【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に係る光イメージング用プローブの実施例1を示す。
この光イメージング用プローブは、回転子11を駆動回転させる回転駆動源10と、回転子11の回転中心側に軸方向へわたって挿通され固定された管状回転軸23と、管状回転軸23に挿通されるとともにその前端側に光を入射可能な第1のシングルモード光ファイバ33と、第1のシングルモード光ファイバ33の後方側に回転不能に支持された第2のシングルモード光ファイバ34と、第1のシングルモード光ファイバ33と第2のシングルモード光ファイバ34との間に介在した隙間s及び光路矯正手段35c(
図5参照)と、管状回転軸23を回転可能に支持する軸受部材41,42と、第1のシングルモード光ファイバ33から前方へ放出される光を集束する光集束手段51と、光集束手段51の前側で第1のシングルモード光ファイバ33により導かれる光の方向を管状回転軸23の軸方向に対する交差方向へ変換する光路変換素子63とを備える。
【0019】
回転駆動源10は、回転自在な回転子11と、該回転子11の周囲を覆う電磁コイル12と、この電磁コイル12の周囲を覆う円筒状の前側ハウジング13(固定子)と、電磁コイル12への給電を行う基板14等を具備したインナーロータタイプの電動モータであり(
図1参照)、所定の回転数で連続回転するように制御されている。
【0020】
回転子11は、永久磁石を有する円筒状に構成され、電磁コイル12との間の磁気作用によって連続回転する。
【0021】
電磁コイル12は、回転子11の外周面に対し所定のクリアランスを置いて略円筒状に設けられ、前側ハウジング13(固定子)の内周面に回転不能に固定されている。
【0022】
基板14は、電磁コイル12の後端面に略環状に固定されており、給電配線14aから供給される制御電流を電磁コイル12へ供給する。
給電配線14aは、後述する軸受部材41,接続部材86及びホルダー84に形成された切欠状の貫通部14bを通って後方へ導かれ、さらに長尺円筒状のシース70内を通って、OCT装置内の制御回路に接続される。なお、貫通部14bは貫通孔とすることも可能である。
【0023】
前側ハウジング13(固定子)は、磁性材料(例えばパーマロイ等)から円筒状に形成され、電磁コイル12によって生じる電磁力を強めるように作用する。
この前側ハウジング13の前端側と後端側には、軸受部材41,42が支持される。また、前側ハウジング13及び軸受部材41の後端側には、接続部材86を介して、前側ハウジング13と略同径で筒状の後側ハウジング82が接続され、この後側ハウジング82の最後端部にはシース70が接続される。
【0024】
接続部材86は、前側ハウジング13及び軸受部材41の後端側を、後側ハウジング82に接続している。この接続部材86は、軸心側に管状回転軸23を回転可能に挿通するとともに外周側の切欠に給電配線14aを挿通した略円柱状の部材であり、外周面から径外方向へ突出する縁部86aを円筒状の前側ハウジング13と後側ハウジング82の間に挟み且つ後側ハウジング82の内周面の内周面に嵌合することで回転不能に固定される。
【0025】
後側ハウジング82は、接続部材86の後部側の外周面に嵌め合せられた略円筒状の部材であり、その後端側の長尺円筒状のシース70に連通している。
【0026】
また、管状回転軸23は、金属等の硬質材料からなる長尺円筒状の部材であり、回転子11の回転中心側に挿通されて固定されるとともに、その前後端側の部分を、それぞれ、回転子11の軸方向端面から突出させている。
この管状回転軸23の後端側は、後側の軸受部材41により回転自在に支持され、同管状回転軸23の前端側は、前側の軸受部材42により回転自在に支持されるとともに軸受部材42よりも前方へ突出している。
そして、この管状回転軸23内には、その前側に第1のシングルモード光ファイバ33が挿入され固定され、後側には第1の光路矯正手段35aが挿入され固定されている。
【0027】
軸受部材41,42は、それぞれ、周方向の複数箇所で局部的に高い潤滑膜圧力を発生させる動圧軸受を構成している。
各軸受部材41,42は、例えば、青銅や焼結金属等、耐摩耗性の良好な硬質材料から略円筒状に形成され、その内周側に、潤滑油を介在して、管状回転軸23を挿通するとともに回転自在に支持している。
各軸受部材41,42の内周面には、
図3に示すように、周方向に所定間隔を置いて、軸方向へわたる複数の溝41aが形成される。各溝41aは、軸受部材41,42の軸方向の一端から他端まで連続している。
【0028】
複数の溝41aは、各軸受部材41,42と管状回転軸23の間に介在する潤滑油膜の圧力(潤滑膜圧力と称する)を、周方向へ分散するように作用する。
すなわち、仮に、溝41aのない真円の軸受部材を用いた場合には、
図8に示すように、該軸受部材の内周面において、周方向の一部分に潤滑膜圧力pが偏って局部的に高くなり、これに起因して、ジッター(回転角度が変動する現象)や、面倒れ(回転軸端面が傾く現象)、ホワール(回転軸が振れ回る現象)と呼称される回転ムラや軸振れ等を生じ易い。
しかしながら、本実施の形態の軸受部材41,42によれば、
図7に示すように、潤滑膜圧力pは、周方向において溝41aに対応する複数箇所に分散され、各溝41aの近傍で高くなる。このため、ジッターや面倒れ、ホワール等の発生を著しく軽減することができる。
【0029】
なお、
図7は、本発明に係る軸受構造を模式的に示すものであり、周方向に隣り合う溝41a,41aの深さが異なっているが、本実施の形態の好ましい一例では、複数の溝41aの深さを同一に設定している。これら溝41aの深さや幅、本数は、ジッターや面倒れ、ホワール等の発生を効果的に低減するように適宜に設定される。図示例の軸受部材41は、好ましい一例として、溝41aの数を等間隔置きに四つとしているが、他の好ましい一例としては、等間隔置きに八つとしてもよい。
本実施の形態の一例によれば、軸受内径又は軸外形寸法は0.3mm〜1.0mm程度であり、半径方向の隙間は1マイクロメータ〜3マイクロメータの範囲に設計している。
また、本実施の形態の一例によれば、溝41aは、軸の回転方向が正逆のいずれの方向の場合にも同様の性能を出す目的により軸と平行に(即ち潤滑流体が回転流動する方向に対しては90度の角度に)設けているが、回転方向が一方向に既定される場合には軸に対して適宜角度を設けてもよく、いずれも良好な性能を得ることができる。
また、本願発明者による実験結果では、溝41aを4本〜16本の範囲とし、その深さを1マイクロメータ〜数マイクロメータの範囲に設計する事で好ましい性能を得ており、これら範囲を外れる場合には回転振れや振れ回りが生じて光学的性能を劣化させてしまう危険性が生じる事を確認している。
【0030】
後側の軸受部材41は、前側ハウジング13の内周面に嵌め合わされ、その軸心側に、管状回転軸23を挿通して回転自在に支持し、後部側の外周面に接続部材86を嵌合している。
また、前側の軸受部材42は、前側ハウジング13の前端側の内周面に嵌め合わされ、その軸心側に、管状回転軸23を挿通して回転自在に支持している。
【0031】
また、第1のシングルモード光ファイバ33は、中心側のコアとその外周を覆うクラッドとからなる。この第1のシングルモード光ファイバ33は、管状回転軸23よりも若干短く形成され、その前端を管状回転軸23の前端と略面一にして、管状回転軸23内の前寄りに挿通される。この第1のシングルモード光ファイバ33は、その外周面を、軸方向の略全長及び略全周にわたって、管状回転軸23の内周面に接触しており、管状回転軸23と一体的に回転する。
【0032】
第2のシングルモード光ファイバ34は、光路矯正手段35及び隙間sを間において、第1のシングルモード光ファイバ33の後方側に同軸状に配設されるとともに、回転不能に支持されている。
この第2のシングルモード光ファイバ34は、第1のシングルモード光ファイバ33同様に、中心側のコアとその外周を覆うクラッドとからなり、前端側の一部分を除く後部側は保護被覆34aによって覆われる。この第2のシングルモード光ファイバ34の後部側は、シース70内に挿通されてOCT装置に接続されている。
【0033】
光路矯正手段35は、一方のシングルモード光ファイバ33(又は34)から伝達される光を、拡大しコリメート化して隙間sに通過させた後、集束して、他方のシングルモード光ファイバ34(又は33)へ導くように構成される。
図4に示す一例について、詳細に説明すれば、この光路矯正手段35は、第1のシングルモード光ファイバ33に接続された第1の光路矯正手段35aと、第2のシングルモード光ファイバ34に接続された第2の光路矯正手段35bとからなるとともに、これら二つの光路矯正手段35a,35bの間に前記隙間sを有する。
【0034】
第1の光路矯正手段35aは、第1のシングルモード光ファイバ33から後方へ導かれる光を拡大しコリメート化するグレーデッドインデックス光ファイバである。
この第1の光路矯正手段35aは、その後端部が管状回転軸23の後端部と略面一になるように、管状回転軸23の後端側に挿入され、管状回転軸23内で第1のシングルモード光ファイバ33の後端部に同軸状に接続される。
第1の光路矯正手段35aを第1のシングルモード光ファイバ33に接続する手段は溶着とすればよいが、他例としては、これら第1の光路矯正手段35aと第1のシングルモード光ファイバ33を軸方向に圧接した構成とすることも可能である。
【0035】
また、第2の光路矯正手段35bは、第2のシングルモード光ファイバ34から前方へ出射される光を拡大しコリメート化するグレーデッドインデックス光ファイバである。
第2の光路矯正手段35bを第2のシングルモード光ファイバ34に接続する手段は溶着とすればよいが、他例としては、これら第2の光路矯正手段35bと第2のシングルモード光ファイバ34を軸方向に圧接した構成とすることも可能である。
【0036】
第1及び第2の光路矯正手段35a,35bとして用いるグレーデッドインデックス光ファイバは、第1又は第2のシングルモード光ファイバ33,34から出射される光を拡大し略平行な比較的太い光にするように適宜な長さに形成され、例えば、コア内を伝播する光の蛇行周囲の4分の1、あるいはその奇数倍に相当する長さに形成される。
なお、第1及び第2の光路矯正手段35a,35bの他例としては、GRINレンズ(屈折率分布レンズ)や、他のレンズ等とすることも可能である。
【0037】
第2の光路矯正手段35bは、筒状保持部材83及びホルダー84を介して、後側ハウジング82の内周面に対し、回転不能に固定される(
図1参照)。
【0038】
筒状保持部材83は、第2の光路矯正手段35bを全長にわたって覆うとともに第2のシングルモード光ファイバ34の前端部を挿入する円筒状の部材である。
この筒状保持部材83の内周面は、第2の光路矯正手段35bの外周面に接触し、第2の光路矯正手段35bを回転不能に保持している(
図1参照)。
【0039】
ホルダー84は、外周側の一部分に給電配線14aを通過させる切欠を有する筒状の部材であり、その中心部の前側に筒状保持部材83を挿通し固定するとともに、その後側には第2のシングルモード光ファイバ34の保護被覆34aを挿通し固定している(
図1参照)。
【0040】
前記のようにして、第1の光路矯正手段35aと第2の光路矯正手段35bとの間には、隙間sが確保されるため、第1の光路矯正手段35aは、自在に回転することが可能である。
隙間sの幅寸法は、第1の光路矯正手段35aと第2の光路矯正手段35bの間で、光の伝達が効率的に行われるように適宜に設定される。
【0041】
なお、
図1中、符号85は、管状回転軸23の後端側の外周面に固定された位置決め部材である。この位置決め部材85は、後側の軸受部材41とホルダー84の間に位置し、管状回転軸23の前方への移動を軸受部材41との当接により規制し、同管状回転軸23の後方への移動をホルダー84との当接により規制する。
【0042】
そして、管状回転軸23における前側の軸受部材41から前方へ突出した部分には、支持ブラケット64を介して光集束手段51が同軸状に固定され、さらに光集束手段51の前端には光路変換素子63が同軸状に固定される(
図1参照)。
【0043】
支持ブラケット64は、管状回転軸23の前端側に略同軸状に接続された円筒状の部材であり、その後端側に管状回転軸23の前端を挿入し固定するとともに、前端側には、後述する光集束手段51の後端を挿入し固定している。
【0044】
光集束手段51は、光路変換素子63と第1のシングルモード光ファイバ33の前端との間に位置するとともに、第1のシングルモード光ファイバ33から前方へ隙間を置いて配置され(
図1参照)、第1のシングルモード光ファイバ33から前方へ放出される光を集束する。
この光集束手段51は、図示例によれば、略円柱状のGRINレンズ(屈折率分布レンズ)としているが、他例としては、適宜長さのグレーデッドインデックス光ファイバや、円柱以外の形状のレンズ等に置換することが可能である。
【0045】
光路変換素子63は、第1のシングルモード光ファイバ33に導かれて前方へ放出され光集束手段51によって集束された光の方向を、第1のシングルモード光ファイバ33の軸方向に対する交差方向へ変換するプリズムである。図示例によれば、この光路変換素子63から放出される光は、直交方向よりも若干前方に傾いた方向へ導かれる(
図1の2点鎖線参照)。
【0046】
次に上述した
図1の光イメージング用プローブについて、その特徴的な作用効果を詳細に説明する。
先ず、給電配線14aにより回転駆動源10へ電力が供給されると、回転駆動源10は、回転子11、管状回転軸23、第1のシングルモード光ファイバ33、第1の光路矯正手段35a、支持ブラケット64、光集束手段51及び光路変換素子63等を、連続的に高速回転する。この際の回転速度は、0〜3600rpmの範囲内で調整可能であり、好ましくは軸受部分において管状回転軸23が潤滑油中に浮揚するように、400rpm以上3600rpm以内に設定され、特に好ましい本実施の形態によれば約1800rpmに設定される。
【0047】
そして、OCT装置から第2のシングルモード光ファイバ34の基端部に光(詳細には近赤外線光)が供給されると、該光は、第2のシングルモード光ファイバ34内を通り、該第2のシングルモード光ファイバ34前端から第2の光路矯正手段35bに伝達され、該第2の光路矯正手段35bから隙間sを介して第1の光路矯正手段35aに伝達され、さらに第1の光路矯正手段35aから第1のシングルモード光ファイバ33へ伝達される。
この光の伝達について詳細に説明すれば、第2のシングルモード光ファイバ34から第2の光路矯正手段35bに伝達された光は、第2の光路矯正手段35b内で拡大されコリメート化されることで、比較的太い略平行な光束となって隙間sを通過し、第1の光路矯正手段35aの後端に入射される。そして、入射された光は、第1の光路矯正手段35a内で集束されて第1のシングルモード光ファイバ33に伝達される。
【0048】
そして、第1のシングルモード光ファイバ33内を前方へ進んだ光は、第1のシングルモード光ファイバ33の前端から前方へ放出され、光集束手段51に入射し、光集束手段51内で集束されて光路変換素子63に伝達し、光路変換素子63によって交差方向へ方向変換されて被検体に照射される。
また、被検体により反射した光は、前記と逆の経路を通り、先ず光路変換素子63に入射して方向変換された後、光集束手段51、第1のシングルモード光ファイバ33、第1の光路矯正手段35a、第2の光路矯正手段35b、第2のシングルモード光ファイバ34により後方へ伝達されてOCT装置に戻される。OCT装置は、戻された反射光を解析して、当該光イメージング用プローブの前端側の周囲360度の範囲をリアルタイムに画像化する。
【0049】
前記のようにして、光路変換素子63等を回転させる際、従来のフレキシブルシャフト等を介することなく、回転子11の回転力が、剛体である管状回転軸23を介して光路変換素子63に伝達されるため、回転伝達遅れやトルク損失等の発生を軽減することができる。しかも、軸受部材41,42によって、周方向の複数箇所で局部的に高い潤滑膜圧力を発生させる動圧軸受を構成しているため、軸受部分の潤滑油膜圧を周方向に分散して、回転部分の回転ムラや軸振れ等を軽減することができる。
その上、仮に若干の軸振れ等が生じたとしても、第1の光路矯正手段35aと第2の光路矯正手段35bの間では、光が拡大されコリメート化されて伝達されるため、光の伝達損失を低減することができる。
よって、これらの結果として、安定した観察画像を得ることができる。
また、光路変換素子63よりも前方側に、回転駆動源等の主要な構成を配置しない構造としているため、給電配線14aの取り回しを簡素化できる上、給電配線14aによってプローブ周方向の撮像範囲が制限されたり、前方への移動が制限されたり等するのを防ぐことができる。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明に係る光イメージング用プローブの実施例2について説明する(
図2参照)。
【0051】
図2に示す光イメージング用プローブは、
図1に示す光イメージング用プローブに対し、回転駆動源10外径を、支持ブラケット64の外径と略同径になるように小さくしたものであり、基本的な構造は
図1のものと同一である。
図2中、符号24は、
図1のものより細く形成された管状回転軸23を支持ブラケット64に接続するための環状スペーサである。
また、
図2では、給電配線の図示を省略しているが、給電配線は、周方向に約90度ずれた位置を通っており、
図2のものと同様に切欠およびシース70内を通って、基板14からOCT装置へわたっている。
【0052】
よって、
図2に示す光イメージング用プローブによれば、
図1のものと同様に、光路変換素子63等を回転させる際、従来のフレキシブルシャフト等を介することなく、回転子11の回転力が、剛体である管状回転軸23を介して光路変換素子63に伝達されるため、回転伝達遅れやトルク損失等の発生を軽減することができる。しかも、軸受部材41,42によって、周方向の複数箇所で局部的に高い潤滑膜圧力を発生させる動圧軸受を構成しているため、軸受部分の潤滑油膜圧を周方向に分散して、回転部分の回転ムラや軸振れ等を軽減することができる。
その上、仮に若干の軸振れ等が生じたとしても、第1の光路矯正手段35aと第2の光路矯正手段35bの間では、光が拡大されコリメート化されて伝達されるため、光の伝達損失を低減することができる。
よって、これらの結果として、安定した観察画像を得ることができる。
また、光路変換素子63よりも前方側に、回転駆動源等の主要な構成を配置しない構造としているため、給電配線の取り回しを簡素化できる上、給電配線によってプローブ周方向の撮像範囲が制限されたり、前方への移動が制限されたり等するのを防ぐことができる。
【0053】
なお、
図1及び
図2に示す光イメージング用プローブは、第1のシングルモード光ファイバ33と第2のシングルモード光ファイバ34の好ましい接続構造として、二つの光路矯正手段35a,35bを具備した構成としたが、他例としては、
図5や
図6に示す態様のように単一の光路矯正手段35cを具備した構成とすることも可能である。
詳細に説明すれば、
図5に示す態様では、第1のシングルモード光ファイバ33と第2のシングルモード光ファイバ34の間に、単一の光路矯正手段35cを配置し、この光路矯正手段35cと第1のシングルモード光ファイバ33の間、および同光路矯正手段35cと第2のシングルモード光ファイバ34の間に、それぞれ隙間sを設けている。
また、
図6に示す態様では、第1のシングルモード光ファイバ33と第2のシングルモード光ファイバ34の間に、単一の光路矯正手段35cを配置し、この光路矯正手段35cと第1のシングルモード光ファイバ33の間に隙間sを設け、および同光路矯正手段35cと第2のシングルモード光ファイバ34を接触させて接続している。
図5及び
図6に示す態様において、光路矯正手段35cの長さや、隙間sの幅寸法は、光路矯正手段35から放出される光を拡径しコリメート化して、芯振れを生じた場合の光の伝達損失を軽減するように適宜に設定される。
【0054】
また、
図1〜
図2に示す光イメージング用プローブでは、軸受部材41,42として、周方向に間隔を置いて複数の溝41aを有する動圧軸受(非真円動圧軸受や多円弧軸受と呼称される場合もある)を用いたが、この軸受部材41,42は、周方向の複数箇所で局部的に高い潤滑膜圧力を発生させる動圧軸受であればよく、例えば、軸側に周方向に間隔を置いた複数の溝を有する態様や、周方向に分割された複数の円弧状部材を略円筒状に組み合わせてなる態様(セグメント軸受と称する場合もある)や、その他の動圧軸受を用いることが可能である。ただし、この軸受部材41,42に、真円軸受は含まないものとする。
【0055】
また、
図1〜
図2に示す光イメージング用プローブでは、前後の軸受部材41,42の双方を前記動圧軸受として構成したが、他例としては、その何れか一方のみを前記動圧軸受として構成し、他方を真円軸受を含む他の軸受により構成することも可能である。この場合、芯ずれを軽減する観点より、光路矯正手段35寄り側の軸受部材41を前記動圧軸受とするのが好ましい。
【0056】
また、
図1〜
図2に示す光イメージング用プローブでは、好ましい態様として、管状回転軸23両側を軸受部材41,42によって支持するようにしたが、他例としては、管状回転軸23の片側を、一方の軸受部材41(又は42)のみによって片持ち梁状に支持することも可能である。この場合、芯ずれを軽減する観点より、光路矯正手段35寄り側の軸受部材41を支持するのが好ましい。
【0057】
また、
図1〜
図2に示す光イメージング用プローブは、特に、高速で連続回転させた場合に軸振れや光伝達損失を軽減する効果を顕著に有するが、他例としては、この光イメージング用プローブを、低速回転や断続回転で用いることも可能である。
【0058】
また、
図1〜
図2に示す光イメージング用プローブでは、当該光イメージング用プローブの前端側から放出される光を被検体に反射させ、その反射光を取り込んでOCT装置へ伝達する構成(双方通行の構成)としたが、他例としては、当該光イメージング用プローブとは別体の光源による反射光を取り込んでOCT装置へ伝達する構成(一方通行の構成)とすることも可能である。
【0059】
なお、本実施の形態に適用できる軸受構造は適用設計範囲が存在する。すなわち、低回転損失で軽く回転する事が不可欠であり、むやみに高粘度な潤滑流体を用いたり、極度に高剛性な軸受設計を行うとモータの出力が不足し、モータの角速度精度を損ねてジッターを増大する場合がある。その逆に、動圧軸受は、極度に低剛性に設計すると400rpmの回転数でも動圧の発生が不足し軸振れが多くて性能を損ねる場合がある。また、この様な低剛性な軸受は、回転数が3600rpmを超えると回転ユニットから生じる遠心力(回転数の2乗に比例して増加)によっても振れが多くなり性能を損ねるおそれがある。
本願発明者は、回転速度を400rpm以上3600rpm以内に設定することで光学機器として良好な性能を得る事を実験的に確認している。