特許第6249444号(P6249444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6249444-炭酸泉生成装置 図000002
  • 特許6249444-炭酸泉生成装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249444
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】炭酸泉生成装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 1/00 20060101AFI20171211BHJP
   A61H 33/02 20060101ALI20171211BHJP
   B01F 15/04 20060101ALI20171211BHJP
   B01F 5/00 20060101ALI20171211BHJP
   B01F 3/04 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   B01F1/00 B
   A61H33/02 A
   B01F15/04 B
   B01F5/00 D
   B01F3/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-90371(P2014-90371)
(22)【出願日】2014年4月24日
(65)【公開番号】特開2015-208700(P2015-208700A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2017年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】391060029
【氏名又は名称】株式会社ダンレイ
(73)【特許権者】
【識別番号】514080349
【氏名又は名称】CO2システムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095245
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 嘉彦
(72)【発明者】
【氏名】満尾 浩
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】山崎 啓二
(72)【発明者】
【氏名】畠 巌
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−076771(JP,A)
【文献】 特開昭58−139727(JP,A)
【文献】 特開平09−155170(JP,A)
【文献】 実開平02−081628(JP,U)
【文献】 米国特許第05285808(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00
A61H 33/02
B01F 1/00
B01F 3/04
B01F 5/00
B01F 15/04
G05D 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水流入口と炭酸ガス流入口と前記二つの流入口に連通する湯水炭酸ガス混合室と、湯水炭酸ガス混合室に連通し炭酸ガス気泡が混入した湯水を通水し炭酸ガス気泡と湯水とを攪拌混合して炭酸ガスを湯水に溶解させる小径流路集合体と、小径流路集合体に連通する炭酸泉流出口とを有する炭酸混合器と、炭酸混合器が途上に配設された湯水通路と、ダイヤフラムとダイヤフラムの一方の端面に炭酸混合器よりも上流側の湯水通路内の湯水一次圧を印加する高圧側感圧室と、ダイヤフラムの他方の端面に炭酸混合器よりも下流側の湯水通路内の湯水二次圧を印加する低圧側感圧室と、ダイヤフラムを高圧側感圧室側へ付勢するバネと、炭酸ガス供給源に連通する炭酸ガス流入口と炭酸混合器の炭酸ガス流入口に連通する炭酸ガス流出口と両者を接続する炭酸ガス通路と、ダイヤフラムに係合しダイヤフラムに連動して炭酸ガス通路を開閉する弁体とを有する炭酸ガス供給弁とを備えることを特徴とする炭酸泉生成装置。
【請求項2】
炭酸混合器よりも上流側の湯水通路に配設された減圧弁を備え炭酸ガス供給弁の高圧側感圧室には減圧弁と炭酸混合器の間の湯水通路内の湯水一次圧が供給されることを特徴とする請求項1に記載の炭酸泉生成装置。
【請求項3】
炭酸混合器と炭酸ガス供給弁と減圧弁とがユニット化されていることを特徴とする請求項2に記載の炭酸泉生成装置。
【請求項4】
湯水混合水栓とシャワーヘッドとの間に請求項1乃至3の何れか1項に記載の炭酸泉生成装置が介挿されていることを特徴とする炭酸泉シャワー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸泉生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湯水流入口と炭酸ガス流入口と前記二つの流入口に連通する湯水炭酸ガス混合室と湯水炭酸ガス混合室に連通する炭酸泉流出口とを有する炭酸混合器と、炭酸混合器が途上に配設された湯水通路と、湯水通路への通水の入り切りに連動して炭酸混合器への炭酸ガスの供給を入り切りする炭酸ガス供給弁とを備える炭酸泉生成装置であって、炭酸ガス供給弁は、炭酸混合器よりも上流側の湯水通路に配設されたフロースイッチの作動に基づいて湯水通路への通水の入り切りに連動して炭酸混合器への炭酸ガスの供給を入り切りする電磁弁であることを特徴とする炭酸泉生成装置が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−036913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の炭酸泉生成装置には、電子機器であるフロースイッチや電磁弁が誤作動を起こして炭酸泉生成の安定性が損なわれる可能性があり、炭酸泉生成装置を浴室に設置した場合に漏電の危険性を生じ、電子機器の配設に電気工事が必要であり施工性が良くない等の問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、湯水流入口と炭酸ガス流入口と前記二つの流入口に連通する湯水炭酸ガス混合室と湯水炭酸ガス混合室に連通する炭酸泉流出口とを有する炭酸混合器と、炭酸混合器が途上に配設された湯水通路と、湯水通路への通水の入り切りに連動して炭酸混合器への炭酸ガスの供給を入り切りする炭酸ガス供給弁とを備える炭酸泉生成装置であって、電子機器を使わずに湯水通路への通水の入り切りに連動して炭酸混合器への炭酸ガスの供給を入り切りする炭酸泉生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明においては、湯水流入口と炭酸ガス流入口と前記二つの流入口に連通する湯水炭酸ガス混合室と、湯水炭酸ガス混合室に連通し炭酸ガス気泡が混入した湯水を通水し炭酸ガス気泡と湯水とを攪拌混合して炭酸ガスを湯水に溶解させる小径流路集合体と、小径流路集合体に連通する炭酸泉流出口とを有する炭酸混合器と、炭酸混合器が途上に配設された湯水通路と、ダイヤフラムとダイヤフラムの一方の端面に炭酸混合器よりも上流側の湯水通路内の湯水一次圧を印加する高圧側感圧室と、ダイヤフラムの他方の端面に炭酸混合器よりも下流側の湯水通路内の湯水二次圧を印加する低圧側感圧室と、ダイヤフラムを高圧側感圧室側へ付勢するバネと、炭酸ガス供給源に連通する炭酸ガス流入口と炭酸混合器の炭酸ガス流入口に連通する炭酸ガス流出口と両者を接続する炭酸ガス通路と、ダイヤフラムに係合しダイヤフラムに連動して炭酸ガス通路を開閉する弁体とを有する炭酸ガス供給弁とを備えることを特徴とする炭酸泉生成装置を提供する。
湯水通路への通水が開始され、ひいては炭酸混合器への通水が開始されると、炭酸混合器の小径流路集合体を湯水が通過する際に圧力損失が発生し、炭酸混合器よりも上流側の湯水通路内の湯水一次圧と炭酸混合器よりも下流側の湯水通路内の湯水二次圧との間に差圧が発生する。炭酸ガス供給弁のダイヤフラムに印加される湯水一次圧と湯水二次圧の差圧による付勢力が炭酸ガス供給弁のバネの付勢力に打ち勝ってダイヤフラムが低圧側感圧室側へ移動し、ダイヤフラムに連動する弁体が炭酸ガス通路を開き、炭酸ガスの炭酸混合器への供給が開始し、炭酸泉が生成される。生成された炭酸泉は炭酸泉生成装置から吐出し下流側の水回り機器に供給される。
湯水通路への通水が停止し、ひいては炭酸混合器への通水が停止すると、湯水一次圧と湯水二次圧との差圧が無くなり、バネの付勢力を受けてダイヤフラムが高圧側感圧室側へ移動し、ダイヤフラムに連動する弁体が炭酸ガス通路を閉じ、炭酸ガスの炭酸混合器への供給が停止する。
本発明に係る炭酸泉生成装置においては、電子機器を使わずに湯水通路への通水の入り切りに連動して炭酸混合器への炭酸ガスの供給を入り切りする。従って、炭酸泉生成の安定性は高く、浴室に設置しても漏電の危険性が無く、電気工事が不要なので施工性が良い。
【0006】
本発明の好ましい態様においては、炭酸泉生成装置は、炭酸混合器よりも上流側の湯水通路に配設された減圧弁を備え、炭酸ガス供給弁の高圧側感圧室には減圧弁と炭酸混合器の間の湯水通路内の湯水一次圧が供給される。
炭酸混合器の上流側に減圧弁を配設することにより、炭酸混合器に供給する湯水の水圧変動を抑制し、炭酸混合器で生成される炭酸泉の炭酸溶解濃度の変動を抑制することができる。減圧弁を配設する場合、炭酸ガス供給弁の高圧側感圧室には減圧弁と炭酸混合器の間の湯水通路内の湯水一次圧を供給するのが妥当である。
本発明の好ましい態様においては、炭酸混合器と炭酸ガス供給弁と減圧弁とがユニット化されている。
炭酸混合器と炭酸ガス供給弁と減圧弁とがユニット化されていれば、当該ユニットを湯水混合栓と下流側水回り機器との間に介挿して、下流側水回り機器に容易に炭酸泉を供給することができる。
本発明においては、湯水混合水栓とシャワーヘッドとの間に前記何れかの炭酸泉生成装置が介挿されていることを特徴とする炭酸泉シャワー装置を提供する。
湯水混合水栓とシャワーヘッドとの間に前記何れかの炭酸泉生成装置を介挿することにより、炭酸泉シャワー装置を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例に係る炭酸泉生成装置のブロック図である。
図2】本発明の他の実施例に係る炭酸泉生成装置が備える炭酸ガス供給弁の構造図である。(a)は上面図であり、(b)は側面図であり、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例に係る炭酸泉生成装置を説明する。
図1、2に示すように、炭酸泉生成装置1は、炭酸混合器2と、炭酸ガス供給弁3と、減圧弁4と、減圧弁4と炭酸混合器2とを経由して延在する湯水通路5とを備えている。減圧弁4は、湯水通路5内の湯水の流れに関して、炭酸混合器2よりも上流側に配設されている。湯水通路5の上流端は湯水入口5aを形成し、湯水通路5の下流端は炭酸泉出口5bを形成している。
炭酸混合器2は、湯水流入口2aと炭酸ガス流入口2bと前記二つの流入口に連通する湯水炭酸ガス混合室2cと、湯水炭酸ガス混合室2cに連通し炭酸ガス気泡が混入した湯水を通水し炭酸ガス気泡と湯水とを攪拌混合して炭酸ガスを湯水に溶解させる小径流路集合体2dと、小径流路集合体2dに連通する炭酸泉流出口2eとを有している。小径流路集合体2dとして、多数の小径貫通穴が形成された堰板、上流端が開放され下流端が閉鎖され周側面に多数の小径貫通穴が形成された筒体、小径通路を多数束ねた小径通路集合体等が挙げられる。
炭酸ガス供給弁3は、ダイヤフラム3aと、ダイヤフラム3aの一方の端面に対峙する高圧側感圧室3bと、ダイヤフラム3aの他方の端面に対峙する低圧側感圧室3cと、低圧側感圧室3c内に配設されダイヤフラム3aを高圧側感圧室3b側へ付勢する第1バネ3dと、ダイヤフラム3aの中心部を貫通してダイヤフラム3aに固定された第1弁軸3eと、第1弁軸3eの低圧側感圧室側端部に一端が当接可能な第2弁軸3eと、第2弁軸3eの他端に固定された弁体3fと、第2弁軸3eの他端近傍部が挿通されると共に弁体3fの第2弁軸側端面が当接可能な弁座3gと、弁体3fを弁座3g側へ付勢する第2バネ3dと、炭酸ガス流入口3hと、炭酸ガス流出口3iと、炭酸ガス流入口3hと弁座3gの外周側空間3jとを接続する第1炭酸ガス通路3kと、第2弁軸3eの他端近傍部と弁座3gとの間に形成された弁座3gの内周側空間3mと炭酸ガス流出口3iとを接続する第2炭酸ガス通路3kとを有している。高圧側感圧室3bは導圧通路6aを介して湯水通路5の炭酸混合器2と減圧弁4との間で延在する部位に接続し、低圧側感圧室3cは導圧通路6bを介して湯水通路5の炭酸混合器2よりも下流側の部位に接続している。炭酸ガス流入口3hは炭酸ガス通路7aを介して炭酸ガス入口8に接続し、炭酸ガス流出口3iは炭酸ガス通路7bを介して炭酸混合器2の炭酸ガス流入口2bに接続している。
上記諸部材が筐体9内に収容されてユニット化され、炭酸泉生成装置1を形成している。
炭酸泉生成装置1の湯水入口5aは湯水混合栓100に接続し、炭酸泉出口5bはシャワーヘッド200に接続し、炭酸ガス入口8は流量調整弁301、炭酸ガス流量計302、圧力調整弁303を介して炭酸ガスボンベ304に接続している。
【0009】
炭酸泉生成装置1の作動を説明する。
湯水混合栓100が閉鎖されている時は、炭酸混合器2の小径流路集合体2dを湯水が流れないので、湯水通路5の炭酸混合器2より上流側の部位、より具体的には炭酸混合器2と減圧弁4との間で延在する部位内の湯水一次圧と湯水通路5の炭酸混合器2より下流側の部位内の湯水二次圧とは同圧である。従って、高圧側感圧室3b内の湯水一次圧と低圧側感圧室3cの内の湯水二次圧とは同圧であり、ダイヤフラム3aは第1バネ3dの付勢力を受けて高圧側感圧室3b側へ移動し、図1、2に示すように、第1弁軸3eの高圧側感圧室側端部がストッパー3nに当接してダイヤフラム3aの更なる移動が規制されている。第2バネ3dの付勢力を受けた弁体3fが弁座3gに当接して第1炭酸ガス通路3kと第2炭酸ガス通路3kの連通を阻止している。この時、第2弁軸3eの一端は第1弁軸3eの低圧側感圧室側端部に微小隙間を隔てて対峙している。第1炭酸ガス通路3kと第2炭酸ガス通路3kの連通が阻止されているので、炭酸混合器2には炭酸ガスは供給されない。
【0010】
湯水混合栓100が開放されると、図1に白抜き矢印で示すように、湯水通路5、減圧弁4、炭酸混合器2を湯水が流れる。湯水が炭酸混合器2の小径流路集合体2dを通過する際に発生する圧力損失により、湯水通路5の炭酸混合器2と減圧弁4との間で延在する部位内の湯水一次圧と湯水通路5の炭酸混合器2より下流側の部位内の湯水二次圧との間に差圧が発生し、炭酸ガス供給弁3の高圧側感圧室3b内の湯水一次圧と低圧側感圧室3c内の湯水二次圧との間に差圧が発生し、前記差圧によるダイヤフラム3aを低圧側感圧室3c側へ付勢する付勢力がダイヤフラム3aを高圧側感圧室3b側へ付勢する第1バネ3dの付勢力とダイヤフラム3aの反発力との和に打ち勝ってダイヤフラム3aを低圧側感圧室3c側へ移動させる。第1弁軸3eが第2弁軸3e側へ移動して第2弁軸3eに当接し、更に、前記差圧によるダイヤフラム3aを低圧側感圧室3c側へ付勢する付勢力が第1バネ3dの付勢力と第2バネ3dの付勢力とダイヤフラム3aの反発力と第2弁軸3eに係合するOリングの摺動抵抗の和に打ち勝って、第2弁軸3eを介して弁体3fを弁座3gから遠ざかる方向へ移動させる。この結果、弁体3fが弁座3gから離れ、弁座外周側空間3jと弁座内周側空間3mとが連通し、ひいては第1炭酸ガス通路3kと第2炭酸ガス通路3kとが連通する。
図1に黒矢印で示すように、炭酸ガスボンベ304から、圧力調整弁303と、炭酸ガス流量計302と、流量調整弁301と、炭酸泉生成装置1の炭酸ガス入口8と炭酸ガス通路7aと、炭酸ガス供給弁3の炭酸ガス流入口3hと第1炭酸ガス通路3kと弁座外周側空間3jと弁座内周側空間3mと第1炭酸ガス通路3kと炭酸ガス流出口3iと、炭酸泉生成装置1の炭酸ガス通路7bと、炭酸混合器2の炭酸ガス流入口2bとを通って、炭酸混合器2の混合室2cに炭酸ガスが流入する。一方、湯水混合栓100から、炭酸泉生成装置1の湯水入口5aと、湯水通路5と、減圧弁4と、湯水通路5と、炭酸混合器2の湯水流入口2aとを通って、炭酸混合器2の混合室2cに湯水が流入する。
炭酸混合器2の混合室2c内で湯水と炭酸ガスとが混合され、炭酸ガスの気泡を含む湯水が小径流路集合体2dを通過し、湯水と炭酸ガス気泡とが攪拌混合されて炭酸ガスが湯水に溶解され、炭酸泉が生成される。炭酸泉は湯水通路5と炭酸泉出口5bとを通って炭酸泉生成装置1から流出し、シャワーヘッド200から吐出する。
【0011】
湯水混合栓100が閉鎖されると、炭酸混合器2の小径流路集合体2d内の湯水の流れが停止し、湯水通路5の炭酸混合器2より上流側の部位、より具体的には炭酸混合器2と減圧弁4との間で延在する部位内の湯水一次圧と湯水通路5の炭酸混合器2より下流側の部位内の湯水二次圧とが同圧となり、高圧側感圧室3b内の湯水一次圧と低圧側感圧室3cの内の湯水二次圧とが同圧になり、ダイヤフラム3aは第1バネ3dの付勢力を受け自身の反発力に抗して高圧側感圧室3b側へ移動し、第1弁軸3eの高圧側感圧室側端部がストッパー3nに当接してダイヤフラム3aの更なる移動が規制される。第2バネ3dの付勢力を受けた弁体3fが第2弁軸3eに係合するOリングの摺動抵抗に抗して弁座3g側へ移動し弁座3gに当接して第1炭酸ガス通路3kと第2炭酸ガス通路3kの連通を阻止する。炭酸混合器2への炭酸ガスの供給が停止する。
【0012】
炭酸泉の炭酸溶解濃度は炭酸混合器2に供給される湯水の水圧と炭酸ガスの圧力とに影響される。一方、湯水混合栓100から供給される湯水の水圧は、湯水混合栓100の設置地域や、集合住宅の場合には湯水混合栓100の設置階によって異なる。炭酸泉生成装置1においては、炭酸泉の炭酸溶解濃度が適正値になるように、湯水混合栓100から供給される湯水の水圧に合わせて炭酸ガスの供給圧を圧力調整弁303で調整している。
湯水混合栓100の設置地域や、集合住宅の場合には湯水混合栓100の設置階によって湯水混合栓100から供給される湯水の水圧が異なることを勘案して、炭酸泉の炭酸溶解濃度が適正値になるように、湯水混合栓100から供給される湯水の水圧に合わせて炭酸ガスの供給圧を圧力調整弁303で調整していても、湯水混合栓100から供給される湯水の水圧は常時一定ではなく変動するので、炭酸泉生成装置1においては、炭酸混合器2よりも上流側に減圧弁4を配設して炭酸混合器2に流入する湯水の水圧変動を抑制し、炭酸泉の炭酸溶解濃度の変動を抑制している。
【0013】
上記説明から分かるように、本実施例に係る炭酸泉生成装置1においては、電子機器を使わずに湯水通路5への通水の入り切りに連動して炭酸混合器2への炭酸ガスの供給を入り切りする。従って、炭酸泉生成の安定性は高く、浴室に設置しても漏電の危険性が無く、電気工事を必要としないので施工性が良い。
本実施例に係る炭酸泉生成装置1においては、炭酸混合器2の上流側に減圧弁4を配設することにより、炭酸混合器2に供給する湯水の水圧変動を抑制し、炭酸混合器2から吐出する炭酸泉の炭酸溶解濃度の変動を抑制している。減圧弁4を配設する場合、炭酸ガス供給弁3の高圧側感圧室3bには減圧弁4と炭酸混合器2の間の湯水通路5内の湯水一次圧を供給するのが妥当である。
本実施例に係る炭酸泉生成装置1においては、炭酸混合器2と炭酸ガス供給弁3と減圧弁4とをユニット化することにより、当該ユニットを湯水混合栓と下流側水回り機器との間に介挿して、下流側水回り機器に容易に炭酸泉を供給することを可能にしている。
本実施例に係る炭酸泉生成装置1においては、炭酸混合器2と炭酸ガス供給弁3と減圧弁4とをユニット化し、当該ユニットを湯水混合栓100とシャワーノズル200との間に介挿して容易に炭酸泉シャワー装置を形成している。
【0014】
第1弁軸3eと第2弁軸3eとを一体化して第1バネ3d又は第2バネ3dを削除しても良い。この場合、残存するバネは、炭酸ガス供給弁3の閉弁作動時に、第2弁軸3eに係合するOリングの摺動抵抗とダイヤフラム3aの反発力とに抗して弁体3fを駆動する必要があり、第2弁軸3eに係合するOリングの摺動抵抗のみに抗して弁体3fを駆動すれば良かった第2バネ3dよりも大きなバネ定数を備えることになる。この結果、炭酸ガス供給弁3の閉弁時に弁体3fと弁座3gとの当接部に働く圧縮力が大になる。従って、ゴム製品である弁体3fの耐久性を高める手段を講ずるのが望ましい。閉弁動作の安定性を勘案すると、第1バネ3dを削除し第2バネ3dを残存させるのが妥当と考えられる。
炭酸混合器2からの炭酸ガス混合湯水の逆流を防止するために、湯水通路5の炭酸混合器2直近上流部位と炭酸ガス通路7bの炭酸混合器2直近上流部位とに逆止弁を配設しても良い。
炭酸泉生成装置1の下流側に接続される機器はシャワーヘッド200に限定されない。蛇口、浴槽その他の水回り機器でも良い。風呂用の循環温水装置の湯通路に炭酸泉生成装置1を取り付けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、炭酸泉生成装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0016】
1 炭酸泉生成装置
2 炭酸混合器
3 炭酸ガス供給弁
4 減圧弁
5 湯水通路
5a 湯水入口
5b 炭酸泉出口
6a、6b 導圧通路
7a、7b 炭酸ガス通路
100 湯水混合栓
200 シャワーヘッド
301 流量調整弁
302 炭酸ガス流量計
303 圧力調整弁
304 炭酸ガスボンベ
図1
図2