特許第6249287号(P6249287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249287非接触給電装置及び非接触給電装置の漏れ磁界測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249287
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】非接触給電装置及び非接触給電装置の漏れ磁界測定方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20171211BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20171211BHJP
   H02J 50/70 20160101ALI20171211BHJP
【FI】
   H02J50/12
   H02J50/40
   H02J50/70
【請求項の数】10
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-66993(P2014-66993)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-192505(P2015-192505A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小原 弘士
【審査官】 緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−517265(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/029179(WO,A1)
【文献】 特開2008−172947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00−50/90
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置であって、
前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルと、
前記漏れ交番磁界を低減させる漏れ磁界低減用の交番磁界を発生する1つ以上の漏れ磁界低減コイルと、
前記漏れ検知信号に基づいて前記漏れ交番磁界を相殺して低減させるための前記漏れ磁界低減用の交番磁界を発生させる漏れ磁界低減用の高周波電流を演算し、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルを通電し、前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルから漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる制御手段と
を有し
前記制御手段は、
前記漏れ磁界検知コイルからの漏れ検知信号を入力し、前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の周波数と強度レベルを抽出し、漏れ磁界抽出信号として出力する漏れ磁界信号抽出回路と、
前記漏れ磁界低減コイルに通電する前記漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する漏れ磁界低減回路と、
前記漏れ磁界信号抽出回路の漏れ磁界抽出信号に基づいて、前記漏れ交番磁界と強度レベルが同レベルで、かつ、位相が180度ずれている周波数の漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させるための制御信号を前記漏れ磁界低減回路に出力する制御部と
を有し、
前記漏れ磁界信号抽出回路は、前記漏れ検知信号から予め定めた複数の漏れ交番磁界の周波数成分を取得するフィルタ回路を有し、前記複数のフィルタ回路にてそれぞれ取得した周波数成分の漏れ交番磁界のうち最も大きい強度レベルの漏れ交番磁界を抽出するようにしたことを特徴とする非接触給電装置。
【請求項2】
給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置であって、
前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルと、
前記漏れ交番磁界を低減させる漏れ磁界低減用の交番磁界を発生する1つ以上の漏れ磁界低減コイルと、
前記漏れ検知信号に基づいて前記漏れ交番磁界を相殺して低減させるための前記漏れ磁界低減用の交番磁界を発生させる漏れ磁界低減用の高周波電流を演算し、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルを通電し、前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルから漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる制御手段と
を有し、
前記制御手段は、
前記漏れ磁界検知コイルからの漏れ検知信号を入力し、前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の周波数と強度レベルを抽出し、漏れ磁界抽出信号として出力する漏れ磁界信号抽出回路と、
前記漏れ磁界低減コイルに通電する前記漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する漏れ磁界低減回路と、
前記漏れ磁界信号抽出回路の漏れ磁界抽出信号に基づいて、前記漏れ交番磁界と強度レベルが同レベルで、かつ、位相が180度ずれている周波数の漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させるための制御信号を前記漏れ磁界低減回路に出力する制御部と
を有し、
前記漏れ磁界信号抽出回路は、可変フィルタ回路を有し、前記可変フィルタ回路にて最も大きい強度レベルの漏れ交番磁界の周波数成分を抽出するようにしたことを特徴とする非接触給電装置。
【請求項3】
給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置であって、
前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルと、
前記漏れ交番磁界を低減させる漏れ磁界低減用の交番磁界を発生する1つ以上の漏れ磁界低減コイルと、
前記漏れ検知信号に基づいて前記漏れ交番磁界を相殺して低減させるための前記漏れ磁界低減用の交番磁界を発生させる漏れ磁界低減用の高周波電流を演算し、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルを通電し、前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルから漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる制御手段と
を有し
前記1次コイルは、1次元方向又は2次元方向に複数設けられ、
前記漏れ磁界検知コイルは、前記複数の1次コイルの中の前記給電用の高周波電流が通電されていない1次コイルであり、
前記漏れ磁界低減コイルは、前記複数の1次コイルの中の前記給電用の高周波電流が通電されていない1次コイルであって、かつ、前記漏れ磁界検知コイルとして使用されていない1次コイルであり、
前記制御手段は、前記漏れ磁界検知コイルとして使用される前記1次コイルに対して前記漏れ検知信号を取得して前記漏れ磁界低減用の高周波電流を演算するとともに、前記漏れ磁界低減コイルとして使用される前記1次コイルに対して前記演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電することを特徴とする非接触給電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の非接触給電装置において、
前記漏れ磁界検知コイルは、前記給電用の高周波電流が通電されている1次コイルに隣接した1次コイルであり、
前記漏れ磁界低減コイルは、前記漏れ磁界検知コイルとして使用されている1次コイルに隣接した1次コイルであることを特徴とする非接触給電装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の非接触給電装置において、
前記制御手段は、
前記漏れ磁界検知コイルからの漏れ検知信号を入力し、前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の周波数と強度レベルを抽出し、漏れ磁界抽出信号として出力する漏れ磁界信号抽出回路と、
前記漏れ磁界低減コイルに通電する前記漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する漏れ磁界低減回路と、
前記漏れ磁界信号抽出回路の漏れ磁界抽出信号に基づいて、前記漏れ交番磁界と強度レベルが同レベルで、かつ、位相が180度ずれている周波数の漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させるための制御信号を前記漏れ磁界低減回路に出力する制御部と
を有したことを特徴とする非接触給電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の非接触給電装置において、
前記漏れ磁界信号抽出回路は、前記漏れ検知信号から予め定めた1つの前記漏れ交番磁界の周波数成分を取得するフィルタ回路を有し、前記フィルタ回路にて取得した周波数成分の漏れ交番磁界の強度レベルを抽出するようにしたことを特徴とする非接触給電装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の非接触給電装置において、
前記1次コイルは、1次元方向又は2次元方向に複数設けられ、
前記漏れ磁界検知コイルは、前記1次元方向又は2次元方向に複数設けられた1次コイルからの放射する交番磁界の漏れ交番磁界を検知し、
前記漏れ磁界低減コイルは、前記1次元方向又は2次元方向に複数設けられた1次コイルからの放射する交番磁界の漏れ交番磁界を低減させる漏れ磁界低減用の交番磁界を発生し、
前記制御手段は、前記各漏れ磁界検知コイルからの漏れ検知信号に基づいて、前記漏れ磁界低減コイルに対して、前記漏れ磁界低減用の高周波電流を演算し、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電することを特徴とする非接触給電装置。
【請求項8】
給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置の漏れ交番磁界測定方法であって、
前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルを、前記1次コイルから予め定めた距離だけ離間した位置に設け、
前記漏れ検知信号を漏れ磁界信号抽出回路に出力し、前記漏れ磁界信号抽出回路にて前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の強度レベルを抽出し、
前記漏れ磁界信号抽出回路は、前記漏れ検知信号から予め定めた複数の漏れ交番磁界の周波数成分を取得するフィルタ回路を有し、前記複数のフィルタ回路にてそれぞれ取得した周波数成分の漏れ交番磁界のうち最も大きい強度レベルの漏れ交番磁界を抽出するようにしたことを特徴とする非接触給電装置の漏れ磁界測定方法。
【請求項9】
給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置の漏れ交番磁界測定方法であって、
前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルを、前記1次コイルから予め定めた距離だけ離間した位置に設け、
前記漏れ検知信号を漏れ磁界信号抽出回路に出力し、前記漏れ磁界信号抽出回路にて前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の強度レベルを抽出し、
前記漏れ磁界信号抽出回路は、可変フィルタ回路を有し、前記可変フィルタ回路にて最も大きい強度レベルの漏れ交番磁界の周波数成分を抽出するようにしたことを特徴とする非接触給電装置の漏れ磁界測定方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の非接触給電装置の漏れ磁界測定方法において、
前記1つ以上の漏れ磁界検知コイルは、非接触給電装置側又は受電装置側に設けられ、受電装置側に設けたときには、非接触給電装置と受電装置に設けた通信手段を介して、受電装置側に設けた漏れ磁界検知コイルの漏れ検知信号を非接触給電装置側に設けた磁界信号抽出回路に出力することを特徴とする非接触給電装置の漏れ磁界測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触給電装置及び非接触給電装置の漏れ磁界測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁誘導方式の非接触給電装置は、給電中の1次コイルから放射される交番磁界の一部が漏れ、周囲に不要なノイズをまき散らすのを防止する対策として金属板や電磁シールドを周囲に施したものがある。
【0003】
また、特許文献1において、給電コイルの周囲に複数の漏れ磁束検知コイルに配置する。複数の漏れ磁束検知コイルの検知結果に基づいて、給電コイルと給電を受ける携帯端末等の電気機器とのずれを把握する。そして、給電コイルと給電を受ける電気機器とのずれに応じた制御して漏れ磁束を減らした効率のよい給電を行う給電方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2において、送信側コイルを2つ重ねる。そして、両送信側コイルに流す送信電流の位相を変えることで、不要な漏れ磁束を減らして受信コイルに対して効率よい給電を行う給電方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5121307号公報
【特許文献2】特開2013−172490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、複数の漏れ磁束検知コイルの検知結果に応じて給電コイルに対する制御量を変更しなければならなかった。しかも、積極的に漏れ磁束を減らすものではないことから給電能力を増大させた非接触給電装置おいては交番磁界が強くなり漏れ磁束を抑えることは難しかった。
【0007】
また、特許文献2では、2つの送信側コイルに流す送信電流の位相を調整することから、給電性自体が劣化し、給電能力を増大させるのに問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、給電のための制御を行うことなく、積極的に漏れ交番磁界を低減させることができる非接触給電装置及び非接触給電装置の漏れ磁界測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための非接触給電装置は、給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置であって、前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルと、前記漏れ交番磁界を低減させる漏れ磁界低減用の交番磁界を発生する1つ以上の漏れ磁界低減コイルと、前記漏れ検知信号に基づいて前記漏れ交番磁界を相殺して低減させるための前記漏れ磁界低減用の交番磁界を発生させる漏れ磁界低減用の高周波電流を演算し、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルを通電し、前記1つ以上の漏れ磁界低減コイルから漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる制御手段とを有したことを特徴とする。
【0009】
また、上記構成において、前記1次コイルは、1次元方向又は2次元方向に複数設けられ、前記漏れ磁界検知コイルは、前記1次元方向又は2次元方向に複数設けられた1次コイルからの放射する交番磁界の漏れ交番磁界を検知し、前記漏れ磁界低減コイルは、前記1次元方向又は2次元方向に複数設けられた1次コイルからの放射する交番磁界の漏れ交番磁界を低減させる漏れ磁界低減用の交番磁界を発生し、前記制御手段は、前記各漏れ磁界検知コイルからの漏れ検知信号に基づいて、前記漏れ磁界低減コイルに対して、前記漏れ磁界低減用の高周波電流を演算し、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電することが好ましい。
【0010】
また、上記構成において、前記1次コイルは、1次元方向又は2次元方向に複数設けられ、前記漏れ磁界検知コイルは、前記複数の1次コイルの中の前記給電用の高周波電流が通電されていない1次コイルであり、前記漏れ磁界低減コイルは、前記複数の1次コイルの中の前記給電用の高周波電流が通電されていない1次コイルであって、かつ、前記漏れ磁界検知コイルとして使用されていない1次コイルであり、前記制御手段は、前記漏れ磁界検知コイルとして使用される前記1次コイルに対して前記漏れ検知信号を取得して前記漏れ磁界低減用の高周波電流を演算するとともに、前記漏れ磁界低減コイルとして使用される前記1次コイルに対して前記演算した漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電することが好ましい。
【0011】
また、上記構成において、前記漏れ磁界検知コイルは、前記給電用の高周波電流が通電されている1次コイルに隣接した1次コイルであり、前記漏れ磁界低減コイルは、前記漏れ磁界検知コイルとして使用されている1次コイルに隣接した1次コイルであることが好ましい。
【0012】
また、上記構成において、前記制御手段は、前記漏れ磁界検知コイルからの漏れ検知信号を入力し、前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の周波数と強度レベルを抽出し、漏れ磁界抽出信号として出力する漏れ磁界信号抽出回路と、前記漏れ磁界低減コイルに通電する前記漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する漏れ磁界低減回路と、前記漏れ磁界信号抽出回路の漏れ磁界抽出信号に基づいて、前記漏れ交番磁界と強度レベルが同レベルで、かつ、位相が180度ずれている周波数の漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させるための制御信号を前記漏れ磁界低減回路に出力する制御部と有したことが好ましい。
【0013】
また、上記構成において、前記漏れ磁界信号抽出回路は、前記漏れ検知信号から予め定めた1つの前記漏れ交番磁界の周波数成分を取得するフィルタ回路を有し、前記フィルタ回路にて取得した周波数成分の漏れ交番磁界の強度レベルを抽出するようにしたことが好ましい。
【0014】
また、上記構成において、前記漏れ磁界信号抽出回路は、前記漏れ検知信号から予め定めた複数の漏れ交番磁界の周波数成分を取得するフィルタ回路を有し、前記複数のフィルタ回路にてそれぞれ取得した周波数成分の漏れ交番磁界のうち最も大きい強度レベルの漏れ交番磁界を抽出するようにしたことが好ましい。
【0015】
また、上記構成において、前記漏れ磁界信号抽出回路は、可変フィルタ回路を有し、前記可変フィルタ回路にて最も大きい強度レベルの漏れ交番磁界の周波数成分を抽出するようにしたことが好ましい。
【0016】
上記課題を解決するための非接触給電装置の漏れ交番磁界測定方法は、給電用の高周波電流が通電されて給電用の交番磁界を放射する1次コイルに電気機器が配置されたとき、前記1次コイルが前記交番磁界を放射して電磁誘導にて前記電気機器に設けた受電装置の2次コイルに2次電力を発生させるようにした非接触給電装置の漏れ交番磁界測定方法であって、前記給電用の交番磁界の一部が外部に漏れる漏れ交番磁界を検知し漏れ検知信号として出力する1つ以上の漏れ磁界検知コイルを、前記1次コイルから予め定めた距離だけ離間した位置に設け、前記漏れ検知信号を漏れ磁界信号抽出回路に出力し、前記漏れ磁界信号抽出回路にて前記漏れ検知信号から前記漏れ交番磁界の強度レベルを抽出することを特徴とする。
【0017】
また、上記構成において、前記1つ以上の漏れ磁界検知コイルは、非接触給電装置側又は受電装置側に設けられ、受電装置側に設けたときには、非接触給電装置と受電装置に設けた通信手段を介して、受電装置側に設けた漏れ磁界検知コイルの漏れ検知信号を非接触給電装置側に設けた磁界信号抽出回路に出力することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、給電のための制御を行うことなく、積極的に漏れ交番磁界を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態を説明するための非接触給電装置と電気機器を示す全体斜視図。
図2】同じく、給電エリアに設けた1次コイル、第1及び第2漏れ磁界検知コイル、第1及び第2漏れ磁界低減コイルの配置状態を示す説明図。
図3】同じく、非接触給電装置と電気機器の電気ブロック回路図。
図4】同じく、給電ユニット回路を説明するための電気ブロック回路図。
図5】同じく、インバータ回路を説明するための電気回路図。
図6】第2実施形態を説明するための非接触給電装置の電気ブロック回路図。
図7】同じく、第1及び第2選択スイッチ回路の電気回路図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、非接触給電装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1は、非接触給電装置(以下、給電装置という)1とその給電装置1から非接触給電を受ける電気機器(以下、機器という)Eの全体斜視図を示す。
【0021】
給電装置1は、一方向に長い筐体2を有し、その上面が平面であって機器Eを載置する載置面3を形成している。載置面3は、長手方向に複数(図1では6個)の四角形状の給電エリアARが区画形成されている。
【0022】
また、載置面3には、長手方向に列設された6個の給電エリアARの一側(一方)に第1漏れ磁界検知エリアARx1が区画形成されているとともに、他側(他方)に第2漏れ磁界検知エリアARx2が区画形成されている。さらに、載置面3には、第1漏れ磁界検知エリアARx1の外側に第1漏れ磁界低減エリアARy1が区画形成されているとともに、第2漏れ磁界検知エリアARx2の外側に第2漏れ磁界低減エリアARy2が区画形成されている。
【0023】
(1次コイルL1)
図2に示すように、筐体2内であって、各給電エリアARに対応する位置には、その給電エリアARの平面形状にあわせて四角形状に巻回された1次コイルL1が配置されている。各給電エリアARの1次コイルL1は、給電エリアAR毎に筐体2内に設けられたそれぞれの給電ユニット回路10(図3参照)と接続されている。そして、各給電エリアARの1次コイルL1は、対応する給電ユニット回路10にて給電用周波数の高周波電流が通電されて交番磁界を放射する。
【0024】
各1次コイルL1は、単独でまたは他の1次コイルL1とともに給電用周波数の高周波電流が通電されて、載置面3(給電エリアAR)に載置された機器Eに内設された2次コイルL2に対して非接触給電をする。つまり、筐体2の載置面3に機器Eが載置されると、機器Eに内設した2次コイルL2は、1次コイルL1が給電用周波数の高周波電流に基づいて放射する給電用周波数の交番磁界によって電磁誘導に基づく誘導起電力(2次電力)を発生する。
【0025】
また、各1次コイルL1は、機器Eが給電エリアARに載置されたかどうかを検知するための機器検知用周波数の高周波電流が通電される。
(第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2)
図2に示すように、筐体2内であって、第1漏れ磁界検知エリアARx1に対応する位置には、同第1漏れ磁界検知エリアARx1の外形形状にあわせて四角形状に巻回された第1漏れ磁界検知コイルLA1が配置されている。第1漏れ磁界検知コイルLA1は、給電中の1次コイルL1が放射する交番磁界の一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界(漏れ磁束)と鎖交して、電磁誘導にて発生する誘導起電力を第1漏れ検知信号SG1として出力する。
【0026】
同様に、第2漏れ磁界検知エリアARx2に対応する位置には、同第2漏れ磁界検知エリアARx2の外形形状にあわせて四角形状に巻回された第2漏れ磁界検知コイルLA2が配置されている。第2漏れ磁界検知コイルLA2は、給電中の1次コイルL1が放射する交番磁界の一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界(漏れ磁束)と鎖交して、電磁誘導にて発生する誘導起電力を第2漏れ検知信号SG2として出力する。
【0027】
(第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2)
図2に示すように、筐体2内であって、第1漏れ磁界低減エリアARy1に対応する位置には、同第1漏れ磁界低減エリアARy1の外形形状にあわせて四角形状に巻回された第1漏れ磁界低減コイルLB1が配置されている。同様に、第2漏れ磁界低減エリアARy2に対応する位置には、同第2漏れ磁界低減エリアARy2の外形形状にあわせて四角形状に巻回された第2漏れ磁界低減コイルLB2が配置されている。
【0028】
第1漏れ磁界低減コイルLB1は、第1漏れ磁界検知コイルLA1のノイズ検知結果に基づく漏れ磁界低減用の高周波電流が通電される。そして、第1漏れ磁界低減コイルLB1は、給電中の給電エリアARから一部が漏れて第1漏れ磁界検知コイルLA1側の外部に放射される漏れ交番磁界(漏れ磁束)を低減させるための交番磁界を放射する。
【0029】
第2漏れ磁界低減コイルLB2は、第2漏れ磁界検知コイルLA2のノイズ検知結果に基づく漏れ磁界低減用の高周波電流が通電される。そして、第2漏れ磁界低減コイルLB2は、給電中の給電エリアARから一部が漏れて第2漏れ磁界検知コイルLA2側の外部に放射される交番磁界(漏れ磁束)を低減させるための交番磁界を放射する。
【0030】
次に、給電装置1と機器Eの電気的構成を図3に従って説明する。
(機器E)
まず、機器Eについて説明する。図3において、機器Eは、給電装置1から2次電力を受電する受電装置としての受電回路5と負荷Zを有している。
【0031】
図3に示すように、受電回路5は、整流回路6を有している。
整流回路6は、2次コイルL2と2次側共振コンデンサC2の直列回路よりなる機器E側の2次回路に接続されている。2次コイルL2は、1次コイルL1が放射する給電用周波数の交番磁界に基づいて2次電力を発生し、その2次電力を整流回路6に出力する。
【0032】
整流回路6は、電磁誘導にて2次コイルL2に発生した2次電力を直流電圧に変換する。そして、整流回路6は、変換した直流電圧を機器Eの負荷Zに供給する。
(給電装置1)
次に、給電装置1について説明する。図3に示すように、給電装置1は、6個の1次コイルL1毎に設けられた給電ユニット回路10を有している。また、給電装置1は、第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2に対応して設けられた第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22を有している。また、給電装置1は、第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2に対応して設けられた第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32を有している。さらに、給電装置1は、給電ユニット回路10、第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22、並びに、第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32を統括制御するシステム制御部40を有している。
【0033】
(給電ユニット回路10)
各給電ユニット回路10は、システム制御部40との間でデータの授受を行い、システム制御部40にて制御されている。各給電ユニット回路10は、その回路構成が同じであるため説明の便宜上、1つの給電ユニット回路10について説明する。
【0034】
図4に示すように、給電ユニット回路10は、ドライブ回路11、インバータ回路12、電流検出回路13、機器検知回路14を有している。
(ドライブ回路11)
ドライブ回路11は、システム制御部40から1次コイルL1に流す給電用の高周波電流の周波数(給電用周波数)と機器検知用の高周波電流の周波数(機器検知用周波数)を生成するための制御信号CTを入力する。ドライブ回路11は、制御信号CTを入力してインバータ回路12に出力する駆動信号PSa,PSbを生成する。駆動信号PSa,PSbは、制御信号CTに基づいて、1次コイルL1に流す給電用又は機器検知用の高周波電流の周波数を設定する駆動信号である。
【0035】
(インバータ回路12)
図5に示すように、インバータ回路12は、公知のハーフブリッジ回路である。インバータ回路12は、第1コンデンサCaと第2コンデンサCbを直列に接続した分圧回路と、この分圧回路に対して、第1パワートランジスタQaと第2パワートランジスタQbを直列に接続した直列回路からなる駆動回路が並列に接続されている。第1及び第2パワートランジスタQa,Qbは、本実施形態では、NチャネルMOSFETにて構成されている。
【0036】
そして、第1コンデンサCaと第2コンデンサCbの接続点N1と、第1パワートランジスタQaと第2パワートランジスタQbの接続点N2との間には、給電装置1側の1次回路を構成する1次コイルL1と1次側共振コンデンサC1の直列回路が接続される。
【0037】
第1パワートランジスタQaと第2パワートランジスタQbの各ゲート端子には、ドライブ回路11から駆動信号PSa,PSbが入力される。第1及び第2パワートランジスタQa,Qbは、そのゲート端子にそれぞれ入力される駆動信号PSa,PSbに基づいて交互にオンオフされる。
【0038】
これによって、インバータ回路12は、制御信号CTに基づく駆動信号PSa,PSbによって、給電用周波数の高周波電流と機器検知用周波数の高周波電流のいずれかが生成される。そして、1次コイルL1は、この高周波電流の通電により、交番磁界を発生する。
【0039】
ここで、給電用周波数は、給電エリアARに機器Eが載置された時、機器E側のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分で決まる共振周波数としている。一方、機器検知用周波数は、給電エリアARに機器Eが載置されていない時、給電装置1側の1次回路のインダクタンス成分及びキャパシタンス成分で決まる共振周波数に基づいた周波数としている。なお、これら給電用周波数及び機器検知用周波数は、予め試験、実験、計算等で求められている。
【0040】
(電流検出回路13)
図4に示すように、電流検出回路13は、1次回路を構成する1次コイルL1と1次側共振コンデンサC1の間に設けられ、1次コイルL1に流れるその時々の1次電流を検出し、電流検出信号して出力する。
【0041】
(機器検知回路14)
図4に示すように、機器検知回路14は、電流検出回路13と接続されている。機器検知回路14は、1次コイルL1が機器検知用周波数の高周波電流で通電されている間、電流検出回路13が検出した電流検出信号を入力する。そして、機器検知回路14は、入力した電流検出信号に相対した出力電圧に変換して、当該1次コイルL1(給電エリアAR)に機器Eが載置されたかどうか判定する。
【0042】
機器検知回路14は、包絡線検波回路を含み、電流検出回路13の電流検出信号を同包絡線検波回路にて検波する。つまり、機器検知回路14(包絡線検波回路)は、電流検出信号から該電流検出信号の外側を包んだ包絡線波形信号(出力電圧)を生成する。
【0043】
機器検知回路14は、出力電圧が予め定めた基準値以下になった時、当該1次コイルL1(給電エリアAR)に機器Eが載置されたと判定し、その判定信号SJをシステム制御部40に出力するようになっている。また、機器検知回路14は、出力電圧が予め定めた基準値を超えた値の時には、当該1次コイルL1(給電エリアAR)に機器Eが載置されていないと判定し、その判定信号SJをシステム制御部40に出力するようになっている。
【0044】
(第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22)
図3に示すように、給電装置1は、第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2に対応して第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22が設けられている。
【0045】
(第1漏れ磁界信号抽出回路21)
第1漏れ磁界信号抽出回路21は、第1漏れ磁界検知コイルLA1に接続されている。第1漏れ磁界信号抽出回路21は、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した第1漏れ検知信号SG1を入力する。第1漏れ磁界信号抽出回路21は、フィルタ回路を有している。このフィルタ回路は、漏れ交番磁界の周波数が給電用の交番磁界の一部が漏れた磁界であるので、給電用の交番磁界の給電用周波数と同じと想定し、第1漏れ検知信号SG1から給電用周波数の漏れ交番磁界の信号波形を取得するフィルタ回路である。
【0046】
そして、第1漏れ磁界信号抽出回路21は、そのフィルタ回路を介して取得した第1漏れ検知信号SG1中の給電用周波数の信号波形から漏れ交番磁界(漏れ磁束)の強度レベルを抽出し第1漏れ磁界抽出信号SN1としてシステム制御部40に出力する。
【0047】
(第2漏れ磁界信号抽出回路22)
第2漏れ磁界信号抽出回路22は、第2漏れ磁界検知コイルLA2に接続されている。第2漏れ磁界信号抽出回路22は、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した第2漏れ検知信号SG2を入力する。第2漏れ磁界信号抽出回路22は、フィルタ回路を有している。このフィルタ回路は、漏れ交番磁界の周波数が給電用の交番磁界の一部が漏れた磁界であるので、給電用の交番磁界の給電用周波数と同じと想定し、第1漏れ検知信号SG1から給電用周波数の漏れ交番磁界の信号波形を取得するフィルタ回路である。
【0048】
そして、第2漏れ磁界信号抽出回路22は、そのフィルタ回路を介して取得した第2漏れ検知信号SG2中の給電用周波数の信号波形から漏れ交番磁界(漏れ磁束)の強度レベルを抽出し第2漏れ磁界抽出信号SN2としてシステム制御部40に出力する。
【0049】
(第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32)
図3に示すように、給電装置1は、第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2に対応して第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32が設けられている。
【0050】
(第1漏れ磁界低減回路31)
第1漏れ磁界低減回路31は、システム制御部40との間でデータの授受を行い、システム制御部40にて制御されている。
【0051】
第1漏れ磁界低減回路31は、第1漏れ磁界低減コイルLB1と接続されている。第1漏れ磁界低減回路31は、システム制御部40からの第1制御信号CT1に基づいて、漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する。この漏れ磁界低減用の高周波電流は、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と強度レベルが同じで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界を第1漏れ磁界低減コイルLB1から放射させるための高周波電流である。
【0052】
第1漏れ磁界低減回路31は、給電ユニット回路10のドライブ回路11及びインバータ回路12と同様な回路を有している。そして、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界を放射するための高周波電流は、第1漏れ磁界低減回路31中のインバータ回路に出力される駆動信号PSa,PSb(図5参照)の出力タイミングを制御することによって生成される。また、漏れ交番磁界と強度レベルが同じ交番磁界を放射するための高周波電流は、第1漏れ磁界低減回路31中のインバータ回路に印加される直流電圧Vdd(図5参照)を制御することによって生成される。
【0053】
そして、第1漏れ磁界低減回路31は、その生成した漏れ磁界低減用の高周波電流にて第1漏れ磁界低減コイルLB1を通電する。従って、第1漏れ磁界低減コイルLB1は、漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電されることによって、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)を低減もしくは消失させる。
【0054】
(第2漏れ磁界低減回路32)
第2漏れ磁界低減回路32は、システム制御部40との間でデータの授受を行い、システム制御部40にて制御されている。
【0055】
第2漏れ磁界低減回路32は、第2漏れ磁界低減コイルLB2と接続されている。第2漏れ磁界低減回路32は、システム制御部40からの第2制御信号CT2に基づいて、漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する。この漏れ磁界低減用の高周波電流は、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と強度レベルが同じで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界を第2漏れ磁界低減コイルLB2から放射させるための高周波電流である。
【0056】
ちなみに、第2漏れ磁界低減回路32も第1漏れ磁界低減回路31と同じように、給電ユニット回路10のドライブ回路11及びインバータ回路12と同様な回路を有している。そして、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界を放射するための高周波電流は、第2漏れ磁界低減回路32中のインバータ回路に出力される駆動信号PSa,PSb(図5参照)の出力タイミングを制御することによって生成される。また、漏れ交番磁界と強度レベルが同じ交番磁界を放射するための高周波電流は、第2漏れ磁界低減回路32中のインバータ回路に印加される直流電圧Vdd(図5参照)を制御することによって生成される。
【0057】
そして、第2漏れ磁界低減回路32は、その生成した漏れ磁界低減用の高周波電流にて第2漏れ磁界低減コイルLB2を通電する。従って、第2漏れ磁界低減コイルLB2は、漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電されることによって、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)を低減もしくは消失させる。
【0058】
(システム制御部40)
図3及び図4に示すように、給電装置1は、システム制御部40を有している。システム制御部40は、マイクロコンピュータよりなり、マイクロコンピュータの制御プログラムに従って、6個の給電ユニット回路10、第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22、第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32を統括制御する。
【0059】
システム制御部40は、給電エリアARに機器Eが載置されていない状態で給電ユニット回路10に対して機器検知用周波数の高周波電流を生成するための制御信号CTを出力する。そして、機器検知用周波数の高周波電流にて1次コイルL1が通電された状態で、システム制御部40は、機器検知回路14からの判定信号SJを入力する。
【0060】
システム制御部40は、機器Eが載置されている判定信号SJを入力した場合、当該給電ユニット回路10に対して給電用周波数の高周波電流を生成するための制御信号CTを出力する。給電ユニット回路10は、給電用周波数の高周波電流を生成し、その生成した給電用周波数の高周波電流にて1次コイルL1を通電する。これによって、給電用周波数の高周波電流にて通電される1次コイルL1は、給電用周波数の交番磁界を放射し、給電エリアARに載置された機器Eの2次コイルL2に対して非接触給電を行う。
【0061】
反対に、システム制御部40は、機器Eが載置されていない判定信号SJを入力した場合、当該給電ユニット回路10に対して機器検知用周波数の高周波電流を生成するための制御信号CTを出力する。つまり、システム制御部40は、当該給電ユニット回路10に対して機器検知を継続させるための制御信号CTを出力する。
【0062】
また、システム制御部40は、第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22からの第1及び第2漏れ磁界抽出信号SN1,SN2に基づいて第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32をそれぞれ制御する。
【0063】
システム制御部40は、機器Eに対して給電を行っている時、第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22からの第1及び第2漏れ磁界抽出信号SN1,SN2をそれぞれ入力する。システム制御部40は、第1及び第2漏れ磁界抽出信号SN1,SN2に基づいて第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2が検知した給電用周波数の漏れ交番磁界(漏れ磁束)の強度レベルをそれぞれ特定する。
【0064】
詳述すると、システム制御部40は、第1漏れ磁界抽出信号SN1に基づいて、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の漏れ磁界低減用の高周波電流を演算する。システム制御部40は、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流を生成するための第1制御信号CT1を第1漏れ磁界低減回路31に出力する。これによって、第1漏れ磁界低減コイルLB1は、この漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電される。
【0065】
一方、システム制御部40は、第2漏れ磁界抽出信号SN2に基づいて、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の漏れ磁界低減用の高周波電流を演算する。システム制御部40は、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流を生成するための第2制御信号CT2を第2漏れ磁界低減回路32に出力する。これによって、第2漏れ磁界低減コイルLB2は、この漏れ磁界低減用の高周波電流にて通電される。
【0066】
次に、上記のように構成した給電装置1の作用を説明する。
今、給電装置1に電源が投入されると、システム制御部40は、機器Eが載置されているかどうかの機器検知を行う。
【0067】
つまり、システム制御部40は、各給電ユニット回路10を制御し、6個全ての1次コイルL1を、順番に機器検知用周波数の高周波電流にて通電させる。そして、システム制御部40は、順番に各1次コイルL1に機器Eが載置されているかどうか各給電ユニット回路10の機器検知回路14からの判定信号SJを入力する。
【0068】
ここで、例えば、第1漏れ磁界検知コイルLA1から数えて5番目の1次コイルL1(給電エリアAR)に機器E(2次コイルL2)が載置されていると判断されると、システム制御部40は、該1次コイルL1に給電用周波数の高周波電流にて通電させる。これによって、5番目の1次コイルL1が給電用周波数の高周波電流にて通電されることによって、機器Eへの給電が開始される。
【0069】
給電が開始されると、システム制御部40は、第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22からの第1及び第2漏れ磁界抽出信号SN1,SN2を待つ。
この時、第1漏れ磁界検知コイルLA1が漏れ交番磁界(漏れ磁束)を検知すると、第1漏れ磁界信号抽出回路21からの第1漏れ磁界抽出信号SN1がシステム制御部40に出力される。システム制御部40は、第1漏れ磁界抽出信号SN1に基づいて、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の漏れ磁界低減用の高周波電流を演算する。そして、システム制御部40は、第1漏れ磁界低減回路31にてその演算した漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させ、その漏れ磁界低減用の高周波電流にて第1漏れ磁界低減コイルLB1を通電させる。
【0070】
これによって、第1漏れ磁界低減コイルLB1から第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界が放射される。その結果、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知する漏れ交番磁界(漏れ磁束)は、第1漏れ磁界低減コイルLB1から放射される交番磁界にて相殺されて低減もしくは消失する。
【0071】
同様に、第2漏れ磁界検知コイルLA2が漏れ交番磁界(漏れ磁束)を検知すると、第2漏れ磁界信号抽出回路22からの第2漏れ磁界抽出信号SN2がシステム制御部40に出力される。システム制御部40は、第2漏れ磁界抽出信号SN2に基づいて、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の漏れ磁界低減用の高周波電流を演算する。そして、システム制御部40、は第2漏れ磁界低減回路32にてその演算した漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させ、その漏れ磁界低減用の高周波電流にて第2漏れ磁界低減コイルLB2を通電させる。
【0072】
これによって、第2漏れ磁界低減コイルLB2から第2漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界が放射される。その結果、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知する漏れ交番磁界(漏れ磁束)は、第1漏れ磁界低減コイルLB2から放射される交番磁界にて相殺されて低減もしくは消失する。
【0073】
このように、第1漏れ磁界低減コイルLB1から放射される交番磁界は、隣接した第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界に基づいて生成した。一方、第2漏れ磁界低減コイルLB2から放射される交番磁界は、隣接した第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)に基づいて生成した。
【0074】
しかも、それぞれ最も近い位置の漏れ交番磁界を検知しその隣接位置でその漏れ交番磁界を相殺する交番磁界を放射したので、給電中の給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界(漏れ磁束)を確実に低減させることができる。
【0075】
詳述すると、第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界と、第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知し漏れ交番磁界は、共に同じ給電用周波数ある。これに対し、強度レベルは、給電中の給電エリアARまでの距離、及び、機器Eの載置状態によって互い異なる。
【0076】
従って、第1漏れ磁界低減コイルLB1及び第2漏れ磁界低減コイルLB2から放射される漏れ交番磁界は、共に同じ給電用周波数あってその位相が180度ずれた交番磁界である。しかし、第1漏れ磁界低減コイルLB1及び第2漏れ磁界低減コイルLB2から放射される交番磁界は、それぞれ異なる強度レベルである。そのため、第1漏れ磁界低減コイルLB1及び第2漏れ磁界低減コイルLB2から放射される交番磁界に強度(大きさ)は、第1漏れ磁界検知コイルLA1及び第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知した漏れ交番磁界の強度とそれぞれ一致させている。このことから、各位置での給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界(漏れ磁束)を精度よく確実に低減させることができる。
【0077】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、給電中の給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界を第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2で検知した。そして、第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2で検知した検知結果に基づいて、第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2から漏れ交番磁界を相殺する交番磁界を放射するようにした。従って、給電中の給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界を確実に低減させることができる。
【0078】
また、例えば、第1漏れ磁界低減コイルLB1によって第1漏れ磁界検知コイルLA1が検知した漏れ交番磁界が十分に相殺しきれずに低減されない場合、その相殺できなかった漏れ磁界を第2漏れ磁界検知コイルLA2が検知できる。従って、第2漏れ磁界低減コイルLB2から放射される交番磁界にて相殺しきれなかった漏れ磁界を相殺させることができ、精度の高い漏れ磁界の低減を行うことができる。
【0079】
(2)上記実施形態によれば、複数並設した1次コイルL1の一方に第1漏れ磁界検知コイルLA1と第1漏れ磁界低減コイルLB1を設け、他方に第2漏れ磁界検知コイルLA2と第2漏れ磁界低減コイルLB2を設けた。そして、一方の第1漏れ磁界検知コイルLA1及び第1漏れ磁界低減コイルLB1と、他方の第2漏れ磁界検知コイルLA2及び第2漏れ磁界低減コイルLB2とは、それぞれ独立して漏れ交番磁界を検知し、相殺する交番磁界を放射させるようにした。従って、給電中に外部に放射される漏れ交番磁界を精度よく確実に低減させることができる。
【0080】
(3)上記実施形態によれば、給電中の1次コイルL1の通電制御は、漏れ交番磁界の低減制御によって左右されず、独立して駆動制御されている。その結果、給電能力を低下させることなく、漏れ交番磁界を低減させることができる。
【0081】
(第2実施形態)
次に、給電装置の第2実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態は、給電装置において専用の漏れ磁界検知コイル及び漏れ磁界低減コイルを設けない点に特徴を有する。すなわち、本実施形態は、第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2、並びに、第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2を1次コイルL1で代用する点に特徴を有する。
【0082】
従って、本実施形態では、説明の便宜上、特徴部分を詳細に説明し共通部分の詳細な説明は省略する。なお、本実施形態の給電装置1は、図2に示す第1実施形態の給電装置1において、6個の1次コイルL1の両側に設けた第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2、並びに、第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2を省略した構成とする。
【0083】
図6は、給電装置1の電気的構成を示す電気ブロック回路を示す。図6に示すように、各給電ユニット回路10には、漏れ磁界信号抽出回路16及び漏れ磁界低減回路17がそれぞれ設けられている。
【0084】
漏れ磁界信号抽出回路16は、第1実施形態で説明した第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22と回路構成が同じ回路である。また、漏れ磁界低減回路17は、第1実施形態で説明した第1及び第2漏れ磁界低減回路31,32と回路構成が同じ回路である。
【0085】
1次コイルL1の一方の第1外部端子P1には、第1選択スイッチ回路18が接続されている。また、1次コイルL1の他方の第2外部端子P2には、第2選択スイッチ回路19が接続されている。1次コイルL1は、この第1及び第2選択スイッチ回路18,19によって、給電ユニット回路10に設けたインバータ回路12、漏れ磁界信号抽出回路16、漏れ磁界低減回路17のいずれかと接続されるようになっている。
【0086】
(第1選択スイッチ回路18)
図7に示すように、第1選択スイッチ回路18は、3個の第1〜第3双方向スイッチQ11〜Q13にて構成されている。本実施形態では、第1〜第3双方向スイッチQ11〜Q13は、それぞれダブルゲートを有したGaN(窒化ガリウム)双方向スイッチデバイスで構成されている。
【0087】
第1双方向スイッチQ11は、2つのゲート端子に共にオン信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第1外部端子P1と電流検出回路13及び1次側共振コンデンサC1を介してインバータ回路12の接続点N1との間の導通を可能にする。反対に、第1双方向スイッチQ11は、2つのゲート端子に共にオフ信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第1外部端子P1と電流検出回路13及び1次側共振コンデンサC1を介してインバータ回路12の接続点N1との間の導通を遮断する。
【0088】
また、第2双方向スイッチQ12は、2つのゲート端子に共にオン信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第1外部端子P1と漏れ磁界信号抽出回路16の一方の第1入力端子P3との間の導通を可能にする。反対に、第2双方向スイッチQ12は、2つのゲート端子に共にオフ信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第1外部端子P1と漏れ磁界信号抽出回路16の一方の第1入力端子P3との間の導通を遮断する。
【0089】
さらに、第3双方向スイッチQ13は、2つのゲート端子に共にオン信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第1外部端子P1と漏れ磁界低減回路17の一方の第1出力端子P5との間の導通を可能にする。反対に、第3双方向スイッチQ13は、2つのゲート端子に共にオフ信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第1外部端子P1と漏れ磁界低減回路17の一方の第1出力端子P5との間の導通を遮断する。
【0090】
(第2選択スイッチ回路19)
図7に示すように、第2選択スイッチ回路19は、第1選択スイッチ回路18と同様に、3個の第1〜第3双方向スイッチQ21〜Q23にて構成されている。同様に、第1〜第3双方向スイッチQ21〜Q23は、それぞれダブルゲートを有したGaN(窒化ガリウム)双方向スイッチデバイスで構成されている。
【0091】
第1双方向スイッチQ21は、2つのゲート端子に共にオン信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第2外部端子P2とインバータ回路12の接続点N2との間の導通を可能にする。反対に、第1双方向スイッチQ21は、2つのゲート端子に共にオフ信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第2外部端子P2とインバータ回路12の接続点N2との間の導通を遮断する。
【0092】
また、第2双方向スイッチQ22は、2つのゲート端子に共にオン信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第2外部端子P2と漏れ磁界信号抽出回路16の他方の第2入力端子P4との間の導通を可能にする。反対に、第2双方向スイッチQ22は、2つのゲート端子に共にオフ信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第2外部端子P2と漏れ磁界信号抽出回路16の他方の第2入力端子P4との間の導通を遮断する。
【0093】
さらに、第3双方向スイッチQ23は、2つのゲート端子に共にオン信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第2外部端子P2と漏れ磁界低減回路17の他方の第2出力端子P6との間の導通を可能にする。反対に、第3双方向スイッチQ23は、2つのゲート端子に共にオフ信号の切換信号SLが入力されたとき、1次コイルL1の第2外部端子P2と漏れ磁界低減回路17の他方の第2出力端子P6との間の導通を遮断する。
【0094】
第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第1〜第3双方向スイッチQ11〜Q13,Q21〜Q23は、そのゲート端子がシステム制御部40に接続されている。そして、第1双方向スイッチQ11,Q21は、共にシステム制御部40から同じ切換信号SLを入力する。同様に、第2双方向スイッチQ12,Q22も、共にシステム制御部40から同じ切換信号SLを入力する。同様に、第3双方向スイッチQ13,Q23も、共にシステム制御部40から同じ切換信号SLを入力する。
【0095】
詳述すると、第1双方向スイッチQ11,Q21が、共に導通状態に制御されているとき、第2双方向スイッチQ12,Q22及び第3双方向スイッチQ13,Q23は遮断状態に制御されている。つまり、1次コイルL1は、インバータ回路12と接続される。
【0096】
また、第2双方向スイッチQ12,Q22が、共に導通状態に制御されているとき、第1双方向スイッチQ11,Q21及び第3双方向スイッチQ13,Q23は遮断状態に制御されている。つまり、1次コイルL1は、漏れ磁界信号抽出回路16と接続される。
【0097】
また、第3双方向スイッチQ13,Q23が、共に導通状態に制御されているとき、第1双方向スイッチQ11,Q21及び第2双方向スイッチQ12,Q22は遮断状態に制御されている。つまり、1次コイルL1は、漏れ磁界低減回路17と接続される。
【0098】
システム制御部40は、1次コイルL1に機器検知用周波数又は給電用周波数の高周波電流を通電させる時には、第1及び第2選択スイッチ回路18,19に切換信号を出力して第1双方向スイッチQ11,Q21を導通状態にする。
【0099】
ここで、システム制御部40は、機器検知用周波数の高周波電流にて1次コイルL1を通電させる時には、機器検知回路14からの判定信号SJに基づいて機器Eが給電エリアARに載置されたかどうか判定する。そして、システム制御部40は、機器Eが給電エリアARに載置されていると判断した場合には、当該1次コイルL1に給電用周波数の高周波電流を通電させて、機器Eの2次コイルL2に非接触給電を行う。
【0100】
また、システム制御部40は、1次コイルL1にて漏れ交番磁界を検知させる時には、第1及び第2選択スイッチ回路18,19に切換信号SLを出力して第2双方向スイッチQ12,Q22を導通状態にする。システム制御部40は、給電動作を開始する給電ユニット回路10に隣接した給電動作を行わない給電エリアARの給電ユニット回路10を特定する。システム制御部40は、特定した給電ユニット回路10に設けた第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第2双方向スイッチQ12,Q22を導通状態にし、1次コイルL1と漏れ磁界信号抽出回路16を接続する。
【0101】
これによって、該1次コイルL1は、漏れ交番磁界を検知する漏れ磁界検知コイルとして使用され、漏れ検知信号SGが漏れ磁界信号抽出回路16に出力され、該給電ユニット回路10の漏れ磁界信号抽出回路16にて漏れ磁束検知動作が行われる。
【0102】
そして、システム制御部40は、該給電ユニット回路10の漏れ磁界信号抽出回路16からの漏れ磁界抽出信号SNを入力する。システム制御部40は、漏れ磁界抽出信号SNに基づいて磁束検知コイルとして使用された1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の漏れ磁界低減用の高周波電流を演算する。
【0103】
さらに、システム制御部40は、1次コイルL1から漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させる時には、第1及び第2選択スイッチ回路18,19に切換信号SLを出力して第3双方向スイッチQ13,Q23を導通状態にする。
【0104】
システム制御部40は、漏れ磁界検知コイルとして使用される1次コイルL1に隣接した給電動作及び漏れ磁束検知動作を行わない給電エリアARの給電ユニット回路10を特定する。システム制御部40は、特定した給電ユニット回路10に設けた第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第3双方向スイッチQ13,Q23を導通状態にし、1次コイルL1と漏れ磁界低減回路17を接続する。これによって、該1次コイルL1は、漏れ交番磁界を低減する漏れ磁界低減コイルとして使用される。
【0105】
そして、システム制御部40は、隣接した給電ユニット回路10の漏れ磁界信号抽出回路16からの漏れ磁界抽出信号SNに基づいて演算した漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させるための制御信号CTxを漏れ磁界低減回路17に出力する。そして、漏れ磁界低減回路17は、漏れ磁界低減用の高周波電流を生成する。その生成された漏れ磁界低減用の高周波電流は、第3双方向スイッチQ13,Q23を介して1次コイルL1に通電される。
【0106】
これによって、その1次コイルL1から隣接する1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と強度レベルが同レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界が放射される。その結果、給電中の1次コイルL1に隣接した1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)は、その漏れ交番磁界を検知している1次コイルL1に隣接している1次コイルL1から放射される交番磁界にて相殺されて低減もしくは消失させる。
【0107】
次に、上記のように構成した給電装置1の作用を説明する。
今、給電装置1に電源が投入されると、システム制御部40は、機器Eが載置されているかどうかの機器検知を行う。このとき、システム制御部40は、各給電ユニット回路10の第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第1双方向スイッチQ11,Q21を導通状態にする。システム制御部40は、各給電ユニット回路10に対して、1次コイルL1を順番に機器検知用周波数の高周波電流にて通電させる。そして、システム制御部40は、順番に各1次コイルL1に機器Eが載置されているかどうか各給電ユニット回路10の機器検知回路14からの判定信号SJを待つ。
【0108】
ここで、例えば、4番目の1次コイルL1(給電エリアAR)に対して機器E(2次コイルL2)が載置されていると判断されると、システム制御部40は、該1次コイルL1に給電用周波数の高周波電流にて通電させる。これによって、4番目の1次コイルL1が給電用周波数の高周波電流にて通電されることによって、機器Eへの給電が開始される。
【0109】
このとき、システム制御部40は、給電を開始する4番目の1次コイルL1に隣接する1次コイルL1が3番目と5番目の1次コイルL1であることを特定する。そして、システム制御部40は、特定した3番目と5番目の1次コイルL1の給電ユニット回路10に設けたそれぞれの第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第2双方向スイッチQ12,Q22を導通状態にする。
【0110】
これによって、3番目と5番目の1次コイルL1は、それぞれ第2双方向スイッチQ12,Q22を介してそれぞれの漏れ磁界信号抽出回路16に接続される。そして、4番目と5番目の1次コイルL1は、給電を行う4番目の1次コイルL1からの放射される漏れ交番磁界を検知する漏れ磁界検知コイルとして使用される。
【0111】
また、システム制御部40は、漏れ磁界検知コイルとして使用される3番目と5番目の1次コイルL1の外側に隣接する1次コイルL1が2番目と6番目の1次コイルL1であることを特定する。そして、システム制御部40は、特定した2番目と6番目の1次コイルL1の給電ユニット回路10に設けたそれぞれの第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第3双方向スイッチQ13,Q23を導通状態にする。
【0112】
これによって、2番目と6番目の1次コイルL1は、それぞれ第3双方向スイッチQ13,Q23を介してそれぞれの漏れ磁界低減回路17に接続される。そして、2番目と6番目の1次コイルL1は、漏れ交番磁界を低減する漏れ磁界低減コイルとして使用される。
【0113】
そして、4番目の1次コイルL1に給電用周波数の高周波電流が通電し給電が開始されると、3番目と5番目の1次コイルL1が、その4番目の1次コイルL1からの放射される漏れ交番磁界を検知する。3番目と5番目の1次コイルL1が漏れ交番磁界(漏れ磁束)を検知すると、それぞれの漏れ磁界信号抽出回路16から漏れ磁界抽出信号SNをシステム制御部40に出力する。
【0114】
システム制御部40は、各漏れ磁界抽出信号SNに基づいて、各1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の漏れ磁界低減用の高周波電流をそれぞれ演算する。そして、システム制御部40は、それぞれの演算結果に基づいて、2番目と6番目の1次コイルL1の給電ユニット回路10に対して、その演算した漏れ磁界低減用の高周波電流を生成させる。
【0115】
これによって、2番目の1次コイルL1から3番目の1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界が放射される。つまり、3番目の1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界(漏れ磁束)は、2番目の1次コイルL1から放射される交番磁界にて相殺されて低減もしくは消失する。
【0116】
また、6番目の1次コイルL1から5番目の1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界と同じ強度レベルで、かつ、位相が180度ずれた給電用周波数の交番磁界が放射される。つまり、5番目の1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界は、6番目の1次コイルL1から放射される交番磁界にて相殺されて低減もしくは消失する。
【0117】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、給電中の給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界を隣接の1次コイルL1で検知した。そして、隣接した1次コイルL1で検知した検知結果に基づいて、漏れ磁束を検知した1次コイルL1に隣接する1次コイルL1から漏れ交番磁界を相殺する交番磁界を放射するようにした。従って、給電中の給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界を確実に低減させることができる。
【0118】
また、例えば、2番目の1次コイルL1によって3番目の1次コイルL1が検知した漏れ交番磁界が十分に相殺しきれずに低減されない場合、その相殺できなかった漏れ磁界を5番目の1次コイルL1が検知できる。従って、6番目の1次コイルL1から放射される交番磁界にて相殺しきれなかった漏れ磁界を相殺させることができ、精度の高い漏れ磁界の低減を行うことができる。
【0119】
(2)上記実施形態によれば、給電中の給電エリアARから一部が漏れて外部に放射される漏れ交番磁界を、両側に配置された1次コイルL1にてそれぞれ独立して漏れ交番磁界を検知し、相殺する交番磁界を放射させるようにした。従って、給電中に外部に放射される漏れ交番磁界を精度よく確実に低減させることができる。
【0120】
(3)上記実施形態によれば、給電中の1次コイルL1の通電制御は、漏れ交番磁界の低減制御によって左右されず、独立して駆動制御されている。その結果、給電能力を低下させることなく、漏れ交番磁界を低減させることができる。
【0121】
(4)上記実施形態によれば、給電のための1次コイルL1を、漏れ磁界検知コイルや漏れ磁界低減コイルに兼用できるようにした。従って、専用の漏れ磁界検知コイルや専用の漏れ磁界低減コイルを設けることがなく、その分だけ小型化を図ることができるとともにコストの低減を図ることができる。
【0122】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、1次元方向に1次コイルL1を並設した給電装置1であった。これを、2次元方向に1次コイルL1を複数個並設した給電装置に応用してもよい。ちなみに、第1実施形態を、2次元方向に1次コイルL1を複数個並設した給電装置に応用した場合、1次コイルL1を囲むように漏れ磁界検知コイルが複数配置され、それら漏れ磁界検知コイルの外側に漏れ磁界低減コイルが配置されることになる。
【0123】
また、1次コイルL1が1つの給電装置1に応用して実施してもよい。この場合、その1つの1次コイルL1を囲むように複数の漏れ磁界検知コイル及び複数の漏れ磁界低減コイルを設けて実施してもよい。勿論、1つの1次コイルL1に対して1つの漏れ磁界検知コイル及び1つの漏れ磁界低減コイルを設けて実施してもよい。
【0124】
また、漏れ磁界検知コイルと漏れ磁界低減コイルを隣接して配置したが、漏れ磁界を低減できる効果を発揮できる程度に離間させて実施してもよい。
○上記第1実施形態では、1次元方向に1次コイルL1を並設した給電装置1は、漏れ磁界検知コイルと漏れ磁界低減コイルを両方に配置したが、これに限らない。例えば一方だけに漏れ磁界検知コイルと漏れ磁界低減コイルを配置して実施したり、一方または両方にさらに漏れ磁界検知コイルと漏れ磁界低減コイルを増加して3個以上配置して実施してもよい。
【0125】
○上記第1実施形態に設けた第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22(第2実施形態の漏れ磁界信号抽出回路16も同様)は、フィルタ回路を有していた。そして、このフィルタ回路は、漏れ交番磁界の周波数が給電用周波数と想定して、その給電用周波数の周波数成分の信号波形を取得し、その取得した信号波形から漏れ交番磁界の強度レベルを特定した。
【0126】
しかし、これに限定されるものでなく、予め試験、実験又は計算等で漏れ磁界に周波数を求め、第1及び第2漏れ検知信号SG1,SG2の中からその求めた周波数成分の信号波形を通過させるバンドパスフィルタ回路であってもよい。
【0127】
また、上記第1実施形態に設けた第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22(第2実施形態の漏れ磁界信号抽出回路16も同様)内のフィルタ回路は、第1及び第2漏れ検知信号中の給電用周波数の周波数成分を通過させた。しかし、給電用周波数の2倍波、3倍波、4倍波等の周波数成分を通すフィルタ回路を複数あわせて設けてもよい。そして、これら複数のフィルタ回路から得られた周波数成分の信号波形のうち最も大きな強度レベルの周波数を漏れ磁界低減用の周波数として実施してもよい。
【0128】
さらに、第1実施形態に設けた第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路21,22(第2実施形態の漏れ磁界信号抽出回路16も同様)内のフィルタ回路を、可変フィルタ回路にして実施してもよい。この場合、漏れ交番磁界の周波数が把握されていない場合、最も大きな強度レベルの周波数の漏れ交番磁界を抽出することができる。
【0129】
○上記第1実施形態では、給電中の1次コイルL1に近い方に第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2を配置し、その外側に第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2を配置したが(第2実施形態も同様)、これに限定されるものではない。例えば、給電中の1次コイルL1に近い方に第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2を配置し、その外側に第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2を配置して実施してもよい。
【0130】
また、漏れ磁界検知コイル及び漏れ磁界低減コイルを1次コイルL1から離間した位置に配置して実施してもよい。この場合、漏れ磁界検知コイルと漏れ磁界低減コイルは、漏れ磁界を低減できる効果を発揮できる程度に離間させて実施してもよい。
【0131】
勿論、1次コイルL1から離間した位置に漏れ磁界検知コイルを配置し、漏れ磁界低減コイルは、漏れ磁界検知コイルに隣接した位置に配置したり、1次コイルL1に隣接した位置に配置したりして実施してもよい。反対に、1次コイルL1から離間した位置に漏れ磁界低減コイルを配置し、漏れ磁界検知コイルは、漏れ磁界低減コイルに隣接した位置に配置したり、1次コイルL1に隣接した位置に配置したりして実施してもよい。
【0132】
○上記第2実施形態では、一例として給電動作が4番目の1次コイルL1で行われるとき、その4番目の1次コイルL1に隣接する3番目と5番目の1次コイルL1を、漏れ磁界検知コイルとして使用した。これを、給電動作が行われている1次コイルL1から少し離れた1次コイルL1を漏れ磁界検知コイルとして特定し使用してもよい。
【0133】
同様に、上記第2実施形態では、一例として3番目と5番目の1次コイルL1を漏れ磁界検知コイルとして使用するとき、その隣接する2番目と6番目の1次コイルL1を漏れ磁界低減コイルと特定し使用した。これを、漏れ磁界検知コイルとして使用されている1次コイルL1から少し離れた1次コイルL1を漏れ磁界低減コイルとして特定し使用してもよい。
【0134】
○上記第1実施形態(第2実施形態も同様)では、第1及び第2漏れ磁界検知コイルLA1,LA2は、第1及び第2漏れ磁界低減コイルLB1,LB2において漏れ磁界低減用の交番磁界を放射させるための漏れ交番磁界を検知するものであった。
【0135】
これを、1次コイルL1に対して予め定めた距離だけ離間した位置に漏れ磁界検知コイルを設置する。そして、各1次コイルL1と漏れ磁界検知コイルとの決まった配置関係において、該漏れ磁界検知コイルを、それぞれ各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界の強度レベルの絶対値をそれぞれ測定するための漏れ磁界検知コイルとして使用してもよい。
【0136】
つまり、予め定めた距離にある漏れ磁界検知コイルは、各1次コイルL1に対してそれぞれ各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界を検知する。そして、漏れ磁界検知コイルが検知する各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界の漏れ検知信号SG1を漏れ磁界信号抽出回路にて強度レベルを抽出する。そして、各1次コイルL1と漏れ磁界検知コイルとの決まった配置関係において、それぞれ各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界の強度レベルの絶対値をそれぞれ求める。
【0137】
これによって、給電装置1を設計する段階で、各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界の強度レベルの絶対値を知ることで、各1次コイルL1の相対的な漏れ交番磁界の強度レベルの大きさが把握することができ、給電装置1の設計を容易にすることができる。
【0138】
なお、各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界の強度レベルの絶対値を測定するための漏れ磁界検知コイルは、機器E側に設けてもよい。この場合、給電装置1及び受電回路5に互いに情報を授受する通信回路(通信手段)を設ける。
【0139】
そして、機器Eを給電装置1(載置面3)に対して一定の距離をおいて配置する。この状態で、機器E側に設けた漏れ磁界検知コイルは、各1次コイルL1に対してそれぞれ各1次コイルL1からの漏れ交番磁界を検知し、漏れ検知信号SG1を受電回路5及び給電装置1の通信回路を介して漏れ磁界信号抽出回路に出力させる。この場合にも、各1次コイルL1と漏れ磁界検知コイルとの決まった配置関係において、それぞれ各1次コイルL1が放射する漏れ交番磁界の強度レベルの絶対値をそれぞれ求めることができる。
【0140】
○上記第2実施形態では、第1及び第2選択スイッチ回路18,19の第1〜第3双方向スイッチQ11〜Q13,Q21〜Q23を、ダブルゲートを有したGaN(窒化ガリウム)双方向スイッチングデバイスにて構成した。これら双方向性スイッチを、ダイオードと絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の直列回路を、2つそれぞれ互いに極性の向きを変えて並列に接続して構成してもよい。また、これら双方向性スイッチを、NチャネルパワーMOSトランジスタとPチャネルパワーMOSトランジスタを直列に接続して構成してもよい。
【0141】
○上記実施形態では、インバータ回路12をハーフブリッジ回路にて高周波電流を生成したが、フルブリッジ回路等その他の高周波発振回路で実施してもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…非接触給電装置(給電装置)、2…筐体、3…載置面、5…受電回路、6…整流回路、10…給電ユニット回路、11…ドライブ回路、12…インバータ回路、13…電流検出回路、14…機器検知回路、16…漏れ磁界信号抽出回路、17…漏れ磁界低減回路、18,19…第1及び第2選択スイッチ回路、21,22…第1及び第2漏れ磁界信号抽出回路、31,32…第1及び第2漏れ磁界低減回路、40…システム制御部(制御手段)、AR…給電エリア、ARx1,ARx2…第1及び第2漏れ磁界検知エリア、ARy1,ARy2…第1及び第2漏れ磁界低減エリア、E…電気機器(機器)、Z…負荷、L1…1次コイル、L2…2次コイル、LA1,LA2…第1及び第2漏れ磁界検知コイル、LB1,LB2…第1及び第2漏れ磁界低減コイル、C1,C2…1次及び2次側共振コンデンサ、Ca,Cb…第1及び第2コンデンサ、Qa,Qb…第1及び第2パワートランジスタ、N1,N2…接続点、Q11〜Q13…第1〜第3双方向スイッチ、Q21〜Q23…第1〜第3双方向スイッチ、P1,P2…第1及び第2外部端子、P3,P4…第1及び第2入力端子、P5,P6…第1及び第2出力端子、CT,CTx…制御信号、CT1,CT2…第1及び第2制御信号、PSa,PSb…駆動信号、SJ…判定信号、SG…漏れ検知信号、SG1,SG2…第1及び第2漏れ検知信号、SN…漏れ磁界抽出信号、SN1,SN2…第1及び第2漏れ磁界抽出信号、SL…切換信号。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7