特許第6249423号(P6249423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249423
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20171211BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】1
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-75195(P2016-75195)
(22)【出願日】2016年4月4日
(65)【公開番号】特開2017-184944(P2017-184944A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2016年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】荒井 孝太
【審査官】 辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−034710(JP,A)
【文献】 特開2012−065761(JP,A)
【文献】 特開2000−135332(JP,A)
【文献】 特開2005−118386(JP,A)
【文献】 特開2003−079841(JP,A)
【文献】 特開2015−016230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に応じて発生する当否判定権を使用して行われた当否判定の判定結果を判定報知演出により報知すると共に、前記判定報知演出中に発生した前記当否判定権の使用を保留する当否判定手段と、
表示画面を有する表示手段と、
前記当否判定権が保留される度に、前記表示画面に保留表示体を出現させると共に、前記保留が解除される度に、前記表示画面から前記保留表示体を消滅させて、前記当否判定権の保留数を、前記表示画面に表示されている前記保留表示体の個数でもって報知する表示制御手段と、を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、前記保留表示体の出現から、予め定められた表示相異期間が経過するまでは、その保留表示体を第1表示態様で表示し、前記表示相異期間が経過した後は、その保留表示体を前記第1表示態様と異なる第2表示態様で表示する表示態様変化手段を有し、
前記表示態様変化手段は、前記表示画面に表示されていた前記保留表示体が1つ消滅してからの予め定められた所定期間内に、新たな前記保留表示体が1つ出現したときにのみ作動する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、当否判定権の保留数を報知する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技球の入賞により発生する当否判定権の保留数を、表示画面に表示される保留表示体の個数により報知するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−270574号公報(段落[0017],図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当否判定権の保留が解除されて保留表示体が1つ消滅した後すぐに遊技球が入賞して保留表示体が1つ出現したときに、遊技者によっては、保留の解除に気付かず、遊技球が入賞したにもかかわらず当否判定権の保留が増えていないと誤認してしまうことが起こり得る。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、遊技の進行に応じて発生する当否判定権を使用して行われた当否判定の判定結果を判定報知演出により報知すると共に、前記判定報知演出中に発生した前記当否判定権の使用を保留する当否判定手段と、表示画面を有する表示手段と、前記当否判定権が保留される度に、前記表示画面に保留表示体を出現させると共に、前記保留が解除される度に、前記表示画面から前記保留表示体を消滅させて、前記当否判定権の保留数を、前記表示画面に表示されている前記保留表示体の個数でもって報知する表示制御手段と、を備えた遊技機において、前記表示制御手段は、前記保留表示体の出現から、予め定められた表示相異期間が経過するまでは、その保留表示体を第1表示態様で表示し、前記表示相異期間が経過した後は、その保留表示体を前記第1表示態様と異なる第2表示態様で表示する表示態様変化手段を有し、前記表示態様変化手段は、前記表示画面に表示されていた前記保留表示体が1つ消滅してからの予め定められた所定期間内に、新たな前記保留表示体が1つ出現したときにのみ作動する遊技機である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の遊技機では、保留表示体が出現してから表示相異期間が経過するまでは、第1表示態様で表示され、表示相異期間経過後は、第1表示態様と異なる第2表示態様で表示されるので、新たに出現した保留表示体と、既発の保留表示体とを容易に区別することができる。これにより、例えば、当否判定権の保留が解除されて保留表示体が1つ消滅した後すぐに新たな当否判定権の保留が発生して保留表示体が1つ出現した場合でも、保留表示体の表示態様の違いによって新たな保留表示体が追加されたことを遊技者に認識させることができるので、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能となる。
【0015】
留表示体が1つ消滅してから所定期間内に新たな保留表示体が1つ出現したときにのみ保留表示体の表示態様を変化させる構成によれば、保留に係る誤認が生じやすい状況下で保留表示体の表示態様を変化させることができるので、効率的に保留に係る誤認を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施態様に係る遊技機の正面図
図2】保留表示体の表示態様を説明するための概念図
図3】主制御基板メインプログラムのフローチャート
図4】主制御基板割込処理のフローチャート
図5】始動入賞口スイッチ検出処理のフローチャート
図6】特別動作処理のフローチャート
図7】特別図柄待機処理のフローチャート
図8】特図乱数シフト処理のフローチャート
図9】サブ制御基板メインプログラムのフローチャート
図10】受信割込処理のフローチャート
図11】2msタイマ割込処理のフローチャート
図12】10msタイマ割込処理のフローチャート
図13】受信コマンド解析処理のフローチャート
図14】表示態様設定処理のフローチャート
図15】第2実施態様に係る保留表示体の表示態様を説明するための概念図
図16】第3実施態様に係る受信コマンド解析処理のフローチャート
図17】第4実施態様に係る保留表示体の表示態様を説明するための概念図
図18】表示態様設定処理のフローチャート
図19】第5実施態様に係る保留表示体の表示態様を説明するための概念図
図20】変形例に係る保留表示体の表示態様を説明するための概念図
図21】変形例に係る保留表示体の表示態様を説明するための概念図
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施態様]
以下、本発明に係る一実施態様を図1図14に基づいて説明する。図1に示した本発明の「遊技機」としてのパチンコ遊技機10(以下、「遊技機10」という。)は、前面を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。なお、以下の説明において、遊技機10の「右」及び「左」を特定する場合には、「遊技機10に前方から向かって右」を単に「右」、その反対側を単に「左」ということとする。
【0021】
遊技機10のうち、ガラス窓10Wの下方には、上皿27Aと下皿27Bとが上下2段にして並べて備えられ、下皿27Bの右側方には、操作ハンドル28が備えられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿27Aに収容された遊技球が遊技領域R1へと撃ち出される。
【0022】
遊技領域R1は、遊技板11の前面から突出するガイドレール12によって包囲され、その遊技領域R1内に、遊技板11を貫通した異形の表示窓11Hが備えられている。そして、遊技板11の後側に設けられた液晶表示装置13の表示画面13Gが、表示窓11Hを通して前方に臨んでいる。また、表示窓11Hの開口縁には、表示装飾枠23が取り付けられ、その表示装飾枠23の一部が遊技板11の前面から突出して表示窓11H内への遊技球の進入を規制している。
【0023】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の下方における左右方向の中央部には、始動入賞口14B、大入賞口15が、上下に間隔を開けて並べて設けられている。始動入賞口14Bの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。各入賞口14B,15,20の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域R1の下端に配置されたアウト口16に全て取り込まれる。また、表示装飾枠23の左側には、始動ゲート18と風車19が設けられている。
【0024】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われ、図示しない普通図柄表示装置にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。
【0025】
普通図柄表示装置の変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置の変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置の変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置が変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、図示しない普通図柄保留表示部にて表示される。
【0026】
始動入賞口14Bは、遊技板11から突出した部材の上面に開口を備え、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。そして、普通図柄当否判定が当りであった場合に、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、始動入賞口14Bが側方にも開放し、遊技球が可動翼片14Cに受け止められて始動入賞口14Bへと案内されるようになっている(図1には、横倒しにされた可動翼片14Cが示されている。)。
【0027】
始動入賞口14Bに遊技球が入賞すると、表示画面13Gにおいて、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示後に停止表示され、その停止表示されたときの特別図柄13A,13B,13Cの図柄組み合わせによって、判定結果が報知される判定報知演出が行われる。
【0028】
具体的には、液晶表示装置13には、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に停止表示される。そして、当否判定結果が当り(以下、「大当り」という)の場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが図1に示すように全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当り遊技」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当り遊技」ではない通常遊技が続く。なお、以下、特記しない限り、単に「当否判定」といえば、特別図柄当否判定を指すものとする。
【0029】
大当り遊技が行われると、通常は大入賞口15を閉塞している可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。
【0030】
特別図柄13A,13B,13Cが変動表示中又は大当り遊技の最中に始動入賞口14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権分の判定報知演出は、最大で4回分まで保留される。当否判定権の保留数は、液晶表示装置13の下端部に位置する特別図柄保留表示部14Hに表示される。特別図柄保留表示部14Hには、左端から保留された順に横一列(本発明の「保留表示列」に相当する)に保留表示体14Zが並べて表示され、当否判定権の保留数が保留表示体14Zの個数により遊技者に報知される。そして、特別図柄13A,13B,13Cが停止表示又は大当り遊技が終了すると、次の保留に基づいて再び特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されると共に、その保留に対応した左端の保留表示体14Zが消滅して、それより右側の保留表示体14Zが左側へと移動表示される。また、新たに当否判定権が発生すると、新たに出現した保留表示体14Zが既に表示されている最後尾の保留表示体14Zの右隣に加えて表示される。
【0031】
ところで、本実施形態の遊技機10では、保留表示体14Zの表示態様を、保留表示体14Zの出現から本発明の表示相異期間が経過するまでの間と、表示相異期間経過後とで異ならせている。
【0032】
具体的には、保留表示体14Zは、特別図柄保留表示部14Hに出現してから表示相異期間(例えば、3秒)が経過するまでの間は、「★」でかつ点滅表示する第1表示態様で表示される。そして、表示相異期間が経過すると、「●」でかつ点灯表示する第2表示態様に切り替わり、消滅するまでの間、保留表示体14Zが第2表示態様で表示される。これにより、新たに出現した保留表示体14Zと、既に表示されていた保留表示体14Zとが区別され、第1表示態様で表示されている保留表示体14Zが入賞によって新たに出現したものであることを遊技者に認識させることができる。なお、特別図柄保留表示部14Hを表示する表示画面13Gを有する液晶表示装置13が、本発明の「表示手段」に相当する。
【0033】
以下、遊技機10の制御について説明する。遊技機10には、CPU、RAM及びROMを実装した主制御基板と、CPU、RAM及びROMを実装したサブ制御基板とが備えられている。そして、主制御基板のCPUが図3に示したメイン処理PG1を実行すると共に、サブ制御基板のCPUが図9に示したメイン処理PG2を実行して遊技の制御を行う。
【0034】
図3に示すように、メイン処理PG1では、遊技機10の電源投入後に初期設定(S1)を行ってから、割込禁止(S2)、乱数カウンタ更新処理(S3)及び割込許可(S4)を繰り返して行うループに入る。そのループで乱数カウンタ更新処理(S3)が実行される度に、上限値と下限値とを有する複数の乱数生成カウンタが更新されていき、上限値に達すると、下限値に戻って更新が繰り返される。また、複数の乱数生成カウンタの上限値は相互に異なっているため、乱数生成カウンタ同士のカウンタ値は相互に異なった値になっていく。
【0035】
主制御基板のCPUは、上記したメイン処理PG1のループに対して、図4に示す主制御基板割込処理(S5)を所定周期で割り込ませて実行する。主制御基板割込処理(S5)では、まず出力処理(S10)を行う。出力処理(S10)では、主制御基板のRAMの送信バッファにセットされた各種コマンドを、対応する制御回路に出力する。
【0036】
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、主に遊技機10に備えられた各種センサやスイッチ(普通図柄始動スイッチ、始動口センサ、その他センサ、スイッチ類等)による検知信号を受信する。
【0037】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている乱数カウンタ更新処理(S3)と同じである。即ち、各種カウンタ値は、主制御基板割込処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(主制御基板割込処理(S5)の終了後、次の主制御基板割込処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で更新されている。
【0038】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで実行される始動入賞口スイッチ検出処理(S13)は、図5に示されており、まず、遊技球が始動ゲート18を通過したか否かを判断する(S130)。遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S130でYes)、普通図柄保留数を確認して、保留上限数に達していない場合には、普通図柄関連の乱数生成カウンタ値を乱数値として取得して記憶するゲート通過処理(S131)を行う。一方、遊技球が始動ゲート18を通過していない場合(S130でNo)、及び、保留上限数である場合にはそのままステップS135へジャンプする。
【0039】
ステップS135では、始動入賞口14Bに遊技球が入賞したか否かを判断する。始動入賞口14Bに遊技球が入賞していなければ(S135でNo)、直ちにこの処理(S13)を抜ける一方、入賞していれば(S135でYes)、現在の特別図柄保留数が4以上(保留上限)であるかチェックする(S136)。特別図柄保留数が4以上である場合(S136でYes)には、直ちにこの処理(S13)を抜け、特別図柄保留数が4以上でなければ(S136でNo)、特別図柄保留数を1加算すると共に、保留加算コマンドを送信バッファにセットする(S137)。そして、特別図柄関連の乱数生成カウンタの値を乱数値として取得して主制御基板のRAMに格納する特図関連乱数取得処理(S138)を実行する。その後、取得した乱数値が、大当り、リーチ外れ、はずれの何れの変動態様に対応するかをチェックして、その結果に基づいて、「大当り入賞コマンド」「リーチ入賞コマンド」又は「外れ入賞コマンド」の何れかを送信バッファにセットする事前判定処理(S139)を実行して、この処理(S13)を抜ける。なお、始動入賞口スイッチ検出処理(S13)を行っているときの主制御基板のCPUが、本発明に係る「当否判定手段」に相当する。
【0040】
図4に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S13)に次いで、普通動作処理(S14)が実行される。この処理(S14)では、始動ゲート18を通過したときに取得した乱数値の普通図柄当否判定を実行し、その当否判定結果に基づいて、可動翼14C,14Cの動作態様を設定して実行する。
【0041】
特別動作処理(S15)は、図6に示されており、特別動作ステータスに応じて、各処理を実行する。具体的には、特別動作ステータスが「1」である場合(S151でYes)には、特別図柄待機処理(S152)を行い、特別動作ステータスが「2」である場合(S151でNo,S153でYes)には、変動中処理(S154)を行い、特別動作ステータスが「3」である場合(S151,S153で共にNo、S155でYes)には、特別図柄確定処理(S156)を行い、特別動作ステータスが「4」である場合(S151,S153,S155でNo)には、特別電動役物処理(S157)を行う。
【0042】
特別図柄待機処理(S152)は、図7に示されており、まず、特別図柄の保留数が「0」であるか否かチェックする(S200)。特別図柄の保留数が「0」である場合には(S200でYes)、液晶表示装置13が待機画面中か否かをチェックして(S201)、待機画面中であれば(S201でYes)、直ちにこの処理(S152)を抜ける一方、待機画面中でなければ(S201でNo)、待機画面設定処理(S202)を実行してからの処理(S152)を抜ける。
【0043】
一方、特別図柄の保留数が「0」ではない場合には、特別図柄大当たり判定処理(S203)を始めとする以下のステップ203〜S209の処理を行う。
【0044】
特別図柄大当たり判定処理(S203)では、現在の遊技状態が、通常遊技状態か、通常遊技状態より特別図柄の当否判定が大当りになる確率が高い確変遊技状態かの何れであるかを判別し、遊技状態毎に設定された判定値と、始動入賞口14Bへの入賞時に取得した特別図柄の当否判定に関する乱数値とが一致するか否かをチェックし、その判定結果に基づいて、「特図図柄当りコマンド」又は「特別図柄外れコマンド」を送信バッファにセットにする。
【0045】
特別図柄選択処理(S204)では、特別図柄13A,13B,13Cの停止表示の図柄を、始動入賞口14Bへの入賞時に取得した特別図柄の図柄に関する乱数値に基づいて決定する。
【0046】
特別図柄変動態様選択処理(S205)では、特別図柄の当否判定結果やリーチの有無等に基づいて、特別図柄13A,13B,13Cが停止表示するまでの変動表示態様及び変動時間等を、始動入賞口14Bへの入賞時に取得した判定報知演出に関する乱数値から決定する。
【0047】
特別図柄乱数シフト処理(S206)は、図8に示されており、特別図柄保留数を1ディクリメントし(S350)、RAMの乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S351)、最上位の保留記憶に対応する乱数記憶領域をクリアする(S352)。そして、保留減算コマンドを送信バッファにセットして(S353)、この処理(S206)を抜ける。
【0048】
図7に示すように、特図乱数シフト処理(S206)に続いて、特別図柄変動開始処理(S207)、特別動作ステータスを「2」に設定する処理(S208)、特別図柄13A,13B,13Cの変動開始に必要な待機中解除処理(S209)が実行される。以上が特別動作処理(S15)における特別図柄待機処理(S152)の説明である。
【0049】
図6に戻り、変動中処理(S154)では、特別図柄待機処理(S152)で設定された判定報知演出の変動時間が終了したか否かをチェックして、変動時間が終了したときに特別動作ステータスを「3」に設定する。
【0050】
特別図柄確定処理(S156)では、当否判定結果が大当りか否かをチェックして、当否判定結果が大当りである場合には、大当り遊技を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットする一方、外れである場合には、次の保留に基づく当否判定を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。
【0051】
特別電動役物処理(S157)では、大当り遊技を実行し、大当り遊技終了後に、特別動作ステータスを「1」にセットする。
【0052】
図9に示すように、サブ制御基板のCPUで実行されるメイン処理PG2においても、主制御基板のCPUで実行されるメイン処理PG1と同様に、初期設定(S41)を行ってから、割込禁止(S42)、乱数カウンタ更新処理(S43)及び割込許可(S44)を繰り返して行うループに入る。そして、そのループに対して、受信割込処理(S45)、2msタイマ割込処理(S46)、10msタイマ割込処理(S47)を割り込んで実行する。
【0053】
受信割込処理(S45)は、図10に示されており、ストローブ信号をチェックし(S451)、ストローブ信号がオンでなければ(S451でNo)、直ちにこの処理(S45)を抜け、ストローブ信号がオンであれば(S451でYes)、主制御基板からサブ制御基板に送られた各コマンドや制御データを取り込んでRAMに格納してから(S452)、この処理(S45)を抜ける。
【0054】
2msタイマ割込処理(S46)は、図11に示されており、2msecの周期で割り込み実行され、まずは、次述する10msタイマ割込処理(S47)で作成した制御データを液晶表示装置13等の制御基板に出力する出力処理(S461)を実行する。次いで、10msタイマ割込処理(S47)で作成した制御データをサブ制御基板のRAMに入力する入力処理(S462)を行い、ウォッチドックタイマ処理(S463)を実行してから、この処理(S46)を抜ける。
【0055】
10msタイマ割込処理(S47)は、10msecの周期で割り込み実行され、図12には、この処理(S47)のうち本発明に係る処理のみが示されている。この処理(S47)では、まず、受信コマンド解析処理(S471)が実行される。
【0056】
図13に示すように、受信コマンド解析処理(S471)では、各コマンドに応じて各処理を実行する。主制御基板から受信したコマンドに保留加算コマンドが含まれている場合(S51でYes)には、特別図柄保留表示部14Hの最後尾に第1表示態様の保留表示体14Zを出現させる保留加算処理(S53)を実行して、監視タイマをオンする(S55)。一方、保留減算コマンドが含まれている場合(S51でNo、S52でYes)には、特別図柄保留表示部14Hの左端の保留表示体14Zを消滅させると共に、それより右側の保留表示体14Zを左側へ移動表示させる保留減算処理(S54)を実行する。また、保留加算コマンド及び保留減算コマンドの何れもが含まれていない場合(S51,S52で共にNo)及びスッテプS54,S55に次いで、受信コマンドに対応するその他の処理を実行して(S56)、この処理(S471)を抜ける。
【0057】
図12に示すように、受信コマンド解析処理(S471)に次いで、表示態様設定処理(S472)が実行される。この処理(S472)は、図14に示されており、まず、監視タイマが作動中か否かをチェックする(S80)。監視タイマが作動中でなければ(S80でNo)、直ちにこの処理(S472)を抜ける一方、監視タイマが作動中であれば(S80でYes)、監視タイマが3秒経過したか否かをチェックする(S81)。監視タイマが3秒経過していなければ(S81でNo)、直ちにこの処理(S472)を抜ける一方、3秒経過していれば(S81でYes)、対応する保留表示体14Zを第2表示態様に切り替えて表示する処理(S82)を実行して、監視タイマをリセットしてから(S83)、この処理(S472)を抜ける。なお、監視タイマは、特別図柄の保留上限数分、備えられ、保留表示体14Z毎に対応して作動するようになっている。
【0058】
なお、受信コマンド解析処理(S471)を実行しているときのサブ制御基板のCPUが、本発明に係る「表示制御手段」に相当し、表示態様設定処理(S472)を実行しているときのサブ制御基板のCPUが、本発明に係る「表示態様変更手段」に相当する。
【0059】
遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の遊技機10における本発明の作用・効果について説明する。
【0060】
本実施形態の遊技機10では、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中又は大当り遊技中に、始動入賞口14Bに遊技球が入賞し、それら入賞に起因した当否判定権が保留されると、保留表示体14Zが「★」でかつ点滅表示の第1表示態様で表示され、遊技者に新たに保留表示体14Zが出現したことが報知される。そして、しばらくすると、表示相異期間経過により、保留表示体14Zが「●」でかつ点灯表示される第2表示態様の表示態様に切り替わる。これにより、遊技者に、新たな保留表示体14Zが出現したときは、第1表示態様で表示され、しばらくすると、第2表示態様に表示態様が変化することが認識される。
【0061】
遊技を続けていくと、図2(A)に示すように、複数の当否判定権が保留された状態となる。その状態で、変動中の特別図柄13A,13B,13Cが停止表示され(図2(B)参照)、次の保留に基づいて、特別図柄13A,13B,13Cが、再び、変動表示を開始すると、特別図柄保留表示部14Hの左端の保留表示体14Zが消滅して、それより右側の保留表示体14Zが左側にずれて移動表示される。
【0062】
ここで、保留表示体14Zの消滅と同時またはすぐ後で新たに発生した当否判定権により保留表示体14Zが出現した場合、従来の遊技機では、遊技者によっては、保留の解除に気付かず、遊技球が入賞したにもかかわらず当否判定権の保留が増えていないと誤認してしまうという問題が起こり得た。
【0063】
これに対し、本実施形態の遊技機10では、図2(C)に示すように、新たに出現した保留表示体14Zは第1表示態様で表示される一方、既に表示されていた保留表示体14Zは第2表示態様で表示されるので、第1表示態様で表示された保留表示体14Zが入賞によって新たに出現したものであると遊技者が認識することができる。これにより、当否判定権の保留が解除されて保留表示体14Zが1つ消滅した後すぐに新たな当否判定権の保留が発生して保留表示体14Zが1つ出現した場合でも、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能となる。
【0064】
[第2実施態様]
本実施形態の遊技機10は、図15に示されており、第1実施形態と保留表示体14Zの第1表示態様の表示態様のみが異なる。本実施形態の保留表示体14Zの第1表示態様は、「□」で表示されると共に、その内部に表示相異期間の終了までの時間を表示する計測表示部14Kが含まれている。計測表示部14Kは、表示相異期間の経過に伴い、図15(A)から図15(C)の変化に示すように、「3」「2」「1」とカウントダウン表示され、表示相異期間が終了すると、図15(D)に示すように第2表示態様に切り替わる。
【0065】
本実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏すると共に、短期間に当否判定権が複数、発生した場合に、保留表示体14Zの計測表示部が異なる表示となるので、趣向性の高い第1表示態様とすることが可能となる。
【0066】
なお、本実施形態では、計測表示部14Kに表示相異期間の終了までの時間をカウントダウン表示する構成であったが、表示相異期間の終了までの時間をカウントアップ表示する構成であってもよい。その際、第2表示態様に切り替わる際の表示は、区切りがいい数字が好ましく、例えば、表示相異期間を10秒とし、表示相異期間の経過に伴い、「1」「2」「3」とカウントアップ表示され、「10」になると、第2表示態様に切り替わる構成とすればよい。
【0067】
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、保留表示体14Zが出現する度に表示態様を切り替える構成になっていたが、本実施形態では、保留表示体14Zが消滅してから所定期間内に新たに保留表示体14Zが出現するときにのみ、保留表示体14Zの表示態様を切り替える構成になっている。
【0068】
図16には、第1実施形態の受信コマンド解析処理(S471、図13参照)に替わる本実施形態の受信コマンド解析処理(S60)が示されている。なお、受信コマンド解析処理(S60)以外は第1実施形態と同じため、説明を省略する。
【0069】
本実施形態の受信コマンド解析処理(S60)では、まず、保留加算コマンドが含まれているか否かをチェックする(S61)。保留加算コマンドが含まれていない場合(S61でNo)には、保留減算コマンドが含まれているか否かをチェックする(S63)。保留減算コマンドが含まれていない場合(S63でNo)には、ステップS69にジャンプする一方、保留減算コマンドが含まれている場合(S63でYes)には、第1実施形態のステップS54と同じ保留減算処理(S66)を実行して、減算タイマをオンする(S68)。なお、減算タイマは、保留減算処理(S66)が実行されて保留表示体14Zが消滅してからの経過時間を計測し、本実施形態では、3秒経過するとリセットされる。また、3秒経過する前に、新たに保留減算処理(S66)が実行された場合は、減算タイマはリセットされて再び経過時間を計測する。
【0070】
一方、保留加算コマンドが含まれている場合(S61でYes)場合には、減算タイマが作動中か否かをチェックする(S62)。減算タイマが作動中の場合(S62でYes)には、第1実施形態の表示態様設定処理(S472、図14参照)と同じ表示態様設定処理(S64)を実行して、減算タイマをリセットする(S67)。減算タイマが作動中でない場合(S64でNo)には、第2表示態様の保留表示体14Zを出現させる保留加算処理(S65)を実行する。
【0071】
また、保留加算コマンド及び保留減算コマンドの何れも含まれていない場合(S61,S63で共にNo)及びスッテプS65,S67、S68が終了した場合には、第1実施形態のステップS56と同じ処理(S69)を実行して、この処理(S60)を抜ける。
【0072】
本実施形態の構成によれば、保留に係る誤認が生じやすい状況下で保留表示体の表示態様を変化させることができるので、効率的に保留に係る誤認を低減することが可能となる。
【0073】
[第4実施形態]
本実施形態の遊技機10における保留表示体14Zの表示態様の変化を図17に示す。上記第1実施形態では、保留表示体14Zが出現してから消滅するまでの間に表示態様を変化させる構成になっていたが、本実施形態では、保留表示体14Zが出現してから消滅するまでの間の表示態様は変化させずに、連続する保留表示体14Zの表示態様を異ならせる構成になっている。具体的には、保留表示体14Zは、表示Aの「●」と、表示Bの「■」との2種類の表示態様を備え、表示Aと表示Bとを交互に出現させる構成になっている。
【0074】
例えば、図17(A)に示すように、3つの当否判定権が保留されている場合には、特別図柄保留表示部14Hには、保留表示体14Zが「●■●」で表示される。そして、保留の解除に伴い(図17(B)参照)、左端の保留表示体14Zが消滅すると、特別図柄保留表示部14Hは「■●」となる。ここで、保留表示体14Zの消滅と同時又はそのすぐ後に新たに保留表示体14Zが出現すると、新たに「■」の保留表示体14Zが出現し、特別図柄保留表示部14Hは「■●■」となる(図17(C)参照)。
【0075】
本実施形態では、第1実施形態の図12に示す10msタイマ割込処理(S47)において、表示態様設定処理(S472)を廃止して、図13に示す受信コマンド解析処理(S471)における保留加算処理(S53)に替わって図18に示す表示態様設定処理(S90)を実行する構成となっている。本実施形態の表示態様設定処理(S90)では、まず、FLG2が「1」になっているか否かをチェックする(S91)。FLG2が「1」でない場合(S91でNo)には、表示態様に表示Aを設定し(S92)、FLG2を「1」にセットしてから(S93)、この処理(S90)を抜ける。一方、FLG2が「1」であれば(S91でYes)には、表示態様を表示Bに設定し(S94)、FLG2を「0」にリセットしてから(S95)、この処理(S90)を抜ける。
【0076】
本実施形態の構成においても、保留表示体14Zの表示態様の違いにより、新たに出現した保留表示体14Zと、既に表示されていた保留表示体14Zとを容易に区別することができるので、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0077】
なお、上述の説明では、連続する保留表示体14Zにおいて、形状が異なる表示態様の例を挙げたが、表示態様は見た目が異なればよく、例えば、「●」と「○」のように色や発光パターン等が異なる表示態様であってもよい。また、表示態様は2種類に限定されるものでなく、2種類以上であってもよい。
【0078】
[第5実施形態]
本実施形態は、第1及び第2の当否判定権からなる2つの当否判定権を備えている点が上記第1実施形態と異なる。詳細には、本実施形態の遊技機10は、図示しない第1と第2の始動入賞口を備え、第1の始動入賞口への入賞に起因して発生した当否判定権を第1の当否判定権とすると共に、第2の始動入賞口への入賞に起因して発生した当否判定権を第2の当否判定権とし、これら第1及び第2の当否判定権が互いに独立して発生するようになっている。そして、第1の当否判定権の保留数は、図19に示すように、第1の特別図柄保留表示部14H1に表示され、第1の保留表示体14Z1である「●」の個数により報知される。また、第2の当否判定権の保留数は、第1の特別図柄保留表示部14H1の下段の第2の特別図柄保留表示部14H2に表示され、第2の保留表示体14Z2である「■」の個数により報知される。これら第1及び第2の当否判定権の保留の使用順は、第2の当否判定権より第1の当否判定権が優先して使用される。上記構成以外は、第1実施形態と同様である。本実施形態の構成によっても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0079】
なお、本実施形態において、当否判定権の使用順は、保留された順であってもよいし、遊技状態に応じて優先的に使用する当否判定権を変更する構成であってもよい。また、当否判定権の保留数は、上述のように、当否判定権毎に第1と第2の特別図柄保留表示部14H1,14H2を設けて別々に表示する構成であってもよいし、図20に示すように、1つの特別図柄保留表示部14Hで、第1の当否判定権に対応する保留表示体14Z1と第2の当否判定権に対応する保留表示体14Z2とを同じ表示態様で表示する構成であってもよい。その際、当否判定権と、その当否判定権に起因して出現した保留表示体14Z1,14Z2とを対応させて、保留表示体14Z1,14Z2の表示を、当否判定権の使用順と同じになるように表示する構成としてもよい。具体的には、第2の当否判定権より第1の当否判定権を優先して使用する構成とし、図20(A)に示すように、第1及び第2の当否判定権が複数保留されている状態で、第1の当否判定権が新たに発生した場合には、図20(B)に示すように、対応する新たな保留表示体14Z1を第2の当否判定権に対応する保留表示体14Z2の前に割り込ませて、第2の当否判定権に対応する保留表示体14Z2を右側に移動表示させる構成とすればよい。なお、当否判定権と、その当否判定権に起因して出現する保留表示体14Zとを対応させずに、新たな保留表示体14Zを既に表示された保留表示体14Zの最後尾に出現させる構成であってもよい。
【0080】
[他の実施態様]
本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0081】
(1)上記実施形態では、第1表示態様が1種類であったが、保留表示体14Zの形状や色、カウントダウン表示の表示態様等が異なる複数種類を設けた構成であってもよい。そして、これら複数の種類を保留された当否判定権における予告演出に用いてもよい。
【0082】
(2)上記実施形態では、新たに出現した保留表示体と、既発の保留表示体とを区別するために、新たに出現した保留表示体14Zの表示態様を変化させる構成になっていたが、既発の保留表示体14Zの表示態様を変化させる構成であってもよい。具体的には、図21(A)から図21(C)に示すように、新たな保留表示体14Zを表示するときに、その保留表示体14Z以外の既発の保留表示体14Zを、新たな保留表示体14Zの出現から表示相異期間が経過するまでは、第1表示態様で表示し、表示相異期間が経過すると第1表示態様と異なる第2表示態様で表示する(図21(D)参照)。また、新たな保留表示体14Zにおいては、出現時から第2表示態様で表示する。この構成においても、保留表示体14Zの表示態様の違いによって保留表示体が加算されたことを遊技者に認識させることができるので、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能となる。なお、図20には、第2実施形態に本構成を適用した例が示されている。

なお、上記実機形態には、以下の[特徴1]〜[特徴7]が含まれている。

[特徴1]
遊技の進行に応じて発生する当否判定権を使用して行われた当否判定の判定結果を判定報知演出により報知すると共に、前記判定報知演出中に発生した前記当否判定権の使用を保留する当否判定手段と、
表示画面を有する表示手段と、
前記当否判定権が保留される度に、前記表示画面に保留表示体を出現させると共に、前記保留が解除される度に、前記表示画面から前記保留表示体を消滅させて、前記当否判定権の保留数を、前記表示画面に表示されている前記保留表示体の個数でもって報知する表示制御手段と、を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、前記保留表示体の出現から、予め定められた表示相異期間が経過するまでは、その保留表示体を第1表示態様で表示し、前記表示相異期間が経過した後は、その保留表示体を前記第1表示態様と異なる第2表示態様で表示する表示態様変化手段を有する遊技機。

[特徴2]
遊技の進行に応じて発生する当否判定権を使用して行われた当否判定の判定結果を判定報知演出により報知すると共に、前記判定報知演出中に発生した前記当否判定権の使用を保留する当否判定手段と、
表示画面を有する表示手段と、
前記当否判定権が保留される度に、前記表示画面に保留表示体を出現させると共に、前記保留が解除される度に、前記表示画面から前記保留表示体を消滅させて、前記当否判定権の保留数を、前記表示画面に表示されている前記保留表示体の個数でもって報知する表示制御手段と、を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、新たな保留表示体を表示するときに、その保留表示体以外の既発の保留表示体を、新たな保留表示体の出現から、予め定められた表示相異期間が経過するまでは、第1表示態様で表示し、前記表示相異期間が経過した後は、前記第1表示態様と異なる第2表示態様で表示すると共に、新たな保留表示体を出現時から前記第2表示態様で表示する表示態様変化手段を有する遊技機。

[特徴3]
前記第1表示態様の前記保留表示体には、前記表示相異期間の終了までの時間を計数表示する計数表示部が含まれている[特徴1]又は[特徴2]に記載の遊技機。

[特徴4]
前記表示態様変化手段は、前記表示画面に表示されていた前記保留表示体が1つ消滅してからの予め定められた所定期間内に、新たな前記保留表示体が1つ出現したときにのみ作動する[特徴1]乃至[特徴3]の何れか1に記載の遊技機。

[特徴5]
遊技の進行に応じて発生する当否判定権を使用して行われた当否判定の判定結果を判定報知演出により報知すると共に、前記判定報知演出中に発生した前記当否判定権の使用を保留する当否判定手段と、
表示画面を有する表示手段と、
前記当否判定権が保留される度に、前記表示画面に保留表示体を出現させると共に、前記保留が解除される度に、前記表示画面から前記保留表示体を消滅させて、前記当否判定権の保留数を、前記表示画面に表示されている前記保留表示体の個数でもって報知する表示制御手段と、を備えた遊技機において、
前記表示制御手段は、見た目が同じ表示態様の前記保留表示体が連続して出現しないように、順次出現させる前記保留表示体の表示態様を異ならせる遊技機。

[特徴6]
前記表示制御手段は、保留された前記当否判定権のそれぞれに対応する前記保留表示体が使用される順に並んだ保留表示列を表示し、前記当否判定権が保留される度に、その当否判定権に対応する前記保留表示体を前記保留表示列に加える[特徴1]乃至[特徴5]の何れか1に記載の遊技機。

[特徴7]
前記当否判定権には、互いに独立して発生し得る第1の前記当否判定権と第2の前記当否判定権とが含まれ、
前記当否判定手段は、前記第2の当否判定権より前記第1の当否判定権を優先的に使用し、
前記表示制御手段は、前記第1の当否判定権であるか前記第2の当否判定権であるかに拘わらず、前記当否判定権が保留される度に、前記保留表示体が、予め設定された始点位置から一方向に順次位置をずらして出現して行くように見せると共に、前記当否判定権の保留が解除される度に、前記保留表示体が、出現した順に消滅しかつ、その際に残りの前記保留表示体がある場合に、前記残りの前記保留表示体が前記始点位置側に移動するように見せることを特徴とする[特徴1]乃至[特徴5]の何れか1に記載の遊技機。

特徴1の遊技機では、保留表示体が出現してから表示相異期間が経過するまでは、第1表示態様で表示され、表示相異期間経過後は、第1表示態様と異なる第2表示態様で表示されるので、新たに出現した保留表示体と、既発の保留表示体とを容易に区別することができる。これにより、例えば、当否判定権の保留が解除されて保留表示体が1つ消滅した後すぐに新たな当否判定権の保留が発生して保留表示体が1つ出現した場合でも、保留表示体の表示態様の違いによって新たな保留表示体が追加されたことを遊技者に認識させることができるので、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能となる。

新たに出現した保留表示体と、既発の保留表示体とを区別するために、特徴2の構成のように、新たな保留表示体を表示するときに、その保留表示体以外の既発の保留表示体を、出現から表示相異期間が経過するまでは第1表示態様で表示して、表示相異期間経過後は第2表示態様で表示すると共に、新たな保留表示体を第2表示態様で表示する構成としてもよい。この構成によっても、保留表示体の表示態様の違いによって新たな保留表示体が追加されたことを遊技者に認識させることができるので、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能となる。

ここで、表示態様変化手段は、保留表示体が出現する度に、保留表示体の表示態様を変化させる構成であってもよいし、特徴4の構成のように、保留表示体が1つ消滅してから所定期間内に新たな保留表示体が1つ出現したときにのみ保留表示体の表示態様を変化させる構成であってもよい。この構成によれば、保留に係る誤認が生じやすい状況下で保留表示体の表示態様を変化させることができるので、効率的に保留に係る誤認を低減することが可能となる。

また、当否判定権は、1つであってもよいし、第1と第2の当否判定権からなる2つの当否判定権を設けた構成であってもよい(特徴7の構成)。その際、それら第1と第2の当否判定権の使用順を、保留された順にしてもよいし、第1の当否判定権を優先的に使用する構成としてもよい(特徴7の構成)。また、当否判定権と、その当否判定権が発生した時に出現した保留表示体とを対応させ、それら保留表示体を当否判定権が保留された順に並べて表示してもよいし、使用される順に並べて表示してもよい(特徴6の構成)。

特徴3の遊技機によれば、第1表示態様の保留表示体に、表示相異期間の終了までの時間が表示されるので、趣向性の高い第1表示態様とすることが可能となる。

特徴5の遊技機では、前後の保留表示体の表示態様が異なるので、新たに出現した保留表示体と、既発の保留表示体とを容易に区別することができる。これにより、当否判定権の保留が解除されて保留表示体が1つ消滅した後すぐに新たな当否判定権の保留が発生して遊技球が入賞して保留表示体が1つ出現した場合でも、保留表示体の表示態様の違いによって保留表示体が追加されたことを遊技者に認識させることができるので、遊技者の保留に係る誤認を低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0083】
10 遊技機
13 液晶表示装置
14B 始動入賞口
14H,14H1,14H2 特別図柄保留表示部
14K 計測表示部
14Z,14Z1,14Z2 保留表示体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21