(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
この種のハンドル装置には、例えば同一出願人による特許文献1(特開平11−336938号公報)のものがあり、その従来の発明の実施例を
図11に示す。
なお、説明上、床F、木ねじS、ケーシング1、軸受2、ロッド継手C1、角パイプC3の部材は断面図で示し、それ以外の部材は外観図で示す。
従来のハンドル装置Aは、ケーシング1、軸受2、操作部本体3、把手4、軸ピン5、止め輪6、線細工ばね8が主な構成部材であり、操作部である把手4が床F面とほぼ同じ高さで設置され、この把手4は軸ピン5を中心として操作部本体3と垂直方向に回転自在に連結されている。
前記ケーシング1は、床F面に複数の木ねじSにより固定し、さらに操作部本体3は、その下端部に方向自在継手Tと、さらにロッド継手C1と横断面が四角形状の角ロッドC2及び前記角ロッドC2が挿入される四角中空の角パイプC3からなる連結部材Cを介して、地中Gに弁部(図省略)が配置される不凍給水栓Vの操作杆Hに連結されている。
【0003】
このハンドル装置Aは、不凍給水栓Vの遠隔操作時に把手4を屹立させて床Fに対して水平方向に回転させると、方向自在継手T及び連結部材Cを介して連結された不凍給水栓Vの操作杆Hが連動して回転し、不凍給水栓Vの弁部を遠隔操作で開栓(通水状態)または閉栓(水抜き状態)にでき、建物の水道配管の冬期の水道凍結事故を防げることを特徴とするものである。
このハンドル装置Aは、操作時のみ把手4を屹立させる構造なので、装置自体が日常生活の邪魔にならない、見栄えが良い等の効果を有するものである。
また、上記の特許文献1の実施例には軸受2が用いられており、この軸受2はケーシング1の下端中心部にケーシング1と同軸上に嵌合挿入されており、その上に外周円形の操作部本体3の一部が載置されている。
この軸受2は、把手4による回転操作による動力が操作部本体3を介して軸受2にも伝達され、上記操作をスムーズにおこなえる役目を担っている。
【0004】
また、特許文献1と同様のハンドル装置として、特許文献2(実公平1−28139号公報)も提案されている。
本技術は、文献の第5図に示すように截頭円板ハンドル12を回転させて円板部分を床上に出現させ、その円板部分を床に対し水平方向に回すと文献の第8図に示す水抜栓1を通水または水抜きに出来るものである。
さらに特許文献3(実公平5−37104号公報)も同様のハンドル装置であり、文献の第1図に示す中央の押しボタン17を指先で押圧降下させることで、ハンドル8がハンドル収納ケース1より上方に突出し、そのハンドル8を回転操作させる構造である。
なお、前述の「不凍給水栓」と「水抜栓」は同義であり、開栓操作することで水道配管に水を供給(通水)したり、また気温低下で水道凍結の心配のある時は、閉栓(水抜き)操作をおこなうことで水道配管内の水を管外に排出することが可能なバルブのことを指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1解決手段を用いた実施例)
第1解決手段を用いた本発明のハンドル装置A1の実施形態について
図1、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図1は、無操作時における本発明のハンドル装置A1の断面図を示している。
図2は、
図1の軸方向X−X線に沿って矢印から見たハンドル装置A1の断面図である。
図3は、ハンドル装置A1を各部材毎に分解した外観斜視図を示す。
なお説明の都合上、
図1は操作部本体3の一部、把手4、軸ピン5、動力伝達部材7、線細工ばね8の部材を外観図で示し、それ以外の部材は断面図で示す。
図2は、把手4のみを外観図で示し、それ以外の部材は断面図で示す。
さらに
図3においては、ケーシング1のみを断面斜視図で示し、それ以外の部材は外観斜視図で示し、さらに線細工ばね8の部材は省略する。
本発明のハンドル装置A1と不凍給水栓Vとの接続については、
図11の従来例である特許文献1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本発明の一実施例のハンドル装置A1の構成は、ケーシング1と、軸受2と、操作部本体3と、把手4と、軸ピン5と、止め輪6と、動力伝達部材7と、線細工ばね8とで構成される。
【0014】
ケーシング1は、外方に床F面とほぼ同じ高さの円形の鍔部1aを形成し、木ねじSにより床Fに固定する。
さらにケーシング1は、その内部の下端中心部に第1収容室1bを設け、その箇所に軸受2を嵌合挿入する。本実施例において、軸受2は玉軸受を採用している。
なおケーシング1の下端は、中心軸上に貫通孔1cを有する。
さらに前記第1収容室1b上方には第2収容室1dを設けており、この第2収容室1d内には軸心に貫通孔7a(
図3参照)を有する逆凸字形状の動力伝達部材7が、前記軸受2の内輪2a上面のみに載置されている。
さらに、軸ピン5により把手4を回転自在に連結されている操作部本体3が、前記動力伝達部材7の外方を覆うように、前記第1収容室1b及び前記第2収容室1dの両室内に跨る状態で回転可能に収容されている。
【0015】
次に、操作部本体3の詳細について説明する。
操作部本体3は、
図3に示すようにその上面に略半円形状の第1凹部3aを形成し、この第1凹部3aと隣接する側方には、一部を第2凹部底面3e及び第2凹部側面3dで囲繞し、内方に貫通部3fを設けた前記第1凹部3aより深い窪みの第2凹部3bを形成し、この第1凹部3a及び第2凹部3bに跨るように略U字形状の把手4が、軸ピン5を中心として垂直方向に回転自在に連結された状態で収容されている。
なお、前記第2凹部底面3eは、
図2に示すようにハンドル装置A1の無操作時、ケーシング1の第2収容室底面1eに接触している。
また、前記第2凹部3bの貫通部3fには、その空間に動力伝達部材7が配置されている。
【0016】
次に
図3を用いて、ハンドル装置A1の組立について説明する。
なお、図は省略しているが、操作部本体3の第1凹部3aの裏面には線細工ばね8が取り付けられている。
最初に、ケーシング1の第1収容室1b内に軸受2を嵌合挿入し、その軸受2と同軸上に動力伝達部材7を軸受2に載置する。
その後、動力伝達部材7の上方から、軸ピン5を用いて把手4が連結されている操作部本体3の円柱部3cを、動力伝達部材7の貫通孔7a及び軸受2の中空部に挿通し、最終的にケーシング1の貫通孔1cに挿通後、止め輪6を円柱部3c下部に設けた溝3gに嵌め込んで、各部材がケーシング1に対して離脱不能に連結する。
その後、
図1に示すように木ねじSを用いてハンドル装置A1を床Fに固定し、さらに円柱部3cの下部に、ピン9を用いて方向自在継手Tが連結され、
図11に示すように、方向自在継手Tは連結部材Cを介して不凍給水栓Vと連結される。
本実施例において、前記のようにハンドル装置A1(円柱部3c)と方向自在継手Tの接続にピン9を用いているが、例えば方向自在継手Tにねじ切削加工した横穴を設け、その穴にボルトを螺着して円柱部3cの下部に固定して接続する方法であっても良い。
【0017】
なお、本実施例におけるハンドル装置A1は、
図1に示すように、本出願人の特許文献1による従来技術と同様に操作部本体3の裏面に線細工ばね8を装着しているので、把手4の屹立時に操作部本体3の下側から把手4に押圧力を与え、操作中、把手4ががたつかず、軸ピン5を中心軸とした回転のみで第1凹部3a及び第2凹部3b内に収納できる効果を有している。
【0018】
次にハンドル装置A1の操作時について、
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は操作時におけるハンドル装置A1の断面図であり、なお説明の都合上、操作部本体3の一部、把手4、軸ピン5、動力伝達部材7、線細工ばね8の部材を外観図で示し、それ以外の部材は断面図で示す。
また、
図5も同じく操作時におけるハンドル装置A1の断面図を示したもので、
図4の軸方向Y−Y線に沿って矢印から見た断面図であり、説明上、線細工ばね8の図は省略し、把手4のみを外観図で示している。
図1の状態から把手4の先端部上面4aを指で押圧すれば、軸ピン5を中心軸として把手4は床F面と垂直方向に回転し、把手4は約90度回転して、その先端部底面4bが操作部本体3のストッパー部3h(
図3参照)に当たり回転を停止する。
同時に、屹立した把手4の先端部側面4cの一部が動力伝達部材7の上面7bに接触し、さらに軸受2は第1収容室1bに嵌合挿入されているために、軸受2が下方への移動を拘束され、軸受2及び動力伝達部材7は接触した状態でその場に留まったままで、把手4と軸ピン5で連結されている操作部本体3のみが上方に僅かに持ち上がり、同時に、それまで接触していた操作部本体3の第2凹部底面3eとケーシング1の第2収容室底面1eとが離脱する。
【0019】
このように、把手4の先端部側面4cが動力伝達部材7の上面7bに接触している状態なので、軸ピン5により連結されている操作部本体3と把手4の荷重が、動力伝達部材7を介して軸受2の内輪2aにかかるので、軸受2の働きにより把手4を床F面に対し水平方向に回転させれば、軸ピン5により連結されている操作部本体3が円柱部3cを中心軸として回転し、スムーズにハンドル操作をおこなうことができ、
図11に示すように操作部本体3に方向自在継手T及び連結部材Cを介して連結されている不凍給水栓Vの操作杆Hも同時に回転し、不凍給水栓Vの弁部を遠隔操作することができる。
【0020】
次にハンドル装置A1の無操作時について、
図1及び
図2を用いて説明する。
ハンドル装置A1の把手4が
図3に示す操作部本体3の第1凹部3a及び第2凹部3b内に収納されている状態である無操作時においては、操作部本体3の第2凹部底面3eとケーシング1の第2収容室底面1eとが接触しているが、動力伝達部材7の上面7bと把手4とは非接触の状態である。
そのため、ハンドル装置A1の無操作時に操作部本体3及び把手4上を人が歩き、それらの部材上面に人の体の一部が接触しても、その接触によって操作部本体3及び把手4を動かそうとする力が軸受2までは伝わらない。
上記の力は、操作部本体3の第2凹部底面3eを介して接触しているケーシング1の第2収容室底面1eのみにかかるが、接触面で生じる部材間の摩擦力がストッパーの役目を果たし、ハンドル装置A1自体が不用意に作動することはない。
そのため、前記接触面の摩擦力が大きくなるように前記ケーシング1と操作部本体3とは、例えば同種金属のように、より部材間の摩擦力が大きくなる材質を選択するのが望ましい。
【0021】
また、ハンドル装置A1の無操作時に接触する操作部本体3の第2凹部底面3eとケーシング1の第2収容室底面1eは、その両方もしくは片方の面を凹凸状にしたり、または第2凹部底面3eもしくは第2収容室底面1eにゴム材質の薄い板状シートを貼付する方法を用いて両部材間で摩擦力をより大きくさせても良く、要は第2凹部底面3eと第2収容室底面1eとがハンドル装置A1の無操作時には接触、操作時には非接触となる構造であれば、上記のような本発明の要旨を逸脱しない程度の設計変更は自由である。
【0022】
(第2解決手段を用いた実施例)
第2解決手段を用いた本発明のハンドル装置A2の実施形態について、
図6乃至
図10を用いて説明する。
図6は、第2解決手段を用いた本発明の一実施例を示す、無操作時におけるハンドル装置A2の断面図である。
図7はその平面外観図、
図8は操作部本体111のみの外観斜視図である。
図9は、
図6のZ−Z線に沿って矢印から見たハンドル装置A2の断面図である。
なお
図9においては、説明上、床Fと木ねじSの断面図を省略する。
図6に示す符号111は操作部本体、112は把手、113はケーシングである。
操作部本体111は、
図8に示すように円形天板111a、円柱部111bより構成され、円形天板111aは一方の端部が凸窓111gを形成する天窓111cを開放している。
円柱部111bには、天窓111cと同一幅の切欠き111dを有している。
さらに円柱部111bの下部には、溝111eおよびジョイント接続部111fを有している。
把手112は、
図6に示すように半円よりもやや大きい円板であり、一方の端部には前記操作部本体111の天窓111cの一方の端部に設けた凸窓111gと同形状の凸部112aを有する。(
図7)
また把手112は、その中心において操作部本体111の円柱部111bの上部に設けた軸114によって回転自在に連結される。
【0023】
ケーシング113は、
図6に示すように中空部113aを有する有底型の円形状ケーシングである。
さらに前記中空部113aの側面内周上端部には、
図9に示すようにハンドル装置A2の無操作時、把手112の凸部112aと嵌合する凹部113bを円周上に複数形成している。
またケーシング113の底部には、
図6に示すように操作部本体111の円柱部111bが挿通される貫通孔113cを有する。
【0024】
次に、
図6を用いてハンドル装置A2の組立について説明すると、把手112を軸114により連結させた操作部本体111を、ケーシング113の中空部113a上方から挿入する。
挿入すると最終的に円柱部111bの下部に設けた溝111eおよびジョイント接続部111f部分が、ケーシング113の底部に設けた貫通孔113cに挿通される。
挿通後、溝111eに抜け止めリング115を嵌め込んで組立が終了となる。
なおジョイント接続部111fは、図示しないが特許文献2(実公平1−28139号公報)の第8図に示すようなジョイント26、ロッド27、ジョイント28等を介して水抜栓1に連結される。
【0025】
次に第2解決手段におけるハンドル装置A2の操作時について、
図10を用いて説明する。
図10は、操作時におけるハンドル装置A2の断面図である。
図6の無操作時の状態からハンドル装置A2を用いて水抜栓を遠隔操作したい場合は、
図6に示す把手112の右端を上から押圧すると、把手112は床Fに対し垂直方向、詳細には
図6の紙面上、時計方向に回転することで
図10の状態になり、凸部112aの上面が操作部本体111の円形天板111a上面の一部に接触して、把手112の回転が止まる。
図10の状態の操作時は、
図9に示す把手112の凸部112aとケーシング113の凹部113bの嵌合が解除されるので、
図10の状態で把手112を床F面に対し水平方向に回すと、把手112と軸114を介して連結されている操作部本体111が円柱部111bを中心軸として回転し、特許文献2(実公平1−28139号公報)の第8図に示すようなジョイント26、ロッド27、ジョイント28等を介して水抜栓1の弁部を遠隔操作することができる。
操作後は、把手112を、床Fに対し前述とは逆の垂直方向に回転させることにより、
図6に示すハンドル装置A2の無操作時の状態に戻り、この時、把手112の凸部112aが
図9に示すケーシング113の複数の凹部113bのいずれかに再び嵌合する。
【0026】
次に第2解決手段におけるハンドル装置A2の無操作時について、
図6および
図9を用いて説明する。
図9に示すように、無操作時は、把手112に設けた凸部112aがケーシング113に設けた複数の凹部113bのいずれかと嵌合している。
この嵌合により、把手112が、床F面に対し水平方向の回転が回転不能に規制されるため、人の体の一部がハンドル装置A2に不用意に接触しても、連結されている水抜栓が遠隔操作されず、少量の水が出っ放しになる不慮の事故を防ぐことができる。
【0027】
ちなみに第2解決手段を用いたハンドル装置A2の実施例において、
図9に示すケーシング113に設けた凹部113b間の谷部113dの幅は、凹部113bの幅より狭くし、さらに把手112の凸部112aやケーシング113の凹部113bの端面部を、テーパーや曲面形状にすることで、操作後に把手112を無操作状態に戻す時に、万一把手112の凸部112aがケーシング113の谷部113dの位置に重なっても、その谷部113dの両隣の凹部113bのいずれかとスムーズに嵌合し易くなる。
そのため、凸部112aが両隣のどちらの凹部113bに嵌合しても良いように、凹部113bと次の凹部113bまでの1ピッチ分の回転では、水抜栓が一方から他方の状態(例えば閉栓から開栓状態)に移行しないように、凹部113bの数を設定する必要がある。
【0028】
また、第2解決手段を用いたハンドル装置A2の実施例において、
図9に示すように把手112側に凸部112aを設けてケーシング113側の凹部113bと嵌合するようにしているが、それとは逆に把手112側に凹部、ケーシング113側に凸部を設けても良く、要するにハンドル装置の非操作時に凹凸部が嵌合し、操作時にその嵌合が解除される構造であれば良い。
【0029】
上記の第2解決手段は、特許文献3(実公平5−37104号公報)に採用することも可能であり、図示しないが例えば特許文献3の第1図に示す実施例において、ハンドル8の側面外周に凸部を、ハンドル収納ケース1の中空部の側面内周にハンドル8の前記凸部に嵌合する形状の凹部を設け、無操作時は凸部と凹部が嵌合することでハンドル8の回転を回転不能に規制し、操作時はハンドル8を上方に持ちあげることで凸部と凹部の嵌合が解除され、無操作時のハンドル装置の誤作動を防止することが可能である。