(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
豚や牛などの鯨偶蹄目(蹄が偶数に分かれている動物)の飼育を行う畜産においては、特に口蹄疫などの伝染病の発生の予防および発生したときの迅速で綿密な対応が重要である。仮に、ある豚舎の豚が口蹄疫に感染した患畜と確認されると、その豚舎のすべての豚はもちろん、その豚舎近隣の法律で定められた一定の範囲内の豚舎や牛舎の家畜のすべてが殺処分され、決められた用地に埋められる。
【0003】
しかし、口蹄疫ウィルスの特に豚に対する感染力は極めて強く、感染の広がりを止めるのは容易ではない。つまり、前記のような殺処分を行うためには、どうしても多くの人間や自動車、作業車の移動が伴うこともあって、移動途中で消毒を施したとしても、感染を確実に止めることは事実上困難であり、対応は後手、後手となりやすい。
【0004】
また、口蹄疫は、例えば鳥やネズミなどによる伝播や空気による伝播も当然考えられるが、口蹄疫の感染の広がりを止めるには、各豚舎や牛舎間の人間や自動車、作業車の移動を極力行わないようにして、患畜が発生した豚舎や牛舎毎に独自に殺処分を行い、更にそれを用地への埋却または専用の装置による焼却などの手段で処分し、口蹄疫の感染の経路を断ち切るのが最も現実的で効果的な手段といえる。
【0005】
ところで、上記のように飼育途中で死んだ家畜を処分する装置は、特許文献1において本発明者がすでに提案している。この従来の乾燥処理装置は、投入部と排出部を有する処理室、処理室内に設けられた撹拌体、処理室を加熱する加熱室、加熱室に加熱空気を送り処理室を加熱すると共に処理室の処理ガスを導入し燃焼させて消臭する燃焼室とを有している。
【0006】
また、撹拌体は正逆回転方向に駆動される回転軸、被処理物を撹拌しながら処理室内の一方側へ送る送り撹拌部、被処理物が逆方向へ戻りにくいようにする戻り止め部とを有しており、戻り止め部の外周部には被処理物を切断または破砕する刃部が形成されている。これにより、乾燥処理装置は、破砕能力が高く、斃死鶏だけでなく、太く強い骨格を有する豚などでも、鶏と同様に細かく均一な粉化処理を行うことができ、例えば口蹄疫などの伝染病に感染して殺処分された豚のその後の処理を、当該患畜が発生した豚舎毎に独自に行うことが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した従来の乾燥処理装置は、鶏や豚などの斃死家畜を粉化する乾燥処理を高効率で行うことができるので、比較的規模が大きい養鶏場や養豚場における斃死家畜の処理を行う装置としては十分に有用である。しかしながら、次のような課題もあった。
【0009】
すなわち、乾燥処理装置は、斃死家畜などを乾燥処理する運転時において、処理室の処理ガスを燃焼室に導入し、これを燃焼させて消臭するようになっているが、例えば運転時における外気温などの各種条件によっては、完全に消臭することができずに、残存した臭気を排気と共に外部へ放出してしまう傾向があった。
【0010】
また、運転時において処理室内の圧力は特に調節するようにはなっておらず、処理室内の圧力と温度がそれ程上がる構造ではないので、乾燥処理には比較的長い時間を要する傾向があり、出来上がりの処理物が硬い粒のある粉状となりやすく、飼料や肥料としてやや利用しにくい嫌いがあった。
【0011】
(本発明の目的)
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、例えば飼育途中において伝染病で殺処分された豚などを高温および高圧下で処理して滅菌し、粉化することができる乾燥処理装置において、外部に放出する排気に臭気が混じることがないようにして、装置近隣の環境負荷を軽減できるようにすると共に、太く強い骨格を有している豚などでも、粒が細かくやわらかい粉体状となるように乾燥処理することができ、出来上がりの処理物が飼料や肥料としても好適に利用できる乾燥処理装置および乾燥処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記目的を達成するために、本発明の乾燥処理装置は、加熱室と、該加熱室の内部に設けられ、両側に端壁を有する処理室と、該処理室の内部に設けられており、正逆回転するよう制御される回転軸と、該回転軸に所要数設けられ回転に伴い先端部が前記処理室内面に沿うように回転移動して被処理物を撹拌しながら前記処理室内において前記回転軸の軸線方向に送る送り撹拌部と、前記回転軸に所要数設けられ回転に伴い先端部が前記処理室内面に近接して回転移動し、被処理物が前記送り撹拌部によって処理室の一方または他方の端壁側へ送られて圧力が高くなったときに被処理物が逆方向へ戻りにくいようにする板状の戻り止め部と、前記回転軸に所要数設けられ回転に伴い先端部が前記処理室内面に近接して回転移動する破断部または破砕部とを有する撹拌体と、該撹拌体を回転駆動する駆動装置と、前記加熱室に加熱空気を送る一次燃焼炉と、該一次燃焼炉に、前記処理室で生じる臭気成分と水分を含む処理ガスを送る処理ガス送気部と、該処理ガス送気部に設けられ処理ガスの流量を制限して前記処理室内の圧力を所要の圧力に調節する加圧制御部と、前記処理室内の処理ガスを通して消臭処理する二次燃焼炉とを備える。
【0013】
本発明の乾燥処理装置の作用を説明する。まず、運転開始においては、一次燃焼炉から燃焼ガスなどの加熱空気を加熱室に送ることによって処理室を加熱すると共に撹拌体を駆動装置によって回転させる。そして、被処理物を処理室内に投入する。
【0014】
運転開始当初、加圧制御部によって、処理ガス送気部を通り一次燃焼炉へ送られる処理ガスの流量を制限し、処理室内の圧力を所要の圧力で維持して、処理室内の温度を所要温度まで上昇させる。この高温および高圧状態で、一次燃焼炉へ送られる処理ガスの流量を制限せず、処理室内の圧力をそのままに一次燃焼炉へ送る通常運転に移行する。
【0015】
一方で、処理室内に投入された被処理物は、高温および高圧下の処理室内で撹拌体の回転軸に所要数設けられている破断部または破砕部によって順次破断(または切断)され、破砕されて細かくなる。この破断または破砕は、被処理物の重さにより主に処理室内の底部において行われ、被処理物が重みで動きにくい分だけ、回転する破断部または破砕部による処理は効率よく行われる。
【0016】
また、破断部または破砕部による被処理物の破断および破砕と並行して、被処理物が送り撹拌部によって撹拌されながら、処理室内において回転軸の軸線方向の一方向へ送られる。なお、被処理物である豚は脂肪率が高く、処理室内は油で滑りやすくなるが、被処理物は骨まで切断、破砕されることによって細かくなっており、撹拌の際に一塊にはなりにくく、効率的に撹拌される。
【0017】
送られた被処理物は、後続して送られてくる被処理物によって押され、処理室の一方の端壁において圧力が高まり、さらに一端部近傍に位置する送り撹拌部によって高温および高圧下で所要時間混練され、被処理物は更に細かく摩砕される。また、この際には、被処理物は圧力が開放される方向、すなわち前記送り方向とは逆方向へ戻ろうとするが、回転移動している各戻り止め部によってその大部分が止められるので、被処理物の高い圧力が維持される。
【0018】
このような高温および高圧下での処理が所要時間行われると、撹拌体の回転が制御されて逆回転方向に切り替えられる。これにより、被処理物は処理室内において上記とは逆方向へ送られ、処理室内の他方側の端壁において上記と同様に高温および高圧下での処理が所要時間行われる。なお、上記処理中、処理室において内部に被処理物がない側は、いわゆる空焚き状態で温度がより高温になっており、被処理物が移動してきたときも、直ちに十分に高い温度で効率的な処理を行うことができる。
【0019】
そして、前記処理を繰り返すことにより、被処理物に含まれる水分は徐々に少なくなって乾燥が進み、更に細片化され、次第に粉化する。処理時間がある時間を超えると、最後には、理由は定かではないが残っていた骨片までが一気に粉化する。この際、運転初期から高温および高圧下で処理されていたため、粉化までの処理を比較的短時間で行うことが可能である。また、同じ理由から、出来上がりの粉体は、粒が細かくやわらかい粉体状となり、しかも処理中の高温および高圧によって十分に殺菌されているので、飼料や肥料としても好適に利用できる。
【0020】
また、処理室内における処理で発生した臭気成分と水分を含む処理ガスは、一次燃焼炉へ送られて燃焼し、消臭される。一次燃焼炉で生じる加熱空気は、加熱室へ送られて処理室を加熱し、二次燃焼炉を通り外部へ排出される。更に、被処理物が粉化した後は、粉化したものを撹拌体で撹拌して通風により冷却しながら、処理室内の処理ガスを、一次燃焼炉から加熱室を通って二次燃焼炉へ送り、燃焼させて消臭することができるので、より確実に、装置近隣の環境負荷を軽減できる。
【0021】
(2)本発明の乾燥処理装置は、前記加圧制御部が、圧力逃がし弁を備える。
【0022】
この場合は、圧力逃がし弁によって上限の圧力を設定し、その圧力を超える圧力になったときに超えた分を逃がすことができるので、これにより処理室内の圧力をあらかじめ調節した圧力で維持することができる。このように、処理室内の圧力を所要の圧力で維持して、処理室内の温度を所要温度まで上昇させ、この高温および高圧状態で、圧力逃がし弁を開放し、一次燃焼炉へ送られる処理ガスの流量を制限しないようにして、処理室内の圧力をそのまま一次燃焼炉へ送る通常運転に移行する。
【0023】
(3)本発明の乾燥処理装置は、前記戻り止め部に、表裏面を貫通する圧抜き穴が形成されている構成を備える。
【0024】
この場合は、戻り止め部に、被処理物が処理室の一方の端壁側に送られて高圧となるが、それと並行して被処理物が圧抜き穴を通り抜けて、同時に圧力が逃げるので、処理室の一方の端壁側の圧力が、ある一定以上に高圧となることはなく、装置にかかる負荷を制御して安全を図ることができる。
【0025】
(4)本発明の乾燥処理装置は、前記破断部または破砕部が、前記戻り止め部の外周部に形成された刃部である構成を備える。
【0026】
この場合は、処理室内で回転移動する戻り止め部が、刃部を有しているので、同じ破断能力または破砕能力を基準としたときに、別に刃体を設ける必要がないので、撹拌体をコンパクト、かつ軽量につくることが可能になる。また、被処理物の圧力が高くなり、その圧力で被処理物に含まれる塊が動きにくい部分で破断または破砕を行うことができるので、より確かな破断作業、または破砕作業を行うことが可能になる。
【0027】
(5)本発明の乾燥処理装置は、前記刃部に、刃部を刃渡り方向において所要間隔をおいて寸断する切込部が形成されている構成を備える。
【0028】
この場合は、切込部を形成することによって掛かりが強くなった刃部によって、被処理物をより細かく切断、または破砕することができる。
【0029】
(6)本発明の乾燥処理装置は、前記破断部または破砕部が、回転可能かつ少なくとも前記処理室の直径線方向へ遊動可能に軸支された平歯車状の破砕体である構成を備える。
【0030】
この場合は、例えば被処理物を刃体で破断または破砕する場合と異なり、多数の歯で潰す作用や砕く作用などを有するので、被処理物をより細かく破砕することができる。また、破砕体が処理室内壁との間で、被処理物の比較的大きな塊を噛み込んだときにも、破砕体が負荷のかかりにくい方向へ逃げることができるので、例えば処理室内壁または回転軸などに大きな負荷がかかってそれらが破損することを防止することができる。
【0031】
(7)本発明の乾燥処理装置は、前記送り撹拌部と前記戻り止め部、または前記送り撹拌部と前記破断部または破砕部を一体的に形成している構成を備える。
【0032】
この場合は、送り撹拌部と戻り止め部、または送り撹拌部と破断部または破砕部がそれぞれ一体化(一本化)できるので、同じ撹拌能力、被処理物の戻り止め能力、破断能力または破砕能力を基準としたときに、撹拌体をコンパクト、かつ軽量につくることが可能になる。
【0033】
(8)上記目的を達成するために、本発明の乾燥処理方法は、一次燃焼炉から加熱室へ加熱空気を送り、加熱室内の被処理物を入れた処理室の内部を加熱する工程と、前記処理室内の圧力を所要圧力で維持して前記処理室内の温度を高める工程と、前記処理室から排出される臭気成分と水分を含む処理ガスを一次燃焼炉に送り、燃焼により消臭して外部へ排出する工程と、前記処理室内が所要の圧力および温度となった状態で前記処理室内の圧力を所要圧力で維持することを停止し、前記処理室内の圧力をそのまま逃がす運転に移行して、撹拌体で撹拌および破砕する乾燥処理を所要時間行い、被処理物を粉化する工程と、粉化した被処理物を撹拌して冷却しながら、前記処理室内の処理ガスを二次燃焼炉へ送り、燃焼により消臭して外部へ排出する工程とを備える。
【0034】
この乾燥処理方法によれば、まず運転開始当初、例えば処理ガス送気部を通り一次燃焼炉へ送られる処理ガスの流量を制限するなどして、処理室内の圧力を所要の圧力で維持し、処理室内の温度を所要温度まで上昇させる。この高温および高圧状態で、一次燃焼炉へ送られる処理ガスの流量を制限することを停止し、処理室内の圧力をそのまま一次燃焼炉へ逃がすようにして送る通常運転に移行する。
【0035】
一方で、処理室内に投入された被処理物は、高温および高圧下の処理室内で撹拌体の回転により、撹拌されて順次細かくなり、所要時間の処理により粉化する。この際、運転初期から高温および高圧下で処理されていたため、粉化までの処理を比較的短時間で行うことが可能である。また、同じ理由から、出来上がりの粉体は、粒が細かくやわらかい粉体状となり、しかも処理中の高温および高圧によって十分に殺菌されているので、飼料や肥料としても好適に利用できる。
【0036】
また、処理室内における処理で発生した臭気成分と水分を含む処理ガスは、一次燃焼炉へ送られて燃焼し、消臭される。一次燃焼炉で生じる加熱空気は、加熱室へ送られて処理室を加熱し、例えば燃焼していない二次燃焼炉を通り外部へ排出される。更に、被処理物が粉化した後は、粉化したものを撹拌体で撹拌して冷却しながら、処理室内の処理ガスを二次燃焼炉へ送り燃焼させて消臭することができるので、より確実に、装置近隣の環境負荷を軽減できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、例えば飼育途中において伝染病で殺処分された豚などを高温および高圧下で処理して滅菌し、粉化することができる乾燥処理装置において、外部に放出する排気に臭気が混じることがないようにして、装置の近隣の環境負荷を軽減できるようにすると共に、太く強い骨格を有している豚などでも、粒が細かくやわらかい粉体状となるように乾燥処理することができ、出来上がりの処理物が飼料や肥料としても好適に利用できる乾燥処理装置および乾燥処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1ないし
図11を参照する。なお、
図1においては、図を複雑化せず見やすくする便宜上、奥方向側にある二次燃焼炉と、二次燃焼炉を通る配管の図示を省略し、
図2、
図4に充分に表している。
【0040】
乾燥処理装置Aは、例えば伝染病で殺処分された豚などの被処理物を処理室に投入して高温および高圧下で乾燥処理して粉化するものである。乾燥処理装置Aは、このような豚だけでなく、斃死鶏などの他の家畜類あるいは畜糞や焼酎の搾り滓、余剰汚泥などの乾燥処理を行うこともできる。
【0041】
乾燥処理装置Aは、ケーシング1と、ケーシング1の内部に設けられている加熱室2と、加熱室2の内部に設けられている処理室3と、処理室3の内部に設けられている撹拌体4と、撹拌体4を回転駆動する駆動装置5と、加熱室2に加熱空気を送る一次燃焼炉6と、一次燃焼炉6に、処理室3で生じる臭気成分と水分を含むガスを送る処理ガス送気管7と、運転初期に処理室3の内部の圧力と温度を上昇させ、高温および高圧の状態で連続運転に移行できるようにする加圧制御部8と、加熱室2を通ったガスに含まれる臭気を大気に放出する前に燃焼させて消臭処理する二次燃焼炉9とを備えている。
【0042】
以下、上記各部について説明するが、上記撹拌体4、加圧制御部8および二次燃焼炉9以外の部分の基本的な構造は公知であるので、説明が煩雑化しないように、これらの部分については適宜簡単に説明するに止める。なお、以下の説明において、方向や位置の説明をする際に使用する「前部」の用語は、
図1において右側となる部分を、「後部」は左側となる部分を意味する。
【0043】
(ケーシング1と加熱室2)
上記ケーシング1は、前後両端部が封鎖されたほぼ円筒形状を有しており、中心軸線を前後方向とし、かつ水平にして脚フレーム10により支持されている。ケーシング1の内部には、ケーシング1と同様に円筒形状で、ケーシング1よりやや径小で、ほぼ同じ長さの加熱室2が、中心軸線を上記ケーシング1と共通として固定されている。加熱室2の内部には、上記処理室3が固定されている。
【0044】
(処理室3)
処理室3は、円筒形状の胴部30と、その長さ方向の両端部に設けられた円形の端壁31、32を備えている。処理室3は、処理室3よりやや大きくほぼ同様の形状を有する加熱室2の内部に中心軸線を水平方向とし、かつ長さ方向の両端部の一部を加熱室2およびケーシング1の前後端部から外部に出して固定されている。処理室3と加熱室2の内面との間には、ジャケット部を構成する空隙部20が設けられ、この空隙部20には、上記一次燃焼炉6から送られる加熱空気が通る。
【0045】
(二次燃焼炉9)
加熱室2の前部寄りの上部には、空隙部20を通った加熱空気を装置外部へ排出する排気筒21が設けられている。排気筒21の上端は、蓋(符号省略)により密閉されている。排気筒21には、排気管90の一端が側壁を貫通して接続されており、排気管90の他端は、二次燃焼炉9の一端寄り(後述するバーナー92寄り)に周壁を貫通して接続されている。
【0046】
二次燃焼炉9は、周壁部に耐火煉瓦を使用した円筒型の中空形状に形成されており、前部側の端壁91には、バーナー92が取り付けられている。また、二次燃焼炉9の他端寄りには、排気管93の一端が周壁を貫通して接続されており、排気管93の他端は空気取入具94の導入側に接続されている。空気取入具94の排出側には、排気管95の一端が接続され、排気管95の他端は、吸引ファン96に接続されている。吸引ファン96の排気側には、排気管97が接続され、排気管97の先端には、フィルター97が接続されている。
【0047】
また、加熱室2の後部側の下部には、周壁部に耐火煉瓦を使用した熱風路22の上端部が接続されており、熱風路22の下端部は後述する一次燃焼炉6に接続されている。
処理室3において、胴部30の後部側の熱風路22の上部開口部の上方の外面には、胴部30が加熱空気によって過剰に熱せられることによる劣化を軽減するための熱保護板38が張設されている。
【0048】
また、処理室3の後部側の端壁31には、処理室3の内部を密閉することができる蓋装置34が設けられている。蓋装置34は、上下方向に回動できるように軸着されたアーム340の先端に、端壁31に設けられている排出部(符号省略)を開閉する蓋板341を固定した構造であり、ハンドル35を回転操作することにより蓋板341の開閉動作を行うことができる。なお、符号36は、処理物を排出する際の案内部となるシュートである。
【0049】
ケーシング1の後部側の上部には、加熱室2の上壁と処理室3の胴部30の上部を貫通し、処理室3の内部に連通した四角形の筒状の投入部11が設けられている。
投入部11の上部には、処理室3の内部を密閉することができる蓋装置12が設けられている。蓋装置12は、上部側が回動自在に軸支された蓋板120を有し、蓋板120に取り付けられたハンドルバー121の上下方向の操作によって蓋板120を動かして投入部11を開閉することができる。
【0050】
また、処理室3には、加熱室2を貫通して処理ガス送気管7の一端側が接続されている。処理ガス送気管7の他端側は、吸引ファン70の吸気側に接続されている。また、吸引ファン70の排気側には、処理ガス送気管7aの一端が接続され、その他端は一次燃焼炉6に接続されている。これにより、処理室3内で発生する臭気成分と水分を含む処理ガスは、一次燃焼炉6に送られ、ほとんどの臭気成分が燃焼して消臭される。
【0051】
処理ガス送気管7の経路において、吸引ファン70を挟む上流側と下流側の二箇所には、バルブ701、702が設けられている。本実施の形態では、バルブ701、702は、作業者の手操作により開閉する手動バルブであるが、これに限定するものではなく、自動制御で開閉される電動の自動バルブとしてもよい。
【0052】
(加圧制御部8)
そして、処理ガス送気管7の経路中には、運転初期に処理室3の内部の圧力と温度を上昇させ、高温および高圧の状態で連続運転に移行できるようにする加圧制御部8が設けられている。加圧制御部8は、圧力逃がし弁80とバイパス管81からなり、圧力逃がし弁80は、処理ガス送気管7の経路において、上流側のバルブ701より更に上流側に周壁を貫通して接続されている。
【0053】
また、圧力逃がし弁80の圧力逃がし部(排出部:符号省略)には、バイパス管81の一端が接続されている。バイパス管81の他端は、処理ガス送気管7aの経路中において、吸引ファン70より下流側のバルブ702より更に下流側に周壁を貫通して接続されている。
【0054】
(一次燃焼炉6)
一次燃焼炉6は、加熱室2の下方に設けられており、上記したように熱風路22によって加熱室2と接続されている。一次燃焼炉6は、周壁部に耐火煉瓦を使用した円筒型の中空形状に形成されており、前部側の端壁60には、バーナー61が取り付けられている。バーナー61によって加熱された加熱空気は、処理ガス送気管7から送られてくる処理ガスを燃焼させながら、熱風路22を通り加熱室2の内部に送られ、処理室3を加熱した後、排気筒21から二次燃焼炉9を通り、大気中へ排出される。
【0055】
(撹拌体4)
処理室3の内部には、撹拌体4が回転可能に軸支されている。撹拌体4は、円管状の回転軸40を有している。回転軸40は管体の内部に冷却水や加熱水、あるいは加熱蒸気を通す構造としてもよいし、管体でなく中実体で形成してもよい。回転軸40は、処理室3の両端壁31、32の外側にブラケット33およびモーター台37により固定された軸受49によって両端側が軸支されている。
【0056】
回転軸40の軸の中心は、処理室3の円筒形状である胴部30の中心軸線と共通である。回転軸40は、処理室3の両端壁31、32を回転できるように、かつ処理室3内の気密が保てるようにして貫通させてある。
【0057】
撹拌体4は、駆動装置5によって駆動される。駆動装置5は、モーター台37の上部に固定されているモーター50と、スプロケットやチェーンを備え、モーター50の動力を回転軸40に伝える動力伝達系51を備えている。駆動装置5は、制御部(図示および符号省略)によって、撹拌体4の回転方向を所定時間ごとに正逆方向に切り替えるように制御される。
【0058】
回転軸40において、処理室3の内部にある部分には、撹拌体である四本の破断パドル41と二本の撹拌パドル42、および三本の破砕パドル43が回転軸40の軸線方向に適宜配置で取り付けられている。破断パドル41、撹拌パドル42、および破砕パドル43の数はこれに限定されるものではなく、装置の能力や規模に合わせるように適宜設定することができる。
【0059】
(破断パドル41)
主に
図6、
図7を参照して破断パドル41の構造を説明する。
破断パドル41は、回転軸40の周壁部を貫通し、回転軸40の直径線方向に延長して固定された円管状の桿体410を有している。桿体410の先端には、羽根板411が固定されている。羽根板411は、回転軸40の軸線方向に対し軸周方向へ所要角度で傾斜させて固定されており、その先端縁部は、処理室3の胴部30の内周面と若干の隙間を以て、その形状に沿うように緩やかな円弧状に形成されている。桿体410と羽根板411は、送り撹拌部を構成するものである。
【0060】
各羽根板411は、全部が被処理物を同じ方向へ送ることができるように同じ方向へ傾斜させてある(後述する撹拌パドル42の羽根板421、破砕パドル43の羽根板432も同様)。なお、各羽根板411の傾斜角度は、本実施の形態では回転軸40の軸線方向に対し軸周方向へ30°となるように設定されているが、これに限定されるものではなく、適宜好適な角度に設定することができる。
【0061】
桿体410と回転軸40には、戻り止め板45が一体的に固定されている。
図6、
図7に示すように、戻り止め板45は、外縁形状が涙滴形様(涙滴形の尖った部分を除去したような形状)または洋梨型様の形状を有する板体であり、幅がやや狭く窄まった基部側(符号省略)と、幅が広く円弧形状に形成された先部側(符号省略)により構成されている。戻り止め板45は、基部側が桿体410に固定されており、基部側と先部側のほぼ中間部に回転軸40を貫通させて回転軸40に固定されている。
【0062】
戻り止め板45の先部側は、桿体410とは反対側に延出されており、円弧形状の外縁部には、円弧部分の全長にわたり両刃の刃部450が形成されている。刃部450には、先端側を除く両側部のそれぞれ複数箇所(本実施の形態では三箇所)にほぼV字形に切り込んで刃部450を寸断する切込部451が形成されている。また、戻り止め板45の先部側の中心部には、回転軸40の外径とほぼ同じ内径を有する円形の圧抜き穴452が表裏面を貫通して形成されている。
【0063】
戻り止め板45の形状について、さらに具体的には、本実施の形態では、刃部450の円弧部の最大幅(直径)は、処理室3の胴部30の内径の略1/2の長さである。なお、この長さは、これに限定されず、例えば胴部30の内径の「50%±10%:40〜60%」の長さの範囲で適宜調整することもできる。また、回転軸40の位置における両側の側縁までの距離は、何れも回転軸40の中心と胴部30内面との距離の略1/2または1/2以下である。これらの値が1/2を超えると、後述する塊状物を咬み込む空間、具体的には豚の頭を咬み込ませる空間部39が狭くなり、豚の頭の処理ができないか、またはできにくくなる。
【0064】
また、戻り止め板45は、回転軸40を通り、胴部30の内面に向けて両側縁が広がる(末広がりになる)ように形成され、回転軸40と胴部30の内面との距離の略1/2の位置から先は半円弧状または略半円弧状に形成されており、縁部が略半円弧状の刃部450外周縁と胴部30内面との間に塊状物を咬み込む空間部、具体的には豚の頭を咬み込ませることができる空間部39が形成されている。刃部450に設けられた切込部451は、処理する塊状物に掛かって、咬み込みやすくするためのものである。
【0065】
桿体410に固定されている羽根板411は、その先端縁部と処理室3の胴部30の内面との間に若干の隙間を設けた状態で回転移動する。また、戻り止め板45は、その先端部と処理室3の胴部30の内面との間に若干の隙間を設けた状態で回転移動する(
図6(b)参照)。なお、各破断パドル41は、それぞれの桿体410が交互に回転軸40の軸周方向において反対方向(180°を成す方向)を向くように設けられている。
【0066】
(撹拌パドル42)
主に
図8、
図9を参照して撹拌パドル42の構造を説明する。
撹拌パドル42は、回転軸40の外周部を貫通し回転軸40の直径線方向に延長して固定された円管状の桿体420を有している。桿体420の先端には、羽根板421が固定されている。羽根板421は、回転軸40の軸線方向に対し軸周方向へ所要角度で傾斜させて固定されており、その先端縁部は、処理室3の胴部30の内周面と若干の隙間を以て、その形状に沿うように緩やかな円弧状に形成されている。桿体420と羽根板421は、送り撹拌部を構成するものである。
【0067】
羽根板421は、全部が被処理物を同じ方向へ送ることができるように同じ方向へ傾斜させてある。なお、各羽根板421の傾斜角度は、本実施の形態では破断パドル41の羽根板411と同様に回転軸40の軸線方向に対し軸周方向へ30°となるように設定されているが、これに限定されるものではなく、適宜好適な角度に設定することができる。
【0068】
桿体420と回転軸40には、戻り止め板48が一体的に固定されている。
図7、
図8に示すように、戻り止め板48は、外縁形状が涙滴形様の形状を有する板体であり、幅が広く円弧形状に形成された基部側(符号省略)と、幅がやや狭く窄まった先部側(符号省略)により構成されている。戻り止め板48は、基部側の中心部に回転軸40を貫通させて回転軸40に固定され、先部側が桿体420に固定されている。戻り止め板48の外形は、破断パドル41の戻り止め板45よりやや小さく形成されており、圧抜き穴は設けられていない。
【0069】
桿体420の先端に固定されている羽根板421は、その先端部を処理室3の胴部30の内面との間に若干の隙間を設けた状態で回転移動する(
図8(b)参照)。なお、各撹拌パドル42は、それぞれの桿体420が回転軸40の軸周方向において同じ方向を向くように、かつ各破断パドル41の桿体410とは、直角方向(90°を成す方向)を向くように設けられている。
【0070】
(破砕パドル43)
主に
図10、
図11を参照して破砕パドル43の構造を説明する。
破砕パドル43は、回転軸40の周壁部を貫通し、回転軸40の直径線方向に延長して固定された円管状の桿体430、431を有している。一方の桿体430の先端には、上記羽根板411、421と同様の羽根板432が固定されている。
【0071】
また、他方の桿体431の先部には、所要径を有する円管状の軸受433が軸線方向を回転軸40と平行になるように固定されている。軸受433には、軸受433の内径よりやや小径の丸棒状で所要長さの中心軸434が通されている。中心軸434の長さは、軸受433より長く形成されており、その両端部には互いに同径の平歯車状の破砕体435が固着されている。また、各破砕体35の内面と、軸受433の両対面との間には若干の隙間が設けられている。
【0072】
この構造によれば、中心軸434と二つの破砕体435が一体となった部材(符号省略)は、中心軸434の軸方向に若干の進退動が可能で、かつ中心軸434の軸線が軸受433の軸線に対し所要角度で傾斜が可能であり、すなわちこの部材は、軸受433に対し遊動可能に嵌装されている。
【0073】
なお、破砕体435の外周部(歯先部)は、処理室3の胴部30内面に最も近付いた状態(中心軸434が軸受433の内周面の先端面に密着した状態:
図11(b)参照)において、ほぼ接触するようになっている。そして、中心軸434と二つの破砕体435が一体となった部材は、一定の範囲で遊動自在なので、各破砕体435が処理室3内壁との間で、被処理物の比較的大きな塊を噛み込んだときにも、破砕体435が負荷のかかりにくい方向へ適宜逃げることができる。
【0074】
そのような動きを繰り返しながら、破砕パドル43は、破砕体435によって被処理物を細かく破砕することが出来る。
また、桿体430、431と回転軸40には、補強部を兼ねた戻り止め板436が一体的に固定されている。
図10、
図11(b)に示すように、戻り止め板436は、外縁形状が紡錘形である。
【0075】
(作用)
本発明の乾燥処理装置Aの作用を、被処理物が殺処分された豚である場合を例にとり説明する。処理作業の開始にあたり、一次燃焼炉6のバーナー61に点火し、ファン70、96の運転を開始する。また、バルブ701、702を閉じておく。なお、この時点ではファン70は停止させておいてもよい。これにより、処理室3から順に、圧力逃がし80、一次燃焼炉6、加熱室2、二次燃焼炉9、吸引ファン96を通り外部へ排出される通風経路が形成される。また、あらかじめ加圧制御部8の圧力逃がし弁80の上限の圧力を適宜設定しておく。
【0076】
これにより、加熱室2には一次燃焼炉6から加熱空気が送られ、処理室3は加熱される。また、処理室3内で撹拌体4を駆動装置5によって回転させる。なお、二次燃焼炉9のバーナー92には、まだ点火をしていない。そして、ケーシング1の上部の蓋装置12の蓋板120を開け、投入部11から被処理物である豚を丸のまま、あるいは塊に分かれた状態で、所要の量を処理室3内に投入する。その後、蓋板120は閉じる。
【0077】
投入された被処理物は、撹拌体4の回転軸40に設けられている各破断パドル41、各撹拌パドル42および各破砕パドル43で撹拌されながら、最初のうちは、主に各破断パドル41の戻り止め板45の刃部450によって骨ごと順次切断される。この切断は、主に、その重さにより被処理物が溜まっている処理室3内の底部において、戻り止め板45の刃部450が処理室3の胴部30の内面に近接して回転移動することにより、胴部30の内面と刃部450で被処理物を挟み切るようにして行われる。また、空間部39が充分広いので、例えば頭部等の太い骨が入りやすく、刃部450に形成されている各切込部451によって、より確実に切断され、あるいは砕かれて肉と共に小片化され細かくなる。
【0078】
また、各パドル41、42、43による破断および破砕と並行して、被処理物が撹拌されながら、処理室3内において回転軸40の軸線方向の一方向へ送られる。なお、被処理物である豚は脂肪率が高く、処理室3内は油で滑りやすくなるが、被処理物は骨まで切断、破砕されることによって細かくなり、撹拌の際に一塊にはなりにくく、効率的に撹拌される。
【0079】
送られた被処理物は、後続して送られてくる被処理物によって押され、処理室3の一方の端壁31(または32)において圧力が高まり、さらに一端部近傍に位置する撹拌パドル42によって高温および高圧下で所要時間混練され、被処理物は更に細かく摩砕される。また、この際には、被処理物は圧力が開放される方向、すなわち送り方向とは逆方向へ戻ろうとするが、回転移動している各戻り止め板436、45、48によってその大部分が止められるので、被処理物の高い圧力が維持される。圧力が高まった被処理物は、破断パドル41の戻り止め板45においては、一部が圧抜き穴452を通り抜けて戻ることができるようにしてあり、被処理物の圧力が過剰に高まることを防止している。
【0080】
このような高温および高圧下での処理が所要時間行われると、撹拌体4の回転が制御されて逆回転方向に切り替えられる。これにより、被処理物は処理室3内において上記とは逆方向へ送られ、処理室3内の他方側の端壁32(または31)において上記と同様に高温および高圧下での処理が所要時間行われる。なお、上記処理中、処理室3において内部に被処理物がない側は、いわゆる空焚き状態で温度がより高温になっており、搬送方向が切り替わって被処理物が移動してきたときも、直ちに十分に高い温度で効率的な処理を行うことができる。
【0081】
上記乾燥処理により生じる、臭気成分と水分(水蒸気)を含む処理ガスは、圧力逃がし弁80の設定圧力を超えた分が吸引ファン96の作用とも相まって一次燃焼炉6へ送られ、燃焼することにより消臭される。そして、二次燃焼炉9を通り、フィルター98を通って、無臭のガスが外部へ排出される。なお、処理室3内の圧力は、ほぼ圧力逃がし弁80で設定した圧力で維持することができる。これにより、処理室3内の温度と圧力を効率のよい乾燥処理が可能な状態で維持できる。
【0082】
この高温および高圧状態で、所要時間の乾燥処理を行った後、バルブ701、702を開けてファン70による通風を開始し、一次燃焼炉6のバーナー61は止める。これにより、処理室3内の圧力をそのままに、処理ガスを一次燃焼炉6へ送る通常運転に移行する。そして、処理室3内で被処理物が燃焼する熱を熱源として乾燥処理が進み、被処理物に含まれる水分は徐々に少なくなって更に細片化され、次第に粉化する。なお、バーナー61を止めてから粉化までは、燃料を必要としない。
【0083】
処理室3内における乾燥処理で発生した臭気成分と水分を含む処理ガスは、処理室3内部の燃焼により加熱されている一次燃焼炉6へ送られて燃焼し、消臭される。消臭された加熱空気は、加熱室2へ送られて処理室3を加熱し、二次燃焼炉9からフィルター98を通り外部へ排出される。
なお、被処理物が粉化した後は、二次燃焼炉9のバーナー92に点火し、粉化したものを撹拌体4で撹拌して、ファン70、96による通風により冷却しながら、処理室3内の処理ガスを一次燃焼炉6から加熱室2を通って、二次燃焼炉9へ送り燃焼させて消臭することができる。これにより、装置近隣の環境負荷を軽減できる。
【0084】
なお、上記運転では、運転初期から高温および高圧下で処理されていたため、粉化までの処理を比較的短時間で行うことが可能である。また、同じ理由から、出来上がりの粉体は、粒が細かくやわらかい粉体状となり、しかも処理中の高温および高圧によって十分に殺菌されているので、飼料や肥料としても好適に利用できる。
【0085】
また、二次燃焼炉9は、吸引ファン96の運転により処理室3内の処理ガスを引き込むことができるようになっており、空気の流れを処理室3内に及ぼすことで、処理室3内の被処理物の冷却にも寄与できる。そして、吸引ファン96の上流側に空気取入具94を備えることにより、仮に吸引ファン96の吸引力が強すぎた場合でも、空気取入具94が安全装置のように機能して、空気取入具94から空気を取り入れることで、減圧により処理室3などにかかる負荷を軽減することができる。
【0086】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形が可能であるということは言うまでもない。