(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、各発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0010】
なお、以下の本発明の端末装置の説明は、実施形態ごとに、最初に概要図などを用いて処理全体の概要を記載し、続いて機能ブロック図に沿って各構成要件の詳細な処理内容を記載する。次に、ハードウェア構成図に沿って本端末装置を計算機によって実現した際のハードウェア資源の詳細な動作内容を記載し、最後にフローチャートに沿って本端末装置駆動プログラムの処理手順や、本端末装置を制御するためのプログラムに定められた処理ステップについて説明する。
【0011】
<<実施形態1>>
<実施形態1:概要> 本実施形態は、実行されるプログラム上で利用可能なアイテムのデータであるアイテムデータとともに所有者自身や相手の属性情報を、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて送受信し、受信した相手属性情報に基づいて広告を出力する端末装置である。
【0012】
図1は、本実施形態の端末装置等の一例を示すものである。本件は、他の端末装置とピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にてデータの送受信が可能であり、またネットワーク通信で広告サーバ装置からの広告配信を受けることができる端末装置に関するものである。端末装置は、所有者の属性情報と、プログラムを実行する際に利用可能なアイテムデータを保持しており、他の端末装置の利用者と近距離無線通信にて属性情報やアイテムデータの交換が可能である。また、端末装置は、広告サーバ装置から広告配信を受け、広告出力のための処理を実行することができる。
【0013】
まず、利用者Aは自身の端末装置内に保持している所有者属性情報とアイテムデータを利用者Bの端末装置に対して近距離無線通信にて出力する(1)。ここでは例として、利用者Aの所有者属性情報を「趣味:読書」であるものとし、アイテムデータをチューリップのデザインで示した。アイテムデータとは、実行されるプログラム上で利用可能なアイテムを構成するためのデータであり、例えばプログラムがゲームであれば、キャラクタや、ゲーム内でプレーヤーが入手できる道具などが該当する(詳細は後述する。)。
【0014】
一方で、利用者BはAからの所有者属性情報とアイテムデータを受信し、B自身の所有者属性情報やアイテムデータを出力する。ここでは例として、利用者Bの所有者属性情報を「趣味:登山」とし、アイテムデータをバラのデザインで示した。次に、利用者Aの端末装置はBから出力された相手属性情報とアイテムデータを受信する(2)。これによって、利用者A、B間において、アイテムデータの交換が完了したことになる。なお、他の利用者から受信したアイテムデータは自身の端末装置のプログラムで実行可能となる場合がある。
【0015】
次に、利用者Aの端末装置は、受信した相手属性情報とアイテムデータを保持しておいて、相手属性情報に基づいて広告を出力する(3)。相手属性情報に基づいた広告とは、例えば、利用者Bの趣味、嗜好をターゲットとする広告であるカメラの広告データを利用者Aの端末装置に再生出力するイメージを図示した。利用者Aは知人である利用者Bを経由した広告であるために、Bに対する関心や親密度に関連し、プラスの先入観を持った上でこの広告を閲覧することになる可能性が高いといえる。また、本来、通常の不特定多数に向けられて送信された状況においては必ずしも関心を惹かない場合であっても、Bとの関連によって、アクセスする動機づけとなることが期待できる。
【0016】
<実施形態1:端末装置の機能的構成>
図2は、本実施形態の端末装置における機能ブロックの一例を示したものである。なお、以下に記載する各機能ブロックは、計算機のハードウェア資源と、メモリ上に展開しハードウェアを制御することでその作用が得られるソフトウェアとの協働で実現しうる。具体的に、計算機のハードウェア資源とは、CPU、メインメモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスク、不揮発メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどを含む。
【0017】
さらに、二次記憶装置から読み出してメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理を行い、入力デバイスやその他インターフェースなどからの入力に応じて、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどの加工、蓄積や、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令の生成が実行される。さらに、本システムの機能ブロックは、専用ハードウェアによって実現されてもよい。また、上記汎用計算機や専用ハードウェアを動作させるプログラムは、モジュール化されたプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて1つのプログラムとして実現されてもよい。
【0018】
また、本実施形態は装置として実現できるのみでなく、その端末装置を駆動するためのプログラムとしても実現可能である。加えて、このようなシステムの一部をソフトウェアとして構成することもできる。さらに、そのようなソフトウェアを計算機に実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にその技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である。)。
【0019】
図2は、本実施形態における端末装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図2に示す本実施形態の端末装置(0200)は、「所有者属性情報保持部」(0201)と、「プログラム実行部」(0202)と、「アイテムデータ保持部」(0203)と、「出力部」(0204)と、「アイテムデータ受信部」(0205)と、「相手属性情報保持部」(0206)と、「広告出力部」(0207)と、「ネットワーク通信部」(0208)と、からなる。
【0020】
「端末装置」(0200)は、他の端末装置と近距離無線通信にてデータの送受信が可能で、かつ、サーバ装置等とネットワーク通信が可能な装置である。近距離無線通信とは、NFC(Near Field Communication)を想定しており、ピアツーピア無線通信(P to P:ネットワーク上で対等な関係にある端末間を相互に直接接続し、データの送受信を行う通信方式)を含む意味である。その他近距離無線通信は、具体的には、Bluetooh、赤外線、RFIDなども例示できる。近距離無線通信は、サーバ装置等を介さずに、互いの端末装置を近づけかざすなどするだけで、属性情報やアイテムデータなどさまざまなデータのやり取りが可能となる。また、ネットワーク通信としては、プログラムサーバ装置から端末装置駆動プログラムをダウンロードすることや、広告サーバ装置から広告データを受信することなどを実行する。
【0021】
「所有者属性情報保持部」(0201)は、一以上の所有者属性情報を保持する。所有者属性情報とは、所有者自身の属性に関する情報のことであり、具体的には、年齢、性別、職業、配偶関係、居住地、出生地、趣味、嗜好、性格などや、保持しているゲームプログラムの種類、ネットや広告の閲覧履歴等が例示できる。なお、所有者属性情報は、所有者自身によって入力等されて生成されることが多く、必要に応じて追加、変更、削除等が実行できるとしてもよい。また、ゲームの進め方など端末装置の操作履歴に基づいて、利用者の性格(冒険的、あるいは、保守的など)を大まかに把握して取得する場合がある。また、所有者属性情報は、他の端末装置によって受信された段階でその端末装置内に、相手属性情報として保持される。
【0022】
「プログラム実行部」(0202)は、プログラムを実行するための処理を行う。プログラムとは、端末装置が実行可能なようにその処理手順を順序立てて記述したものであり、各種アプリケーションソフトウェアなどを広く含む意味である。プログラムは、具体的にメールソフト、Webブラウザ、ゲームプログラム、地図ソフト、画像・音楽再生ソフト、SNSプログラムなどが例示できる。
【0023】
「アイテムデータ保持部」(0203)は、アイテムデータを保持する。アイテムデータとは、実行されるプログラム上で利用可能なアイテムのデータである。アイテムは、具体的には、メール、画像、音楽、音声、アイコン、プロフィール(所有者のメールアドレス、電話番号等)などの他、プログラムがゲームであれば、ゲームのキャラクタや、ゲーム内でプレーヤーが入手できる道具などが例示できる。
【0024】
「出力部」(0204)は、保持されているアイテムデータを保持されている所有者属性情報とともにピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する。近距離無線通信による出力は、具体的には相手端末装置に自身の端末装置をかざすなどすることによって実行する。アイテムデータと、所有者属性情報は、前記のようにそれぞれ一以上のデータからなる場合があるが、出力されるデータは全部でなくて一部のみであってもよく、その際いずれのデータを出力するかは利用者自身が選択するように構成されていてもよい。また、アイテムデータを、所有者属性情報とともに出力するというのは、両者のデータがミックスされた状態で出力されるとしてもよいし、別個の信号列で両者のデータが区別された状態で出力されるとしてもよい。後者の場合には、アイテムデータが先に出力されるとしてよいし、逆に所有者属性情報が先に出力されるとしてもよい。
【0025】
「アイテムデータ受信部」(0205)は、相手属性情報とともにアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信する。他の端末装置から出力されたアイテムデータと、相手の所有者属性情報(相手属性情報)を受信する。このときの受信処理も、相手端末装置と自身の端末装置とを近づけてかざすなどすることによって実現する。
【0026】
「相手属性情報保持部」(0206)は、アイテムデータ受信部(0205)にて受信した相手属性情報を保持する。
【0027】
「広告出力部」(0207)は、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う。相手属性情報に基づいた広告とは、相手属性情報を広告サーバ装置に取得させることで、送信される広告データのことをいうように構成されていてもよい。広告サーバ装置にて、相手属性情報に応じて広告データが抽出される処理が行われるが、これについては後述する。また、一般的な広告サーバ装置から、相手属性情報に応じた広告データの抽出処理を経ないで広告データが未選別の束の状態で送信される場合があるが、このときは端末装置にて相手属性情報に基づいた広告データの抽出処理を実行するとしてもよい。
【0028】
広告を出力するための処理とは、広告データを端末装置に表示再生等するものや、広告データのリンク先などにアクセスして端末装置で表示閲覧等するものなどがある。また、これらの広告の出力処理は、広告の出力を可能とするためのデータを広告サーバ装置などから受信することで実現できるが、広告サーバ装置からストリーミング再生する場合もあるし、事前に送信された広告データを、端末装置が保持・蓄積等しておく場合もある。また、広告を出力するための処理としては、端末装置が他の端末装置に対して広告自体、あるいは広告の閲覧が可能となるようなリンク先等を出力する処理なども該当する場合がある。
【0029】
なお、広告サーバ装置から広告データの束が送信された際には、端末装置にて広告データの抽出処理を実行するように構成されていてもよい。具体的には、相手の属性情報と、広告データに予め紐づけられた属性情報との比較処理を行うことで、相手属性情報に基づいた広告データの抽出処理を実行する。つまり、相手の属性情報と広告データに予め紐づけられた属性情報との両者に差分がない、あるいは、差分が所定の範囲内である場合に、その対象となった広告データの抽出処理を実行する。例えば、相手属性情報が、相手の趣味が登山であることを示す情報であるとき、広告データに予め、旅行を趣味とする人を広告のターゲットとするための属性情報が紐づけられていたとすると、両者の属性情報の差分は所定の範囲内であると判断され、相手属性情報に応じた広告データとして取得する、などの事象が例示できる。
【0030】
「ネットワーク通信部」(0208)は、他のサーバ装置等との通信を行う。他のサーバ装置とは、例えば、広告サーバ装置などが該当する。広告サーバ装置は、広告データを送信し、端末装置はこれを受信する。また、端末装置内で保持するアイテムデータも、ネットワーク通信でサーバ装置などから受信する場合がある。
【0031】
なお、一般的な広告サーバ装置から、相手属性情報による抽出処理を経ない状態の広告が送信される場合がある。その場合にもネットワーク通信部にてこれを受信し、端末装置の広告出力部(0207)において相手属性情報に基づく抽出処理を行うことができる。
【0032】
<実施形態1:広告サーバ装置の機能的構成>
図3は、本実施形態における広告サーバ装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図3に示す本実施形態の広告サーバ装置(0300)は、「相手属性情報取得部」(0301)と、「広告データ取得部」(0302)と、「広告送信部」(0303)と、からなる。
【0033】
「広告サーバ装置」(0300)は、広告提供者から提供される広告データを蓄積するサーバ装置であり、端末装置に対して広告データを送信する。
【0034】
「相手属性情報取得部」(0301)は、端末装置から相手属性情報を取得する。端末装置が、広告を出力するための処理の実行に伴って送信された相手属性情報を取得する場合などが想定される。あるいは、広告サーバ装置に対してアクセス等してきた端末装置に、取得要求等することで返信された相手属性情報を取得する場合もある。
【0035】
「広告データ取得部」(0302)は、取得した相手属性情報に応じて広告のためのデータを取得する。広告のためのデータとは、広告自体を構成するデータに加え、広告の閲覧が可能となるようなHPのアドレス等をも含む意味である。また、相手属性情報に応じた広告データとは、相手の属性情報と広告データに予め紐づけられた属性情報との比較処理を行い、両者に差分がない、あるいは、差分が所定の範囲内である場合の対象となった広告データのことをいう。広告のためのデータは、データベースなどに蓄積しており、データベース中から適宜検索をして、適したものを取得する。
【0036】
「広告送信部」(0303)は、取得した広告データを、前記相手属性情報を取得した端末装置に対して送信する。広告データの送信は、主にネットワーク通信を介して実行する。
【0037】
<実施形態1:ハードウェア構成>
図4は本実施形態の端末装置のハードウェア構成の一例を示す概略図である。この図を利用して、本システムの各構成要素の処理実行におけるそれぞれのハードウェア構成の働きについて説明する。
【0038】
図4に示す本実施形態の端末装置(0400)は、「CPU(中央演算装置)」(0401)と、「ROM/記憶装置」(0402)と、「RAM/メインメモリ」(0403)と、「HDD」(0404)と、「通信回路」(0405)とを備えている。ROM(0402)はCPU(0401)にて実行される各種プログラムなどを記憶しており、RAM(0403)はROMに記憶されているプログラムを実行するために、そのプログラムを読み出して展開する領域であるワーク領域と、データなどを一時的に格納するデータ領域とを提供する。
【0039】
通信回路(0405)を介して、トリガとなるデータなどを取得すると、RAMにプログラムやデータが読み出される。CPUは、プログラム実行部での処理実行に伴い、読み出された当該プログラムを参照し、ROMやRAMのメモリアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやり取りを行い、プログラムで示される手順に従いデータに対する各種演算処理を実行する。これにより、各部の機能やその他構成要件の演算処理に係る機能が実現される。演算処理等によって得られたデータは、システムバスなどの通信経路によって相互に接続され、データの送受信を行う。
【0040】
なお、HDD(0404)には、アイテムデータ保持部、所有者属性情報保持部、相手属性情報保持部での処理実行に伴い、アイテムデータ、所有者属性情報、相手属性情報などが保持されている。また、端末装置は(0400)は、アイテムデータ受信部、出力部での処理実現に伴い、通信回路としてNFCを用いて他の端末装置(0410)と通信を行う。また、端末装置は同様に、ネットワーク受信部での処理実現に伴い、通信回路としてLANを用いて広告サーバ装置(0420)と通信を行う。以上が各ハードウェア構成の機能である(本明細書において同様である。)。
【0041】
ここから、本端末装置における、処理についての手順を追って説明する。まず、端末装置の立ち上げに伴い、ROMに記憶されている、プログラム実行部の処理を実現するための実行プログラムをRAMのワーク領域に展開する。この後、利用者が入力デバイスを用いるなどしてプログラムの実行操作を行った場合には、CPUがRAMのワーク領域に展開された実行プログラムを実行する。例えば、実行プログラムは、HDD内に保持されているアイテムデータを検索して取得し、これを表示させるなどして利用する。
【0042】
また、利用者がアイテムデータと所有者属性情報の出力操作を行った場合には、この操作をトリガとして、CPUがRAMのワーク領域に展開された、出力部での処理を実現するための出力プログラムを実行する。出力プログラムは、HDD内に保持されているアイテムデータと、所有者属性情報を検索して取得すると、通信回路としてNFCを用いて近距離無線通信にて他の端末装置に対して出力する。
【0043】
一方、同様に他の端末装置が、通信回路としてNFCを用いて近距離無線通信にてアイテムデータと、相手所有者の属性情報である相手属性情報を端末装置に対して出力する場合がある。このとき端末装置は、通信回路を介しこれを受信し、一旦RAMのデータ領域などに格納しておいて、その後HDDのDBへ登録することで、アイテムデータ受信部での処理を実現する。
【0044】
また、利用者が広告を出力するための操作を行った場合には、この操作をトリガとして、CPUがRAMのワーク領域に展開された、広告出力部での処理を実現する広告出力プログラムを実行する。広告出力プログラムは、HDDに保持された相手属性情報を、通信回路としてLANを用いてネットワーク通信にて広告サーバ装置に対して出力し取得させるように構成されているとしてもよい。広告サーバ装置にて、相手属性情報に応じて広告データが抽出される処理が行われ、広告データが端末装置に返送される。端末装置ではこれを受信し、記載していないが出力デバイスなどを介して表示再生などの処理が実行される。
【0045】
あるいは、広告出力プログラムは、端末装置にて相手属性情報に基づいて広告データの抽出処理を実行するための処理を行うように構成されているとしてもよい。広告データの抽出処理は、予め広告データに、符号化して紐づけられた広告データの属性情報と、相手属性情報との比較処理にて実現できる。具体的には、広告データ属性情報と相手属性情報との差分を求めて、差分がない場合や、あるいは、差異が所定の範囲内である場合に、その広告データを抽出する。抽出された広告データが相手属性情報に基づいて適当であると判断されたものであり、この広告データは、記載していないが出力デバイスなどを介して表示再生などの処理が実行される。
【0046】
また、広告出力プログラムは、端末装置が他の端末装置に対して広告自体、あるいは広告の閲覧が可能となるようなリンク先等を出力する処理を行うように構成されているとしてもよい。
【0047】
なお、広告出力プログラムの実行を、利用者の操作をトリガとするとしたが、これに限定されるものではなく、相手端末装置から相手属性情報などを受信したことをトリガとして実行される場合や、所定時間経過ごとに実行される場合などがある。
【0048】
<実施形態1:処理の流れ>
図5は、本実施形態の端末装置における処理の流れの一例を示したものである。なお、以下に示す処理の流れは、計算機に実行させることができ、またこのプログラムを、計算機によって読取り可能な記録媒体に記録することができる。(本明細書のその他の処理の流れについても同様である。)
【0049】
はじめに、本端末装置は、一以上の所有者属性情報を保持していることが前提となる。最初のステップとして、端末装置はプログラムを実行する(S0501)。次に、端末装置は実行されるプログラム上で利用可能なアイテムのデータであるアイテムデータを保持する(S0502)。その次に端末装置は、保持されているアイテムデータを保持されている所有者属性情報とともにピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S0503)。さらに端末装置は、相手属性情報とともにアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信する(S0504)。続いて、受信した相手属性情報を保持する(S0505)。最後に、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う(S0506)。
【0050】
<実施形態1:効果> 本実施形態の端末装置は、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて現実に対面している相手から受信した属性情報を活用し、この相手属性情報に基づいた広告を出力することによって、より販促効果の高い広告配信が可能となる効果を有する。つまり、広告の出力を受ける側においては、現実に対面し近距離無線通信を行う、いわば親しい相手を経由した広告であるために、通信相手に対する関心や親密度に関連し、プラスの先入観を持った上で広告を閲覧することになる可能性が高いといえる。また、通常の不特定多数に向けられて送信された状況においては必ずしも関心を惹かない場合であっても、通信相手との関連によって、アクセスする動機づけとなることが期待できる。
【0051】
<<実施形態2>>
<実施形態2:概要> 本実施形態は、アイテムデータの相手毎の受信回数に応じて広告出力を制御することに特徴を有する端末装置である。
【0052】
図6は、本実施形態の端末装置の一例を示すものである。実施形態1に付加した部分を重点的に説明する。ここで、利用者Aは自身の所有者属性情報とアイテムデータとを出力し、利用者Bや利用者Cから相手属性情報とアイテムデータを受信している例を示した。このとき、利用者Bからのアイテムデータの受信回数は過去に5回あるのに対して、利用者Cからは20回であるとする。本実施形態においては、この利用者毎の受信回数に応じて、広告出力を制御することに特徴を有する。例えば、相手属性情報に基づいた広告として、利用者の趣味、嗜好をターゲットとする広告を出力する際に、アイテムデータの受信回数が多い利用者Cの相手属性情報に基づく登山に関連する広告(図ではカメラの広告)を、利用者Bの相手属性情報に基づくカラオケに関連する広告よりも、ボリュームの大きい広告を配信する、あるいは、広告を配信する頻度を高くするなどが例示できる。
【0053】
<実施形態2:機能的構成>
図7は、本実施形態における端末装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図7に示す本実施形態の端末装置(0700)は、所有者属性情報保持部(0701)と、プログラム実行部(0702)と、アイテムデータ保持部(0703)と、出力部(0704)と、アイテムデータ受信部(0705)と、相手属性情報保持部(0706)と、広告出力部(0707)と、ネットワーク通信部(0708)と、さらに、「カウント部」(0709)とからなり、広告出力部(0707)は「受信回数依存制御手段」(0710)を有する。なお、端末装置、所有者属性情報保持部、プログラム実行部、アイテムデータ保持部、出力部、アイテムデータ受信部、相手属性情報保持部、広告出力部、ネットワーク通信部については、実施形態1(
図2)と同様なため、説明は省略する。
【0054】
「カウント部」(0709)は、アイテムデータの相手毎の受信回数をカウントする。アイテムデータ受信部(0705)では、アイテムデータと相手属性情報とを受信するが、このとき相手毎にアイテムデータの受信回数をカウントする。得られた受信回数のデータは、相手利用者を識別する情報と関連付けたテーブルとして、一旦保持しておく。
【0055】
「受信回数依存制御手段」(0710)は、相手毎の受信回数に応じて相手属性情報に基づく広告出力を制御する。広告出力の制御とは、特別な広告の出力の有無や、広告出力の頻度、広告のボリュームなどに軽重をつけることなどで実行する。広告出力の制御は、受信回数に応じて実行し、例えば一定回数以上であれば、前出のような制御を実行する場合もあるし、回数が増加するごとに広告出力の頻度、広告のボリュームを大きくするとしてもよい。
【0056】
例えば、趣味が登山であることを示す属性情報を有する利用者からの受信回数が多くなるにしたがって、旅行や山、自然などに関連する広告が自分の端末装置に頻繁に表示再生等される、などの事象が例示できる。
【0057】
<実施形態2:ハードウェア構成> 本実施形態の端末装置のハードウェア構成については、
図4を用いて説明する。また、実施形態1に付加した部分を重点的に説明する。本実施形態においては、ROM(0402)に実行プログラム等に加えて、カウントプログラムも記憶されており、本端末装置の立ち上げに伴い、RAM(0403)のワーク領域に展開する。
【0058】
まず、他の端末装置(0410)がアイテムデータと、相手所有者の属性情報である相手属性情報を、端末装置(0400)に対して出力した場合、端末装置は通信回路(0405)を介して近距離無線通信にてこれを受信する。受信したデータは、一旦RAMのデータ領域などに格納しておいて、その後HDD(0404)のDBへ登録する。これによって、アイテムデータ受信部での処理が完了する。このとき、アイテムデータ等がRAMに格納されたことをトリガとして、CPU(0401)はRAMのワーク領域に展開された、カウント部での処理を実現するためのカウントプログラムを実行する。
【0059】
カウントプログラムは、相手を識別する情報と、相手毎のアイテムデータの受信回数を関連付けてテーブル化するなどしてRAM等に保持する処理を行う。その後カウントプログラムは、アイテムデータを受信するたびに、相手毎の受信回数をインクリメントする処理を行う。
【0060】
また、利用者が端末装置に対して広告を出力するための操作を行った場合には、この操作をトリガとして、CPUがRAMのワーク領域に展開された、広告出力部での処理を実現する広告出力プログラムを実行する。広告出力プログラムの処理についてはすでに実施形態1と同様であるが、さらに本実施形態では、相手毎のアイテムデータの受信回数に応じた広告出力を制御する。
【0061】
具体的には、テーブル化されて保持されている相手毎のアイテムデータの受信回数を読みだして、アイテムデータの受信回数が所定回数以上であった場合には、特定の広告データ(例えば、特別な広告データ、あるいは、ボリュームの大きな広告データなど)を、出力デバイスなどを介して表示再生などするとしてもよい。その他としては、アイテムデータの受信回数に比例して、所定期間内の広告出力回数を増加させるものが例示できる。これは、広告出力プログラムの実行回数を増加させるなどして実現できる。広告出力プログラムの実行は、利用者の操作をトリガとする場合や、相手端末装置から相手属性情報などを受信したことをトリガとする場合、所定時間経過ごとに実行される場合などがあるが、広告出力プログラムの実行回数を増加させるためには、例えば所定時間経過ごとに実行される際の所定時間を短くするなどして対応できる。
【0062】
<実施形態2:処理の流れ>
図8は、本実施形態の端末装置における処理の流れの一例を示したものである。すでに実施形態1(
図5)にて説明したものに付加した部分を重点的に説明する。はじめに、本端末装置が一以上の所有者属性情報を保持する所有者属性情報保持部を有することが前提となる。
【0063】
最初のステップとして、端末装置はプログラムを実行する(S0801)。次に、端末装置は実行されるプログラム上で利用可能なアイテムのデータであるアイテムデータを保持する(S0802)。続いて、端末装置は、保持されているアイテムデータを保持されている所有者属性情報とともにピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S0803)。一方、相手属性情報とともにアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信する(S0804)。次に、受信した相手属性情報を保持し、相手毎のアイテムデータの受信回数をカウントする(S0805)。最後に、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う。このとき、相手毎のアイテムデータの受信回数に応じて広告出力を制御する(S0806)。
【0064】
<実施形態2:効果> 本実施形態の端末装置は、アイテムデータの相手毎の受信回数に応じて広告出力を制御することにより、より販促効果の高い広告配信が可能となる効果を有する。つまり、広告の出力を受ける側においては、頻繁に対面する相手を経由した広告は、相手に対する関心や親密度に関連し、プラスの先入観を持った上で広告を閲覧することになる可能性が高いといえるが、特定の広告(例えば、特別な内容、あるいは、ボリュームが大きい)であったり、頻繁に広告配信されたりすることでより効果的な広告配信が可能となることが期待できる。
【0065】
<<実施形態3>>
<実施形態3:概要> 本実施形態は、アイテムデータが近距離無線通信を利用して対戦ゲームをした相手に対して出力するものである場合には、アイテムデータとともに出力する所有者属性情報を増加させることに特徴を有する端末装置である。
【0066】
図9は、本実施形態の端末装置の一例を示すものである。実施形態1および2に付加した部分を重点的に説明する。ここで、利用者Aは利用者Bとは対戦ゲームプログラムを実行し、近距離無線通信を利用してBにアイテムデータを出力する例を示した。一方、利用者Aは利用者Cとは対戦ゲームプログラムではなく、音楽再生プログラムの実行時に用いる音楽データを、アイテムデータとして出力する例を示した。
【0067】
今利用者Aは、所有者属性情報として、年齢、性別、職業、配偶関係などの複数のデータを保持している。本実施形態の端末装置においては、アイテムデータが対戦ゲームをした相手に対して出力するものである場合には、所有者属性情報を増加させることに特徴を有する。例えば、利用者Aは、利用者Cには所有者属性情報として「年齢」と、「性別」の2項目しか出力しないのに対して、利用者Bには「年齢」、「性別」、「趣味」の3項目を出力するなどが例示できる。利用者Aは、利用者Bとゲームをして長い時間を共有し、より親密な間柄であるといえるため、自分のことを多く相手に伝えるために、より多くの属性情報を出力するように構成するものである。
【0068】
<実施形態3:機能的構成>
図10は、本実施形態における端末装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図10に示す本実施形態の端末装置(1000)は、所有者属性情報保持部(1001)と、プログラム実行部(1002)と、アイテムデータ保持部(1003)と、出力部(1004)と、アイテムデータ受信部(1005)と、相手属性情報保持部(1006)と、広告出力部(1007)と、ネットワーク通信部(1008)と、とからなり、さらに、プログラム実行部(1002)は「対戦ゲームプログラム実行手段」(1009)を有し、出力部(1004)は「出力所有者属性情報増加手段」(1010)を有する。なお、端末装置、所有者属性情報保持部、プログラム実行部、アイテムデータ保持部、出力部、アイテムデータ受信部、相手属性情報保持部、広告出力部、ネットワーク通信部については、実施形態1(
図2)と同様なため、説明は省略する。また、さらに記載していないが、カウント部と、広告出力部に受信回数依存制御手段とを有する場合もある。その場合も、カウント部、受信回数依存制御手段については、実施形態2(
図7)と同様なため、説明は省略する。
【0069】
「対戦ゲームプログラム実行手段」(1009)は、対戦ゲームプログラムを実行する。対戦ゲームとは、他のプレーヤーとの対戦を行うことができるゲームの総称で、オセロ、将棋などの他、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、格闘ゲーム、スポーツゲームなどが例示できる。また、実行される対戦ゲームプログラム上で利用可能なアイテムデータとしては、ゲームのキャラクタや、ゲーム内でプレーヤーが入手できる道具などの他、お互いの攻撃自体もアイテムデータという場合がある。
【0070】
「出力所有者属性情報増加手段」(1010)は、前記アイテムデータがピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信を利用して対戦ゲームをした相手に対して出力するものである場合には、アイテムデータとともに出力する所有者属性情報を増加させる。実行されるプログラムが対戦ゲームである場合には、対戦ゲームプログラム実行手段(1009)からその旨の通知が行われるとしてもよい。その場合、出力する所有者属性情報を増加させる処理を行う。
【0071】
所有者属性情報は、所有者自身の属性に関する情報のことであり、具体的には、年齢、性別、職業、配偶関係、居住地、出生地、趣味、嗜好などが例示できる。出力する所有者属性情報の増加とは、前記具体例であげた項目について、通常よりもその項目数自体を増加して出力する場合の他、各項目の詳細を掘り下げて内容を増量して出力する場合(例えば、年齢の項目において、通常であれば年代を所有者属性情報とするところ、具体的年齢を所有者属性情報とするなど)もある。
【0072】
<実施形態3:ハードウェア構成> 本実施形態の端末装置のハードウェア構成については、
図4を用いて説明する。また、実施形態1、2に付加した部分を重点的に説明する。
【0073】
まず、利用者が入力デバイスを用いるなどして対戦ゲームプログラムの実行操作を行った場合には、CPU(0401)がRAM(0403)のワーク領域に展開された実行プログラムを実行する。例えば、実行プログラムは、HDD(0404)内に保持されているアイテムデータを検索して取得し、これを表示させるなどして利用する。
【0074】
また、対戦ゲームプログラムの実行に伴い、利用者がアイテムデータと所有者属性情報の出力操作を行った場合には、この操作をトリガとして、CPUがRAMのワーク領域に展開された、出力部での処理を実現するための出力プログラムを実行する。出力プログラムは、HDD内に保持されているアイテムデータと、所有者属性情報を取得すると、通信回路(0405)としてNFCを用いて近距離無線通信にて他の端末装置(0410)に対して出力する。このとき、出力先の端末装置が、相手属性情報から対戦ゲームをした相手であると判断できる場合には、所有者属性情報を増加させる処理を行う。具体的には、保持している所有者属性情報から、出力対象となる所有者属性情報を抽出する際に、その項目数を増加させたり、各項目の詳細な事項を選択したりして抽出することなどで実現する。また、所有者属性情報に、予め出力の優先順位を符号化して関連付けておき、その優先順位にしたがって出力対象となる所有者属性情報を抽出するなどしてもよい。
【0075】
<実施形態3:処理の流れ>
図11は、本実施形態の端末装置における処理の流れの一例を示したものである。すでに実施形態1(
図5)、実施形態2(
図8)にて説明したものに付加した部分を重点的に説明する。はじめに、本端末装置が一以上の所有者属性情報を保持する所有者属性情報保持部を有することが前提となる。
【0076】
最初のステップとして、端末装置は対戦ゲームプログラムを実行する(S1101)。次に、端末装置は実行されるプログラム上で利用可能なアイテムデータを保持する(S1102)。続いて、端末装置は、アイテムデータがピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信を利用して対戦ゲームをした相手に対して出力するものであるか判断する(S1103)。アイテムデータが対戦ゲームをした相手に対して出力するものであるとの判断結果の場合には、アイテムデータとともに出力する所有者属性情報を増加させ(S1104)、アイテムデータとともに、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S1105)。また、アイテムデータが対戦ゲームをした相手に対して出力するものではないとの判断結果の場合には、通常通りの所有者属性情報と、アイテムデータとを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S1105)。
【0077】
以下は同様に、他の端末装置から、相手属性情報とアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信して(S1106)、保持し(S1107)、最後に、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う(S1108)。
【0078】
<実施形態3:効果> 本実施形態の端末装置は、アイテムデータが対戦ゲームをした相手に対して出力するものである場合には、所有者情報を増加させることで、より親密に付き合う相手に対しては、自分の属性情報をより多く渡すことが可能となる。また、対戦ゲームは比較的長い時間実行する場合が多いことが予想されるが、共有時間が長い利用者の属性を用いた広告の配信が可能となり、より販促効果の高い広告配信が可能となる効果を有する。
【0079】
<<実施形態4>>
<実施形態4:概要> 本実施形態は、他の端末装置との近接回数に応じて所有者属性情報の出力を制御することに特徴を有する端末装置である。
【0080】
図12は、本実施形態の端末装置の一例を示すものである。実施形態1から3に付加した部分を重点的に説明する。ここで、利用者Aの端末装置が、利用者Bや利用者Cの端末装置と一定の距離範囲以内に近接したことを検知するとその回数をカウントする例を示した。このとき、利用者Bの端末装置との近接回数は5回であるのに対して、利用者Cの端末装置との近接回数は20回であるとする。本実施形態においては、この端末装置毎の近接回数に応じて、所有者属性情報の出力を制御することに特徴を有する。例えば、利用者Aは、利用者Bには所有者属性情報として「年齢」と、「性別」の2項目しか出力しないのに対して、利用者Cには「年齢」、「性別」、「趣味」の3項目を出力するなどが例示できる。
【0081】
<実施形態4:機能的構成>
図13は、本実施形態における端末装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図13に示す本実施形態の端末装置(1300)は、所有者属性情報保持部(1301)と、プログラム実行部(1302)と、アイテムデータ保持部(1303)と、出力部(1304)と、アイテムデータ受信部(1305)と、相手属性情報保持部(1306)と、広告出力部(1307)と、ネットワーク通信部(1308)と、さらに、「近接回数カウント部」(1309)からなり、出力部(1304)は「近接回数依存制御手段」(1310)を有する。なお、端末装置、所有者属性情報保持部、プログラム実行部、アイテムデータ保持部、出力部、アイテムデータ受信部、相手属性情報保持部、広告出力部、ネットワーク通信部については、実施形態1(
図2)と同様なため、説明は省略する。また、さらに記載していないが、カウント部と、広告出力部に受信回数依存制御手段とを有する場合もある。その場合も、カウント部、受信回数依存制御手段については、実施形態2(
図7)と同様なため、説明は省略する。また、同様に記載していないが、プログラム実行部に対戦ゲームプログラム実行手段を、出力部に出力所有者属性情報増加手段を有する場合もある。その場合も、対戦ゲームプログラム実行手段、出力所有者属性情報増加手段については、実施形態3(
図10)と同様なため、説明は省略する。
【0082】
「近接回数カウント部」(1309)は、他の端末装置との近接回数を端末装置毎にカウントする。端末装置毎の近接回数とは、アイテムデータや属性情報などの送受信の他、所定距離内に端末装置同士が接近した場合にも近接回数に含む場合がある。具体的には、アイテムデータ受信部(1305)では、アイテムデータと相手属性情報とを受信し、出力部(1304)からは所有者属性情報とアイテムデータを出力するが、このとき端末装置毎にその近接回数をカウントする。その他、データの送受信をしない場合であっても、端末装置が所定距離内に接近したことをセンサ等で検知するとその回数を近接回数としてカウントする場合もある。得られた近接回数のデータは、端末装置(端末装置の識別情報)と関連付けたテーブルとして、一旦保持しておく。
【0083】
「近接回数依存制御手段」(1310)は、他の端末装置毎にカウントされた近接回数に応じて所有者属性情報の出力を制御する。近接回数に応じた出力制御とは、例えば回数が増加するごとに段階的に出力制御を実行する場合もあるし、所定回数の閾値を設けておき、その閾値を境に出力制御を実行するかどうかを判断するとしてもよい。また、所有者属性情報の出力の制御には、全く所有者属性情報を出力しない場合も含まれる。
【0084】
所有者属性情報は、所有者自身の属性に関する情報のことであり、具体的には、年齢、性別、職業、配偶関係、居住地、出生地、趣味、嗜好などが例示できる。所有者属性情報の出力の制御とは、前記具体例であげた項目について、その項目数自体を増減させて出力する場合の他、各項目の概略にとどめる、あるいは、詳細まで掘り下げるなど内容に軽重をつけて出力する場合(例えば、年齢の項目において、年代を所有者属性情報とする、あるいは、具体的な年齢を所有者属性情報とするなど)もある。
【0085】
<実施形態4:ハードウェア構成> 本実施形態の端末装置のハードウェア構成については、
図4を用いて説明する。また、実施形態1から3に付加した部分を重点的に説明する。 本実施形態においては、ROM(0402)に実行プログラム等に加えて、近接回数カウントプログラムも記憶されており、本端末装置(0400)の立ち上げに伴い、RAM(0403)のワーク領域に展開する。
【0086】
まず、端末装置は、利用者の操作にしたがって、他の端末装置(0410)に対して、通信回路(0405)を介して近距離無線通信にて、所有者属性情報とアイテムデータを出力する。さらに、端末装置は、他の端末装置から出力される相手属性情報とアイテムデータを受信する。これらの操作が実行されたことをトリガとして、CPU(0401)はRAMのワーク領域に展開された、近接カウント部での処理を実現するための近接カウントプログラムを実行する。その他、図示していないがセンサにて他の端末装置が所定距離内に接近したことを検知した場合に、近接カウントプログラムが実行されることがある。
【0087】
近接カウントプログラムは、他の端末装置の識別情報等と、端末装置毎の近接回数を関連付けてテーブル化するなどしてRAM等に保持する処理を行う。その後近接カウントプログラムは、端末装置と近接するたびに、端末装置毎の近接回数をインクリメントする処理を行う。
【0088】
また、利用者がアイテムデータと所有者属性情報の出力操作を行った場合には、この操作をトリガとして、CPUがRAMのワーク領域に展開された、出力部での処理を実現するための出力プログラムを実行する。出力プログラムは、HDD(0404)内に保持されているアイテムデータと、所有者属性情報を取得すると、通信回路としてNFCを用いて近距離無線通信にて他の端末装置に対して出力する。このとき、端末装置毎にカウントされた近接回数に応じて所有者属性情報の出力を制御する処理を行う。具体的には、保持している所有者属性情報から、出力対象となる所有者属性情報を抽出する際に、テーブル化されて保持されている端末装置毎の近接回数を読みだして、近接回数が所定回数以上であった場合には、所有者属性情報の項目数を増加させたり、各項目の詳細な事項を選択して抽出したりすることなどで実現する。また、所有者属性情報に、予め出力の優先順位を符号化して関連付けておき、その優先順位にしたがって出力対象となる所有者属性情報を抽出するなどしてもよい。
【0089】
<実施形態4:処理の流れ>
図14は、本実施形態の端末装置における処理の流れの一例を示したものである。すでに実施形態1(
図5)、実施形態2(
図8)、実施形態3(
図11)にて説明したものに付加した部分を重点的に説明する。はじめに、本端末装置が一以上の所有者属性情報を保持する所有者属性情報保持部を有することが前提となる。
【0090】
最初のステップとして、端末装置はプログラムを実行する(S1401)。次に、端末装置は実行されるプログラム上で利用可能なアイテムのデータであるアイテムデータを保持する(S1402)。続いて、端末装置は、保持されているアイテムデータを保持されている所有者属性情報とともにピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S1403)。このとき、端末装置毎の近接回数に応じて所有者属性情報の出力を制御する。(また、アイテムデータと、所有者属性情報とを出力するために、他の端末装置と近接したことから、端末装置毎の近接回数をインクリメントする。)
【0091】
一方、相手属性情報とともにアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信する(S1404)。(このときも、アイテムデータと、相手属性情報とを受信するために、他の端末装置と近接したことから、端末装置毎の近接回数をインクリメントする。)次に、受信した相手属性情報を保持する(S1405)。続いて、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う(S1406)。また、センサなどで他の端末装置と近接したかどうか判断を行い(S1407)、近接したとの判断結果が得られた場合にはその近接回数を端末装置毎にカウントして(S1408)、処理を終了する。
【0092】
<実施形態4:効果> 本実施形態の端末装置は、他の端末装置との近接回数に応じて所有者属性情報の出力を制御することにより、多方面から所有者の属性情報を集め、より広範囲への広告配信を実行することが可能となる。
【0093】
<<実施形態5>>
<実施形態5:概要> 本実施形態は、SNSプログラムの実行によって保持されている友人関係情報に応じて所有者属性情報の出力を制御することに特徴を有する端末装置である。
【0094】
図15は、本実施形態の端末装置の一例を示すものである。実施形態1から4に付加した部分を重点的に説明する。ここで、利用者Aと利用者Cとは友人関係の間柄にあり、SNS(Social Networking Service)プログラムにおいて、友人関係情報に登録されているものとする。一方、利用者Aは利用者BとはSNSプログラムにおいて、特に友人関係情報に登録されていない例を示した。
【0095】
今利用者Aは、所有者属性情報として、年齢、性別、職業、配偶関係などの複数のデータを保持している。本実施形態の端末装置においては、SNSプログラムの実行によって保持されている友人関係情報に応じて、所有者属性情報の出力を制御することに特徴を有する。例えば、利用者Aは、利用者Bには所有者属性情報として「年齢」と、「性別」の2項目しか出力しないのに対して、利用者Cとは友人関係があるため、「年齢」、「性別」、「趣味」の3項目を出力するなどが例示できる。
【0096】
<実施形態5:機能的構成>
図16は、本実施形態における端末装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図16に示す本実施形態の端末装置(1600)は、所有者属性情報保持部(1601)と、プログラム実行部(1602)と、アイテムデータ保持部(1603)と、出力部(1604)と、アイテムデータ受信部(1605)と、相手属性情報保持部(1606)と、広告出力部(1607)と、ネットワーク通信部(1608)と、とからなり、さらに、プログラム実行部(1602)は「SNSプログラム実行手段」(1609)を有し、出力部(1604)は「SNS依存制御手段」(1610)を有する。なお、端末装置、所有者属性情報保持部、プログラム実行部、アイテムデータ保持部、出力部、アイテムデータ受信部、相手属性情報保持部、広告出力部、ネットワーク通信部については、実施形態1(
図2)と同様なため、説明は省略する。また、さらに記載していないが、カウント部と、広告出力部に受信回数依存制御手段を有する場合もある。その場合も、カウント部、受信回数依存制御手段については、実施形態2(
図7)と同様なため、説明は省略する。また、同様に記載していないが、プログラム実行部に対戦ゲームプログラム実行手段を、出力部に出力所有者属性情報増加手段を有する場合もある。その場合も、対戦ゲームプログラム実行手段、出力所有者属性情報増加手段については、実施形態3(
図10)と同様なため、説明は省略する。また、同様に記載していないが、近接カウント部と、出力部に近接回数依存制御手段を有する場合もある。その場合も、近接カウント部、近接回数依存制御手段については、実施形態4(
図13)と同様なため、説明は省略する。
【0097】
「SNSプログラム実行手段」(1609)は、友人関係情報を利用するSNSプログラムを実行する。SNSとは、オンライン上で社会的ネットワークを構築するサービスのことで、さらには人と人とのつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供するWebサイトのことをいう。SNSプログラムとは、SNSのWebサイト上で、趣味などテーマを決めて掲示板で交流できる機能や、新しくできた友人を、友人関係情報に登録する機能などを実現するためにその処理手順を順序立てて記述したものである。友人関係情報とは、利用者が相手にリクエストを出し、相手の承認を経ることで成立する友人関係を示すための情報である。また、友人関係情報には、友人の中でも、より親しい関係の友人であるとの関係づけを示す情報が含まれる場合がある。
【0098】
「SNS依存制御手段」(1610)は、SNSプログラムの実行によって保持されている友人関係情報に応じて所有者属性情報の出力を制御する。友人関係情報に応じた出力制御とは、例えば友人関係がある相手に対しては、所有者情報を増加させて出力し、より親しい関係の友人である場合には、所有者情報をさらに増加させて出力する制御を実行するなどが例示できる。
【0099】
所有者属性情報は、所有者自身の属性に関する情報のことであり、具体的には、年齢、性別、職業、配偶関係、居住地、出生地、趣味、嗜好などが例示できる。所有者属性情報の出力の制御とは、前記具体例であげた項目について、その項目数自体を増減させて出力する場合の他、各項目の概略にとどめる、あるいは、詳細まで掘り下げるなど内容に軽重をつけて出力する場合(例えば、年齢の項目において、年代を所有者属性情報とする、あるいは、具体的な年齢を所有者属性情報とするなど)もある。
【0100】
<実施形態5:ハードウェア構成> 本実施形態の端末装置のハードウェア構成については、
図4を用いて説明する。また、実施形態1から4に付加した部分を重点的に説明する。
【0101】
まず、利用者が入力デバイスを用いるなどしてSNSプログラムの実行操作を行った場合には、CPU(0401)がRAM(0403)のワーク領域に展開された実行プログラムを実行する。例えば、実行プログラムは、HDD内に保持されているアイテムデータを検索して取得し、これを表示させるなどして利用する。また、SNSプログラムの実行に伴い、RAM等に保持された友人関係情報の更新が行われる場合もある。
【0102】
また、利用者の操作をトリガとして、出力プログラムを実行した場合には、出力プログラムは、HDD(0404)内に保持されているアイテムデータと、所有者属性情報を取得すると、通信回路(0405)としてNFCを用いて近距離無線通信にて他の端末装置(0410)に対して出力する。このとき、保持している友人関係情報に基づいて、他の端末装置の所有者と友人関係にあると判断される場合には、その友人関係情報に応じた所有者属性情報の出力を制御する処理を行う。具体的には、出力対象となる所有者属性情報を抽出する際に、その項目数を増加させたり、各項目の詳細な事項を選択したりして抽出することなどで実現する。また、所有者属性情報に、予め出力の優先順位を符号化して関連付けておくなどしてもよい。
【0103】
<実施形態5:処理の流れ>
図17は、本実施形態の端末装置における処理の流れの一例を示したものである。すでに実施形態1(
図5)、実施形態2(
図8)、実施形態3(
図11)、実施形態4(
図14)にて説明したものに付加した部分を重点的に説明する。はじめに、本端末装置が一以上の所有者属性情報を保持する所有者属性情報保持部を有することが前提となる。
【0104】
最初のステップとして、端末装置はSNSプログラムを実行する(S1701)。次に、端末装置は実行されるプログラム上で利用可能なアイテムデータを保持する(S1702)。このとき、友人関係情報の更新、保持なども行う場合がある。続いて、端末装置は、SNSプログラムの実行によって保持されている友人関係情報に応じて所有者属性情報の出力を制御し、アイテムデータとともに、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S1703)。
【0105】
以下は同様に、他の端末装置から、相手属性情報とアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信して(S1704)、保持し(S1705)、最後に、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う(S1706)。
【0106】
<実施形態5:効果> 本実施形態の端末装置は、アイテムデータがSNSプログラムの実行によって保持されている友人関係情報に応じて所有者情報の出力を制御することで、真の友人に対しては、自分の属性情報をより多く渡すことが可能となる。すれ違い時など、不特定多数のユーザへの属性情報の出力を防止することができる。
【0107】
<<実施形態6>>
<実施形態6:概要> 本実施形態においては、端末装置の駆動プログラムと、それをダウンロードさせるプログラムサーバ装置に関して説明する。
【0108】
<実施形態6:プログラムサーバ装置の機能的構成>
図18は、本実施形態におけるプログラムサーバ装置の機能ブロックの一例を示したものである。
図18に示す本実施形態のプログラムサーバ装置(1800)は、「端末装置駆動プログラム保持部」(1801)と、「ダウンロード要求受信部」(1802)と、「ダウンロード部」(1803)と、からなる。
「プログラムサーバ装置」(1800)は、端末駆動プログラムを保持するサーバ装置であり、端末装置からの要求に応じて、端末駆動プログラムをダウンロードさせる処理を行う。
【0109】
「端末装置駆動プログラム保持部」(1801)は、端末装置駆動プログラムを保持する。端末装置駆動プログラムとは、端末装置が、他の端末装置間において、近距離無線通信にてアイテムデータと所有者の属性情報とを送受信可能とするためのプログラムである。詳細については後述する。
【0110】
「ダウンロード要求受信部」(1802)は、端末装置からの端末装置駆動プログラムダウンロード要求を受信する。
【0111】
「ダウンロード部」(1803)は、ダウンロード要求に応じて端末装置駆動プログラムをダウンロードさせる。プログラムサーバ装置は、ダウンロード要求に応じた端末装置駆動プログラムを、端末装置駆動プログラム保持部(1801)から取得し、端末装置にダウンロードさせる。
【0112】
端末装置駆動プログラムをダウンロードした端末装置においては、この端末装置駆動プログラムを実行することで、実施形態1から5で説明した端末装置の機能が実行可能となる。
【0113】
<実施形態6:端末装置駆動プログラム>
図19、20は、本実施形態のプログラムサーバ装置で保持する端末装置駆動プログラムにおける処理の流れを示したものである。はじめに、本駆動プログラムで端末装置を駆動するためには、端末装置が一以上の所有者属性情報を保持する所有者属性情報保持部を有することが前提となる。
【0114】
最初のステップとして、端末装置はプログラムを実行する(S1901)。次に、端末装置は実行されるプログラム上で利用可能なアイテムのデータであるアイテムデータを保持する(S1902)。最後に、端末装置は、保持されているアイテムデータを保持されている所有者属性情報とともにピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて出力する(S1903)。これらの処理ステップによって、端末装置を駆動するプログラムが構成される。
【0115】
さらに、
図20に示すステップを付加して端末装置の駆動プログラムを構成する場合もある。まず、相手属性情報とともにアイテムデータを、ピアツーピア無線通信を含む近距離無線通信にて受信する(S2001)。次に、受信した相手属性情報を保持する(S2002)。最後に、保持されている相手属性情報に基づいて広告を出力するための処理を行う(S2003)。