特許第6249471号(P6249471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249471情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249471
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/20 20060101AFI20171211BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G06F11/20 633
   G06F11/30 140A
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-104166(P2013-104166)
(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公開番号】特開2014-225140(P2014-225140A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年4月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079164
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勇
(72)【発明者】
【氏名】中桐 征人
【審査官】 三坂 敏夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−335979(JP,A)
【文献】 特開平11−184825(JP,A)
【文献】 特開2006−325036(JP,A)
【文献】 特開2009−086741(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0308191(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
11/16−11/20
11/28−11/34
11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムであって、
前記各端末は、
他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に監視する障害監視機能と、
障害が発生した場合に当該障害発生にかかる端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した代行端末を,予め装備され前記各端末にかかる情報が記憶された記憶装置から選定する代行端末選定機能と、
前記代行端末として前記障害にかかる端末の処理内容を引き継いだ場合に機能し当該処理内容を継続して実行する処理内容継続処理機能とを有すると共に、
前記各端末には、前記代行端末選定機能を実行する端末としての権限の優先取得順位が、前記複数の端末相互間で予め設定され前記各記憶装置に記憶されており、
前記代行端末選定機能を実行する端末を特定する権限を取得する前記優先取得順位を、予め設定した整列順位を基準とし且つ前記障害発生にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先取得順位の最上位端末とすると共に、
前記各端末は、自己の端末が前記優先取得順位の最上位端末か否かを判定する優先順位判定機能を備えていることを特徴とした情報収録システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報収録システムにおいて、
前記各端末が、
前記一又は二以上の各情報供給装置から送られて来る映像又は音声の情報を受信する映像処理装置と、前記各端末相互間で所定の通信データを送受信する機能を備えたネットワーク送受信装置と、前記各情報供給装置から送られて来る映像又は音声の情報を記憶すると共に前記端末相互間の通信情報及び必要な動作制御情報を格納し且つ外部からの要求に応じて出力する前記記憶装置と、これら各構成手段の動作を制御するプロセッサとを備えた構成とし、
前記各プロセッサは、
前記ネットワーク送受信装置を介して他の端末の前記障害の発生有無を監視する監視処理部と、障害の発生時に前記代行端末選定機能を実行することが可能な代行端末選定部とを備えていることを特徴とした情報収録システム。
【請求項3】
請求項に記載の情報収録システムにおいて、
前記各端末に予め装備された外部入力手段を介して入力される動作指令の入力情報を対応する前記各プロセッサに送り込と共に、当該各プロセッサの処理内容を外部出力手段を介して外部へ出力する外部入出力制御手段を、前記各プロセッサに併設したことを特徴とする情報収録システム。
【請求項4】
請求項又はに記載の情報収録システムにおいて、
前記各端末のプロセッサが前記優先順位判定機能を有する構成とし、
この各プロセッサは、前記障害発生時には当該優先順位判定機能を稼働させて自己の属する端末が前記優先取得順位の最上位にあるか否かを判定すると共に、当該端末が前記優先取得順位の最上位にあると判定された場合に直ちに当該端末の前記代行端末選定部を稼働させる構成としたことを特徴とする情報収録システム。
【請求項5】
請求項に記載の情報収録システムにおいて、
前記各プロセッサは、
対応する前記外部入出力制御手段を介してシステム利用者から録画の予定情報および各端末の性能の情報が入力された場合、対応する前記記憶装置に記憶されている録画の予定情報および各端末情報を更新する情報更新制御機能と、
この更新した情報を、前記外部入出力制御手段5を介して前記各端末に配付する更新情報配付制御機能と、
を備えていることを特徴とする情報収録システム。
【請求項6】
請求項又はに記載の情報収録システムにおいて、
前記各プロセッサは、前記障害発生時に選定された他の端末にかかる選定情報が入力された場合に、当該端末選定情報を前記記憶装置に記憶すると共に、予め設定された当該処理内容の割当てを変更してこれを前記記憶装置に記憶する割当変更制御機能を備えていることを特徴とした情報収録システム。
【請求項7】
複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムにあって、
前記各端末が他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に並列的に監視し、
障害が発生した場合に当該障害にかかる前記端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した他の端末を代行端末として予め装備され前記各端末にかかる情報が格納された記憶装置から選定し、
前記選定された代行端末が前記障害発生にかかる端末の処理内容を引き継いで継続処理し、
前記代行端末を選定する工程の実行に先立って、
前記代行端末選定の選定処理を実行する権限を備えた一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて予め設定された優先順位に従って特定し、且つ前記障害にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先順位の最上位端末とする構成としたことを特徴とする情報収録システム用障害対処方法。
【請求項8】
請求項に記載の情報収録システム用障害対処方法において、
前記各端末による障害監視工程の実行に先立って、
当該各端末に対して相互に他の端末装置全体の性能を個別に登録する構成としたことを特徴とする情報収録システム用障害対処方法。
【請求項9】
前記請求項に記載の情報収録システム用障害対処方法において、
前記端末情報を登録する工程では、特定の端末に全ての端末情報を入力し、この入力された端末情報を他の全ての端末装置に配信するようにしたことを特徴とする情報収録システム用障害対処方法。
【請求項10】
複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムにあって、
前記各一の端末が、
他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に並列的に監視する障害監視機能、障害が発生した場合に当該障害発生にかかる前記他の端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した代行端末を予め装備され前記各端末にかかる情報が記憶された記憶装置から選定する代行端末選定処理機能、及び前記選定された代行端末が前記障害発生にかかる前記他の端末による処理内容を引き継いで継続処理する処理内容継続処理機能、を備え、
更に、前記代行端末選定処理機能の実行に先立って、前記代行端末の選定処理動作を実行する一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて前記各端末相互間で予め設定された優先順位に従って特定し、且つ前記障害にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先順位の最上位端末とする選定実行端末特定機能を備え、
これらの各機能を、前記各一の端末が備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするシステム障害用対処プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラムに関し、特に、複数の映像・音声供給装置から発信される映像若しくは音声を収録する複数の端末が相互に各端末の動作を並列的に監視し、一の端末に障害が発生しても、各収録情報の総てを有効に収録可能とした情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラ、パソコン、テレビアンテナ等の映像供給装置から供給される映像・音声などの異なるストリーミングデータの収録に際しては、従来より、並行して異なるレコーディング装置(処理端末)で記憶処理(録画/録音処理)を行うデータ記憶処理システムが利用されている。
【0003】
又、複数台の映像録画装置(端末装置)がネットワークを介して接続されていて、その内の一台がサーバ(中継器)の役割を果たし、他の装置に対して録画等にかかる制御情報を送信したり、録画等の収録情報を配信したりする方式のデータ収録システムが知られている。
【0004】
この場合、例えば図9に示すデータ収録システムでは、映像供給装置101,102,103,・・・・からネットワーク回線を介して送り込まれる映像データを、まず録画処理サーバS1が、予め備えた記憶装置212に格納する。
【0005】
また、上記録画処理サーバS1は、通信回線を介して端末装置D201,D202,D203,・・・・に対して録画指示等の制御情報や録画予約スケジュール情報等を並行して通知することにより、各映像供給装置101,102,103,・・・・から送りこまれる映像等を並行して収録する処理が行われるように管理する。
【0006】
そして、この図9において、録画処理サーバS1は、オペレータ等からの外部指令等を入力する外部入力装置211と、上述した記憶装置212と、情報の入出力を制御する外部入出力制御部213と、前記映像供給装置101等からの収録情報を処理する映像処理装置214と、これらの各構成部分の動作等を制御するプロセッサ215と、収録された情報を前記各端末装置D201,D202,D203,・・・・に対して前記録画指示等の制御情報や録画予約スケジュール情報等を並行して送信し又は当該各端末装置D201,D202,D203,・・・・と相互通信を行うためのネットワーク送受信装置216とを備えている。
【0007】
又、前述した各端末装置D201,D202,D203,・・・・は、前述した録画処理サーバS1および他の各端末装置と相互通信を行うためのネットワーク送受信装置201Aと、外部入出力制御部201Bと、これら各部の動作を制御するプロセッサ201Cとを備えている。又、外部入出力制御部201Bには、上記した録画処理サーバS1の場合と同様に外部入力装置201a及び外部出力装置201bが併設されている。
【0008】
しかしながら、上記図9にかかるデータ収録システムは、収録情報を録画処理サーバS1に委託する形態であることから、構成が簡略化され安価に入手し得るものの、録画処理サーバS1に障害が発生すると、システム全体が動作不能となるという不都合がある。
【0009】
かかる不都合を改善するものとして、下記特許文献1,2が知られている。
この内、特許文献1は、前述した図9における録画処理サーバS1が行う情報の収録およびその記憶機能を前述した各端末装置D201,D202,D203,・・・・に装備するように構成し、これによって、上記不都合を改善しようとするものである。
【0010】
又、特許文献2は、前述した各端末装置D201,D202,D203,・・・・の各々が、障害発生時には相互に代行録画を実行するようにし、これによって、前述した不都合を改善しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4662889号公報
【特許文献2】特開2008−131067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記図9に開示された関連技術にあっては、装置が単体の場合はその装置自身に、また複数台がネットワークで接続されたシステムにあって制御情報を発する装置(録画処理サーバS1)に、それぞれ何らかの原因で障害が発生した場合には、システム全体が停止してしまい、復旧まで動作不可能な状態に陥るという問題があった。
【0013】
また、障害発生の防止のために、特定の装置に障害防止のための特殊な機能(無停電装置、記憶領域の複数化)を付加させることもできるが、この場合は当然のことながら高コストを強いられるという問題がある。
【0014】
一方、上記各特許文献1,2にあっては、各端末装置における障害発生時に、当該障害にかかる端末装置に代えてその代行端末の選定を指令する手段が特定されていないことから、例えばオペレータが外部から特定の端末を介して指令することとなり、迅速性に欠けるという不都合があった。又、特定の端末を予め定めて運用すると、当該特定の端末に障害が発生した場合には代行端末の選定動作が機能しないという不都合が生じる。
【0015】
〔発明の目的〕
本発明は、上記関連技術の有する不都合を改善し、特定のサーバを設けることなく、複数の情報供給装置からの情報を複数の端末を利用して同時に並行して収録すると共に、何れの端末に障害が発生しても、システム全体としては前記複数の情報供給装置からの情報を継続して有効に収録することを可能とした情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明にかかる情報収録システムは、複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムであって、
前記各端末は、
他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に監視する障害監視機能と、障害が発生した場合に当該障害発生にかかる端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した代行端末を,予め装備され前記各端末の情報が記憶された記憶装置から選定する代行端末選定機能と、前記代行端末として前記障害にかかる端末の処理内容を引き継いだ場合に機能し当該処理内容を継続して実行する処理内容継続処理機能とを有すると共に、
前記各端末には、前記代行端末選定機能を実行する端末としての権限の優先取得順位が、前記複数の端末相互間で予め設定され前記各記憶装置に記憶されており、
前記代行端末選定機能を実行する端末を特定する権限を取得する前記優先取得順位を、予め設定した整列順位を基準とし且つ前記障害発生にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先取得順位の最上位端末とすると共に、
前記各端末は、自己の端末が前記優先取得順位の最上位端末か否かを判定する優先順位判定機能を備えている、という構成を採っている。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明にかかる収録システム用障害対処方法は、複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムにあって、
前記各端末が他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に監視し(障害監視工程)、
障害が発生した場合に当該障害にかかる前記端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した他の端末を代行端末として予め装備され前記各端末にかかる情報が格納された記憶装置から選定し(代行端末選定工程)、
前記選定された代行端末が前記障害発生にかかる端末の処理内容を引き継いで継続処理し(処理内容継続処理工程)、
前記代行端末選定工程の実行に先立って、前記代行端末選定の選定処理を実行する権限を備えた一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて予め設定された優先順位に従って特定し、且つ前記障害にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先順位の最上位端末とする、という構成を採っている。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明にかかるシステム用障害対処プログラムは、複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムにあって、
前記各一の端末が、
他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に並列的に監視する障害監視機能、障害が発生した場合に当該障害発生にかかる前記他の端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した代行端末を予め装備され前記各端末にかかる情報が記憶された記憶装置から選定する代行端末選定処理機能、及び前記選定された代行端末が前記障害発生にかかる前記他の端末による処理内容を引き継いで継続処理する処理内容継続処理機能、を備え、
更に、前記代行端末選定処理機能の実行に先立って、前記代行端末の選定処理動作を実行する一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて前記各端末相互間で予め設定された優先順位に従って特定し、且つ前記障害にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先順位の最上位端末とする選定実行端末特定機能を備え、
これらの各機能を、前記各一の端末が備えているコンピュータに実現させるようにする、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述したように構成したので、これによると、一の端末に障害が発生しても、他の端末で処理を代行することとなり、更に、障害発生にかかる端末の処理内容を代行する他の端末を選定するための代行端末選定機能を実行する端末の優先順位を、前記複数の端末相互間で予め設定したので、複数の端末の一部に障害が発生した場合でも、これに対応して代行するに適した代行端末を直ちに選定することができ、これにより、システム全体としては全ての収録情報を中断することなく継続して情報収録することができるという優れた情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明にかかる情報収録システムの第1実施形態を示すブロック図である。
図2図1に開示した情報収録システムのプロセッサの機能を示す説明図である。
図3図1に開示した情報収録システムの端末部分の事前動作(初期動作)を示すフローチャートである。
図4図1に開示した情報収録システムの端末部分の正常時におけるデータ処理動作を示すフローチャートである。
図5図1に開示した情報収録システムの端末部分の障害における対応処理動作を示すフローチャートである。
図6】本発明にかかる情報収録システムの第2実施形態を示すブロック図である。
図7】本発明にかかる情報収録システムの第3実施形態を示すブロック図である。
図8】本発明にかかる情報収録システムの第4実施形態を示すブロック図である。
図9】関連技術を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の情報収録システムにかかる第1実施形態を示すブロック図である。
この図1において、情報収録システム10は、情報供給装置としての複数の映像供給装置11,12,13,・・・・から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を有する複数の端末D1,D2,D3,・・・・を備えている。
この複数の各端末D1,D2,D3,・・・・は、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されている。
【0022】
この場合、各端末D1,D2,D3・・・・は、お互いの装置の状態を相互に並列的に監視し、録画等の必要な処理をその容量の合わせて最適な端末に割り振る機能を備えている。 又、この各端末D1,D2,D3・・・・は、前述したように、複数の映像供給装置11,12,13,・・・・から送られて来る映像又は音声等の情報を受信し収録すると共に再生する機能を有する装置である。
【0023】
この各端末D1,D2,D3,・・・・は、具体的には、それぞれが他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に並列的に監視する障害監視機能4Aと、障害が発生した場合に当該障害発生にかかる端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した他の端末(代行端末)を,予め装備され前記各端末にかかる情報が記憶された記憶装置3から選定する代行端末選定機能4Bと、前記代行端末として前記障害にかかる端末の処理内容を引き継いだ場合に当該処理内容を継続して実行する処理内容継続処理機能4Cとを備えている。
【0024】
更に、本第1実施形態では、上記各端末D1,D2,D3,・・・・には、前述した代行端末選定機能4Bを実行する端末としての権限の優先取得順位が、前記複数の各端末D1,D2,D3,・・・・の相互間で予め設定され前述した各端末の記憶装置3に、それぞれ記憶されている。
このため、上記各端末D1,D2,D3,・・・・の何れかに障害が発生した場合には、オペレータの指令を待つまでもなく、この障害に直ちに対応して代行端末を選定し稼働させることができ、障害に対する処理の迅速化を図ることができる。
【0025】
ここで、上記した代行端末選定機能4Bを実行する端末を特定する権限の前記優先取得順位を、予め設定した前記各端末D1,D2,D3,・・・・の整列順位の順とすると共に、前記各端末D1,D2,D3,・・・・は、自己の端末が前記優先取得順位の最上位端末か否かを判定する優先順位判定機能4Dを備えている。
これにより、各端末D1,D2,D3,・・・・は、優先順位判定機能4Dにより、他の端末に障害が発生した場合に直ちに自らの取るべき対処方法を認識することができる。
【0026】
又、本第1実施形態では、代行端末選定機能4Bを実行する端末としての優先順位については、原則的に上記のように設定したが、これとは別に、下記のように設置し、必要に応じて採用してもよい。
【0027】
即ち、代行端末選定機能4Bを実行する端末を特定する権限の前記優先取得順位を、予め設定した整列順位を基準とし且つ前記障害発生にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先取得順位の最上位端末とする。そして、前記各端末D1,D2,D3は、自己の端末が前記優先取得順位の最上位端末か否かを判定する優先順位判定機能4Eを備えた構成とする。
このようにすると、代行端末選定機能4Bを実行する端末を特定の端末に片よることなく障害発生にかかる端末の位置に応じて分散することができ、各端末D1,D2,D3,・・・・の負荷分散が可能となるという利点がある。
【0028】
ここで、上記各端末D1,D2,D3,・・・・は、その構成が本第1実施形態ではほぼ同一の構成を備えている。このため、以下、端末D1について、その構成と機能とについて説明する。
【0029】
端末D1は、本第1実施形態では、前述した一又は二以上の各映像供給装置11,12,13,・・・・から送られて来る映像又は音声等の情報を受信する映像処理装置1と、前記各端末の相互間での通信データを送受信する機能を備えたネットワーク送受信装置2と、前記各映像供給装置11,12,13,・・・・から送られて来る映像又は音声等の情報を記憶すると共に前記端末相互間の通信情報及び必要な動作制御情報を格納し且つ外部からの要求に応じて出力する前記記憶装置3と、これら各構成手段の動作を制御するプロセッサ4とを備えて、構成されている。
他の端末D2,D3,・・・・についても同様である。
【0030】
ここで、映像処理装置1は、前述した各情報供給装置11,12,13,・・・・からの映像又は音声等の各種情報を受信し、システム内で処理可能なデータ形式に変換する機能を備えている。
【0031】
また、ネットワーク送受信装置2は、他の端末D2,D3,・・・・との通信情報を通信可能な形式に変換する機能を備えている。
記憶装置3は、映像画像や音声および端末相互間の通信・制御情報を格納し、プロセッサ4に制御されて必要な情報を出力する。
【0032】
更に、この記憶装置3は、総ての端末D1,D2,D3,・・・・のデータ収録予定が予め保存されている。このデータ収録予定の保存は、後述する外部入力装置12から入力され、プロセッサ4を介して記憶装置3に保存処理されるようになっている。
【0033】
また、プロセッサ4は、前記ネットワーク送受信装置2を介して他の端末の前記障害の発生有無を監視する前記障害監視機能を4Aを実行する監視処理部41と、障害の発生時に前記代行端末選定機能4Bを実行する代行端末選定処理部42とを含んで構成されている。
【0034】
更に、このプロセッサ4には、前記各端末D1,D2,D3,・・・・に予め装備された外部入力手段12を介して入力される動作指令又は必要な情報を入力し若しくは当該プロセッサ4の指令をよって外部出力装置12を介して外部へ出力する外部入出力制御装置5が、併設されている。
【0035】
ここで、映像供給装置11,12,13,・・・・は、映像データを、プロセッサ4が処理可能な形式に変換して送信する。例えば、監視カメラ、パソコン、テレビアンテナなどである。又、外部入力装置12は、システムの使用者(オペレータ)が動作プログラムを含むシステムの設定情報、録画情報などを入力する際に使用される。
【0036】
外部表示装置13は、システムの使用者(オペレータ)がシステムの設定情報を入力する際にその情報を出力表示し、また蓄積した映像を,更にはシステム障害の発生に際しては、その障害内容を出力表示する機能を備えている。
【0037】
又、前述した各端末D1,D2,D3,・・・・の優先順位判定機能4Dは、各端末D1,D2,D3,・・・・の前記プロセッサ4が備えている。
そして、このプロセッサ4は、代行端末選定部42の実行に先立って、この優先順位判定機能4Dに基づいて自己の属する端末が前述した優先取得順位の最上位にあるか否かを判定すると共に、当該自己の属する端末が前記優先取得順位の最上位にあると判定された場合に直ちに当該端末の代行端末選定部42を稼働させるように機能する。
【0038】
更に、各端末D1,D2,D3,・・・・のプロセッサ4は、システム利用者から、対応する前記外部入出力手段12を介して録画等の予定情報及び各端末D1,D2,D3,・・・・の性能等の情報が入力された場合、対応する前記記憶装置3に記憶されている録画等の予定情報および各端末情報を更新する情報更新制御機能4Fと、この更新した情報を前記外部入出力制御装置5を介して前記各端末D1,D2,D3,・・・・に配付する更新情報配付制御機能4Gとを備えている。
これにより、各端末D1,D2,D3,・・・・は同一の情報を常時保持した状態が維持される。
【0039】
又、前記各プロセッサ4は、前記障害発生時に選定された代行端末にかかる選定情報が入力された場合に、当該代行端末選定情報を前記記憶装置3に記憶すると共に、予め設定された当該処理内容の割当てを変更してこれを前記記憶装置3に記憶する割当変更制御機能4Hを備えている。
【0040】
このように、本第1実施形態では、受信機能,処理機能,および記憶機能を有する端末装置D1,D2,D3,・・・・を並列に動作させているため、複数のチャンネルの同時録画が可能となり、また、いずれかの端末装置で障害が発生した場合においても、システム全体としては動作を継続することが可能になる。
【0041】
〔動作説明〕
次に、上記第1実施形態における情報収録システムの動作を、図3乃至図5に示すフローチャートを参照して説明する。
最初に、端末D1の事前動作について説明し、続いて正常時及び障害発生時の動作について順次説明する。
【0042】
(事前動作)
まず、図3を参照して、端末D1の事前動作(準備動作)を説明する。
全てのデータ処理に先立って、端末D1のプロセッサ4は、外部入力装置12から外部入出力制御装置5を介して入力される全ての端末D1,D2,D3,・・・・の端末情報を記憶装置3に記憶する(図3:S101/端末情報入力工程)。
【0043】
続いて、この記憶装置3に記憶された端末情報を、ネットワーク送受信装置2を介して他の全ての端末D2,D3・・・・に配信する(図3:S102/端末情報配信工程)。
ここで、この端末情報入力工程と端末情報配信工程とによって、端末情報登録工程が構成されている。
【0044】
次に、端末D1のプロセッサ4は外部入力装置12から外部入出力制御装置5を介して入力される全ての端末D1,D2,D3・・・・に対する処理割り当てを含む処理内容の録画予定を入力し記憶装置3に記憶すると共に、ネットワーク送受信装置2を介して他の全ての端末D2,D3,・・・・に配信する(図3:S103/録画予定登録工程)。
【0045】
尚、端末D1,D2,D3・・・・に対する処理割り当ては外部入力に限らず、プロセッサ4の代行端末選定部42の処理で、端末情報からその処理を実行するに最も負荷の少ない最適の端末装置を選定して割り当てることもできる。
【0046】
(正常時の動作)
次に、図4を参照し、正常時において端末D1に映像供給装置11,12,13,・・・・から映像データが入力される場合の当該端末D1のデータ処理動作について説明する。
【0047】
ここで、映像供給装置11,12,13,・・・・は、例えば、監視カメラ、パソコン、テレビアンテナなどであり、映像データを端末側へ送信する。端末側では、プロセッサ4で処理可能な形式に変換する。
【0048】
又、外部入力装置12は、システムの使用者が、システムの設定情報、録画情報などを入力する際に使用する。即ち、システム利用者は、端末D1,D2,・・・・の外部入力装置12より、録画等の予定や、各端末の性能を予め入力する。
【0049】
更に、外部表示装置13は、蓄積した映像、またシステムに障害が発生した場合にはその内容を出力する。また、システムの使用者が、システムの設定情報を入力する際、その情報を出力する。
【0050】
まず、外部から送りこまれる情報を端末D1,D2,D3,・・・・が受信する(図4:ステップS201)。ここでは、端末D1が受信した場合を例示する。
この受信された情報は、映像処理装置1に送られ、ここで映像供給装置11,12,13,・・・・からの映像信号か否かが判定される(図4:ステップS202)。
【0051】
ここで、受信した映像信号を、端末D1で処理するよう予め指定されていた場合、プロセッサ4は、映像処理装置1に対し、映像信号をプロセッサ4で処理可能な形式に変換し、プロセッサ4に送るよう指示する。そして、映像処理装置1は、指示に応じてプロセッサ4に映像信号を送信する(図4:ステップS203)。
【0052】
一方、ステップS202で、他の装置からの入力データである旨判定された場合、プロセッサ4は、ネットワーク送受信装置2に対して、受信データを変換してプロセッサ4に送信するように指示する(図4:ステップS204)。
【0053】
そして、プロセッサ4は、何れの場合も、当該情報を受信した後、その内容を分析し、記憶装置3への格納、他の端末への送信、および外部出力表示の何れかを選択し送り出す(図4:ステップS205,S206)。
そして、映像信号の録画を指定された場合、プロセッサ4は、映像信号を記憶装置3に格納する(図4:ステップS207,S208)。
【0054】
表示処理を指定された場合、プロセッサ4は、映像信号を入出力制御装置5に送信する。入出力制御装置5は、映像信号を外部出力装置13に送信する。外部表示装置14は、送信された映像信号を表示させる(図4:ステップS209〜S211)。
【0055】
又、映像信号を他の端末で格納、或いは表示するよう指定された場合、プロセッサ4は、映像信号をネットワーク送受信装置2に送信する。ネットワーク送受信装置2は、映像信号をネットワーク送信が可能な形式に変換し、指定の装置に映像信号を送信する(図4:ステップS212,S213)。
【0056】
また、他の端末の映像処理装置1で受信した映像信号を端末D1で格納、あるいは表示するよう指定された場合、プロセッサ4はネットワーク送受信装置2から映像信号を受け取り、録画、表示、各々の処理を実行する。
【0057】
一方、システム利用者は、端末D1,D2,D3,・・・・の外部入力装置12より、録画等の予定や、各端末の性能を予め入力する。外部入力装置12は、入力された情報を、外部入出力制御装置5を介してプロセッサ4に渡す。プロセッサ4は、渡された情報を元に、録画予定の情報を更新する。また、他の端末にもネットワーク送受信装置2を介して情報を送信する。
以上は正常時の動作である。
【0058】
(障害発生時の動作)
次に、複数の端末の内の一の端末に障害が発生した場合の動作例を、図5を参照して説明する。
この場合、まず、各端末D1,D2,D3,・・・・は、システム稼働と同時に、他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を、相互に並列的に監視する(図5:ステップS301/障害監視工程)。
【0059】
次に、障害が発生した場合に当該障害発生にかかる前記端末が処理している内容を分析し、当該処理内容に適した他の代行端末を、予め装備され前記各端末D1,D2,D3,・・・・にかかる必要な情報が記憶された記憶装置3から選定する(図5:ステップS302/代行端末選定工程)。
【0060】
そして、この代行端末選定工程で選定された代行端末は、上記障害発生にかかる端末による処理内容を引き継いで継続処理する(図5:ステップS303/処理内容継続処理工程)。
この場合、前記代行端末選定工程の実行に先立って、前記代行端末の選定動作を実行する権限を備えた一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて予め設定された優先取得順位に従って特定するようにした(図5:ステップS301A/選定実行端末特定工程)。
【0061】
この選定実行端末特定工程の設定は、本第1実施形態では図5のステップS301(障害監視工程)の後に設けたが、当該ステップS301(障害監視工程)の前に設けてもよい。
この選定実行端末特定工程の設定は、本第1実施形態における特長的内容であり、これによってデータ処理の継続性および障害に対する措置の迅速化が図られている。
【0062】
次に、上記各端末D1,D2,D3,・・・・の障害発生時の動作を、非動作中と動作中に分けて、更に詳述する。
(非動作中の端末)
まず、端末D1,D2,D3,・・・・は、定期的にネットワーク送受信装置2を介して、互いの状態を監視している。また、各端末D1,D2,D3,・・・・には、録画データと共に、全ての端末の録画予定も記憶装置3に保存されている。
【0063】
かかる状況下にあって、非動作中の端末D1に障害が発生した場合(端末D2、D3・・からの通信に対して端末D1が応答しなくなるか,或いは応答しても内容が仕様から外れている場合)を想定する。
【0064】
この場合、例えば、端末D2のプロセッサ4は、その録画予定の情報を読み出し、端末D1の映像処理装置1に処理する予定があるか検索する。
【0065】
端末D1に処理する予定がない場合、端末D2はそのまま待機する。
一方、端末D1に処理する予定がある場合、端末D2のプロセッサ4は、端末D1が処理する内容を確認する。確認した内容をもとに、端末D1の代わりに適している端末をD2,D3,・・・・から選択する。
【0066】
端末D2は、変更した処理内容を端末D1,D2を除くすべての端末にネットワーク送受信装置2を介して送信し、各端末のプロセッサ4は、受信した変更処理内容を各々の記憶装置3に保存する。
【0067】
(動作中の端末)
端末D1が動作中に障害が発生した場合の動作は、以下の通りである。
まず、端末D1,D2,D3,・・・・は、上記非動作中の場合と同様に定期的に、ネットワーク送受信装置2を介して、互いの状態を監視している。
【0068】
また、各端末D1,D2,D3,・・・・には、録画データと共に、全ての端末の録画予定も記憶装置3に保存している。
今、端末D1に障害が発生し、端末D2,D3,・・・・からの通信に対して端末D1が応答しなくなる、或いは応答しても内容が仕様から外れている場合を想定する。
【0069】
例えば、端末D2のプロセッサ4は、保存している端末処理予定の情報を記憶装置3から読み出し、端末D1が現在処理している内容を確認する。確認した内容をもとに、端末D1の次に適している端末を、D2、D3・・から選択し、該当の装置はただちに処理を開始する。
【0070】
端末D2は、変更した処理内容をすべての端末D1,D3,・・・・にネットワーク送受信装置2を介して送信し、各端末のプロセッサ4は、受信した変更処理内容を各々の記憶装置3に保存する。
【0071】
又、本第1実施形態におけるシステムでは、各端末D1,D2,D3,・・・・の性能や録画の予定を事前に入力しておく必要がある。
ここで、各端末D1,D2,D3,・・・・の性能とは、有している映像処理装置1,記憶装置3,プロセッサ4,外部出力装置12の情報である。
この情報を元に、録画等の予定をシステム利用者が入力した場合、端末D2は、最も負荷が少ない端末を選択する。
【0072】
ここで、上述した図3乃至図5に開示した各データ処理工程については、その各実行内容をプログラム化し、これをコンピュータにて実現するように構成してもよい。
【0073】
本第1実施形態における上記システムでは、予め、受信および録画等の予定や、各端末D1,D2,D3,・・・・の性能が、当該各端末D1,D2,D3,・・・・毎に事前に入力されている。この受信及び録画等の予定としては、これから発生する受信及び録画の動作や開始時間,割り当て端末等を記録するものである。
【0074】
システム利用者は、端末D1,D2,D3,・・・・の外部入力装置12より、それぞれ独自に又は予め設定された予定に従って、録画等の予定や、各端末D1,D2,D3,・・・・の端末情報を入力する。外部入力装置12は、入力された情報を、外部入出力制御装置5を介してプロセッサ4に渡す。プロセッサ4は、渡された情報に基づいて、録画予定の情報を、更には各端末D1,D2,D3,・・・・の情報を、更新する。
【0075】
各端末D1,D2,D3・・・・の性能を示す端末情報は、各端末が有する映像処理装置1,記憶装置3,プロセッサ4、外部出力装置12等にかかる情報を含む。これらの情報に基づいて、録画などの予定をシステム利用者が入力した場合に、入力された端末のプロセッサ4は最も負荷が少ない端末を代行端末として選択して録画等の収録予定を完成する(情報更新制御機能)。
更に、プロセッサ4は、ネットワーク送受信装置2を介して、更新した端末情報や予定情報を他の各端末に配布する(更新情報配付制御機能)。
【0076】
ここで、各端末D1,D2,D3・・・・相互間で、他の端末に対する処理の割り当てや、収録予定の変更を実行する優先順位を、予め端末相互間で決めておいてもよいし、交互に順位を割り振るようにしてもよい(割当更新制御機能)。
【0077】
尚、外部入出力装置12,13は必ずしも全ての端末装置に設ける必要はなく、端末装置D1,D2,D3・・・・のうちのいずれか複数にものに設けられておれば、その端末からの入力をネットワーク送受信装置2を介して受け取り、出力もネットワーク送受信装置2を介して他の端末に表示出力するなどの方法でも、支障なく行うことができる。
【0078】
以上、本発明にかかる第1実施形態をシステムを中心に説明したが、このシステムで実行されるデータ処理および障害処理にかかる動作手順(方法)および動作制御プログラムも、上記第1実施形態の中で開示したように、本発明の対象とするものである。
【0079】
〔本第1実施形態の効果)
以上説明したように、本第1実施形態においては、以下に示すような効果を奏する。
本第1実施形態では上述したように構成され機能するので、これによると、特定のサーバを設けることなく、ネットワークに接続されている各端末が上述したように常にお互いの性能や動作状態を相互に把握し監視するように構成されているので、受信および録画機能を各端末に分散することができ、複数の映像供給装置からの情報を同時に分散収録することができる。
【0080】
又、本第1実施形態では、仮に端末の1台に故障が発生してデータ処理が中断したような場合でも、当該各端末が相互に他を端末を常時監視しているので、直ちに当該故障にかかる端末を特定することができ、このため、他の処理可能な装置を代行させてシステム全体としては機能を停止させることなく継続して稼動することができる。
【0081】
更に、本第1実施形態では、障害発生にかかる端末の処理内容を代行するに適した他の端末を選定する代行端末選定機能4Bを設けると共に、当該代行端末選定機能4Bを実行する権限の優先取得順位を、前記複数の端末相互間で予め設定したので、複数の端末の一部に障害が突然発生した場合でも、直ちにこれに対応して、代行するに適した他の代行端末を選定することが可能となり、何れの端末に障害が発生しても、これに迅速に対応し代行端末を選定することができるという利点を備えている。
【0082】
また、負荷の大きい処理対象情報については、これを処理能力の高い端末に渡すように予め構成することにより、処理能力の低い端末でもシステムに組み入れて有効に利用することが可能である。
これにより、システム全体の信頼性を更に高めることができるという優れた情報収録システム、収録システム用障害対処方法、及びその障害対処プログラムを得ることができる。
【0083】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明にかかる情報収録システムの第2実施形態を図6を参照して説明する。
ここで、前述した第1実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0084】
この図6において、端末E1,E2,E3,・・・・は、音声を録音し、そのデータを蓄積する機能を有する装置である。
各端末E1,E2,E3,・・・・は、性能の差はあるが構成要素は同様であるため、以下では端末E1の構成要素について説明する。
【0085】
端末E1は、図6に示すように、音声供給装置11A,12A,13Aから送り込まれる音声情報を受信し装置内部で処理が可能なデータ形式に変換して出力する音声処理装置1Aと、他の端末との通信データを通信可能な形式に変換して入出力するネットワーク送受信装置2と、録音データや端末相互間の通信・制御情報を格納し必要に応じて出力する記憶装置3と、外部入出力制御装置5と、これらの各構成部分の動作を制御するプロセッサ4とを備えている。
【0086】
ここで、ネットワーク送受信装置2,記憶装置3,外部入出力制御装置5,及びプロセッサ4は、前述した第1実施形態の場合と同一の機能を備えたものが使用されている。
又、外部入出力制御装置5には、前述した第1実施形態の場合と同一の機能を備えた外部入力装置12および外部表示装置13が併設されている。
【0087】
音声供給装置11A,12A,13A,・・・・は、音声データを送信し、プロセッサ4で処理可能な形式に変換して送信する。例えば、マイク、ラジオ放送、テレビの音声などである。
他の端末E2,E3,・・・・についても同様である。
【0088】
本第2実施形態は、収録の対象を第1実施形態における映像情報に代えて音声情報とすると共に、収録した音声を記憶し所定のデータ処理して他の端末E2,E3,・・・・と共に共通に保存する構成となっている。
その他の構成、およびその作用効果は前述した第1実施形態と同一となっている。
【0089】
本第2実施形態では、処理対象が音声であるため、画像処理と比較して情報量が少ないことから、E1,E2,E3,・・・・の処理能力が低くても対応可能である。
【0090】
〔第3実施形態〕
次に、本発明にかかる情報収録システムの第3実施形態を、図7を参照して説明する。
ここで、前述した第2実施形態と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0091】
この第3実施形態において、端末F1,F2,F3,・・・・は、音声を録音し、そのデータを蓄積する機能を有する装置であり、前述した第2実施形態(図6)における端末E1,E2,E3,・・・・とほぼ同等のものが使用されている。
【0092】
又、この第3実施形態における情報収録システムは、前述した第2実施形態における情報収録システムにおいて、端末F1,F2,F3,・・・・内部に記憶装置3を有せず、録音データや、端末間の通信情報および制御情報については、外付けの記憶装置(図示せず)に格納する構成となっている。
その他の構成およびその作用効果は前述した第2実施形態とほぼ同一となっている。
【0093】
この第3実施形態においては、特に、端末F1,F2,F3,・・・・の各内部に記憶装置を持たないことにより、端末が安価に製造可能となる。又、外付け記憶装置の価格が下落傾向にある中、高機能で且つ安価な記憶装置への交換が容易といったメリットが挙げられる。
尚、記憶装置を内蔵する端末と、記憶装置を外付けのみの端末とをネットワークで接続する構成としてもよい。
【0094】
〔第4の実施形態〕
本発明にかかる情報収録システムの第4実施形態を、図8を参照して説明する。
ここで、前述した第2実施形態(図6)と同一の構成部材については同一の符号を用いるものとする。
【0095】
この第4実施形態において、端末G1,G2,G3,・・・・は、前述した第2実施形態における端末E1,E2,E3,・・・・に併設された外部入力装置12および外部出力装置13を、端末内に内蔵した形態をもって構成されている。
【0096】
端末G1,G2,G3,・・・・は、前述した端末E1,E2,E3,・・・・と同様に、音声を録音し、そのデータを蓄積する機能を有する装置である。
本実施形態における端末としては、プレート型の筐体に表示画面が組み込まれ、その画面上を指でタッチすることで操作する構成とした。
このような構成とすることにより、端末の小型化が可能であり、システム全体として占有する面積を有効に削減し装置の小型化が実現できる。
その他の構成およびその作用効果は前述した第2実施形態とほぼ同一となっている。
【0097】
上述した実施形態については、その新規な技術内容の要点をまとめると、以下の付記のようになる。
尚、この付記の内容は、本発明をこれに限定するものではない。
【0098】
〔付記1〕
複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムであって、
前記各端末は、
他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に監視する障害監視機能4Aと、
障害が発生した場合に当該障害発生にかかる端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した代行端末を,予め装備され前記各端末にかかる情報が記憶された記憶装置から選定する代行端末選定機能4Bと、
前記代行端末として前記障害にかかる端末の処理内容を引き継いだ場合に機能し当該処理内容を継続して実行する処理内容継続処理機能4Cとを有すると共に、
前記各端末には、前記代行端末選定機能4Bを実行する端末としての権限の優先取得順位が、前記複数の端末相互間で予め設定され前記各記憶装置3に記憶されていることを特徴とした情報収録システム。
【0099】
〔付記2〕
付記1に記載の情報収録システムにおいて、
前記代行端末選定機能を実行する端末を特定する権限の前記優先取得順位を、予め設定した前記各端末の整列順位の順とすると共に、
前記各端末は、自己の端末が前記優先取得順位の最上位端末か否かを判定する優先順位判定機能4Dを備えていることを特徴とした情報収録システム。
【0100】
〔付記3〕
付記1に記載の情報収録システムにおいて、
前記代行端末選定機能4Bを実行する端末を特定する権限の前記優先取得順位を、予め設定した整列順位を基準とし且つ前記障害発生にかかる端末の順位の次に位置する端末を前記優先取得順位の最上位端末とすると共に、
前記各端末は、自己の端末が前記優先取得順位の最上位端末か否かを判定する優先順位判定機能4Eを備えていることを特徴とした情報収録システム。
【0101】
〔付記4〕
付記1に記載の情報収録システムにおいて、
前記各端末が、
前記一又は二以上の各情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を受信する映像処理装置1と、前記各端末相互間で所定の通信データを送受信する機能を備えたネットワーク送受信装置2と、前記各情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を記憶すると共に前記端末相互間の通信情報及び必要な動作制御情報を格納し且つ外部からの要求に応じて出力する前記記憶装置3と、これら各構成手段の動作を制御するプロセッサ4とを備えた構成とし、
前記各プロセッサ4は、
前記ネットワーク送受信装置2を介して他の端末の前記障害の発生有無を監視する障害監視部41と、障害の発生時に前記代行端末選定機能を実行することが可能な代行端末選定部42とを備えていることを特徴とした情報収録システム。
【0102】
〔付記5〕
付記4に記載の情報収録システムにおいて、
前記各端末に予め装備された外部入力手段12を介して入力される動作指令等の入力情報を対応する前記各プロセッサ4に送り込み且つ当該各プロセッサ4の処理内容を、外部出力手段12を介して外部へ出力する外部入出力制御手段5を、前記各プロセッサ4に併設したことを特徴とする情報収録システム。
【0103】
〔付記6〕
付記4又は5に記載の情報収録システムにおいて、
前記各端末のプロセッサが前記優先順位判定機能を有する構成とし、
この各プロセッサは、前記障害発生時には当該優先順位判定機能を稼働させて自己の属する端末が前記優先順位の最上位にあるか否かを判定すると共に、当該端末が前記優先順位の最上位にあると判定された場合に直ちに当該端末の前記代行端末選定部42を稼働させる構成としたことを特徴とする情報収録システム。
【0104】
〔付記7〕
付記6に記載の情報収録システムにおいて、
前記各プロセッサは、
対応する前記外部入出力手段12を介してシステム利用者から録画等の予定情報および各端末の性能等の情報が入力された場合、対応する前記記憶装置3に記憶されている録画等の予定情報および各端末情報を更新する情報更新制御機能4Fと、
この更新した情報を、前記外部入出力制御手段5を介して前記各端末に配付する更新情報配付制御機能4Gとを備えていることを特徴とする情報収録システム。
【0105】
〔付記8〕
付記4又は5に記載の情報収録システムにおいて、
前記各プロセッサは、前記障害発生時に選定された他の端末にかかる選定情報が入力された場合に、当該端末選定情報を前記記憶装置に記憶すると共に、予め設定された当該処理内容の割当てを変更してこれを前記記憶装置に記憶する割当変更制御機能4Hを備えていることを特徴とした情報収録システム。
【0106】
〔付記9〕(方法の発明)
複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムにあって、
前記各端末が他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に並列的に監視し(障害監視工程)、
障害が発生した場合に当該障害にかかる前記端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した他の端末を代行端末として予め装備され前記各端末にかかる情報が格納された記憶装置から選定し(代行端末選定工程)、
前記選定された代行端末が前記障害発生にかかる端末の処理内容を引き継いで継続処理し(処理内容継続処理工程)、
前記代行端末選定工程の実行に先立って、
前記代行端末選定の選定処理を実行する権限を備えた一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて予め設定された優先順位に従って特定する構成としたことを特徴とする情報収録システム用障害対処方法。
【0107】
〔付記10〕
付記9に記載の情報収録システム用障害対処方法において、
前記各端末による障害監視工程の実行に先立って、
当該各端末に対して相互に他の端末装置全体の性能を個別に登録する端末情報登録工程を設けたことを特徴とする情報収録システム用障害対処方法。
【0108】
〔付記11〕
付記10に記載の情報収録システム用障害対処方法において、
前記端末情報を登録する工程では、特定の端末に全ての端末情報を入力し(端末情報入力工程)、この入力された端末情報を他の全ての端末装置に配信するようにしたこと(端末情報配信工程)を特徴とする情報収録システム用障害対処方法。
【0109】
〔付記12〕(プログラム発明)
複数の情報供給装置から送られて来る映像又は音声等の情報を収録する機能を備えた複数の端末が、ネットワークを介して相互に応答可能に接続されて成る情報収録システムにあって、
前記各一の端末が、
他の端末の応答停止にかかる障害の発生有無を相互に並列的に監視する障害監視機能、障害が発生した場合に当該障害発生にかかる前記他の端末が処理している内容を分析して当該処理内容に適した代行端末を予め装備され前記各端末にかかる情報が記憶された記憶装置から選定する代行端末選定処理機能、及び前記選定された代行端末が前記障害発生にかかる前記他の端末による処理内容を引き継いで継続処理する処理内容継続処理機能、を備え、
更に、前記代行端末選定処理機能の実行に先立って、前記代行端末の選定処理動作を実行する一の選定実行端末を、前記障害にかかる端末を除いて前記各端末相互間で予め設定された優先順位に従って特定する選定実行端末特定機能を備え、
これらの各機能を、前記各一の端末が備えているコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とするシステム障害用対処プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0110】
複数の音声供給装置又は映像供給装置からの情報を、複数の端末でそれぞれが収録可能としたので、障害に強い情報収録システムとして汎用性が高い。
又、全ての映像処理業者などにとっては、利用価値が高く、ことに録画の失敗が許されないような分野では特に利用の可能性が高い。
【符号の説明】
【0111】
1 映像処理装置
1A 音声処理装置
2 ネットワーク送受信装置
3 記憶装置
4 プロセッサ
4A 障害監視機能
4B 代行端末選定機能
4C 処理内容継続処理機能
4D,4E 優先順位判定機能
4F 情報更新制御機能
4G 更新情報配付制御機能
4H 割当変更制御機能
5 外部入出力制御装置
12 外部入力装置
13 外部出力装置
41 障害監視部
42 代行端末選定部
D1,D2,D3,・・・・,E1,E2,E3,・・・・,F1,F2,F3,・・・・,G1,G2,G3,・・・・,端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9