(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を、皮膚外用剤全量に対し0.001質量%〜10質量%含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、この様な状況下に為されたものであり、色素沈着予防又は改善用に好適な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、色素沈着予防又は改善用に好適な皮膚外用剤を求め鋭意努力を重ねた結果、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有する皮膚外用剤が、色素沈着予防又は改善作用に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下に示す通りである。
<1> 下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)アドバンスド・グリケーション・エンドプロダクツ(AGEs:Advanced glycation end-products)分解剤とを含有する、皮膚外用剤。
【0010】
【化1】
(1)
[式中、R
1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R
2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R
3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【0011】
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩である、<1>に記載の皮膚外用剤。
【0012】
【化2】
(2)
[式中、R
4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R
5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表す。]
【0013】
<3> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩である、<1>に記載の皮膚外用剤。
【0014】
【化3】
(3)
[式中、R
6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R
7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。]
【0015】
<4> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩である、<1>に記載の皮膚外用剤。
【0016】
【化4】
(4)
[式中、R
8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
【0017】
<5> 前記一般式(1)に表される化合物が、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩である、<1>に記載の皮膚外用剤。
【0018】
【化5】
N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)
【0019】
【化6】
N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)
【0020】
【化7】
N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)
【0021】
【化8】
N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)
【0022】
【化9】
N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)
【0023】
【化10】
N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)
【0024】
【化11】
N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)
【0025】
【化12】
N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)
【0026】
【化13】
N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)
【0027】
【化14】
N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)
【0028】
【化15】
N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)
【0029】
【化16】
N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)
【0030】
【化17】
N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)
【0031】
【化18】
N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)
【0032】
<6> 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を、皮膚外用剤全量に対し0.001質量%〜10質量%含有する、<1>〜<5>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<7> 前記AGEs分解剤が、下記の植物より得られる植物抽出物より選択される1種又は2種以上である、<1>〜<6>の何れかに記載の皮膚外用剤。
(植物)マメ科ゲンゲ属に属する植物、モクセイ科オリーブ属に属する植物、ユキノシタ科ユキノシタ属に属する植物、バラ科ポテンチラ属に属する植物
、マメ科アスパラトゥス属に属する植物、バラ科シモツケソウ属に属する植物、キク科ヨモギ属に属する植物
。
<8> 前記のマメ科ゲンゲ属、モクセイ科オリーブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属
、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属に属する植物が、マメ科ゲンゲ属レンゲソウ、モクセイ科オリーブ属オリーブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバ
イ、バラ科
ポテンチラ属カワラサイコ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギである、<7>に記載の皮膚外用剤。
<9> 前記AGEs分解剤が、皮膚角層中AGEsの分解作用を有する、<1>〜<8>の何れかに記載の皮膚外用剤
。
<10> 前記AGEs分解剤を、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、<1>〜<9>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<11> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)である、<1>〜<10>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<12> 美白用である、<1>〜<11>の何れかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、色素沈着予防又は改善用に好適な皮膚外用剤を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有することを特徴とする皮膚外用剤である。また、本発明の皮膚外用剤は、色素沈着予防又は改善作用に優れる。本発明の皮膚外用剤が対象とする色素沈着予防又は改善作用としては、紫外線暴露などによる一過性又は可逆的なメラニン産生亢進に起因する日焼けなどの通常の色素沈着症状のほか、角化細胞の細胞機能低下、タ−ンオ−バ−遅延等に起因する治り難いしみ、くすみ、更には、炎症又は肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善作用も包含される。前記の角化細胞における機能障害は、色素細胞における過剰及び/又は慢性的なメラニン産生亢進、角化細胞へのメラニンの過剰輸送、蓄積又は排出遅延などにより引き起こされる。また、日焼けなどによる色素沈着の発生・悪化過程においては、サイトカインに代表される様々な情報伝達因子が関与することによる炎症、重層剥離などの肌荒れ症状を伴うことが多く見受けられる。本発明の皮膚外用剤は、この様な色素沈着症状の発生、悪化に対しても有用である。
【0036】
以下に、本発明の皮膚外用剤の必須成分である、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、並びに、2)AGEs分解剤に関し説明する。
【0037】
<本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩>
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有することを特徴とし、優れた色素沈着予防又は改善作用を有する。本発明の皮膚外用剤の必須成分である前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、AGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、前記一般式(1)に表される化合物が有するメラニン産生抑制作用が効果的に増強され、優れた色素沈着予防又は改善作用を発揮する。また、前記一般式(1)に表される化合物は、高い安全性及び安全性、取り分け、皮膚感作性、皮膚刺激性などに対する高い安全性、原体及び製剤中における高い安定性を有する。さらに、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、セリン誘導体であり市販の原料より安価に製造出来るほか、化粧品など皮膚外用剤を製造する際に使用される汎用基剤に対する溶解性、取り分け、水又は低級アルコ−ル、多価アルコ−ル等の極性基剤に対する溶解性に優れ、多様な形態の製剤を作製することが可能である。
【0038】
本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の1種又は2種以上を選択し皮膚外用剤に配合することが出来る。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましいものとしては、前記一般式(2)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましい化合物を具体的に挙げれば、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物は、その化学構造中に不斉炭素を有する光学活性化合物である。このため、前記一般式(1)に表される化合物の存在形態としては、L体又はD体である光学活性体、L体及びD体の1:1混合物であるラセミ体、L体及びD体が任意の比率で存在する混合物などの多様な形態で存在する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物の存在形態としては、前記の存在可能な形態を全て包含する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物の存在形態としては、特段の限定はないが、薬効の発現、安全性などの面から、L体を使用することが好ましい。
【0039】
前記一般式(1)に表される化合物に付いて述べる。式中、R
1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R
2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、R
3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。前記R
1は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、芳香族環上の置換基としては、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアルコキシ基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するエステル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するモノ又はジアミノアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、無置換又は置換基を有する芳香族基などが好適に例示出来る。また、芳香族環上の置換基の数は、0〜3の整数であることが好ましく、より好ましくは、0又は1の整数である。前記芳香族環上の置換基の位置に関しては、特段の限定はないが、特に、芳香族環とセリン誘導体が結合するアミド結合に対しパラ位に置換基を有することが好ましい。前記R
1に関し好ましいものを具体的に挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、N−メチルアミノフェニル基、N−エチルアミノフェニル基、N−プロピルアミノフェニル基、N−ブチルアミノフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、N,N−ジプロピルアミノフェニル基、N,N−ジブチルアミノフェニル基、アセチルフェニル基、プロピオニルフェニル基、ブチリルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、プロピルオキシカルボニルフェニル基、ブチルオキシカルボニルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、ピリジル基、メチルピリジル基、エチルピリジル基、プロピルピリジル基、ブチルピリジル基、メトキシピリジル基、エトキシピリジル基、プロピルオキシピリジル基、ブチルオキシピリジル基、N−メチルアミノピリジル基、N−エチルアミノピリジル基、N−プロピルアミノピリジル基、N−ブチルアミノピリジル基、N,N−ジメチルアミノピリジル基、N,N−ジエチルアミノピリジル基、N,N−ジプロピルアミノピリジル基、N,N−ジブチルアミノピリジル基、アセチルピリジル基、プロピオニルピリジル基、ブチリルピリジル基、メトキシカルボニルピリジル基、エトキシカルボニルピリジル基、プロピルオキシカルボニルピリジル基、ブチルオキシカルボニルピリジル基、フルオロピリジル基、クロロピリジル基、ブロモピリジル基、トリフルオロメチルピリジル基、ヒドロキシピリジル基、アミノピリジル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロピルオキシナフチル基、ブチルオキシナフチル基、N−メチルアミノナフチル基、N−エチルアミノナフチル基、N−プロピルアミノナフチル基、N−ブチルアミノナフチル基、N,N−ジメチルアミノナフチル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、N,N−ジプロピルアミノナフチル基、N,N−ジブチルアミノナフチル基、アセチルナフチル基、プロピオニルナフチル基、ブチリルナフチル基、メトキシカルボニルナフチル基、エトキシカルボニルナフチル基、プロピルオキシカルボニルナフチル基、ブチルオキシカルボニルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基、ヒドロキシナフチル基、アミノナフチル基、ビフェニル基、メチルビフェニル基、エチルビフェニル基、プロピルビフェニル基、ブチルビフェニル基、メトキシビフェニル基、エトキシビフェニル基、プロピルオキシビフェニル基、ブチルオキシビフェニル基、N−メチルアミノビフェニル基、N−エチルアミノビフェニル基、N−プロピルアミノビフェニル基、Nブチルアミノビフェニル基、N,N−ジメチルアミノビフェニル基、N,N−ジエチルアミノビフェニル基、N,N−ジプロピルアミノビフェニル基、N,N−ジブチルアミノビフェニル基、アセチルビフェニル基、プロピオニルビフェニル基、ブチリルビフェニル基、メトキシカルボニルビフェニル基、エトキシカルボニルビフェニル基、プロピルオキシカルボニルビフェニル基、ブチルオキシカルボニルビフェニル基、フルオロビフェニル基、クロロビフェニル基、ブロモビフェニル基、トリフルオロメチルビフェニル基、ヒドロキシビフェニル基、アミノビフェニル基等が好適に例示出来、これらの内、好ましいものとしては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R
2は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、アセチル基が好適に例示出来る。前記R
3は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましいものとしては、前記一般式(2)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)、その光学異性体及び/又はそれの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。
【0040】
前記一般式(2)に表される化合物に付いて述べる。式中、R
4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R
5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表す。前記R
4は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記一般式(1)に表される化合物における置換基R
1と同様の置換基が好適に例示出来る。また、かかる置換基の内、好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R
5は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル鎖を有するアシル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基などが、より好ましくは、水素原子、メチル基、アセチル基が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物の内、前記一般式(4)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−メチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−メチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−メチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−メチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−メチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−メチルセリン、N−ベンゾイル−O−エチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−エチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−エチルセリン、N−(ナフトイル)−O−エチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−エチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−エチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−エチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−エチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−エチルセリン、N−ベンゾイル−O−アセチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(ナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−アセチルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−アセチルセリン、N−ベンゾイル−O−プロピオニルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(プロピルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(アミノベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ブロモベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(クロロベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(フルオロベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(ナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシナフトイル)−O−プロピオニルセリン、N−(ビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メチルビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エチルビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(メトキシビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、N−(エトキシビフェニルカルボニル)−O−プロピオニルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物の内、より好ましい化合物を挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、N−ベンゾイル−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−メチルセリン、N−(メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン、N−(ナフトイル)−O−メチルセリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−ベンゾイル−O−メチルセリン(化合物11)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−メチルセリン(化合物12)、N−(p−メチルベンゾイル)−O−アセチルセリン(化合物13)、N−(2−ナフトイル)−O−メチルセリン(化合物14)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。
【0041】
前記一般式(3)に表される化合物に付いて述べる。式中、R
6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、R
7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。前記R
6は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記一般式(1)に表される化合物における置換基R
1と同様の置換基が好適に例示出来る。かかる置換基の内、好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、さらに好ましくは、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記R
7は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが、より好ましくは、水素原子、メチル基が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、前記一般式(4)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン メチルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン メチルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン エチルエステル、N−(ナフトイル)セリン エチルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン エチルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン エチルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン エチルエステル、N−(ベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(プロピルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(アミノベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(クロロベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(フルオロベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(ピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N-(エトキシピリジンカルボニル)セリン プロピルエステル、N−(ナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシナフトイル)セリン プロピルエステル、N−(フェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン プロピルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、このましい化合物を挙げれば、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、N−(メチルベンゾイル)セリン メチルエステル、N−(ナフトイル)セリン メチルエステル、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、N−(p−メチルベンゾイル)セリン メチルエステル(化合物9)、N−(2−ナフトイル)セリン メチルエステル(化合物10)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。
【0042】
前記一般式(4)に表される化合物に付いて述べる。式中、R
8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。前記R
8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、前記一般式(1)に表される化合物における置換基R
1と同様の置換基が好適に例示出来る。かかる置換基の内、好ましいものとしては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来、さらに好ましくは、さらに好ましくは、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フェニル基、2−ナフチル基、4−ビフェニル基が好適に例示出来る。前記の芳香族環上の置換基の数は、特段の限定はないが、0〜3が好適に例示出来、それぞれ独立に存在することが出来る。また、かかる置換基の数としては、0又は1が特に好ましく、芳香族環上の置換基の置換位置としては、好ましくは、芳香族環上のセリン構造が結合したアミド結合に対しパラ位が好ましい。前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)セリン、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(プロピルベンゾイル)セリン、N−(ブチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(エトキシベンゾイル)セリン、N−(プロピルオキシベンゾイル)セリン、N−(ブチルオキシベンゾイル)セリン、N−(ヒドロキシベンゾイル)セリン、N−(アミノベンゾイル)セリン、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)セリン、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)セリン、N−(クロロベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ピリジンカルボニル)セリン、N−(メチルピリジンカルボニル)セリン、N−(エチルピリジンカルボニル)セリン、N−(プロピルピリジンカルボニル)セリン、N−(メトキシピリジンカルボニル)セリン、N−(エトキシピリジンカルボニル)セリン、N−(プロピルオキシピリジンカルボニル)セリン、N−(ヒドロキシピリジンカルボニル)セリン、N−(アミノピリジンカルボニル)セリン、N−(クロロピリジンカルボニル)セリン、N−(フルオロピリジンカルボニル)セリン、N−(トリフルオロメチルピリジンカルボニル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(メチルナフトイル)セリン、N−(エチルナフトイル)セリン、N−(プロピルナフトイル)セリン、N−(メトキシナフトイル)セリン、N−(エトキシナフトイル)セリン、N−(プロピルオキシナフトイル)セリン、N−(ヒドロキシナフトイル)セリン、N−(アミノナフトイル)セリン、N−(クロロナフトイル)セリン、N−(フルオロナフトイル)セリン、N−(トリフルオロメチルナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(メチルフェニルベンゾイル)セリン、N−(エチルフェニルベンゾイル)セリン、N−(プロピルフェニルベンゾイル)セリン、N−(メトキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(エトキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(プロピルオキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(ヒドロキシフェニルベンゾイル)セリン、N−(アミノフェニルベンゾイル)セリン、N−(クロロフェニルベンゾイル)セリン、N−(フルオロフェニルベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルフェニルベンゾイル)セリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、N−(メチルベンゾイル)セリン、N−(エチルベンゾイル)セリン、N−(メトキシベンゾイル)セリン、N−(フルオロベンゾイル)セリン、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)セリン、N−(ナフトイル)セリン、N−(フェニルベンゾイル)セリン、N−(ベンゾイル)セリン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、N−(p−メチルベンゾイル)セリン(化合物1)、N−(p−エチルベンゾイル)セリン(化合物2)、N−(p−メトキシベンゾイル)セリン(化合物3)、N−(p−フルオロベンゾイル)セリン(化合物4)、N−(p−トリフルオロメチルベンゾイル)セリン(化合物5)、N−(2−ナフトイル)セリン(化合物6)、N−(4−フェニルベンゾイル)セリン(化合物7)、N−(ベンゾイル)セリン(化合物8)、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述するAGEs分解剤と共に皮膚外用剤に含有させることにより、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。
【0043】
前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販されるセリン又はセリン誘導体を出発原料とし、例えば、WO2011074643号に記載の方法、更には、「ペプチド合成の基礎と実験(丸善)」等に記載の方法等に従い製造することも出来る。かかる化合物は、そのまま本発明の皮膚外用剤に含有させ使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。かかる塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
【0044】
本発明の皮膚外用剤は、斯くして得られた前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩から選択される1種又は2種以上を皮膚外用剤に含有させることが出来る。本発明の皮膚外用剤の必須成分である前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の皮膚外用剤における含有量は特に限定さないが、かかる成分の含有量としては、通常、皮膚外用剤全量に対し総量で0.0001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.001質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.005〜5質量%含有することが好ましい。これは、皮膚外用剤全量に対する前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の含有量が0.0001質量%より少ないと色素沈着予防又は改善効果が低下する傾向にあり、また20質量%を超える量を配合しても、前記効果が頭打ちになる傾向にあり、処方の自由度が低下する恐れがあるため、皮膚外用剤全量に対する前記の含有量が好ましい。
【0045】
<本発明のアドバンスド・グリケーション・エンドプロダクツ(AGEs)分解剤>
メイラード糖化反応は、加熱によりアミノ酸と還元糖が褐色の色素を生成する反応である。メイラード反応は、還元糖のカルボニル基及びアミノ酸のアミノ基がシッフ塩基を形成した後、エナミノールを経由し、アマドリ転位により安定なアマドリ化合物を生成する初期段階と、それ以降の、脱水、加水分解、炭素間の開裂により、α−ジカルボニル化合物を生成し、その後、α−ジカルボニル化合物、シッフ塩基、アマドリ化合物の分解、脂質過酸化反応由来のアルデヒド、糖の自動酸化及び分解などによりAGEsが生成する後期段階に分類することが出来る。AGEsは、前記のメイラード糖化反応の結果生じる生成物の総称であり、単一の化合物を意味するものではない。また、メイラード反応は、最終生成物のAGEs生成に至る過程において、生体内蛋白質と分子内又は分子間の無秩序な架橋構造を形成することにより、皮膚の色調のくすみ、弾力性、肌の肌理等の美肌、美白的な要因に深く関与する。また、皮膚中に存在するAGEsの内、真皮AGEsを分解する成分は、メイラード糖化反応を抑制することにより、くすみなどの色素沈着を予防又は改善する作用が存する。しかしながら、真皮AGEsを分解する成分を用いたとしても、紫外線暴露による色素沈着に対する予防又は改善効果、取り分け、治りの難いしみ、くすみ、炎症、肌荒れ症状を伴う色素沈着に対する予防又は改善効果は満足のいくものではなかった。本発明の皮膚外用剤は、AGEs分解剤、取り分け、角層AGEs分解作用(表皮AGEs分解作用)を有するAGEs分解剤と、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に皮膚外用剤に含有させることにより、前記の色素沈着症状に対する予防又は改善効果に優れる皮膚外用剤を提供することが出来る。
【0046】
本発明のAGEs分解剤としては、皮膚中のAGEs量を減少させる作用を有する成分、取り分け、皮膚角層中のAGEsを分解する作用を有する成分であれば、特段の限定なく適用することが出来る。かかる成分を具体的に挙げれば、皮膚中のAGEsを分解する作用を有する成分、皮膚中のAGEs産生量を抑制する成分などが好適に例示出来る。また、本発明のAGEs分解剤としは、皮膚中のAEGs量を減少させる成分であれば特段の限定はなく、表皮又は真皮に存在するAGEsを分解する作用を有する成分が好適に例示出来、さらに好ましいものとしては、角層中のAGEs量を減少させる作用を有する成分が好適に例示出来る。また、本発明のAGEs分解剤としては、例えば、特開2007−161662号公報に記載されたAGEs分解作用評価(α−ジケトンのC-C結合切断作用の測定、グルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定)などの評価系においてAGEs分解作用を示す成分が好適に例示出来る。かかるAGEs分解作用評価系であるα−ジケトンのC-C結合切断作用の測定評価において、AGEs分解剤と判別されるものとしては、1−フェニル−1,2−プロパンジオンの量より算出される安息香酸の理論量に対し、実際に生成する安息香酸の量が、20%以上である物質、又は、グルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定評価において、AGEs分解率が15%以上である物質を意味する。
【0047】
本発明のAGEs分解剤の内、角層のAGEsを分解する作用を有する成分としては、ヒト角層中におけるAGEs分解作用評価において、パネラーより採取された角層標本に、抗AGEs抗体を反応させ、該反応部位を検知し、AGEs分解剤との共存下では、非共存下よりも明らかに反応部位が少なかった成分が、角層中に存在するAGEsの分解作用を有する成分と言うことが出来る。この様なヒト角層中におけるAGEsの生成を抑制する作用を有する成分としては、例えば、特開2011−011981号公報に記載されたヒト角層中におけるAGEs生成抑制評価において、角層標本をグルコース溶液に浸漬させて37℃で放置してAGEsを生成させた場合、前記AGEs分解剤との共存下では、非共存下よりも明らかに反応部位が少なかった場合に、角層中におけるAGEsの生成を抑制する作用を有する成分が好適に例示出来る。
【0048】
本発明のAGEs分解剤としては、単純な化学物質、又は、動物又は植物より得られる抽出物などが好適に例示出来、かかる成分の内、1種又は2種以上を選択し皮膚外用剤に含有させることが出来る。ここで、本発明における植物抽出物とは、抽出物自体、抽出物の分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。本発明のAGEs分解剤としては、マメ科ゲンゲ属、モクセイ科オリ
ーブ属、ユキノシタ科ユキノシタ属、バラ科ポテンチラ属
、マメ科アスパラトゥス属、バラ科シモツケソウ属、キク科ヨモギ属に属する植物より得られる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、マメ科ゲンゲ属レンゲソウ、モクセイ科オリ
ーブ属オリ
ーブ、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタ、バラ科ポテンチラ属トルメンチラ、バラ科
ポテンチラ属カワラサイコ、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイ、マメ科アスパラトゥス属ルイボス、バラ科シモツケソウ属シモツケソウ、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物、さらに好ましくは、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。また、前記AGEs分解剤である植物抽出物の内、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物は、特に、角層中のAGEs分解作用に優れる。
【0049】
本発明の皮膚中のAGEs分解作用を有する植物抽出物の内、モクセイ科オリ
ーブ属オリ
ーブは、北アフリカ原産の常緑高木であり、果実は、オリ
ーブオイルやピクルスとして使用されている。日本においては、香川県の小豆島などで栽培されている。ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタは、中国・日本を原産地とする常緑多年草であり、民間薬として使用されている。また、日本においては、北海道から九州に渡る幅広い地域にて栽培されている。バラ科ポテンチラ属トルメンチラは、ヨ
ーロッパに分布する多年草であり、肌を引きしめる効果や抗菌作用がある。バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイは、中国を原産地とする砂礫地、草地に生育する多年草の高山植物であり、日本においては、本州中部以北、北海道、千島列島等に成育する。バラ科
ポテンチラ属カワラサイコは、日本においては、本州、四国、九州の日当たりのよい河原、砂地などに生育する多年草である。全草を翻白草、根を紅柴胡と称し、解熱通経薬として使用する。マメ科アスパラトゥス属ルイボスは、南アフリカ共和国の西ケ
ープ州の北に広がるセダルバ
ーグ山脈一帯のみに自生する針葉樹様の葉を持つ植物であり、葉を乾燥し健康茶に用いる。バラ科シモツケソウ属シモツケソウは、日本、中国原産の多年草の小低木であり、日本においては、関東以西の本州、四国、九州に自生している。キク科ヨモギ属ヨモギは、欧州、北アフリカ原産の耐寒性多年草であり、日本においては、草もち、お灸のもぐさなど古くから利用されてきた。日本においては、本州から九州、沖縄に渡る広い範囲に自生する。マメ科ゲンゲ属レンゲソウは、中国原産の二年草で、利尿、解熱作用があることが知られている。また、日本全土において、栽培されている。
【0050】
かかる植物の抽出物を作製するためには、植物自体を裁断、破粉、粉砕等し溶媒にて抽出することも出来るが、好ましくは、植物体の全部乃至は一部或いはその加工物を溶媒で抽出することが好ましい。なお、前記の植物抽出物を得るためには、植物体の全部又は一部であれば特段の限定なく使用出来、例えば、果実、果皮、樹皮、幹、枝、葉、花、根、種子等が挙げられる。これらは単独の部位を用いてもよいし、2部位以上を用いてもよい。
【0051】
前記植物抽出物を製造する際に用いる抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、1,3−ブタンジオール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類から選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来る。
【0052】
本発明の皮膚外用剤の必須成分であるAGEs分解剤の皮膚外用剤における含有量は特に限定さない。本発明のAGEs分解剤の皮膚外用剤における含有量としては、通常、皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.001質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.05質量%〜3質量%含有することが好ましい。これは、AGEs分解剤の含有量が少なすぎると、本発明の皮膚外用剤が有する皮膚症状に対する優れた予防又は治療効果が低下する傾向が認められ、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。また、本発明の皮膚外用剤を色素沈着予防又は改善用以外を目的に配合した場合であっても、本発明の皮膚外用剤が、色素沈着予防又は改善作用を発揮する場合は、本願発明の構成と効果を充足するので、本発明の技術的範囲に属する。
【0053】
本発明における前記の植物抽出物より得られるAGEs分解作用を有する成分は、日本において自生又は生育された植物、漢方生薬原料などとして販売される日本産のものを用い、抽出物を作製することも出来るし、丸善製薬株式会社などの植物抽出物を取り扱う会社より販売されている市販の抽出物を購入し、使用することも出来る。抽出に際しては、植物体、地上部又は木幹部は予め、粉砕或いは細切して抽出効率を向上させるように加工することが好ましい。抽出物は、植物体、地上部乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬する。浸漬後は、室温まで冷却し、所望により不溶物を除去した後、溶媒を減圧濃縮するなどにより除去することが出来る。しかる後、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィーなどで分画精製し、所望の抽出物を得ることが出来る。
【0054】
<製造例1: 本発明のモクセイ科オリーブ属オリーブより得られる抽出物の製造方法>
オリーブの葉3(kg)に50%エタノール水溶液5Lを加え、2時間加熱環流し、濾過によって不溶物を取り除き減圧濃縮し、本発明のオリーブより得られる植物抽出物を44(g)得た。
【0055】
<製造例2: 本発明のユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物の製造方法>
ユキノシタの葉3.5(kg)に50%エタノール水溶液6Lを加え、2時間加熱環流し、濾過によって不溶物を取り除き減圧濃縮し、本発明のユキノシタより得られる植物抽出物を41(g)得た。
【0056】
<製造例3: 本発明のバラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物の製造方法>
バラ科ポテンチラ属トルメンチラの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物1を得た。しかる後に、植物抽出物1に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属トルメンシラより得られる植物抽出物を得た。
【0057】
<製造例4: 本発明のバラ科
ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物の製造方法>
バラ科
ポテンチラ属カワラサイコの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500
(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物2を得た。しかる後に、植物抽出物2に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科
ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物を得た。
【0058】
<製造例5: 本発明のバラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物の製造方法>
バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、植物抽出物3を得た。しかる後に、植物抽出物3に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物を得た。
【0059】
<製造例6: 本発明のマメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物の製造方法>
マメ科アスパラトゥス属ルイボスの葉の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物4を得た。しかる後に、抽出物4に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のマメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物を得た。
【0060】
<製造例7: 本発明のバラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物の製造方法>
バラ科ポテンチラ属シモツケソウの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物5を得た。しかる後に、抽出物5に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のバラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物を得た。
【0061】
<製造例8: 本発明のキク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物の製造方法>
キク科ヨモギ属ヨモギの全草の乾燥物100(g)を、細切した後、500(mL)の50%エタノール水溶液を加えて3時間、加熱還流し、冷却後濾過にて不溶物を取り除いた後、減圧濃縮し、ついで凍結乾燥し、抽出物6を得た。しかる後に、抽出物6に200(mL)の水と200(mL)の酢酸エチルを加え、液液抽出を行い、酢酸エチル相をとり、減圧濃縮し、本発明のキク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物を得た。
【0062】
<製造例9: 本発明のマメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物の製造方法>
マメ科ゲンゲ属レンゲソウの全草及び種子の乾燥物1(kg)を細断し、10(L)のエタノール溶液を加え、50℃以下の温度にて一晩浸漬した後、濾過にて不溶物を除去することにより、エタノール溶液抽出物である抽出物を得た。
【0063】
以下の方法に従い、本発明のAGEs分解剤のAGEs分解作用を評価した。
【0064】
<試験例1: AGEs分解作用評価1(α−ジケトンのC-C結合切断作用の測定)>
22mM 1−フェニル−1,2−プロパンジオン/メタノ
ール+0.1M リン酸緩
衝液(pH7.4) 1(mL)と、本発明の植物抽出物(モクセイ科オリーブ属オリ
ーブより得られる植物抽出物、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物、バラ科
ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物、バラ科シモツケソウ属シ
モツケソウより得られる植物抽出物、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物) 1×10
-3(w/w%)を混合し、3
7℃で10時間反応させ、安息香酸の量をHPLCにて定量した。
(HPLC条件)
分析条件 検出器 :紫外吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム :東ソー TSK−ODS80TsQA
カラム温度:室温
移動層 :氷酢酸2(g)/アセトニトリル 500(mL)+エデト酸二ナトリウム溶液(1→250) 500(mL)
流量:1(mL)/min.
【0065】
前述した本発明のAGEs分解剤に付いて、試験例1に記載の方法に従いAGEs分解作用評価(α−ジケトンのC-C結合切断作用の測定)を実施した。本発明のAGEs分解作用を有する
植物抽出物の切断作用は、モクセイ科オリ
ーブ属オリーブより得られる植物抽出物(29%)、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物(35%)、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物(32%)、バラ科
ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物(29%)、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物(34%)、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物(25%)、バラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物(37%)、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物(33%)、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物(43%)であった。本発明のAGEs分解剤には、優れたAGEs分解作用が認められた。
【0066】
<試験例2: AGEs分解作用評価2(グルコ−ス−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定)>
以下の試験材料を用い、AGEs分解作用評価を実施した。
AGE−BSA:グルコースと牛血清アルブミン(BSA)を37℃で12週間以上インキュベートし、PD−10 columns(Amersham Biosciences 17−0851−01)にて余分なグルコ−スを除いたもの、1次抗体 :Anti-Albumin、Bovine Serum、Rabbit−Poly ROCKLAND 201−41331/20000、2次抗体 :Goat anti−rabbit IgG horseradish peroxidase conjugate BioRAD 170−6515 1/10000、基質 :TMB solution Wako 546−01911
(手順)
Type I コラーゲンコートした96穴マイクロプレート(Bio Coat 35 4407)に10(μg/mL)のAGE-BSAを100μL加え、1.0μg(AGE-BSA/well) 37℃にて4時間静置した後、0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄(マイクロミキサー上で室温、3分間振とうし)、PBS(−)に溶解した濃度(1×10
−3%)の試料を100(μL)加え、37℃で10時間以上反応させる。その後、0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、1次抗体を各wellに100μL/well加え、室温で30分間静置する。0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、2次抗体を100(μL/well)入れ、室温30分間静置する。0.05%Tween20/PBS(−)にて3回洗浄し、TMBを100(μL/well)加え、室温15分反応させる。1N塩酸を100(μL/well)入れ、反応を止め、450nmの吸光度を測定する。AGEsの量を変え、検量線を引き、この検量線より残存AGEs量を定量した。残存AGEsを添加したAGEsより減じ、添加したAGEsで除し、100を乗じてAGEs分解率を算出した。
【0067】
前述した本発明のAGEs分解剤に関し、試験例2に記載の方法に従いAGEs分解作用評価(グルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用の測定)を実施した。本発明のAGEs分解作用を有する植物抽出物のグルコース−牛血清アルブミンAGEs分解作用は、モクセイ科オリーブ属オリーブより得られる植物抽出物(25%)、ユキノシタ科ユキノシタ属ユキノシタより得られる植物抽出物(31%)、バラ科ポテンチラ属トルメンチラより得られる植物抽出物(27%)、バラ科
ポテンチラ属カワラサイコより得られる植物抽出物(36%)、バラ科ポテンチラ属ミヤマキンバイより得られる植物抽出物(40%)、マメ科アスパラトゥス属ルイボスより得られる植物抽出物(28%)、バラ科シモツケソウ属シモツケソウより得られる植物抽出物(35%)、キク科ヨモギ属ヨモギより得られる植物抽出物(38%)、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物(45%)であった。本発明のAGEs分解剤には、優れたAGEs分解作用が認められた。
【0068】
<試験例3: ヒト角層中におけるAGEsの産生抑制作用評価>
角層中のAGEsは次のようにして検出できる。皮膚より市販の粘着テープ等を利用してテープストリッピングにより角層採取を行い、溶剤で半日処理して粘着テ−プ部分を除去する。得られた角層に対して免疫組織染色を行い、染色された角層標本を顕微鏡下で観察する。結果を
図1に示す。前記溶剤としては、有機溶媒、特にキシレンが好ましく例示できる。免疫組織染色の条件として、一次抗体(anti AGE monocronal antibody(mouse) TransGenic KH001)、ビオチン化2次抗体(Biotin-Rabbit Anti Mouse IGg conjugate ZYMED 81-6740)、ABC 試薬(R.T.U VECTASTAIN Elite ABC REAGENT BECTOR PK-7100)、AEC基質(ENVISION kit/HRP(AEC) Dako K3464)が好ましく例示できる。対照として、70%エタノール溶液に浸漬した角層標本を用意した。角層標本を、100mMグルコースを溶解した70%エタノール溶液に浸漬する。また、本発明のAGEs分解剤であるマメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物 0.1%共存下、非共存下で、37度で8日間放置後、AGEsを検知した。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物の非共存下においては、対照と比較して明らかに反応部位が多く、グルコースによりAGEsが産生したことがわかった。マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物 0.1%共存下では、非共存下に比べて明らかに反応部位が少なく、マメ科ゲンゲ属レンゲソウより得られる植物抽出物がヒト角層中におけるAGEsの産生抑制作用を有することがわかった。この度合いは、標識の存在面積比によって定量化することができるし、該標識の存在割合は、後述の如く、スコアなどで簡便に数値化できる。
【0069】
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤を含有することを特徴とする。また、本発明の皮膚外用剤は、優れた色素沈着予防又は改善作用を有する。本発明の皮膚外用剤の製造方法は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤を含有するものであれば、両成分の含有量やその他の構成については特に限定されず、調製方法も特に限定されない。
【0070】
本発明の皮膚外用剤の必須成分である1)前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)AGEs分解剤とを含有する皮膚外用剤の製剤化にあたっては、通常の医薬品、医薬部外品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。本発明の皮膚外用剤としては、医薬品、医薬部外品、化粧品などが好適に例示出来、日常的に摂取出来ることから、化粧品、医薬部外品などに適応することが好ましい。その投与経路としては、かかる成分が連続投与される場合、さらには安全性を考慮し、経皮的に投与されることが好ましい。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば、特段の限定無く使用することが出来、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨などが好適に例示出来、化粧料に適用することが特に好ましい。これは本発明の皮膚外用剤が、比類無き使用感の良さを有しているため、使用感が重要な化粧料に特に好適であるためである。また、本発明の皮膚外用剤としては、例えば、化粧料などのローション、乳液、エッセンス、クリーム、パック化粧料、洗顔化粧料、クレンジング化粧料等が好ましく例示出来る更にその剤形としては、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に好ましく例示出来る。
【0071】
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコ−ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエ−テル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;桂皮酸系紫外線吸収剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤;ヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物などが好ましく例示出来る。本発明の皮膚外用剤は、前記の任意成分や必須成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
【0072】
本発明の皮膚外用剤は前記の必須成分を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、化粧料の領域で知られているものであれば特段の限定はなく、ローション製剤、水中油乳化製剤、油中水乳化製剤、複合エマルション乳化製剤等に乳化剤形の形態としては、油中水乳化剤形でも、水中油乳化剤形でも構わないが、油中水乳化剤形が特に好ましい。ここで、油中水乳化剤形とは外相に油相を有する乳化剤形を総合して称する言葉であり、内相に水相を含有していても良いし、水中油エマルションなどの乳化物を有していても良い。
【0073】
以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。
【実施例1】
【0074】
<製造例10: 本発明の皮膚外用剤の製造方法1>
以下の表1及び表2に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ローション1〜4)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却した後、化粧料(ローション1〜4)を得た。同様に、表1の処方成分中の「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明のAGEs分解剤」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明のAGEs分解剤」を共に「水」に置換した比較例3を作製した。また、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明のAGEs分解剤」の化粧料(ローション)における含有量変化は、「水」の含有量を調整することにより全体として100質量%となる様に調整した。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【実施例2】
【0077】
<試験例4: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制効果評価1>
実施例1に記載の方法に従い製造した化粧料(ローション1〜4)及び比較例1〜3を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラ−の背部に、試験初日(1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(ローション1〜4及び比較例1〜3)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、試験初日のL*値から15日目のL*値を引いたΔL*値を算出した。L*値は大きいほど皮膚明度が高いことを示す。そのため、ΔL*値が小さいほど、試験初日のL*値と15日目のL*値との差が小さく、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表3に示す。本発明の皮膚外用剤であるローション1〜4は、比較例3と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着抑制効果を有することが分かる。また、比較例1及び比較例2も、比較例3と比べてΔL*値が小さく、色素沈着抑制作用が認められたが、その効果はローション1〜4に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ローション1〜4)は、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を示すことが分かる。
【0078】
【表3】
【実施例3】
【0079】
<製造例10: 本発明の皮膚外用剤の製造方法2>
表4及び表5に記載の処方に従い油中水乳化剤型の化粧料(クリーム1〜3)を作製した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃に加温し、イの中にニを加えて溶解させ、混練してゲルを形成させ、これにロを加え希釈し、これに攪拌下徐々にハを加えて乳化し、攪拌冷却し、本発明の皮膚外用剤である化粧料(クリーム1〜3)を作製した。同様に、表4の処方成分中の「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例4、「本発明のAGEs分解剤」を「水」に置換した比較例5、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明のAGEs分解剤」を共に「水」に置換した比較例6を作製した。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【実施例4】
【0082】
<試験例5: 本発明の皮膚外用剤の色素沈着抑制効果評価2>
実施例3に記載の方法に従い製造した化粧料(クリーム1及び2)及び比較例4〜6に関し、実施例2に記載の試験方法に従い色素沈着抑制効果を評価した。結果を表6に示す。本発明の皮膚外用剤である化粧料(クリーム1及び2)は、比較例4〜6と比べてΔL*値が小さく、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を有することが分かる。
【0083】
【表6】