信ビットレート及び圧縮方式を、通信データ量を削減する方向に自動的に切り替えることができる。従って、外来ノイズの影響による通話の途絶を防止することができる。
(3)通信ビットレート切替制御信号BRCの入力に基づいて、ロビーインターホン1a〜1dの圧縮処理部では通信ビットレートの低速化とともに、圧縮方式を高圧縮側に段階的に切り替えることができる。従って、通信ビットレートの切替時に使用者に画質の急な劣化を感じさせないようにすることができる。
(第二の実施形態)
図4は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、複数のロビーインターホンが並行して通信状態となるとき、各チャンネルの映像データを送信するフレームタイミングをずらすことにより、各チャンネルの通信の輻輳を防止するようにしたものである。
【0036】
各ロビーインターホン1a〜1dから住戸インターホン4に送信される映像データは、あらかじめ設定された送信間隔t1でIフレームデータDiが送信され、各IフレームデータDi間でPフレームデータDpが送信される。IフレームデータDiの送信間隔t1は例えば1分である。
【0037】
IフレームデータDiは、カメラ5で撮像した画像データの全体を送信し、データ量が大きい。PフレームデータDpは、カメラで撮像した画像データのうち動きのある部分のみを送信し、データ量は小さい。
【0038】
この実施形態では、1つのチャンネル(通話路A)が伝送配線3を介して通信状態にある状態から、別の1つのチャンネル(通話路B)で通信が開始されると、制御装置2のチャンネル数判定部9はチャンネル数の増大を検出し、その検出信号に基づいて制御信号生成部10は、フレーム間隔制御信号FICを通話路Aで通信中のロビーインターホンに出力する。
【0039】
フレーム間隔制御信号FICを受信したロビーインターホンの圧縮処理部6では、通話路Aで通信中のIフレームデータDiの送信間隔t1を延長して送信間隔t2で送信する。通話路Bで送信されるIフレームデータDiの送信間隔は通常の間隔t1が維持される。
【0040】
すると、通話路A,Bで送信される画像データのIフレームデータDiの送信タイミングの重なりがほぼ阻止される。従って、データ量の大きいIフレームデータDiの送信タイミングの重なりを防止して、一時的な帯域不足の発生を防止することが可能となる。
【0041】
また、制御装置2からフレーム間隔制御信号FICと、通話路A,Bを確立しているロビーインターホンの圧縮処理部6に第一の実施形態と同様な通信ビットレート切替制御信号BRCを送信して、通信ビットレートを低速側に切り替えるとともに、圧縮方式を高圧縮側に切り替えるようにしてもよい。
【0042】
上記のようなインターホン装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)通話路Aに加えて新たに通話路Bが確立されたとき、通話路Aで送信される画像データのIフレームデータDiと、通話路Bで送信される画像データのIフレームデータDiとの送信タイミングの重なりを防止することができる。従って、一時的な帯域不足の発生を防止して、安定した通話品質を確保することができる。
(第三の実施形態)
図5は、第三の実施形態を示す。この実施形態では通話路Aに加えて通話路Bが確立されたとき、通話路A,Bで通信している各ロビーインターホンの圧縮処理部6にフレーム間隔制御信号FICを出力して、通話路A,Bで送信されるIフレームデータDiの送信タイミングをともにずらすようにしたものである。
【0043】
図5に示すように、1つのチャンネル(通話路A)が伝送配線3を介して通信状態にある状態から、別の1つのチャンネル(通話路B)で通信が開始されると、制御装置2のチャンネル数判定部9はチャンネル数の増大を検出する。そして、その検出信号に基づいて制御信号生成部10は、フレーム間隔制御信号FICを通話路A,Bで通信しようとするロビーインターホンに出力する。
【0044】
フレーム間隔制御信号FICを受信したロビーインターホンの圧縮処理部6では、通話路A,Bで通信中のIフレームデータDiの送信タイミングを、通常の送信間隔t1に対し時間軸の前後方向において例えば±1秒の範囲でずらして送信する。
【0045】
すると、通話路A,Bで送信される画像データのIフレームデータDiの送信タイミングの重なりがほぼ阻止される。従って、データ量の大きいIフレームデータDiの送信タイミングの重なりを防止して、一時的な帯域不足の発生を防止することが可能となる。
【0046】
上記のようなインターホン装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)通話路Aに加えて新たに通話路Bが確立されたとき、通話路Aで送信される画像データのIフレームデータDiと、通話路Bで送信される画像データのIフレームデータDiとの送信タイミングの重なりを防止することができる。従って、一時的な帯域不足の発生を防止して、安定した通話品質を確保することができる。
(第四の実施形態)
図6は、第四の実施形態を示す。この実施形態では通話路Aに加えて通話路Bが確立されたとき、制御装置2から通話路A,Bで通信している各ロビーインターホンの圧縮処理部6にIフレーム圧縮制御信号FCを出力して、通話路A,Bで送信されるIフレームデータDiの圧縮率を引き上げるようにしたものである。
【0047】
図5に示すように、1つのチャンネル(通話路A)が伝送配線3を介して通信状態にある状態から、別の1つのチャンネル(通話路B)で通信が開始されると、制御装置2のチャンネル数判定部9はチャンネル数の増大を検出する。そして、その検出信号に基づいて制御信号生成部10は、Iフレーム圧縮制御信号FCを通話路A,Bで通信しようとする各ロビーインターホンに出力する。
【0048】
Iフレーム圧縮制御信号FCを受信したロビーインターホンの圧縮処理部6では、通話路A,Bで通信中のIフレームデータDiの圧縮率を引き上げて送信する。
すると、通話路A,Bで送信される画像データのIフレームデータDiのデータ量が減少する。従って、IフレームデータDiの送信タイミングが重なっても、一時的な帯域不足の発生を防止することが可能となる。
【0049】
上記のようなインターホン装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)通話路Aに加えて新たに通話路Bが確立されたとき、通話路Aで送信される画像データのIフレームデータDiと、通話路Bで送信される画像データのIフレームデータDiの圧縮率を引き上げて送信することができる。従って、一時的な帯域不足の発生を防止して、安定した通話品質を確保することができる。
【0050】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第二、第三及び第四実施形態は、第一の実施形態の通信ビットレート及び圧縮方式の切替機能を具備しないインターホン装置に実施することもできる。
・2線式の通信線を使用したインターホン装置の場合は、本来音声のみを伝送するインターホン装置として設計されているため、通信線の帯域が狭い。このため、2線式通信線で音声信号に加えて映像信号を送信しようとすると、従来では通信線の帯域に見合った固定の圧縮レート及びビットレートで音声信号及び映像信号が送信されていた。上記実施形態では、通信ビットレート及び圧縮方式の切替機能を搭載することで、通信帯域が狭い2線式であっても、画像品質を向上させたインターホン装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0051】
1a〜1d…ロビーインターホン、2…制御装置、3…伝送配線、4…住戸インターホン、6…圧縮処理部、7…伝送処理部、8…ノイズ判定部、9…チャンネル数判定部、10…制御信号生成部、BRC…ビットレート切替制御信号、FIC…フレーム間隔制御信号、Di…Iフレームデータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6