(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
走行機体に連結機構により取付枠を連結し、該取付枠に機枠を枢着機構により水平旋回自在に設け、該機枠に穿入ビームを進行方向に揺振動作自在に縦設し、該穿入ビームの下部に暗渠を形成可能な弾丸体を配設し、該穿入ビームを揺振動作させる揺振機構を設け、該機枠に該穿入ビームにより圃場土中の上下方向に延びて形成される穿入跡溝の側面を拡張して地表面に開口する縦口路を形成可能な拡張部材を配設し、該拡張部材を強制拡張動作させる拡張機構を設けてなり、上記機枠に圃場の土を掬い取って側方に排出して縦口路形成位置に掘取溝を形成可能なすき部材を設けてなり、上記枢着機構として、上記取付枠の進行方向後部と上記機枠の進行方向前部とを旋回軸により連結して旋回軸を中心として機枠を取付枠に水平旋回自在に連結し、かつ、走行機体の動力取出軸から上記揺振機構及び上記拡張機構への動力伝導経路途中に上記枢着機構の該旋回軸及び複数個の歯車を含む駆動伝達機構を配設し、上記走行機体を舵取運転して走行機体の進行方向を折曲変向しても上記機枠は上記枢着機構の旋回軸及び該旋回軸を含む駆動伝達機構により水平旋回しながら走行機体に牽引されて上記穿入ビーム及び上記拡張部材により連続的に縦口路を形成すると共に上記弾丸体により暗渠を連続して形成するように構成したことを特徴とする暗渠形成装置。
上記機枠に圃場面に散在する藁屑等の圃場散在物を側方に排出可能な前処理部材を上記穿入ビームの進行方向前方位置に設けてなることを特徴とする請求項1記載の暗渠形成装置。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の暗渠形成装置として、走行機体に連結機構により取付枠を連結し、該取付枠に機枠を枢着機構により水平旋回自在に設け、該機枠に穿入ビームを進行方向に揺振動作自在に縦設し、該穿入ビームの下部に暗渠を形成可能な弾丸体を配設し、該穿入ビームを揺振動作させる揺振機構を設け、該機枠に該穿入ビームにより圃場土中の上下方向に延びて形成される穿入跡溝の側面を拡張して地表面に開口する縦口路を形成可能な拡張部材を配設し、該拡張部材を強制拡張動作させる拡張機構を設けてなる構造のものが知られている。
【0003】
しかして、水田等の圃場においては、表層の耕耘層、その下層の耕盤層、さらに下層の芯土層からなり、この耕耘層、耕盤層及び芯土層に穿入ビームを穿入進行させ、耕盤層を破って穿入跡溝を形成し、その下の芯土層に弾丸体により暗渠を開穴形成すると共に拡張部材により穿入跡溝の側面を拡張して地表面に開口する縦口路を形成し、これにより圃場面の水は穿入跡溝及び縦口路の開口から暗渠に至ることになり、縦口路及び暗渠により圃場の排水性及び通気性を良化すると共に水稲等の根の深部への生育を良化することになる。
【0004】
又、この場合、上記穿入ビーム及び拡張部材により暗渠及び縦口路の形成作業を行うに際し、走行機体を舵取運転して走行機体の進行方向を折曲変向しても、機枠は枢着機構により水平旋回しながら走行機体に牽引され、したがって、圃場面の内周角部近接位置においても、走行機体を停止したり、停止状態において、取付枠及び機枠を上昇させたり、下降動作させたりすることがなくなり、走行機体を連続的に回り走行して連続的に形成作業を行うことになり、それだけ、作業能率を向上することになると共に暗渠及び穿入跡溝は連続的に形成され、圃場の排水性及び通気性を良化することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来構造の場合、上記穿入跡溝及び上記縦口路は圃場の地表面に比較的小さな断面積のままに開口形成されているから、穿入跡溝及び縦口路の地表面の開口が圃場表面の泥土により閉塞されることがあり、圃場の地表面から暗渠までの距離が比較的長いこともあって、圃場の排水性及び通気性を低下させることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、走行機体に連結機構により取付枠を連結し、該取付枠に機枠を枢着機構により水平旋回自在に設け、該機枠に穿入ビームを進行方向に揺振動作自在に縦設し、該穿入ビームの下部に暗渠を形成可能な弾丸体を配設し、該穿入ビームを揺振動作させる揺振機構を設け、該機枠に該穿入ビームにより圃場土中の上下方向に延びて形成される穿入跡溝の側面を拡張して地表面に開口する縦口路を形成可能な拡張部材を配設し、該拡張部材を強制拡張動作させる拡張機構を設けてなり、上記機枠に圃場の土を掬い取って側方に排出して縦口路形成位置に掘取溝を形成可能なすき部材を設けて
なり、上記枢着機構として、上記取付枠の進行方向後部と上記機枠の進行方向前部とを旋回軸により連結して旋回軸を中心として機枠を取付枠に水平旋回自在に連結し、かつ、走行機体の動力取出軸から上記揺振機構及び上記拡張機構への動力伝導経路途中に上記枢着機構の該旋回軸及び複数個の歯車を含む駆動伝達機構を配設し、上記走行機体を舵取運転して走行機体の進行方向を折曲変向しても上記機枠は上記枢着機構の旋回軸及び該旋回軸を含む駆動伝達機構により水平旋回しながら走行機体に牽引されて上記穿入ビーム及び上記拡張部材により連続的に縦口路を形成すると共に上記弾丸体により暗渠を連続して形成するように構成したことを特徴とする暗渠形成装置にある。
【0008】
又、請求項2記載の発明は、上記機枠に圃場面に散在する藁屑等の圃場散在物を側方に排出可能な前処理部材を上記穿入ビームの進行方向前方位置に設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項3記載の発明は、上記すき部材の進行方向前方位置に上記圃場面に側条溝を溝切可能な側溝切体を設けてなることを特徴とするものである。
【0009】
又、請求項4記載の発明は、上記すき部材を作業位置と退避位置とに姿勢変更可能な退避機構を設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項5記載の発明は、上記穿入ビームの進行方向前方位置に上記圃場面に予条溝を溝切可能な予溝切体を設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
又、請求項6記載の発明は、上記機枠に上記暗渠の形成高さを設定可能な転輪体を高低調節自在に設けてなることを特徴とするものであり、又、請求項7記載の発明は、上記すき部材の横振れを抑制可能な安定部材を設けてなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、走行機体に連結機構により取付枠を連結し、取付枠に機枠を枢着機構により水平旋回自在に設け、機枠に穿入ビームを進行方向に揺振動作自在に縦設し、穿入ビームの下部に暗渠を形成可能な弾丸体を配設し、穿入ビームを揺振動作させる揺振機構を設け、機枠に穿入ビームにより圃場土中の上下方向に延びて形成される穿入跡溝の側面を拡張して地表面に開口する縦口路を形成可能な拡張部材を配設し、拡張部材を強制拡張動作させる拡張機構を設けてなるから、走行機体の進行に伴い穿入ビームは進行方向に揺振動作しつつ圃場土中に穿入して穿入跡溝を形成すると共に弾丸体により暗渠を連続して形成し、上記穿入ビームの進行方向後方位置に配置された拡張部材は拡張機構により拡張動作し、穿入ビームにより圃場土中の上下方向に延びて形成される穿入跡溝を拡張して地表面に開口する縦溝状の縦口路を形成することになり、かつ、
上記枢着機構として、上記取付枠の進行方向後部と上記機枠の進行方向前部とを旋回軸により連結して旋回軸を中心として機枠を取付枠に水平旋回自在に連結し、さらに、走行機体の動力取出軸から上記揺振機構及び上記拡張機構への動力伝導経路途中に上記枢着機構の該旋回軸及び複数個の歯車を含む駆動伝達機構を配設しているから、上記走行機体を舵取運転して走行機体の進行方向を折曲変向しても上記機枠は上記枢着機構の旋回軸及び該旋回軸を含む駆動伝達機構により水平旋回しながら走行機体に牽引されて上記穿入ビーム及び上記拡張部材により連続的に縦口路を形成すると共に上記弾丸体により暗渠を連続して形成することができ、したがって、圃場面の内周角部近接位置においても、走行機体を停止したり、停止状態において、取付枠及び機枠を上昇させたり、下降動作させたりすることがなくなり、走行機体を連続的に回り走行して連続的に形成作業を行うことになり、この際、上記機枠に圃場の土を掬い取って側方に排出して縦口路形成位置に掘取溝を形成可能なすき部材を設けているから、走行機体の進行に伴いすき部材の下部は圃場の土を掬い取って側方に排出して縦口路形成位置に掘取溝を形成することになり、穿入跡溝及び縦口路が掘取溝内に開口することにより穿入跡溝及び縦口路の開口が圃場表面の泥土により閉塞されることを抑制することができ、圃場表面の水は掘取溝を介して穿入跡溝及び縦口路の開口から暗渠に至ることになり、圃場の地表面から暗渠までの距離も短くなり、それだけ、圃場の排水性及び通気性を良好に保持することができ、水はけの良化、水管理、田面の乾田化、微生物繁殖の活性化、水稲等の根の深部への生育を良化することができる。
【0012】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記機枠に圃場面に散在する藁屑等の圃場散在物を側方に排出可能な前処理部材を上記穿入ビームの進行方向前方位置に設けてなるから、圃場面に散在する藁屑、株等の圃場散在物を前処理部材により側方に排出することができ、穿入ビームによる穿入跡溝の形成抵抗を軽減することができ、穿入跡溝の形成作業性を向上することができ、又、請求項3記載の発明にあっては、上記すき部材の進行方向前方位置に上記圃場面に側条溝を溝切可能な側溝切体を設けてなるから、側溝切体は連れ回り回転しつつ進行してすき部材の進行方向前方位置の圃場面に側条溝を切ることになり、先ず、側溝切体で側条溝を溝切りし、すき部材が溝切りされた側条溝の土を掬い取って側方に排出することになり、すき部材による溝掘抵抗を軽減することができると共に走行機体の牽引力増加を抑制することができ、溝掘作業性を向上することができる。
【0013】
又、請求項4記載の発明にあっては、上記すき部材を作業位置と退避位置とに姿勢変更可能な退避機構を設けてなるから、不使用時や移動時において、すき部材を作業位置から退避位置に退避させることができ、溝掘作業性を向上することができ、又、請求項5記載の発明にあっては、上記穿入ビームの進行方向前方位置に上記圃場面に予条溝を溝切可能な予溝切体を設けてなるから、予溝切体は連れ回り回転しつつ進行して圃場面に予条溝を切り、予条溝の後から穿入ビームが進行方向に揺振動作しつつ穿入して穿入跡溝を形成するから、穿入跡溝の形成抵抗を低減することができ、穿入跡溝の形成作業性を向上することができる。
【0014】
又、請求項6記載の発明にあっては、上記機枠に上記暗渠の形成高さを設定可能な転輪体を高低調節自在に設けてなるから、機枠の安定走行及び暗渠の表面からの形成高さの設定を図ることができ、又、請求項7記載の発明にあっては、上記すき部材の横振れを抑制可能な安定部材を設けてなるから、安定部材によりすき部材の横振れを抑えることができ、溝掘作業を良好に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1乃至
図17の第一形態例において、1は走行機体であって、この場合、トラクタが用いられ、走行機体1の後部に三点リンク式の連結機構2により取付枠3が上下動可能に連結され、取付枠3に機枠4が枢着機構5により水平旋回自在に連結されている。
【0018】
この場合、
図1、
図2、
図3の如く、上記連結機構2は、上記走行機体1の後部に左右の下部リンク2a・2a、上部リンク2b、吊上リンク2c・2c及び油圧アーム2d・2dからなる三点リンク機構が設けられ、この三点リンク機構により走行機体1に取付枠3を連結し、この場合、取付枠3は下部杆3a及び下部杆3aの中央に立設された中央杆3bからなる略逆T状に形成され、中央杆3bの上部に上部リンク2bを枢着連結し、下部杆3aの左右端部にそれぞれ下部リンク2a・2aを枢着連結し、三点リンク機構の油圧アーム2d・2dの上下揺動により取付枠3を上下動自在に設けて構成している。
【0019】
又、この場合、
図2、
図3、
図4の如く、上記枢着機構5として、上記取付枠3の進行方向後部に二股状の上下一対の雌連結片5a・5aを取付け、上記機枠4の進行方向前部に雄連結片5bを形成し、上下一対の雌連結片5a・5a間に雄連結片5bを嵌合し、雌連結片5aと雄連結片5bとに旋回軸5cを縦設し、この旋回軸5cを中心として機枠4を取付枠3に水平旋回自在に連結して構成している。
【0020】
6は穿入ビーム、7は揺振機構であって、この場合、
図2、
図3、
図4、
図6の如く、機枠4に揺動アーム8の中程部を支点軸9により揺振動作自在に枢着すると共に機枠4に主軸10を軸受10a・10aにより回転自在に横設し、主軸10を回転駆動する駆動機構11を設け、この場合、上記取付枠3に上回転軸11a及び下回転軸11bを軸受11c・11cにより横架し、上回転軸11aと下回転軸11bとをチェーンからなる伝達機構12により駆動連結し、走行機体1たるトラクタの動力取出軸1aと上回転軸11aとを自在継手13により連結し、下回転軸11bと主軸10とを傘歯車からなる駆動伝達機構14により連結し、この場合、
図2の如く、駆動伝達機構14として、上記下回転軸11bの後端部に歯車14aを取付け、この歯車14aに上記旋回軸5c下端部に取付けられた歯車14bを歯合し、一方、旋回軸5c上端部に歯車14cを取付け、この歯車14cに上記主軸10の前端部に取付けられた歯車14dを歯合し、下回転軸11bから歯車14a・14b、旋回軸5c及び歯車14c・14dを介して主軸10に回転動力を伝達し、そして、上記揺動アーム8と穿入ビーム6との間に偏心輪機構15を介装し、この場合、
図7、
図8、
図9、
図10の如く、偏心輪機構15として、上記主軸10の軸受10a・10a間に偏心軸部15aを形成し、偏心軸部15aの中心軸線は主軸10の回転軸線に対して偏心量εだけ偏心し、偏心軸部15aに接続部材15bの上側の軸受15cを嵌合し、接続部材15bの下側の軸受15dに揺動アーム8の基軸8aを嵌挿し、揺動アーム8をガイドロール8b・8b及びガイド片4a・4aにより上下揺動案内し、主軸10の回転により偏心輪機構15を介して揺動アーム8を支点軸9を中心として上下揺振動作させ、揺動アーム8の後端部に穿入ビーム6を上下方向に取付け、穿入ビーム6の下端部に犂体16を取付けると共にフック状の連結材17により砲弾状の弾丸体18を連結して構成している。
【0021】
しかして、走行機体1の進行に伴い穿入ビーム6は進行方向に揺振動作しつつ圃場土中Wに穿入して穿入跡溝Sを形成すると共に弾丸体18による暗渠Hを形成することになる。
【0022】
19は拡張部材、20は拡張機構であって、この拡張部材19は上記穿入ビーム6の進行方向後方位置としての縦口路形成位置Dに配設され、穿入ビーム6により圃場土中Wの上下方向に延びて形成される穿入跡溝Sの一方側面を拡張して地表面Mに開口する縦口路Tを形成可能に設けられ、拡張機構20は、
図13の如く、拡張部材19を進行方向後方向きの非拡張位置Kから進行方向側方向き、この場合、進行方向後方向きからθ=略60°振った側方向きの拡張位置Gに間欠的に強制拡張動作させるように構成している。
【0023】
この場合、上記機枠4の後部に軸受筒体21を縦設し、軸受筒体21に軸状体22を縦回り回動自在に縦設し、軸受筒体21に軸受片体23を形成し、軸状体22の下端部を拡張部材19の上部に取付け、拡張部材19の下部を軸受片体23に支持ピン23aにより回転自在に軸受し、拡張部材19には羽根板状の突状体19aが上下に延びて形成され、又、拡張機構20として、間欠拡張機構20aが用いられ、この場合、上記機枠4に減速機構24を取付け、減速機構24の入力軸24aと主軸10とを継手10bにより連結し、減速機構24の出力軸24bに旋回アーム25を取付け、旋回アーム25に押動ロール26を植設し、軸状体22の上端部に押動ロール26により押圧可能な係合爪部材27を水平突設している。
【0024】
しかして、
図12、
図13の如く、主軸10の回転により減速機構24の出力軸24bが回転し、出力軸24bの回転により旋回アーム25が矢印方向に水平旋回し、旋回アーム25の押動ロール26は係合爪部材27を係合押動し、この押動により拡張部材19は強制的に所定角度縦回り回動し、これにより、
図13、
図15の如く、縦口路Tが拡張形成され、更なる回動により押動ロール26が係合爪部材27から離反すると、拡張部材19の羽根板状の突状体19aは穿入ビーム6の穿入跡溝Sの側面に当接して戻り復帰回動し、拡張部材19の突状体19aは間欠的に所定角度往復回動し、穿入ビーム6により圃場土中Wの上下方向に延びて形成される穿入跡溝Sの一方側面を拡張して地表面Mに開口する縦口路Tを形成することになる。
【0025】
28はすき部材であって、
図2の如く、拡張機構20の進行方向後方位置に配設され、上記機枠4を支持機枠4bと作業機枠4cとにより形成し、支持機枠4bに作業機枠4cを枢着し、作業機枠4cの下部にU状の取付アーム29の先端部を支持軸30により枢着し、作業機枠4cの上部にピン31によりナット体32を回動自在に枢着し、ナット体32に螺杆33を螺着し、ハンドル34の回動によりナット体32を回動して螺杆33を上下動自在に設け、取付アーム29の中程部に螺杆33の下端部をピン31aにより枢着し、取付アーム29にすき部材28をボルト35により取付けて構成し、すき部材28の先端部は先細削取部28aに形成されるとともに後部は削取土を側方に排出するようにひねった排出部28bに形成されている。
【0026】
36は姿勢保持機構であって、
図2、
図3の如く、上記機枠4の無負荷時姿勢を上記走行機体1の直進方向に保持可能に構成され、この場合、上記取付枠3の進行方向後部に左右一対に設けられた取付片3cと機枠4に左右一対に設けられた取付片4dとの間に姿勢保持用バネ37・37を架設して構成している。
【0027】
38は位置固定機構であって、上記取付枠3にピン38aにより板状の固定部材38bを正逆角度回転自在に取付け、機枠4に固定部材38bが着脱自在に嵌着可能な固定部材38bの板幅と略同溝幅寸法の凹溝状の嵌着溝38cを形成し、
図2の如く、固定部材38bをピン38aを中心として進行方向後方向きから前方に向けて逆転して嵌着溝38cから固定部材38bを離脱して機枠4の水平旋回を許容し、これにより上記機枠4の水平旋回を選択的に許容又は阻止可能に構成している。
【0028】
39は前処理部材であって、
図2、
図5の如く、上記穿入ビーム6の進行方向前方位置に配設され、取付円盤39aと取付円盤39aに放射状に複数個の排出部材39b・・をボルト39cにより取付け、この前処理部材39の上方位置に放擲カバー40を配置し、上記駆動機構11により回転駆動するように構成している。
【0029】
41・42は左右一対の側溝切体であって、上記すき部材28の進行方向前方位置に配設され、
図11の如く、外周部に数個の刃部41a・42aが切欠形成され、前記作業機枠4cの下端部に車筒43を取付け、車筒43に車軸44を回転自在に軸受し、車軸44の左右両端部に左右一対の側溝切体41・42を所定間隔を置いて取付けて構成している。
【0030】
45は退避機構であって、
図2の如く、上記すき部材28を作業位置Pと退避位置Qとに姿勢変更可能に構成され、この場合、上記支持機枠4bに作業機枠4cを支点軸45aにより回動自在に枢着し、支持機枠4bに二個の挿通穴45b・45bを形成すると共に作業機枠4cに挿通穴45cを形成し、挿通穴45b・45cに挿通可能な係止ピン45dを形成し、挿通穴45b・45cに係止ピン45dを挿通することにより作業機枠4cを作業位置Pに固定すると共に係止ピン45dを挿通穴45b・45cから抜き取り、係止ピン45dを他の挿通穴45b・45cに挿通することにより作業機枠4cを退避位置Qに引上回動して固定するように構成されている。
【0031】
46は予溝切体であって、
図6の如く、上記機枠4に取付片46aを垂設し、取付片46aに予溝切体46を車軸46bにより回転自在に取付け、穿入ビーム6の進行方向前方位置に予条溝Fを形成するように構成している。
【0032】
47・47は転輪体であって、この場合、上記機枠4の左右両側位置に取付アーム47a・47aを高低調節機構47bにより高低調節自在に配置し、田面等の地表面Mに転輪体47・47を接地させ、機枠4の安定走行及び暗渠Hの表面からの形成高さの設定を図るように構成している。
【0033】
48は安定部材であって、この場合、
図14の如く、安定部材48には圃場面aに当接可能な当接板面48a及び掘り取られた掘取溝Uの内側面U
1に当接可能な側当接板面48bが形成され、上記取付アーム29の後面に支持片49を突設し、安定部材48に連結片50を形成し、支持片49と連結片50とを連結ピン51により連結し、これにより安定部材48を取付アーム29に若干揺動自在に取付けている。
【0034】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、走行機体1の進行に伴い穿入ビーム6は進行方向に揺振動作しつつ圃場土中Wに穿入して穿入跡溝Sを形成すると共に犂体16の穿入後方位置の弾丸体18により暗渠Hを連続して形成し、上記穿入ビーム6の進行方向後方位置に配置された拡張部材19は拡張機構20により拡張動作し、穿入ビーム6により圃場土中Wの上下方向に延びて形成される穿入跡溝Sを拡張して地表面Mに開口する縦溝状の縦口路Tを形成することになり、かつ、上記機枠4を上記取付枠3に枢着機構5により水平旋回自在に連結して構成しているから、上記圃場面aの略全面に亘って走行機体1を回り走行し、穿入ビーム6及び拡張部材19により暗渠H及び縦口路Tの形成作業を行うに際し、
図16、
図17の如く、走行機体1を舵取運転して走行機体1の進行方向を折曲変向しても、機枠4は枢着機構5により水平旋回しながら走行機体1に牽引され、したがって、圃場面aの内周角部近接位置においても、走行機体1を停止したり、停止状態において、取付枠3及び機枠4を上昇させたり、下降動作させたりすることがなくなり、走行機体1を連続的に回り走行して連続的に形成作業を行うことになる。
【0035】
この際、上記機枠4に圃場面aの土を掬い取って側方に排出して縦口路形成位置Dに掘取溝Uを形成可能なすき部材28を設けているから、走行機体1の進行に伴いすき部材28の下部は圃場面aの土を掬い取って側方に排出して縦口路形成位置Dに掘取溝Uを形成することになり、穿入跡溝S及び縦口路Tが掘取溝U内に開口することにより穿入跡溝S及び縦口路Tの開口が圃場面aの泥土により閉塞されることを抑制することができ、圃場面aの水は掘取溝Uを介して穿入跡溝S及び縦口路Tの開口から暗渠Hに至ることになり、圃場面aの地表面Mから暗渠Hまでの距離も短くなり、それだけ、圃場の排水性及び通気性を良好に保持することができ、水はけの良化、水管理、田面の乾田化、微生物繁殖の活性化、水稲等の根の深部への生育を良化することができる。
【0036】
尚、上記縦口路Tの下端は適宜設定されるが、一般的に暗渠Hに届かない暗渠Hの近接位置に設定されることが望ましく、何故ならば、暗渠Hと縦口路Tとが連通状態であると縦口路Tの内面の土が暗渠H内に流入し、暗渠Hを閉塞することがあるからである。
【0037】
又、この場合、上記枢着機構5として、上記取付枠3と上記機枠4とを水平旋回自在に連結する旋回軸5cを備えてなるから、
図3、
図16の如く、取付枠3と機枠4との連結を容易に行うことができると共に構造を簡素化することができ、又、この場合、上記機枠4の無負荷時姿勢を
図3に示す上記走行機体1の直進方向に保持可能な姿勢保持機構36を配設してなるから、非暗渠形成作業状態等における機枠4の無負荷時姿勢を直進方向に保持することができ、例えば、機枠4を圃場面aから離反上昇して機枠4が自由状態のとき、上記機枠4の直進方向としての中央位置を境とする不測の左右方向の振れ回りを抑制することができ、安全性を高めることができ、又、この場合、上記姿勢保持機構36として、上記取付枠3と上記機枠4との間に左右一対の姿勢保持用バネ37・37を架設してなるから、姿勢保持機構36の構造を簡素化することができると共に、機枠4が左右方向に振れ回りをしたとき、左右一対の姿勢保持用バネ37・37のいずれか一方の姿勢保持用バネ37が上記機枠4の姿勢を上記走行機体1の進行方向に強制的に復元旋回させることになり、枢着機構5の存在による上記機枠4の不測の左右方向の振れ回りを抑制することができる。
【0038】
又、この場合、
図5の如く、上記機枠4に圃場面aに散在する藁屑等の圃場散在物Eを側方に排出可能な前処理部材39を上記穿入ビーム6の進行方向前方位置に設けてなるから、圃場面aに散在する藁屑、株等の圃場散在物Eを前処理部材39により側方に排出することができ、この場合、駆動機構11により取付円盤39aが回転駆動され、取付円盤39aに放射状に取付けられた複数個の排出部材39b・・からなる前処理部材39により圃場面aに散在する藁屑、株等の圃場散在物Eを側方に排出することができ、穿入ビーム6による穿入跡溝Sの形成抵抗を軽減することができ、穿入跡溝Sの形成作業性を向上することができ、又、この場合、
図11の如く、上記すき部材28の進行方向前方位置に上記圃場面aに側条溝R・Rを溝切可能な左右一対の側溝切体41・42を設けてなるから、側溝切体41・42は連れ回り回転しつつ進行してすき部材28の進行方向前方位置の圃場面aに左右一対の側条溝R・Rを切ることになり、先ず、側溝切体41・42で左右一対の側条溝R・Rを溝切りし、すき部材28が溝切りされた左右一対の側条溝R・R間の土を掬い取って側方に排出することになり、すき部材28による溝掘抵抗を軽減することができると共に走行機体1の牽引力増加を抑制することができ、溝掘作業性を向上することができる。
【0039】
この場合、上記すき部材28を作業位置Pと退避位置Qとに姿勢変更可能な退避機構45を設け、この場合、
図2の如く、上記機枠4を支持機枠4bと作業機枠4cにより形成し、作業機枠4cを支持機枠4bに対して作業位置Pと退避位置Qとに姿勢変更可能な退避機構45を設けているから、不使用時や移動時においては、係止ピン45dを挿通穴45b・45cから抜き取ることにより作業機枠4cを退避位置Qに引上回動させることができ、それだけ作業姿勢及び退避の姿勢変更が容易となって溝掘作業性を向上することができ、又、この場合、上記穿入ビーム6の進行方向前方位置に上記圃場面aに予条溝Fを溝切可能な予溝切体46を設けてなるから、予溝切体46は連れ回り回転しつつ進行して圃場面aに予条溝Fを切り、予条溝Fの後から穿入ビーム6が進行方向に揺振動作しつつ穿入して穿入跡溝Sを形成するから、穿入跡溝Sの形成抵抗を低減することができ、穿入跡溝Sの形成作業性を向上することができる。
【0040】
又、上記機枠4に上記暗渠Hの形成高さを設定可能な転輪体47・47を高低調節自在に設け、この場合、上記機枠4の左右両側位置に取付アーム47a・47aを高低調節機構47bにより高低調節自在に設け、取付アーム47a・47aに転輪体47・47を配置しているから、田面等の地表面Mに転輪体47・47を接地させることで、機枠4の安定走行及び暗渠Hの表面からの形成高さの設定を図ることができ、又、この場合、上記すき部材28の横振れを抑制可能な安定部材48を設けてなるから、安定部材48によりすき部材28の横振れを抑えることができ、溝掘作業を良好に行うことができ、かつ、上記すき部材28の横振れを抑制可能な安定部材48には圃場面aに当接可能な当接板面48a及び掘り取られた掘取溝Uの内側面U
1に当接可能な側当接板面48bが形成され、上記取付アーム29の後面に支持片49を突設し、安定部材48に連結片50を形成し、支持片49と連結片50とを連結ピン51により連結し、これにより安定部材48を取付アーム29に若干揺動自在に取付けているから、安定部材48によりすき部材28の横振れを抑えることができ、溝掘作業を良好に行うことができる。
【0041】
図18の第二形態例は別例構造を示し、この場合、上記第一形態例においては、左右一対の側溝切体41・42を採用しているが、第二形態例においては、片側一個の側溝切体41としている。
【0042】
この第二形態例においても、上記第一形態例とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0043】
尚、本発明は上記の形態例に限られるものではなく、走行機体1、連結機構2、枢着機構5、揺振機構7、拡張部材19、拡張機構20、すき部材28などは適宜変更して設計されるものである。
【0044】
又、上記実施の形態例においては、上記すき部材28を縦口路形成位置Dとしての穿入ビーム6及び拡張部材19の進行方向後方位置に配置し、上記縦口路Tが形成された縦口路形成位置Dの圃場の土をすき部材28により掬い取って側方に排出して掘取溝Uを形成するように構成しているが、上記すき部材28を上記拡張部材19の進行方向前方位置に配置し、先ず、上記縦口路Tが形成される縦口路形成位置Dに圃場の土をすき部材28により掬い取って側方に排出して掘取溝Uを形成し、掘取溝Uを形成した後、上記拡張部材19により縦口路Tを形成するように構成することもある。
【0045】
以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。