(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリティカル照明を用いた検査では、光源の輝度ムラ(シェーディング)を反映した照明光の輝度分布を補正するシェーディング補正を行う。検査用の検出器として、TDI(Time Delay Integration)検出器を用いた場合に、例えば、検査開始前の照明光の輝度分布をもとに、シェーディング補正量を決め、検出器の出力ごとに、シェーディング補正を行う。
【0005】
しかしながら、光源の輝度ムラは、時間の経過とともに変化し、それに伴って、照明光の輝度分布も、時間の経過とともに変化する。照明光の輝度分布が時間の経過とともに変化すると、検査開始前に取得したシェーディング補正量とズレが生じ、検査の精度を低下させてしまうことになる。輝度ムラとは輝度分布の形状変化に伴うものと、光源位置の変動に伴うものとが考えられる。
【0006】
図16は、照明光の輝度分布を例示した図であり、(a)〜(c)は、照明光の輝度分布が時間とともに変化しない場合を示し、(d)〜(f)は、照明光の輝度分布が時間とともに変化する場合を示す。
図16(a)、(b)及び(c)は、検出時間Tが、それぞれ、T0(t=0)、T1(t=Δt)及びT2(t=2・Δt)を示し、
図16(d)、(e)及び(f)は、検出時間Tが、それぞれ、T0(t=0)、T1(t=Δt)及びT2(t=2・Δt)を示す。
【0007】
図16の各図では、輝度を1〜5の5段階で示している。輝度が5の部分が最も高い輝度を示している。照明光の輝度分布を検出する検出器のスキャン方向は、
図16の各図の一方向、例えば、下方から上方へ向かう方向Dである。例えば、検出時間Tが、T0(t=0)、T1(t=Δt)及びT2(t=2・Δt)と経過すると、検出器が検査する検出位置Uは、方向Dに沿って移動する。例えば、中心を通り、方向Dに沿った直線上において、検出位置Uは、検出時間Tの経過にともなって、U0、U1、U2と変化する。
【0008】
図16(a)〜(c)に示すように、照明光の輝度分布が、時間T0(t=0)〜T2(t=2・Δt)に渡って変化しない場合には、検査開始前に取得したシェーディング補正量と、検出時間Tに検出される輝度分布との間にズレはない。検出位置U0〜U2において、検出器が検出する輝度は、1、5、1である。
【0009】
一方、
図16(d)〜(f)に示すように、照明光の輝度分布が、検出時間T0(t=0)〜T2(t=2・Δt)に渡って変化する場合には、検査開始前に取得したシェーディング補正量と、検出時間Tに検出される輝度分布との間にズレが生じる。検出位置U0〜U2において、検出器が検出する輝度は、1、3、5である。したがって、検査開始前の照明光の輝度分布をもとに、シェーディング補正量を決めていると、実際の検査時の輝度と異なり、検査の精度を低下させてしまうことになる。
【0010】
このように、光源の輝度ムラが時間とともに変化することによって、照明光の輝度分布が時間とともに変化する場合には、検出器の出力ごとに、シェーディング補正量を決定し、検出器の出力ごとに、決定したシェーディング補正量を用いて補正を行う必要がある。また、光源のパワーが時間とともに変化する場合にも、検出器の出力ごとに、補正を行う必要がある。
【0011】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、照明光の輝度分布の時間的変動を精度良く補正することができ、検査の精度を向上させることができる補正方法、補正装置及び検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る補正方法は、光源で生成された照明光によるクリティカル照明を用いて検査対象を照明し、前記照明光によって照明された前記検査対象からの光を集光し、集光した前記光を第1検出器により検出して前記検査対象の画像データを取得し、前記照明光の一部を集光し、集光した前記照明光を第2検出器により検出して前記照明光の輝度分布の画像データを取得し、前記輝度分布の画像データに基づいて、前記検査対象の画像データの補正を行う。このような構成により、照明光の輝度分布を精度良く補正することができる。
【0013】
また、前記第1検出器及び前記第2検出器に、TDIを含む検出器を用いる。第2検出器としてTDIを含む検出器を用いることにより、照明光の輝度分布の時間的変動に追随することができ、精度よく補正することができる。
【0014】
さらに、前記照明光の輝度分布の画像データを取得する際には、前記検査対象に対して前記照明光を入射させる落とし込みミラーと、前記照明光を収束光として前記落とし込みミラーに入射させる反射鏡と、の間の前記照明光の一部をカットミラーで取り出す。このような構成とすることにより、検査に用いる照明光への影響を抑制することができ、精度よく検査することができる。
【0015】
前記カットミラーが配置された位置における前記照明光の光軸に直交する断面の断面積において、前記一部の断面積を、前記一部以外の断面積よりも小さくする。このような構成とすることにより、検査に用いる照明光への影響を抑制することができ、精度よく検査することができる。
【0016】
また、前記輝度分布の画像データにおける倍率を、前記検査対象の画像データの倍率よりも低くする。このような構成とすることにより、輝度分布を検出する光量を大きくすることができ、照明光の輝度分布を精度良く補正することができる。
【0017】
さらに、前記検査対象の画像データの補正を行う際に、前記輝度分布の画像データに含まれる各ピクセル間のデータを補間し、前記輝度分布の画像データの解像度を、前記検査対象の画像データの前記解像度にそろえる。このような構成とすることにより、照明光の輝度分布を精度良く補正することができる。
【0018】
本発明の一態様に係る補正装置は、光源で生成された照明光によるクリティカル照明を用いて検査対象を照明する照明光学系と、前記照明光によって照明された前記検査対象からの光を集光し、集光した前記光を第1検出器により検出して前記検査対象の画像データを取得する検出光学系と、前記照明光の一部を集光し、集光した前記照明光を第2検出器により検出して前記照明光の輝度分布の画像データを取得するモニタ部と、前記輝度分布の画像データに基づいて、前記検査対象の画像データの補正を行う処理部と、を備える。このような構成とすることにより、照明光の輝度分布を精度良く補正することができ、検査の精度を向上させることができる。
【0019】
また、前記第1検出器及び前記第2検出器は、TDIを含む検出器である。このような構成とすることにより、光源の輝度分布の時間的変動に追随することができ、精度よく補正することができる。
【0020】
さらに、前記照明光学系は、前記検査対象に対して前記照明光を入射させる落とし込みミラーと、前記照明光を収束光として前記落とし込みミラーに入射させる反射鏡と、を有し、前記モニタ部は、前記反射鏡と、前記落とし込みミラーとの間の前記照明光の一部を取り出すカットミラーを有する。このような構成とすることにより、検査に用いる照明光への影響を抑制することができ、精度よく検査することができる。
【0021】
前記カットミラーが配置された位置における前記照明光の光軸に直交する断面の断面積において、前記一部の断面積は、前記一部以外の断面積よりも小さい。このような構成とすることにより、検査に用いる照明光への影響を抑制することができ、精度よく検査することができる。
【0022】
また、前記モニタ部が取得した前記輝度分布の画像データにおける倍率は、前記検出光学系が取得した前記検査対象の画像データの倍率よりも低い。このような構成とすることにより、輝度分布を検出する光量を大きくすることができ、照明光の輝度分布を精度良く補正することができる。
【0023】
さらに、前記処理部は、前記輝度分布の画像データに含まれる各ピクセル間のデータを補間し、前記輝度分布の画像データの解像度を、前記検査対象の画像データの前記解像度にそろえる。このような構成とすることにより、照明光の輝度分布を精度良く補正することができる。
【0024】
本発明の一態様に係る検査装置は、前記補正装置を備え、前記処理部は、前記補正を行った前記検査対象の画像データから前記検査対象の検査を行う。このような構成とすることにより、照明光の輝度分布を精度良く補正することができ、検査の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、照明光の輝度分布の時間的変動を精度良く補正することができ、検査の精度を向上させることができる補正方法、補正装置及び検査装置を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0028】
(実施形態1)
<検査装置の構成>
実施形態1に係る検査装置を説明する。まず、実施形態1に係る検査装置の構成を説明する。
図1は、実施形態1に係る検査装置1を例示した構成図である。検査装置1は、照明光学系10、検出光学系20、モニタ部30及び処理部40を備えている。照明光学系10は、光源11、楕円面鏡12、楕円面鏡13及び落とし込みミラー14を有している。検出光学系20は、穴開き凹面鏡21、凸面鏡22及び第1検出器23を有している。穴開き凹面鏡21及び凸面鏡22は、シュバルツシルト拡大光学系を構成している。モニタ部30は、カットミラー31、凹面鏡32及び第2検出器33を有している。検査装置1は、検査対象の欠陥等を検査する装置である。検査対象は、例えば、EUVマスク50である。なお、検査対象は、EUVマスク50に限らない。
【0029】
光源11は、照明光L11を生成する。照明光L11は、例えば、検査対象であるEUVマスク50の露光波長と同じ13.5nmのEUV光を含んでいる。光源11から生成された照明光L11は、楕円面鏡12で反射する。楕円面鏡12で反射した照明光L11は、絞られながら進み、集光点IF1で集光される。集光点IF1は、EUVマスク50の上面51と共役な位置に配置されている。
【0030】
照明光L11は、集光点IF1を通過後、拡がりながら進んで、楕円面鏡13等の反射鏡に入射する。楕円面鏡13に入射した照明光L11は、楕円面鏡13で反射し、絞られながら進んで、落とし込みミラー14に入射する。すなわち、楕円面鏡13は、照明光L11を収束光として落とし込みミラー14に入射させる。落とし込みミラー14は、EUVマスク50の真上に配置されている。落とし込みミラー14に入射して反射した照明光L11は、EUVマスク50に入射する。つまり、落とし込みミラー14は、EUVマスク50に対して照明光L11を入射させる。
【0031】
楕円面鏡13は、EUVマスク50に照明光L11を集光している。照明光L11がEUVマスク50を照明する際に、光源11の像を、EUVマスク50の上面51に結像させるように照明光学系10は設置されている。よって、照明光学系10は、クリティカル照明となっている。このように、照明光学系10は、光源11で生成された照明光L11によるクリティカル照明を用いて検査対象を照明する。
【0032】
EUVマスク50はステージ52の上に配置されている。ここで、EUVマスク50の上面51に平行な平面をXY平面とし、XY平面に垂直な方向をZ方向とする。照明光L11はZ方向から傾いた方向からEUVマスク50に入射する。すなわち、照明光L11は斜め入射して、EUVマスク50を照明する。
【0033】
ステージ52は、XYZ駆動ステージである。ステージ52をXY方向に移動することで、EUVマスク50の所望の領域を照明することができる。さらに、ステージ52をZ方向に移動することにより、フォーカス調整を行うことができる。
【0034】
光源11からの照明光L11は、EUVマスク50の検査領域を照明する。照明光L11によって照明される検査領域は、例えば、0.5mm角である。Z方向に対して傾いた方向から入射し、EUVマスク50で反射した反射光L12は、穴開き凹面鏡21に入射する。穴開き凹面鏡21の中心には、穴21aが設けられている。
【0035】
穴開き凹面鏡21で反射された反射光L12は、凸面鏡22に入射する。凸面鏡22は、穴開き凹面鏡21から入射した反射光L12を、穴開き凹面鏡21の穴21aに向けて反射する。穴21aを通過した反射光L12は、第1検出器23で検出される。第1検出器23は、TDI(Time Delay Integration)センサを含んだ検出器であり、検査対象であるEUVマスク50の画像データを取得する。第1検出器23は、一方向にライン状に並んだ複数の撮像素子を含んでいる。ライン状に並んだ複数の撮像素子で撮像したライン状の画像データを一次元画像データ、または、1フレームという。第1検出器23は、一方向に直交する方向にスキャンすることにより、複数の一次元画像データを取得する。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)である。なお、撮像素子は、CCDに限らない。
【0036】
このように、検出光学系20は、照明光L11によって照明された検査対象からの反射光L12を集光し、集光した反射光L12を第1検出器23により検出してEUVマスク50の画像データを取得する。画像データは、例えば、一次元画像データである。
【0037】
反射光L12には、EUVマスク50の欠陥等の情報が含まれている。Z方向に対して傾いた方向からEUVマスク50に入射した照明光L11の正反射光は、検出光学系20によって検出されている。EUVマスク50に欠陥が存在する場合には、暗い像として欠陥が観察される。このような観察方法を、明視野観察という。第1検出器23により取得されたEUVマスク50の複数の一次元画像データは、処理部40に出力され、二次元画像データに処理される。
【0038】
図2は、実施形態1に係る検査装置1において、モニタ部30を例示した構成図である。
図2において、凹面鏡32の近傍を拡大した図も示している。
図1及び
図2に示すように、モニタ部30のカットミラー31は、楕円面鏡13と、落とし込みミラー14との間に配置され、楕円面鏡13と、落とし込みミラー14との間の照明光L11の一部を取り出している。カットミラー31は、照明光L11のビームの一部をわずかに切り出すように反射させる。ビームの一部とは、例えば、ビームの上部である。
【0039】
カットミラー31が配置された位置における照明光L11の光軸15に直交する断面の断面積において、カットミラー31によって反射される一部の断面積は、一部以外の照明光L11の断面積よりも小さくなっている。
【0040】
例えば、カットミラー31が配置された位置における照明光L11の光軸15に直交する断面の断面積を100とすれば、一部の断面積は1程度となっている。光源11から取り出される照明光L11において、光軸15に直交する方向の取り出し角は、例えば、±7°である。EUVマスク50に対する照明光L11として用いられるのは、例えば、±6°の範囲である。モニタ部30で用いるために、照明光L11のビームの上部をわずか、例えば、1°の範囲をカットミラー31で取り出している。このように、ビームの上部をわずかに取り出しても、EUVマスク50上での照明光L11の光量はそれほど低下しない。よって、検査対象の精度の低下を抑制することができる。
【0041】
カットミラー31は、例えば、照明光学系10における瞳に近い位置に配置させる。照明光学系10における瞳に近い位置で、照明光L11をカットミラー31により取り出すことで、第1検出器23により取得された画像データと、第2検出器33により取得された画像データとの間の良好な相関をとることができる。第1検出器23に対する開口数(NA)と、第2検出器33に対するNAとが異なり、点拡がり関数(PSF)が異なっても、プラズマサイズがPSFサイズに比べて十分大きいので、NAの違いは本実施形態に影響しない。
【0042】
カットミラー31で反射させた照明光L11は、絞られながら進み、集光点IF2で集光する。その後、照明光L11は、拡がりながら凹面鏡32に入射する。
【0043】
凹面鏡32及び図示しない複数のミラーは、カットミラー31で取り出した照明光L11を拡大させる。集光点IF2と、凹面鏡32との間を距離G1、集光点IF2と、第2検出器33との間を距離G2とする。第2検出器33により取得される画像データを高倍率にすることもできる。ただし、高倍率(〜500)を得るためには、距離G2を非常に大きくする。例えば、距離G1を〜5mmとする場合には、距離G2〜2500mmとして、500倍の倍率とする。例えば、複数のミラーを用いて、500倍の倍率とすることができる。
【0044】
本実施形態では、モニタ部30が取得した輝度分布の画像データにおける倍率を、検出光学系20が取得した検査対象の画像データの倍率と同じ倍率としている。なお、実施形態2で説明するように、モニタ部30が取得した輝度分布の画像データにおける倍率を、検出光学系20が取得した検査対象の画像データの倍率よりも低くしてもよい。取出しに必要な立体角は、倍率の比の2乗である。例えば、第1検出器23の倍率を20倍とし、第2検出器33の倍率を2倍とすると、カットミラー31による取り出しに必要な立体角は、光源11からの取出しの立体角の1/100である。NAで換算すると1/10である。
【0045】
凹面鏡32に入射し、凹面鏡32で反射した照明光L11は、第2検出器33で検出される。第2検出器33は、TDI(Time Delay Integration)センサを含んだ検出器であり、照明光L11の輝度分布の画像データを取得する。第2検出器33は、一方向にライン状に並んだ複数の撮像素子を含んでいる。ライン状に並んだ複数の撮像素子で撮像したライン状の画像データを一次元画像データ、または、1フレームということは、第1検出器23と同様である。第2検出器33は、一方向に直交する方向にスキャンすることにより、複数の一次元画像データを取得する。第2検出器33によって取得された一次元画像データは、照明光L11のパワー変動及び輝度分布を示している。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)である。なお、撮像素子は、CCDに限らない。
【0046】
例えば、照明光L11の光源11の像を、第2検出器33に結像するように光学系を配置させる。これにより、モニタ部30は、照明光L11の一部を用いてクリティカル照明により第2検出器33を照射することで検出された照明光L11の輝度分布の画像データを取得する。よって、精度よく輝度分布及びパワー変動を補正することができる。
このように、モニタ部30は、照明光L11の一部を集光し、集光した照明光L11を第2検出器33により検出して照明光L11のパワー変動及び輝度分布の画像データを取得する。第2検出器33により取得された照明光L11のパワー変動及び輝度分布の画像データは、処理部40に出力される。
【0047】
処理部40は、検出光学系20及びモニタ部30と信号線または無線により接続されている。処理部40は、検出光学系20における第1検出器23から検査対象の画像データを受け取る。また、処理部40は、モニタ部30における第2検出器33から照明光L11のパワー変動及び輝度分布の画像データを受け取る。
【0048】
処理部40は、モニタ部30が取得したパワー変動及び輝度分布の画像データに基づいて、検出光学系20が取得したEUVマスク50の画像データの補正を行う。それとともに、処理部40は、補正を行ったEUVマスク50の画像データからEUVマスク50の検査を行う。補正を行った検査対象の画像データから、検査対象の検査を行うので、検査装置1は、補正装置を備えた検査装置1ということができる。
【0049】
次に、実施形態1に係る検査装置1の動作として、補正方法及び検査方法を説明する。検査装置1は、検査対象の画像データの補正を行うとともに、検査対象の検査を行う。
図3は、実施形態1に係る補正方法及び検査方法を例示したフローチャート図である。
図3のステップS11に示すように、まず、クリティカル照明を用いて、検査対象を照明する。具体的には、光源11で生成された照明光L11でEUVマスク50を照明する場合に、クリティカル照明となるように、照明光学系10を配置させる。そして、EUVマスク50を照明光L11で照明する。
【0050】
次に、
図3のステップS12に示すように、輝度積算値よりパワー変動を取得する。具体的には、処理部40は、第2検出器33により取得した1フレームにおける照明光L11の輝度を積算し、積算値より、照明光L11のパワー変動を取得する。
【0051】
図4〜
図7は、実施形態1に係る検査装置1において、第1検出器23及び第2検出器33により取得された画像データを例示した図であり、(a)は、第1検出器23により取得された検査対象上の輝度分布の画像データを例示した図であり、(b)は、第2検出器33により取得された照明光L11の輝度分布の画像データを示す。
【0052】
図4〜
図7は、検出時間Tがそれぞれ、T0(t=0)、T1(t=Δt)、T2(t=2Δt)及びT3(t=3Δt)のときの画像を示している。
図4〜
図7では、輝度を1〜5の5段階で示している。輝度が5の部分が最も高い輝度を示している。第1検出器23及び第2検出器33のスキャン方向は、下方から上方へ向かう方向Dである。
【0053】
図4(a)及び(b)に示すように、検出時間T0(t=0)のときに、検査対象上の輝度分布の画像データは、例えば、中心に近づくほど強度が大きい同心円状の画像となっている。
図4(b)に示すように、処理部40は、第2検出器33により取得した輝度分布の画像データの1フレームをもとに、照明光L11の輝度の積算値P2(t=0)を算出する。例えば、処理部40は、積算時間をΔt
exposureとすると、時刻tが、−Δt
exposure≦t≦0における第2検出器33が検出した1フレームの輝度を積算して積算値P2(t=0)を算出する。積算値P2(t=0)を以下の(1)式で示す。
【0055】
時刻tが、ti−Δt
exposure≦t≦tiにおける第2検出器33が検出した1フレームの輝度を積算して、検出時間Ti(t=ti)のときの積算値P2(t=ti)を算出する。積算値P2(t=ti)を以下の(2)式で示す。
【0056】
P2(ti)=P2(t=ti) (2)
【0057】
積算値P2(ti)の変動は、照明光L11のパワーの変動を示している。このようにして、処理部40は、照明光L11のパワー変動を取得する。取得された画像データは処理部40に対して出力される。
【0058】
次に、
図3のステップS13に示すように、検査対象の画像データ及び照明光L11の輝度分布の画像データを取得する。
【0059】
図5(a)及び(b)に示すように、検出時間T1(t=Δt)において、照明光L11の輝度分布は、例えば、検出時間T0と同じように、同心円状の分布となっている。第1検出器23の検出位置U11及び第2検出器33の検出位置U21は、同心円の中心を通りY軸方向に延びた直線K上の−Y軸方向側の所定の位置となっている。検出位置U11及び検出位置U21の輝度は、ともに1となっている。
【0060】
図6(a)及び(b)に示すように、検出時間T2(t=2・Δt)において、照明光L11の輝度分布は、例えば、中心が+Y軸方向側に偏った分布となっている。第1検出器23の検出位置U12及び第2検出器33の検出位置U22は、直線Kの中心近傍に移動している。検出位置U12及び検出位置U22の輝度は、ともに3となっている。
【0061】
図7(a)及び(b)に示すように、検出時間T3(t=3・Δt)において、照明光L11の輝度分布は、例えば、中心が+X軸方向と+Y軸方向との間の方向に偏った分布となっている。第1検出器23の検出位置U13及び第2検出器33の検出位置U23は、直線K上の+Y軸方向に移動している。検出位置U13及び検出位置U23の輝度は、ともに1となっている。
【0062】
次に、
図3のステップS14に示すように、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の画像データを補正する。具体的には、処理部40は、第1検出器23により取得された検査対象の各検出時間における一次元画像データの各ピクセルに対して、照明光L11のパワー変動及び輝度分布を含んだシェーディング補正を行う。シェーディング補正は、第1検出器23により取得された画像データの各ピクセルの輝度I1(xi、ti)を以下の(3)式を用いて補正する。
【0063】
I1’(xi、ti)=I1(xi、ti)・{P2(0)/P2(ti)}
・{I2ave(ti)/I2(xi、ti)} (3)
【0064】
ここで、I1’(xi、ti)は、第1検出器23により取得された画像データにおける補正後の輝度を示す。I1(xi、ti)は、時刻tiに出力される位置xiでのピクセルにおける輝度を示す。I2ave(t)は、時刻tiにおける第2検出器33により取得された輝度分布の平均値を示す。I2(xi、ti)は、時刻tiに出力される位置xiでのピクセルにおける第2検出器33により取得された画像データの輝度を示す。
【0065】
すなわち、処理部40は、欠陥を検出するための第1検出器23及びシェーディング補正用の第2検出器33を常時別にモニタし、第1検出器23及び第2検出器33の出力毎に、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の一次元画像データを補正する。このように、処理部40は、パワー変動及び輝度分布の補正を同時に行っている。
【0066】
このようにして、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の各一次元画像データを補正する。フレームが複数ある場合には、すべてのフレームに対して、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の画像データを補正する。本実施形態の検査装置1は、検査対象の画像データを補正することから、補正装置を備えているということもできる。
【0067】
次に、
図3のステップS15に示すように、補正された検査対象の画像データから検査対象を検査する。具体的には、照明光L11が検査対象のEUVマスク50により反射した反射光L12を第1検出器23が検出する。そして、第1検出器23が取得した一次元画像データは、上述のようにシェーディング補正される。補正された一次元画像データを合成することによって、検査対象の二次元画像データが取得される。二次元画像データは、検査対象に含まれた欠陥等の情報を含んでいる。例えば、明視野観察においては、欠陥等は像として検出される。このようにして、検査対象を検査することができる。
【0068】
次に、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態の検査装置1では、照明光L11の輝度分布をモニタし、モニタした輝度分布に基づいて、検査対象の画像を補正している。よって、照明光のパワー変動及び輝度分布を精度良く補正することができ、検査の精度を向上させることができる。
【0069】
また、検査装置1では、第2検出器33としてTDIを用いている。よって、第1検出器23と同じ動作速度で第2検出器33を動作させることができる。これにより、数10kHz以上の高速で取得される検査対象の画像データに対して、リアルタイムで照明光L11の輝度分布を補正することができる。よって、検査対象の画像を精度よくリアルタイムで補正することができる。
【0070】
仮に、第2検出器33を二次元センサとした場合には、二次元センサの1フレーム速度は10kHzに達しない。よって、輝度分布の変化が速い場合には、二次元センサは、その変化に追随できない。しかしながら、本実施形態のように、第2検出器33をTDIとした場合には、TDIは、数10kHz以上の高速で動作させることができるので、輝度分布の変化に追随させることができる。
【0071】
さらに、光源の輝度分布をモニタするために、照明光L11の一部を取り出し、残りを検査対象の検査に用いている。よって、第2検出器33による輝度分布の画像データの取得を、第1検出器23による検査対象の画像データの取得に同期させることができる。また、カットミラー31が配置された位置における照明光L11の光軸15に直交する断面の断面積において、取り出される一部の断面積を、一部以外の断面積よりも小さくしている。よって、検査対象の検査に用いる照明光L11への影響を抑制することができ、精度よく検査することができる。
【0072】
(実施形態2)
次に、実施形態2を説明する。本実施形態の検査装置2では、モニタ部30が取得した輝度分布の画像データにおける倍率を、検出光学系20が取得した検査対象の画像データの倍率よりも低くする。実施形態2に係る検査装置2の構成は、実施形態1と同様であるので説明を省略し、検査装置2の動作を説明する。
図3のステップS11におけるクリティカル照明を用いて、検査対象を照明することは、実施形態1の検査装置1と同様である。次に、
図3のステップS12に示すように、輝度積算値よりパワー変動を取得する。
【0073】
図8〜
図11は、実施形態2に係る検査装置2において、第1検出器23及び第2検出器33により取得された画像データを例示した図であり、(a)は、第1検出器23により取得された検査対象上の輝度分布の画像データを例示した図であり、(b)は、第2検出器33により取得された照明光L11の輝度分布の画像データを示す。
【0074】
図8〜
図11は、検出時間Tがそれぞれ、T0(t=0)、T1(t=Δt)、T2(t=2Δt)及びT3(t=3Δt)のときの画像を示している。
【0075】
図8(b)に示すように、照明光L11の輝度分布の画像データにおける倍率は、
図8(a)に示すように、検査対象上の輝度分布の画像データにおける倍率よりも小さくなっている。そこで、第2検出器33が方向Dにスキャンさせる場合の速度(ラインレート)を、第1検出器23が方向Dにスキャンさせる場合のラインレートよりも倍率に対応させて遅くする。例えば、第1検出器23の倍率が100倍であり、ラインレートが200kHzであるとする。そして、第2検出器33の倍率を10倍とした場合には、ラインレートを20kHzとする。またピクセル数は倍率の比に反比例して小さくする。例えば検出器23のピクセルレイアウトが1000×1000の場合、倍率の比が10であれば、検出器23のピクセルレイアウトは100×100とする。これにより、第2検出器33における輝度分布の画像データの取得を、第1検出器23における検査対象の画像データの取得に同期させることができる。
【0076】
また、第2検出器33が取得した画像データの倍率は、第1検出器23が取得した画像データの倍率よりも小さくなっているので、光量を小さくしても画像データの取得に十分な光量とすることができる。すなわち、カットミラー31が配置された位置における照明光L11の光軸15に直交する断面の断面積において、カットミラー31で取り出された照明光L11の一部の断面積を、一部以外の断面積よりも小さくしても、輝度分布の画像データの取得が可能な光量を確保することができる。よって、精度よく輝度分布を補正することができる。
【0077】
図8(a)及び(b)に示すように、検出時間T0(t=0)のときに、検査対象上の輝度分布の画像データは、例えば、中心に近づくほど強度が大きい同心円状の画像となっている。
図8(b)に示すように、処理部40は、第2検出器33により取得した輝度分布の画像データの1フレームをもとに、照明光L11の輝度の積算値P2(t=0)を算出する。例えば、処理部40は、積算時間をΔt
exposureとすると、時刻tが、−Δt
exposure≦t≦0における第2検出器33が検出した1フレームの輝度を積算して積算値P2(t=0)を算出する。積算値P2(t=0)を、実施形態1と同様に、上記(1)式で示す。
【0078】
検出時間Ti(t=ti)のときの積算値P2(t=ti)を、実施形態1と同様に、上記(2)式で示す。
【0079】
積算値P2(ti)の変動は、照明光L11のパワーの変動を示している。このようにして、処理部40は、照明光L11のパワー変動を取得する。取得された画像データは処理部40に対して出力される。
【0080】
次に、
図3のステップS13に示すように、検査対象の画像データ及び照明光L11の輝度分布の画像データを取得する。
【0081】
図9(a)及び(b)に示すように、検出時間T1(t=Δt)において、照明光L11の輝度分布は、例えば、検出時間T0と同じように、同心円状の分布となっている。第1検出器23の検出位置U11及び第2検出器33の検出位置U21は、同心円の中心を通りY軸方向に延びた直線K上の−Y軸方向側の所定の位置となっている。検出位置U11及び検出位置U21の輝度は、ともに1となっている。
【0082】
図10(a)及び(b)に示すように、検出時間T2(t=2・Δt)において、照明光L11の輝度分布は、例えば、中心が+Y軸方向側に偏った分布となっている。第1検出器23の検出位置U12及び第2検出器33の検出位置U22は、直線Kの中心近傍に移動している。検出位置U12及び検出位置U22の輝度は、ともに3となっている。
【0083】
図11(a)及び(b)に示すように、検出時間T3(t=3・Δt)において、照明光L11の輝度分布は、例えば、中心が+X軸方向と+Y軸方向との間の方向に偏った分布となっている。第1検出器23の検出位置U13及び第2検出器33の検出位置U23は、直線K上の+Y軸方向に移動している。検出位置U13及び検出位置U23の輝度は、ともに1となっている。
【0084】
第1検出器23に含まれる撮像素子数と、第2検出器33に含まれる撮像素子数とは、例えば、同等となっている。しかしながら、実施形態2では、第1検出器23によって取得された画像データを構成するピクセル数は、第2検出器33によって取得された画像データを構成するピクセル数よりも大きくなっている。そこで、第2検出器33により取得された画像データの各ピクセルの間のデータは、補間される。
【0085】
図12は、実施形態2に係る検査装置2において、第2検出器33により取得された画像データのピクセル間の補間を例示したグラフであり、横軸は、ピクセル間の位置を示し、縦軸は、輝度を示す。
【0086】
なお、ピクセル間の補間処理は、スキャン方向に対して垂直方向(X軸方向)及びスキャンに対して水平方向(Y軸方向)について行うが、以下では、X軸方向の補間を説明する。Y軸方向の補間処理も同様に行う。
【0087】
図12に示すように、第2検出器33により取得された画像データにおけるピクセル間の距離(1ピクセルの大きさ)をΔXとする。ある時刻tiに出力される位置Xiでの第2検出器33の輝度I2(Xi、ti)と、位置Xi+ΔXでの輝度I2(Xi+ΔX、ti)との間について、距離に応じた重みづけを含んだピクセル補間を行う方法を示す。例えば、位置Xi+0.3ΔXにおいての輝度を、以下の(4)式とする。
【0088】
I2(Xi+0.3ΔX、ti)=I2(Xi、ti)・(ΔX−0.3ΔX)/ΔX
+I2(Xi+ΔX、ti)・0.3ΔX/ΔX
(4)
【0089】
時刻tiでの輝度I2が、以下の(5)式及び(6)を満たす場合には、(7)式を満たす。
【0091】
I2(Xi+ΔX、ti)=0.8 (6)
【0092】
I2(Xi+0.3ΔX、ti)=0.94 (7)
【0093】
このようにして、
図12に示すように、処理部40は、検査対象の画像データの補正を行う際に、輝度分布の画像データに含まれる位置Xiと、位置Xi+ΔXとの間のピクセル間のデータを補間することができる。これにより、輝度分布の画像データの解像度を、検査対象の画像データの解像度にそろえることができる。なお、データの補間は、パワー変動及び輝度分布による補正時に同時に行ってもよいし、二次元画像データへの合成時に行ってもよい。
【0094】
次に、
図3のステップS14に示すように、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の画像データを補正する。具体的には、処理部40は、第1検出器23により取得された検査対象の各検出時間における画像データの各ピクセルに対して、照明光L11のパワー変動及び輝度分布を含んだシェーディング補正を行う。
【0095】
シェーディング補正は、まず、第1検出器23により取得された画像データの各ピクセルの輝度I1(xi、ti)を以下の(8)式を用いて補正する。
【0096】
I1’(xi、ti)=I1(xi、ti)・{P2(0)/P2(ti)}
・{I2ave(ti)/I2(xi、ti)} (8)
【0097】
ここで、I1’(xi、ti)は、第1検出器23により取得された画像データにおける補正後の輝度を示す。I1(xi、ti)は、時刻tiに出力される位置xiでのピクセルにおける輝度を示す。I2ave(t)は、時刻tiにおける第2検出器33により取得された輝度分布の平均値を示す。I2(xi、ti)は、時刻tiに出力される位置xiでのピクセルにおける第2検出器33により取得された画像データの輝度を示す。なお、位置xiは、位置Xi及び位置Xi+ΔXとの間を補間した位置を含んでいる。
【0098】
このようにして、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の一次元画像データを補正する。フレームが複数ある場合には、すべてのフレームに対して、照明光L11のパワー変動及び輝度分布に基づいて、検査対象の画像データを補正する。このように、本実施形態の検査装置2は、検査対象の画像データを補正することから、補正装置を備えているということもできる。
【0099】
次に、
図3のステップS15に示すように、補正された検査対象の画像データから検査対象を検査する。具体的には、照明光L11が検査対象のEUVマスク50により反射した反射光L12を検出することによって、検査対象の二次元画像データを取得する。二次元画像データは、第2検出器33が取得した輝度分布及びパワー変動に基づいて、第1検出器23が取得した一次元画像データを補正し、補正された一次元画像データをスキャン方向に並べたものである。二次元画像データは、検査対象に含まれた欠陥等の情報を含んでいる。例えば、明視野観察においては、欠陥等は像として検出される。このようにして、検査対象を検査することができる。
【0100】
次に、本実施形態の効果を説明する。
モニタ部30が取得した画像データにおける倍率を、検出光学系20が取得した画像データの倍率よりも低くしている。これにより、第2検出器33が検出に用いる光量を大きくすることができ、照明光L11の輝度分布を精度良く補正することができる。
【0101】
また、輝度分布の画像データに含まれる各ピクセル間のデータを補間している。これにより、輝度分布の画像データの解像度を、検査対象の画像データの解像度にそろえることができ、光源の輝度分布を精度良く補正することができる。これ以外の効果は、実施形態1と同様である。
【0102】
(変形例1)
次に、変形例1〜3を説明する。変形例1〜3は、検出光学系20を変形させた例である。実施形態2の変形例として、変形例1〜3を説明するが、第1検出器23及び第2検出器33の倍率を同程度とした実施形態1の変形例としてもよい。
図13は、実施形態2の変形例1に係る検査装置を例示した構成図である。
図13に示すように、変形例1に係る検査装置2aは、実施形態2の検査装置2に比べて、照明光L11の入射角度を変えている。すなわち、落とし込みミラー14は、EUVマスク50に対して、垂直に照明光L11を入射させている。EUVマスク50により反射された照明光L11の正反射光は、第1検出器23によって検出されない。
【0103】
一方、EUVマスク50に欠陥等が存在する場合には、照明光L11は、欠陥等により散乱し、散乱光L13となる。EUVマスク50からの散乱光L13が、穴開き凹面鏡21に入射し、第1検出器23によって検出される。よって、欠陥が存在しない場合には暗い像になるので、暗視野観察という。このように、変形例1においては、照明光L11によって照明された検査対象からの散乱光L13を集光し、集光した散乱光L13を第1検出器23により検出して検査対象の画像データを取得する。このような構成により、検査対象に存在する欠陥等を検査することができる。その他の構成及び効果は、実施形態1及び2と同様である。
【0104】
(変形例2)
次に、実施形態2の変形例2を説明する。
図14は、実施形態2の変形例2に係る検査装置を例示した構成図である。
図14に示すように、変形例2に係る検査装置2bは、実施形態2の検査装置2に比べて、凹面鏡24及び平面鏡25を有している。これにより、検査装置2よりも数倍〜数十倍の高倍率とすることができる。よって、欠陥等の形状を高精度に検査することができる。実施形態2の検査装置2または変形例1の検査装置2aで、検査対象に存在する欠陥の位置を特定した上で、変形例2の検査装置2bで、欠陥の形状を検査する。よって、検査に要する時間を短縮することができるとともに高精度に検査することができる。その他の構成及び効果は、実施形態1及び2と同様である。
【0105】
(変形例3)
次に、実施形態の変形例3を説明する。
図15は、実施形態の変形例3に係る検査装置を例示した構成図である。
図15に示すように、変形例3に係る検査装置2cは、変形例1の検査装置2aに、凹面鏡24及び平面鏡25を付加した構成となっている。これにより、検査装置2aよりも数倍〜数十倍の高倍率とすることができ、欠陥等の形状を検査することができる。よって、検査に要する時間を短縮することができるとともに高精度に検査することができる。その他の構成及び効果は、実施形態と同様である。
【0106】
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、上記の構成に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
【解決手段】実施形態に係る補正方法は、光源11で生成された照明光L11によるクリティカル照明を用いて検査対象を照明し、照明光L11によって照明された検査対象からの光を集光し、集光した光を第1検出器23により検出して検査対象の画像データを取得し、照明光L11の一部を集光し、集光した照明光L11を第2検出器33により検出して照明光L11の輝度分布の画像データを取得し、輝度分布の画像データに基づいて、検査対象の画像データの補正を行う。