(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249293
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】フード附帯噴霧器
(51)【国際特許分類】
B05B 11/00 20060101AFI20171211BHJP
B05B 15/04 20060101ALI20171211BHJP
B65D 47/34 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
B05B11/00 102E
B05B15/04 103
B65D47/34 100
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-112916(P2014-112916)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-226868(P2015-226868A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2016年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(72)【発明者】
【氏名】水嶋 博
【審査官】
清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−309240(JP,A)
【文献】
特開2005−288263(JP,A)
【文献】
特開2005−270823(JP,A)
【文献】
特開2005−239274(JP,A)
【文献】
実開平06−081653(JP,U)
【文献】
特開2006−240638(JP,A)
【文献】
実開平04−014158(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0119877(US,A1)
【文献】
国際公開第00/066272(WO,A1)
【文献】
特開平08−318184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00−3/18
7/00−11/06
15/00−15/12
B65D 47/34
83/00
83/08−83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧器(20)のノズルヘッド(22)に外嵌組付きする取付部(4)と、
該取付部(4)から先端開口部(3)に向かってラッパ状に拡径するフード部(5)と、を有するフード(1)を附帯する噴霧器であって、
該フード(1)が容器体(24)に組付いて一体化し、
前記取付部(4)の外周面に係止突起(6)と係止溝(7)を配設し、該係止溝(7)に前記係止突起(6)を嵌合係止させ、前記取付部(4)が前記ノズルヘッド(22)に外嵌組付きすることを特徴とするフード附帯噴霧器。
【請求項2】
前記フード(1)が、前記容器体(24)の肩部(26)に組付いて一体化する請求項1に記載のフード附帯噴霧器。
【請求項3】
前記係止突起(6)と前記係止溝(7)の嵌合解除状態にて、前記フード(1)の開口部(8)を拡げて、前記肩部(26)に前記フード(1)が組付く請求項2に記載のフード附帯噴霧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴霧器の噴射口に臨む位置に組付けられ内容液の噴霧領域を規整するフードを附帯する噴霧器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
噴霧器のノズルヘッドの外周に、基部にノズルヘッドの外周を嵌合する嵌合開口を形成し、先端に所定の大きさ、形状に形成した開口を設けてなる噴霧領域を規整する案内筒(フード)を、嵌合開口を以って噴霧器のノズルヘッドに着脱自在に取り付けることができるようにしたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−34006号公報
【0004】
この特許文献1の発明にあっては、噴霧領域を規整するフードが容器体に附帯しないため、販売時や運搬時にフードが余分なスペースを取ることがあり、より省スペースである噴霧器が求められた。また、フードが容器体に附帯しないことにより、フード不使用時に取り外したフードを紛失する虞や必要時にフードが手元にないことがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、フードを常に噴霧器に附帯させることが可能であり、フードを附帯していても噴霧器として省スペースであり、かつフードの紛失を防止でき、フード所望時には確実にフードが使用可能であるフードを附帯する噴霧器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明に係るフード附帯噴霧器は、
噴霧器のノズルヘッドに外嵌組付きする取付部と、
取付部から先端開口部に向かってラッパ状に拡径するフード部と、
を有するフードを附帯する噴霧器であって、
フードが容器体に組付いて一体化
し、
取付部の外周面に係止突起と係止溝を配設し、係止溝に該係止突起を嵌合係止させて、取付部が該ノズルヘッドに外嵌組付きすることを特徴とする。
【0007】
この構成によって、噴霧器に対しフードの附帯が常に可能となり、フードの紛失を防止でき、フード所望時には確実にフードが使用可能であり、噴霧器と一体化しているため省スペースで、販売時や運搬時に邪魔にならず取扱いし易い。また、内容液を周囲に不要に飛散させることなく、目的箇所に正確に規整された状態にて噴霧することが可能である。
さらに係止突起と係止溝の嵌合係止状態にて取付部が強固になるため、ノズルヘッドへの外嵌組付けが好適に達成できる。
【0008】
また、本発明に係る別のフード附帯噴霧器において、フードが、容器体の肩部に組付いて一体化している。
【0009】
上記構造では、フードを無理なく好適に噴霧器に組付けることができ、フード不使用時においても噴霧に何ら支障ない箇所に組付けることができる。
【0012】
また、本発明に係る別のフード附帯噴霧器において、係止突起と係止溝の嵌合解除状態にて、フードの開口部を拡げて肩部にフードを組付ける。
【0013】
上記構造では、フードの開口部を拡げて容器体の肩部に組付けられるため、容器体から噴霧器ヘッド部材を取り外さなくても、容易に組付けることが可能となった。
【発明の効果】
【0016】
本発明の主たる構成においては、トリガー式噴霧
器に対するフードの附帯が常に行え、フードの紛失を防止でき、フード所望時には確実にフードが使用可能である。また、噴霧器と一体化しているため省スペースで、販売時や運搬時に邪魔にならず取扱いし易い。更に、内容液を周囲に不要に飛散させることなく、目的箇所に正確に規整された状態にて噴霧可能である。
【0017】
フードが容器体の肩部に組付いて一体化しているものにあっては、フードを無理なく好適に容器体に組付けることができ、フード不使用時においても噴霧に何ら支障ない箇所に組付けることが達成される。
【0018】
取付部の外周面に係止突起と係止溝を配設し、係止溝に係止突起を嵌合係止させて取付部をノズルヘッドに外嵌組付するものにあっては、係止突起と係止溝の嵌合係止状態にて取付部が強固になるため、ノズルヘッドへの外嵌組付けが好適に達成できる。
【0019】
係止突起と係止溝の嵌合解除状態にて、フードの開口部を拡げて、容器体の肩部にフードを組付ける構造にあっては、フードの開口部を拡げて容器体の肩部に組付けられるため、容器体から噴霧器ヘッド部を取り外さなくても、容易に組付けることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るフードが肩部に組付くフード附帯噴霧器
の実施例を示す斜視図である。
【
図2】
図1においてフードをノズルヘッドに装着した斜視図である。
【
図5】
フードが肩部に組付くフード附帯噴霧器の
参考例を示す斜視図である。
【
図6】
図5においてフードをノズルヘッドに装着した斜視図である。
【
図7】
フードが底部に組付くフード附帯噴霧器の
他の参考例を示す斜視図である。
【
図8】
図7においてフードをノズルヘッドに装着した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明にかかる実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るフードが肩部に組付くフード附帯噴霧器
の実施例を示す斜視図である。
図2は、
図1においてフードをノズルヘッドに装着した斜視図である。
図3は、フードの外観斜視図である。
図4は、フードの取付部の平断面図である。
【0024】
図1及び
図2に示すように、
実施例においてフード1を組付けた噴霧器20は、引き金状のトリガー23を有するトリガー式噴霧器21となっており、噴霧すべき内容液を収納した容器体24の上端開口部に、組付キャップ25により組付けられている。
【0025】
フード1は、トリガー式噴霧器21のノズル孔を開設したノズルヘッド22に組み付けられる筒状構造をした取付部4と、この取付部4に連続して基端開口部2から、噴霧された内容液の噴出口となる先端開口部3に向かって、ラッパ状に拡径したテーパー筒構造のフード部5とを備えている。
【0026】
取付部4は、ノズルヘッド22に外嵌組付くため、ノズルヘッド22の外周面と同じ形状及び同じ大きさの内周面を備られ、ノズルヘッド22から脱着自在に嵌着することができる。
【0027】
フード部5は、単に噴霧内容液が散布対象面以外の周囲に広く飛散するのを防止したい場合には、基端開口部2から先端開口部3に向かう拡径程度の開角角度が、噴霧内容液の噴射角と等しいか、僅かに大きくなった円錐台筒形状とするのが好ましい。
【0028】
図3に示すように、取付部4の外周面には、係止突起6と係止溝7が配設されている。取付部4をノズルヘッド22に外嵌組付くためには、
図4の破線にてCの字状で示される係止突起6と係止溝7の嵌合解除状態から、実線で示される嵌合係止状態に係止溝7に係止突起6を嵌合係止させてから組付けを行う。
【0029】
フード1は、容器体24に組付いて一体化することをすることが可能である。これによって、噴霧器に対するフードの附帯が常に可能となり、販売時や運搬時に邪魔にならず好ましい取扱いを得ることができる。容器体24に組付く箇所としては、着脱性や起立安定性から肩部26が好ましい。
【0030】
フード1を容器体24の肩部26に組付ける際は、
図3に示される係止突起6と係止溝7の嵌合解除状態にてフード1の開口部8を拡げて、肩部26にフード1を組付ける。このように肩部26に組付けるフード1は、開口部8を拡げられるように柔軟性を有する材料であることが好ましい。フード部5が肩部26に組付いた時に、取付部4は組付キャップ25に組付くため、フード不使用時においても噴霧に何ら支障ない。そして、肩部26への組付けが、開口部8を拡げて肩部26に組付けられるため、容器体24からトリガー式の噴霧器ヘッド部材を取り外さなくても、容易に組付けることが可能である。容器体24の肩部26と胴部27の境界部には段部が設けられ、肩部26にフード1が組付いた時には段差なくなるように面一となる。ノズルヘッド22へフード1を取付ける際は、肩部26及び組付キャップ25へ組付いているフード部5及び取付部4の開口部8を拡げて、フード1を容器体24から取り外してから、上述した嵌合係止状態に係止溝7に係止突起6を嵌合係止させてから外嵌組付けを行えばよい。
【0031】
図5及び
図6は、本発明の
参考例を示している。
【0032】
本
参考例では、噴霧器20が押下げ式噴霧器29であり、
図5に示されるようにフード1が、容器体24の肩部26に組付いて一体化している。フード使用時は、
図6に示されるように、ノズルを開設したノズルヘッド22に対し着脱自在に外嵌組付きする取付部4を嵌着して用いる。取付部4は、押下げ式のノズルヘッド22に外嵌するリング状部材11で構成されている。フード1が容器体24の肩部26に組付いている状態にて、リング状部材11を介して吊り下げ可能となるため、フックにより商品棚に陳列することができる。リング状部材11を介して吊り下げる時は、フード1と肩部26を螺合や係合により嵌合させれば、容器体24が抜け落ちることがない。また、リング状部材11は、組付いている状態にてノズルヘッド22の直上に位置するため、不用意にノズルヘッド22が押下げられ、誤噴霧を防止することが出来る。フード部5には、大・小の窪み12が設けられている。
図5の様に、ノズル孔を開設したノズルヘッド22の前方に小さな窪み12がある時は、後方に指先でノズルヘッド22を押下げられる大きな窪み(不図示)が形成さており、肩部26に組付いた状態であっても噴霧可能である。
【0033】
図7及び
図8は、本発明の
他の参考例を示している。
【0034】
フード1は、容器体24の底部28に組付いても構わない。底部28に組付く際は、ラッパ状に拡径しているフード部5の内周面の形状と合致するよう、
図7に示されるよう底部28が下方に向かって縮径している。底部28にフード1が組付いた状態で、容器体24が自立するような構造にフード1の底部9はなっている。フード1の底部9には、取付部4の左右にトリガー23が当接しないように切欠き部10が設けられている。
図8は、
他の参考例で用いられるフード1をノズルヘッド22に装着した縦断面図である。また、フード1が容器体24の底部28に組付くため、フード不使用時においても噴霧に何ら支障はない。
【0035】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
【0036】
上記実施の形態では、フード1の形状を円錐台筒形状としたが、噴霧内容液の散布規制形態に応じて、その先端開口部3の開口形状を、楕円形、正方形、長方形等の所望する形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上説明したように、フードが容器体に組付いて一体化するためフードを常に噴霧器に附帯させることが可能であり、またフードだけで余分なスペースを取ることもなく省スペースであり、かつフードの紛失を防止でき、フード所望時には確実にフードが使用可能であり、所定の範囲に限定して内容液を散布するフード附帯噴霧器を提供できる。
【符号の説明】
【0038】
1 ;フード
2 ;基端開口部
3 ;先端開口部
4 ;取付部
5 ;フード部
6 ;係止突起
7 ;係止溝
8 ;(フード部)開口部
9 ;(フード)底部
10 ;切欠き部
11 ;リング状部材(取付部)
12 ;窪み
20 ;噴霧器
21 ;トリガー式噴霧器
22 ;ノズルヘッド
23 ;トリガー
24 ;容器体
25 ;組付キャップ
26 ;肩部
27 ;胴部
28 ;(容器体)底部
29 ;押下げ式噴霧器