(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のうちから時間周波数資源を決定する方法であって、前記伝送は、前記伝送を実行するために使用可能な時間周波数資源の初期格子表現に従って前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源を介して実行され、前記時間資源は時間スロットに分割される、方法において、
前記方法は、時間周波数資源を割り当てる役割を担う第1の装置が、
‐再描画格子表現を形成するように、前記初期格子表現の時間周波数資源のグループを取得することと、
‐前記再描画格子表現に従い、周波数ホッピング基準に従って、時間周波数資源を割り当てることと、
‐前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を表すシグナリング情報を提供することと、
を実行することを特徴とし、かつ、
前記方法は、前記初期格子のどの時間周波数資源が前記伝送を実行するために使用されるべきかを決定するために、第2の装置が、
‐前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を決定するように、前記第1の装置によって提供された前記シグナリング情報を取得することと、
‐前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記決定された時間周波数資源に所定のパターンマスクを適用することであって、前記パターンマスクは、前記再描画格子の割り当てられた時間周波数資源それぞれにおいて、時間スロットごとに前記初期格子の時間周波数資源が1つだけ実効的に割り当てられるようなものである、所定のパターンマスクを適用することと
を実行することを特徴とする、方法。
前記再描画格子の前記グループは、前記初期格子の各時間スロットについて、前記初期格子の隣接する周波数または周波数帯域を周波数超帯域にグループ化することによって形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
前記初期格子の各時間スロットについて、前記初期格子の周波数または周波数帯域が、前記周波数超帯域のうちの量の観点から一様または準一様に分布することを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のうちから時間周波数資源を決定するシステムであって、前記伝送は、前記伝送を実行するために使用可能な時間周波数資源の初期格子表現に従って前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源を介して実行されることを意図され、前記時間資源は時間スロットに分割される、システムにおいて、
前記システムは、時間周波数資源を割り当てる役割を担う第1の装置が、
‐再描画格子表現を形成するように、前記初期格子表現の時間周波数資源のグループを取得する手段と、
‐前記再描画格子表現に従い、周波数ホッピング基準に従って、時間周波数資源を割り当てる手段と、
‐前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を表すシグナリング情報を提供する手段と、
を備えることを特徴とし、かつ、
前記システムは、前記初期格子のどの時間周波数資源が前記伝送を実行するために使用されるべきかを決定するために、第2の装置が、
‐前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を決定するように、前記第1の装置によって提供された前記シグナリング情報を取得する手段と、
‐前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記決定された時間周波数資源に所定のパターンマスクを適用する手段であって、前記パターンマスクは、前記再描画格子の割り当てられた時間周波数資源それぞれにおいて、時間スロットごとに前記初期格子の時間周波数資源が1つだけ実効的に割り当てられるようなものである、所定のパターンマスクを適用する手段と
を備えることを特徴とする、システム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源を決定しシグナリングすることに関する。
【0002】
ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために、ワイヤレス通信ネットワークの資源が、ワイヤレス通信ネットワークの装置(資源の使用を調整する役割を担うもの)によって割り当てられる必要がある。ワイヤレス通信ネットワークの各装置が、当該伝送を実行するためにどの資源が実効的に(effectively)使用される必要があるかを知ることになるように、資源の割り当ては、ワイヤレス通信ネットワーク内でシグナリングされる必要がある。
【0003】
時間周波数資源は、典型的には、当該伝送を実行することを可能にするために使用される。時間は等しいサイズの時間スロットに分割され、したがってこれが時間資源を定義する。伝送を実行するために複数の周波数または周波数帯域が利用可能であり、したがってこれが周波数資源を定義する。そのような時間スロット1つにおけるそのような周波数または周波数帯域の使用が、1つの時間周波数資源を定義する。時間周波数資源は、典型的には、周波数資源を1つの軸に、時間資源を別の軸に持つ格子(grid)を用いて表現される。たとえば20個の時間スロットにわたる16個の周波数帯域からなる組を考えるとき、シグナリング情報は、典型的には80ビットからなる(20個の時間資源のそれぞれについて、16個の周波数資源をカバーするために4ビット)。そのような数字(figures)は、当該伝送に対して、時間スロットごとにただ1つの周波数資源のみが割り当てられるケースを考慮する。1つまたは別の時間スロットが空きのままであるか否かを示すために、より多くのシグナリングビットが必要となる可能性もある。
【0004】
ワイヤレス通信ネットワークの資源の使用を適切に管理するためには、ワイヤレス通信ネットワーク内で交換される情報の量を低減することが重要な目標であるということが、従来技術において知られている。本発明は、伝送の成功率を改善するために一定レベルの周波数ダイバーシティを保証しつつ、ワイヤレス通信ネットワーク内でどの時間周波数資源が伝送を実行するために使用されるかを決定するために提供されるシグナリング情報を低減可能とする解決策を提供することを目的とする。
【0005】
その目的のために、本発明は、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のうちから時間周波数資源を決定する方法であって、前記伝送は、初期格子表現に従って前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源を介して実行される、方法に関する。本方法は、時間周波数資源を割り当てる役割を担う第1の装置が、再描画格子表現を形成するように、前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のグループを取得することと、前記再描画格子表現に従い、周波数ホッピング基準に従って、時間周波数資源を割り当てることと、前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を表すシグナリング情報を提供することと、を実行するものである。また、本方法は、前記初期格子表現のどの時間周波数資源が前記伝送を実行するために使用されるべきかを決定するために、第2の装置が、前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を決定するように、前記第1の装置によって提供された前記シグナリング情報を取得することと、前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記決定された時間周波数資源に所定のパターンマスクを適用することであって、前記パターンマスクは、前記再描画格子の割り当てられた時間周波数資源それぞれにおいて、時間スロットごとに前記初期格子の時間周波数資源が1つだけ実効的に割り当てられるようなものである、所定のパターンマスクを適用することと
を実行するものである。
【0006】
このように、適応的な時間周波数資源の割り当てが、限定されたシグナリングオーバヘッドで達成可能である。
【0007】
特定の特徴によれば、前記第1の装置は、第1の複数の所定の再描画格子表現のうちから1つの再描画格子表現を選択することによって時間周波数資源の前記グループを定義し、前記第1の装置は、どの再描画格子表現が選択されたかを前記シグナリング情報において示し、前記第2の装置は、どの再描画格子表現が選択されたかを前記シグナリング情報から決定する。
【0008】
このように、時間周波数資源の割り当てに、再描画格子のいくつかの可能性を介し、より大きい柔軟性が与えられ、性能が改善され得る。
【0009】
特定の特徴によれば、前記第1の装置は、前記第1の複数に含まれる各再描画格子について、前記選択された再描画格子について干渉に対する頑強性を表す第1の性能指数を計算することと、最良の第1の性能指数を示す、前記第1の複数に含まれる前記再描画格子を選択することとによって前記再描画格子を選択する。
【0010】
このように、再描画格子は、干渉に対する頑強性を改善可能なように選択され、性能が改善される。
【0011】
特定の特徴によれば、前記第1の装置は、第2の複数の所定のパターンマスクのうちから1つのパターンマスクを選択し、前記第1の装置は、どのパターンマスクが選択されたかを前記シグナリング情報において示し、前記第2の装置は、初期格子のどの時間周波数資源が前記伝送を実行するために使用されるべきかを決定するために、前記選択されたパターンマスクを適用する。
【0012】
このように、時間周波数資源の割り当てに、パターンマスクのいくつかの可能性を介し、より大きい柔軟性が与えられ、性能が改善され得る。
【0013】
特定の特徴によれば、前記第1の装置は、前記第2の複数に含まれる各パターンマスクについて、前記パターンマスクについて干渉に対する頑強性を表す第2の性能指数を計算することと、最良の第2の性能指数を示す、前記第2の複数に含まれる前記パターンマスクを選択することとによって前記パターンマスクを選択する。
【0014】
このように、パターンマスクは、干渉に対する頑強性を改善可能なように選択され、性能が改善される。
【0015】
特定の特徴によれば、前記第1の装置は、第2の複数の所定のパターンマスクのうちから1つのパターンマスクを選択し、前記第1の装置は、どのパターンマスクが選択されたかを前記シグナリング情報において示し、前記第2の装置は、前記初期格子のどの時間周波数資源が前記伝送を実行するために使用されるべきかを決定するために、前記選択されたパターンマスクを適用し、前記第1の装置は、前記第1の複数に含まれる再描画格子と、前記第2の複数に含まれるパターンマスクとの各結合について、再描画格子およびパターンマスクの前記結合について干渉に対する頑強性を表す第3の性能指数を計算することと、最良の第3の性能指数を示す、再描画格子およびパターンマスクの前記結合を選択することとによって前記再描画格子および前記パターンマスクを選択する。
【0016】
このように、時間周波数資源の割り当てに、再描画格子およびパターンマスクのいくつかの可能性を介し、より大きい柔軟性が与えられ、性能指数の最適化に従って性能が改善され得る。
【0017】
特定の特徴によれば、前記第2の複数のパターンマスクは、相互に同レベルの直交性を持つ。
【0018】
このように、複数の異なるシステムについて異なるパターンマスクが選択された時に、当該複数の異なるシステムは、相互に等しく干渉し、共同最適化(joint optimization)を行う必要がない。言い換えると、当該複数の異なるシステムの間の協力は不要である。
【0019】
特定の特徴によれば、前記再描画格子の前記グループは、前記初期格子の各時間スロットについて、前記初期格子の隣接する周波数または周波数帯域を周波数超帯域にグループ化することによって形成される。
【0020】
このように、干渉源が有する帯域幅が、伝送のために使用されるシステムの帯域幅よりも大きい時には、限定されたシグナリングオーバヘッドでこれらの干渉源の干渉回避が得られる。
【0021】
特定の特徴によれば、前記v個の連続する時間スロットにわたる各周波数超帯域内の時間周波数資源系列の結合の間で、直交性因子OFが次のように定義され、
OF(I1,I2) =
W(f(I1;1)−f(I2;1))
+W(f(I2;1)−f(I1;1))
+…
+W(f(I1;v)−f(I2;v))
+W(f(I2;v)−f(I1;v))
ただし、I1およびI2は、2つのパターンマスクとともにそれぞれ考慮されるべき各再描画格子内でv個の連続する時間スロットの量にわたって等しく形成される1つの周波数超帯域内で当該2つのパターンマスクによって定義される時間周波数資源系列であり、W(f1,f2)は、周波数資源f1およびf2の間の同一チャネル干渉の測定値であり、f(I1;a)は、時間スロットaに対する前記時間周波数資源系列I1の前記周波数資源であり、f(I2;a)は、前記時間スロットaに対する前記時間周波数資源系列I1の前記周波数資源であり、前記第2の複数のパターンマスクが相互に同レベルの直交性を持つことを保証するために、前記パターンマスクは、前記第2の複数の各パターンマスクを表す任意の系列ImおよびIkについて次の関係が満たされるように定義され、
|OF(Im,Ik)|≦D
ただしDは所定の閾値である。このように、隣接セルによって同時に使用され得るパターンマスク間の超帯域内干渉が低減される。
【0022】
特定の特徴によれば、前記v個の連続する時間スロットにわたる複数の周波数超帯域i,j内の時間周波数資源系列の結合の間で、直交性因子OFが次のように定義され、
OF(I’1,I’2) =
max
i,j(W(fi(I’1,1)−fj(I’2,1))
+W(fi(I’2,1)−fj(I’1,1)))
+…
+max
i,j(W(fi(I’1,v)−fj(I’2,v))
+W(fi(I’2,v)−fj(I’1,v)))
ただし、I’1およびI’2は、2つのパターンマスクとともにそれぞれ考慮されるべき各再描画格子内でv個の連続する時間スロットの量にわたって形成される複数の周波数超帯域内で当該2つのパターンマスクによって定義される時間周波数資源系列であり、W(f1,f2)は、周波数資源f1およびf2の間の同一チャネル干渉の測定値であり、fi(I’1;a)は、前記周波数超帯域i内の時間スロットaに対する前記時間周波数資源系列I’1の前記周波数資源であり、fi(I’2;a)は、前記周波数超帯域i内の前記時間スロットaに対する前記時間周波数資源系列I’2の前記周波数資源であり、fj(I’1;a)は、前記周波数超帯域j内の時間スロットaに対する前記時間周波数資源系列I’1の前記周波数資源であり、fj(I’2;a)は、前記時間スロットaに対する前記時間周波数資源系列I’2の前記周波数資源であり、前記第2の複数のパターンマスクが相互に同レベルの直交性を持つことを保証するために、前記パターンマスクは、前記第2の複数の各パターンマスクを表す任意の系列I’mおよびI’kについて次の関係が満たされるように定義され、
|OF(I’m,I’k)|≦D
ただしDは所定の閾値である。このように、隣接セルによって同時に使用され得るパターンマスク間の超帯域内および超帯域間干渉が低減される。
【0023】
特定の特徴によれば、前記初期格子の各時間スロットについて、前記初期格子の周波数または周波数帯域が、前記周波数超帯域のうちの量の観点から一様または準一様に分布する。
【0024】
このように、干渉回避能力はすべての時間スロットについて同一である。
【0025】
特定の特徴によれば、前記初期格子は、2400MHz〜2480MHzの周波数をカバーし、第1の周波数超帯域グループは、2400MHz〜2425MHzの周波数をカバーし、第2の周波数超帯域グループは、2425MHz〜2450MHzの周波数をカバーし、第3の周波数超帯域グループは、2450MHz〜2480MHzの周波数をカバーする。
【0026】
このように、ISM(工業、科学および医療)(Industrial, Scientific and Medical)帯域において動作する最も普及した装置によって生成される干渉が、限定されたシグナリングオーバヘッドで回避可能である。
【0027】
特定の特徴によれば、前記再描画格子は、次の制約を満たすことによって時間周波数資源のグループが形成されるようなものであり、
【0028】
【数1】
【0029】
ただし、
‐┌ ┐は、天井演算子を表し、
‐nは、前記初期格子から形成されたグループの量を表し、
‐N
iは、インデックスiによって識別される、あるグループ内に存在する前記初期格子の時間スロットの量を表し、
‐N
tは、前記初期格子の時間スロットの量を表し、
‐SB
iは、前記インデックスiによって識別される、前記グループ内の時間スロットそれぞれに対する周波数超帯域の量を表し、
‐B
tは、前記再描画格子に従って前記伝送にどの時間周波数資源が割り当てられるかを示すために利用可能なシグナリングビットの目標量を表す。
【0030】
このように、再描画格子は目標シグナリングオーバヘッドに対して定義可能である。
【0031】
特定の特徴によれば、前記再描画格子表現に従った割り当ては、所定量の時間スロットの組によって考慮され、前記再描画格子表現に従った割り当ては、コードブックにおいて対応するシグナリングワードに関連付けられ、前記シグナリング情報は、前記再描画格子表現に従って第1通信装置によって割り当てられた前記時間周波数資源に関連付けられた前記コードブックの前記コードを含む。
【0032】
このように、再描画格子に従って割り当てられた時間周波数資源を通知するのに必要なデータの量は限定される。
【0033】
本発明は、また、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のうちから時間周波数資源を決定するシステムであって、前記伝送は、初期格子表現に従って前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源を介して実行されることを意図される、システムにも関する。本システムは、時間周波数資源を割り当てる役割を担う第1の装置が、再描画格子表現を形成するように、前記ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のグループを取得する手段と、前記再描画格子表現に従い、周波数ホッピング基準に従って、時間周波数資源を割り当てる手段と、前記取得した再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を表すシグナリング情報を提供する手段と、を備えるものである。さらに、本システムは、前記初期格子のどの時間周波数資源が前記伝送を実行するために使用されるべきかを決定するために、第2の装置が、前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記時間周波数資源を決定するように、前記第1の装置によって提供された前記シグナリング情報を取得する手段と、前記再描画格子表現に従って割り当てられた前記決定された時間周波数資源に所定のパターンマスクを適用する手段であって、前記パターンマスクは、前記再描画格子の割り当てられた時間周波数資源それぞれにおいて、時間スロットごとに前記初期格子の時間周波数資源が1つだけ実効的に割り当てられるようなものである、所定のパターンマスクを適用する手段とを備えるものである。
【0034】
システムに関する特徴は、上述の対応する方法に関して既に述べたものと同様なので、対応する利点についてはここでは繰り返さない。
【0035】
本発明の特徴は、以下に示す実施形態の例の記載を読めばより明らかになるであろう。以下の記載は添付の図面を参照して作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明が実装され得るワイヤレス通信ネットワークを概略的に表す図である。
【
図2】ワイヤレス通信ネットワークの通信装置を概略的に表す図である。
【
図3】本発明の実施の形態1による、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源を決定するためのアルゴリズムを概略的に表す図である。
【
図4】本発明の実施の形態2による、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源を決定するためのアルゴリズムを概略的に表す図である。
【
図5】ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリングするために使用されるべき時間周波数資源の再描画格子を決定するためのアルゴリズムを概略的に表す図である。
【
図6】ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリング情報から決定するために使用されるべきパターンを決定するためのアルゴリズムを概略的に表す図である。
【
図7】ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリングするために使用されるべき時間周波数資源の再描画格子と、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリング情報から決定するために使用されるべきパターンとを決定するためのアルゴリズムを概略的に表す図である。
【
図8A】時間周波数資源の初期格子(時間周波数資源の再描画格子は、これに基づいている)を概略的に表す図である。
【
図8B】時間周波数資源の再描画格子の実施の形態1を概略的に表す図である。
【
図8C】時間周波数資源の再描画格子の実施の形態1を概略的に表す図である。
【
図8D】時間周波数資源の再描画格子の実施の形態2を概略的に表す図である。
【
図8E】時間周波数資源の再描画格子の実施の形態2を概略的に表す図である。
【
図8F】時間周波数資源の再描画格子の実施の形態3を概略的に表す図である。
【
図8G】時間周波数資源の再描画格子の実施の形態3を概略的に表す図である。
【
図9A】本発明による、時間周波数資源の割り当ておよびシグナリングの例を概略的に表す図である。
【
図9B】本発明による、時間周波数資源の割り当ておよびシグナリングの例を概略的に表す図である。
【
図9C】本発明による、時間周波数資源の割り当ておよびシグナリングの例を概略的に表す図である。
【0037】
ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために割り当てられる時間周波数資源に関して通信装置に通知するために必要なシグナリング情報の量を低減するために、時間周波数資源が個別に考慮される時間周波数資源の初期格子(initial grid)から、時間周波数資源の再描画格子(redrawn grid)を構築するために、時間周波数資源のグループを形成することが提案される。時間周波数資源をグループ化し、初期格子の代わりに再描画格子を考慮して割り当てを実行することにより、シグナリング情報の量が低減される。実効的に(effectively)必要な分よりも多くの時間周波数資源が使用されることを回避するために、シグナリング情報によって規定され、時間周波数資源の割り当てにパターンマスクが適用される。パターンマスクは時間周波数資源の初期格子に戻ることを可能にし、一方で、シグナリング情報は時間周波数資源の再描画格子のみを参照する(これは時間周波数資源の初期格子よりも本質的に不正確である)。
【0038】
図1は、本発明が実装可能なワイヤレス通信ネットワークを概略的に表す。
【0039】
図1に示すワイヤレス通信ネットワークは、サーバ100と、複数のアクセスポイントAPと、複数の移動端末とを備える。2つのAP110、111が例示的に表され、また、2つの移動端末120、121も例示的に表される。
【0040】
図1において、
図1内の実線矢印によって表されるように、移動端末120は、ワイヤレス通信ネットワーク内でAP110を介して通信し、移動端末121は、ワイヤレス通信ネットワーク内でAP111を介して通信する。移動端末121の立場からは、AP110から移動端末120へのダウンリンク通信が、AP111から移動端末121へのダウンリンク通信と干渉する可能性がある。移動端末120の立場からは、AP111から移動端末121へのダウンリンク通信が、AP110から移動端末120へのダウンリンク通信と干渉する可能性がある。このような干渉は、
図1において破線矢印で表される。移動端末の近傍および/またはAPの近傍に位置する他の干渉源によって他の干渉が発生する可能性もある。
【0041】
そのような干渉への対応は、伝送のために時間周波数資源を割り当てる時に周波数ホッピングの恩恵により実行可能である。周波数ホッピングは、周波数の使用の観点からダイバーシティを提供し、これは狭帯域干渉に耐性のある伝送を可能にする。
【0042】
サーバ100は、ワイヤレス通信ネットワーク内で時間周波数資源の割り当てを実行する役割を担う。これを達成するため、伝送を実行するために、サーバ100は、割り当て要求を受信して処理し、割り当て要求に応じてサーバ100によって割り当てられた時間周波数資源に関する情報を提供するために、AP110、111と通信する。各APは、サーバ100によって当該APによってカバーされるある領域(「セル」ともいう)内に存在する任意の移動端末に対して割り当てられた当該時間周波数資源を表すシグナリング情報を提供する役割を担う。
【0043】
一変形例では、時間周波数資源の割り当ては、各APが接続されるサーバによってではなく、各AP自身によって実行される。
【0044】
AP110と移動端末120との間の伝送およびAP111と移動端末121との間の伝送を実行するために使用され得る時間周波数資源は、時間周波数資源のいわゆる初期格子を使用して表現することができる。そのような時間周波数資源の初期格子の例示的表現は、
図8Aに示される。
【0045】
図8Aにおいて、周波数資源は縦軸(垂直軸)として表され、時間資源は横軸(水平軸)として表される。例示的には、2400MHz〜2480MHzの周波数帯域が、それぞれ5MHzの16個の周波数資源に分割される。言い換えると、
図8Aに示す格子の各行は、幅5MHzの周波数資源を表す。例示的には、時間は、それぞれ4msの時間スロットに分割される。
図8Aに示す格子に従って、20個の時間スロットからなる時間フレームが表される。各時間スロットが時間資源として考えられる。言い換えると、
図8Aに示す格子の各列は、幅4msの時間資源を表す。この場合、
図8Aに示す格子において表される正方形はそれぞれ4msにわたる5MHzの時間周波数資源に対応する。
【0046】
伝送は、当該初期格子の時間周波数資源を使用して実行されることになる。
【0047】
上述のように、
図8Aに示す初期格子に従ってシグナリングを実行することは、少なくとも80ビットを必要とする(20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレームの各時間スロットに対して1つの周波数資源を割り当てる必要があるということを考え、どの周波数資源が割り当てられるかを示すために時間スロット毎に4ビット)。初期格子の時間周波数資源のグループ化によって形成される再描画格子と、初期格子に戻るためのパターンマスクとを使用することにより、後に詳述するように、シグナリングを実行するために必要なビットの量が低減可能になる。
【0048】
図2は、ワイヤレス通信ネットワークの通信装置を概略的に表す。このような通信装置は、AP(AP110等)の表現であってもよく、および/または、移動端末(移動端末120等)の表現であってもよく、および/または、サーバ100の表現であってもよい。
【0049】
図示のアーキテクチャによれば、通信装置は、通信バス210によって相互接続される以下の構成要素を備える。
‐プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはCPU(中央処理装置)200。
‐RAM(ランダムアクセスメモリ)201。
‐ROM(読み出し専用メモリ)202。
‐HDD(ハードディスクドライブ)またはSD(セキュアデジタル)カードリーダ203、または記憶手段に記憶された情報を読み出すよう構成される任意の他の装置。
‐少なくとも1つの通信インタフェース204。
【0050】
通信インタフェース204により、通信装置は、ワイヤレス通信ネットワークの、少なくとも1つの他の通信装置と通信することができる。
【0051】
CPU200は、ROM202からまたは外部メモリ(SDカード等)からRAM201にロードされた命令を、実行することができる。通信装置の電源が投入された後に、CPU200はRAM201から命令を読み出し、それらの命令を実行することができる。これらの命令は、CPU200に、後述されるアルゴリズムのステップの一部または全部を実行させる1つのコンピュータプログラムを形成する。
【0052】
後述するアルゴリズムの任意のステップおよびすべてのステップは、プログラム可能な計算機(PC(パーソナルコンピュータ)、DSP(デジタル信号プロセッサ)またはマイクロコントローラ等)による命令の組またはプログラムの実行によるソフトウェアにおいて実装されてもよい。または、そうでなければ、機械または専用の構成要素(FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定アプリケーション向け集積回路)等)によるハードウェアにおいて実装されてもよい。
【0053】
図3は、本発明の実施の形態1による、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源を決定するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【0054】
図3のアルゴリズムは、2つの部分(S320およびS330)からなる。第1部分S320は、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために時間周波数資源を割り当てる処理に関する。第1部分S320は、APまたはサーバ100によって実行することができる。第2部分S330は、伝送を実行するためにどの時間周波数資源が実効的に割り当てられたかをシグナリング情報から決定する処理に関する。第2部分S330は、APまたはサーバ100によって実行することができる。一般的考慮のもとでは、第1部分S320は、1通信装置(ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を可能にするための時間周波数資源割り当ての役割を担うもの)によって実行され、第2部分S330は、第2通信装置(ワイヤレス通信ネットワーク内で当該伝送を可能にするために実効的に割り当てられた時間周波数資源を決定する用意がある(willing)もの)によって実行される。
【0055】
図3のアルゴリズムにおいて、第1部分S320は、ステップS301〜S303の系列からなり、第2部分S330は、ステップS310〜S313の系列からなる。
【0056】
ステップS301において、第1通信装置は時間周波数資源の再描画格子を取得する。再描画格子は、初期格子の時間周波数資源をグループ化することにより取得される。
図3のアルゴリズムの範囲内において、第1通信装置は再描画格子の静的定義に依存することが考えられる。その場合、再描画格子は事前に決定され、たとえばワイヤレス通信ネットワークの設置または初期化の際に、その定義がワイヤレス通信ネットワーク内で事前に提供される。再描画格子の定義もまた、製造プロセスの過程においてワイヤレス通信ネットワークの各通信装置のメモリに記憶されてもよく、その後、電源が投入されると、当該通信装置によって検索されてもよい。変形例では、
図4に関して後に詳述するように、第1通信装置は再描画格子の動的定義に依存する。
【0057】
言い換えると、第1通信装置は、再描画格子表現を形成するように、ワイヤレス通信ネットワークの時間周波数資源のグループを取得する。このように、グループの形成により、初期格子と比較すると、再描画格子内にはより少ない量の時間周波数資源しか存在していないので、再描画格子に従って実行される時間周波数資源の割り当ては、初期格子に従って実行される時間周波数資源の割り当てと比較して、少ないシグナリングビットしか要求しない。
【0058】
再描画格子は、初期格子の連続する時間スロットに対して同等に、初期格子の隣接する周波数または周波数帯域を周波数超帯域(frequency super-band)にグループ化することによって形成可能である。
【0059】
図8Aに示す時間周波数資源の初期格子を考えると、時間周波数資源のそのような再描画格子の第1の例は、
図8Bおよび8Cに示される。8Bおよび8Cに示す再描画格子は、初期格子の各時間スロットについて、各周波数超帯域内で、初期格子の周波数または周波数帯域(周波数資源)が量の観点で準一様に分布しているようなものである。初期格子の周波数または周波数帯域(周波数資源)は、
図9Aに示すように、当該周波数超帯域のうちで、量の観点で一様に分布していてもよい。
【0060】
図8Bにおいて、
図8Aに示す時間周波数資源の再描画格子は、3つの周波数帯域811、812および813を形成するために周波数資源がグループ化されたものである。周波数帯域811、812および813は、
図8Bでは破線により互いに分離されている。周波数帯域811は、
図8Aに示す初期格子のうち6個の周波数資源(すなわち2450MHz〜2480MHzの、5MHz幅の、6個の周波数資源)をカバーする。周波数帯域812は、
図8Aに示す初期格子のうち5個の周波数資源(すなわち2425MHz〜2450MHzの、5MHz幅の、5個の周波数資源)をカバーする。周波数帯域812は、
図8Aに示す初期格子のうち5個の周波数資源(すなわち2400MHz〜2425MHzの、5MHz幅の、5個の周波数資源)をカバーする。
図8Bおよび
図8Cに示す再描画格子では、時間資源のグループは形成されず、周波数資源のグループのみが形成されている。
図8Cには、初期格子から再描画格子を作成するために形成された時間周波数資源グループが示されている。周波数帯域811、812および813は、
図8Cの再描画格子表現において区別可能に現れる。この場合、考慮中の時間フレームの各時間スロットについて、この再描画格子に従って、3つの時間周波数資源の割り当て(すなわち、周波数帯域811、812、813それぞれについて1つずつ)が実行可能である。比較すると、
図8Aに示す初期格子に従って、時間スロットごとに割り当てが16個実行可能である。
【0061】
このように、
図8Cに示す再描画格子表現に依存することによって、各時間スロットについて、どの周波数資源が割り当てられるかを示すために2個のシグナリングビットが必要である。2個のシグナリングビットは、さらに、考慮中の時間スロットに周波数資源が割り当てられないことを示すことができる(考慮中の時間スロットに周波数資源が割り当てられないことを示すための値が1つ、考慮中の時間スロットに周波数帯域811が割り当てられることを示すための値が1つ、考慮中の時間スロットに周波数帯域812が割り当てられることを示すための値が1つ、考慮中の時間スロットに周波数帯域813が割り当てられることを示すための値が1つ)。この結果としてシグナリングビットの総数は40個になり、これは、初期格子に依存する時に必要となる少なくとも80個のシグナリングビットに比べると著しく少ない。
【0062】
各周波数帯域811、812、813はそれぞれWi−Fi(登録商標)システムにおける主チャネルの1つに対応するので、
図8Aに示す初期格子から
図8Cに示す再描画格子を作成するために形成されるグループは特に有利である。さらに、周波数帯域811は電子レンジの動作によって影響を受け得る周波数帯域に対応する。したがって、Wi−Fi装置通信の結果として生じる干渉と、電子レンジの動作の結果として生じる干渉とは、周波数ホッピングにより容易にハンドリング可能である。
【0063】
図8Aに示す時間周波数資源の初期格子を考えると、
図8Dおよび8Eに、時間周波数資源の再描画格子の第2の例が示されている。
【0064】
図8Dにおいて、
図8Aに示す時間周波数資源の再描画格子は、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の先頭から12個の連続する時間スロットにわたる3つの周波数帯域821、822および823を形成するために周波数資源がグループ化されたものである。3つの周波数帯域821、822および823は、それぞれ、
図8Bおよび8Cに示す再描画格子の3つの周波数帯域811、812、813に対応する。20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレームの、残る8個の時間スロットについては、すべての周波数資源が一緒に周波数帯域824にグループ化される。
図8Dおよび8Eに示す再描画格子では、時間資源のグループは形成されず、周波数資源のグループのみが形成される。
図8Eにおいて、初期格子から再描画格子を作成するために形成された時間周波数資源グループが示されている。周波数帯域821、822、823および824は、
図8Eの再描画格子表現において区別可能に現れる。この場合、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の先頭から12個の連続する時間スロットに含まれる各時間スロットについて、この再描画格子に従って、3つの時間周波数資源の割り当て(すなわち、周波数帯域821、822、823それぞれについて1つずつ)が実行可能である。20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレームの、残る8個の時間スロットに含まれる各時間スロットについては、再描画格子に従って単一の割り当て(すなわち、周波数帯域824について1つの割り当て)が可能である。ここでも、比較すると、
図8Aに示す初期格子に従って、時間スロットごとに割り当てが16個実行可能である。
【0065】
このように、
図8Eに示す再描画格子表現に依存することによって、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の先頭から12個の連続する各時間スロットに含まれる各時間スロットについて、どの周波数資源が割り当てられるかを示すために2個のシグナリングビットが必要である。2個のシグナリングビットは、さらに、考慮中の時間スロットに周波数資源が割り当てられないことを示すことができる(考慮中の時間スロットに周波数資源が割り当てられないことを示すための値が1つ、考慮中の時間スロットに周波数帯域821が割り当てられることを示すための値が1つ、考慮中の時間スロットに周波数帯域822が割り当てられることを示すための値が1つ、考慮中の時間スロットに周波数帯域823が割り当てられることを示すための値が1つ)。考慮中の時間フレームの、残る8個の時間スロットについては、各時間スロットについて、周波数帯域824に対応する周波数資源が割り当てられるか否かを示すために1つのシグナリングビットが必要である。この結果としてシグナリングビットの総数は32個になり、これは、初期格子に依存する時に必要となる少なくとも80個のシグナリングビットに比べると著しく少ない。さらに、32ビットの長さを持つシグナリング情報は、ほとんどのコンピュータシステムのメモリ幅に有利に整合する。
【0066】
図8Aに示す時間周波数資源の初期格子を考えると、
図8Fおよび8Gに、時間周波数資源の再描画格子の第3の例が示されている。
【0067】
図8Fにおいて、
図8Aに示す時間周波数資源の再描画格子は、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の先頭から12個の連続する時間スロットについて、4つの周波数帯域831、832、833および834を形成するために周波数資源がグループ化されたものである。周波数帯域831、832、833および834は、
図8Fでは破線により互いに分離されている。周波数帯域831は、
図8Aに示す初期格子のうち4個の周波数資源(すなわち2460MHz〜2480MHzの、5MHz幅の、4個の周波数資源)をカバーする。周波数帯域832は、
図8Aに示す初期格子のうち4個の周波数資源(すなわち2440MHz〜2460MHzの、5MHz幅の、4個の周波数資源)をカバーする。周波数帯域832は、
図8Aに示す初期格子のうち4個の周波数資源(すなわち2420MHz〜2440MHzの、5MHz幅の、4個の周波数資源)をカバーする。周波数帯域834は、
図8Aに示す初期格子のうち4個の周波数資源(すなわち2400MHz〜2420MHzの、5MHz幅の、4個の周波数資源)をカバーする。
図8Bおよび
図8Cに示す再描画格子では、時間資源のグループは形成されず、周波数資源のグループのみが形成されている。20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレームの、残る8個の時間スロットについては、2つの周波数帯域835および836を形成するために周波数資源がグループ化される。周波数帯域835は、
図8Aに示す初期格子のうち8個の周波数資源(すなわち2440MHz〜2480MHzの、5MHz幅の、8個の周波数資源)をカバーする。周波数帯域836は、
図8Aに示す初期格子のうち8個の周波数資源(すなわち2400MHz〜2440MHzの、5MHz幅の、8個の周波数資源)をカバーする。
図8Gにおいて、初期格子から再描画格子を作成するために形成された時間周波数資源のグループが示されている。周波数帯域831、832、833、834、835および836は、
図8Gの再描画格子表現において区別可能に現れる。この場合、この再描画格子に従って、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の先頭から12個の連続する時間スロットに含まれる各時間スロットについて、時間周波数資源の割り当てが4つ(すなわち、周波数帯域831、832、833、834それぞれについて1つずつ)実行可能である。この場合、この再描画格子に従って、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の、残る8個の時間スロットに含まれる各時間スロットについて、割り当てが2つ(すなわち、周波数帯域835、836それぞれについて1つずつ)実行可能である。ここでもまた、比較すると、
図8Aに示す初期格子に従って、時間スロットごとに16個の割り当てが実行可能である。
【0068】
このように、
図8Gに示す再描画格子表現に依存することによって、20個の時間スロットからなる考慮中の時間フレーム内の先頭から12個の連続する時間スロットに含まれる各時間スロットについて、どの周波数資源が割り当てられるかを示すために2個のシグナリングビットが必要である。ここでは、考慮中の時間フレームの時間スロットのそれぞれについて1つの周波数資源が割り当てられると考える。考慮中の時間フレームの、残る8個の時間スロットについては、各時間スロットについて、周波数帯域835、836のうちどの周波数資源が割り当てられるかを示すために1つのシグナリングビットが必要である。この結果としてシグナリングビットの総数は32個になり、これは、初期格子に依存する時に必要となる少なくとも80個のシグナリングビットに比べると著しく少ない。さらに、32ビットの長さを持つシグナリング情報は、ほとんどのコンピュータシステムのメモリ幅に有利に整合する。
【0069】
時間周波数資源の再描画格子は、他の様々な形式を取り得る。
図8B〜8Gは、初期格子の周波数資源軸に沿って形成されたグループを示しているが、これに代えて、グループは時間資源軸に沿って形成されてもよい。また、グループは周波数資源軸および時間資源軸の双方に沿って形成されてもよい。
【0070】
より一般的な手法では、再描画格子を作成するために形成されるグループは、次の制約を満たす:
【0071】
【数2】
【0072】
ただし、
‐┌ ┐は、天井演算子(the ceil operator)を表し、
‐nは、初期格子から形成されたグループの量を表し、
‐N
iは、インデックスiによって識別される、あるグループ内に存在する初期格子の時間スロット(時間資源)の量を表し、
‐N
tは、初期格子の時間スロット(時間資源)の量(すなわち
図8Aに示す初期格子に従ってN
t=20)を表し、
‐SB
iは、インデックスiによって識別されるグループ内の時間スロット(時間資源)それぞれに対する周波数超帯域の量を表し、
‐B
tは、再描画格子に従って当該伝送にどの時間周波数資源が割り当てられるかを示すために利用可能なシグナリングビットの目標量を表す。
【0073】
上記の説明(より詳細には、シグナリング情報の例示的な例)は、時間スロットごとのシグナリングに依存する(すなわち、第1通信装置によって当該時間スロットにおいてどの周波数資源が割り当てられたかを各時間スロットについて示すために、N個(N>0)という量のシグナリングビットが提供される)。別の実施形態では、20個の時間スロットに関するすべての割り当てが、すべての割り当て可能性の間のマッピング(20個の時間スロットにわたる3個の周波数超帯域が定義されている時には3
20の割り当て可能性)と、所定長のシグナリングワード(たとえば32ビット)とを使用して一緒にシグナリングされる。このマッピングは、コードブック(codebook)に表されてもよい。コードブックのサイズを縮小するために、所定量の時間スロットからなる組によって割り当てが考慮されてもよい(たとえば5個の時間スロットが一緒に考えられる)。したがって、所定量の時間スロットの可能な割り当てそれぞれに1つのシグナリングワードが付与される。このように、
図8Cに示す再描画格子を考慮し、5個の時間スロットを一緒にしての割り当てを表すシグナリングワードを考慮する時には、3
5個の割り当て可能性が存在し(
図8Cにおいて、20個の時間スロットにわたる3個の周波数超帯域が定義されている)、これは8ビットに等しい長さのシグナリングワードによって表され得る。最後に、割り当て20個に対するシグナリングは、5個の時間スロットからなる組の割り当てを4個必要とする。この結果としてシグナリングビットの総数は32個になり、これは、初期格子に依存する時に必要となる少なくとも80個のシグナリングビットに比べると著しく少ない。さらに、32ビットの長さを持つシグナリング情報は、ほとんどのコンピュータシステムのメモリ幅に有利に整合する。
【0074】
図3に戻り、続くステップS302において、第1通信装置は、当該伝送を可能にするために、取得した再描画格子表現に従って時間周波数資源を割り当てる。言い換えると、第1通信装置は、取得した再描画格子表現に依存することによって割り当てを実行する。したがって、取得された再描画格子表現を形成するために少なくとも1つの他の時間周波数資源とグループ化された時間周波数資源は、独立に割り当てることはできない。時間周波数資源の割り当ては、周波数ダイバーシティと干渉に対する頑強性とを当該伝送に提供し、したがって当該伝送の性能(すなわち成功率)を改善するために、周波数ホッピング基準に従って実行される。
【0075】
続くステップS303において、第1通信装置は、ワイヤレス通信ネットワーク内でシグナリング情報を提供する。たとえば、第1通信装置がAP110である時には、AP110は、当該伝送にどの時間周波数資源が割り当てられたかを移動端末120が決定できるようにするために、移動端末120に当該シグナリング情報を送信する。この場合には、当該伝送はAP110から移動端末120へのダウンリンク伝送であり、そのために、移動端末120は、そのダウンリンク伝送を実行するためにAP110によってどの時間周波数資源が使用されるかを知る必要があるか、および/または、当該伝送は移動端末120からAP110へのアップリンク伝送であり、そのために、移動端末120は、そのアップリンク伝送を実行するために移動端末120によってどの時間周波数資源が使用されるべきであるかを知る必要がある。
【0076】
シグナリング情報は、当該伝送を可能にするために、少なくとも、時間周波数資源の取得された再描画格子に従ってどの時間周波数資源が割り当てられたかを表す。
【0077】
続くステップS310において、第2通信装置は、第1装置によってステップS303で送信されたシグナリング情報を受信する。
【0078】
続くステップS311において、第2通信装置は、受信したシグナリング情報から、時間周波数資源(ステップS302において再描画格子に従って割り当てられたもの)を取得する。
【0079】
続くステップS312において、第2通信装置は、再描画格子表現に従って割り当てられた決定された時間周波数資源に、所定のパターンマスクを適用する。所定のパターンマスクを適用することにより、第2通信装置は、当該伝送を実行するために初期格子のどの時間周波数資源が実効的に使用される必要があるかを決定できるようになる(シグナリング情報は再描画格子しか参照しないが)。再描画格子の時間周波数資源のグループに適用される時には、この所定のパターンマスクにより、第2通信装置は、当該伝送を実行するために当該グループのどの時間周波数資源が実効的に使用される必要があるかを決定できるようになる。このパターンマスクは、再描画格子の割り当てられる各時間周波数資源において、時間スロットごとに初期格子の時間周波数資源が1つだけ実効的に割り当てられるようなものである。これにより、再描画格子に従って割り当てられた時間周波数資源にパターンマスクを適用した後には、時間スロットごとに初期格子の時間周波数資源が1つだけ割り当てられるということが保証される。
【0080】
図3のアルゴリズムの範囲内において、第2通信装置はパターンマスクの静的定義に依存することが考えられる。その場合、パターンマスクは事前に決定され、たとえばワイヤレス通信ネットワークの設置または初期化の際に、その定義がワイヤレス通信ネットワーク内で事前に提供される。パターンマスクの定義もまた、製造プロセスの過程においてワイヤレス通信ネットワークの各通信装置のメモリに記憶されてもよく、その後、電源が投入されると、当該通信装置によって検索されてもよい。変形例では、
図4に関して後に詳述するように、第2通信装置はパターンマスクの動的定義に依存する。
【0081】
続くステップS313において、当該伝送を実行するために、初期格子表現に従ってステップS312で特定された時間周波数資源が使用される。たとえば、第2通信装置が移動端末120である時には、移動端末120は、AP110からのダウンリンク通信を介してデータを受信するために、および/または、AP110にアップリンク通信を介してデータを送信するために、ステップS312で特定された時間周波数資源を使用する。
【0082】
図9A〜9Cに示すような、
図3のアルゴリズムの実行の例示的な結果を考えよう。
図9Aは、ステップS301を実行することによって取得される再描画格子を表す。8Aに示す初期格子を考えると、時間周波数資源は4個の周波数帯域を形成するためにグループ化されている。このように、グループは時間スロットごとに形成される。したがって、各グループは、初期格子の時間周波数資源4個からなる。
【0083】
図9Aにおいて、黒い長方形は、ステップS302で当該伝送に対して割り当てられた時間周波数資源を表す。白い長方形は、ステップS302で当該伝送に対して割り当てられなかった時間周波数資源を表す。したがって、ステップS303で第1通信装置によって提供されるシグナリング情報は、
図9Aに示す黒い長方形を表す。
【0084】
図9Bは、当該伝送を実行するために、初期格子のどの時間周波数資源が使用される必要があるかを決定するために使用可能なパターンマスクを表す。このパターンマスクは、時間周波数資源の初期格子上に表現される。明確さのために、再描画格子のグループを形成可能にした周波数帯域(そのような周波数帯域の定義はパターンマスクの範囲外であるが)が、破線を利用して示される。
図9Bに表される黒い正方形は、伝送を実行するために使用され得る時間周波数資源に対応し、白い正方形は、伝送を実行するために使用され得ない時間周波数資源に対応する。
【0085】
図9Bのパターンマスクと
図9Aの再描画格子とを重ねると、再描画格子の各グループ内で初期格子の資源がただ1つだけ、黒い正方形によりマークされるということに留意すべきである。これにより、再描画格子に従って割り当てられた時間周波数資源にマスクを適用した後には、時間スロットごとに初期格子の資源がただ1つだけ割り当てられるということが保証される。
【0086】
図9Cは、初期格子の、当該伝送を実行するために使用される必要がある各時間周波数資源を表す。
図9Cに表される黒い正方形は、当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源に対応し、白い正方形は、当該伝送を実行するために使用されるべきでない時間周波数資源に対応する。このように、当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源は、
図9Aおよび
図9Bに示す各格子を重ねることにより取得される。再描画格子に従って割り当てられる時間周波数資源(
図9Aの黒い長方形)のみが考慮され、その後、再描画格子に従って割り当てられる当該時間周波数資源内で、パターンマスク内でマークされた時間周波数資源(
図9Bの黒い正方形)だけが、当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源として考慮される。
【0087】
図4は、本発明の実施の形態2による、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源を決定するためのアルゴリズムを概略的に表す。
図4のアルゴリズムと
図3のアルゴリズムとの相違は、
図4のアルゴリズムでは再描画格子および/またはパターンマスクが動的に選択されるということにある。
【0088】
図4のアルゴリズムは、2つの部分(S420およびS430)からなる。第1部分S420は、ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を実行するために時間周波数資源を割り当てる処理に関する。第1部分S420は、APまたはサーバ100によって実行することができる。第2部分S430は、伝送を実行するためにどの時間周波数資源が実効的に割り当てられたかをシグナリング情報から決定する処理に関する。第2部分S430は、APまたはサーバ100によって実行することができる。一般的考慮のもとでは、第1部分S420は、第1通信装置(ワイヤレス通信ネットワーク内で伝送を可能にするための時間周波数資源割り当ての役割を担うもの)によって実行され、第2部分S430は、第2通信装置(ワイヤレス通信ネットワーク内で当該伝送を可能にするために実効的に割り当てられた時間周波数資源を決定する用意があるもの)によって実行される。
【0089】
図4のアルゴリズムにおいて、第1部分S420は、ステップS401〜S403の系列からなり、第2部分S430は、ステップS410〜S414の系列からなる。
【0090】
ステップS401において、第1通信装置は、時間周波数資源の所定の再描画格子の集合から、ある再描画格子を選択する。この所定の再描画格子は、
図3に関して既に述べたように、初期格子の時間周波数資源をグループ化することにより取得される。再描画格子の動的選択は、
図5に関して、特定の実施形態において、以下に説明される。
【0091】
続くステップS402において、第1通信装置は、所定のパターンマスクの集合から、あるパターンマスクを選択する。パターンマスクの動的選択は、
図6に関して、特定の実施形態において、以下に説明される。
【0092】
再描画格子およびパターンマスクそれぞれの動的選択は、共同で(jointly)実行されてもよい。再描画格子およびパターンマスクの共同動的選択は、
図7に関して、特定の実施形態において、以下に説明される。
【0093】
さらに、
図4は再描画格子およびパターンマスクの動的選択を表すが、再描画格子のみまたはパターンマスクのみが第1通信装置によって動的に選択されてもよい。
【0094】
続くステップS403において、第1通信装置は、当該伝送を可能にするために、選択され再描画格子表現に従って時間周波数資源を割り当てる。言い換えると、第1通信装置は、選択された再描画格子表現に依存することによって割り当てを実行する。時間周波数資源の割り当ては、周波数ダイバーシティを当該伝送に提供するように、周波数ホッピング基準に従って実行される。
【0095】
再描画格子は、時間周波数資源のグループが形成された初期格子に基づいているので、これは、割り当てられる時間周波数資源に関して第2通信装置に通知するために必要なシグナリングビットがより少ないということを意味する。
【0096】
続くステップS404において、第1通信装置は、ワイヤレス通信ネットワーク内でシグナリング情報を提供する。たとえば、第1通信装置はAP110である時には、AP110は、当該伝送にどの時間周波数資源が割り当てられたかを移動端末120が決定できるようにするように、移動端末120に当該シグナリング情報を送信する。この場合には、当該伝送はAP110から移動端末120へのダウンリンク伝送であり、そのために、移動端末120は、そのダウンリンク伝送を実行するためにAP110によってどの時間周波数資源が使用されるかを知る必要があるか、および/または、当該伝送は移動端末120からAP110へのアップリンク伝送であり、そのために、移動端末120は、そのアップリンク伝送を実行するために移動端末120によってどの時間周波数資源が使用されるべきであるかを知る必要がある。
【0097】
シグナリング情報は、当該伝送を可能にするために、少なくとも、時間周波数資源の取得された再描画格子に従ってどの時間周波数資源が割り当てられたかを表す。再描画格子が第1通信装置によって動的に選択されていた時には、シグナリング情報はさらに、その選択された再描画格子を表す。パターンマスクが第1通信装置によって動的に選択されていた時には、シグナリング情報はさらに、その選択されたパターンマスクを表す。
【0098】
続くステップS410において、第2通信装置は、第1装置によってステップS403で送信されたシグナリング情報を受信する。
【0099】
続くステップS411において、第2通信装置は、受信したシグナリング情報から、ステップS302において再描画格子に従って割り当てられた時間周波数資源を取得する。
【0100】
続くステップS412において、第2通信装置は、当該伝送を実行するために、初期格子のどの時間周波数資源が使用される必要があるかを決定するために適用されるべきパターンマスクを表す情報を、受信したシグナリング情報から取得する。
【0101】
続くステップS413において、第2通信装置は、再描画格子表現に従って割り当てられた決定された時間周波数資源に、取得したパターンマスクを適用する。
【0102】
図3のアルゴリズムの場合と同様に、取得したパターンマスクを適用することにより、第2通信装置は、当該伝送を実行するために初期格子表現のどの時間周波数資源が実効的に使用される必要があるかを決定できるようになる(シグナリング情報は再描画格子表現しか参照しないが)。
【0103】
一実施形態では、第1通信装置が所定のパターンマスクの集合からパターンマスクを選択する時には、当該パターンマスクは相互に同レベルの直交性を持つ。そのような構成は、サーバ100がAPを代表してパターンマスクを選択する時に特に有用である。この場合には、サーバ100は、隣接するセルにおいて使用される時間周波数資源が直交するか、または相互に同レベルの干渉を観測するということを保証することができる。
【0104】
これを達成するために、2つの周波数資源間の周波数距離に依存する同一チャネル(このチャネルは、本明細書に記載される周波数ホッピングメカニズムが適用される周波数スペクトルであり、たとえばISM周波数帯域)干渉の関数として、直交性因子OFが定義されてもよい。パターンマスクを定義する時には、パターンマスク間の直交性因子OFを等化することが目的の1つとなる。これらのパターンマスクは、再描画格子の、割り当てられる時間周波数資源のそれぞれにおいて、時間スロットごとに、初期格子の時間周波数資源が1つだけ実効的に割り当てられるものであるということに留意する。
【0105】
実施の形態1において、W(f1−f2)を、周波数資源f1およびf2の間の同一チャネル干渉の測定値とする。I1およびI2を、2つのパターンマスクとともにそれぞれ考慮されるべき各再描画格子内でv個の連続する時間スロットの量にわたって等しく形成される当該1つの周波数超帯域内で当該2つのパターンマスクによって定義される時間周波数資源系列とする。I1は第1の時間周波数資源系列[f(I1,1),…,f(I1,v)]に対応し、I2は第2の時間周波数資源系列[f(I2,1),…,f(I2,v)]に対応する。第1の例によれば、
図8Cに示す再描画格子を考慮する時には、考慮中の時間フレームの20個の時間スロットにわたって3個の周波数超帯域が定義される。この場合には、直交性因子OFは、当該20個の時間スロットにわたる当該各周波数超帯域内の時間周波数資源系列の結合(couples)の間で計算可能である(v=20)。第2の例によれば、
図8Eに示す再描画格子を考慮する時には、考慮中の時間フレームの先頭から12個の連続する時間スロットにわたって3個の周波数超帯域が定義され、考慮中の時間フレームの末尾から8個の連続する時間スロットにわたって1個の周波数超帯域が定義される。この場合には、直交性因子OFは、考慮中の時間フレームの当該先頭から12個の連続する時間スロットにわたる当該各周波数超帯域内の時間周波数資源系列の結合の間で計算可能である。したがって、パターンマスクの第1部分が、考慮中の時間フレームの当該先頭から12個の連続する時間スロットについて定義可能である(v=12)。この場合には、直交性因子OFは、考慮中の時間フレームの当該末尾から8個の連続する時間スロットにわたる当該各周波数超帯域内の時間周波数資源系列の結合の間で計算可能である。したがって、パターンマスクの第2部分が、考慮中の時間フレームの末尾から8個の連続する時間スロットについて定義可能である(v=8)。
【0106】
直交性因子OFは、次のように定義される:
OF(I1,I2) =
W(f(I1;1)−f(I2;1))
+W(f(I2;1)−f(I1;1))
+…
+W(f(I1;v)−f(I2;v))
+W(f(I2;v)−f(I1;v))
【0107】
その後、パターンマスクの集合が、当該集合の各パターンマスクを表す任意の系列ImおよびIkについて次の関係が満たされるように選択される:
|OF(Im,Ik)|≦D
ただしDは所定の閾値である。
【0108】
このように、選択されたパターンマスクへと導く系列I1およびI2の各結合の間の超帯域内干渉に対する頑強性が改善される。
【0109】
実施の形態2では、少なくとも1つの時間スロットについて再描画格子によって複数の周波数超帯域が定義されている時に、2つのパターンマスク間に超帯域内干渉および超帯域間干渉が存在し得る。実施の形態2は、この超帯域内干渉および超帯域間干渉を改善することを目的とする。W(f1−f2)を、周波数資源f1およびf2の間の同一チャネル干渉の測定値とする。I’1を、第1のパターンマスクとともに考慮されるべき再描画格子内でv個の連続する時間スロットの量にわたって等しく形成される第1の当該周波数超帯域i内で、および、当該再描画格子内で当該v個の連続する時間スロットにわたって等しく形成される第2の当該周波数超帯域j内で、当該第1のパターンマスクによって定義される時間周波数資源系列とする。i≠jの時には超帯域間干渉が考慮され、i=jの時には超帯域内干渉が考慮されるということに留意すべきである。I’2を、当該再描画格子内で当該v個の連続する時間スロットにわたって、当該第1の周波数超帯域内で、および、当該第2の周波数超帯域内で、第2のパターンマスクによって定義される時間周波数資源系列とする。I’1は第1の時間周波数資源系列[fi(I’1;1),fj(I’1;1),…,fi(I’1;v),fj(I’1;v)]に対応し、I’2は第2の時間周波数資源系列[fi(I’2;1),fj(I’2;1),…,fi(I’2;v),fj(I’2;v)]に対応する。直交性因子OFは、当該v個の連続する時間スロットにわたる複数の周波数超帯域内の時間周波数資源系列の結合の間で計算可能である。
【0110】
直交性因子OFは、次のように定義される:
OF(I’1,I’2) =
max
i,j(W(fi(I’1,1)−fj(I’2,1))+W(fi(I’2,1)−fj(I’1,1)))
+…
+max
i,j(W(fi(I’1,v)−fj(I’2,v))+W(fi(I’2,v)−fj(I’1,v)))
【0111】
その後、パターンマスクの集合が、当該集合の各パターンマスクを表す任意の系列I’mおよびI’kについて次の関係が満たされるように選択される:
|OF(I’m,I’k)|≦D
【0112】
このように、選択されたパターンマスクへと導く系列I’1およびI’2の各結合の間の超帯域間干渉および超帯域内干渉に対する頑強性が改善される。
【0113】
図5は、ワイヤレス通信ネットワーク内で当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリングするために使用されるべき時間周波数資源の再描画格子を決定するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【0114】
ステップS501において、第1通信装置は、時間周波数資源の初期格子の時間周波数資源をグループ化することによって取得された所定の再描画格子の集合のうちから、ある再描画格子を選択する。
【0115】
続くステップS502において、第1通信装置は、選択された再描画格子について干渉に対する頑強性を表す第1の性能指数(figure of merit)を計算する。性能指数は、所定の関数を適用した結果として得られる、当該伝送を実行するために割り当て可能な時間周波数資源の系列の性能を特徴付けるために使用される量である。
【0116】
たとえば、信号対干渉雑音比(SINR)に関する知識が第1通信装置に利用可能とされている時には、各時間スロットおよび周波数資源について、第1通信装置は、最大化されなければならない性能測度(チャネル容量等)を計算することができる。したがって、選択された再描画格子と、第2通信装置によって適用されるべきパターンマスク(このパターンマスクは、
図5のアルゴリズムの範囲内で固定される)とを組み合わせることにより、次の数式の恩恵により、n回の伝送について等価達成可能平均データレートが計算可能である。
【0117】
【数3】
【0118】
ただし、SINR(k)は、選択された再描画格子および当該パターンマスクに従って選択されるk番目の時間周波数資源において期待されるSINRである。
【0119】
続くステップS503において、第1通信装置は、所定の再描画格子の集合内の少なくとも1つの他の再描画格子が未処理のままであるか否かをチェックする。そのような他の再描画格子の少なくとも1つが未処理のままである時には、そのような他の再描画格子を1つ選択することによりステップS501が繰り返される。そうでなければ、ステップS504が実行される。
【0120】
ステップS504において、第1通信装置は、所定の再描画格子の集合のうちから、最良の第1の性能指数を示す再描画格子を選択する。その後、選択された再描画格子は、時間周波数資源の割り当てを実行し、さらに対応するシグナリング情報を提供するために、第1通信装置によって使用される。
図5のアルゴリズムは、第1通信装置が適切な再描画格子を動的に選択できるようにするので、第1通信装置によって提供されるシグナリング情報は、所定の再描画格子の集合のうちからの、選択された再描画格子を表すことになる。たとえば、所定の再描画格子の集合の濃度が4に等しい時には、第2通信装置が所定の再描画格子の集合のアプリオリな知識を持っている時には、所定の再描画格子の集合のうちからどの再描画格子が第1通信装置によって選択されたかを示すために2つのシグナリングビットが使用可能である。この場合には、そのようなシグナリングビットは、所定の再描画格子の集合内での選択された再描画格子のインデックスとなり得る。そのようなシグナリングビットは、シグナリング情報が提供される必要がある都度転送される必要はない。再描画格子は、時間周波数資源の連続する複数の割り当てに対して選択され使用されてもよい。
【0121】
図6は、ワイヤレス通信ネットワーク内で当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリング情報から決定するために使用されるべきパターンマスクを決定するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【0122】
ステップS601において、第1通信装置は所定のパターンマスクの集合のうちから、あるパターンマスクを選択する。
【0123】
続くステップS602において、第1通信装置は、選択されたパターンマスクについて、干渉に対する頑強性を表す第2の性能指数を計算する。
【0124】
たとえば、信号対干渉雑音比(SINR)に関する知識が第1通信装置に利用可能とされている時には、各時間スロットおよび周波数資源について、第1通信装置は、最大化されなければならない性能測度(チャネル容量等)を計算することができる。したがって、その再描画格子(この再描画格子は、
図6のアルゴリズムの範囲内で固定される)と、選択されたパターンマスクとを組み合わせることにより、次の数式の恩恵により、n回の伝送について等価達成可能平均データレートが計算可能である。
【0125】
【数4】
【0126】
ただし、SINR(k)は、当該再描画格子および選択されたパターンマスクに従って選択されるk番目の時間周波数資源において期待されるSINRである。
【0127】
続くステップS603において、第1通信装置は、所定のパターンマスクの集合内の少なくとも1つの他のパターンマスクが未処理のままであるか否かをチェックする。そのような他のパターンマスクの少なくとも1つが未処理のままである時には、そのような他のパターンマスクを1つ選択することによりステップS601が繰り返される。そうでなければ、ステップS604が実行される。
【0128】
ステップS604において、第1通信装置は、所定のパターンマスクの集合のうちから、最良の第2の性能指数を示すパターンマスクを選択する。その後、選択されたパターンマスクは、当該伝送を実行するために使用されるべき初期格子表現の時間周波数資源を決定するために、第2通信装置によって使用される。
図6のアルゴリズムは、第1通信装置が適切なパターンマスクを動的に選択できるようにするので、第2通信装置が所定のパターンマスクの集合のアプリオリな知識を持っている時には、第1通信装置によって提供されるシグナリング情報は、所定のパターンマスクの集合のうちからの、選択されたパターンマスクを表すことになる。この場合には、そのようなシグナリングビットは、所定のパターンマスクの集合内での選択されたパターンマスクのインデックスとなり得る。たとえば、所定のパターンマスクの集合の濃度が4に等しい時には、所定のパターンマスクの集合のうちのどのパターンマスクが第1通信装置によって選択されたかを示すために2つのシグナリングビットが使用可能である。そのようなシグナリングビットは、シグナリング情報が提供される必要がある都度転送される必要はない。パターンマスクは、時間周波数資源の連続する複数の割り当てに対して選択され使用されてもよい。
【0129】
図7は、ワイヤレス通信ネットワーク内で当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリングするために使用されるべき時間周波数資源の再描画格子と、ワイヤレス通信ネットワーク内で当該伝送を実行するために使用されるべき時間周波数資源の割り当てをシグナリング情報から決定するために使用されるべきパターンとを決定するためのアルゴリズムを概略的に表す。
【0130】
ステップS701において、第1通信装置は、時間周波数資源の初期格子の時間周波数資源をグループ化することによって取得された所定の再描画格子の集合のうちから、ある再描画格子を選択する。
【0131】
ステップS702において、第1通信装置は、所定のパターンマスクの集合のうちから、あるパターンマスクを選択する。
【0132】
続くステップS703において、第1通信装置は、選択されたパターンマスクおよび選択された再描画格子について、干渉に対する頑強性を表す第3の性能指数を計算する。
【0133】
たとえば、信号対干渉雑音比(SINR)に関する知識が第1通信装置に利用可能とされている時には、各時間スロットおよび周波数資源について、第1通信装置は、最大化されなければならない性能測度(チャネル容量等)を計算することができる。したがって、選択された再描画格子と選択されたパターンマスクとを組み合わせることにより、次の数式の恩恵により、n回の伝送について等価達成可能平均データレートが計算可能である。
【0134】
【数5】
【0135】
ただし、SINR(k)は、選択された再描画格子および選択されたパターンマスクに従って選択されるk番目の時間周波数資源において期待されるSINRである。
【0136】
続くステップS704において、第1通信装置は、所定のパターンマスクの集合内の少なくとも1つの他のパターンマスクが未処理のままであるか否かをチェックする。そのような他のパターンマスクの少なくとも1つが未処理のままである時には、そのような他のパターンマスクを1つ選択することによりステップS702が繰り返される。そうでなければ、ステップS705が実行される。
【0137】
ステップS705において、第1通信装置は、所定の再描画格子の集合内の少なくとも1つの他の再描画格子が未処理のままであるか否かをチェックする。そのような他の再描画格子の少なくとも1つが未処理のままである時には、そのような他の再描画格子を1つ選択することによりステップS701が繰り返される。そうでなければ、ステップS706が実行される。
【0138】
ステップS706において、第1通信装置は、所定のパターンマスクの集合のうちからパターンマスクを選択し、所定の再描画格子の集合のうちから再描画格子を選択する(ただしこれらは共同で最良の第3の性能指数を示すものを選択する)。その後、選択された再描画格子は、時間周波数資源の割り当てを実行し、さらに対応するシグナリング情報を提供するために、第1通信装置によって使用される。その後、選択されたパターンマスクは、当該伝送を実行するために使用されるべき初期格子表現の時間周波数資源を決定するために、第2通信装置によって使用される。
図7のアルゴリズムは、第1通信装置が適切なパターンマスクおよび再描画格子を動的に選択できるようにするので、第2通信装置が所定の再描画格子の集合および所定のパターンマスクの集合のアプリオリな知識を持っている時には、第1通信装置によって提供されるシグナリング情報は、所定のパターンマスクの集合のうちからの、選択されたパターンマスクと、所定の再描画格子の集合のうちからの、選択された再描画格子とを表すことになる。この場合には、そのようなシグナリングビットは、所定の再描画格子の集合内での選択された再描画格子のインデックスおよび所定のパターンマスクの集合内での選択されたパターンマスクのインデックスとなり得る。たとえば、所定のパターンマスクの集合の濃度が4に等しく、所定の再描画格子の集合の濃度が4に等しい時には、所定のパターンマスクの集合のうちからどのパターンマスクが第1通信装置によって選択されたかおよび所定の再描画格子の集合のうちからどの再描画格子が第1通信装置によって選択されたかを示すために、4つのシグナリングビットが使用可能である。変形例では、その場合に、そのようなシグナリングビットは、そのような1つの再描画格子とそのような1つのパターンマスクとの可能な組み合わせをすべてリストしたコードブックのうちの1つのコードとなり得る。そのようなシグナリングビットは、シグナリング情報が提供される必要がある都度転送される必要はない。パターンマスクおよび再描画格子は、時間周波数資源の連続する複数の割り当てに対して選択され使用されてもよい。