(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜
図3を参照しつつ、第1の実施形態のカテーテル1を説明する。
図1では、図示左側が体内に挿入される先端側(遠位側)、図示右側が医師等の手技者によって操作される後端側(近位側)になっている。
図2は、
図1のA部を拡大した拡大図であり、
図3は、
図1のA部を拡大し、模式的に示した図である。
【0017】
カテーテル1は、例えば、狭窄部又は閉塞部を診断又は治療するために用いられるカテーテルである。
図1に示すように、カテーテル1は、主に、カテーテルシャフト60と、カテーテルシャフト60の先端に接合されたチップ70と、カテーテルシャフト60の後端に接合されたコネクタ80と、を備える。
【0018】
カテーテルシャフト60は、
図2及び
図3に示すように、半径方向に内側から順に、隣接する素線20間に間隙25を有するように、素線20が巻回された補強体(コイル体)30と、補強体(コイル体)30の外周を被覆する内層10と、内層10の外周を被覆する外層40と、を有している。なお、
図3では、理解を助けるために、外層40及び内層10の一部を剥離した状態を示している。
【0019】
内層10は、樹脂から形成されており、内部にガイドワイヤや他のカテーテルを挿入することができる。内層10を形成する樹脂材料は、特に限定されるものではないが、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン等が用いられる。
【0020】
内層10内には、補強体であるコイル体30が設けられている。このコイル体30は、素線20を巻回して形成されている。コイル体30を構成する素線20の材料として、第1の実施形態では、ステンレス鋼(SUS304)を用いたが、これに限定されない。例えば、タングステンやNi−Ti合金等の金属材料のみならず、強化プラスチック(PEEK)等の樹脂材料を用いても良い。なお、コイル体30を構成する素線20の巻回方向は、先端側に向かって右方向でも、左方向でも良い。
【0021】
内層10の外周には、樹脂からなる外層40が形成されており、内層10及び補強体(コイル体)30を被覆する。外層40を形成する樹脂材料は、特に限定されるものではなく、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン等が用いられる。
【0022】
上述したカテーテルシャフト60の先端には、樹脂からなるチップ70が接合されている。このチップ70を形成する樹脂は、特に限定されないが、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等からなる。また、チップ70には、放射線不透過性の粉末を含有させてもよい。例えば、チップ70が約65wt%〜約90wt%の範囲で放射線不透過性の粉末(例えば、タングステン粉末)を含有することで、X線照射時に医師等の手技者がカテーテル1の位置を正確に把握することができる。
【0023】
図2に示すように、補強体(コイル体)30は、第一外径D1を有する小径部31と、小径部31よりも先端側に第一外径D1よりも大きな第二外径D2を有する大径部33と、小径部31と大径部33との間で先端側に向かって拡径するテーパ部32と、を有するように一体的に形成されており、補強体(コイル体)30は、大径部33において、または、テーパ部32及び大径部33において、内層10内から浮き上がり外層40に埋没している。
【0024】
カテーテル1では、補強体(コイル体)30が小径部31から大径部33に向かって拡径し、大径部33において、または、テーパ部32及び大径部33において、外層40とそこに埋没している素線20とのアンカー効果により、カテーテル1を血管、胆管、膵管等を挿入した際に、狭窄部又は閉塞部で外層40が軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40が内層10から剥離する恐れを低減することができる。
【0025】
なお、第1の実施形態では、芯金に素線20を巻きまわして小径部31を形成した後、芯金を抜き、先端側の素線を内側から膨らませてテーパ部32及び大径部33を形成する方法で補強体(コイル体)30を作製しているが、特にこれに限定するものではなく、芯金に素線20を巻きまわして大径部33を掲載した後、更に細い芯金を入れ、熱収縮チューブを用いてテーパ部32及び小径部31を形成してもよい。
【0026】
次に、
図4を参照しつつ、第2の実施形態のカテーテル2を説明する。
図2に示したカテーテル1との相違点のみを説明すると、カテーテル2では、カテーテルシャフト60aは、半径方向に内側から順に、隣接する素線20a間に間隙25aを有するように、素線20aが巻回された補強体(コイル体)30aと、補強体(コイル体)30aの外周を被覆する内層10aと、内層10aの外周を被覆する外層40aと、を有している。補強体(コイル体)30aは、第一外径D3を有する小径部31aと、小径部31aよりも先端側に第一外径D3よりも大きな第二外径D4を有する大径部33aと、小径部31aと大径部33aとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32aと、を有するように一体的に形成されており、カテーテルシャフト60aの周方向の一部において、補強体(コイル体)30aは、大径部33aにおいて、または、テーパ部32a及び大径部33aにおいて、内層10a内から浮き上がり外層40aに埋没している。
【0027】
カテーテル2では、カテーテルシャフト60aの周方向の一部において、カテーテル1と同様に、補強体(コイル体)30aが小径部31aから大径部33aに向かって拡径し、大径部33aにおいて、または、テーパ部32a及び大径部33aにおいて、外層40aとそこに埋没している素線20aとのアンカー効果により、カテーテル2を血管、胆管、膵管等を挿入した際に、狭窄部又は閉塞部で外層40aが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40aが内層10aから剥離する恐れを低減することができる。
【0028】
次に、
図5及び
図6を参照しつつ、第3の実施形態のカテーテル3を説明する。
図2及び
図3に示したカテーテル1との相違点のみを説明すると、カテーテル3では、カテーテルシャフト60bの半径方向に内側から順に、隣接する第一素線20b間又は隣接する第二素線21b間に間隙25bを有するように、複数の素線(第一素線20b、及び、第二素線21b)が互いに編み込まれて形成された補強体(ブレード)30bと、補強体(ブレード)30bの外周を被覆する内層10bと、内層10bの外周を被覆する外層40bと、を有している。なお、
図6では、理解を助けるために、外層40b及び内層10bの一部を剥離した状態を示している。
【0029】
補強体(ブレード)30bは、第一素線20bと第二素線21bとが互いに網目状(メッシュ状)に編み込まれたものであり、第一素線20bと第二素線21bは、先端側に向かって互いに逆方向に巻回されている。第3の実施形態では、8本の第一素線20bと8本の第二素線21bとの合計16本(8本×8本)の素線が交互に編み込まれて、補強体(ブレード)30bが形成されている。ここでは、第一素線20bは平線である一方、第二素線21bは丸線になっているが、これに限定されず、第一素線20bと第二素線21bとの両方が、丸線であっても、平線であっても良い。
【0030】
補強体(ブレード)30bを構成する第一素線20b及び第二素線21bの材料は、同じ材料であってもよいし、異なる材料を用いてよい。第3の実施形態では、タングステンからなる第一素線20bとステンレス鋼(SUS304)からなる第二素線21bとを用いたが、特に限定されず、金属以外の樹脂材料(例えば、強化プラスチック)を用いてもよい。
【0031】
図5に示すように、補強体(ブレード)30bは、第一外径D5を有する小径部31bと、小径部31bよりも先端側に第一外径D5よりも大きな第二外径D6を有する大径部33bと、小径部31bと大径部33bとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32bと、を有するように一体的に形成されており、補強体(ブレード)30bは、大径部33bにおいて、または、テーパ部32b及び大径部33bにおいて、内層10b内から浮き上がり外層40bに埋没している。
【0032】
カテーテル3では、補強体(ブレード)30bが小径部31bから大径部33bに向かって拡径し、大径部33bにおいて、または、テーパ部32b及び大径部33bにおいて、外層40bとそこに埋没している第一素線20b、第二素線21bとのアンカー効果により、カテーテル3を血管、胆管、膵管等を挿入した際に、狭窄部又は閉塞部で外層40bが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40bが内層10bから剥離する恐れを低減することができる。
【0033】
次に、
図7を参照しつつ、第4の実施形態のカテーテル4を説明する。
図2に示したカテーテル1との相違点のみを説明すると、カテーテル4では、カテーテルシャフト60cは、半径方向に内側から順に、隣接する素線20c間に間隙25cを有するように、素線20cが巻回された補強体(コイル体)30cと、補強体(コイル体)30cの外周の一部を被覆する内層10cと、内層10cの外周を被覆する外層40cと、を有している。補強体(コイル体)30cは、第一外径D7を有する小径部31c及び小径部35cと、第一外径D7よりも大きな第二外径D8を有する大径部33cと、小径部31cと大径部33cとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32cと、小径部35cと大径部33cとの間で後端側に向かって拡径するテーパ部34cと、を有するように一体的に形成されており、補強体(コイル体)30cは、大径部33cにおいて、または、テーパ部32cと大径部33cとテーパ部34cとにおいて、内層10c内から浮き上がり外層40cに埋没している。
【0034】
カテーテル4では、補強体(コイル体)30cが小径部31c及び小径部35cから大径部33cに向かって拡径し、大径部33cにおいて、または、テーパ部32cと大径部33cとテーパ部34cとにおいて、外層40cとそこに埋没している素線20cとのアンカー効果により、カテーテル4を血管、胆管、膵管等を挿入した際に、狭窄部又は閉塞部で外層40cが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40cが内層10cから剥離する恐れを低減することができる。
【0035】
なお、カテーテル4では、補強体(コイル体)30cは、テーパ部32cと小径部31cを備えることなく、第一外径D7を有する小径部35cと、第一外径D7よりも大きな第二外径D8を有する大径部33cと、小径部35cと大径部33cとの間で後端側に向かって拡径するテーパ部34cと、を有するように一体的に形成されており、補強体(コイル体)30cは、大径部33cにおいて、または、テーパ部34c及び大径部33cで、内層10c内から浮き上がり外層40cに埋没している構成であってもよい。
【0036】
次に、
図8を参照しつつ、第5の実施形態のカテーテル5を説明する。
図7に示したカテーテル4との相違点のみを説明すると、カテーテル5では、カテーテルシャフト60dの半径方向に内側から順に、隣接する第一素線20d間又は隣接する第二素線21d間に間隙25dを有するように、複数の素線(第一素線20d、及び、第二素線21d)が互いに編み込まれて形成された補強体(ブレード)30dと、補強体(ブレード)30dの外周の一部を被覆する内層10dと、内層10dを被覆する外層40dと、を有している。
【0037】
図8に示すように、カテーテル5では、補強体(ブレード)30dは、第一外径D9を有する小径部31d及び小径部35dと、第一外径D9よりも大きなD10を有する大径部33dと、小径部31dと大径部33dとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32dと、小径部35dと大径部33dとの間で後端側に向かって拡径するテーパ部34dと、を有するように一体的に形成されており、補強体(ブレード)30dは、大径部33dにおいて、または、テーパ部32d、テーパ部34d及び大径部33dにおいて、内層10d内から浮き上がり外層40dに埋没している。
【0038】
カテーテル5では、補強体(ブレード)30dが小径部31d及び小径部35dから大径部33dに向かって拡径し、大径部33dにおいて、または、テーパ部32dとテーパ部34dと大径部33dとにおいて、外層40dとそこに埋没している第一素線20d及び第二素線21dとのアンカー効果により、カテーテル5を血管、胆管、膵管等を挿入した際に、狭窄部又は閉塞部で外層40dが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40dが内層10dから剥離する恐れを低減することができる。
【0039】
なお、カテーテル5では、補強体(ブレード)30dは、テーパ部32dと小径部31dを備えることなく、第一外径D9を有する小径部35dと、第一外径D9よりも大きな第二外径D10を有する大径部33dと、小径部35dと大径部33dとの間で後端側に向かって拡径するテーパ部34dと、を有するように一体的に形成されており、補強体(ブレード)30dは、大径部33dにおいて、または、テーパ部34d及び大径部33dにおいて、内層10d内から浮き上がり外層40dに埋没している構成であってもよい。
【0040】
次に、
図9、
図10及び
図11を参照しつつ、第6の実施形態のバルーンカテーテル6を説明する。
図10は、
図9のB部を拡大した拡大図であり、
図11は
図9のC部を拡大した拡大図である。バルーンカテーテル6は、例えば、狭窄部又は閉塞部を拡張して治療するために用いられる治療用バルーンカテーテルである。
【0041】
図9に示すように、バルーンカテーテル6は、主に、バルーン90と、チップ100と、アウターシャフト110と、インナーシャフト60eと、コアワイヤ120と、コネクタ130と、からなる。
【0042】
狭窄部又は閉塞部を拡張するバルーン90は、樹脂製の部材からなり、バルーン90の先端は、インナーシャフト60eの先端及びチップ100の後端に接合されており、バルーン90の後端は、アウターシャフト110の先端に接合されている。
【0043】
アウターシャフト110は、バルーン90を拡張するために、造影剤や生理食塩水などの液体を供給するための拡張ルーメン116を構成する管状の部材である。アウターシャフト110は、先端側から順に、先端アウターシャフト部111と、ガイドワイヤポート部113と、中間アウターシャフト部115と、後端アウターシャフト部117と、からなる。先端アウターシャフト部111と中間アウターシャフト部115とは、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリエステルエラストマーなどの樹脂からなるチューブである。ガイドワイヤポート部113は、先端アウターシャフト部111と、中間アウターシャフト部115と、インナーシャフト60eと、を互いに接合した部分である。
【0044】
先端アウターシャフト部111には、インナーシャフト60eが挿入されており、先端アウターシャフト部111とインナーシャフト60eとの間には、上述した拡張ルーメン116が形成されている。
【0045】
後端アウターシャフト部117は、所謂ハイポチューブと呼ばれる金属製の管状部材である。後端アウターシャフト部117の先端は、中間アウターシャフト部115の後端に挿入されて接合されている。後端アウターシャフト部117の後端には、コネクタ130が取り付けられている。コネクタ130に取り付け可能なインデフレータ(図示せず)からバルーン90を拡張するための造影剤や生理食塩水などの液体が供給されると、液体は、拡張ルーメン116を通ってバルーン90を拡張する。なお、後端アウターシャフト部117の材料は、特に限定されず、ステンレス鋼(SUS302、SUS304)やNi−Ti合金などの超弾性合金を用いることができる。
【0046】
インナーシャフト60eは、内部にガイドワイヤを挿入するためのガイドワイヤルーメン62を形成している。また、インナーシャフト60eの後端は、アウターシャフト110のガイドワイヤポート部113に接合することで、後端側ガイドワイヤポート134を形成している。手技者は、この後端側ガイドワイヤポート134からガイドワイヤの交換ができるようになっている。
【0047】
インナーシャフト60eの先端及びバルーン90の先端には、チップ100が接合されている。チップ100は、柔軟な樹脂で形成されている。材料は特に限定されないが、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマーなどを用いることができる。また、チップ100は、先端に先端側ガイドワイヤポート133を有している。
【0048】
後端アウターシャフト部117の先端の内周には、コアワイヤ120が取り付けられている。コアワイヤ120は、断面が円形であり、先端に向かって細径化されたテーパ状の金属製の線材である。コアワイヤ120の材料は、特に限定されず、ステンレス鋼(SUS304)やNi−Ti合金などの超弾性合金を用いることができる。このコアワイヤ120は、中間アウターシャフト部115とガイドワイヤポート部113とを通過して、先端アウターシャフト部111まで延びている。また、コアワイヤ120は、ガイドワイヤポート部113に当接可能なプッシャー部122を備える。
【0049】
バルーン90の内部には、2個のマーカー98がインナーシャフト60eの外周に取り付けられている。これにより、医師等の手技者が、X線照射時にバルーン90の位置を正確に把握することができ、その結果、狭窄部又は閉塞部を確実に拡張することが容易となる。
【0050】
図10に示すように、インナーシャフト60eは、半径方向に内側から順に、隣接する素線20e間に間隙25eを有するように素線20eが巻回された補強体(コイル体)30eと、補強体(コイル体)30eの外周を被覆する内層10eと、内層10eの外周を被覆する外層40eと、を有している。なお、インナーシャフト60eは、上記第1〜第5の実施形態で説明したカテーテル1〜5に相当する。
【0051】
補強体30eは、第一外径D11を有する小径部31eと、小径部31eよりも先端側に第一外径D11よりも大きな第二外径D12を有する大径部33eと、小径部31eと大径部33eとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32eと、を有するように一体的に形成されており、補強体(コイル体)30eは、大径部33eにおいて、または、テーパ部32e及び大径部33eにおいて、内層10e内から浮き上がり外層40eに埋没している。
【0052】
インナーシャフト60eでは、補強体30eが小径部31eから大径部33eに向かって拡径し、大径部33eにおいて、または、テーパ部32e及び大径部33eにおいて、外層40eとそこに埋没している素線20eとのアンカー効果により、バルーンカテーテル6を血管、胆管、膵管等を挿入した際にバルーン90及び外層40eが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40eが内層10eから剥離する恐れを低減することができる。
【0053】
更に、外層40eとバルーン90との接合部では、外層40eが、凹部42と凸部45とからなる凹凸形状の外周面46を有し、バルーン90が外層40eの外周面46に対応する凹部95と凸部92からなる凹凸形状の内周面96を有しており、補強体(コイル体)30eの大径部33eにおいて、または、テーパ部32e及び大径部33eにおいて、バルーン90の凸部92は、素線20eの間隙25eで補強体30eの第二外径D12よりも内層10e側に入り込んでいる。言い換えると、バルーン90の凸部92における内径は、補強体(コイル体)30eの大径部33eの第二外径D12よりも小さくなっている。
【0054】
このように、バルーン90の凸部92と外層40eの凹部42とを、及び、バルーン90の凹部95と外層40eの凸部45とを、接合することで、バルーン90と外層40eとの接合面積が増すため、接合強度が向上し、バルーン90を径方向に拡張させた場合でも、バルーン90が外層40eから剥離する恐れを低減することができる。
【0055】
更に、補強体(コイル体)30eの大径部33eにおいて、または、テーパ部32e及び大径部33eにおいて、バルーン90の凸部92は、素線20eの間隙25eで第二外径D12よりも内層10e側に入り込んでいる(言い換えると、バルーン90の凸部92における内径が、第二外径D12よりも小さくなっている)ことで、バルーン90を径方向及び軸方向に拡張させた場合でも、バルーン90の凸部92が外層40eに埋没している素線20eに引っ掛かり、バルーン90が外層40eから剥離する恐れを低減することができる。なお、バルーン90の凸部92の間隙25eへの入り込みの深さは、均等であっても、部分的に深さが変わっていてもよい。
【0056】
図11に示すように、バルーン90の後端は、先端アウターシャフト部111の先端に接合されている。
【0057】
先端アウターシャフト部111は、半径方向に内側から順に、隣接する素線20f間に間隙25fを有するように、素線20fが巻回された補強体(コイル体)30fと、補強体(コイル体)30fの外周を被覆する内層10fと、内層10fの外周を被覆する外層40fと、を有している。なお、アウターシャフト部111は、上記第1〜第5の実施形態で説明したカテーテル1〜5に相当する。
【0058】
補強体(コイル体)30fは、第一外径D13を有する小径部31f、小径部31fよりも先端側に第一外径D13も大きな第二外径D14を有する大径部33fと、小径部31fと大径部33fとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32fと、を有するように一体的に形成されており、補強体(コイル体)30fは、大径部33fにおいて、または、テーパ部32f及び大径部33fにおいて、内層10f内から浮き上がり外層40fに埋没している。
【0059】
先端アウターシャフト部111では、補強体(コイル体)30fが小径部31fから大径部33fに向かって拡径し、大径部33fにおいて、または、テーパ部32f及び大径部33fにおいて、外層40fとそこに埋没している補強体(コイル体)30fとのアンカー効果により、バルーンカテーテル6を血管、胆管、膵管等を挿入した際にバルーン90及び外層40fが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合や、バルーン90を径方向に拡張させた場合でも、バルーン90が先端アウターシャフト部111から剥離する恐れを低減することができる。
【0060】
更に、外層40fとバルーン90との接合部では、外層40fが、凹部42fと凸部45fとからなる凹凸形状の外周面46fを有し、且つ、バルーン90が外層40fの外周面46fに対応する凹部95fと凸部92fらなる凹凸形状の内周面96fを有しており、補強体(コイル体)30fの大径部33fにおいて、または、テーパ部32f及び大径部33fにおいて、バルーン90の凸部92fは、素線20fの間隙25fで補強体30fの第二外径D14よりも内層10f側に入り込んでいる。言い換えると、バルーン90の凸部92fにおける内径は、補強体(コイル体)30fの大径部33fの第二外径D14よりも小さくなっている。
【0061】
このように、バルーン90の凸部92fと外層40fの凹部42fとを、及び、バルーン90の凹部95fと外層40fの凸部45fを、接合することで、バルーン90と外層40fとの接合面積が増すことで、接合強度が向上して、バルーン90を径方向及び軸方向に拡張させた場合でも、バルーン90が先端アウターシャフト部111から剥離する恐れを低減することができる。
【0062】
更に、補強体(コイル体)30fの大径部33fにおいて、または、テーパ部32f及び大径部33fにおいて、バルーンの凸部92fは、素線20fの間隙25fで第二外径D14よりも内層10f側に入り込んでいる(言い換えると、バルーン90の凸部92fにおける内径が、第二外径D14よりも小さくなっている)ことで、バルーン90を径方向及び軸方向に拡張させた場合でも、バルーン90の凸部92fが外層40fに埋没している素線20fに引っ掛かり、バルーン90が外層40fから剥離する恐れを低減することができる。なお、バルーン90の凸部92fの間隙25fへの入り込みの深さは、均等であっても、部分的に深さが変わっていてもよい。
【0063】
なお、バルーンカテーテル6は、
図10に示したインナーシャフト60eとバルーン90との接合部、及び
図11に示した先端アウターシャフト部111とバルーン90との接合部を有しているが、これに限定されない。バルーンカテーテル6は、
図10に示したインナーシャフト60eとバルーン90との接合部または、
図11に示した先端アウターシャフト部111とバルーン90との接合部のうち、いずれか一方の接合部のみを有していてもよい。
【0064】
次に、
図12を参照しつつ、第7の実施形態のバルーンカテーテル7を説明する。
図10に示したバルーンカテーテル6との相違点のみを説明すると、バルーンカテーテル7では、インナーシャフト60gの半径方向に内側から順に、隣接する第一素線20g間に、又は、隣接する第二素線21g間に間隙25gを有するように、複数の素線(第一素線20g、及び、第二素線21g)が互いに編み込まれて形成された補強体(ブレード)30gと、補強体(ブレード)30gの外周を被覆する内層10gと、内層10gを被覆する外層40gと、を有している。なお、インナーシャフト60gは、上記第1〜第5の実施形態で説明したカテーテル1〜5に相当する。
【0065】
補強体(ブレード)30gは、第一外径D15を有する小径部31gと、小径部31gよりも先端側に第一外径D15よりも大きな第二外径D16を有する大径部33gと、小径部31gと大径部33gとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32gと、を有するように一体的に形成されており、補強体(ブレード)30gは、大径部33gにおいて、または、テーパ部32g及び大径部33gにおいて、内層10g内から浮き上がり外層40gに埋没している。
【0066】
インナーシャフト60gでは、補強体(ブレード)30gが小径部31gから大径部33gに向かって拡径し、大径部33gにおいて、または、テーパ部32g及び大径部33gにおいて、外層40gとそこに埋没している補強体(ブレード)30gとのアンカー効果により、バルーンカテーテル7を血管、胆管、膵管等を挿入した際にバルーン90g及び外層40gが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40gが内層10gから剥離する恐れを低減することができる。
【0067】
更に、外層40gとバルーン90gとの接合部では、外層40gが、凹部42gと凸部45gとからなる凹凸形状の外周面46gを有し、且つ、バルーン90gが外層40gの外周面46gに対応する凹部95gと凸部92gからなる凹凸形状の内周面96gを有しており、補強体(ブレード)30gの大径部33gにおいて、または、テーパ部32g及び大径部33gにおいて、バルーン90gの凸部92gは、補強体(ブレード)30gの間隙25gで補強体30gの第二外径D16よりも内層10g側に入り込んでいる。言い換えると、バルーン90gの凸部92gにおける内径は、補強体(コイル体)30gの大径部33gの第二外径D16よりも小さくなっている。
【0068】
このように、バルーン90gの凸部92gと外層40gの凹部42gとを、及び、バルーン90gの凹部95gと外層40gの凸部45gとを、接合することで、バルーン90gと外層40gとの接合面積が増すため、接合強度が向上し、バルーン90gを径方向及び軸方向に拡張させた場合でも、バルーン90gが外層40gから剥離する恐れを低減することができる。
【0069】
更に、補強体(ブレード)30gの大径部33gにおいて、または、テーパ部32g及び大径部33gにおいて、バルーン90gの凸部92gは、素線20gの間隙25gで第二外形D16よりも内層10g側に入り込んでいる(言い換えると、バルーン90gの凸部92gにおける内径が、第二外径D16よりも小さくなっている)ことで、バルーン90gを径方向及び軸方向に拡張させた場合でも、バルーン90gの凸部92gが外層40gに埋没している素線20gに引っ掛かり、バルーン90gが外層40gから剥離する恐れを低減することができる。なお、バルーン90gの凸部92gの間隙25gへの入り込みの深さは、均等であっても、部分的に深さが変わっていてもよい。
【0070】
次に、
図13を参照しつつ、第8の実施形態のバルーンカテーテル8を説明する。
図10に示したバルーンカテーテル6との相違点のみを説明すると、
図13に示すように、バルーンカテーテル8は、半径方向に内側から順に、隣接する素線20h間に間隙25hを有するように素線20hが巻回された補強体(コイル体)30hと、補強体(コイル体)30hの外周を被覆する内層10hと、内層10hの外周を被覆する外層40hと、外層40hの外周に接合されたバルーン90hと、を備えている。
【0071】
なお、バルーンカテーテル8において、樹脂層60hは、内層10hと外層40hとの二層を有しているが、これに限らない。外層40h一層のみを有する樹脂層であっても良い。
【0072】
補強体(コイル体)30hは、第一外径D17を有する小径部31hと、小径部31hよりも先端側に第一外径D17よりも大きな第二外径D18を有する大径部33hと、小径部31hと大径部33hとの間で先端側に向かって拡径するテーパ部32hと、を有するように一体的に形成されている。
【0073】
また、外層40hとバルーン90hとの接合部では、外層40hが、凹部42hと凸部45hとからなる凹凸形状の外周面46hを有し、且つ、バルーン90hが外層40hの外周面46hに対応する凹部95hと凸部92hからなる凹凸形状の内周面96hを有している。
【0074】
補強体(コイル体)30hは、大径部33hにおいて、または、テーパ部32h及び大径部33hにおいて、内層10h及び外層40h内から浮き上がりバルーン90hの凸部92hに埋没している。
【0075】
樹脂層60hでは、補強体(コイル体)30hが小径部31hから大径部33hに向かって拡径し、大径部33hにおいて、または、テーパ部32h及び大径部33hにおいて、バルーン90hの凸部92hに埋没している補強体30hとのアンカー効果により、バルーンカテーテル8を血管、胆管、膵管等に挿入した際にバルーン90hが軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合や、バルーン90hを径方向に拡張させた場合でも、バルーン90hが外層40hから剥離する恐れを低減することができる。
【0076】
更に、バルーン90hの凸部92hと外層40hの凹部42hとを、及び、バルーン90hの凹部95hと外層40hの凸部45hとを、接合することで、バルーン90hと外層40hとの接合面積が増すため、接合強度が向上し、バルーン90hを径方向及び軸方向に拡張させた場合でも、バルーン90hが外層40hから剥離する恐れを低減することができる。
【0077】
なお、
図11に示したバルーンカテーテル6のバルーン90と先端アウターシャフト部111を、第7及び第8の実施形態のバルーンカテーテル7及び8に適用しても良い。
【0078】
また、カテーテル1〜3において、補強体30〜30bは、先端側に向かって拡径するテーパ部32〜32bを有しているが、後端側に向かって拡径するテーパ部を有していても良い。
【0079】
更に、上記の説明では、補強体30〜30hとして、コイル体及びブレードを例示したが、これに限定されない。例えば、カテーテル1〜5及びバルーンカテーテル6〜8の補強体30〜30hとして、ハイポチューブ(金属チューブ)に螺旋状のスリットを設けて、このスリットを間隙とした補強層を適用しても良い。
本発明は、外層が軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層が内層から剥離しにくいカテーテル及びバルーンカテーテルを提供することを課題とする。
カテーテル1では、補強体30が小径部31から大径部33に向かって拡径し、大径部33で外層40とそこに埋没している素線20とのアンカー効果により、カテーテル1を血管、胆管、膵管等を挿入した際に、狭窄部又は閉塞部で外層40が軸方向(先端方向及び後端方向)に引っ張られた場合でも、外層40が内層10から剥離する恐れを低減することができる。