(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態の表示装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の表示装置は、入力部11と、表示部12と、切替部13と、停止部14と、を含む。
【0016】
入力部11は、ユーザーからの操作指示を受け取る。
【0018】
切替部13は、表示部12が表示している画面の表示方向を縦向きの縦表示または横向きの横表示に切り替える。
【0019】
停止部14は、入力部11が、表示部12が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取った場合に、切替部13に基づく画面の表示方向の切り替えを停止する。ここで、画面上の情報とは、例えば、文書、画像、メニュー、アイコンなどをいう。また、画面上の情報に関する操作指示とは、例えば、文書や画像をスクロールする操作、文書や画像を編集する操作、メニューやアイコンを選択する操作など、画面上に表示している情報に対する操作全般をいう。
【0020】
上述したように本実施形態の表示装置によれば、表示部12が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取った場合に、切替部13に基づく画面の表示方向の切り替えを停止する。
【0021】
したがって、ユーザーが、画面上の情報に関する操作を行っている間に、画面の表示方向が突然に切り替わることを防ぐことができ、これにより、ユーザーの誤操作を防ぐことができる。
【0022】
本実施形態の効果を具体的に説明する。
【0023】
例えば、文書を表示する場合、縦表示と横表示とでは、1行あたりの文字数が異なるため、縦表示と横表示が切り替わると、文書の表示状態が変更されることになる。
【0024】
そのため、例えば、ユーザーが、文書の編集時に、文書中のある行の文字の選択や入力をしようとしているときに、縦表示と横表示が切り替わると、操作している行の位置が変更されるため、誤った文字を選択したり入力したりするといった誤操作をするおそれがある。
【0025】
しかし、本実施形態によれば、ユーザーが、文書を編集しているときに、文書の表示状態が変更されることを防ぐことができるため、誤った文字を選択したり入力したりするといった誤操作を防ぐことができる。
(2)第2の実施形態
本実施形態は、本発明の表示装置を携帯電話機やスマートフォンである携帯端末に適用し、第1の実施形態の構成および動作を具体化した例である。
【0026】
図2は、本発明の第2の実施形態の表示装置としての携帯端末の構成を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、本実施形態の携帯端末は、CPU(中央処理装置;Central Processing Unit)101と、液晶ディスプレイ102と、タッチセンサー103と、キー104と、加速度センサー105と、無線通信部106と、マイク107と、スピーカー108と、RAM(Random Access Memory)109と、を含む。
【0028】
液晶ディスプレイ102は、
図1の表示部12に対応するものであり、画面を表示する。
【0029】
タッチセンサー103およびキー104は、
図1の入力部11を構成する構成要素に対応するものである。
【0030】
タッチセンサー103は、ユーザーの指などが接触した位置を検出し、その位置に応じた操作指示を受け取る。
【0031】
キー104は、1以上のキーを含み、ユーザーが押下したキーに応じた操作指示を受け取る。
【0032】
加速度センサー105は、携帯端末の加速度を検出する。
【0033】
無線通信部106は、無線通信を行う。例えば、無線通信部106は、通話音声を無線で送受信する。
【0034】
マイク107は、音声(例えば、通話音声)を集音する。
【0035】
スピーカー108は、音声(例えば、通話音声)を出力する。
【0036】
CPU101は、携帯端末の全体制御を行う部分であり、
図1の切替部13に対応する切替部101Aと、
図1の停止部14に対応する停止部101Bと、表示制御部101Cと、を含む。なお、
図2は、CPU101を構成する構成要素のうち本発明の特徴的な構成要素のみを図示しており、その他の構成要素については省略している。
【0037】
切替部101Aは、加速度センサー105が検出した加速度を基に携帯端末の姿勢を判定し、判定した姿勢を基に液晶ディスプレイ102が表示している画面の表示方向を縦表示または横表示に切り替える縦横表示切替制御を行う。
図3に、メニュー画面の表示方向を縦表示と横表示にした場合の例を示す。
【0038】
停止部101Bは、タッチセンサー103またはキー104が、液晶ディスプレイ102が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取った場合に、切替部101Aの縦横表示切替制御を停止する。ここで、画面上の情報とは、例えば、文書、画像、メニュー、アイコンなどをいう。また、画面上の情報に関する操作指示とは、例えば、文書や画像をスクロールする操作、文書や画像を編集する操作、メニューやアイコンを選択する操作など、画面上に表示している情報に対する操作全般をいう。
【0039】
具体的には、停止部101Bは、縦横表示切替制御を停止するときは、RAM109に格納されている、縦横表示切替制御を一時的に無効にするための縦横表示固定フラグ109AをONに設定する。
【0040】
切替部101Aは、縦横表示固定フラグ109AがONのときには、一時的に縦横表示切替制御を停止し、現在の表示状態(縦表示又は横表示)を維持する。なお、縦横表示固定フラグ109Aは初期時にはOFFに設定されている。
【0041】
表示制御部101Cは、切替部101Aおよび停止部101Bを制御する。
【0042】
RAM109は、縦横表示固定フラグ109Aなどを格納する記憶部である。
【0043】
以下、本実施形態の携帯端末の動作について説明する。
【0044】
最初に、本実施形態の携帯端末の全体動作について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0045】
図4に示すように、まず、CPU101は、携帯端末の初期設定を行う(ステップA1)。このとき、縦横表示固定フラグ109AはOFFに設定される。
【0046】
次に、CPU101は、無線通信部106を待ち受け状態に遷移させる待ち受け処理を行う(ステップA2)。
【0047】
以降、CPU101は、各種イベントのために待機する(ステップA3)。ここでいうイベントとは、ユーザーから操作指示を受け取るイベントの他、無線通信部106が電話の着信を受け付ける着信イベントなどである。
【0048】
その後、イベントが発生したら(ステップA3のYes)、CPU101は、発生したイベントに応じたイベント処理を行う(ステップA4)。
【0049】
続いて、
図4のステップA4のイベント処理時の動作について、
図5のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0050】
図5に示すように、イベント処理においては、まず、CPU101は、液晶ディスプレイ102に対する表示処理以外の内部処理を行う(ステップB1)。
【0051】
次に、CPU101の表示制御部101Cは、液晶ディスプレイ102に表示しようとしている画面が、縦横表示切替制御の対象となる画面であるか否かの判定を行う(ステップB2)。ここで、縦横表示切替制御の対象となる画面とは、文書や画像を表示する画面、
図3のメニュー画面などをいう。
【0052】
ステップB2において、縦横表示切替制御の対象でない画面の場合(ステップB2のNo)、CPU101の切替部101Aは、予め決められた表示方向で液晶ディスプレイ102に画面を表示する(ステップB7)。
【0053】
一方、ステップB2において、縦横表示切替制御の対象となる画面の場合(ステップB2のYes)、CPU101の停止部101Bは、縦横表示切替制御を一時的に停止するか否かを判定する(ステップB3)。
【0054】
ステップB3においては、例えば、現在発生しているイベントが、ユーザーから、液晶ディスプレイ102が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取ったイベントである場合、停止部101Bは、縦横表示切替制御を停止すると判定する。
【0055】
一方、現在発生しているイベントが、ユーザーから、液晶ディスプレイ102が表示している画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントである場合がある。ここで、画面を遷移させる操作指示とは、例えば、現在の画面をクローズする操作、選択したメニューやアイコンを確定する操作(この操作を行うと、その後、選択したメニューやアイコンに応じた画面に遷移することになる)、前画面へ戻る操作などをいう。
【0056】
画面を遷移させる操作指示の場合、第1の実施形態で述べた文書の編集時の場合とは異なり、ユーザーは、操作前の画面にて行っていた操作を、操作後の画面で引き続き行うことはなく、表示状態が切り替わっても、誤操作という問題は生じないと考えられる。
【0057】
そこで、停止部101Bは、ユーザーから、画面を遷移させる操作指示を受け取ったイベントが発生した場合は、縦横表示切替制御を停止しないと判定する。
【0058】
また、現在発生しているイベントが、着信イベントである場合も、その後、そのイベントに応じた画面に遷移することになるため、ユーザーの誤操作という問題は生じないと考えられる。
【0059】
そこで、停止部101Bは、着信イベントが発生した場合も、縦横表示切替制御を停止しないと判定する。
【0060】
ステップB3において、縦横表示切替制御を停止しない場合(ステップB3のNo)、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AがOFFでなければ(ステップB4のNo)、OFFに設定する(ステップB5)。そして、切替部101Aは、加速度センサー105が検出した加速度を基に携帯端末の姿勢を判定し、判定した姿勢を基に液晶ディスプレイ102の画面の表示方向を縦表示または横表示に決定し(ステップB6)、決定した表示方向で液晶ディスプレイ102に画面を表示する(ステップB7)。
【0061】
一方、ステップB3において、縦横表示切替制御を停止する場合(ステップB3のYes)、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AがONでなければ(ステップB8のNo)、ONに設定する(ステップB9)。そして、切替部101Aは、液晶ディスプレイ102の現在の表示方向を維持したまま、液晶ディスプレイ102に画面を表示する(ステップB7)。
【0062】
上述したように本実施形態の携帯端末によれば、液晶ディスプレイ102が表示している画面上の情報に関する操作指示を受け取るイベントが発生した場合に、切替部101Aの縦横表示切替制御を停止する。
【0063】
したがって、ユーザーが、画面上の情報に関する操作を行っている間に、画面の表示方向が突然に切り替わることを防ぐことができるため、ユーザーの誤操作を防ぐことができるという効果が得られる。
【0064】
さらに、本実施形態の携帯端末によれば、縦横表示切替制御を停止しても、以降に、上記以外のイベントが発生した場合には、縦横表示切替制御を再開するため、ユーザーは、画面の表示方向を縦表示または横表示に意図的に切り替えることができる。
(3)第3の実施形態
本実施形態の携帯端末は、第2の実施形態と比較して、以下の機能を追加した点が異なる。なお、本実施形態の携帯端末は、構成自体は第2の実施形態(
図2)と同様である。
【0065】
すなわち、本実施形態の携帯端末は、縦横表示切替制御を停止した場合に(縦横表示固定フラグ109AがON)、ユーザーが縦横表示切替制御を再開させる操作指示を行う機能を追加している。その一例として、
図6に示すように、メニュー画面に「固定解除」メニューを設けておく。この「固定解除」メニューが選択されると、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AをOFFにする。
【0066】
さらに、本実施形態は、縦横表示切替制御を停止してから、一定時間経過後に縦横表示切替制御を再開する機能を追加している。
【0067】
以下、本実施形態の携帯端末の動作について説明する。
【0068】
なお、本実施形態の携帯端末は、第2の実施形態と比較して、全体動作(
図4)は同様で、イベント処理時の動作が異なる。そこで、以下では、イベント処理時の動作についてのみ、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
図7に示すように、イベント処理においては、まず、第2の実施形態(
図5)のステップB1〜B3と同様のステップC1〜C3の処理を行う。
【0070】
ステップC3において、縦横表示切替制御を停止しない場合(ステップC3のNo)、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AがOFFでなければ(ステップC4のNo)、OFFに設定し(ステップC5)、タイマー(不図示)をリセットする(ステップC6)。なお、タイマーの設置場所は、携帯端末内であればよく、特に制限はない。そして、第2の実施形態(
図5)のステップB6,B7と同様のステップC7,C8の処理を行う。
【0071】
一方、ステップC3において、縦横表示切替制御を停止する場合(ステップC3のYes)、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AがONでなければ(ステップC9のNo)、ONに設定し(ステップC13)、タイマーをセットする(ステップC14)。そして、第2の実施形態(
図5)のステップB7と同様のステップC8の処理を行う。
【0072】
また、ステップC9において、縦横表示固定フラグ109AがONであれば(ステップC9のYes)、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AをONからOFFに解除するか否かを判定する(ステップC10)。
【0073】
ステップC10においては、現在発生しているイベントが、ユーザーから、
図6の「固定解除」メニューを選択する操作指示を受け取ったイベントである場合や(「固定解除」メニューの選択は、画面を遷移させるものではなく、ステップC3において「Yes」と判定される)、縦横表示固定フラグ109AをONにしたときにセットしたタイマーが一定時間経過したことを示している場合、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109Aを解除すると判定する。
【0074】
ステップC10において、縦横表示固定フラグ109Aを解除する場合(ステップC10のYes)、停止部101Bは、縦横表示固定フラグ109AをOFFに設定し(ステップC11)、タイマーをリセットする(ステップC12)。そして、第2の実施形態(
図5)のステップB6,B7と同様のステップC7,C8の処理を行う。
【0075】
一方、ステップC10において、縦横表示固定フラグ109Aを解除しない場合(ステップC10のNo)、第2の実施形態(
図5)のステップB7と同様のステップC8の処理を行う。
【0076】
上述したように本実施形態の携帯端末によれば、切替部101Aの縦横表示切替制御を停止した場合でも(縦横表示固定フラグ109AがON)、ユーザーの操作や、一定時間の経過後に、縦横表示固定フラグ109AをOFFにして、縦横表示切替制御を再開することができる。
【0077】
その他の効果は第2の実施形態と同様である。
【0078】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0079】
例えば、上記実施形態では、本発明の表示装置の一例として携帯電話機やスマートフォンを挙げたが、本発明はこれに限定されず、ゲーム機、タブレット型PC(Personal Computer)、ノート型PCなどにも適用することが可能である。
【0080】
また、第3の実施形態では、メニュー画面に「固定解除」メニューを設けた例を挙げたが、本発明はこれに限定されず、表示装置の筐体に「固定解除」ボタンを物理的に設けても良いし、キー14を構成する任意の1以上のキーが押下されたことをもって「固定解除」の選択・確定がなされたことにしても良い。
【0081】
また、本発明の表示装置にて行われる方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムに適用してもよい。また、そのプログラムを記憶媒体に格納することも可能であり、ネットワークを介して外部に提供することも可能である。
【0082】
本出願は、2011年4月6日に出願された日本出願特願2011−084468を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。