特許第6249508号(P6249508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6249508異動検出支援装置、異動検出支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249508
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】異動検出支援装置、異動検出支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20171211BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20171211BHJP
【FI】
   G06T7/00 300E
   G06T1/00 285
【請求項の数】10
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-511409(P2016-511409)
(86)(22)【出願日】2015年1月21日
(86)【国際出願番号】JP2015051484
(87)【国際公開番号】WO2015151553
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2016年8月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-73546(P2014-73546)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】王 晶
(72)【発明者】
【氏名】小泉 博一
【審査官】 佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−34808(JP,A)
【文献】 特開2010−15448(JP,A)
【文献】 特開2001−109872(JP,A)
【文献】 特開2013−101428(JP,A)
【文献】 特開2010−211714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行うための装置であって、
前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、画像分割部と、
前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、変化特徴算出部と、
前記変化特徴算出部によって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、クラスタリング部と、
前記クラスタリング部によって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、判定部と、
を備えることを特徴とする異動検出支援装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記クラスターのサイズを特定し、
特定した前記サイズが予め設定された閾値以上となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していないと判定し、
特定した前記サイズが閾値未満となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していると判定する、
請求項1に記載の異動検出支援装置。
【請求項3】
前記二つの画像が上空からの撮影によって得られている場合に、前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域のうち、建築物の屋上を表している領域を、屋上領域として抽出する、屋上領域抽出部と、
前記二つの画像間で、それぞれの前記屋上領域を互いに対比して、前記屋上領域において、前記古い撮影日時から前記新しい撮影日時までの間に変化した箇所が存在しているかどうかを判定する、屋上領域判定部と、を更に備え、
前記変化特徴算出部は、前記屋上領域判定部によって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域を対象として、前記特徴ベクトルを抽出し、更に、前記変化特徴ベクトルを算出し、
前記判定部は、前記クラスターに基づいて、前記屋上領域判定部によって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域について、前記変化が生じている可能性を判定する、
請求項1または2に記載の異動検出支援装置。
【請求項4】
前記屋上領域抽出部は、前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域のうち、面積が予め設定された上限値と下限値とで定義された範囲内にあり、形状が予め設定された条件を満たし、更に、色とテクスチャーとの分布が予め設定された条件を満たす、領域を、前記屋上領域として抽出する、
請求項3に記載の異動検出支援装置。
【請求項5】
前記形状について予め設定された条件が、
当該領域の内部に穴が存在していないこと、
当該領域に外接する矩形の両辺の比が、それについて設定された閾値以下であること、
当該領域の面積と前記矩形の面積との割合が、それについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、請求項4に記載の異動検出支援装置。
【請求項6】
前記色とテクスチャーの分布について予め設定された条件が、
当該領域内の色の均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
当該領域内のテクスチャーの均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、請求項4に記載の異動検出支援装置。
【請求項7】
前記屋上領域判定部は、判定対象となる画像が、撮影日時の異なる2つの画像である場合に、撮影日時が新しい画像とそれよりも撮影日時が古い画像とを重なり範囲で互いに対比し、対比の結果、
一方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されているが、前記重なり範囲で他方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されていない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
更に、前記重なり範囲で前記新しい画像と前記古い画像との両方から前記屋上領域が抽出されている場合は、前記新しい画像の前記屋上領域の面積に対する、前記新しい画像と前記古い画像との前記屋上領域において重なっている部分の面積の割合が、設定された面積についての閾値よりも小さいかどうかを判定し、判定の結果、小さい場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
一方、小さくない場合は、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかを判定し、判定の結果、同一でない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定する、
請求項4〜6のいずれかに記載の異動検出支援装置。
【請求項8】
前記屋上領域判定部は、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかの判定において、
判定対象となる、前記新しい画像の前記屋上領域及び前記古い画像の前記屋上領域それぞれについて、直線状の部分を抽出し、更に、それぞれから抽出された前記直線状の部分のうち、前記新しい画像と前記古い画像とにおいてマッチングしている前記直線状の部分の数を求め、次いで、求めた数の、一方の画像の前記屋上領域から抽出された前記直線状の部分の数に対する割合を求め、求めた割合が、設定された閾値より小さい場合に、構造的に同一でないと判定する、
請求項7に記載の異動検出支援装置。
【請求項9】
同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行う方法であって、
(a)前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、ステップと、
(b)前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップによって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、ステップと、
(d)前記(c)のステップによって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、ステップと、
を有することを特徴とする異動検出支援方法。
【請求項10】
コンピュータによって、同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行うためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、ステップと、
(b)前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップによって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、ステップと、
(d)前記(c)のステップによって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影日時の異なる同一対象についての二つの画像を用いて、この対象において変化した箇所(異動)の検出を支援する、異動検出支援装置、異動検出支援方法、及び、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図の更新、及び固定資産税の見直し等のために、一定期間をおいて同一対象について撮影された2つの画像(航空機からの撮影画像、衛星からの撮影画像等)同士を比較して、変化した箇所を特定する処理が行われることがある。このような処理は、作業者が、撮影日時の異なる画像を並べて眺め、目視で変化した箇所を抽出することによっても行うことはできるが、この場合、膨大な作業時間と人力とが必要となり、全体の作業コストは非常に高くなってしまう。
【0003】
このため、同一対象についての撮影日時の異なる2つの画像から、自動又は半自動で変化した箇所(以下「異動箇所」と表記する。)を検出する様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。但し、従来からの方法には、以下のような問題がある。例えば、同じ対象を違う日時で撮影する場合、撮影対象が同じであっても、撮影時に環境等の様々の影響によって環境の明るさが異なり、そのため、各撮影画像の色が異なることがある。このことから、従来からの方法では、異動が生じていない撮影対象に対しても、環境の明るさに起因する画像の色の違いが、変化した箇所、即ち、異動箇所であると判断されてしまうことがある。
【0004】
そして、このような明るさの違いによる異動箇所の誤検出を抑制するため、例えば、非特許文献1は、撮影日時の異なる画像の明るさを補正した上で異動箇所を検出する方法を提案している。具体的には、非特許文献1に開示された手法では、まず、撮影日時の異なる2つの画像の一方の明るさが、他方に基づいて、補正される。また、このとき、画像全体に同じ補正が行われる。次に、明るさが補正された一方の画像と、補正の基準となった他方の画像とが対比され、異動箇所の検出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−241886号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Satoshi Nakamura, Yoshimitu Aoki, "Automatic Change Detection of Buildings from Aerial Images", Proceedings of SICE Annual Conference 2010, pp. 92-95, Aug. 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の非特許文献1に開示された方法には、以下のような問題点がある。まず、画像の明るさを補正する場合は、補正に必要なパラメータを設定する必要があるが、パラメータは経験に基づいて設定されるため、実用の情報が蓄積されていない場合は、適切な補正を実行できないという問題が生じてしまう。
【0008】
また、上記の非特許文献1に開示された方法での明るさの補正は、画像全体に対して行われており、異なる環境下での明るさの影響を一定程度だけ小さくしているに過ぎないという問題もある。つまり、厳密な明るさ補正を行うためには、光源についての情報(例えば、太陽の高度及び方位角等)、被写体(例えば、建築物等)の材質、被写体の向き、カメラの位置、といった色を決定する要因を細かく分析する必要がある。しかし、通常、これらの情報を全部取得することは難しく、更に、現実には、他の様々な影響も存在するため、厳密な明るさ補正を行うことは困難である。
【0009】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、判定対象となる各画像が異なる環境下で撮影されていた場合における、異動箇所の検出精度の向上に貢献し得る、異動検出支援装置、異動検出支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における異動検出支援装置は、同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行うための装置であって、
前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、画像分割部と、
前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、変化特徴算出部と、
前記変化特徴算出部によって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、クラスタリング部と、
前記クラスタリング部によって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、判定部と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における異動検出支援方法は、同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行う方法であって、
(a)前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、ステップと、
(b)前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップによって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、ステップと、
(d)前記(c)のステップによって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータによって、同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行うためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、ステップと、
(b)前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップによって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、ステップと、
(d)前記(c)のステップによって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、判定対象となる各画像が異なる環境下で撮影されていた場合における、異動箇所の検出精度の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置の構成を具体的に示すブロック図である。
図3図3は、図1及び図2に示した画像分割部によるスムーズ領域の併合処理を説明するための図であり、図3(a)及び(b)はそれぞれ異なるケースを示している。
図4図4は、スムーズ領域間の対応関係の決定処理を説明するための図であり、図4(a)及び図4(b)はそれぞれ異なるケースを示している。
図5図5は、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置の動作を示すフロー図である。
図6図6は、図5に示した変化特徴ベクトルの算出処理を具体的に示すフロー図である。
図7図7は、図5に示した判定処理を具体的に示すフロー図である。
図8図8は、本発明の実施の形態2における異動検出支援装置の構成を具体的に示すブロック図である。
図9図9は、本発明の実施の形態2において行われる屋上領域の判定処理を説明するための図であり、図9(a)〜(c)それぞれは異なるケースを示している。
図10図10は、本発明の実施の形態2における異動検出支援装置の動作を示すフロー図である。
図11図11は、図10に示した屋上領域の抽出処理を具体的に示すフロー図である。
図12図12は、図10に示した屋上領域の判定処理を具体的に示すフロー図である。
図13図13は、図12に示した屋上の構造の判定処理を具体的に示すフロー図である。
図14図14は、本発明の実施の形態1及び2における異動検出支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の概要)
本発明では、従来のように、撮影日時の異なる画像間の環境による明るさの違いを補正することによって、明るさの違いの影響を軽減するのではない。本発明では、環境による明るさの違いによって発生した各画像の色変化そのものを利用することで、撮影日時の異なる画像間の明るさの違いによる影響を軽減して、画像間の変化した箇所を検出する。なお、以降においては、画像間の変化した箇所を「異動箇所」とも表記する。
【0016】
ここで、対象となる画像が、例えば、異なる日時に上空から撮影された二つの画像であるとする。まず、一つの画像において、一定の範囲内の被写体に対し、太陽の高度及び方位角といった光源の情報が同じであり、一定の範囲内の地物に対するカメラの方向も近似的に同じであるとする。この場合、表面の向きが近似し、かつ表面の材質が同じである一定範囲内の地物たちの色は、近似することになる。
【0017】
一方、異なる撮影日時に撮影した両画像において、光源の情報が異なり、更に、カメラの方向も異なったとする。この場合、環境の明るさの相違によって両画像間で変化していない地物たちであっても、両画像間でその色は異なってしまう。しかし、一定の範囲内にある表面の向きと材質とが同じである、変化していない地物たちについて、それらの地物における色の変化は近似している。本発明は、このことを利用して、画像間の変化した箇所、即ち、異動箇所の検出を支援する。また、この結果、本発明では、各画像の色形成を分析したり、分析の結果に基づいて各画像の色を補正したりする必要もなく、明るさの補正に必要なパラメータについての問題が生じる余地もなくなる。
【0018】
また、本発明では、対象となる画像に建築物の屋上が写っている場合においては、建築物の屋上を表している領域(以下「屋上領域」という。)を抽出し、この屋上領域については後述の判定処理を行うことができる。これにより、色の変化には変わりがないが、実際には建築物が建て替えられている場合にも対応することができる。
【0019】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、異動検出支援装置、異動検出支援方法、及びプログラムについて、図1〜7を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態1は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施の形態1を採用することが可能であり、それらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0020】
[装置構成]
最初に、図1を用いて、本実施の形態1における異動検出支援装置100の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態1における異動検出支援装置100は、同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所(異動箇所)を検出する際の、支援を行うための装置である。
【0022】
また、図1に示すように、異動検出支援装置100は、画像分割部30と、変化特徴算出部60と、クラスタリング部70と、判定部80とを備えている。このうち、画像分割部30は、入力した撮影日時の異なる二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、二つの画像それぞれを複数の領域に分割する。
【0023】
また、変化特徴算出部60は、画像分割部30による分割によって得られた領域毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、撮影日時が異なる二つの画像における互いに対応する領域間について、特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する。
【0024】
クラスタリング部70は、変化特徴算出部60によって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する。
【0025】
判定部80は、クラスタリング部70によってクラスターが生成されると、この生成されたクラスターに基づいて、各領域について、変化(異動)が生じている可能性を判定する。また、判定部80は、判定結果を、外部へと出力する。
【0026】
以上のように本実施の形態1では、撮影日時が異なる画像同士の対応する領域について、両者の特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルが算出され、更に、算出された変化特徴ベクトルに対してクラスタリングが行われる。このため、一定範囲内にあって変化しておらず、且つ、表面の向きと材質とが互いに近似している、領域それぞれにおいては、各領域の変化特徴ベクトルは、近似の変化パターンを持ち、そして、同じクラスターに含まれることになる。このため、クラスターを分析すれば、環境による明るさの影響を受けることなく、画像間で変化していない箇所(異動がない箇所)を特定することができる。従って、本実施の形態1によれば、判定対象となる各画像が異なる環境下で撮影されていた場合における、変化している箇所の検出精度の向上に貢献できる。
【0027】
続いて、図2を用いて、本実施の形態1における異動検出支援装置の構成について更に具体的に説明する。図2は、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0028】
また、以下の説明では、変化した箇所(異動箇所)の検出対象となる画像は、上空からの撮影によって得られた2つの画像であるとする。更に、このうちの一方の画像は、ある年に撮影され、他方の画像は、それ以後の年に撮影されているとする。そして、撮影日時が新しい画像を「新年度の画像」と表記し、撮影日時が古い画像を「旧年度の画像」と表記する。
【0029】
図2に示すように、本実施の形態1に係る異動検出支援装置100は、上述した画像分割部30、変化特徴算出部60、クラスタリング部70、及び判定部80に加え、画像入力部10と、処理パラメータ入力部20と、処理パラメータ記憶部21とを更に備えている。異動検出支援装置100は、これらの構成により、新旧年度の画像を対象にして、分割によって得られた領域を分析し、画像間での変化を変化特徴として特定することができる。そして、異動検出支援装置100は、特定した変化特徴のパターンの分布状況を用いることで、環境による明るさの影響を受けない異動検出を可能にする。以下、各部について説明する。
【0030】
画像入力部10は、外部から入力された画像データを受け取り、これを画像分割部30に入力する。外部から画像入力部10への画像データの入力は、ユーザーによって、ネットワーク又は記録媒体を経由して行われる。本実施の形態1では、新年度の画像の画像データと、旧年度の画像の画像データとが、外部から入力される。更に、これらの画像データは、オルソ画像の画像データであっても良い。なお、本実施の形態1において、オルソ画像の生成方法は、特に限定されない。オルソ画像は、例えば、航空写真又は衛星写真のステレオ処理によって取得されたDEM(Digital Elevation Model)に基づいて、生成される。
【0031】
処理パラメータ入力部20は、外部から入力された、異動検出に関する全てのパラメータを受け取り、これらを処理パラメータ記憶部21に入力する。外部から処理パラメータ入力部20へのパラメータの入力は、ユーザーによって、ネットワーク又は記録媒体を経由して行われても良いし、ユーザーが入力機器によって直接入力することによって行われても良い。
【0032】
パラメータとしては、後述する画像分割部30での処理に必要となるパラメータ(以下「画像分割パラメータ」と表記する。)、判定部80での処理に必要となるパラメータ(以下「判定パラメータ」と表記する。)が挙げられる。具体的には、画像分割部30での処理に必要となる画像分割パラメータとしては、後述の面積の小さい領域の併合処理に用いる閾値(後述において「面積閾値」と表記されている。)が挙げられる。判定部80での処理に必要な判定パラメータとしては、後述のクラスターサイズについて設定された閾値が挙げられる。
【0033】
処理パラメータ入力部20に外部から入力されたパラメータは、処理パラメータ記憶部21に保存される。そして、画像分割処理、判定処理といった各処理の実行時に、それぞれの処理に必要なパラメータが、処理パラメータ記憶部21より適時取得される。
【0034】
画像分割部30は、本実施の形態1では、画像入力部10から入力された新旧年度の画像を対象とする。また、画像分割部30は、各画像データに含まれるカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、分割によって得られる各領域において、カラー分布又はテクスチャー分布が近似するように、各画像を複数の領域に分割する。よって、分割によって得られた領域(以下、「スムーズ領域」と表記する。)は、近似のカラー分布、又は近似のテクスチャー分布を特徴として有している。この分割処理により、一つの画像は、サイズ及び形状が異なる複数のスムーズ領域に分割されることになる。
【0035】
また、画像の分割処理方法としては、例えば、既存の領域分割方法又は輪郭抽出方法を用いることもできる。領域分割方法を利用する場合、処理結果は直接に各スムーズ領域となる。輪郭抽出方法を利用する場合、得られた各閉輪郭の内部の領域が、スムーズ領域となる。
【0036】
ところで、取得された各スムーズ領域の内部には、他のスムーズ領域が存在する場合がある。このため、画像分割部30は、スムーズ領域の内部に存在する別のスムーズ領域の面積が、設定された閾値(以下「面積閾値」と表記する。)以下の場合、別のスムーズ領域をその周りのスムーズ領域に併合させて、この別のスムーズ領域を除去する。なお、面積閾値は、画像分割パラメータとして、処理パラメータ入力部20を介して入力され、処理パラメータ記憶部21に記憶されているので、画像分割部30は、処理パラメータ記憶部21から面積閾値を取得する。
【0037】
ここで、スムーズ領域の併合処理について図3を用いて説明する。図3は、図1及び図2に示した画像分割部によるスムーズ領域の併合処理を説明するための図であり、図3(a)及び(b)はそれぞれ異なるケースを示している。
【0038】
図3(a)に示すケースでは、スムーズ領域31Aの内部に、スムーズ領域31Bとスムーズ領域31Cとが存在している。そして、このケースにおいて、スムーズ領域31Bとスムーズ領域31Cとが面積閾値以下であるとすると、これらのスムーズ領域はスムーズ領域31Aに併合される。
【0039】
また、図3(b)に示すケースでは、スムーズ領域31Dの内部に、スムーズ領域31Eと31Fとが存在している。そして、このケースにおいては、スムーズ領域31Fのみが面積閾値以下であるとすると、スムーズ領域31Fのみがスムーズ領域31Dに併合され、スムーズ領域31Eは併合されない。このため、スムーズ領域31Dでは、スムーズ領域31Aと異なり、スムーズ領域の併合処理後に内部に穴が存在している状態となる。
【0040】
また、表面の向きが色形成に影響するので、後述の処理のため、各スムーズ領域は、近似のカラーを有する近隣ピクセルの集合で構成されているだけではなく、三次元空間的に領域自体が平面であるのが好ましい。従って、画像分割は、少し「過分割」となるように、つまり少し細かくなるように行われているのがよい。画像分割のため、画像分割部30は、例えば、region growing方法を利用して画像分割を行っても良い。
【0041】
変化特徴算出部60は、本実施の形態1では、新年度の画像及び旧年度の画像それぞれから、画像分割部30で取得したスムーズ領域毎に、特徴ベクトルを抽出し、新旧年度の画像の対応関係にある各スムーズ領域からの特徴ベクトルの相違を変化特徴ベクトルとして計算する。
【0042】
ここで、新年度の画像から得られたスムーズ領域と旧年度の画像から得られたスムーズ領域との互いに対応する部分、即ち、両スムーズ領域を互いに重ね合わせた場合の重なり合う部分を想定する。このような部分において、単純に両スムーズ領域の差分のみを抽出したのでは、画像間の色の変化が、本当の異動によって生じているのか、新旧年度の環境による明るさの違いによって生じているのかを区別することは困難である。
【0043】
このため、本実施の形態1では、この2つを区別するために、新年度の画像と旧年度の画像とから変化特徴ベクトルが抽出され、画像全体についての分析が行われる。また、本実施の形態1では、変化特徴ベクトルは、新年度の画像のスムーズ領域と、旧年度の画像の対応するスムーズ領域とのそれぞれから、特徴ベクトルを計算することによって算出される。即ち、2つの特徴ベクトルの相違が、変化特徴ベクトルとして算出される。
【0044】
ところで、画像分割の結果として、新年度の画像データから取得したスムーズ領域と、旧年度の画像データから取得したスムーズ領域とは、必ずしも同じ範囲とはなっておらず、画像空間の座標関係だけで両者が互いに対応する関係にあるとは限らない。従って、本実施の形態1では、変化特徴算出部60は、変化特徴ベクトルの算出の前に、まず、新年度の画像のスムーズ領域と旧年度の画像のスムーズ領域との対応関係を決定する。
【0045】
新年度の画像のスムーズ領域と旧年度の画像のスムーズ領域との対応関係の決定処理は、新年度の画像のスムーズ領域を基準にして、対応する旧年度の画像のスムーズ領域を探索しても良いし、逆に旧年度の画像のスムーズ領域を基準にして、対応する新年度の画像のスムーズ領域を探索しても良い。ここで、変化特徴算出部60における対応関係の決定処理の具体例について、新年度の画像のスムーズ領域を基準にする場合を例として挙げて、その過程を説明する。
【0046】
本実施の形態1では、変化特徴算出部60は、新年度の画像のスムーズ領域に対して重なっている旧年度の画像のスムーズ領域のうち、最も大きなスムーズ領域は、この新年度のスムーズ領域に対応していると決定する。そして、変化特徴算出部60は、新年度の画像のスムーズ領域と旧年度の画像のスムーズ領域との互いに重なっている部分について、それぞれ、特徴ベクトルを抽出し、更に、これらから変化特徴ベクトルを計算する。
【0047】
図4を用いて更に具体的に説明する。図4は、スムーズ領域間の対応関係の決定処理を説明するための図であり、図4(a)及び図4(b)はそれぞれ異なるケースを示している。
【0048】
図4(a)に示すケースでは、旧年度の画像において、新年度の画像のスムーズ領域41Aに対して重なる領域には、スムーズ領域41Bとスムーズ領域41Cとが存在している。従って、このケースでは、変化特徴算出部60は、重なっている面積が大きいスムーズ領域41Bを、スムーズ領域41Aに対応するスムーズ領域と判定する。よって、変化特徴算出部60は、スムーズ領域41Aとスムーズ領域41Bとの重なっている部分、つまり、スムーズ領域41Bの範囲で、変化特徴ベクトルを算出する。
【0049】
また、図4(b)に示すケースでは、新年度の画像のスムーズ領域42A及びスムーズ領域42Cに対して、旧年度の画像のスムーズ領域42Bが重なっている。よって、新年度の画像のスムーズ領域42Aに対して重なる領域には、スムーズ領域42Bだけが存在している。従って、このケースでは、変化特徴算出部60は、スムーズ領域42Bを、スムーズ領域42Aに対応するスムーズ領域と判定する。よって、変化特徴計算部60は、スムーズ領域42Aとスムーズ領域42Bとの重なっている部分、つまりスムーズ領域42Aの範囲で、変化特徴ベクトルを算出する。
【0050】
また、変化特徴算出部60は、変化特徴ベクトルの算出の前に、特徴ベクトルを抽出するが、その際、各スムーズ領域から、その領域の色分布を代表する特徴ベクトルを1つだけ抽出しても良い。更に、変化特徴算出部60は、抽出対象となるスムーズ領域内の全てのピクセルそれぞれから、特徴ベクトルを抽出し、そして、領域全体で平均ベクトルを求め、求めた平均ベクトルをこの領域の色分布を代表する特徴ベクトルとして変化特徴ベクトルの算出に用いても良い。
【0051】
各スムーズ領域から、その領域の色分布を代表する特徴ベクトルを1つだけ抽出する際に、特徴ベクトルとしては、抽出対象となるスムーズ領域内の全ピクセルを一つの集合とし、全体の特徴を表している係数も挙げられる。具体的には、例えば、領域内の全体の色分布を数学モデルで表現した場合であれば、その数学モデルに用いられる係数が、特徴ベクトルとして挙げられる。抽出対象となるスムーズ領域内の各ピクセルの特徴ベクトルを平均し、領域の色分布を代表する特徴ベクトを抽出する場合、各ピクセルにおいて抽出した特徴ベクトルとしては、各ピクセルの色を表す色情報ベクトル、各ピクセルの近隣領域の色分布を反映する特徴ベクトル、等も挙げられる。
【0052】
更に、変化特徴算出部60は、本実施の形態1では、新年度の画像から抽出した特徴ベクトルと、旧年度の画像から抽出した特徴ベクトルとの差を求め、求めた差を変化特徴ベクトルとしても良い。また、変化特徴算出部60は、新年度の画像から抽出した特徴ベクトルと、旧年度の画像から抽出した特徴ベクトルとの違いを、他の計算式によって計算し、それを変化特徴ベクトルとしても良い。
【0053】
クラスタリング部70は、本実施の形態1では、変化特徴算出部60によって全てのスムーズ領域について算出された変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、複数のクラスターを生成する。
【0054】
一般に、一つの画像内にある一定範囲内被写体たちにおいて、環境による明るさが同一で、被写体の材質が同じであり、更に、被写体の表面の向きが近似している部分は、同じ色で表現される。この現象は、撮影日時が異なる2つの画像それぞれの画像内において成立する。この前提があるからこそ、撮影時の環境による明るさが異なる2つの画像であっても、被写体の材質が同じであり、更に、被写体の表面の向きが近似している部分では、両画像間での色変化は近似するので、変化特徴ベクトルも近似する。
【0055】
このため、本実施の形態1では、クラスタリング部70は、この特徴を利用して、変化特徴ベクタルをクラスタリングする。この結果、1つのクラスターは、近似している変化特徴ベクトルの集合で構成されるので、新旧年度の画像間の変化が近似しているスムーズ領域は、それらの領域の変化特徴ベクトルが同じクラスターに振分けられる。なお、クラスタリング部70によるクラスタリングの具体的な手法としては、一般的なクラスタリング手法、例えば、K-Means法が挙げられる。
【0056】
そして、1つのクラスター内に多数の変化特徴ベクトルが存在している場合、言い換えると、新旧の画像データ間で、多数のスムーズ領域の色変化が近似している場合は、これらのスムーズ領域の色変化は、単純に環境による明るさの影響で発生したものと考えられる。一方、1つのクラスター内に存在している変化特徴ベクトルが少ない場合は、このクラスターに振分けられたスムーズ領域と色変化が近似している他のスムーズ領域も少ないと考えられる。よって、このクラスターに振分けられたスムーズ領域での色変化は、環境による明るさの影響を受けて発生しておらず、他の原因によって発生したものと考えら得る。判定部80は、これらの考えの元で、後述する判定を実行する。
【0057】
判定部80は、本実施の形態1では、クラスタリング部70によって生成された複数のクラスターを分析し、環境による明るさの変化で色変化が発生したスムーズ領域については「異動なし」と判定する。一方、判定部80は、異動なしと判定しなかったスムーズ領域については、「異動の確定は不可」と判定する。
【0058】
また、判定部80は、クラスターのサイズ、例えば、1つのクラスターに含まれる変化特徴ベクトルの数と、クラスターのサイズについて予め設定された閾値とを対比し、対比結果に基づいて判定を行うこともできる。なお、クラスターサイズについての閾値は、予め、判定パラメータとして、処理パラメータ入力部20を介して、処理パラメータ記憶部21に記録されているので、判定部80は、閾値を、処理パラメータ記憶部21から取得する。
【0059】
例えば、判定部80は、クラスターのサイズが閾値以上である場合は、色変化が近似しているスムーズ領域が多数存在し、これらのスムーズ領域上での色変化は環境における明るさの変化によるものと考えられる。よって、判定部80は、このクラスターに属する変化特徴ベクトルの算出元のスムーズ領域については「異動なし」と判定する。逆に、判定部80は、クラスターのサイズが閾値より小さい場合は、そのクラスターに属している変化特徴ベクトルの算出元のスムーズ領域での色変化は、他の原因で発生していると考えられ、最終判断はできないので、このスムーズ領域については「異動の確定は不可」と判定する。
【0060】
以上の判定処理の終了後、判定部80は、判定結果を出力する。判定結果では、画像分割部30によって取得されたスムーズ領域のうち、一部については「異動なし」と判定され、残りについて「異動の確定は不可」と判定されている。よって、ユーザーは、「異動の確定が不可」とされたスムーズ領域についてのみ、目視で最終の確認を行えばよいので、異動検出処理の全体の効率を向上できる。
【0061】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置100の動作の全体の流れについて図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態1における異動検出支援装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1図4を参酌する。また、本実施の形態1では、異動検出支援装置100を動作させることによって、異動検出支援方法が実施される。よって、本実施の形態1における異動検出支援方法の説明は、以下の異動検出支援装置100の動作説明に代える。
【0062】
まず、前提として、異動検出支援装置100に対して、ユーザーから、画像入力部10を介して、新年度の画像と旧年度の画像との画像データが入力され、処理パラメータ入力部20を介して、必要なパラメータが入力される。この後、図5に示すように、異動検出支援装置100は、異動検出の支援のための処理を開始する。
【0063】
次に、図5に示すように、異動検出支援装置100において、画像分割部30は、入力された画像に対して、カラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、画像分割処理を実行し、複数のスムーズ領域を生成する(ステップS110)。つまり、画像分割部30は、入力された新年度の画像と旧年度の画像それぞれに対して画像分割処理を実行し、新年度の画像及び旧年度の画像それぞれのスムーズ領域を取得する。また、画像分割部30は、ステップS110において、必要に応じて、画像分割パラメータを用いてスムーズ領域の併合処理を実行する。
【0064】
次に、変化特徴算出部60は、ステップS110によって得られたスムーズ領域毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、撮影日時が異なる二つの画像における互いに対応するスムーズ領域間について、特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する(ステップS120)。つまり、変化特徴算出部60は、各スムーズ領域において、新年度の画像と旧年度の画像との変化を変化特徴ベクタルとして抽出する。
【0065】
次に、クラスタリング部70は、ステップS120で算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する(ステップS130)。つまり、クラスタリング部70は、新年度の画像と旧年度の画像とにおける、対応するスムーズ領域間について算出された変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを実行し、多数のクラスターを取得する。
【0066】
最後に、判定部80は、ステップS130で生成されたクラスターに基づいて、各スムーズ領域について、異動が生じている可能性を判定する(ステップS140)。つまり、判定部80は、各クラスターのサイズに基づいて、判定を行う。そして、判定部80は、環境による明るさの変化で色変化が発生したスムーズ領域については「異動なし」と判定し、異動なしと判定しなかったスムーズ領域については、「異動の確定は不可」と判定する。
【0067】
その後、判定部80は、判定結果を、ユーザーの端末(図示せず)等に出力する。これにより、ユーザーは、異動の確定が不可とされたスムーズ領域についてのみ、目視で最終の確認を行えばよい。ステップS140の実行後、異動検出支援装置100での処理は終了する。
【0068】
[ステップS120]
続いて、図5に示したステップS120について、図6を用いて更に具体的に説明する。図6は、図5に示した変化特徴ベクトルの算出処理を具体的に示すフロー図である。図6の例では、上述したように、変化特徴算出部60は、新年度の画像のスムーズ領域を基準にして、各スムーズ領域の変化特徴ベクトルの抽出を行うものとする。
【0069】
図6に示すように、まず、変化特徴算出部60は、新年度の画像の1つのスムーズ領域を選択し、それに対応する旧年度の画像のスムーズ領域を決定する(ステップS121)。次に、変化特徴算出部60は、この対応する2つのスムーズ領域それぞれから、特徴ベクトルを抽出する(ステップS122)。
【0070】
次に、変化特徴算出部60は、抽出した新年度の特徴ベクトルと旧年度の特徴ベクトルとの相違を算出し、算出した相違を変化特徴ベクトルとする(ステップS123)。これにより、ステップS121で選択されたスムーズ領域についての変化特徴ベクトルの算出処理が完了する。
【0071】
次に、変化特徴算出部60は、ステップS123の完了後、全ての新年度画像のスムーズ領域について処理が完了しているどうかを判定する(ステップS124)。ステップS124の判定の結果、未だ処理されていない新年度画像のスムーズ領域が存在する場合(ステップS124;No)は、変化特徴算出部60は、次に処理対象となる新年度画像のスムーズ領域を選択し(ステップS125)、再度ステップS121を実行する。一方、ステップS124の判定の結果、全ての新年度画像のスムーズ領域について処理が終了している場合(ステップS124;Yes)は、ステップS120での処理は終了し、ステップS130が実行される。
【0072】
[ステップS140]
続いて、図5に示したステップS140について、図7を用いて更に具体的に説明する。図7は、図5に示した判定処理を具体的に示すフロー図である。
【0073】
図7に示すように、判定部80は、まず、判定処理に必要な判定パラメータ、例えば閾値を処理パラメータ記憶部21から取得
する(ステップS141)。次に、判定部80は、ステップS130で生成された複数のクラスターのうち、1つを選択し、選択したクラスターのサイズが、ステップS141で取得された閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS142)。
【0074】
ステップS142の判定の結果、クラスターのサイズが閾値以上である場合は(ステップS142;Yes)、判定部80は、判定対象となったクラスターに属している変化特徴ベクトルの算出元のスムーズ領域については「異動なし」と判定する(ステップS143)。
【0075】
一方、ステップS142の判定の結果、クラスターのサイズが閾値未満である場合は(ステップS142;No)、判定対象となったクラスターに属している変化特徴ベクトルの算出元のスムーズ領域については「異動の確定は不可」と判定する(ステップS144)。以上により、判定対象となったクラスターについての処理が完了する。
【0076】
そして、判定部80は、ステップS143又はS144の完了後、全てのクラスターについて処理が完了しているかどうかを判定する(ステップS145)。ステップS145の判定の結果、未だ処理されていないクラスターが存在する場合は(ステップS145;No)、判定部80は、次に処理対象となるクラスターを選択し(ステップS146)、再度、ステップS142を実行する。一方、ステップS145の判定の結果、全てのクラスターについて処理が完了している場合は(ステップS145;Yes)、ステップS140での処理は終了する。
【0077】
[プログラム]
また、本発明の実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータに、図5に示すステップS110〜S140を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態1における異動検出支援装置と異動検出支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、画像入力部10、処理パラメータ入力部20、画像分割部30、変化特徴算出部60、クラスタリング部70、及び判定部80として機能し、処理を行う。また、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、処理パラメータ記憶部21として機能する。
【0078】
[実施の形態1による効果]
以上のように、本実施の形態1では、撮影日時が異なる画像同士の対応する領域間の変化特徴ベクトルがクラスタリングされ、その結果から、異動箇所のない領域が特定される。従って、ユーザーは、残りの領域についてのみ最終的な異動検出を行えば良いため、本実施の形態1によれば、判定対象となる各画像が異なる環境下で撮影されていた場合において、異動検出に対して適切な支援を行うことができる。
【0079】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における、異動検出支援装置、異動検出支援方法、及びプログラムについて、図8〜13を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態2は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施の形態2を採用することが可能であり、それらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0080】
[装置構成]
最初に、図8を用いて、本実施の形態2における異動検出支援装置200の構成について説明する。図8は、本発明の実施の形態2における異動検出支援装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0081】
まず、本実施の形態2でも、変化した箇所(異動箇所)の検出対象となる画像は、上空からの撮影によって得られた2つの画像であり、このうちの一方の画像は、ある年に撮影され、他方の画像は、それ以後の年に撮影されているとする。また、各画像には、建築物の屋上が写っているとする。このような前提の元、異動検出支援装置200は、画像中の建築の屋上を表している領域(以下「屋上領域」と表記する。)に対して、異動箇所の判定処理を実行する。以下、実施の形態1との相違を中心に説明する。
【0082】
図8に示すように、本実施の形態2における異動検出支援装置200は、実施の形態1と同様に、画像入力部10、処理パラメータ入力部20、処理パラメータ記憶部21、画像分割部30、変化特徴算出部60、クラスタリング部70、及び判定部80を備えている。また、異動検出支援装置200は、これらの構成に加えて、更に、屋上領域抽出部40と、屋上領域判定部50とを備えている。
【0083】
屋上領域抽出部40は、画像分割部30による分割によって得られた複数のスムーズ領域のうち、建築物の屋上を表している領域だけを、屋上領域として抽出する。この点について具体的に説明する。
【0084】
まず、実際の都市地域の上空から撮影した画像には、多くの家屋で構成された住宅地、空地、緑地、駐車場、道路、樹木、池など様々なものが存在している。従って、カラー分布の近似性、又はテクスチャー分布の近似性を基準にしてスムーズ領域が生成された場合、建築物の屋上部分と、路面及び空地といった地面の部分とが区別されずに、それぞれスムーズ領域として取得される。
【0085】
このため、本実施の形態2では、屋上領域抽出部40は、建築物の屋上の独特な特徴に基づき、スムーズ領域の中から建築物の屋上領域だけを抽出する。具体的には、屋上領域抽出部40は、スムーズ領域の面積、スムーズ領域の形状、スムーズ領域内のカラーの均一度、テクスチャーの均一度等に基づいて、屋上領域に該当するかどうかを判定する。
【0086】
例えば、屋上領域抽出部40は、スムーズ領域の面積が一定の範囲内にない場合は、建築物の屋上領域に該当しないと判断する。判断基準となる一定の範囲は、屋上領域の面積の上限値と下限値とで定義される。また、これらの上限値及び下限値は、屋上領域抽出パラメータとして、予め、ユーザーから、処理パラメータ入力部20を介して入力され、処理パラメータ記憶部21に記憶されている。屋上領域抽出部40は、これらの値を、処理パラメータ記憶部21から取得する。
【0087】
また、屋上領域抽出部40は、スムーズ領域の形状が一定の規則を満たさない場合は、建築物の屋上領域には該当しないと判定する。一定の規則としては、まずスムーズ領域内部に穴が存在しておらず、領域に外接する矩形の両辺の比が、設定された閾値以下であり、更に、領域の面積と外接する矩形の面積との割合が、設定された閾値以上であることが挙げられる。なお、両辺の比について設定された閾値を、以下「両辺比閾値」と表記し、面積の割合について設定された閾値を、以下「面積割合閾値」と表記する。
【0088】
通常、スムーズ領域の形状が長細い形状などである場合は、このスムーズ領域が、屋上領域である可能性は低いと考えられる。従って、領域に外接する矩形の両辺の比が両辺比閾値以下であるという条件と、領域の面積と外接する矩形の面積との割合が面積割合閾値以上であるという条件とによれば、細長い形状のスムーズ領域を除くことができる。両辺比閾値及び面積割合閾値も、屋上領域抽出パラメータとして、予め、ユーザーから、処理パラメータ入力部20を介して入力され、処理パラメータ記憶部21に記憶されている。屋上領域抽出部40は、これらの閾値を、処理パラメータ記憶部21から取得する。
【0089】
更に、屋上領域抽出部40は、スムーズ領域内のカラーの均一度及びテクスチャーの均一度それぞれが、各々について設定された閾値(以下「均一度閾値」と表記する。)以上である場合は、このスムーズ領域が建築物の屋上領域であると判定する。また、各均一度閾値も、屋上領域抽出パラメータとして、予め、ユーザーから、処理パラメータ入力部20を介して入力され、処理パラメータ記憶部21に記憶されている。屋上領域抽出部40は、これらの均一度閾値を、処理パラメータ記憶部21から取得する。なお、均一度の定義は、以下の通りである。
【0090】
まず、スムーズ領域内の各ピクセルの近隣領域におけるカラー分布及びテクスチャー分布を表す特徴量がお互い近似すると、このスムーズ領域内のカラー分布の変化とテクスチャー分布の変化とが少なくなる、又はこれらの変化が滑らかになる。従って、この場合は、スムーズ領域内の均一度が高いと考えられる。その反対に、スムーズ領域内に様々なカラー分布又はテクスチャー分布が存在している場合、又はノイズが多い場合は、均一度は低いと考えられる。これらの点から、以上の状態を表現することができる画像特徴の値は、均一度として利用することができる。
【0091】
例えば、屋上領域抽出部40は、スムーズ領域内の全てのピクセル各々にその近隣領域におけるカラー分布の分散を計算し、更に、計算した全部の分散を平均し、得られた平均値の逆数を、スムーズ領域内のカラーの均一度として使用することができる。また、屋上領域抽出部40は、スムーズ領域内の全てのピクセル各々にその近隣領域におけるテクスチャーのスムーズさを表現する特徴値を計算し、更に、計算した全部の特徴値を平均し、得られた平均値を、スムーズ領域内のテクスチャーの均一度として使用することができる。
【0092】
なお、各スムーズ領域は平面であるため、屋上領域抽出部40によって抽出された各屋上領域も平面である。また、一つの建築物の屋上は、一つの屋上領域で構成されている場合もあるし、多数の屋上領域で構成されている場合もある。建築物の屋上が一つの屋上領域で構成されているケースとしては、例えば、建物が平屋であり、屋根が平らな場合が挙げられる。建築物の屋上が多数の屋上領域で構成されているケースとしては、例えば、建物の屋根がY形になっている場合が挙げられる。
【0093】
屋上領域判定部50は、異なる撮影日時の二つの画像間で、それぞれの屋上領域を互いに対比して、屋上領域において、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所が存在しているかどうかを判定する。本実施の形態2では、屋上領域判定部50は、屋上領域抽出部40によって抽出された新年度の画像の屋上領域と、旧年度の画像の屋上領域とを判定対象とする。本実施の形態2では、屋上領域についての判定の実施は、2段階に分けて実行する。屋上領域判定部50は、まず異動検出支援装置200における第一段階の判定として、各屋上領域について、「異動あり」又は「異動の確定は不可」と判定する。
【0094】
また、屋上領域判定部50は、「異動あり」と判定した屋上領域については、判定結果として、ユーザーの端末等に出力する。一方、屋上領域判定部50は、「異動の確定は不可」と判定した屋上領域については、該当する屋上領域を特定する情報を、変化特徴算出部60に出力する。
【0095】
また、屋上領域判定部50は、新年度の画像の屋上領域を基準にして、旧年度の画像の屋上領域に対して上述の判定を行っても良いし、逆に、旧年度の画像の屋上領域を基準にして、新年度の画像の屋上領域に対して上述の判定を行っても良い。ここで、屋上領域判定部50における判定処理の具体例について、新年度の画像の屋上領域を基準にする場合を例として挙げて、その過程を説明する。
【0096】
まず、屋上領域判定部50は、新年度の画像の各屋上領域の位置と範囲とを特定する情報を用いて、新年度の画像の屋上領域に重なっている旧年度のスムーズ領域(以下「重なり範囲」と表記する。)を特定する。そして、屋上領域判定部50は、以下の(1)〜(3)に示すように、その重なり範囲を分析する。
【0097】
(1)新年度の画像の屋上領域に重なっている旧年度の重なり範囲内に、屋上領域が存在していない場合は、屋上領域判定部50は、新年度では建築物が存在しているが、旧年度では建築物が存在していないので、「異動あり」と判定する。
【0098】
(2)旧年度の重なり範囲内に屋上領域が存在している場合は、屋上領域判定部50は、旧年度の重なり範囲にある一番大きな屋上領域の新年度の屋上領域に重なっている部分の面積と、新年度の屋上領域の面積との比率を算出する。そして、屋上領域判定部50は、算出した比率の値が、予め設定された閾値(以下「面積比率閾値」と表記する。)より小さい場合は、新年度と旧年度とでは屋上領域が変化しているので、「異動あり」と判定する。なお、この場合の面積比率閾値は、例えば80%程度に設定される。
【0099】
(3)上記(2)において、算出した比率の値が面積比率閾値以上である場合(例えば、80%以上である場合)は、新年度の画像の屋上領域と旧年度の画像の屋上領域とが同じである可能性がある。よって、この場合、屋上領域判定部50は、新年度の画像の屋上領域に現れている屋上の構造と、旧年度の屋上領域に現れている屋上の構造とが同じであるかどうかを判定する。そして、屋上領域判定部50は、判定の結果、両者が異なる場合は、「異動あり」と判定する。一方、屋上領域判定部50は、判定の結果、両者が同じ構造である場合は、異動箇所が存在しているかどうは確定できないので、「異動の確定は不可」と判定する。
【0100】
ここで、上記(1)〜(3)の判定について図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態2において行われる屋上領域の判定処理を説明するための図であり、図9(a)〜(c)それぞれは異なるケースを示している。また、図9(a)〜(c)において、左側の屋上領域Aは、新年度の画像の1つの屋上領域を示しており、右側は、屋上領域Aに重なっている旧年度の重なり範囲を示している。
【0101】
図9(a)のケースでは、重なり範囲にある旧年度の画像の2つのスムーズ領域91B及び91Cは、屋上領域ではない。このため、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域Aについて、「異動あり」と判定する。
【0102】
図9(b)のケースでは、重なり範囲にある旧年度の画像の2つのスムーズ領域92B及び92Cのうち、スムーズ領域92Bは屋上領域であるが、スムーズ領域92Cは屋上領域ではない。そして、スムーズ領域92Bの屋上領域Aに重なっている部分の面積と、屋上領域Aの面積との割合は、面積比率閾値(80%)より小さいとする。この場合、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域Aについて、「異動あり」と判定する。
【0103】
図9(c)のケースでは、重なり範囲にある旧年度の画像の2つのスムーズ領域93B及び93Cのうち、スムーズ領域93Bは屋上領域であるが、スムーズ領域93Cは屋上領域ではない。そして、スムーズ領域93Bの屋上領域Aに重なっている部分の面積と、屋上領域Aの面積との割合は、面積比率閾値(80%)以上であるとする。この場合、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域Aに現れている屋上の構造と、旧年度の屋上領域93Bに現れている屋上の構造とが同じであるかどうかを判定する。
【0104】
屋上領域判定部50は、新旧年度の屋上領域において屋上の構造が同じであるかどうかの判定について、まず、新年度の屋上領域と旧年度の屋上領域とから、直線を抽出する。このとき、屋上領域判定部50は、判断対象となる屋上領域を中心として、それよりも少し拡張した領域を、直線抽出の対象領域とすることで、屋上領域の輪郭線の部分を抽出することもできる。この領域の拡張を行うことにより、屋上領域判定部50は、判断対象となる屋上領域の内部に直線が存在していない場合であっても、外部の輪郭の形状に基づいて、屋上の構造を判定できる。なお、ここでいう直線には、完全な直線だけでなく、直線状の部分も含まれる。
【0105】
次に、屋上領域判定部50は、新旧年度の屋上領域のうち、抽出できた直線の数が多い方を特定し、直線の数が多い方の屋上領域から、直線の数が少ない方の屋上領域に対して、マッチング処理(マッチング直線の探索処理)を行う。例えば、抽出できた直線の数の多い方が新年度の屋上領域であるとする。この場合、屋上領域判定部50は、新年度の各直線を、旧年度の各直線に照合して、マッチングしている直線を抽出する。そして、旧年度の直線のうち、設定された閾値(例えば、総数の70%)以上の直線のマッチング結果が取得できた場合は、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域に現れている屋上の構造と、旧年度の屋上領域に現れている屋上の構造とは、同じであると判定する。一方、旧年度の直線のうち、設定された閾値(例えば、総数の70%)以上の直線のマッチング結果が取得できていない場合は、両者は同じではないと判定する。なお、ここで用いられる閾値は、以下、「マッチング割合閾値」と表記する。
【0106】
また、マッチング直線を抽出するため、屋上領域判定部50は、例えば、以下の処理を実行する。まず、屋上領域判定部50は、新年度の画像から抽出した直線の近隣領域を取得し、その近隣領域の範囲内に、旧年度の画像から抽出した直線が存在しているかどうかを判定する。
【0107】
判定の結果、一つの直線だけが存在する場合、屋上領域判定部50は、この直線について、新年度の直線と交わる角度が設定された閾値(以下「角度閾値」と表記する。)以下であるかどうかと、この直線と新年度の直線との距離が設定された閾値(以下「距離閾値」と表記する。)以下であるかどうかを判定する。そして、判定の結果、角度閾値以下であり、且つ、距離閾値以下である場合は、屋上領域判定部50は、旧年度の画像から抽出した直線は、新年度の画像の直線とマッチングしていると判定する。
【0108】
また、上述した判定で、近隣領域の範囲内で、旧年度の画像から抽出した直線が複数存在する場合は、屋上領域判定部50は、これらの直線のうち、新年度の直線との距離が距離閾値以下の直線を特定する。更に、屋上領域判定部50は、この特定した直線の中から、新年度の直線と交わる角度が最も小さい直線を特定し、そして、最後に特定した直線における新年度の直線と交わる角度が角度閾値以下であることを条件に、最後に特定した直線は、新年度の画像の直線とマッチングしていると判定する。
【0109】
なお、上述の新年度の直線と旧年度の直線とがマッチングしているかどうかの判定においては、判定対象となる直線は、一対一に限定される。よって、新年度の一つの直線に対して、複数の旧年度の直線がマッチングしていると判定されることはないし、新年度の複数の直線が旧年度の同じ直線にマッチングしていると判定されることもない。
【0110】
また、屋上領域判定部50が用いる、面積比率閾値、マッチング割合閾値、角度閾値及び距離閾値は、屋上領域判定パラメータとして、予め、ユーザーから、処理パラメータ入力部20を介して入力され、処理パラメータ記憶部21に記憶されている。屋上領域判定部50は、これらの閾値を、処理パラメータ記憶部21から取得する。
【0111】
また、処理パラメータ入力部20は、本実施の形態2においては、実施の形態1に記述されたパラメータに加えて、ユーザーから、屋上領域抽出パラメータと屋上領域判定パラメータも受け取り、これらのパラメータも、処理パラメータ記憶部21に入力する。
【0112】
変化特徴算出部60は、本実施の形態2では、屋上領域判定部50によって異動箇所が存在していると判定されなかった屋上領域、即ち、「異動の確定は不可」と判定された屋上領域を対象として、特徴ベクトルを抽出し、更に、変化特徴ベクトルを算出する。また、この対象となる新年度及び旧年度の領域は、共に屋上領域である。更に、旧年度の屋上領域の新年度の屋上領域に重なっている部分の面積と、新年度の屋上領域の面積との比率は面積比率閾値以上である。加えて、新年度の画像の屋上領域に現れている屋上の構造と、旧年度の屋上領域に現れている屋上の構造とは同じである。これで、屋上領域について第二段階の判定が行われる。
【0113】
クラスタリング部70は、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、変化特徴算出部60によって算出された変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、複数のクラスターを生成する。但し、本実施の形態2では、上述したように、変化特徴ベクトルは、屋上領域判定部50によって「異動の確定は不可」と判断された屋上領域から算出されている。
【0114】
判定部80は、本実施の形態2では、生成されたクラスターに基づいて、屋上領域判定部50によって異動箇所が存在していると判定されなかった屋上領域を対象として、異動が生じている可能性を判定する。具体的には、判定部80は、屋上領域判定部50によって「異動の確定は不可」と判定された屋上領域を対象として判定を行う。そして、判定部80は、対象となる屋上領域のうち、環境による明るさの変化で色変化が発生した屋上領域については「異動なし」と判定する。一方、判定部80は、異動なしと判定しなかった屋上領域については、「異動の確定は不可」と判定する。
【0115】
このように、本実施の形態2によれば、屋上領域判定部50で「異動の確定は不可」と判定された屋上領域のうち、一部については更に「異動なし」と判定できる。従って、ユーザーが最終的に判断すべき領域は、最後に「異動の確定は不可」と判断された屋上領域のみとなる。よって、ユーザーは、これらの屋上領域のみに対して、目視で最終の確認を行えばよいので、異動検出処理の全体の効率を向上できる。
【0116】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態2における異動検出支援装置200の動作の全体の流れについて図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態2における異動検出支援装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図8及び図9を参酌する。また、本実施の形態2では、異動検出支援装置200を動作させることによって、異動検出支援方法が実施される。よって、本実施の形態2における異動検出支援方法の説明は、以下の異動検出支援装置200の動作説明に代える。
【0117】
まず、本実施の形態2においても、前提として、異動検出支援装置200に対して、ユーザーから、画像入力部10を介して、新年度の画像と旧年度の画像との画像データが入力され、処理パラメータ入力部20を介して、必要なパラメータが入力される。この後、図10に示すように、異動検出支援装置200は、異動検出の支援のための処理を開始する。
【0118】
次に、図10に示すように、異動検出支援装置200において、画像分割部30は、入力された画像に対して、カラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、画像分割処理を実行し、複数のスムーズ領域を生成する(ステップS210)。ステップS210は、図5に示したステップS110と同様のステップである。
【0119】
次に、屋上領域抽出部40は、ステップS210で得られた、新年度の画像及び旧年度の画像の複数のスムーズ領域のうち、建築物の屋上を表している領域だけを、屋上領域として抽出する(ステップS220)。つまり、屋上領域抽出部40は、ステップS210で得られた複数のスムーズ領域のうち、建築物の屋上を表現しているスムーズ領域だけを抽出する。
【0120】
次に、屋上領域判定部50は、新年度の画像の屋上領域と対応する旧年度の画像の屋上領域をまず探索し、見つけたら対応している新年度の画像の屋上領域と旧年度の画像の屋上領域とを互いに対比して、屋上領域に、異動箇所が存在しているかどうかを判定する(ステップS230)。つまり、屋上領域判定部50は、新旧年度それぞれの画像の屋上領域を合わせて分析することで、屋上領域について「異動あり」及び「異動の確定は不可」のうちいずれであるかを判定する。
【0121】
次に、変化特徴算出部60は、ステップS220で「異動の確定は不可」と判定された屋上領域を対象として、新旧年度における対応する屋上領域のそれぞれから特徴ベクトルを抽出し、更に、変化特徴ベクトルを算出する(ステップS240)。ステップS240は、図5に示したステップS120に準じて行われる。
【0122】
次に、クラスタリング部70は、ステップS240で算出された変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、複数のクラスターを生成する(ステップS250)。ステップS250は、図5に示したステップS130に準じて行われる。
【0123】
最後に、判定部80は、ステップS250で生成されたクラスターに基づいて、屋上領域判定部50によって異動箇所が存在していると判定されなかった屋上領域を対象として、異動が生じている可能性を判定する(ステップS260)。ステップS260は、図5に示したステップS140に準じて行われる。
【0124】
その後、判定部80は、判定結果を、ユーザーの端末(図示せず)等に出力する。これにより、ユーザーは、「異動の確定は不可」と判断された屋上領域についてのみ、目視で最終の確認を行えばよい。ステップS260の実行後、異動検出支援装置200での処理は終了する。
【0125】
[ステップS220]
続いて、図10に示したステップS220について、図11を用いて更に具体的に説明する。図11は、図10に示した屋上領域の抽出処理を具体的に示すフロー図である。
【0126】
図11に示すように、まず、屋上領域抽出部40は、屋上領域の抽出に必要となる全ての屋上領域抽出パラメータを処理パラメータ記憶部21から取得する(ステップS221)。
【0127】
次に、屋上領域抽出部40は、判定対象となるスムーズ領域を選択し、選択したスムーズ領域について以下の判定を行い、選択したスムーズ領域が屋上領域に該当するかどうかを判定する。
【0128】
具体的には、屋上領域抽出部40は、判定対象となるスムーズ領域の面積が、一定の範囲内にあるかどうか、即ち、上限値と下限値とで定義される範囲内にあるかどうかを判定する(ステップS222)。ステップS222の判定の結果、一定の範囲内にない場合(ステップS222;No)は、屋上領域抽出部40は、このスムーズ領域は、屋上領域でないと判定し(ステップS223)、その後、ステップS227を実行する。
【0129】
一方、ステップS222の判定の結果、一定の範囲内にある場合(ステップS222;Yes)は、屋上領域抽出部40は、判定対象となるスムーズ領域の形状が一定の規則を満たしているかどうかを判定する(ステップS224)。一定の規則としては、対象となるスムーズ領域の内部に穴が存在していないこと、領域に外接する矩形の両辺の比が、両辺比閾値以下であること、領域の面積と外接する矩形の面積との割合が、面積割合閾値以上であること、が挙げられる。
【0130】
ステップS224の判定の結果、一定の規則を満たしていない場合(ステップS224; No)は、屋上領域抽出部40は、このスムーズ領域は、屋上領域でないと判定し(ステップS223)、その後、ステップS227を実行する。
【0131】
一方、ステップS224の判定の結果、一定の規則を満たしている場合(ステップS224;Yes)は、屋上領域抽出部40は、判定対象となるスムーズ領域内のカラーの均一度及びテクスチャーの均一度それぞれが、共に、それぞれについて設定された均一度閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS225)。つまり、カラーの均一度がそれについての均一度閾値以上であり、同時に、テクスチャーの均一度もそれについての均一度閾値以上であるかどうかが判定される。
【0132】
ステップS225の判定の結果、カラーの均一度及びテクスチャーの均一度が、共に、それぞれの均一度閾値以上でない場合(ステップS225; No)は、屋上領域抽出部40は、このスムーズ領域は、屋上領域でないと判定し(ステップS223)、その後、ステップS227を実行する。
【0133】
一方、ステップS225の判定の結果、カラーの均一度及びテクスチャーの均一度が、共に、それぞれの均一度閾値以上である場合(ステップS225;Yes)は、屋上領域抽出部40は、このスムーズ領域は屋上領域であると判定する(ステップS226)。これにより、判定対象となったスムーズ領域についての、屋上領域かどうかの判定処理が完了する。
【0134】
次に、ステップS223又はS226が実行されると、屋上領域抽出部40は、全てのスムーズ領域について処理が終了しているかどうかを判定する(ステップS227)。そして、ステップS227の判定の結果、未だ処理されていないスムーズ領域が存在する場合(ステップS227;No)は、屋上領域抽出部40は、次に処理対象となるスムーズ領域を選択し(ステップS228)、再度ステップS222を実行する。一方、ステップS227の判定の結果、全てのスムーズ領域について処理が終了している場合(ステップS227;Yes)は、ステップ220での処理は終了し、その後、ステップS230が実行される。
【0135】
[ステップS230]
続いて、図10に示したステップS230について、図12を用いて更に具体的に説明する。図12は、図10に示した屋上領域の判定処理を具体的に示すフロー図である。また、図12の例では、上述したように、屋上領域判定部50は、新年度の画像の屋上領域を基準にして、旧年度の画像の屋上領域に対して判定処理を行うものとする。
【0136】
図12に示すように、まず、屋上領域判定部50は、屋上領域の判定に必要となる全ての屋上領域判定パラメータを処理パラメータ記憶部21から取得する(ステップS231)。
【0137】
次に、屋上領域判定部50は、まず、判定対象となる新年度の屋上領域を選択し、選択した新年度の屋上領域に重なっている、旧年度のスムーズ領域(重なり範囲)に、屋上領域が存在しているかどうかを判定する(ステップS232)。
【0138】
ステップS232の判定の結果、旧年度の重なり範囲に屋上領域が存在しない場合(ステップS232;No)は、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域について「異動あり」と判定し(ステップS233)、その後、ステップS238を実行する。
【0139】
一方、ステップS232の判定の結果、旧年度の重なり範囲に屋上領域が存在している場合(ステップS232;Yes)は、屋上領域判定部50は、旧年度の重なり範囲にある一番大きな屋上領域を、新年度の屋上領域と対応している屋上領域と判定する(ステップS234)。
【0140】
決定した旧年度の屋上領域と新年度の屋上領域に重なっている部分の面積と、新年度の屋上領域の面積との比率を算出する。そして、屋上領域判定部50は、算出した比率が面積比率閾値以上であるかどうかを判定する(ステップS235)。
【0141】
ステップS235の判定の結果、算出した比率が面積比率閾値以上でない場合(ステップS235;No)は、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域について「異動あり」と判定し(ステップS233)、その後、ステップS238を実行する。
【0142】
一方、ステップS235の判定の結果、算出した比率が面積比率閾値以上である場合(ステップS235;Yes)は、屋上領域判定部50は、新年度の画像の屋上領域に現れている屋上の構造と、旧年度の屋上領域に現れている屋上の構造とが同じであるかどうかを判定する(ステップS236)。
【0143】
ステップS236の判定の結果、構造が同じでない場合(ステップS236;No)は、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域について「異動あり」と判定し(ステップS233)、その後、ステップS238を実行する。
【0144】
一方、ステップS236の判定の結果、構造が同じである場合(ステップS236;Yes)は、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域について、現在は「異動の確定は不可」と判定する(ステップS237)。ステップS237の実行により、判定対象となっている新年度の屋上領域についての処理が完了する。
【0145】
次に、ステップS233又はS237が実行されると、屋上領域判定部50は、全ての新年度の屋上領域について処理が終了しているかどうかを判定する(ステップS238)。そして、ステップS238の判定の結果、未だ処理されていない新年度の屋上領域が存在する場合(ステップS238;No)は、屋上領域判定部50は、次に処理対象となる屋上領域を選択し(ステップS239)、再度、ステップS232を実行する。一方、ステップS238の判定の結果、全ての新年度の屋上領域について処理が終了している場合(ステップS238;Yes)は、ステップS230での処理は終了し、その後、ステップS240が実行される。
【0146】
[ステップS236]
ここで、図13を参照して、上述したステップS236における屋上の構造の判定処理について説明する。図13は、図12に示した屋上の構造の判定処理を具体的に示すフロー図である。
【0147】
図13に示すように、まず、屋上領域判定部50は、新年度の屋上領域を中心とした拡張領域と旧年度の屋上領域を中心とした拡張領域とから、直線を抽出する(ステップS236−1)。
【0148】
次に、屋上領域判定部50は、新年度の拡張領域から抽出された直線の数が、旧年度の拡張領域から抽出された直線の数よりも多いかどうかを判定する(ステップS236−2)。
【0149】
ステップS236−2の判定の結果、新年度の拡張領域から抽出された直線の数が旧年度のそれよりも多い場合(ステップS236−2;Yes)は、屋上領域判定部50は、新年度をマッチング直線探索の実施側に設定し、旧年度をマッチング直線探索の被探索側に設定する(ステップS236−3)。
【0150】
ステップS236−2の判定の結果、新年度の拡張領域から抽出された直線の数が旧年度のそれよりも多くない場合(ステップS236−2;No)は、屋上領域判定部50は、旧年度をマッチング直線探索の実施側に設定し、新年度をマッチング直線探索の被探索側に設定する(ステップS236−4)。
【0151】
次に、ステップS236−3又はS236−4が実行されると、屋上領域判定部50は、マッチング直線探索の実施側の各直線から被探索側へマッチング直線の探索を行う(ステップS236−5)。
【0152】
次に、屋上領域判定部50は、実施側のマッチングできた直線の数と実施側の直線の総
数との割合が、マッチング割合閾値以上かどうかを判定する(ステップS236−6)。
【0153】
ステップS236−6の判定の結果、割合がマッチング割合閾値以上である場合(ステップS236−6;Yes)は、屋上領域判定部50は、新旧年度の屋上領域は同じ構造であると判定する(ステップS236−7)。一方、ステップS236−6の判定の結果、割合がマッチング割合閾値以上でない場合(ステップS236−6;No)は、屋上領域判定部50は、新旧年度の屋上領域は異なる構造であると判定する(ステップS236−8)。以上の処理により、ステップS236における屋上の構造の判定処理が終了する。
【0154】
[プログラム]
また、本発明の実施の形態2におけるプログラムは、コンピュータに、図10に示すステップS210〜S260を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態2における異動検出支援装置と異動検出支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、画像入力部10、処理パラメータ入力部20、画像分割部30、屋上領域抽出部40、屋上領域判定部50、変化特徴算出部60、クラスタリング部70、及び判定部80として機能し、処理を行う。また、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、処理パラメータ記憶部21として機能する。
【0155】
[実施の形態2による効果]
以上のように、本実施の形態2によれば、特に、新年度及び旧年度の画像に、多数の建築物が写っている場合において、環境による明るさの変化の影響を受けることなく、異動の検出に対して適切な支援を行うことができる。
【0156】
(物理構成)
ここで、実施の形態1及び2におけるプログラムを実行することによって、異動検出支援装置を実現するコンピュータについて図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施の形態1及び2における異動検出支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0157】
図14に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0158】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0159】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。
【0160】
表示コントローラ115は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などのディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。
【0161】
通信インターフェイス117は、シリアル・インターフェイス又はLAN(Local Area Network)インターフェイスなどであり、例えば、無線送受信機、無線モデム、網終端装置等(図示せず)に接続される。そして、通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0162】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0163】
また、本実施の形態1及び2における異動検出支援装置は、上述のように、汎用のコンピュータにプログラムを導入することによって実現されていても良いし、本実施の形態で述べた処理を実現する回路が組み込まれたLSI(Large Scale Integration)などのハードウェア部品によって実現されていても良い。つまり、本実施の形態1及び2における異動検出装置は、電子回路で構成することもできる。
【0164】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態だけではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0165】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記2)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0166】
(付記1)
同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行うための装置であって、
前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、画像分割部と、
前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、変化特徴算出部と、
前記変化特徴算出部によって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、クラスタリング部と、
前記クラスタリング部によって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、判定部と、
を備えることを特徴とする異動検出支援装置。
【0167】
(付記2)
前記判定部は、前記クラスターのサイズを特定し、
特定した前記サイズが予め設定された閾値以上となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していないと判定し、特定した前記サイズが閾値未満となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していると判定する、
付記1に記載の異動検出支援装置。
【0168】
(付記3)
前記二つの画像が上空からの撮影によって得られている場合に、前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域のうち、建築物の屋上を表している領域を、屋上領域として抽出する、屋上領域抽出部と、
前記二つの画像間で、それぞれの前記屋上領域を互いに対比して、前記屋上領域において、前記古い撮影日時から前記新しい撮影日時までの間に変化した箇所が存在しているかどうかを判定する、屋上領域判定部と、を更に備え、
前記変化特徴算出部は、前記屋上領域判定部によって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域を対象として、前記特徴ベクトルを抽出し、更に、前記変化特徴ベクトルを算出し、
前記判定部は、前記クラスターに基づいて、前記屋上領域判定部によって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域について、前記変化が生じている可能性を判定する、
付記1または2に記載の異動検出支援装置。
【0169】
(付記4)
前記屋上領域抽出部は、前記画像分割部による分割によって得られた前記複数の領域のうち、面積が予め設定された上限値と下限値とで定義された範囲内にあり、形状が予め設定された条件を満たし、更に、色とテクスチャーとの分布が予め設定された条件を満たす、領域を、前記屋上領域として抽出する、
付記3に記載の異動検出支援装置。
【0170】
(付記5)
前記形状について予め設定された条件が、
当該領域の内部に穴が存在していないこと、
当該領域に外接する矩形の両辺の比が、それについて設定された閾値以下であること、
当該領域の面積と前記矩形の面積との割合が、それについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、付記4に記載の異動検出支援装置。
【0171】
(付記6)
前記色とテクスチャーの分布について予め設定された条件が、
当該領域内の色の均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
当該領域内のテクスチャーの均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、付記4に記載の異動検出支援装置。
【0172】
(付記7)
前記屋上領域判定部は、判定対象となる画像が、撮影日時の異なる2つの画像である場合に、撮影日時が新しい画像とそれよりも撮影日時が古い画像とを重なり範囲で互いに対比し、対比の結果、
一方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されているが、前記重なり範囲で他方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されていない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
更に、前記重なり範囲で前記新しい画像と前記古い画像との両方から前記屋上領域が抽出されている場合は、前記新しい画像の前記屋上領域の面積に対する、前記新しい画像と前記古い画像との前記屋上領域において重なっている部分の面積の割合が、設定された面積についての閾値よりも小さいかどうかを判定し、判定の結果、小さい場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
一方、小さくない場合は、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかを判定し、判定の結果、同一でない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定する、
付記4〜6のいずれかに記載の異動検出支援装置。
【0173】
(付記8)
前記屋上領域判定部は、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかの判定において、
判定対象となる、前記新しい画像の前記屋上領域及び前記古い画像の前記屋上領域それぞれについて、直線状の部分を抽出し、更に、それぞれから抽出された前記直線状の部分のうち、前記新しい画像と前記古い画像とにおいてマッチングしている前記直線状の部分の数を求め、次いで、求めた数の、一方の画像の前記屋上領域から抽出された前記直線状の部分の数に対する割合を求め、求めた割合が、設定された閾値より小さい場合に、構造的に同一でないと判定する、
付記7に記載の異動検出支援装置。
【0174】
(付記9)
同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行う方法であって、
(a)前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、ステップと、
(b)前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップによって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、ステップと、
(d)前記(c)のステップによって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、ステップと、
を有することを特徴とする異動検出支援方法。
【0175】
(付記10)
前記()のステップにおいて、前記クラスターのサイズを特定し、
特定した前記サイズが予め設定された閾値以上となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していないと判定し、
特定した前記サイズが閾値未満となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していると判定する、
付記9に記載の異動検出支援方法。
【0176】
(付記11)
(e)前記二つの画像が上空からの撮影によって得られている場合に、前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域のうち、建築物の屋上を表している領域を、屋上領域として抽出する、ステップと、
(f)前記二つの画像間で、それぞれの前記屋上領域を互いに対比して、前記屋上領域において、前記古い撮影日時から前記新しい撮影日時までの間に変化した箇所が存在しているかどうかを判定する、ステップと、を更に有し、
前記(b)のステップにおいて、前記(f)のステップによって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域を対象として、前記特徴ベクトルを抽出し、
更に、前記変化特徴ベクトルを算出し、
前記(d)のステップにおいて、前記クラスターに基づいて、前記(f)のステップによって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域について、前記変化が生じている可能性を判定する、
付記9または10に記載の異動検出支援方法。
【0177】
(付記12)
前記(e)のステップにおいて、前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域のうち、面積が予め設定された上限値と下限値とで定義された範囲内にあり、形状が予め設定された条件を満たし、更に、色とテクスチャーとの分布が予め設定された条件を満たす、領域を、前記屋上領域として抽出する、
付記11に記載の異動検出支援方法。
【0178】
(付記13)
前記形状について予め設定された条件が、
当該領域の内部に穴が存在していないこと、
当該領域に外接する矩形の両辺の比が、それについて設定された閾値以下であること、
当該領域の面積と前記矩形の面積との割合が、それについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、付記12に記載の異動検出支援方法。
【0179】
(付記14)
前記色とテクスチャーの分布について予め設定された条件が、
当該領域内の色の均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
当該領域内のテクスチャーの均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、付記12に記載の異動検出支援方法。
【0180】
(付記15)
前記(f)のステップにおいて、判定対象となる画像が、撮影日時の異なる2つの画像である場合に、撮影日時が新しい画像とそれよりも撮影日時が古い画像とを重なり範囲で互いに対比し、対比の結果、
一方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されているが、前記重なり範囲で他方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されていない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
更に、前記重なり範囲で前記新しい画像と前記古い画像との両方から前記屋上領域が抽出されている場合は、前記新しい画像の前記屋上領域の面積に対する、前記新しい画像と前記古い画像との前記屋上領域において重なっている部分の面積の割合が、設定された面積についての閾値よりも小さいかどうかを判定し、判定の結果、小さい場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
一方、小さくない場合は、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかを判定し、判定の結果、同一でない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定する、
付記12〜14のいずれかに記載の異動検出支援方法。
【0181】
(付記16)
前記(f)のステップにおいて、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかの判定において、
判定対象となる、前記新しい画像の前記屋上領域及び前記古い画像の前記屋上領域それぞれについて、直線状の部分を抽出し、更に、それぞれから抽出された前記直線状の部分のうち、前記新しい画像と前記古い画像とにおいてマッチングしている前記直線状の部分の数を求め、次いで、求めた数の、一方の画像の前記屋上領域から抽出された前記直線状の部分の数に対する割合を求め、求めた割合が、設定された閾値より小さい場合に、構造的に同一でないと判定する、
付記15に記載の異動検出支援方法。
【0182】
(付記17)
コンピュータによって、同一対象物についての撮影日時の異なる二つの画像を用いて、
古い撮影日時から新しい撮影日時までの間に変化した箇所を検出する際の、支援を行うためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記二つの画像それぞれのカラー情報及びテクスチャー情報に基づいて、前記二つの画像それぞれを複数の領域に分割する、ステップと、
(b)前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域それぞれ毎に、特徴ベクトルを抽出し、更に、前記二つの画像における互いに対応する前記領域間について、前記特徴ベクトルの相違を表す変化特徴ベクトルを算出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップによって算出された全ての変化特徴ベクトルに対して、クラスタリングを行い、それによってクラスターを生成する、ステップと、
(d)前記(c)のステップによって生成されたクラスターに基づいて、前記複数の領域それぞれについて、前記変化が生じている可能性を判定する、ステップと、
を実行させる、プログラム。
【0183】
(付記18)
前記()のステップにおいて、前記クラスターのサイズを特定し、
特定した前記サイズが予め設定された閾値以上となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していないと判定し、
特定した前記サイズが閾値未満となる場合は、前記サイズが特定されたクラスターに関連する前記領域は、前記変化が生じている可能性を有していると判定する、
付記17に記載のプログラム
【0184】
(付記19)
前記コンピュータに
(e)前記二つの画像が上空からの撮影によって得られている場合に、前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域のうち、建築物の屋上を表している領域を、屋上領域として抽出する、ステップと、
(f)前記二つの画像間で、それぞれの前記屋上領域を互いに対比して、前記屋上領域において、前記古い撮影日時から前記新しい撮影日時までの間に変化した箇所が存在しているかどうかを判定する、ステップと、を更に実行させ、
前記(b)のステップにおいて、前記(f)のステップによって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域を対象として、前記特徴ベクトルを抽出し、
更に、前記変化特徴ベクトルを算出し、
前記(d)のステップにおいて、前記クラスターに基づいて、前記(f)のステップによって前記変化した箇所が存在していると判定されなかった前記屋上領域について、前記変化が生じている可能性を判定する、
付記17または18に記載のプログラム
【0185】
(付記20)
前記(e)のステップにおいて、前記(a)のステップによる分割によって得られた前記複数の領域のうち、面積が予め設定された上限値と下限値とで定義された範囲内にあり、形状が予め設定された条件を満たし、更に、色とテクスチャーとの分布が予め設定された条件を満たす、領域を、前記屋上領域として抽出する、
付記19に記載のプログラム
【0186】
(付記21)
前記形状について予め設定された条件が、
当該領域の内部に穴が存在していないこと、
当該領域に外接する矩形の両辺の比が、それについて設定された閾値以下であること、
当該領域の面積と前記矩形の面積との割合が、それについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、付記20に記載のプログラム
【0187】
(付記22)
前記色とテクスチャーの分布について予め設定された条件が、
当該領域内の色の均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
当該領域内のテクスチャーの均一度がそれについて設定された閾値以上であること、
を含んでいる、付記20に記載のプログラム
【0188】
(付記23)
前記(f)のステップにおいて、判定対象となる画像が、撮影日時の異なる2つの画像である場合に、撮影日時が新しい画像とそれよりも撮影日時が古い画像とを重なり範囲で互いに対比し、対比の結果、
一方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されているが、前記重なり範囲で他方の前記画像からは前記屋上領域が抽出されていない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
更に、前記重なり範囲で前記新しい画像と前記古い画像との両方から前記屋上領域が抽出されている場合は、前記新しい画像の前記屋上領域の面積に対する、前記新しい画像と前記古い画像との前記屋上領域において重なっている部分の面積の割合が、設定された面積についての閾値よりも小さいかどうかを判定し、判定の結果、小さい場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定し、
一方、小さくない場合は、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかを判定し、判定の結果、同一でない場合は、前記屋上領域において、前記変化した箇所が存在していると判定する、
付記20〜22のいずれかに記載のプログラム
【0189】
(付記24)
前記(f)のステップにおいて、前記新しい画像の前記屋上領域に存在する建築物と、前記古い画像の前記屋上領域に存在する建築物とが、構造的に同一かどうかの判定において、
判定対象となる、前記新しい画像の前記屋上領域及び前記古い画像の前記屋上領域それぞれについて、直線状の部分を抽出し、更に、それぞれから抽出された前記直線状の部分のうち、前記新しい画像と前記古い画像とにおいてマッチングしている前記直線状の部分の数を求め、次いで、求めた数の、一方の画像の前記屋上領域から抽出された前記直線状の部分の数に対する割合を求め、求めた割合が、設定された閾値より小さい場合に、構造的に同一でないと判定する、
付記23に記載のプログラム
【0190】
この出願は、2014年3月31日に出願された日本出願特願2014−073546を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【産業上の利用可能性】
【0191】
以上のように、本発明によれば、判定対象となる各画像が異なる環境下で撮影されていた場合における、異動箇所の検出精度の向上に貢献することができる。本発明は、特に、撮影日時の異なる航空写真又は衛星写真の画像を用いて、異動箇所を検出することが求められる用途、例えば、地図の作成、固定資産税の算出等に有用である。
【符号の説明】
【0192】
10 画像入力部
20 処理パラメータ入力部
21 処理パラメータ記憶部
30 画像分割部
40 屋上領域抽出部
50 屋上領域判定部
60 変化特徴算出部
70 クラスタリング部
80 判定部
100 異動検出支援装置(実施の形態1)
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
200 異動検出支援装置(実施の形態2)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14