特許第6249404号(P6249404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249404
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】液体消臭除菌剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 33/12 20060101AFI20171211BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 3/06 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20171211BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20171211BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20171211BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20171211BHJP
   D06M 13/463 20060101ALN20171211BHJP
   D06M 13/388 20060101ALN20171211BHJP
   D06M 13/192 20060101ALN20171211BHJP
   D06M 13/292 20060101ALN20171211BHJP
   D06M 13/368 20060101ALN20171211BHJP
【FI】
   A01N33/12 101
   C11D1/62
   C11D1/75
   C11D3/30
   C11D3/06
   C11D3/20
   C11D17/08
   A01N25/02
   A01P3/00
   !D06M13/463
   !D06M13/388
   !D06M13/192
   !D06M13/292
   !D06M13/368
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-46074(P2014-46074)
(22)【出願日】2014年3月10日
(65)【公開番号】特開2015-168659(P2015-168659A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】鍬農 陽一
(72)【発明者】
【氏名】笹田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】西村 弘
【審査官】 斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−153788(JP,A)
【文献】 特開2007−209464(JP,A)
【文献】 特開2009−263812(JP,A)
【文献】 特開2001−070423(JP,A)
【文献】 特開2007−077545(JP,A)
【文献】 特開2006−102477(JP,A)
【文献】 特開2013−057026(JP,A)
【文献】 特開2012−036179(JP,A)
【文献】 特開2005−187491(JP,A)
【文献】 特開平02−207006(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N25/00−65/48
C11D1/62,1/75
D06M13/388,13/463
A61L9/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分、下記(b)成分、下記(c)成分、下記(d)成分、及び水を含有し、(a)成分/(b)成分が質量比で0.1以上、10以下、(b)成分/(c)成分が質量比で0.1以上、10以下であり、(a)成分と(b)成分を合計で0.1質量%以上、1.0質量%以下含有し、(d)成分を酸型に換算して0.01質量%以上、1.0質量%以下含有する、液体消臭除菌剤組成物。
(a)成分:下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム化合物
(b)成分:下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム化合物
(c)成分:下記一般式(3)で表されるアミンオキサイド及び下記一般式(4)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上の化合物
(d)カルボン酸基を2つ以上、4つ以下有する、酸型の分子量が500以下であるポリカルボン酸又はその塩
【化1】

(式中、R1は炭素数8の炭化水素基であり、R2、R3は、それぞれ、炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R4は炭素数1以上、3以下のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基である。)
【化2】

(式中、R5、R6は、それぞれ、炭素数8以上、12以下の炭化水素基であり、R7、R8は、それぞれ、炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
【化3】

(式中、R9は炭素数7以上、22以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R10は炭素数1以上、22以下のアルキル基又は炭素数3以上、22以下のアルケニル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、R11は炭素数1以上、3以下のアルキル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、R12は炭素数1以上、5以下のアルキレン基である。Yは−CONR13−、−NR13CO−、−COO−又は−OCO−である。ここで、R13は水素原子又は炭素数1以上、3以下のアルキル基である。)
【請求項2】
更に(e)成分として下記一般式(5)の化合物を0.1質量%以上、1.0質量%以下含有する請求項1記載の液体消臭除菌剤組成物。
【化4】

(式中、17は水素原子、炭素数1以上、5以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示し、R14は水素原子、炭素数1以上、12以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示し、R15、R16は、それぞれ、炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示す。)
【請求項3】
更に(f)成分としてアルカリ金属リン酸塩を0.1質量%以上、1.0質量%以下含有する請求項1又は2記載の液体消臭除菌剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体消臭除菌剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯習慣の変化により、着用した衣料はその都度洗濯することが一般的になっているが、スーツや制服、セーター等の衣料は一般家庭では洗濯が難しく、洗濯回数も一般の衣料に比べて格段に少ない。また、ジーパンや肌に直接触れていない衣類は着てもすぐに洗わないという洗濯習慣が増えている。このため、体臭、たばこ臭、焼き肉等の調理臭が付着し不快感を生じさせ、梅雨時などは菌由来の生乾き臭なども感じやすい。また、絨毯、玄関マット、カーテン、ソファー等の繊維製品も同様に洗濯することが難しく、部分的な汚れに由来する不快臭及び菌など衛生面の問題がある。
【0003】
従来技術として、水性組成物を対象物に接触させ、水分の乾燥とともに悪臭成分を除去する試みが行われている(特許文献1)。また、水溶性シクロデキストリンを配合する試みが行われている(特許文献2、3、4)。また特許文献5には、複合臭に対して効果的な性能を有する消臭剤組成物が開示されている。特許文献6には、ポリヒドロキシアミン化合物、第4級アンモニウム型抗菌剤、アミンオキシド及び非イオン界面活性剤を含有する消臭剤が記載されている。特許文献7の実施例には、複数の四級アンモニウム塩を用いる殺菌剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表平10−503958号公報
【特許文献2】特表平10−503952号公報
【特許文献3】特表平10−503953号公報
【特許文献4】特表平10−505257号公報
【特許文献5】特開2000−325454号公報
【特許文献6】特開2007−209464号公報
【特許文献7】英国特許出願公開第2122900号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、除菌効果に優れ、高い消臭性能を有する、液体消臭除菌剤組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記(a)成分、下記(b)成分、下記(c)成分、下記(d)成分、及び水を含有し、(a)成分/(b)成分が質量比で0.1以上、10以下、(b)成分/(c)成分が質量比で0.1以上、10以下であり、(a)成分と(b)成分を合計で0.1質量%以上、1.0質量%以下含有し、(d)成分を酸型に換算して0.01質量%以上、1.0質量%以下含有する、液体消臭除菌剤組成物に関する。
(a)成分:下記一般式(1)で表される第4級アンモニウム化合物
(b)成分:下記一般式(2)で表される第4級アンモニウム化合物
(c)成分:下記一般式(3)で表されるアミンオキサイド及び下記一般式(4)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上の化合物
(d)カルボン酸基を2つ以上、4つ以下有する、酸型の分子量が500以下であるポリカルボン酸又はその塩
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、R1は炭素数8の炭化水素基であり、R2、R3は、それぞれ、炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R4は炭素数1以上、3以下のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基である。)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、R5、R6は、それぞれ、炭素数8以上、12以下の炭化水素基であり、R7、R8は、それぞれ、炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。)
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、R9は炭素数7以上、22以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R10は炭素数1以上、22以下のアルキル基又は炭素数3以上、22以下のアルケニル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、R11は炭素数1以上、3以下のアルキル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、R12は炭素数1以上、5以下のアルキレン基である。Yは−CONR13−、−NR13CO−、−COO−又は−OCO−である。ここで、R13は水素原子又は炭素数1以上、3以下のアルキル基である。)
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、除菌効果に優れ、高い消臭性能を有する、液体消臭除菌剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者は、消臭の対象となる臭いの殆どは複合臭であり、アポクリン汗の皮膚表面細菌による分解物、衣類の生乾き臭、ピリジン等のアミン系悪臭や脂肪酸等の酸系悪臭成分等の様々な物質からなり、衣類などの繊維製品に生じる悪臭として特に影響が高い物質が菌由来の成分であることを突き止めた。
本発明では、(a)〜(d)成分を所定条件で組み合わせることで、高い除菌効果を有し、菌由来の臭いを抑制し、様々な悪臭成分に対して効果的な液体消臭除菌剤組成物が得られる。
【0015】
<(a)成分>
(a)成分は、前記一般式(1)で表される第4級アンモニウム化合物である。式(1)中、R1は、炭素数8の炭化水素基であり、好ましくは炭素数8のアルキル基又は炭素数8のアルケニル基であり、より好ましくは直鎖の炭素数8のアルキル基である。また、R2、R3は、それぞれ、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であり、好ましくはメチル基である。R4は、炭素数1以上、3以下のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基であり、好ましくはメチレン基である。
【0016】
<(b)成分>
(b)成分は、前記一般式(2)で表される第4級アンモニウム化合物である。式(2)中、R5、R6は、それぞれ、炭素数8以上、12以下の炭化水素基であり、好ましくは炭素数10の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数10のアルキル基又は炭素数10のアルケニル基であり、更に好ましくは直鎖の炭素数10のアルキル基である。また、R7、R8は、それぞれ、炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、好ましくはメチル基である。
【0017】
<(c)成分>
(c)成分は、前記一般式(3)で表されるアミンオキサイド及び前記一般式(4)で表されるアミンオキシドから選ばれる1種以上の化合物である。
【0018】
式(3)又は(4)中、R9は炭素数7以上、22以下のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは炭素数7以上、22以下の直鎖のアルキル基であり、好ましくは炭素数9以上、より好ましくは11以上、そして好ましくは炭素数18以下、より好ましくは16以下の直鎖のアルキル基である。
【0019】
また、式(3)又は(4)中、R10は炭素数1以上、22以下のアルキル基又は炭素数3以上、22以下のアルケニル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、好ましくは炭素数1以上、3以下のアルキル基、より好ましくはメチル基である。
【0020】
また、式(3)又は(4)中、R11は炭素数1以上、3以下のアルキル基、炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基又はベンジル基であり、好ましくは炭素数1以上、3以下のアルキル基、より好ましくはメチル基である。
【0021】
式(3)の更に好ましい構造は、以下構造1又は2である。
構造1:R9が炭素数12以上、16以下の直鎖のアルキル基であって、R10及びR11が、独立して、メチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはR10及びR11の両方がメチル基である化合物
構造2:R9及びR10が独立して、炭素数10以上、16以下の直鎖のアルキル基であって、R11がメチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはR11がメチル基である化合物
【0022】
また、式(4)中、R12は炭素数1以上、5以下のアルキレン基であり、好ましくは炭素数1以上、4以下のアルキレン基、より好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。
【0023】
また、式(4)中、Yは−CONR13−、−NR13CO−、−COO−又は−OCO−であり、好ましくは−CONR13−である。ここで、R13は水素原子又は炭素数1以上、3以下のアルキル基である。
【0024】
式(4)の更に好ましい構造は、以下の構造3である。
構造3:R9が炭素数9以上、16以下の直鎖のアルキル基、好ましくは炭素数11の直鎖アルキル基であって、Yが−CONR13−であり、R13が水素原子であり、R12がプロピレン基であり、R10及びR11の両方がメチル基である化合物
【0025】
<(d)成分>
(d)成分は、カルボン酸基を2つ以上、4つ以下有する、酸型の分子量が500以下であるポリカルボン酸又はその塩である。
【0026】
(d)成分は、カルボン酸基を2つ以上、4つ以下、好ましくは3つ有する。また、(d)成分の分子量は、本発明では酸型、且つ結晶水を持たない構造での分子量を指し、好ましくは400以下、より好ましくは300以下であり、好ましくは100以上、より好ましくは150以上である。(d)成分としては、クエン酸(分子量192.12)、酒石酸(分子量150.09)、エチレンジアミン四酢酸(分子量292.24、EDTAという場合もある)、メチルグリシン二酢酸(分子量147.13、MGDAという場合もある)及びこれらの塩から選ばれる1種以上のポリカルボン酸又はその塩が挙げられる。塩はアルカリ金属塩が好ましい。(d)成分は、好ましくはクエン酸又はその塩である。ポリカルボン酸の塩は、好ましくはクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウムが挙げられる。
【0027】
<その他の成分、組成等>
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、除菌効果の観点から、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の質量比が、(a)成分/(b)成分で0.1以上、10以下である。この質量比は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上であり、そして、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。
【0028】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、液外観安定性の観点から、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量の質量比が、(b)成分/(c)成分で0.1以上、10以下である。この質量比は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であり、そして、好ましくは5以下、より好ましくは1以下である。
【0029】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、除菌効果の観点から、(a)成分と(b)成分を合計で0.1質量%以上、1.0質量%以下含有する。本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(a)成分と(b)成分を合計で、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下含有する。
【0030】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、消臭効果の観点から、(d)成分を酸型に換算して0.01質量%以上、1.0質量%以下含有する。本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(d)成分を酸型に換算して好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下含有する。
【0031】
上記の質量比、含有量を満たした上で、本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(a)成分を、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下含有することができる。
【0032】
上記の質量比、含有量を満たした上で、本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(b)成分を、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下含有することができる。
【0033】
上記の質量比、含有量を満たした上で、本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(c)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下含有することができる。
【0034】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、消臭効果の観点から、更に(e)成分として下記一般式(5)の化合物を含有することが好ましい。
【0035】
【化4】
【0036】
(式中、17は水素原子、炭素数1以上、5以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示し、R14は水素原子、炭素数1以上、12以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示す。R15は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示し、R16は炭素数1以上、5以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示す。)
【0037】
一般式(5)の化合物は、ポリヒドロキシアミンであり、塩であってもよい。
【0038】
一般式(5)中、17は水素原子、炭素数1以上、5以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示す。17の炭素数1以上、5以下のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基が挙げられる。また、17の炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
【0039】
17は、消臭性能及び入手性の観点から、上記の中では水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、又は2−ヒドロキシエチル基が好ましく、水素原子、ヒドロキシメチル基、又は2−ヒドロキシエチル基がより好ましい。
【0040】
一般式(5)中、R14は水素原子、炭素数1以上、12以下のアルキル基又は炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基を示す。
【0041】
14の炭素数1以上、12以下のアルキル基のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数1以上、12以下のアルキル基は、炭素数1以上、6以下のアルキル基が好ましい。
【0042】
14の炭素数1以上、5以下のヒドロキシアルキル基としては、17で示した上記のものが挙げられる。
【0043】
14は、消臭性能及び入手性の観点から、上記の中では水素原子、炭素数1以上、6以下、更に3以下のアルキル基、又はヒドロキシエチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0044】
一般式(5)中、R15、R16は、それぞれ、炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示す。炭素数1以上、5以下のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、テトラメチレン基等が好ましく、メチレン基がより好ましい。
【0045】
(e)成分の具体例としては、例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−4−ヒドロキシプロピル−1,7−ヘプタンジオール、2−(N−エチル)アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(N−エチル)アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−(N−デシル)アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(N−デシル)アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等、及びそれらと無機酸又は有機酸で中和した酸塩が挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸、炭素数1以上、12以下の脂肪酸、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸から選ばれる1種以上が好ましい。
【0046】
これらの中では、消臭性能等の観点から、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオール、及びそれらと塩酸等の無機酸との塩から選ばれる1種以上が好ましい。
【0047】
(e)成分のポリヒドロキシアミン化合物は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、(e)成分のポリヒドロキシアミン化合物は、常法により製造することができる。
【0048】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(e)成分を好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下含有する。
【0049】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、消臭効果の観点から、更に(f)成分としてアルカリ金属リン酸塩を含有することが好ましい。アルカリ金属リン酸塩としては、リン酸2カリウムが挙げられる。本発明の液体消臭除菌剤組成物は、(f)成分を好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下含有する。
【0050】
その他、本発明の液体消臭除菌剤組成物は、香料、有機溶剤、その他界面活性剤、消泡剤を含有することができる。香料としては、例えば特開2008−93207号公報の段落0026から段落0036に記載の香料や実施例に記載の調合香料を参考にすることができる。有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤が好ましく、具体的にはエタノール、イソプロパノール等の低級(炭素数3〜4)アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール類(炭素数2〜12)、エチレングリコールやプロピレングリコールのモノエチル又はモノブチルエーテル、ジエチレングリコールやジプロピレングリコールのモノエチル又はモノブチルエーテル、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノール性化合物のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物、炭素数5〜8のアルキル基を有するモノアルキルモノグリセリルエーテル等が挙げられる。その他界面活性剤としては、(a)及び(b)成分以外の界面活性剤を挙げることができ、非イオン界面活性剤を挙げることができる。例えば特開2008−93207号公報の段落0009から段落0012記載のポリオキシアルキレンアルキルエーテルを挙げることができる。消泡剤としては、一般に知られているシリカ/シリコーンの混合物を用いることができる。本発明において、有機溶剤の「水溶性」とは100gの20℃の脱イオン水に対して20g以上溶解することをいう。有機溶剤、好ましくは水溶性有機溶剤は、組成物中に好ましくは0.5質量%、より好ましくは1質量%以上、且つ好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下含有される。
【0051】
本発明の液体消臭除菌剤組成物において、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び任意成分以外の残部は水とすることができる。本発明の液体消臭除菌剤組成物は、水を好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下含有する。組成物の調製に使用する水は重金属や硬度成分を除去した精製水が挙げられ、イオン交換水を使用することが好ましい。
【0052】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、消臭効果の観点から、25℃のpHが好ましくは4.0以上、より好ましくは6.0以上、更に好ましくは7.0以上、そして、好ましくは9.0以下、より好ましくは8.5以下、更に好ましくは8.0以下である。pHは、JIS K 3362;2008の項目8.3に従って25℃で測定する。本発明の液体消臭除菌剤組成物のpHは、(f)成分、塩酸等の酸、又は水酸化ナトリウム等のアルカリを添加することにより調整することができる。
【0053】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、25℃における粘度が好ましくは2.0mPa・s以上、より好ましくは2.5mPa・s以上、そして、20mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下である。粘度はJIS K 7117記載の方法によって測定することができる。
【0054】
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、繊維製品用として好適である。繊維製品としては、布製品が挙げられ、カーテン等の布地、スーツ、セーター等の衣料、カーペット、ソファー等の繊維製品が挙げられる。
【0055】
<使用方法>
本発明の液体消臭除菌剤組成物は、消臭対象、例えば繊維製品に噴霧して用いることが好ましい。噴霧にあたっては、本発明の液体消臭除菌剤組成物をスプレイヤー付き容器に充填してなる液体消臭除菌剤物品を用いることが好ましい。本発明により、本発明の液体消臭除菌剤組成物をスプレイヤー付き容器に充填してなる液体消臭除菌剤物品が提供される。
【0056】
本発明の液体消臭除菌剤組成物を繊維製品に噴霧する方法に制限はないが、ミスト式或いはトリガー式のスプレイヤーを用いることが好ましい。本発明の液体消臭除菌剤組成物をミスト式又はトリガー式のスプレイヤーを備えたスプレー容器に充填し、一回の噴霧量を0.1ml以上、1ml以下に調整したものが好ましい。使用するスプレー容器としては、トリガー式スプレイヤーを備えた容器がより好ましく、スプレイヤーの噴霧方式は、直圧型あるいは蓄圧型を用いることができるが、液滴を均一に発生させ、噴霧後の液だれの少なさから蓄圧式を用いることが好ましい。
【0057】
本発明で使用するスプレー容器は、液体を微粒子に噴霧することが出来るスプレーヤー部と、液体を充填する容器部から構成されるものが挙げられ、一般的に知れているものを使用することができる。該容器のスプレイヤー部としては、トリガー式のものが好ましく、1回のストロークで0.2g以上、好ましくは0.25g以上、そして、1.2g以下、好ましくは1.0g以下噴出するものが良好である。また、対象物から15cm離れた場所から噴霧したとき、1回のストロークで布に該液体消臭剤が付着する面積が、50cm2以上、好ましくは100cm2以上、そして、800cm2以下、好ましくは600cm2以下になる容器が好ましい。実開平4−37554号公報に開示されているような蓄圧式トリガーを用いると良好である。容器部の容量は、使用用途や形態目的等によって好ましい容量が決められるが、通常は片手で保持可能な容量が好ましい。
【0058】
本発明の液体消臭除菌剤組成物を用いる消臭方法の対象物は、固体表面を有するものであれば特に制限はない。例えば、カーテン等の布地、スーツ、セーター等の衣料、カーペット、ソファー等の繊維製品に本発明の液体消臭除菌剤組成物を付着させ、対象物の臭いを効果的に低減させることができる。また、衣料において効果的であり、衣料用スプレー式消臭除菌剤として使用することが好ましい。
【実施例】
【0059】
<実施例1>
1)菌液の調製
SCDLP寒天培地に生育させたStaphylococcus aureusを、滅菌処理(オートクレーブ:2atm、125℃/15min)した生理食塩水に分散させ、生理食塩水の量を調製することで600nmにおける吸光度を0.1に合わせた菌液を調製した。
【0060】
2)評価方法
滅菌処理(オートクレーブ:2atm、125℃/15min)をした綿メリヤス布(6cm×6cm、乾燥済)に、95%エタノール溶液で1.0%濃度に希釈したモデル皮脂のエタノール(組成は下記の通り)溶液を900μl塗布し、綿メリヤス布全体に湿らせた後、1時間乾燥した。この処理により、着用後の皮脂を含んだ肌着が再現された。1時間乾燥後、前記で調製した菌液を200μl、モデル皮脂を付着させた綿メリヤス布(5cm×5cm)の中心に塗布し、30分乾燥させることで、菌試験布とした。塗布した菌液中の菌数を測定し、初期植え付け菌体数(A)とした。
この菌試験布に、表1の液体消臭除菌剤組成物200μlを植菌した布帛の部分に塗布し、30分乾燥させた後に40mlのLP希釈液が入った遠心チューブに入れ、ボルテックスミキサーにて1分間振とうを行い菌試験布から菌の抽出を行った。
抽出した菌液100μlを、SCDLP寒天培地に塗布し、37℃の恒温槽にて24時間保存し、保存後に生育している菌数のカウントを行い、24時間後の菌体数(B)とした。
【0061】
3)除菌活性値
除菌活性値logCは下記の計算式にて数値化した。
logC=logA−logB
A:初期植え付け菌体数
B:24時間後の菌体数
*湿式油の組成
綿実油 57.6質量%
コレステロール 11.0質量%
オレイン酸 11.0質量%
パルミチン酸 7.9質量%
セチルアルコール 2.1質量%
固形パラフィン 5.2質量%
流動パラフィン 5.2質量%
【0062】
【表1】
【0063】
表1中の成分は以下のものである。なお、表1では、便宜的に(a’)成分を(a)成分として、(a)+(b)と(a)/(b)の値を示した。
・第4級アンモニウム化合物a1:塩化n−オクチルジメチルベンジルアンモニウム(一般式(1)中、R1が炭素数8の直鎖アルキル基、R2、R3がそれぞれ炭素数1のアルキル基、R4が炭素数1のアルキレン基である化合物)
・比較第4級アンモニウム化合物:アルキル(炭素数12〜16)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド(便宜的に一般式(1)の構造で表すと、一般式(1)中、R1が炭素数12〜16の直鎖アルキル基、R2、R3がそれぞれ炭素数1のアルキル基、R4が炭素数1のアルキレン基である化合物)
・第4級アンモニウム化合物b1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(一般式(2)中、R5、R6がそれぞれ炭素数10の直鎖アルキル基、R7、R8がそれぞれ炭素数1のアルキル基である化合物)
・APAO:ラウロイルアミドプロピルジメチルアミンオキシド(一般式(4)中、R9が炭素数11の直鎖アルキル基、R10、R11がそれぞれ炭素数1のアルキル基、R12が炭素数3のアルキレン基、Yが−CONR13−、R13が水素原子である化合物)
・pH調整剤:水酸化ナトリウム水溶液
【0064】
<実施例2>
表2の本発明品4、比較品9、及び比較品10を用いて、下記方法で消臭試験を行った。結果を表2に示した。表2の成分は表1と同じものである。表2では、便宜的に(a’)成分を(a)成分として、(a)+(b)と(a)/(b)の値を示した。
【0065】
<消臭試験>
滅菌処理(オートクレーブ:2atm、125℃/15min)をした綿メリヤス布(6cm×6cm)に、95%エタノール溶液で1.0%濃度に調整した湿式油(実施例1と同じもの)溶液を900μl塗布した。
1時間乾燥後、ロイシン2%水溶液1ml、SCDLP液体培地1ml、菌液(実施例1と同じもの)200μlを、湿式油を塗布した綿メリヤス布に塗布した後、この菌試験布に、本発明品4、比較品9又は比較品10の液体消臭除菌剤組成物800μlを塗布し、シャーレに入れ、37℃の恒温槽にて24時間保存し、保存後の試験布のニオイについて5名の判定員にて官能評価を行った。1つの液体消臭除菌剤組成物につき、1名の判定員が3回評価を行い、その平均値を求め、各判定員から回収した5つの結果(平均値)を更に平均値として、当該組成物の消臭効果とした。
*官能評価の判定基準
1:強烈な悪臭を感じる
2:悪臭を感じる
3:やや悪臭を感じる
4:悪臭を感じない
【0066】
【表2】
【0067】
<実施例3>
表1の本発明品1〜3の液体消臭除菌剤組成物を、一回のストロークで0.9g噴霧できる蓄圧タイプのスプレーヤー部と、300mlの液体を充填することができる容器部から構成されるスプレー容器に充填することで、液体消臭除菌剤物品を得ることができる。これら液体消臭除菌剤物品を用いて、液体消臭除菌剤組成物を、衣類やタオル等の繊維製品に噴霧することで、着用時又は使用後に細菌由来の臭いの発生を抑制することができる。