特許第6249537号(P6249537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニチカ株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6249537-エアフィルター材の製造方法 図000005
  • 特許6249537-エアフィルター材の製造方法 図000006
  • 特許6249537-エアフィルター材の製造方法 図000007
  • 特許6249537-エアフィルター材の製造方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6249537
(24)【登録日】2017年12月1日
(45)【発行日】2017年12月20日
(54)【発明の名称】エアフィルター材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/16 20060101AFI20171211BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20171211BHJP
   B32B 37/12 20060101ALI20171211BHJP
   D04H 3/018 20120101ALI20171211BHJP
【FI】
   B01D39/16 E
   B32B5/26
   B32B37/12
   D04H3/018
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-511193(P2016-511193)
(86)(22)【出願日】2014年3月31日
(86)【国際出願番号】JP2014059486
(87)【国際公開番号】WO2015151168
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089152
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】木原 幸弘
【審査官】 中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−076182(JP,A)
【文献】 特開2002−001020(JP,A)
【文献】 特表2000−507657(JP,A)
【文献】 特開平10−259522(JP,A)
【文献】 特表平06−511292(JP,A)
【文献】 特開2011−017115(JP,A)
【文献】 特開昭54−151617(JP,A)
【文献】 特開2008−266812(JP,A)
【文献】 特開平01−201512(JP,A)
【文献】 米国特許第05707735(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/00−16、46/00−16、52
B32B 5/26、37/12
D04H 3/00−16
D21H 27/08、30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維径が1〜5μmの極細繊維で構成されてなる極細繊維不織布を準備する工程、
横断面形状略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であって、繊度が10デシテックス以上であるポリエステル長繊維で構成されると共に該ポリエステル長繊維相互間熱融着によって結合されてなるポリエステル不織布を準備する工程、
前記極細繊維不織布上に、前記極細繊維及び前記ポリエステル長繊維の融点よりも低い融点を持つ固形状態である粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤を置く工程、
前記粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤上に、前記ポリエステル不織布を積層する工程及び
前記粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤により、前記極細繊維不織布と前記ポリエステル不織布を貼合する工程
を具備することを特徴とするエアフィルター材の製造方法
【請求項2】
ポリエステル長繊維として、略Y4形状の各々の略V字部が低融点ポリエステルよりなり、その他の略+字部が高融点ポリエステルよりなる複合型ポリエステル長繊維を用いる請求項1記載のエアフィルター材の製造方法
【請求項3】
低融点ポリエステルの熱融着によって、複合型ポリエステル長繊維相互間が結合されてなるポリエステル不織布を用いる請求項2記載のエアフィルター材の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気等の気体の濾過に使用するエアフィルター材の製造方法に関し、特に中高性能エアフィルター材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、中高性能エアフィルター材として、極細繊維よりなる不織布が用いられている。具体的には、いわゆるメルトブロー不織布が用いられている。メルトブロー不織布は、構成繊維が極細繊維であるため、引張強度や引裂強度が低く、取り扱い性に劣る。したがって、高繊度の構成繊維よりなる不織布、たとえばスパンボンド不織布やカード法で得られた短繊維不織布と積層して用いられている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1記載の技術において、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布等を積層一体化するには、熱圧着が採用されている。具体的には、スパンボンド不織布の構成繊維として、芯成分に高融点ポリエステル成分を用い、鞘成分に低融点ポリエステル成分を用いてなる芯鞘型複合長繊維を用いて、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを積層した後、一対の熱エンボスロール間を通して加圧及び加熱し、低融点ポリエステル成分を溶融固化させて、これを接着成分として、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布を積層一体化する技術が記載されている。しかしながら、スパンボンド不織布の構成繊維の一部を溶融させるため、スパンボンド不織布の空隙が溶融した低融点ポリエステルによって埋まり、得られたエアフィルター材の通気度が低下するということがあった。
【0004】
通気度の低下を防止するために、スパンボンド不織布の構成繊維の一部を接着成分とするのではなく、他の接着剤で、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを貼合一体化することが考えられる。たとえば、他の接着剤として、エマルジョン型接着剤やホットメルト接着剤を用いることが考えられる。しかしながら、他の接着剤を用いたとしても、これらが流動して、スパンボンド不織布の空隙に入り込むと、通気度が低下すると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2007/086429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、通気度を低下させることなく、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布とを積層一体化させたエアフィルター材の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特定のスパンボンド不織布と特定のホットメルト接着剤とを組み合わせて用いることにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、繊維径が1〜5μmの極細繊維で構成されてなる極細繊維不織布を準備する工程、横断面形状略Y字の下端で上下左右に連結した
形状(以下、「略Y4形状」という。)であって、繊度が10デシテックス以上であるポリエステル長繊維で構成されると共に該ポリエステル長繊維相互間熱融着によって結合されてなるポリエステル不織布を準備する工程、前記極細繊維不織布上に、前記極細繊維及び前記ポリエステル長繊維の融点よりも低い融点を持つ固形状態である粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤を置く工程、前記粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤上に、前記ポリエステル不織布を積層する工程及び前記粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤により、前記極細繊維不織布と前記ポリエステル不織布を貼合する工程を具備することを特徴とするエアフィルター材の製造方法に関するものである。
【0008】
本発明に係るエアフィルター材の製造方法に用いるポリエステル不織布は、ポリエステル長繊維を構成繊維とし、この長繊維の横断面形状に特徴を有するものである。この横断面形状は、図1に示すような略Y字を四個持つものである。そして、略Y字の下端1で上下左右に連結して、図2に示すような略Y4形状となっている。この略Y4形状は、四個の凹部2と八個の凸部3と四個の小凹部4とを有している。特に、四個の凹部2の存在により、ポリエステル長繊維間に比較的大きい空隙が形成されている。
【0009】
ポリエステル長繊維は、低融点ポリエステル成分と高融点ポリエステル成分とによって構成されているのが好ましい。すなわち、横断面形状の略V字部6が低融点ポリエステル成分で形成され、略+字部5が高融点ポリエステル成分で形成された複合型ポリエステル長繊維であるのが好ましい。本発明に用いるポリエステル不織布は、複合紡糸孔より溶融紡糸した複合型ポリエステル長繊維を集積した後、低融点ポリエステル成分を軟化又は溶融させた後、固化させることにより、ポリエステル長繊維相互間が低融点ポリエステル成分によって融着させることにより、得られる。低融点ポリエステル成分の融着によって、長繊維相互間が結合されているため、引張強度や引裂強度等の機械的物性に優れ、取り扱い性において優れている。
【0010】
低融点ポリエステル成分の融着は、加熱処理を施すことにより得られるが、この加熱処理は、熱エンボス加工により又は熱風処理により行われる。熱エンボス加工の場合には、部分的に設けられた熱圧着部において、ポリエステル長繊維同士の交点が融着される。また、熱風処理の場合には、全体において、ポリエステル長繊維同士の交点が融着される。なお、熱エンボス加工と熱風処理を併用してもよい。本発明においては、ポリエステル不織布の機械的物性を向上させる観点から、部分的に熱と圧力とを付加することにより熱圧着する熱エンボス加工が好ましい。用いるエンボスロールの圧着面積率(エンボスロールの凸部の面積率)は、10〜20%がよい。圧着面積率が小さすぎると、引張強度等の機械的物性が低下する傾向が生じる。一方、圧着面積率が大きすぎると、ポリエステル長繊維相互間の空隙が少なくなり、通気度が低下する傾向が生じる。
【0011】
ポリエステル長繊維を構成する低融点ポリエステル成分と高融点ポリエステル成分との複合比は、低融点ポリエステル成分/高融点ポリエステル成分=1/4〜1/1(質量比)が好ましい。低融点ポリエステル成分の質量比が少なくなると、ポリエステル不織布の引張強度等の機械的物性が低下する傾向が生じる。一方、低融点ポリエステル成分の質量比が多くなると、加熱処理時に低融点ポリエステル成分がポリエステル長繊維相互間の空隙内に流動し、通気度が低下する傾向が生じる。
【0012】
ポリエステル不織布は、溶融紡糸する際に用いるノズル孔を変更する以外は、従来公知の方法、たとえばスパンボンド法で得ることができる。すなわち、低融点ポリエステルと高融点ポリエステルを複合溶融紡糸して得られた複合型長繊維を集積してスパンボンド不織布を製造する方法において、溶融紡糸する際に用いるノズル孔の形状が、Y字の下端で上下左右に連結し、かつ、隣り合うY字の/同士及び\同士が平行である
形状(以下、「Y4形」という。)のものを用いればよい。
【0013】
このノズル孔は、図3に示すY字を四個持つものである。そして、Y字の下端7で上下左右に連結して、図4に示すY4形となっている。このY4形は、隣り合うY字の/8,8同士が平行であり、また\9,9同士が平行となっている。かかるY4形のノズル孔にポリエステルを供給して溶融紡糸することにより、横断面が略Y4形状のポリエステル長繊維を得ることができるのである。特に、隣り合うY字の/8,8同士及び\9,9同士が平行となっていることにより、四個の凹部2を持つポリエステル長繊維を得ることができる。また、略+字部5と、その各々の先端に設けられた略V字部6とを持つポリエステル長繊維を得ることができる。かかるY4形状のノズル孔にポリエステルを供給するにあたっては、低融点ポリエステルをY4形のV字部10に供給し、高融点ポリエステルをY4形の+字部11に供給する。かかる供給態様で複合溶融紡糸することにより、略V字部6が低融点ポリエステル成分で形成され、略+字部5が高融点ポリエステル成分で形成された複合型ポリエステル長繊維が得られる。
【0014】
複合型ポリエステル長繊維を得た後、これを集積して繊維ウェブを形成する。そして、繊維ウェブに加熱処理を施すことにより、複合型ポリエステル長繊維中の低融点ポリエステル成分を軟化又は溶融させ、冷却して固化させることにより、複合型ポリエステル長繊維相互間を低融点ポリエステル成分で融着して、ポリエステル不織布を得る。得られたポリエステル不織布には必要に応じて、少量のバインダーを付与してもよい。
【0015】
ポリエステル長繊維の繊度は、10デシテックス以上であ、15デシテックス以上であるのが好ましい。繊度が10デシテックス未満であると、通気度及び機械的物性が低下する。繊度の上限は特に限定しないが、30デシテックス程度がよい。繊度が30デシテックスを超えると、溶融紡糸する際に、長繊維の冷却性が低下し、生産性が低下する。
【0016】
ポリエステル不織布の目付は、30〜130g/m2程度がよい。目付が30g/m2未満になると、機械的物性が低下する傾向が生じる。また、目付が130g/m2を超えると、ポリエステル不織布が重くなり、取り扱い性に劣る。
【0017】
極細繊維不織布としては、従来公知のものが用いられる。具体的には、メルトブロー不織布が用いられる。極細繊維の素材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン又はポリエステル等が用いられる。極細繊維の太さは、繊維径(円換算での直径)が1〜5μmのものが主体となっている。繊維径が5μmを超えると、中高性能のエアフィルター材を得られにくくなる。繊維径が1μm未満のものは、生産性が低下する傾向が生じる。
【0018】
極細繊維不織布の目付は、10〜30g/m2程度がよい。目付が10g/m2未満であると、繊維密度が低く、中高性能のエアフィルター材を得られにくくなる。目付が30g/m2を超えると、過剰品質となり合理的ではない。
【0019】
極細繊維不織布とポリエステル不織布とは、粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤によって貼合される。具体的には、実施例で示すように、極細繊維不織布上に固形状態である粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤を置いた後、この粉末状又はくもの巣状ホットメルト接着剤上にポリエステル不織布を積層し、加熱処理することによって貼合される。このホットメルト接着剤の融点は、極細繊維及びポリエステル長繊維の融点よりも低い融点を持つものである。たとえば、極細繊維不織布がポリプロピレン極細繊維よりなるものである場合は、このポリプロピレン極細繊維の融点よりも低くなっている。ホットメルト接着剤の具体的な融点は、50〜120℃程度となっている。ホットメルト接着剤の融点が、極細繊維及びポリエステル長繊維の融点よりも高いと、ホットメルト接着剤を溶融又は軟化させて、極細繊維不織布とポリエステル不織布を貼合させる際に、極細繊維不織布又はポリエステル不織布が熱変形し、濾過性が低下するため、好ましくない。ホットメルト接着剤は、粉末状又はくもの巣状となっている。これは、ホットメルト接着剤の存在しない区域を確保し、通気度の低下を防止するためである。たとえば、フィルム状のホットメルト接着剤で、極細繊維不織布とポリエステル不織布を貼合すると、ホットメルト接着剤が全面に存在し、得られたエアフィルター材の通気度が極端に低下する。
【0020】
ホットメルト接着剤の付与量は、1〜30g/m2程度であるのが好ましい。ホットメルト接着剤の付与量が1g/m2未満になると、極細繊維不織布とポリエステル不織布が剥離しやすくなる傾向が生じる。ホットメルト接着剤の付与量が30g/m2を超えると、接着剤の存在しない区域が少なくなり、通気度が低下する傾向が生じる。
【0021】
本発明に係る方法で得られたエアフィルター材は、従来公知の方法でエアフィルターとして用いられる。たとえば、本発明に係る方法で得られたエアフィルター材を適宜の寸法に裁断し、フィルター枠に装着して、クリーンルームなどのエアフィルターとして用いられる。また、本発明に係る方法で得られたエアフィルター材にプリーツ加工を施し、フィルター枠に固定して、集塵機や自動車等のエアフィルターとして用いられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る方法で得られたエアーフィルター材は、特定の横断面形状を持つポリエステル不織布を、特定のホットメルト接着剤を用いて、極細繊維不織布と積層一体化したものであるため、通気度が低下しにくいという効果を奏する。
【実施例】
【0023】
次に、本発明の実施例に基づいて説明する。なお、実施例中の物性等は下記により測定した。
(1)融点(℃):
パーキンエルマー社製DSC−7型の示差走査型熱量計を用いて、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピークの最大値を与える温度を融点とした。
(2)相対粘度[ηrel]:
フェノールと四塩化エタンとの等質量比の混合溶媒100mlに試料0. 5gを溶解し、温度20℃の条件で常法により測定した。
(3)通気度(cc/m2/sec):
フラジール型通気度試験機を用い、JIS L 1096−1979の「一般織物試験方法」に準拠し、傾斜型気圧計は1.27cmに固定して測定した。
【0024】
[ポリエステル不織布Aの製造例A]
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)92mol%とイソフタール酸(IPA)8mol%、ジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%との共重合体である低融点ポリエステル(相対粘度〔ηrel〕1.44、融点230℃)を準備し、この低融点ポリエステルに、結晶核剤として4質量%の酸化チタンを添加したものを低融点ポリエステル成分として用いた。
【0025】
一方、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸(TPA)100mol%とジオール成分としてエチレングリコール(EG)100mol%とからなる単量体が共縮重合してなるポリエチレンテレフタレートを高融点ポリエステル成分(相対粘度〔ηrel〕1.38、融点260℃)として用いた。
【0026】
そして、図4に示したノズル孔を用い、V字部に低融点ポリエステル成分を供給し、+字部に高融点ポリエステル成分を供給して、紡糸温度285℃、単孔吐出量8.33g/分で溶融紡糸した。なお、低融点ポリエステル成分の供給量と高融点ポリエステル成分の供給量の質量比は、1/2であった。
【0027】
ノズル孔から排出された長繊維群を、2m下のエアーサッカー入口に導入し、ポリエステル長繊維の繊度が17デシテックスとなるように牽引した。エアーサッカー出口から排出された図2に示す横断面を有する複合型ポリエステル長繊維群を開繊装置にて開繊した後、移動するネット製コンベア上に集積し、長繊維ウェブを得た。この長繊維ウェブを、エンボスロール(各エンボス凸部先端の面積は0.7mm2で、ロール全面積に対するエンボス凸部の占める面積率は15%)とフラットロールからなる熱エンボス装置に導入し、表面温度213℃、線圧300N/cmの条件で熱エンボス加工を施して、目付40g/m2のポリエステル不織布Aを得た。
【0028】
[ポリエステル不織布Bの製造例B]
目付を70g/m2に変更する他は、上記製造例Aと同一の方法で、ポリエステル不織布Bを得た。
【0029】
[極細繊維不織布の製造例]
融点162℃のポリプロピレンをメルトブローダイに導入し、ダイ中から加熱空気を吹き付けて極細繊維を形成し、移動するコンベア上に集積して、繊維径が概ね3μm程度の極細繊維よりなる、目付20g/m2の極細繊維不織布を得た。
【0030】
実施例1
極細繊維不織布の上に、粉末状ホットメルト接着剤(融点が約100℃の低密度ポリエチレンよりなるパウダー)を5g/m2となるように散布し、さらにその上にポリエステル不織布Aを積層して積層体を得た。この積層体を、表面がテフロン膜で覆われたコンベアが上下二段に配置された加熱処理装置の下段のコンベアに載せて搬送しながら、加熱処理を行った。上段と下段のコンベアの隙間の温度は100℃に制御され、この隙間は入口から出口に向けて徐々に狭くし、出口での隙間を1mmとした。
【0031】
加熱処理装置から出た積層体は冷却され、極細繊維不織布とポリエステル不織布Aが一体化したエアフィルター材を得た。このエアフィルター材の通気度は26.5cc/m2/secであった。また、極細繊維不織布とポリエステル不織布Aとは強固に一体化しており、剥離しようとすると、極細繊維不織布が破損するものであった。
【0032】
実施例2
ポリエステル不織布Aに代えて、ポリエステル不織布Bを用いる他は、実施例1と同一の方法により、エアフィルター材を得た。このエアフィルター材の通気度は、25.7cc/m2/secであった。また、極細繊維不織布とポリエステル不織布Bとは強固に一体化していた。
【0033】
実施例3
粉末状ホットメルト接着剤(融点が約100℃の低密度ポリエチレンよりなるパウダー)の散布量を、10g/m2に変更する他は、実施例1と同一の方法により、エアフィルター材を得た。このエアフィルター材の通気度は、25.3cc/m2/secであった。また、極細繊維不織布とポリエステル不織布Aとは強固に一体化していた。
【0034】
実施例4
粉末状ホットメルト接着剤(融点が約100℃の低密度ポリエチレンよりなるパウダー)の散布量を、10g/m2に変更する他は、実施例2と同一の方法により、エアフィルター材を得た。このエアフィルター材の通気度は、25.0cc/m2/secであった。また、極細繊維不織布とポリエステル不織布Bとは強固に一体化していた。
【0035】
実施例5
粉末状ホットメルト接着剤(融点が約100℃の低密度ポリエチレンよりなるパウダー)に代えて、くもの巣状ホットメルト接着剤(呉羽テック株式会社製、品番「LNS0020」、素材は共重合ポリアミドであり、融点は115℃であり、目付は20g/m2である。)を用いる他は、実施例1と同一の方法でエアフィルター材を得た。このエアフィルター材の通気度は、23.7cc/m2/secであった。また、極細繊維不織布とポリエステル不織布Aとは強固に一体化していた。
【0036】
実施例6
粉末状ホットメルト接着剤(融点が約100℃の低密度ポリエチレンよりなるパウダー)に代えて、くもの巣状ホットメルト接着剤(呉羽テック株式会社製、品番「LNS0020」、素材は共重合ポリアミドであり、融点は115℃であり、目付は20g/m2である。)を用いる他は、実施例2と同一の方法でエアフィルター材を得た。このエアフィルター材の通気度は、23.9cc/m2/secであった。また、極細繊維不織布とポリエステル不織布Bとは強固に一体化していた。
【0037】
実施例1〜6の結果から、ポリエステル不織布A又はBと極細繊維不織布とを粉末状ホットメルト接着剤又はくもの巣状ホットメルト接着剤を用いて積層一体化すると、通気度の高いエアフィルター材を得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明に用いる長繊維の横断面形状である略Y4形状の一つの略Y字を示した図である。
図2】本発明に用いる長繊維の横断面形状である略Y4形状を示した図である。
図3】本発明に用いるY4形のノズル孔の一つのY字を示した図である。
図4】本発明に用いるY4形のノズル孔を示した図である。
【符号の説明】
【0039】
1 長繊維の横断面形状である略Y形状の一つの略Y字の下端
2 略Y4形状で形成された凹部
3 略Y4形状で形成された凸部
4 略Y4形状で形成された小凹部
5 略Y4形状中の略十字部
6 略Y4形状中の略V字部
7 溶融紡糸する際のノズル孔の形状であるY4形状の一つのY字の下端
8 Y字の/
9 Y字の\
10 Y4形のV字部
11 Y4形の十字部
図1
図2
図3
図4