(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、第1の実施形態に係る熱源システム100のシステム構成の一例を示す。ここで、熱源システム100とは、複数の熱源を制御するシステムである。
【0023】
熱源システム100は、第1熱源群10、第1群制御装置11、第2熱源群20、第2群制御装置21及び台数制御装置30を備える。
【0024】
第1熱源群10は、複数の熱源ユニット12を含む。ここで、熱源ユニット12とは、熱源装置と、ユニット統括基板13とを具備するユニットである。各熱源ユニット12は、入力側が水入口41に連通接続され、出力側が水出口42に連通接続される。各熱源ユニット12は、出力側が、第1群制御装置11と、台数制御装置30と、に接続される。第1群制御装置11は、熱源ユニット12を制御するにあたり、ユニット統括基板13から必要なデータを受信し、ユニット統括基板13に対して制御データを送信する。そして、第1群制御装置11は、各熱源ユニット12の起動停止及び負荷の割り当てを行う。
【0025】
第2熱源群20は、第1熱源群10に並列に接続されており、複数の熱源ユニット22を含む。ここで、熱源ユニット22とは、熱源装置とユニット統括基板23とを具備するユニットである。各熱源ユニット22は、入力側が水入口41に連通接続され、出力側が水出口42に連通接続される。各熱源ユニット22は、出力側が、第2群制御装置21と、台数制御装置30と、に接続される。第2群制御装置21は、熱源ユニット22を制御するにあたり、ユニット統括基板23から必要なデータを受信し、ユニット統括基板23に対して制御データを送信する。ここで、ユニット統括基板23から受信するデータには、各熱源ユニット12、22の成績係数と負荷率との関係を示すCOP情報も含まれる。そして、第1群制御装置11は、各熱源ユニット22の起動停止及び負荷の割り当てを行う。
【0026】
台数制御装置30は、第1熱源群10及び第2熱源群20の起動停止及び負荷の割り当てを行う。台数制御装置30から見ると、第1熱源群10及び第2熱源群20は、それぞれ大容量の冷凍機と同じように扱われる。
【0027】
図2は、各群制御装置11、21のブロック構成図を示す。
図2に示すように、各群制御装置11、21は、各熱源ユニット12、22の成績係数と負荷率との関係を示す特性値としてのCOP情報に基づいて、運転中の熱源ユニット12、22の台数に対応した成績係数が所定値以上となる負荷範囲を第1適正運転範囲として台数制御装置30に出力する第1運転範囲出力部14、24を有する。
【0028】
各群制御装置11、21は、COP情報に基づいて、運転中の熱源ユニット12、22の台数よりも多い所定台数に対応した成績係数が所定値以上となる負荷範囲を第2適正運転範囲として台数制御装置30に出力する第2運転範囲出力部15、25とを有する。
【0029】
台数制御装置30は、要求負荷が第1適正運転範囲を超えた際に、各熱源群10、20の起動数を増加させる。
【0030】
熱源システム100は、各群制御装置11、21に接続されている各熱源ユニット12、22のうち、運転中の台数に対応した最適負荷範囲と運転中の台数+1に対応した運転可能負荷範囲を各群制御装置11、21から台数制御装置30に送信するデータとする。具体的には、例えば、第1群制御装置11に熱源ユニット12が10台接続されていて、1台運転状態の場合、1ユニット分の最適負荷範囲と2ユニット分の運転可能負荷範囲とを群全体の最適負荷範囲と運転可能負荷範囲として設定する。
【0031】
熱源システム100は、各群制御装置11、21に接続されている各熱源ユニット12、22のうち、すべてのユニットが停止している場合は、1ユニット分の最適負荷範囲と運転可能負荷範囲とを各群制御装置11、21から台数制御装置30に送信するデータとする。
【0032】
台数制御装置30は、各熱源群10、20の中で運転中のユニットがある場合、各熱源群10、20全体の最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を以下の式(1)から(12)を用いて設定する。
【0033】
式(1)から(6)では、各熱源群10、20の最適負荷範囲Hi側をLoh_gi、Lo側をLol_gi、運転可能負荷範囲Hi側をLh_gi、Lo側をLl_gi、運転中ユニットの運転可能負荷範囲Hi側をLoph_gi、Lo側をLopl_giとし(i=1〜20)、各熱源ユニット12、22の最適負荷範囲Hi側をLoh_gkui、Lo側をLol_gkui、運転可能負荷範囲Hi側をLh_gkui、Lo側をLl_gkuiとし(k=1〜6、i=1〜20)、運転台数をm台としている。
【0040】
式(7)から(12)では、各熱源群10、20の最適負荷範囲Hi側をLoh_gi、Lo側をLol_gi、運転可能負荷範囲Hi側をLh_gi、Lo側をLl_giとし(i=1〜20)、各熱源ユニット12、22の最適負荷範囲Hi側をLoh_gkui、Lo側をLol_gkui、運転可能負荷範囲Hi側をLh_gkui、Lo側をLl_gkuiとし(k=1〜6、i=1〜20)、運転台数を0台としている。
【0047】
図3は、熱源システム100に適用されるCOP特性を示す図である。COP特性の情報は、各熱源ユニット12、22の成績係数と負荷率との関係を示し、ユニット統括基板23から受信するデータに含まれる。
図3では、冷凍容量を横軸に、COP値を縦軸に示している。
図3に示すように、COP特性は、外気温度が、例えば、15℃、25℃、32℃である場合に、冷凍容量の増加に応じて、放物線状の特性を有する。このとき、適正運転範囲は、所定値以上となる負荷範囲である。
【0048】
図4は、熱源システム100に適用される消費電力量特性を示す図である。
図4では、、冷凍容量を横軸に、インバータ入力を縦軸に示している。
図4に示すように、消費電力量特性は、外気温度が、例えば、15℃、25℃、32℃である場合に、冷凍容量の増加に応じて、正比例に増加する特性を有する。このとき、適正運転範囲は、所定値以下となる負荷範囲である。
【0049】
図5は、熱源システム100の基本的な制御動作を説明するフローチャートを示す。
図5に示すように、制御が開始されることにより、まず、台数制御装置30は、各熱源群10、20の中で運転中の熱源ユニットがあるか否かを判別する(S101)。
【0050】
台数制御装置30は、各熱源群10、20の中で運転中のユニットがある場合、各熱源群10、20全体の最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を上述した式(1)から(6)で決定する(S102)。
【0051】
台数制御装置30は、各熱源群10、20の中で運転中のユニットがない場合、各熱源群10、20全体の最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を上述した式(7)から(12)で決定する(S103)。
【0052】
図6及び
図7は、熱源システム100の具体的な制御動作を説明するフローチャートを示す。
図6は、第1熱源群10を先に運転する場合である。
図6に示すように、制御が開始されることにより、まず、台数制御装置30は、運転を開始され、群運転指令を発令する(S111)。群運転指令は、第1群制御装置11に伝送されるために、第1群制御装置11は、運転を開始される(S112)。
【0053】
第1群制御装置11は、式(1)から(6)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を台数制御装置30に送信する(S113)。最適負荷範囲、運転可能負荷範囲は、定期的に台数制御装置30に送信される。
【0054】
このとき、第2群制御装置21は、式(7)から(12)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を台数制御装置30に送信する(S114)。最適負荷範囲、運転可能負荷範囲は、定期的に台数制御装置30に送信される。
【0055】
台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より大きいか否かを判別する(S115)。第2群制御装置21は、台数制御装置30によって要求負荷が運転中の最適負荷範囲より大きいと判別された場合、運転を開始される(S116)。
【0056】
その後、第1群制御装置11は、式(1)から(6)により算出された最適負荷範囲、
運転可能負荷範囲を台数制御装置30に定期的に送信する(S117)。
【0057】
第2群制御装置21は、式(1)から(6)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を定期的に送信する(S118)。
【0058】
次に、台数制御装置30は、負荷割当を、第1群制御装置11、第2群制御装置21に送信する。第1群制御装置11は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいか否かを判別する(S119)。第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を増加させる(S120)。また、第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きくないと判別された場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0059】
第2群制御装置21は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいか否かを判別する(S121)。第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を増加させる(S122)。また、第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きくない場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0060】
続いて、第1群制御装置11は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいか否かを判別する(S123)。第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を減少させる(S124)。また、第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さくない場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0061】
第2群制御装置21は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいか否かを判別する(S125)。第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を減少させる(S126)。また、第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さくないと判別された場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0062】
台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より小さいか否かを判別する(S127)。台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より小さいと判別された場合、第1群制御装置11に対して、停止指令が発令されるために、第1群制御装置11は、運転を終了される(S128)。このとき、運転中の群が第1熱源群10の1つのみである場合、停止指令は発令されない。
【0063】
台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より小さくないと判別された場合、第2熱源群20のみが運転中か否かを判別する(S129)。台数制御装置30は、第2熱源群20のみが運転中であると判別された場合、
図7に示す(S145)に移行する。台数制御装置30は、第2熱源群20のみが運転中ではないと判別された場合、第1熱源群10のみが運転中か否かを判別する(S130)。台数制御装置30は、第1熱源群10のみが運転中であると判別された場合、(S115)に移行し、台数制御装置30は、第1熱源群10のみが運転中でないと判別された場合、(S117)に移行して、ルーチンが繰り返される。
【0064】
図7は、第2熱源群20を先に運転する場合である。
図7に示すように、制御が開始されることにより、まず、台数制御装置30は、運転を開始され、群運転指令を発令する(S141)。群運転指令は、第2群制御装置21に伝送されるために、第2群制御装置21は、運転を開始される(S142)。
【0065】
第2群制御装置21は、式(1)から(6)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を台数制御装置30に送信する(S143)。最適負荷範囲、運転可能負荷範囲は、定期的に台数制御装置30に送信される。
【0066】
このとき、第1群制御装置11は、式(7)から(12)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を台数制御装置30に送信する(S144)。最適負荷範囲、運転可能負荷範囲は、定期的に台数制御装置30に送信される。
【0067】
台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より大きいか否かを判別する(S145)。第1群制御装置11は、台数制御装置30によって要求負荷が運転中の最適負荷範囲より大きいと判別された場合、運転を開始される(S146)。
【0068】
その後、第1群制御装置11は、式(1)から(6)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を台数制御装置30に定期的に送信する(S147)。
【0069】
第2群制御装置21は、式(1)から(6)により算出された最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を定期的に送信する(S148)。
【0070】
次に、台数制御装置30は、負荷割当を、第1群制御装置11、第2群制御装置21に送信する。第1群制御装置11は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいか否かを判別する(S149)。第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を増加させる(S150)。また、第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きくないと判別された場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0071】
第2群制御装置21は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいか否かを判別する(S151)。第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を増加させる(S152)。また、第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より大きくないと判別された場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0072】
続いて、第1群制御装置11は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいか否かを判別する(S153)。第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を減少させる(S154)。また、第1群制御装置11は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さくないと判別された場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0073】
第2群制御装置21は、割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいか否かを判別する(S155)。第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さいと判別された場合、熱源群の中のユニット運転台数を減少させる(S156)。また、第2群制御装置21は、台数制御装置30による割当負荷が、運転中台数で対応可能な負荷範囲より小さくないと判別された場合、ユニット運転台数を変更しない。
【0074】
台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より小さいか否かを判別する(S157)。台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より小さいと判別された場合、第2群制御装置21に対して、停止指令が発令されるために、第2群制御装置21は、運転を終了される(S158)。このとき、台数制御装置30は、運転中の群が、第2熱源群20の1つのみであると判別された場合、停止指令は発令されない。
【0075】
台数制御装置30は、要求負荷が運転中の最適負荷範囲より小さくないと判別された場合、第1熱源群10のみが運転中か否かを判別する(S159)。台数制御装置30は、第1熱源群10のみが運転中であると判別された場合、
図6に示す(S115)に移行する。台数制御装置30は、第1熱源群10のみが運転中ではないと判別された場合、第2熱源群20のみが運転中か否かを判別する(S160)。台数制御装置30は、第2熱源群20のみが運転中であると判別された場合、(S145)に移行し、台数制御装置30は、第2熱源群20のみが運転中でないと判別された場合、(S147)に移行して、ルーチンが繰り返される。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の熱源システム100は、最適負荷範囲を逸脱しようとした場合、先に熱源群を増加させる動作が行われることとなる。従って、熱源システム100、各熱源群10、20に接続されている各熱源ユニット12、22のうち、1台のみ運転している状態で運転対象となる熱源群の数を先に増加させることが可能となるため、各熱源群10、20に対して負荷配分を等分にする場合であっても、各熱源群10、20に接続されている各熱源ユニット12、22の運転台数を急激に変化させないように制御することができる。
【0077】
また、本実施形態の熱源システム100は、各熱源群10、20に接続する各熱源ユニット12、22の運転台数を大きく変更することなく、複数の熱源群10、20に対する台数制御及び負荷配分を行えると共に、各熱源ユニット12、22の運転状態として消費電力が小さい最適運転状態をキープすることができる。
【0078】
次に、第2の実施形態について
図8を参照しながら説明するが、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8は、第2の実施形態の熱源システム100の基本的な制御動作を説明するフローチャートを示す。
【0079】
熱源システム100は、台数制御装置30からの各熱源群10、20に対する負荷配分が運転中の熱源ユニット台数に対する運転可能負荷範囲より大きい場合、各熱源群10、20内での熱源ユニット運転台数を増加させると共に、最適負荷範囲と運転可能負荷範囲をそれぞれ更新する。具体的に、熱源システム100は、例えば、第1群制御装置11に熱源ユニット12が10台接続(熱源群全体で対応可能な負荷範囲を100%とする)されていて、1台運転状態(運転状態に対応した運転可能負荷範囲は10%)の場合、台数制御装置30からの負荷配分を10%より大きくすると、運転台数を1台から2台に更新すると共に、2熱源ユニット分の最適負荷範囲と3熱源ユニット分の運転可能負荷範囲を熱源群全体の最適負荷範囲と運転可能負荷範囲とする。
【0080】
図8に示すように、制御が開始されることにより、まず、第1群制御装置11及び第2群制御装置21は、運転中の熱源ユニットの運転可能負荷範囲Hi側より大きい負荷配分があるか否かを判別する(S201)。
【0081】
第1群制御装置11及び第2群制御装置21は、運転中の熱源ユニットの運転可能負荷範囲Hi側より大きい負荷配分がある場合、熱源ユニットの運転台数を増大させ、各熱源群10、20全体の最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を更新する。
【0082】
このとき、第1群制御装置11及び第2群制御装置21は、運転中の熱源ユニットの運転可能負荷範囲Hi側より大きい負荷配分がない場合、処理を終了する。
【0083】
本実施形態の熱源システム100は、台数制御装置30から見て、配下にある熱源群10、20が全て1熱源ユニット運転状態となった後は、負荷割り当てを増加させることによって、熱源群10、20内の熱源ユニット運転台数を自動的に増加させることができる。
【0084】
次に、第3の実施形態について
図9を参照しながら説明するが、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9は、第3の実施形態の熱源システム100の基本的な制御動作を説明するフローチャートを示す。
【0085】
熱源システム100は、台数制御装置30からの熱源群に対する負荷配分が運転中の熱源ユニット台数に対する運転可能負荷範囲より小さい場合、熱源群10、20内での熱源ユニット運転台数を減少させると共に、最適負荷範囲と運転可能負荷範囲をそれぞれ更新する。具体的には、例えば、各群制御装置11、21に熱源ユニットが10台接続(熱源群全体で対応可能な負荷範囲を100%とする)されていて、2台運転状態(運転状態に対応した運転可能負荷範囲は20%)の場合、台数制御装置30からの負荷配分を20%未満とすると、運転台数を2台から1台に更新すると共に、1熱源ユニット分の最適負荷範囲と2熱源ユニット分の運転可能負荷範囲を群全体の最適負荷範囲と運転可能負荷範囲とする。
【0086】
図9に示すように、制御が開始されることにより、まず、第1群制御装置11及び第2群制御装置21は、運転中の熱源ユニットの運転可能負荷範囲Lo側より小さい負荷配分があるか否かを判別する(S301)。
第1群制御装置11及び第2群制御装置21は、運転中の熱源ユニットの運転可能負荷範囲Lo側より小さい負荷配分がある場合、熱源ユニットの運転台数を減少させ、各熱源群10、20全体の最適負荷範囲、運転可能負荷範囲を更新する。
【0087】
このとき、第1群制御装置11及び第2群制御装置21は、運転中の熱源ユニットの運転可能負荷範囲Lo側より小さい負荷配分がない場合、処理を終了する。
【0088】
本実施形態の熱源システム100は、台数制御装置30から見て、配下にある群が全て複数ユニット運転状態となった後は、負荷割り当てを減少させることによって、熱源群10、20内の熱源ユニット運転台数を自動的に減少させることができる。
【0089】
なお、熱源システム及び熱源制御方法は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。