(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記かご枠は、前記第1部材がかごの間口方向に沿って移動するように、当該第1部材を支持する支持部を有する、請求項1又は2に記載のエレベータのかご揺れ検出装置。
前記かご枠は、前記第2部材がかごの奥行方向に沿って移動するように、当該第2部材を支持する支持部を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベータのかご揺れ検出装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来のかご揺れ警報装置は、検出体によって、かごの上下方向の揺れを検出することができる。しかしながら、このかご揺れ警報装置は、かごの横揺れを検出するように構成されていない。エレベータの正常な運転を監視する観点において、かごの横揺れを検出することも重要である。
【0008】
そこで、本発明は、かごの横揺れを検出できる、エレベータのかご揺れ検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置は、かご枠と、かご枠に支持されるかご室とを備えるかごの揺れを検出するためのものである。かご揺れ検出装置は、かご枠に固定されるとともに、レーザ光を放射及び受光可能なレーザセンサと、レーザセンサから放射されるレーザ光を反射可能な第1部材と、レーザセンサと第1部材との間に位置する第2部材と、を備える。第1部材は、かご室が揺れたときに、横方向に移動するように、かご枠に支持される。第2部材は、
レーザセンサから放射されるレーザ光が通過可能な開口部と、前記レーザ光を遮断可能な遮断部とを備え、かご室が揺れたときに、第1部材とは異なる横方向に移動するように、かご枠に支持される。かご室が揺れたときに、第1部材と第2部材とが相対的に横方向に移動することにより、レーザセンサから放射されたレーザ光
が遮断部に遮られて該レーザ光をレーザセンサが受光しないときに、かごの揺れの発生を検出する。
【0010】
かかる構成によれば、第1部材が第2部材に対して相対的に横方向に移動し、その移動量の差が許容範囲を超えた場合に、第1部材に向かって放射されるレーザセンサのレーザ光が第1部材から反射されず、レーザセンサは、放射したレーザ光を受光することができなくなる。かご揺れ検出装置は、この状態を検出することにより、かごの横揺れを検出できるようになる。
【0011】
また、本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置によれば、第1部材は、レーザセンサから放射されるレーザ光を反射する反射部を備える
。第2部材の開口部は、第1部材の反射部と重なるように、第1部材の上方に配置される。レーザセンサは、第2部材の上方に配置される。
【0012】
かかる構成によれば、通常時において、レーザセンサから放射されるレーザ光は、下方に位置する第2部材の開口部を通過し、第2部材の下方に位置する第1部材の反射部によって反射される。反射したレーザ光は、第2部材の開口部を通過して、レーザセンサに受光される。
【0013】
かごの横揺れが生じた場合、第1部材と第2部材とが相対的に横方向に移動し、その移動量の差が許容範囲を超えた場合に、第2部材の遮断部がレーザ光を遮断する。これによって、かご揺れ検出装置は、かごの横揺れを検出できるようになる。
【0014】
また、本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置によれば、かご枠は、第1部材がかごの間口方向に沿って移動するように、当該第1部材を支持する支持部を有することが望ましい。また、かご枠は、第2部材がかごの奥行方向に沿って移動するように、当該第2部材を支持する支持部を有することが望ましい。
【0015】
本発明の他の実施形態によれば、かご枠と、かご枠に支持されるかご室とを備えるかごの揺れを検出する、エレベータのかご揺れ検出装置において、かご枠に固定されるとともに、レーザ光を放射及び受光可能なレーザセンサと、レーザセンサから放射されるレーザ光を反射可能な第1部材と、レーザセンサと第1部材との間に位置する第2部材と、を備え、第1部材は、かご室が揺れたときに、当該かご室とともに横方向に移動するように、かご室に支持されており、第2部材は、
レーザセンサから放射されるレーザ光が通過可能な開口部と、レーザ光を遮断可能な遮断部とを備え、かご室が揺れたときに、第1部材とは異なる横方向に移動するように、かご枠に支持されており、かご室が揺れたときに、第1部材と第2部材とが相対的に横方向に移動することにより、レーザセンサから放射されたレーザ光
が遮断部に遮られて該レーザ光をレーザセンサが受光しないときに、かごの揺れの発生を検出する。
【0016】
本発明の他の実施形態によれば、かご枠と、かご枠に支持されるかご室とを備えるかごの揺れを検出する、エレベータのかご揺れ検出装置において、かご枠に固定されるとともに、レーザ光を放射及び受光可能なレーザセンサと、レーザセンサから放射されるレーザ光を反射可能な第1部材と、レーザセンサと第1部材との間に位置する第2部材と、を備え、第1部材は、かご室が揺れたときに、横方向に移動するように、かご枠に支持されており、第2部材は、
レーザセンサから放射されるレーザ光が通過可能な開口部と、レーザ光を遮断可能な遮断部とを備え、かご室が揺れたときに、第1部材とは異なる横方向に、かご室とともに移動するように、かご室に支持されており、かご室が揺れたときに、第1部材と第2部材とが相対的に横方向に移動することにより、レーザセンサから放射されたレーザ光
が遮断部に遮られて該レーザ光をレーザセンサが受光しないときに、かごの揺れの発生を検出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置によれば、かごの横揺れを検出できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、
図1から
図7を参照しながら説明する。
図1は、エレベータの全体構成を示す斜視図である。
図1は、機械室を有していない、いわゆるマシンルームレスタイプのエレベータを例示する。
【0020】
図1に示すように、エレベータは、昇降路1内に、かご2と、かご2を案内する第1ガイドレール3と、釣合い錘(カウンターウェイト)4と、釣合い錘4を案内する第2ガイドレール5と、かご2と釣合い錘4とを連結するロープ6と、巻上機7とを備える。
【0021】
さらに、昇降路1の上部には、ロープ6を巻きかけるための返し車8が配置されている。昇降路1の下部には、巻上機7を制御するための制御盤9と、エレベータの速度を調速するための調速機10と、緩衝器11とがさらに設けられている。
【0022】
エレベータは、制御盤9を介して巻上機7を駆動することにより、かご2を第1ガイドレール3に沿って上下動させる。巻上機7は、トラクションシーブ12を備えるとともに、このトラクションシーブ12を介してロープ6を駆動することにより、かご2を上下動させることができる。
【0023】
釣合い錘4は、ロープ6を介してかご2に連結されているため、かご2の上下動に応じて、このかご2の動きとは逆に、第2ガイドレール5に沿って上下動する。釣合い錘4がかご2に連結されることにより、巻上機7は、小さな動力で、かご2を上下動させることができる。調速機10は、調速機用ロープ13を介して、かご2に接続されている。調速機10は、かご2の上下動の速度が規定値以上になったときに、かご2を停止させることができる。緩衝器11は、かご2に接触したときに、その衝撃を緩和できる。
【0024】
かご2は、昇降路1を上下動するとともに、建物の各階に設けられる乗場14に停止できる。
図1に示すように、かご2は、かご側ドア開閉装置15を備える。かご側ドア開閉装置15は、例えば2枚のドア15A、15Bを備える。ドア15A、15Bは、所定の開閉方向に移動可能に構成され、かご2の出入口を解放及び閉塞する。
【0025】
乗場14には、かご側ドア開閉装置15に対応するように、乗場側ドア開閉装置16が設けられている。乗場側ドア開閉装置16は、例えば2枚のドア16A,16Bを備える。なお、
図1には、これらのドア開閉装置15,16の例として、いわゆるセンターオープンタイプのものが示されている。
【0026】
図2に示すように、かご2は、かご枠18と、かご枠18に支持されるかご室19とを備える。かご枠18は、第1ガイドレール3に係合するローラ20を備える。かご室19は、防振ゴム21を介してかご枠18に支持されている。かご室19とかご枠18とは、防振ゴム21の変形の範囲内において、相対的に変位可能に配置されている。かご室19の上部には、かご室19がかご枠18に接触する際に緩衝を行う緩衝部材(緩衝ゴム)22が設けられている。
【0027】
図2に示すように、かご2には、かご2の揺れを検出可能なかご揺れ検出装置31が設けられている。かご揺れ検出装置31は、かご枠18に固定されるとともに、レーザ光を放射及び受光可能なレーザセンサ32と、かご室19に支持されるとともに、レーザセンサ32から放射されるレーザ光を反射可能な第1部材34と、かご室19に支持されるとともに、レーザセンサ32と第1部材34との間に位置する第2部材35とを備える。
【0028】
図2から
図4に示すように、レーザセンサ32は、第2部材35の上方に配置されている。レーザセンサ32は、下方にレーザを放射するように、下向きに配置されている。レーザセンサ32は、固定部材33を介して、かご枠18の一部である構造体36に固定されている。レーザセンサ32には、このレーザセンサ32の制御を行う制御装置(図示せず)が接続されている。レーザセンサ32は、レーザ光を放射する放射部32aと、第1部材34から反射したレーザ光を受光する受光部32bとを有する。
【0029】
図5、
図7に示すように、第1部材34は、レーザセンサ32から放射されるレーザ光を反射する反射部37を備える。反射部37は、四角形状の鏡体により構成される。レーザセンサ32から放射されるレーザ光は、この反射部37の中央部に対して垂直に入射し、そして反射する。
【0030】
第1部材34は、金属製で、L字状の板部材として構成される。第1部材34は、反射部37が設けられる第1の部分34aと、この第1の部分34aと直角をなすように突出する第2の部分34bとを有する。
【0031】
第1部材34には、軸部材(以下「第1軸部材」という)38が連結されている。第1軸部材38の両端部38a,38bには、雄ねじが形成されている。第1部材34の第2の部分34bには、第1軸部材38を挿通するための挿通孔40が形成されている。第1軸部材38の一端部38aは、この挿通孔40に挿通されるとともに、ナット41を介して第2の部分34bに固定されている。第1軸部材38の他端部38bは、かご室19に接触するように配置される。
【0032】
第1軸部材38は、かご2が揺れたときに、かご2の間口方向(
図5、
図7において符号Xで示す方向)、すなわち、かご側ドア開閉装置15におけるドア15A,15Bの開閉方向における、かご2の揺れ成分を検出すべく、この方向に沿って配置されている。
【0033】
第1軸部材38は、かご枠18に備えられる支持部(以下「第1支持部」という)42によって、軸心方向に沿って移動可能に支持されている。第1支持部42は、円筒状に構成される。
図5、
図7に示すように、第1支持部42の内側には、第1軸部材38が挿通されている。これにより、第1支持部42は、第1軸部材38が軸心方向に沿って移動するように、この第1軸部材38を支持している。また、第1支持部42は、固定部材43を介してかご枠18の構造体36に備え付けられる。
【0034】
第1軸部材38の外側には、コイルバネ(以下「第1コイルバネ」という)44が設けられている。また、第1軸部材38の他端部38b側には、第1コイルバネ44を係止するための係止部材(以下「第1係止部材」という)45が設けられている。第1コイルバネ44は、第1部材34と第1支持部42との間、及び、第1支持部42と第1係止部材45との間の2カ所に設けられている。
【0035】
第1係止部材45は、板状に構成される。第1係止部材45は、第1軸部材38を挿通するための挿通孔48を有する。第1係止部材45は、挿通孔48に第1軸部材38の他端部38bが挿通された状態で、第1軸部材38の他端部38bにナット46が螺合されることにより、第1軸部材38の他端部38b寄りの位置に配置されている。
【0036】
図6、
図7に示すように、第2部材35は、レーザセンサ32から放射されるレーザ光が通過可能な開口部49と、レーザ光を遮断可能な遮断部50とを備える。開口部49は、第1部材34の反射部37とほぼ同じ大きさの四角形状に構成される。開口部49は、第1部材34の反射部37と重なる(一致する)ように、第1部材34の上方に配置される。遮断部50は、第2部材35における開口部49以外の部分である。
【0037】
第2部材35は、金属製で、L字状の板部材として構成される。第2部材35は、開口部49及び遮断部50が設けられる第1の部分35aと、この第1の部分35aと直角をなすように突出する第2の部分35bとを有する。開口部49は、第1の部分35aを厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0038】
第2部材35には、軸部材(以下「第2軸部材」という)51が連結されている。第2軸部材51の両端部51a,51bには、雄ねじが形成されている。第2部材35の第2の部分35bには、第2軸部材51を挿通するための挿通孔53が形成されている。第2軸部材51の一端部51aは、この挿通孔53に挿通されるとともに、ナット54を介して第2の部分35bに固定されている。第2軸部材51の他端部51bは、かご室19に接触するように配置される。かご室19の外面には、第2軸部材51の他端部51bに背接触可能な接触部材(図示せず)が設けられている。
【0039】
第2軸部材51は、
図7に示すように、第1軸部材38の軸心方向に対して直交する方向に沿って配置される。すなわち、第2軸部材51は、かご2の間口方向Xに対して直交する奥行方向(
図6、
図7において符号Yで示す方向)におけるかご2の揺れ成分を検出すべく、この方向に沿って配置されている。
【0040】
第2軸部材51は、かご枠18に備えられる支持部(以下「第2支持部」という)56によって、軸心方向に沿って移動可能に支持されている。第2支持部56は、円筒状に構成される。
図6、
図7に示すように、第2支持部56の内側には、第2軸部材51が挿通されている。第2支持部56は、固定部材57を介してかご枠18の構造体36に備え付けられている。
【0041】
第2軸部材51の外面側には、コイルバネ(以下「第2コイルバネ」という)58が設けられている。また、第2軸部材51の他端部51b側には、第2コイルバネ58を係止するための係止部材(以下「第2係止部材」という)59が設けられている。第2コイルバネ58は、第2部材35と第2支持部56との間、及び、第2支持部56と第2係止部材59との間の2カ所に設けられている。
【0042】
第2係止部材59は、板状に構成される。第2係止部材59は、第2軸部材51を挿通するための挿通孔60を有する。第2係止部材59は、挿通孔60に第2軸部材51の他端部51bが挿通された状態で、第2軸部材51の他端部51bにナット61が螺合されることにより、第2軸部材51の他端部51b寄りの位置に配置されている。
【0043】
かご揺れ検出装置31の構成は以上の通りである。以下、かご揺れ検出装置31の作用について説明する。
【0044】
かご2の揺れが生じていない通常の状態において、レーザセンサ32の放射部32aから放射されるレーザ光は、第2部材35の開口部49を通過して、第1部材34の反射部37によって反射される。レーザセンサ32は、第1部材34によって反射されたレーザ光を受光部32bによって受光する。このとき、レーザセンサ32に接続される制御装置は、かご2の揺れが発生しておらず、正常な状態であると判断する。
【0045】
例えば、かご室19内の利用者の動きによって、かご2が横方向に揺れた場合において、第1部材34は、第1軸部材38がかご室19に押されることによって、かご2の間口方向Xに沿って移動する。より具体的には、第1軸部材38の他端部38bがかご室19に接触していることから、第1軸部材38は、かご室19に押されることになる。このとき、第1軸部材38は、第1支持部42に案内されることによって、その軸心方向に沿って移動する。第1部材34は、この第1軸部材38の移動に伴って、かご2の間口方向Xに沿って移動する。
【0046】
なお、第1コイルバネ44は、第1軸部材38の移動によって弾性変形することになる。かご室19による第1軸部材38の押圧が解除されるとき、第1部材34及び第1軸部材38は、第1コイルバネ44の弾性復元力によって、元の位置に戻る。
【0047】
また、第2部材35は、第2軸部材51がかご室19に押されることによって、かご2の奥行方向Yに沿って移動する。より具体的には、第2軸部材51の他端部51bがかご室19に接触していることから、第2軸部材51は、かご室19に押されるに押されることになる。このとき、第2軸部材51は、第2支持部56に案内されることによって、その軸心方向に沿って移動する。第2部材35は、この第2軸部材51の移動に伴って、かご2の奥行方向Yに沿って移動する。
【0048】
なお、第2コイルバネ51は、第2軸部材51の移動によって弾性変形することになる。かご室19による第2軸部材51の押圧が解除されるとき、第2部材35及び第2軸部材51は、第1コイルバネ44の弾性復元力によって、元の位置に戻る。
【0049】
以上により、第1部材34と第2部材35は、異なる横方向に対して相対的に移動することになる。例えば、第2部材35の移動距離が第1部材34の移動距離よりも大きい場合には、第2部材35の遮断部50が第1部材34の反射部37と重なり、レーザ光が遮断される。これにより、レーザ光は、第1部材34の反射部37で反射されず、レーザセンサ32は、レーザ光を受光できなくなる。レーザセンサ32がレーザ光を受光しない場合、制御装置は、かご2の横揺れが発生したことを検出する。
【0050】
また、例えば第1部材34が大きく移動した場合には、反射部37がレーザ光の入射位置からはずれることになり、これによってもレーザ光が反射されない状態となり得る。この場合においても、レーザセンサ32は、レーザ光を受光できず、制御装置は、かご2の横揺れが発生したことを検出する。
【0051】
以上説明した本発明に係るかご揺れ検出装置31によれば、かご2が揺れ、第1部材34と第2部材35とが相対的に移動することによって、レーザセンサ32から放射されたレーザ光が第1部材34の反射部37で反射せず、レーザセンサ32がレーザ光を受光しない場合に、かご2の横揺れを検出することができるようになる。
【0052】
なお、本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置31は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置31は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係るエレベータのかご揺れ検出装置31は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0053】
例えば、かご揺れ検出装置31は、かご2の横揺れを検出した場合に、かご室19内に警報を発するようにすることが望ましい。また、かご室19内に情報を表示可能な画面が備えられている場合には、この画面に、かご2の揺れが発生している旨の注意喚起の情報を表示させてもよい。また、音声案内によって、かご2の揺れの発生を利用者に通知することも可能である。
【0054】
上記の実施形態では、レーザセンサ32、第1部材34及び第2部材35が上下方向に沿って間隔をおいて配置されていたが、これに限定されない。例えば、レーザセンサ32、第1部材34及び第2部材35が、水平方向(横方向)に沿って間隔をおいて配置されていてもよい。
【0055】
第1部材34の反射部37の大きさ、第2部材35の開口部49の大きさ、及び第1コイルバネ44、第2コイルバネ58のバネ定数は、かご2の大きさ等によって決定される横揺れの許容範囲に応じて、適宜設定可能である。
【0056】
上記の実施形態では、第1支持部42及び第2支持部56が円筒状に構成されていたが、これに限定されない。第1支持部42、第2支持部56は、角筒状の他、異形形状に構成されていてもよい。第1支持部42、第2支持部56は、第1軸部材38、第2軸部材51を挿通可能な挿通孔を有するが、この挿通孔は、円形に限らず、他の種々の形状であってもよい。
【0057】
上記の実施形態では、第1部材34が第1軸部材38及び第1支持部42を介して、かご枠18に支持され、かつ、第2部材35が第2軸部材51及び第2支持部56を介してかご枠18に支持された例を示したが、これに限定されない。かご揺れ検出装置31は、例えば、第1部材34と第2部材35のうちのいずれか一方がかご室19に支持され、他方がかご枠18に支持されている構成であってもよい。
【0058】
すなわち、第1部材34がかご室19に支持される場合には、第1部材34は、第1軸部材38及び第1支持部42によらずに、かご室19に直接的に支持され得る。この場合には、第2部材35は、上記の実施形態と同様に、第2軸部材51及び第2支持部56を介して、かご枠18に支持される。この構成によれば、かご室19が横揺れを生じたときに、第1部材34は、かご室19とともに横方向に移動し、第2部材35は、第2軸部材51がかご室19に押されることにより、横方向に移動する。
【0059】
また、第2部材35がかご室19に支持される場合には、第2部材35は、第2軸部材51及び第2支持部56によらずに、かご室19に直接的に支持され得る。この場合には、第1部材34は、上記の実施形態と同様に、第1軸部材38及び第1支持部42を介して、かご枠18に支持される。この構成によれば、かご室19が横揺れを生じたときに、第2部材35は、かご室19とともに横方向に移動し、第1部材34は、第1軸部材38がかご室19に押されることにより、横方向に移動する。
【0060】
上記の実施形態では、第1部材34が第1軸部材38を介してかご室19に接触し、第2部材35が第2軸部材51を介してかご室19の接触部材(図示せず)に接触したかご揺れ検出装置31を例示したが、これに限定されない。かご揺れ検出装置31は、第1部材34と第2部材35とをかご室19に接触させることなく、これらを相対移動させることができる。
【0061】
すなわち、
図5から
図7に記載されるように、第1部材34は、第1軸部材38及び第1支持部42を介してかご枠18に支持され、第2部材35は、第2軸部材51及び第2支持部56を介してかご枠18に支持されている。この状態において、かご室19の横方向の揺れが防振ゴム21、緩衝部材22を介してかご枠18に伝播し、かご枠18が横方向に揺れた場合、第1部材34及び第2部材35は、かご枠18に固定されていないことから、かご枠18の横揺れによって、これらに慣性力が作用する。
【0062】
この作用を、かご枠18が間口方向Xの一方に移動した場合を例として説明する。
図2、
図3において、かご枠18が横揺れにより右方向に移動すると、かご枠18の一部である構造体36も同様に右方向に移動する。このとき、
図7において、構造体36に取り付けられている第1支持部42も同様に右方向に移動する。この場合、第1部材34に連結される第1軸部材38は、第1支持部42に固定されておらず、その軸心方向に往復動(揺動)をするように、第1支持部42に支持されている。したがって、第1部材34、第1軸部材38及び第1係止部材45の質量により、その場に留まろうとする慣性力がこれらに作用する。
【0063】
その結果、第1支持部42と第1部材34の第2の部分34bとが接近し、その間隔が小さくなることによって、第1支持部42と第2の部分34bとの間に位置する第1コイルバネ44が圧縮されて弾性変形する。
【0064】
またこのとき、レーザセンサ32及び第2部材35は、かご枠18の構造体36とともに右方向に移動する。そして、第1部材34の反射部37が第2部材35の開口部49と重ならなくなると、レーザセンサ32からのレーザ光は、開口部49を通過するものの、反射部37に反射されなくなる。そうすると、レーザセンサ32は、放射したレーザ光を受光することができず、これによって、かご2の横揺れが検出されることになる。その後、弾性変形していた第1コイルバネ44が元の形状に復元したとき、第1軸部材38と第1支持部42との相対的な位置関係が元の状態に戻る。
【0065】
なお、第2部材35についても、かご枠18が奥行方向Yに沿って横揺れした場合に、上記と同様な慣性力が作用することになる。
【0066】
以上のように、第1部材34と第2部材35とは、かご室19に押されることなく、かご枠18の横揺れによる慣性力によって、相対的に移動する。かご揺れ検出装置31は、このような第1部材34と第2部材35との相対的な移動に基づいて、かご2の横揺れを検出できる。このように慣性力によって第1部材34と第2部材35との相対移動を実現する場合には、慣性力が効果的に作用するように、第1部材34及び第2部材35に錘を付けたり、第1コイルバネ44及び第2コイルバネ58のバネ定数を小さく設定することが望ましい。また、第1支持部42及び第2支持部56は、第1軸部材38及び第2軸部材51との相対的な移動を円滑に行えるように、例えば、直動軸受等によって構成されることが望ましい。