(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249300
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】締結部を有する構造体の補強構造
(51)【国際特許分類】
F16B 5/02 20060101AFI20171211BHJP
F16S 1/10 20060101ALI20171211BHJP
F16S 1/12 20060101ALI20171211BHJP
B60R 19/34 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
F16B5/02 F
F16S1/10
F16S1/12
B60R19/34
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-501118(P2014-501118)
(86)(22)【出願日】2013年12月17日
(86)【国際出願番号】JP2013083723
(87)【国際公開番号】WO2014129063
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2016年11月1日
(31)【優先権主張番号】特願2013-30941(P2013-30941)
(32)【優先日】2013年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091384
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 俊光
(74)【代理人】
【識別番号】100125760
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中越 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃司
(72)【発明者】
【氏名】松岡 英夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓也
【審査官】
熊谷 健治
(56)【参考文献】
【文献】
特許第4736795(JP,B2)
【文献】
実公昭63−025247(JP,Y2)
【文献】
特公平02−029129(JP,B2)
【文献】
特開2006−258105(JP,A)
【文献】
特開2009−208629(JP,A)
【文献】
特開2009−083696(JP,A)
【文献】
特開2013−075536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/02
B60R 19/34
F16S 1/10
F16S 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体本体を固定するための複数の締結部を有する構造体において、少なくとも一部の締結部の周囲に設けられる補強部と、前記補強部同士を連結する連結部とを備え、構造体本体と同じ材料もしくはより高い弾性率または強度を有する材料で構造体本体とは別に形成された補強体が、構造体本体に取り付けられ、前記構造体本体が該構造体本体補強用の本体リブを有しており、前記補強体が、前記構造体本体における前記本体リブの付け根側とは反対側に取り付けられており、前記構造体本体の前記本体リブに、前記補強体装着用の溝が形成されていることを特徴とする、締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項2】
前記補強体において、少なくとも1つの補強部に2つ以上の連結部が接続されている、請求項1に記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項3】
前記補強体において、少なくとも1つの補強部に対し2つ以上の連結部が接続されており、各連結部が前記補強部から互いに異なる方向に延びている、請求項1または2に記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項4】
前記補強体において、全ての補強部と全ての連結部が一体に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項5】
前記構造体本体と前記補強体が別々に成形されたものからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項6】
前記構造体本体または前記補強体、もしくはそれらの両方が、炭素繊維複合材料で構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項7】
前記構造体本体または前記補強体、もしくはそれらの両方が、ガラス繊維複合材料で構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項8】
前記構造体本体または前記補強体、もしくはそれらの両方が、樹脂で構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【請求項9】
前記構造体本体または前記補強体、もしくはそれらの両方が、金属で構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の締結部を有する構造体の補強構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結部を有する構造体の補強構造に関し、とくに、基本的な構造を変更することなく容易に構造体の締結部やその周囲部を補強することが可能な補強構造に関する。
【背景技術】
【0002】
締結部を有する構造体は各種分野で使用されており、それら構造体では、締結部およびその周囲部の補強が求められることが多い。例えば、自動車の軽量化のため、衝撃吸収部材など各種自動車部品の樹脂や繊維強化複合材料への置き換えが検討されている。このような素材からなる構造体の場合、締結部やその周囲部を補強するには、一般的にリブ構造を設けることが多い。しかし、構造体の成形上の必要条件(例えば、型抜きに必要な条件)や、他の制約条件を考慮しながら設計されたリブ構造だけでは必ずしも締結部周りの補強が十分でない場合がある。
【0003】
締結部周りの補強が十分でないリブ構造の場合、リブ構造を再設計すれば解決するものもあるが、成形上の必要条件や他の制約条件から効果的なリブ構造の再設計が困難な場合がある。そして、締結部周りの補強が十分でないと、応力集中等が起こりやすい締結部部分から構造体自体が破断しやすくなり、望ましくない破壊形態が問題となる場合がある。
【0004】
一般的に、締結部を有する構造体の補強構造は各種知られている。例えば特許文献1には、運搬用容器が長期使用に耐えることできるように、容器底面に板状の金具を装着することで補強するようにした補強構造が開示されている。しかしこの補強構造は、締結部自体を補強する構造ではない。また、補強部材が金具とあり、材質が金属に限定されている。
【0005】
また、特許文献2には、吸気マニホールドのポートフランジの締結部を、補強ブラケットでつないで補強する構造が開示されている。しかしこの補強構造では、適用部位が吸気マニホールド部に限定されているとともに、マウンティングプレートのボルト穴の内側に補強ブシングを配置し、ボルト頭側で補強ブラケットを連結、固定する構造となっており、構造体の締結部自体を補強する構造とはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−123941号公報
【特許文献2】特開2012−207658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明の課題は、構造体のリブ構造等の基本的な構造を変更することなく、容易に、構造体の締結部自体やその周囲部を効果的に補強することが可能な、締結部を有する構造体の補強構造を提供することにあり、とくに、繊維強化複合材料からなる構造体の補強に好適な構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る締結部を有する構造体の補強構造は、構造体本体を固定するための複数の締結部を有する構造体において、少なくとも一部の締結部の周囲に設けられる補強部と、前記補強部同士を連結する連結部とを備え、構造体本体と同じ材料もしくはより高い弾性率または強度を有する材料で構造体本体とは別に形成された補強体
が、構造体本体に取り付け
られ、前記構造体本体が該構造体本体補強用の本体リブを有しており、前記補強体が、前記構造体本体における前記本体リブの付け根側とは反対側に取り付けられており、前記構造体本体の前記本体リブに、前記補強体装着用の溝が形成されていることを特徴とするものからなる。
【0009】
このような本発明に係る締結部を有する構造体の補強構造においては、本発明の適用前の構造体ベース本体の基本的な構造を実質的に変更することなく(例えば、構造体ベース本体に設けられていたリブ等の配置を変更することなく)構成された構造体本体に、締結部の周囲に設けられる補強部と、補強部同士を連結する連結部とを備え、構造体本体と同じ材料もしくはより高い弾性率または強度を有する材料で形成された補強体が、取り付けられる。すなわち、構造体本体に、所定の補強体が後付けされる。後付けであるから、構造体本体を成形により作製する場合にあっても、型抜きの方向などをとくに変更する必要はなく、構造体本体の全体にわたる形状などについても、補強体を後付け付加しない場合に比べて、大きく変更する必要はなく、補強体の後付けは容易に行われ得る。そして、補強体の補強部は締結部の周囲に設けられ、補強部同士は連結部によって連結されているので、結局、構造体本体の締結部同士が補強体を介して互いに連結されているのと同等の形態が達成され、各締結部にかかる荷重が連結部を介して、分散されるか、互いに支え合うことになる。その結果、個々の締結部自体やその周囲部にかかる荷重が低減されることになり、結果的に個々のその部分が補強され、ひいては構造体全体が補強されることになる。この構造体の補強が、上記の如く補強体の後付けによって達成されるので、容易に、効果的にかつ効率よく所望の補強が行われることになる。
【0010】
上記本発明に係る締結部を有する構造体の補強構造においては、上記構造体本体が該構造体本体補強用の本体リブを有してい
る。つまり、構造体本体が元々本体リブによる補強構造を有するものであり、本発明を適用することにより、上記補強体の後付けによって、破壊されやすかった締結部が効果的にかつ効率よく補強される。
そして、本体リブを有する構造体本体に後付けされる補強体は、構造体本体における上記本体リブの付け根側とは反対側に取り付けられている形態が採用される。このようにすることにより、補強体を極めて容易に構造体本体に後付けすることが可能になる。さらにこの場合、上記構造体本体の上記本体リブに、補強体装着用の溝が形成されている。このようにすることにより、補強体を、所定の位置に決めながら、容易に構造体本体に装着することが可能になる。
【0011】
本発明に係る締結部を有する構造体で用いられる部材構成材料としては、樹脂を含む材料、中でも熱可塑性樹脂を含む材料を挙げることができる。好ましい熱可塑性樹脂材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、スチレン系樹脂の他や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステル、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチレンメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルニトリル(PEN)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系等の熱可塑エラストマー等が挙げられ、これらの共重合体、変性体、および2種類以上ブレンドした樹脂などであってもよい。とりわけ、高伸度の観点からはPC樹脂やABS樹脂およびそれらのブレンド材が、高強度の観点からはポリアミド樹脂およびそれらのブレンド材がより好ましく用いられる。
【0012】
また、本発明においては、上記補強体において、少なくとも1つの補強部に2つ以上の連結部が接続されていることが好ましい。このようにすれば、1つの締結部にかかる荷重が、その締結部に対応する補強部から、2つ以上の連結部を介して補強体中を伝達されることになるので、締結部にかかる荷重が適切に分散され、結果的に1つの締結部にかかる荷重の低減が可能になって、より効果的締結部の補強は可能になる。
【0013】
また、上記補強体において、少なくとも1つの補強部に対し2つ以上の連結部が接続されている場合、各連結部がその補強部から互いに異なる方向に延びている形態とすることが好ましい。このような形態においては、上述の締結部にかかる荷重の分散が、より効率よく行われる。なお、1つの補強部に対し、該補強部の互いに反対側の位置において、2つの連結部が直線状に配置されている場合にあっても、これら連結部は、少なくとも、構造体全体の補強のために、後付けされた補強体内で荷重を適切に伝達する役目を果たすことが可能である。
【0014】
また、上記補強体において、全ての補強部と全ての連結部が一体に形成されている形態を採用することも好ましい。補強体の全体が一体に形成されていることで、補強体自体の一体成形が容易になり、しかも、補強体内での荷重の伝達がより望ましい形態で行われ得る。
【0015】
また、上記構造体本体と上記補強体が別々に成形により形成されたものからなることが好ましい。補強体は構造体本体に後付けされる形態であればよいが、それぞれを別々に成形することにより、補強構造体全体としての製造が容易になる。
【0018】
さらに、本発明に係る締結部を有する構造体の補強構造は、とくに構造体本体または補強体、もしくはそれらの両方が、繊維強化複合材料で構成されている場合にとくに有効なものである。繊維強化複合材料による構成は、通常、軽量化とともに、強度や剛性の向上を目指して採用されるので、本発明に係る補強構造を適用することにより、目標とする望ましい構造体の全体構造が、容易に実現される。
【0019】
例えば、上記構造体本体または上記補強体、もしくはそれらの両方が、炭素繊維複合材料で構成されている構造や、上記構造体本体または上記補強体、もしくはそれらの両方が、ガラス繊維複合材料で構成されている構造を採ることができる。もちろん、他の強化繊維を用いた繊維強化複合材料や、2種以上の強化繊維を用いた繊維強化複合材料による構成も採用可能である。
【0020】
なお、構造体本体または補強体、もしくはそれらの両方を上述の如く繊維強化複合材料で構成する場合、そのマトリックス樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用可能であるが、成形の容易性を考慮すると、熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。使用可能な熱可塑性樹脂として、例えば、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドのいずれかから選ばれる少なくとも一つを挙げることができる。
【0021】
さらに、本発明においては、上記構造体本体または上記補強体、もしくはそれらの両方が、樹脂で構成されている構造や、上記構造体本体または上記補強体、もしくはそれらの両方が、金属で構成されている構造とすることも可能である。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明に係る締結部を有する構造体の補強構造によれば、単に補強体を後付けするだけで、構造体本体のリブ構造等の基本的な構造を変更することなく、容易に、構造体本体の締結部自体やその周囲部を効果的に補強することが可能になる。本発明は、とくに、炭素繊維複合材料やガラス繊維複合材料を含む繊維強化複合材料からなる構造体の補強に好適な構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の適用前の構造体ベース本体の斜視図である。
【
図2】
図1の構造体ベース本体の部分断面表示した斜視図である。
【
図3】
図1の構造体ベース本体に本発明を適用した場合の、本発明の一実施態様に係る締結部を有する構造体の補強構造の斜視図である。
【
図5】
図3の構造における構造体本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、以下の本発明の実施の形態の説明に用いる、本発明の適用前の構造体ベース本体を示している。
図1に示す構造体ベース本体1は、その構造体ベース本体1を他部材に固定するための複数の(図示例では、4つの)貫通孔を備えた締結部2を有しており、構造体ベース本体1内に、縦横に延びる複数のリブ3(本体リブ)が、締結部2を含む略全体にわたって設けられている。これら本体リブ3は、
図2に示すように、後壁4に接続されており、後壁4への接続部である付け根5側から構造体ベース本体1の前面側まで延びている。また、この構造体ベース本体1は、繊維強化複合材料、とくに炭素繊維複合材料で構成され、全体が一体成形されている。成形の際の型抜き方向を図のX−X方向とすることにより、全体の一体成形と、成形後の型抜きを容易に行うことができる。
【0025】
図3は、
図1の構造体ベース本体1に本発明を適用した場合の、本発明の一実施態様に係る締結部を有する構造体の補強構造を示している。
図3に示す構造においては、構造体は、
図1に示したのと同様に、構造体本体11を固定するための複数の(本実施態様では、4つの)締結部12を有している。この構造体本体11は、本実施態様では、繊維強化複合材料、とくに炭素繊維複合材料で構成され、全体として一体成形されている。この構造体本体11に対し、構造体本体11と同じ材料もしくはより高い弾性率または強度を有する材料(本実施態様では、繊維強化複合材料、とくに炭素繊維複合材料)で構造体本体11とは別に形成された補強体13が、構造体本体11の補強のために取り付けられている。この補強体13は、
図4にも示すように、少なくとも一部の(本実施態様では全部の)締結部12の周囲に設けられる補強部14と、補強部12同士を(2つの補強部12同士を)互いに連結する連結部15とを備えており、全体として一体成形されている。
【0026】
構造体本体11には、
図5にも示すように、その内部に縦横に延びる本体リブ16が一体に形成されている。上記補強体13は、構造体本体11における本体リブ16の付け根側(
図3、
図5における図の奥側で、
図2に示したのと同様の付け根5側)とは反対側に取り付けられる。この場合、構造体本体11の本体リブ16には、補強体13装着用の溝が形成されており、この溝としては、補強体13の補強部14用の溝17と連結部15用の溝18の両方が形成されている。これらの溝17、溝18に補強体13が嵌め込まれることにより、
図3に示すように、補強体13の全体が、構造体本体11に対して所定の位置にて装着されている。
【0027】
上記実施態様に係る構造においては、
図1と
図5との比較から分かるように、構造体本体11は、構造体ベース本体1の基本的な構造を実質的に変更することなく、とくに、構造体ベース本体1に設けられていたリブ3の配置を変更することなく得ることができる。このように得られた構造体本体11に、上述したような所定の材料で形成された補強体13を後付けによって取り付けることができる。したがって、構造体本体11の全体を例えば一体成形する場合にあっても、型抜きの方向などをとくに変更する必要はなく、構造体本体11の全体にわたる形状などについても、補強体13を設けない場合に比べて、大きく変更する必要はない。そして、補強体13が、締結部12の周囲に設けられる補強部14と、補強部14同士を連結する連結部15とを備えた構造に構成されることにより、構造体本体11の締結部12同士が補強体13を介して互いに連結されているのと同等の形態が達成され、ある一つの締結部12にかかる荷重が、補強体13の連結部15を介して分散されるとともに、それぞれの締結部12にかかる荷重が、各補強部14と各連結部15を介して互いに支え合うことになる。その結果、個々の締結部12自体やその周囲部にかかる荷重が低減されることになり、結果的に個々のその部分が補強されることになり、ひいては構造体全体(構造体本体11全体)が補強されることになる。このような補強は、補強体13の後付けによって達成されるので、容易に、しかも効果的にかつ効率よく行われることになる。
【0028】
さらに上記実施態様ではとくに、構造体本体11に、補強体13装着用の溝17、18が形成されているので、補強体13を所定の方向から、位置精度よく、容易に構造体本体11に取り付けることができる。それによって、所望の構造体補強構造が一層容易にかつ確実に達成されることになる。
【0029】
なお、上記実施態様において、補強体13は各種の形態を採り得る。例えば、
図6に
図4の変形例に係る補強体21を示すように、補強体21の少なくとも一部の補強部22や連結部23に、補強効果をさらに高めるための工夫を施すことが可能である。図示例では、一つの補強部22に、構造体本体11の本体リブ16(
図5に図示)と干渉しない部位に追加リブ24が設けられており、とくにこの補強部22が、構造体本体11側の補強体21を嵌め込むための溝を極力少なくしつつ、とくにこの補強部22が補強され、補強体21による補強効果が高められている。他の補強部にも同様の構造を適用可能である。また、図示例では、一つの連結部23の高さが
図4に示したものよりも高くされており、とくにこの連結部23が補強されている。この連結部23には、構造体本体11側の溝18(
図5に図示)と互いに嵌合し合う溝25が形成されており、構造体本体11側の溝18をとくに大きくすることなく、この連結部23が補強されている。他の連結部にも同様の構造を適用可能である。このように、補強体の各部に対して適宜工夫を追加することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明に係る締結部を有する構造体の補強構造は、樹脂や金属製の構造体にも適用可能であるが、とくに炭素繊維複合材料やガラス繊維複合材料等の繊維強化複合材料からなる構造体の補強に好適な構造である。
【符号の説明】
【0031】
1 構造体ベース本体
11 構造体本体
2、12 締結部
13、21 補強体
14、22 補強部
15、23 連結部
3、16 本体リブ
17、18 溝
24 追加リブ
25 溝