【実施例1】
【0021】
次に、本発明の貯湯給湯装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、貯湯給湯装置1は、貯湯、給湯、風呂の追い焚き等の機能を有するものであり、貯湯タンク2、燃焼式の補助熱源機3、熱利用熱交換器4、給水通路5、出湯通路6、加熱循環回路7、風呂追焚回路8、熱利用循環回路9、制御ユニット10等を備え、これら大部分は外装ケース11内に一体的に収納されて構成されている。
【0022】
尚、貯湯給湯装置1は、外部熱源機12として貯湯タンク2内の湯水を加熱可能なヒートポンプ式熱源機と、このヒートポンプ式熱源機と貯湯給湯装置1と組み合わせることでヒートポンプ式給湯装置が構成されるが、貯湯給湯装置1以外の構成の詳細な説明は省略する。外部熱源機12としては、ヒートポンプ式熱源機に限定する必要はなく、燃料電池発電ユニットの排熱回収熱交換器等も活用可能である。
【0023】
次に、貯湯タンク2と補助熱源機3と熱利用熱交換器4について説明する。
図1に示すように、貯湯タンク2は、外部熱源機12で加熱された高温の湯水(例えば、65〜90℃)を貯留可能な密閉タンクで構成され、貯留された湯水の放熱を防ぐ為にタンク周囲は断熱材で覆われている。
【0024】
補助熱源機3は、バーナーや熱交換器等を内蔵した公知のガス給湯器で構成されている。補助熱源機3は、貯湯タンク2内の湯水温度が低下した場合等の特別な場合に限り、制御ユニット10から指令が送信されて燃焼作動され、湯水を加熱するものである。
【0025】
熱利用熱交換器4は、風呂追焚回路8を流れる浴槽水を加熱するものであり、熱利用循環回路9の一部となる1次側熱交換通路部4a、風呂追焚回路8の一部となる2次側熱交換通路部4bを有している。この熱利用熱交換器4において、熱利用循環回路9を流れる高温の湯水と風呂追焚回路8を流れる浴槽水との間で熱交換され、浴槽水が加熱される。
【0026】
次に、給水通路5について説明する。
図1に示すように、給水通路5は、上水源から低温の上水を貯湯タンク2に供給するものであり、上流給水通路部5a、中間給水通路部5b、下流給水通路部5cを有している。上流給水通路部5aの上流端が上水源に接続され、下流給水通路部5cの下流端が貯湯タンク2の下部に接続されている。
【0027】
上流給水通路部5aと中間給水通路部5bとの間から出湯通路6に接続するバイパス通路15が分岐されている。バイパス通路15は、給水通路5と出湯通路6とを接続して給水通路5の低温の上水を出湯通路6に供給するものであり、上流バイパス通路部15a、下流バイパス通路部15bを有している。下流バイパス通路部15bには、混合手段13を構成する低温側開閉弁16が設置されている。
【0028】
中間給水通路部5bと下流給水通路部5cとの間から熱利用循環回路9に接続する分岐通路17が分岐されている。分岐通路17は、給水通路5と熱利用循環回路9とを接続して給水通路5の低温の上水を熱利用循環回路9に供給するものである。この分岐通路17には、開閉弁18が設置されている。
【0029】
次に、出湯通路6について説明する。
図1に示すように、出湯通路6は、貯湯タンク2内に貯湯された湯水を給湯栓等の所望の給湯先に供給するものであり、高温の湯水が流れる上流出湯通路部6a、熱利用循環回路9と共通する共通出湯通路部6b、中間出湯通路部6c、混合湯水が流れる下流出湯通路部6dを有し、上流出湯通路部6aの上流端が貯湯タンク2の上部に接続され、下流出湯通路部6dの下流端が給湯栓に接続されている。
【0030】
上流出湯通路部6aと共通出湯通路部6bとの間に三方弁19が設置され、この三方弁19に熱利用循環回路9の下流循環通路部9cが接続されている。この三方弁19は、上流出湯通路部6aと共通出湯通路部6bとの間の接続・遮断及び下流循環通路部9cと共通出湯通路部6bとの間の接続・遮断及び上流出湯通路部6aと共通出湯通路部6bと下流循環通路部9cの全てを接続した状態(オールポートオープン)に切換可能なものである。
【0031】
共通出湯通路部6bには、逆止弁21と補助熱源機3が上流から下流に向かって順に設置されている。中間出湯通路部6cには、混合手段13を構成する高温側開閉弁22が設置されている。中間出湯通路部6cと下流出湯通路部6dとの間にバイパス通路15が接続されている。
【0032】
次に、混合手段13について説明する。
図1に示すように、混合手段13は、出湯通路6を流れる湯水の流量とバイパス通路15を流れる水の流量とを調節して混合する、つまり、出湯温度が指令温度になるように水と高温の湯水の混合比を制御するものであり、バイパス通路15に設置された低温側開閉弁16、出湯通路6に設置された高温側開閉弁22から構成されている。
【0033】
次に、加熱循環回路7について説明する。
図1に示すように、加熱循環回路7は、外部熱源機12であるヒートポンプ式熱源機と貯湯タンク2との間に湯水を循環させる閉回路であり、往き側通路部7a、戻り側通路部7bを有し、往き側通路部7aの上流端が貯湯タンク2の下部に接続され、戻り側通路部7bの下流端が貯湯タンク2の上部に接続されている。
【0034】
往き側通路部7aの途中部から戻り側通路部7bの途中部に接続するバイパス通路部7cが分岐されている。この分岐部には、貯湯切換弁23が設置されている。往き側通路部7aには、ヒートポンプ式熱源機に湯水を流通させる為の加熱循環ポンプ24が設置されている。
【0035】
次に、風呂追焚回路8について説明する。
図1に示すように、風呂追焚回路8は、風呂の浴槽水を追い焚きする為に浴槽水を循環させる回路であり、風呂戻り側通路部8a、風呂往き側通路部8bを有している。風呂戻り側通路部8aと風呂往き側通路部8bとの間に風呂循環ポンプ26が設置され、風呂往き側通路部8bに熱利用熱交換器4の2次側熱交換通路部4bが設置されている。
【0036】
次に、熱利用循環回路9について説明する。
図1に示すように、熱利用循環回路9(循環通路に相当する)は、出湯通路6の補助熱源機3の下流側と混合手段13の上流側との間の通路部(共通出湯通路部6bと中間出湯通路部6cとの間)から分岐されると共に出湯通路6の補助熱源機3の上流側の通路部(上流出湯通路部6aと共通出湯通路部6bとの間)に接続され且つ、出湯通路6の一部(共通出湯通路部6b)を含むものである。
【0037】
即ち、熱利用循環回路9は、出湯通路6と共通する共通出湯通路部6b、上流循環通路部9a、中間循環通路部9b、下流循環通路部9cを有している。中間循環通路部9bには、熱利用循環回路9を流れる湯水により風呂追焚回路8の浴槽水を加熱する熱利用熱交換器4と、熱利用循環回路9を導通状態と遮蔽状態とを択一的に切り換え可能な熱利用開閉弁27とが上流から下流に向かって順に設置されている。下流循環通路部9cには、熱利用循環回路9に湯水を循環させるための循環ポンプ28(循環手段に相当する)が設置されている。
【0038】
熱利用循環回路9に湯水を循環させて浴槽水と熱交換を行う場合、循環ポンプ28の駆動を介して湯水が、共通出湯通路部6bの補助熱源機3を流れ、この補助熱源機3によって加熱された後の高温の湯水が、上流循環通路部9aを流れて中間循環通路部9bの1次側熱交換通路部4aに送られ、この1次側熱交換通路部4aで2次側熱交換通路部4bを流れる浴槽水との間で熱交換された湯水は、下流循環通路部9cを通って循環ポンプ28に戻される。
【0039】
次に、接続通路30について説明する。
図1に示すように、接続通路30は、バイパス通路15の上流バイパス通路部15aと下流バイパス通路部15bとの間から分岐され、熱利用循環回路9の循環ポンプ28の下流側と熱利用熱交換器4の上流側との間の通路部(下流循環通路部9cと中間循環通路部9bとの間)に接続されている。接続通路30には、給水通路5から熱利用循環回路9への通水を許容すると共に熱利用循環回路9から給水通路5への通水を許容しない逆止弁31(逆止手段に相当する)が設置されている。尚、接続通路30は、給水通路5から分岐された構造であっても良い。
【0040】
次に、制御ユニット10について説明する。
貯湯給湯装置1は、制御ユニット10によって制御される。各種の温度センサ、各種の流量センサ等の検出信号が制御ユニット10に送信され、この制御ユニット10により、貯湯給湯装置1と外部熱源機12の動作、各種のポンプの作動・停止、各種弁の開閉状態の切り換え及び開度調整等を制御し、各種運転(湯水循環運転、給湯運転、循環運転、風呂追い焚き運転等)を実行する。
【0041】
また、制御ユニット10は、給湯運転の際に、接続通路30から熱利用循環回路9への通水が行われないように循環ポンプ28を駆動する制御を実行する。即ち、制御ユニット10は、給湯運転時に循環ポンプ28を駆動することで、給湯運転開始と同時に、熱利用循環回路9に湯水を循環させる循環運転を実行する。この循環ポンプ28を制御する制御ユニット10が、循環手段制御手段に相当する。
【0042】
次に、本発明の貯湯給湯装置1の作用及び効果について説明する。
図2に示すように、給湯運転時では、給湯栓の開放に伴い、貯湯タンク2にかかる給水圧によって貯湯タンク2の上部から高温の湯水が上流出湯通路部6aに押し出され、この高温の湯水は、共通出湯通路部6bを通って中間出湯通路部6cに流入し、混合手段13においてバイパス通路15から供給される低温の上水と混合されて温度調整され、この温度調整された湯水が下流出湯通路部6dを通って給湯栓から給湯される。
【0043】
ところで、通常の給湯運転だけでは、給水圧によって接続通路30から熱利用循環回路9を介して出湯通路6に上水が流れ込んでしまう。そこで、制御ユニット10は、給湯運転開始と同時に、三方弁19をオールポートオープン状態に切換え、熱利用開閉弁27を開弁状態に切換え、循環ポンプ28を駆動することで、共通出湯通路部6bを流れる湯水の一部を、上流循環通路部9aに流し込み、中間循環通路部9bと下流循環通路部9cとを流して共通出湯通路部6bに戻す循環運転を実行する。
【0044】
すると、熱利用循環回路9に循環流が形成され、この循環流によって熱利用循環回路9の接続通路30との接続部に水圧が作用する。特に熱利用熱交換器4の抵抗によって熱利用循環回路9の熱利用熱交換器4より上流側に確実に水圧が作用するので、バイパス通路15の上水は、接続通路30から熱利用循環回路9に流入せず、出湯通路6を流れる高温の湯水と混ざらない。
【0045】
以上説明したように、給水通路5又はバイパス通路15から分岐されて熱利用循環回路9に接続された接続通路30と、給湯運転の際に、接続通路30から熱利用循環回路9への通水が行われないように循環ポンプ28を駆動する制御ユニット10(循環手段制御手段)とを備えたので、給湯運転時では、循環ポンプ28の駆動を介して熱利用循環回路9に湯水が循環されると、熱利用循環回路9に水圧が作用し、給水通路5又はバイパス通路15の水が、接続通路30から熱利用循環回路9に通水されなくなる。
【0046】
給湯待機時及び給湯運転中の高温出湯検知時では、循環ポンプ28は駆動されず、熱利用循環回路9に水圧が作用しないので、バイパス通路15の水が給水圧によって接続通路30から熱利用循環回路9へ通水可能な状態となる。停電時や混合弁が故障した場合等においては、バイパス通路15の水は給水圧によって接続通路30と熱利用循環回路9を介して出湯通路6に自動的に流入するので、高温の湯水が給湯栓等から吐出されるのを防止することができる。
【0047】
従って、給湯運転時では、貯湯タンク2に貯留された高温の湯水をそのまま給湯に使用可能であるので、貯湯給湯装置1の運転効率の低下を防止することができ、給湯待機時では、高温出湯回避状態に自動的に設定することができるので、高温出湯回避用開閉弁等の高価な部品を追加的に設置せずに、低コストで既存の貯湯給湯装置1を高温出湯回避構造とすることができる。
【0048】
また、接続通路30には、給水通路5から熱利用循環回路9への通水を許容すると共に熱利用循環回路9から給水通路5への通水を許容しない逆止弁31が設置されたので、この逆止弁31によって、熱利用循環回路9から給水通路5への逆流を確実に防止することができる。
【0049】
さらに、熱利用循環回路9には、この熱利用循環回路9を流れる湯水により熱媒体を加熱する熱利用熱交換器4が設置され、接続通路30は、熱利用循環回路9の循環ポンプ28の下流側と熱利用熱交換器4の上流側との間の通路部に接続されたので、給湯運転時に循環ポンプ28によって熱利用循環回路9に湯水を循環させると、熱利用熱交換器4の抵抗によって熱利用熱交換器4より上流側の通路部に確実に水圧が作用し、接続通路30から熱利用循環回路9へ水が流れ込むのを確実に防止することができる。
【実施例2】
【0050】
次に、実施例1の貯湯給湯装置1を部分的に変更した実施例2の貯湯給湯装置1Aについて説明する。尚、実施例2では、前記貯湯給湯装置1と同様の構成に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0051】
図3に示すように、貯湯給湯装置1Aは、貯湯、給湯、風呂の追い焚き等の機能を有するものであり、貯湯タンク2、燃焼式の補助熱源機3、熱利用熱交換器4、給水通路45、出湯通路46、加熱循環回路7、風呂追焚回路8、熱利用循環回路49、制御ユニット10等を備え、これら大部分は外装ケース11内に一体的に収納されて構成されている。
【0052】
次に、給水通路45について説明する。
図3に示すように、給水通路45は、上水源から低温の上水を貯湯タンク2に供給するものであり、上流給水通路部45a、中間給水通路部45b、下流給水通路部45c、最下流給水通路部45dを有している。上流給水通路部45aの上流端が上水源に接続され、最下流給水通路部45dの下流端が貯湯タンク2の下部に接続されている。
【0053】
上流給水通路部45aと中間給水通路部45bとの間から出湯通路46に接続するバイパス通路55が分岐されている。中間給水通路部45bには、逆止弁56が設置され、バイパス通路55にも、逆止弁57が設置されている。
【0054】
中間給水通路部45bと下流給水通路部45cとの間から出湯通路46に接続する接続通路60が分岐されている。下流給水通路部45cと最下流給水通路部45dとの間から熱利用循環回路49に接続する分岐通路62が分岐されている。この分岐通路62により、低温の上水を熱利用循環回路49に供給することができ、また逆に、熱利用循環回路49から湯水を貯湯タンク2に戻すことができる。
【0055】
次に、出湯通路46について説明する。
図3に示すように、貯湯タンク2内に貯湯された湯水を給湯栓等の所望の給湯先に供給するものであり、高温の湯水が流れる上流出湯通路部46a、熱利用循環回路49と共通する上流共通出湯通路部46b及び下流共通出湯通路部46c、中間出湯通路部46d、混合湯水が流れる下流出湯通路部46eを有し、上流出湯通路部46aの上流端が貯湯タンク2の上部に接続され、下流出湯通路部46eの下流端が給湯栓に接続されている。
【0056】
上流出湯通路部46aと上流共通出湯通路部46bとの間に三方弁63が設置され、この三方弁63に熱利用循環回路49の下流循環通路部49bが接続されている。この三方弁63は、上流出湯通路部46aと上流共通出湯通路部46bとの間の接続・遮断及び下流循環通路部49bと上流共通出湯通路部46bとの間の接続・遮断を切換可能なものである。
【0057】
上流共通出湯通路部46bには、給湯運転時に駆動される循環ポンプ58(循環手段に相当する)と、湯水を再加熱可能な補助熱源機3が上流から下流に向かって順に設置されている。上流共通出湯通路部46bと下流共通出湯通路部46cとの間に接続通路60が接続されている。
【0058】
中間出湯通路部46dと下流出湯通路部46eとの間に混合弁53(混合手段に相当する)が設置され、この混合弁53に給水通路45から分岐したバイパス通路55が接続されている。混合弁53は、出湯通路46を流れる湯水の流量とバイパス通路55を流れる水の流量とを調節して混合し、出湯温度が指令温度になるように制御するものである。
【0059】
次に、熱利用循環回路49について説明する。
図3に示すように、熱利用循環回路49は、出湯通路46の補助熱源機3の下流側と混合弁53の上流側との間の通路部(下流共通出湯通路部46cと中間出湯通路部46dとの間)から分岐されると共に出湯通路46の補助熱源機3の上流側の通路部(上流出湯通路部46aと上流共通出湯通路部46bとの間)に接続され且つ、出湯通路46の一部(上流共通出湯通路部46b及び下流共通出湯通路部46c)を含むものである。
【0060】
即ち、熱利用循環回路49は、出湯通路46と共通する上流共通出湯通路部46b及び下流共通出湯通路部46c、上流循環通路部49a、下流循環通路部49bを有している。上流循環通路部49aには、熱利用循環回路49を流れる湯水により風呂追焚回路8の浴槽水を加熱する熱利用熱交換器4と、熱利用循環回路49を導通状態と遮蔽状態とを択一的に切り換え可能な熱利用開閉弁65が上流から下流に向かって順に設置されている。上流循環通路部49aと下流循環通路部49bとの間に分岐通路62が接続されている。
【0061】
熱利用循環回路49に湯水を循環させて浴槽水と熱交換を行う場合、循環ポンプ58の駆動を介して湯水が、上流共通出湯通路部46bの補助熱源機3を流れ、この補助熱源機3によって加熱された後の高温の湯水が、下流共通出湯通路部46cを流れて上流循環通路部49aの1次側熱交換通路部4aに送られ、この1次側熱交換通路部4aで2次側熱交換通路部4bを流れる浴槽水との間で熱交換された湯水は、下流循環通路部49bを通って循環ポンプ58に戻される。
【0062】
次に、接続通路60について説明する。
図3に示すように、接続通路60は、給水通路45から分岐され、熱利用循環回路49の循環ポンプ58の下流側と熱利用熱交換器4の上流側との間の通路部(上流共通出湯通路部46bと下流共通出湯通路部46cとの間)に接続されている。接続通路60には、給水通路45から熱利用循環回路49への通水を許容すると共に熱利用循環回路49から給水通路45への通水を許容しない逆止弁61(逆止手段に相当する)が設置されている。尚、接続通路60は、バイパス通路55から分岐された構造であっても良い。
【0063】
次に、制御ユニット50について説明する。
貯湯給湯装置1Aは、制御ユニット50によって制御される。各種の温度センサ、各種の流量センサ等の検出信号が制御ユニット50に送信され、この制御ユニット50により、貯湯給湯装置1Aと外部熱源機12の動作、各種のポンプの作動・停止、各種弁の開閉状態の切り換え及び開度調整等を制御し、各種運転(湯水循環運転、給湯運転、循環運転、風呂追い焚き運転等)を実行する。
【0064】
制御ユニット50は、給湯運転の際に、接続通路60から熱利用循環回路49への通水が行われないように循環ポンプ58を駆動する制御を実行する。即ち、制御ユニット50は、給湯運転時に循環ポンプ58を駆動するが、この循環ポンプ58を制御する制御ユニット50が、循環手段制御手段に相当する。
【0065】
次に、本発明の貯湯給湯装置1Aの作用及び効果について説明する。
図4に示すように、給湯運転時では、給湯栓の開放に伴い、貯湯タンク2にかかる給水圧と循環ポンプ58の駆動によって貯湯タンク2の上部から高温の湯水が上流出湯通路部46aに押し出され、この高温の湯水は、上流共通出湯通路部46bと下流共通出湯通路部46cを通って中間出湯通路部46dに流入し、混合弁53においてバイパス通路55から供給される低温の上水と混合されて温度調整され、この温度調整された湯水が下流出湯通路部46eを通って給湯栓から給湯される。
【0066】
ところで、循環ポンプ58を駆動すると、出湯通路46には、給水圧に加えてポンプ圧も作用する。即ち、出湯通路46の接続通路60との接続部には、給水圧よりポンプ圧分高い水圧が作用する。給水通路45の接続通路60との接続部には、接続通路60に逆止弁61が設置されているので給水圧しか作用しない。
【0067】
このため、出湯通路46の接続通路60との接続部には、給水通路45の接続通路60との接続部より高い水圧が確実に作用するので、前記実施例1と比較して、熱利用循環回路49に湯水を循環させずとも、給水通路45の上水は、接続通路60から出湯通路46に流入せず、出湯通路46を流れる高温の湯水と混ざらない。尚、接続通路60は、上流共通出湯通路部46bと下流共通出湯通路部46cとの間に接続されているが、特にこの位置に限定する必要はなく、循環ポンプ58の駆動によって出湯通路46の水圧が給水通路45の水圧より高くなるので、中間出湯通路部46dの途中部に接続されても良い。
【0068】
給湯待機時及び給湯運転中の高温出湯検知時では、循環ポンプ58は駆動されず、出湯通路46(熱利用循環回路49の一部)に水圧が作用しないので、給水通路45の水が給水圧によって接続通路60から出湯通路46(熱利用循環回路49の一部)へ通水可能な状態となる。停電時や混合弁が故障した場合等においては、給水通路45の水は給水圧によって接続通路60を介して出湯通路46に自動的に流入するので、高温の湯水が給湯栓等から吐出されるのを防止することができる。その他の構成、作用及び効果については、実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0069】
次に、前記実施例1,2を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例1,2における給湯運転時に熱利用循環回路9,49に湯水を循環させる運転は、風呂追焚回路8に限定する必要はなく、床暖房パネルや浴室乾燥機等に供給される暖房水を循環させる温水暖房回路であっても良く、適宜変更可能である。
【0070】
[2]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例1,2に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。